JP2002343737A - レーザアニール方法とレーザアニール装置 - Google Patents

レーザアニール方法とレーザアニール装置

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JP2002343737A
JP2002343737A JP2001141642A JP2001141642A JP2002343737A JP 2002343737 A JP2002343737 A JP 2002343737A JP 2001141642 A JP2001141642 A JP 2001141642A JP 2001141642 A JP2001141642 A JP 2001141642A JP 2002343737 A JP2002343737 A JP 2002343737A
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laser
semiconductor film
laser beam
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phase difference
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JP2001141642A
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English (en)
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Mikito Ishii
幹人 石井
Kenichiro Nishida
健一郎 西田
Norihito Kawaguchi
紀仁 河口
Miyuki Masaki
みゆき 正木
Atsushi Yoshinouchi
淳 芳之内
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IHI Corp
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動度が今以上に良好なシリコン膜を得るこ
とのできるレーザアニール方法とレーザアニール装置を
提供しようとする。 【解決手段】従来の半導体膜を結晶化するレーザアニー
ル方法にかわって、レーザに位相差を与える複数のコー
ティングがレーザ透過面又はレーザ反射面に配置された
位相板を用意し、レーザを発振し発射し、レーザを集光
レンズに通し、集光レンズの前または後の光軸上でレー
ザを位相板に通し、集光したレーザを半導体膜に照射す
るものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ照射により
基板上のシリコン膜を加熱して結晶粒を成長させるレー
ザアニール方法およびその方法を使用するレーザアニー
ル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザの応用の一つとして、液晶ディス
プレイ(LCD)等に用いられる薄膜トランジスタ(T
hin Film transister:TFT)へ
のアニールが注目を集めており、例えば特開平4−37
144号にエキシマレーザを照射して特性を改善する
「薄膜トランジスタの作製方法」が開示されている。
【0003】レーザアニールが用いられるのは、ポリシ
リコン膜の形成とコンタクト層の活性化である。レーザ
照射によりシリコン膜が溶融、結晶化してポリシリコン
となる。一度溶融過程を経るため高品質の膜が形成され
る。レーザエネルギーは半導体膜で吸収される。レーザ
がパルスであれば、パルス幅が数10ns程度であるた
めシリコンの溶融時間は数100ns程度となり下地の
ガラス基板への影響がほとんどない。また他の低温形成
法、例えば特開昭61−32419号の「赤外線アニー
ル方法」ではポリシリコン形成や活性化に1000〜1
200度C前後の高温で長時間アニールが必要となり、
ガラス基板が歪んだり不純物の拡散が問題となったりす
るが、レーザアニールによれば最高温度400℃台での
形成が可能であり、このような問題がない。
【0004】TFTの動作速度は移動度(単位cm2
V・s)で表される。ポリシリコンTFTの移動度は、
10〜600cm2/V・sである。この移動度に幅が
あるのはそれが粒経と粒界の両方に依存するためであ
る。高い移動度を得るためには、粒内欠陥が少なくなる
単結晶に近いこと、低欠陥な粒界を形成することが必要
である。一般に粒径が大きく、粒径が均一で、粒界の欠
陥が少ないほど高移動度が得られる。
【0005】図12は、低温ポリシリコンTFTの製造
プロセスを模式的に示している。この図において、
(1)でガラス基板の表面にアモルファスシリコン(a
−Si)を形成し、(2)でa−Siをポリシリコン
(poly−Si)に変換すると共に、ドライエッチン
グし、(3)で表面を絶縁被膜(SiO2)で覆い、
(4)で電極膜を形成し、(5)でドーピングをおこな
う。レーザアニールは、上記の(2)と(5)とでpo
ly−Siを加熱して、結晶の粒径を大きくし、かつド
ーピングにより打ち込まれた不純物を拡散させシリコン
との結合を高め、高移動度を得るために施される。
【0006】図8は、従来のレーザアニール装置の概念
図である。使用されるレーザは、例えばXeCL,Ar
F,KrF,XeFのエキシマレーザやYAGレーザ等
である。以下にエキシマレーザによるレーザアニール装
置を説明する。従来のレーザアニール装置30は、レー
ザ発振光学系31と45度ミラー35と集光レンズ36
とステージ38とステージコントローラ(図示せず)と
レーザコントローラ(図示せず)と制御用コンピュータ
(図示せず)とを備える。レーザ発振光学系31は、レ
ーザアニールに必要な特性を持つレーザビームを射出す
る光学系であり、レーザ発振器32とアッテネータ33
と線状ビームホモジナイザ34を有する。レーザ発振器
