JP2002341757A - 地図作成システム及び記録媒体 - Google Patents

地図作成システム及び記録媒体

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JP2002341757A
JP2002341757A JP2001148537A JP2001148537A JP2002341757A JP 2002341757 A JP2002