32は、レーザを発振し射出する装置であ、エキシマレ
ーザを所定の周期(例えば、300Hz)で水平に射出
する。そのエキシマレーザは、その断面が円形であり、
そのエネルギー密度がいわゆるトップハット型のプロフ
ァイルを有するアッテネータ33は、入射されたレーザ
ビームのエネルギー密度を調整する装置であり、レーザ
発振器32の後流に配置される。線状ビームホモジナイ
ザ34は、入射したレーザビームを水平方向に広げ線状
(例えば、線長さ200mm)のレーザビームにし、さ
らに強度分布を均一とする装置であり、アッテネータ3
3の後流におかれる。以下、説明の便宜のため、ビーム
断面の長い方を長手方向、短い方を幅方向と呼ぶ。線状
ビームの断面は長手方向に長軸をもち幅方向に短軸をも
つ長方形であり、そのエネルギー密度は幅方向にトップ
ハット型分布を持ち長手方向に平坦なプロファイルを持
つ。
【0007】45度ミラー35は、レーザビームの向き
を幅方向に90度変化させ反射する装置であり、線状ビ
ームホモジナイザ34の後流に置かれ、反射したレーザ
ビームは下向きになる。集光レンズ36は、試料37の
上面に所定の線長さ(例えば200mm)と所定の幅
(例えば、400μm)を有するレーザビームが照射さ
れる様に、ビームを幅方向に集光させるシリンドリカル
レンズであり、45度ミラー35の後流に置かれる。ス
テージ38は、レーザアニールされる試料37を面が水
平になるように支持して、レーザビームの幅方向に移動
させる送り台であり、集光レンズの後流に置かれる。ス
テージコントローラは、試料ステージを制御する装置で
ある。レーザコントローラは、レーザ光学系全体を制御
する装置である。制御用コントローラは、レーザアニー
ル装置全体を制御する装置であり、操作員は制御コント
ローラを操作する。レーザコントローラがエキシマレー
ザを1回照射する毎に、ステージコントローラがステー
ジを所定の距離Tだけ試料を幅方向に移動させる。一般
に距離Tはエキシマレーザのトップハット型のレーザプ
ロファイルの幅寸法の5%程度である。従って、1回毎
にレーザビームの幅方向の95%の領域が重複してレー
ザ照射されることとなる。場合によっては、さらにチャ
ンバー内はポンプ系、ガス系により真空又はガス雰囲気
にコントロールされる。
【0008】次に、従来のレーザアニール方法を説明す
る。従来のパルスレーザであるエキシマレーザの線状ビ
ームを用いる例を説明する。図9は、従来のレーザ照射
の概念図である。エキシマレーザは、レーザ発振器32
により発振され、所定の周期(例えば、400Hz)で
射出される。そのエキシマレーザのエネルギー分布は、
断面が円形でありいわゆるトップハット型のプロファイ
ルを有する。エキシマレーザは、アッテネータ33を通
過して、そのエネルギー密度を調整される。次にエキシ
マレーザは、線状ビームホモジナイザ34を通過して、
断面が水平方向に長い長方形のいわゆる線状ビームとな
る。エキシマレーザのレーザビーム断面は、長手方向に
長軸、幅方向に短軸をもつ長方形になり、そのエネルギ
ー密度分布が幅方向にトップハット型のプロファイル3
9と長手方向に平坦なプロファイルとを持つ。レーザビ
ームは、45度ミラーによりその軸線を直角に曲げられ
て下向きになる。レーザビームは、ステージ38に支持
された試料の面に所定の線長さ(例えば200mm)と
所定の幅(例えば400μm)に集光されて照射され
る。ステージ38は、試料37を支持しつつ、幅方向に
移動させる。この際、レーザの照射ごとに所定のオーバ
ラップ(例えば、幅寸法の95%)が生ずる様にレーザ
パルスに同期して試料を動かす。
【0009】以上の説明した方法で、試料をレーザアニ
ールすると、シリコン膜はレーザに照射され、幅方向に
溶解しながら順次固まるので、固まる際に結晶化する。
この方法により1μm程度までの大きさの結晶をつくる
ことができる。図10は、結晶化したシリコン膜の模式
図である。1μm以下のシリコン結晶40が密に配列し
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のレーザアニール
方法とレーザアニール装置では、多結晶シリコン膜の結
晶が1μm以上の大きさに成長することが困難であると
いう不具合があった。さらに、大小の結晶粒が混在し、
結晶粒の均一性が悪いという不具合があった。そのた
め、多結晶シリコン膜の移動度の向上が今以上には望め
ないという問題点があった。
【0011】ところで、最近の研究により、レーザによ
るポリシリコンの結晶化現象において、レーザビームの
エネルギー密度の分布を表すビームプロファイルの形状
と結晶粒の大きさに相関があることを発見されている。
その一例を図を基に説明する。図11は、試験結果の結
晶化の模式図である。この模式図は、シリコン膜に従来
の装置を用いて、YAGレーザの線状ビームを1回照射
した時の、レーザプロファイルとアモルファスシリコン
膜51の結晶化の様子を示している。この様子を見る
と、レーザビーム幅の中で一様に結晶化が起こるのでは
ないことが分かる。特に、レーザプロファイルの傾斜角
が最大になる位置に対応するシリコン膜に大きな結晶が
成長する。すなわち、レーザビームのエネルギー密度を
表すビームプロファイル50は、一般に山形であり、例
えば、台形形状(いわゆる、トップハット型と呼ばれ
る)やガウシアン分布形状となる。例えば、アモルファ
スシリコンの薄膜にガウシアン分布をもつレーザを照射
すると、粒子径の小さな結晶粒がガウシアン分布の頂点
部53と裾野部54とに成長し、粒子径の大きな結晶粒
52がレーザビームプロファイルの傾きが最大になる位
置52に成長する。
【0012】このことから、半値幅の小さなガウシアン
プロファイルを持ったレーザビームを密に照射すると、
プロファイルの傾きが最大になる位置が密になるので、
粒子径の大きな結晶粒が密に成長するのではないかと期
待される。しかし、レーザアニールに用いられているエ
キシマレーザやYAGレーザを集光レンズで集光させる
と、50ミクロン程度にまで絞ることができるが、それ
よりも小さく絞ることができない。
【0013】本発明は以上に述べた問題点に鑑み、新た
に発見した知見に基づき、案出されたもので、従来のレ
ーザアニール方法とレーザアニール装置にかわって、移
動度が今以上に良好なシリコン膜を得ることのできるレ
ーザアニール方法とレーザアニール装置を提供しようと
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る半導体膜を結晶化するレーザアニール
方法は、レーザを発振し発射するレーザ発振工程と、前
記レーザを半導体膜面に集光させるレーザ集光工程と、
前記レーザのビームを微小ビームに分割して微小ビーム
毎に位相差をつけるレーザ位相変調工程と、集光したレ
ーザを半導体膜に照射するレーザ照射工程と、を備え、
レーザ位相変調工程がレーザ集光工程の前工程または後
工程の一方として行うものとした。上記本発明の構成に
より、レーザが、発振して発射され、半導体膜面に集光
され、ビームを微小分割されてできた微小ビーム毎に位
相差をつけられ、集光したレーザを半導体膜に照射され
る、または、レーザが、発振して発射され、ビームを微
小ビームに分割して微小ビーム毎に位相差をつけられ、
半導体膜面に集光され、集光したレーザを半導体膜に照
射されるので、位相差のある微小なレーザビームの束が
半導体膜に集光されて相互干渉が生じスペックルパター
ンとなり、そのペックルパターンのレーザが半導体膜に
照射され、半導体膜に粒径の大きな結晶粒が成長する。
【0015】さらに、本発明に係るレーザアニール方法
は、レーザ位相変調工程が、レーザに位相差を与える複
数のコーティングがレーザ透過面またはレーザ反射面に
配置された位相板を用意し、前記レーザをその位相板に
通過または反射の一方をさせるものとした。上記本発明
の構成により、レーザが、レーザに位相差を与える複数
のコーティングがレーザ透過面に配置された位相板に通
過させられ、または、レーザに位相差を与える複数のコ
ーティングがレーザ反射面に配置された位相板に反射さ
せられるので、位相差のある微小なレーザビームの束が
半導体膜に集光されて相互干渉が生じスペックルパター
ンとなり、そのペックルパターンのレーザが半導体膜に
照射され、半導体膜に粒径の大きな結晶粒が成長する。
【0016】さらに、本発明に係るレーザアニール方法
は、レーザ照射工程が、集光したレーザを半導体膜に照
射する毎に、半導体膜でのレーザの照射位置をステップ
距離Tだけレーザビーム幅方向にずらし、ステップ距離
Tがレーザビーム幅より小さいものとした。上記本発明
の構成により、集光しスペックルパターンを持つレーザ
が半導体膜に照射される毎に、半導体膜でのレーザの照
射位置をレーザビーム幅より小さいステップ距離Tだけ
レーザビーム幅方向にずらして、さらに集光しスペック
ルパターンを持つレーザが半導体膜に照射されるので、
半導体膜面に粒径の大きな結晶粒がステップ距離T毎に
成長する。
【0017】また、本発明に係るレーザアニール方法
は、ステップ距離Tがレーザビームの1回の照射で半導
体膜が溶解するレーザビーム幅方向の幅寸法にほぼ等し
いものとした。上記本発明の構成により、集光したレー
ザが半導体膜に照射される毎に、半導体膜でのレーザの
照射位置をレーザビームの1回の照射で半導体膜が溶解
するレーザビーム幅方向の幅距離にほぼ等しいステップ
距離Tだけレーザビーム幅方向にずらし、さらに集光し
たレーザが半導体膜に照射されるので、半導体膜面に粒
径の大きな結晶粒が幅方向に連続して成長する。
【0018】さらに、本発明に係るレーザアニール方法
は、位相差がレーザ波長の半波長分であるものとした。
上記本発明の構成により、位相差がレーザ波長の半波長
分であるので、レーザ波長の半波長分の位相差のある微
小なレーザビームの束が半導体膜に集光されて相互干渉
が生じ大きなエネルギー密度のピークをもつスペックル
パターンとなり、そのレーザビームが照射され、半導体
膜により粒径の大きな結晶粒が成長する。
【0019】さらに、本発明に係るレーザアニール方法
は、レーザ位相変調工程が、微小ビーム毎に不規則に位
相差をつけるものとした。上記本発明の構成により、レ
ーザが、ビームを微小ビームに分割され、微小ビーム毎
に不規則に位相差をつけられるので、位相差のある微小
なレーザビームの束が半導体膜に集光されて相互干渉が
生じスペックルパターンの包絡線がほぼガウシアン分布
曲線となり、そのレーザビームが照射され、半導体膜に
粒径の大きな結晶粒が均一に成長する。
【0020】さらに、本発明に係るレーザアニール方法
は、レーザ発振工程が、レーザを発振してそのレーザを
幅方向に線状に延ばして線状レーザに変換して発射し、
レーザ集光工程が、線状レーザを線方向の直交方向に集
光させるものとした。上記本発明の構成により、線状レ
ーザが線方向の直交方向に集光されるので、幅方向に位
相差のある微小なレーザビームの束が半導体膜に幅方向
に集光されて相互干渉が生じ、スペックルパターンを持
つ線状ビームとなり、そのスペックルパターンを持った
レーザビームが半導体膜に照射され、半導体膜に粒径の
大きな結晶粒が線状の領域に成長する。
【0021】上記目的を達成するため、本発明に係る基
板上の半導体膜を結晶化するレーザアニール装置は、レ
ーザを発振し発射するレーザ発振光学系と、レーザ光軸
上に配置された集光レンズと、集光レンズの前または後
の光軸上に配置された位相板と、集光したレーザが半導
体膜に当たる様に基板を支持する基板支持装置とを備
え、前記位相板はレーザに位相差を与える複数のコーテ
ィングがレーザ透過面またはレーザ反射面に配置される
ものとした。上記本発明の構成により、レーザ発振光学
系がレーザを発振し発射し、そのレーザが、集光レンズ
に通されて集光し、レーザに位相差を与える複数のコー
ティングがレーザ透過面又はレーザ反射面に配置される
位相板に集光レンズの前または後の光軸上で通され、集
光したレーザが半導体膜に照射されるので、位相差のあ
る微小なレーザビームの束が半導体膜に集光されて相互
干渉が生じスペックルパターンとなり、そのスペックル
パターンを持つレーザビームが半導体膜に照射され、半
導体膜に粒径の大きな結晶粒が成長する。
【0022】上記目的を達成するため、本発明に係る基
板上の半導体膜を結晶化するレーザアニール装置は、レ
ーザを発振し発射するレーザ発振光学系と、レーザ光軸
上に配置された集光レンズと、集光したレーザが半導体
膜に当たる様に基板を支持する基板支持装置とを備え、
前記集光レンズのレーザ透過面にレーザに位相差を与え
る複数のコーティングが配置されるものとした。上記本
発明の構成により、レーザ発振光学系がレーザを発振し
発射し、そのレーザがレーザに位相差を与える複数のコ
ーティングがレーザ透過面に配置される集光レンズに通
されて集光し、集光したレーザを半導体膜に照射するの
で、位相差のある微小なレーザビームの束が半導体膜に
集光されて相互干渉が生じスペックルパターンとなり、
そのスペックルパターンを持つレーザビームが半導体膜
に照射され、半導体膜に粒径の大きな結晶粒が成長す
る。
【0023】さらに、本発明に係るレーザアニール装置
は、基板支持装置が、集光したレーザを半導体膜に照射
する毎に、基板をステップ距離Tだけレーザビーム幅方
向の一方にずらし、ステップ幅Tがレーザビーム幅より
小さいものとした。上記本発明の構成により、集光しス
ペックルパターンを持つレーザが半導体膜に照射される
毎に、基板支持装置が基板をレーザビーム幅より小さい
ステップ距離Tだけレーザビーム幅方向の一方にずら
し、さらに集光しスペックルパターンを持つレーザが半
導体膜に照射されるので、半導体膜面に粒径の大きな結
晶粒がステップ距離T毎に成長する。
【0024】また、本発明に係るレーザアニール装置
は、ステップ距離Tが、レーザビームの1回の照射で半
導体膜が溶解するレーザビーム幅方向の幅距離にほぼ等
しいものとした。上記本発明の構成により、集光しスペ
ックルパターンを持つレーザが半導体膜に照射される毎
に、基板支持装置が基板をレーザビームの1回の照射で
半導体膜が溶解するレーザビーム幅方向の幅距離にほぼ
等しいステップ距離Tだけレーザビーム幅方向の一方に
ずらし、さらに集光しスペックルパターンを持つレーザ
が半導体膜に照射されるので、半導体膜面に粒径の大き
な結晶粒が幅方向に連続して成長する。
【0025】さらに、本発明に係るレーザアニール装置
は、位相差がレーザ波長の半波長分であるものとした。
上記本発明の構成により、位相差がレーザ波長の半波長
分であるので、レーザ波長の半波長分の位相差のある微
小なレーザビームの束が半導体膜に集光されて相互干渉
が生じ大きなエネルギー密度のピークをもつスペックル
パターンとなり、そのレーザビームが照射され、半導体
膜により粒径の大きな結晶粒が成長する。
【0026】さらに、本発明に係るレーザアニール装置
は、前記複数のコーティングがレーザビーム幅方向に不
規則に配置されるものとした。上記本発明の構成によ
り、前記複数のコーティングが、レーザビーム幅方向に
不規則に配置されるので、位相差のある微小なレーザビ
ームの束が半導体膜に集光されて相互干渉が生じスペッ
クルパターンの包絡線がガウシアン分布曲線となり、そ
のレーザビームが照射され、半導体膜に粒径の大きな結
晶粒が均一に成長する。
【0027】さらに、本発明に係るレーザアニール装置
は、レーザ発振光学系が、発振したレーザを幅方向の一
方に線状に延ばして線状レーザに変換する光学系を有
し、集光レンズがシリンドリカルレンズであるものとし
た。上記本発明の構成により、レーザ発振光学系が線状
レーザを発射し、その線状レーザがシリンドリカルレン
ズにより集光されるので、微小なレーザビームの束が半
導体膜に幅方向に集光されて相互干渉が生じ、スペック
ルパターンを持った線状ビームとなり、そのスペックル
パターンを持ったレーザビームが半導体膜に照射され、
半導体膜に粒径の大きな結晶粒が線状の領域に成長す
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共
通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略
する。
【0029】本発明の実施形態に係るレーザアニール装
置の構造を説明する。図1は、本発明の実施形態の概念
図である。
【0030】使用されるレーザは、例えばXeCL,A
rF,KrF,XeFのエキシマレーザやYAGレーザ
(第二高調波)等である。YAGレーザはエキシマレー
ザに比べビーム内の位相がよく一致しており、位相の相
互干渉がおこりやすいレーザである。以下にYAGレー
ザによるレーザアニール装置を説明する。レーザアニー
ル装置10は、レーザ発振光学系11と45度ミラー1
5とランダム位相板16と集光レンズ17とステージ1
9とステージコントローラ(図示せず)とレーザコント
ローラ(図示せず)と制御用コンピュータ(図示せず)
とを備える。レーザ発振光学系11は、レーザアニール
に必要な特性を持つレーザビームを射出する光学系であ
り、レーザ発振器12とアッテネータ13と線状ビーム
ホモジナイザ14を有する。レーザ発振器12は、レー
ザを発振し射出する装置であり、断面が円形でありエネ
ルギー密度がいわゆるガウシアン型のプロファイルを有
するYAGレーザを所定の周期で水平に射出する。アッ
テネータ13は、入射されたレーザビームのエネルギー
密度を調整する装置であり、レーザ発振器の後流に配置
される。線状ビームホモジナイザ14は、入射したレー
ザビームを水平方向に広げ線状(例えば、線長さ200
mm)のレーザビームにし、さらに強度分布を均一とす
る装置であり、アッテネータの後流におかれる。以下、
説明の便宜のため、ビーム断面の長い方を長手方向、短
い方を幅方向と呼ぶ。レーザビームのビーム断面は長手
方向に長軸をもち、幅方向に短軸をもつ長方形になり、
短軸方向にガウシアン型で長軸方向に平坦なプロファイ
ルをもつ。
【0031】45度ミラー15は、レーザビームの向き
を幅方向を90度変化させ反射する装置であり、線状ビ
ームホモジナイザの後流に置かれ、反射したレーザビー
ムは下向きになる。ランダム位相板16は、透過したレ
ーザを細かなレーザの束とし、それぞれに位相差を与え
る装置であり、45度ミラー15の後流に配置される。
ランダム位相板16は、半波長分の位相遅れπを与える
コーティングをランダムに配置した透過板である。図2
は、ランダム位相板平面構成の一例をしめした平面図で
ある。その一部を拡大して見ると、四角いコーティング
が隙間なく敷き詰められる。ランダム位相板16は、入
射ビームを寸法dのピクセルサイズの微小ビームに分割
する。ピクセルの形状は、正方形、六角形、三角形、さ
らには同心円パターン等がある。図中の白い部分20と
黒い部分21では位相がπだけずれるようにする。図示
する白地の部分を通過するレーザと黒地の部分を通過す
るレーザとには半波長分の位相差が生じる。図3は、ラ
ンダム位相板の断面図である。波長λの光に対して屈折
率nの透過光学素子の厚さを、 Δt=λ/2(nー1) で表されるΔtだけ差をつけることで実現できる。又
は、波長λの光に対して屈折率nの反射光学素子の厚さ
をΔtだけ差をつけることでも実現できる。
【0032】集光レンズ17は、試料面に所定の線長さ
(例えば200mm)と所定の幅(例えば、400μ
m)を有するレーザビームが照射される様に、ビームの
幅方向を集光させるシリンドリカルレンズであり、45
度ミラーの後流に置かれる。試料ステージは、レーザア
ニールされる試料を面が水平になるように支持して、レ
ーザビームの幅方向に移動させる送り台であり、集光レ
ンズの後流に置かれる。ステージコントローラは、試料
ステージを制御する装置である。レーザコントローラ
は、レーザ光学系全体を制御する装置である。制御用コ
ントローラは、レーザアニール装置全体を制御する装置
であり、操作員は制御コントローラを操作する。レーザ
コントローラがYAGレーザレーザを1回照射する毎
に、ステージコントローラは、試料を乗せたステージを
所定の距離Tだけレーザビームの幅方向に移動させる。
距離Tはレーザビームの1回の照射で半導体膜が溶解す
るレーザビーム幅方向の幅距離にほぼ等しい。この移動
距離Tは、予め行う照射試験によって定められる。場合
によっては、さらにチャンバー内はポンプ系、ガス系に
より真空又はガス雰囲気にコントロールされる。
【0033】次に、従来のレーザアニール方法を説明す
る。パルスレーザであるYAGレーザの線状ビームを用
いる例を説明する。YAGレーザは、レーザ発振器によ
り発振され、所定の周期で射出される。そのYAGレー
ザは、断面が円形でありエネルギー密度がいわゆるガウ
シアン型のプロファイルを有する。レーザは、アッテネ
ータを通過して、そのエネルギー密度を調整される。次
にレーザは、線状ビームホモジナイザを通過して、断面
が水平方向に長手の長方形のいわゆる線状ビームとな
る。YAGレーザのレーザビーム断面は、長手方向に長
軸、幅方向に短軸をもつ長方形になり、そのエネルギー
密度は、幅方向にガウシアン型で長手方向に平坦なプロ
ファイルを持つ。レーザビームは、45度ミラーにより
その軸線を幅方向に直角に曲げられて下向きになる。レ
ーザビームは、ランダム位相板を通過して、位相が半波
長だけずれた微小なレーザビームの束となる。レーザビ
ームは、試料ステージに支持された試料の面に所定の線
長さ(例えば、200mm)と所定の幅(例えば、40
0μm)で照射される。試料ステージは、試料を支持し
つつ、幅方向に移動させる。この際、レーザの一回の照
射毎に移動距離Tだけ幅方向に移動する。この距離Tは
レーザビームの1回の照射で半導体膜が溶解するレーザ
ビーム幅方向の幅距離にほぼ等しい。この移動距離T
は、予め行う照射試験によって定められる。
【0034】次に、ランダム位相板の働きと結晶化に与
える作用を説明する。図4は、集光レンズ周りの詳細図
であり、レーザビームの集光の様子とプロファイルの変
化を示している。図5は、試料に照射されたレーザビー
ムのビームプロファイルの詳細説明図である。 (A)ランダム位相板16の入射直前のレーザビームを
説明する。レーザビームは、ビーム断面が長軸を長手方
向とし短軸を幅方向とする長方形であり、そのエネルギ
ー密度のプロファイル22が幅方向にガウシアン型で長
手方向に平坦な形状である。また、ビーム断面のすべて
のビームが同一位相を持つ。 (B)ランダム位相板16を通過し、集光レンズ17に
入射直前のレーザビームを説明する。レーザビームは、
ビーム断面が長軸を長手方向とし短軸を幅方向とする長
方形であり、プロファイル23が幅方向にガウシアン型
で長手方向に平坦な形状である。また、ビーム断面が微
細ビームの束の集合となり、それぞれの微細ビームがラ
ンダムの半波長の位相差を持っている。 (C)試料の表面にある半導体膜に照射したレーザビー
ムを説明する。ランダム位相板16を通過して、位相が
半波長ずれた微小なレーザビームの束が集光することに
より、相互干渉をおこす。試料表面上でのレーザビーム
は、ビーム断面が長軸を長手方向とし短軸を幅方向とす
る長方形である。幅方向のプロファイル24が、幅方向
にガウシアン型の包絡線でかこまれたランダムノイズ状
の強度分布を持つ。このランダムノイズも、微細に見れ
ばガウシアン分布を有している。集光ビームの直前また
は直後にランダム位相板を配して、レーザビームを通過
させると、焦点部分にこのようなパターンが生ずること
は、核融合の技術分野で知られていた。
【0035】すなわち、位相が半波長だけずれた微小な
レーザビームの束が、集光レンズを通過して試料面に照
射されると、微小なレーザビームが相互に干渉をおこ
し、多数のピクセルを通過したレーザビームが干渉を起
こし、微小な干渉スペックルパターン25の集合体とな
り、その包絡線26は一個のピクセルを開口とした回折
パターンを集光した場合に等しくなる。ピクセルの数に
相当する数のビームの位相がランダムに異なっており、
その数のビームが異なった角度で重ね合わされ、焦点面
上の一部分を見ればその強度分布は相互干渉によりラン
ダムノイズ状になる。このランダムノイズ状の強度分布
はスペックルパターン25と呼ばれる。スペックルパタ
ーン25の最小ピッチは、入射ビーム形によって支配さ
れ、入射ビームの幅寸法Dに対して2df/Dとなるこ
とが分かっている。
【0036】幅方向にスペックルパターン25をもつ線
状ビームがアモルファスシリコン膜に照射されると、一
定のエネルギー密度E以上のエネルギーによりアモルフ
ァスシリコンが溶解し、スペックル25の急峻なエネル
ギー密度変化のある箇所では大きな粒径の結晶粒が成長
する。レーザビームを照射された試料面では、幅方向距
離Tと長手方向距離Lとで囲まれた長方形の領域で、密
にアモルファスシリコンが溶解し、大きな粒径の結晶粒
が成長する。幅方向距離Tは、レーザビームのエネルギ
ー密度の幅方向の包絡線がエネルギー密度E以上である
幅に等しく、長手方向距離Lは、レーザビームの長手方
向の長さに等しい。
【0037】レーザビームを試料に照射する手順を図を
もとに説明する、図6は、幅方向のレーザビームの照射
の手順を示す図である。最初に、1回目のレーザ照射を
行うと、幅寸法Tの範囲でアモルファスシリコンが溶融
し結晶化する。2回目に幅方向にTだけずらして、レー
ザ照射をおこなと、幅寸法Tの範囲でアモルファスシリ
コンが溶融し結晶化する。3回目に幅方向にTだけずら
して、レーザ照射をおこなと、幅方向の寸法Tの範囲で
アモルファスシリコンが溶融し結晶化する。以下、同様
にしてN回のレーザ照射をおこなうと、幅方向の寸法が
T×Nで長手寸法がLである四辺形の領域のアモルファ
スシリコンが結晶化する。図7は、結晶化したシリコン
膜の模式図である。1μm以上のシリコン結晶が密に配
列している。以上の説明した方法で、試料をレーザアニ
ールすると、シリコン膜はレーザに照射され、幅方向に
溶解しながら順次固まるので、固まる際に結晶化する。
この方法により1μm程度までの大きさの結晶をつくる
ことができる。
【0038】上述の実施形態のレーザアニール方法とレ
ーザアニール装置を用いれば、スペックルパターンのレ
ーザビームがアモルファスシリコンに照射されるので、
大きな粒径の結晶粒子が成長する。また、ランダムノイ
ズ状のスペックルパターンのレーザビームがアモルファ
スシリコンに照射されるので、レーザビームが照射され
た領域で密にシリコンが溶融し結晶化するので、大きな
粒径の結晶粒子が均一に分布する。また、スペックルパ
ターンの包絡域がガウシアン分布であるので、レーザビ
ームのエネルギー密度により溶解し結晶化する領域が安
定している。また、順次にレーザ照射領域を幅方向に重
ねるので、広い領域を安定して結晶化できる。また、1
回での照射で照射領域全体のアモルファスシリコンの溶
融と結晶化が完了するので、広い領域のレーザアニール
処理が短時間にできる。また、線状ビームを用いるの
で、広い領域を1回のスキャンで結晶化できる。
【0039】本発明は以上に述べた実施形態に限られる
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変
更が可能である。位相板を集光レンズの光軸上の上流に
おいたがこれに限定されず、例えば、集光レンズの光軸
上の下流においてもよい。また、位相板と集光レンズを
別体としたがこれに限定されず、例えば、集光レンズの
平面の片面に位相差を付けるためのコーティングを施し
てもよい。また、位相板を透過光としたがこれに限定さ
れず、例えば反射光としてもよい、また例えば、45度
反射板の反射面に位相差を付けるためのコーティングを
施してもよい。また、位相差を半波長としたがこれに限
定されず、スペックルパターンが生ずるだけの位相差が
あればよい。また、ランダム位相板で説明したが、これ
に限定されず、例えば、ある程度の規則性が位相差をお
こさせるコーティング層の配置にあってもよい。また、
ランダム位相板は、厳密なランダム性を必要とせず、ス
ペックルパターンが生ずるだけの不規則性があればよ
い。また、レーザビームの試料への照射面を照射毎にず
らすのにテーブルを移動する例で説明したがこれに限定
されず、レーザ光学系をずらしてもよいし、またスキャ
ンミラーを使用して、レーザビームをスキャンしてもよ
い。また、線状ビームを使用する例で説明したがこれに
限定されず、ビーム断面が円状のビームをスキャンして
もよい、
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明の半導体膜を
結晶化するレーザアニール方法は、その構成により、以
下の効果を有する。レーザが、発振して発射され、半導
体膜面に集光され、ビームを微小分割されてできた微小
ビーム毎に位相差をつけられ、集光したレーザを半導体
膜に照射される、または、レーザが、発振して発射さ
れ、ビームを微小ビームに分割して微小ビーム毎に位相
差をつけられ、半導体膜面に集光され、集光したレーザ
を半導体膜に照射されるので、位相差のある微小なレー
ザビームの束が半導体膜に集光されて相互干渉が生じス
ペックルパターンとなり、そのペックルパターンのレー
ザが半導体膜に照射され、半導体膜に粒径の大きな結晶
粒が成長する。また、レーザが、レーザに位相差を与え
る複数のコーティングがレーザ透過面に配置された位相
板に通過させられ、または、レーザに位相差を与える複
数のコーティングがレーザ反射面に配置された位相板を
に反射させられるので、位相差のある微小なレーザビー
ムの束が半導体膜に集光されて相互干渉が生じスペック
ルパターンとなり、そのペックルパターンのレーザが半
導体膜に照射され、半導体膜に粒径の大きな結晶粒が成
長する。また、集光しスペックルパターンを持つレーザ
が半導体膜に照射される毎に、半導体膜でのレーザの照
射位置をレーザビーム幅より小さいステップ距離Tだけ
レーザビーム幅方向にずらして、さらに集光しスペック
ルパターンを持つレーザが半導体膜に照射されるので、
半導体膜面に粒径の大きな結晶粒がステップ距離T毎に
成長する。また、集光したレーザが半導体膜に照射され
る毎に、半導体膜でのレーザの照射位置をレーザビーム
の1回の照射で半導体膜が溶解するレーザビーム幅方向
の幅距離にほぼ等しいステップ距離Tだけレーザビーム
幅方向にずらし、さらに集光したレーザが半導体膜に照
射されるので、半導体膜面に粒径の大きな結晶粒がステ
ップ距離T毎に連続して成長する。また、位相差がレー
ザ波長の半波長分であるので、レーザ波長の半波長分の
位相差のある微小なレーザビームの束が半導体膜に集光
されて相互干渉が生じ大きなエネルギー密度のピークを
もつスペックルパターンとなり、そのレーザビームが照
射され、半導体膜により粒径の大きな結晶粒が成長す
る。また、レーザが、ビームを微小ビームに分割され、
微小ビーム毎に不規則に位相差をつけられるので、位相
差のある微小なレーザビームの束が半導体膜に集光され
て相互干渉が生じスペックルパターンの包絡線がほぼガ
ウシアン分布曲線となり、そのレーザビームが照射さ
れ、半導体膜に粒径の大きな結晶粒が均一に成長する。
また、線状レーザが線方向の直交方向に集光されるの
で、幅方向に位相差のある微小なレーザビームの束が半
導体膜に幅方向に集光されて相互干渉が生じ、スペック
ルパターンを持つ線状ビームとなり、そのスペックルパ
ターンを持ったレーザビームが半導体膜に照射され、半
導体膜に粒径の大きな結晶粒が線状の領域に成長する。
従って、移動度が今以上に良好なシリコン膜を得ること
のできるレーザアニール方法を提供できる。
【0041】また、以上説明したように本発明の半導体
膜を結晶化するレーザアニール装置は、その構成によ
り、以下の効果を有する。レーザ発振光学系が、レーザ
を発振し発射し、そのレーザが、集光レンズに通されて
集光し、レーザに位相差を与える複数のコーティングが
レーザ透過面又はレーザ反射面に配置される位相板に集
光レンズの前または後の光軸上で通され、集光したレー
ザが半導体膜に照射されるので、位相差のある微小なレ
ーザビームの束が半導体膜に集光されて相互干渉が生じ
スペックルパターンとなり、そのスペックルパターンを
持つレーザビームが半導体膜に照射され、半導体膜に粒
径の大きな結晶粒が成長する。また、レーザ発振光学系
がレーザを発振し発射し、そのレーザがレーザに位相差
を与える複数のコーティングがレーザ透過面に配置され
る集光レンズに通されて集光し、集光したレーザを半導
体膜に照射されるので、位相差のある微小なレーザビー
ムの束が半導体膜に集光されて相互干渉が生じスペック
ルパターンとなり、そのスペックルパターンを持つレー
ザビームが半導体膜に照射され、半導体膜に粒径の大き
な結晶粒が成長する。また、集光しスペックルパターン
を持つレーザが半導体膜に照射される毎に、基板支持装
置が基板をレーザビーム幅より小さいステップ距離Tだ
けレーザビーム幅方向の一方にずらし、さらに集光しス
ペックルパターンを持つレーザが半導体膜に照射される
ので、半導体膜面に粒径の大きな結晶粒がステップ距離
T毎に成長する。また、集光しスペックルパターンを持
つレーザが半導体膜に照射される毎に、基板支持装置が
基板をレーザビームの1回の照射で半導体膜が溶解する
レーザビーム幅方向の幅距離にほぼ等しいステップ距離
Tだけレーザビーム幅方向の一方にずらし、さらにさら
に集光しスペックルパターンを持つレーザが半導体膜に
照射されるので、半導体膜面に粒径の大きな結晶粒がス
テップ距離T毎に連続して成長する。また、位相差がレ
ーザ波長の半波長分であるので、レーザ波長の半波長分
の位相差のある微小なレーザビームの束が半導体膜に集
光されて相互干渉が生じ大きなエネルギー密度のピーク
をもつスペックルパターンとなり、そのレーザビームが
照射され、半導体膜により粒径の大きな結晶粒が成長す
る。また、前記複数のコーティングが、レーザビーム幅
方向に不規則に配置されるので、位相差のある微小なレ
ーザビームの束が半導体膜に集光されて相互干渉が生じ
スペックルパターンの包絡線がガウシアン分布曲線とな
り、そのレーザビームが照射され、半導体膜に粒径の大
きな結晶粒が均一に成長する。また、レーザ発振光学系
が線状レーザを発振し、その線状レーザがシリンドリカ
ルレンズにより集光されるので、位相差のある微小なレ
ーザビームの束が半導体膜に幅方向に集光されて相互干
渉が生じ、スペックルパターンを持った線状ビームとな
り、そのスペックルパターンを持ったレーザビームが半
導体膜に照射され、半導体膜に粒径の大きな結晶粒が線
状の領域に成長する。従って、移動度が今以上に良好な
シリコン膜を得ることのできるレーザアニール装置を提
供できる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の概念図である。
【図2】本発明の実施形態の部分平面図である。
【図3】本発明の実施形態の部分断面図である。
【図4】本発明の実施形態の部分詳細図である。
【図5】本発明の実施形態の詳細説明図である。
【図6】本発明の実施形態のレーザ照射手順説明図であ
る。
【図7】本発明の実施形態の結晶化の模式図である。
【図8】従来の装置の概念図である。
【図9】従来のレーザ照射手順説明図である。
【図10】従来の結晶化の模式図1である。
【図11】従来の結晶化の模式図2である。
【図12】低温ポリシリコンTFTの製造プロセスであ
る。
【符号の説明】
10 レーザアニール装置 11 レーザ発振光学系 12 レーザ発信器 13 アッテネータ 14 ビームホモジナイザー 15 反射板 16 位相板 17 集光レンズ 18 試料 19 ステージ 20 ピクセル 21 ピクセル 22 ビームプロファイル 23 ビームプロファイル 24 ビームプロファイル 25 スペックル 26 包絡線 27 照射領域 28 結晶粒 30 レーザアニール装置 31 レーザ発振光学系 32 レーザ発信器 33 アッテネータ 34 ビームホモジナイザー 35 反射板 36 集光レンズ 37 試料 38 ステージ 39 トップハット型プロファイル 40 結晶粒 50 ガウシアン型プロファイル 51 アモルファス薄膜 52 大きい結晶粒 53 小さい結晶粒 54 小さい結晶粒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河口 紀仁 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 正木 みゆき 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 芳之内 淳 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 Fターム(参考) 5F052 AA02 BA07 BB02 BB07 CA02 DA02 5F110 AA01 AA16 AA17 BB01 CC02 DD02 FF02 GG02 GG13 GG16 HM15 PP03 PP05 PP06 PP23

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体膜を結晶化するレーザアニール方法
    であって、レーザを発振し発射するレーザ発振工程と、
    前記レーザを半導体膜面に集光させるレーザ集光工程
    と、前記レーザのビームを微小ビームに分割して微小ビ
    ーム毎に位相差をつけるレーザ位相変調工程と、集光し
    たレーザを半導体膜に照射するレーザ照射工程とを備
    え、レーザ位相変調工程がレーザ集光工程の前工程また
    は後工程の一方として行うことを特徴とするレーザアニ
    ール方法。
  2. 【請求項2】レーザ位相変調工程が、レーザに位相差を
    与える複数のコーティングがレーザ透過面またはレーザ
    反射面に配置された位相板を用意し、前記レーザをその
    位相板に通過または反射の一方をさせることを特徴とす
    る請求項1に記載のレーザアニール方法
  3. 【請求項3】レーザ照射工程が、集光したレーザを半導
    体膜に照射する毎に、半導体膜でのレーザの照射位置を
    ステップ距離Tだけレーザビーム幅方向にずらし、ステ
    ップ距離Tがレーザビーム幅より小さいことを特徴とす
    る請求項1又は請求項2の一つに記載のレーザアニール
    方法
  4. 【請求項4】ステップ距離Tがレーザビームの1回の照
    射で半導体膜が溶解するレーザビーム幅方向の幅寸法に
    ほぼ等しいことを特徴とする請求項3に記載のレーザア
    ニール方法
  5. 【請求項5】位相差がレーザ波長の半波長分であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のレーザアニ
    ール方法
  6. 【請求項6】レーザ位相変調工程が、微小ビーム毎に不
    規則に位相差をつけることを特徴とする請求項1乃至請
    求項5に記載のレーザアニール方法
  7. 【請求項7】レーザ発振工程が、レーザを発振してその
    レーザを幅方向に線状に延ばして線状レーザに変換して
    発射し、レーザ集光工程が、線状レーザを線方向の直交
    方向に集光させることを特徴とする請求項1乃至請求項
    6に記載のレーザアニール方法
  8. 【請求項8】基板上の半導体膜を結晶化するレーザアニ
    ール装置であって、レーザを発振し発射するレーザ発振
    光学系と、レーザ光軸上に配置された集光レンズと集光
    レンズの前または後の光軸上に配置された位相板と、集
    光したレーザが半導体膜に当たる様に基板を支持する基
    板支持装置とを備え、前記位相板はレーザに位相差を与
    える複数のコーティングがレーザ透過面またはレーザ反
    射面に配置される、ことを特徴とするレーザアニール装
  9. 【請求項9】基板上の半導体膜を結晶化するレーザアニ
    ール装置であって、レーザを発振し発射するレーザ発振
    光学系と、レーザ光軸上に配置された集光レンズと集光
    したレーザが半導体膜に当たる様に基板を支持する基板
    支持装置とを備え、前記集光レンズのレーザ透過面にレ
    ーザに位相差を与える複数のコーティングが配置され
    る、ことを特徴とするレーザアニール装置
  10. 【請求項10】基板支持装置が、集光したレーザを半導
    体膜に照射する毎に、基板をステップ距離Tだけレーザ
    ビーム幅方向の一方にずらし、ステップ幅Tがレーザビ
    ーム幅より小さいことを特徴とする請求項8又は請求項
    9の一つに記載のレーザアニール装置
  11. 【請求項11】ステップ距離Tが、レーザビームの1回
    の照射で半導体膜が溶解するレーザビーム幅方向の幅寸
    法にほぼ等しいことを特徴とする請求項10に記載のレ
    ーザアニール装置
  12. 【請求項12】位相差がレーザ波長の半波長分であるこ
    とを特徴とする請求項8乃至請求項11に記載のレーザ
    アニール装置
  13. 【請求項13】前記複数のコーティングがレーザビーム
    幅方向に不規則に配置されることを特徴とする請求項8
    乃至請求項12に記載のレーザアニール装置
  14. 【請求項14】レーザ発振光学系が、発振したレーザを
    幅方向の一方に線状に延ばして線状レーザに変換する光
    学系を有し、集光レンズがシリンドリカルレンズである
    ことを特徴とする請求項8乃至請求項13に記載のレー
    ザアニール装置
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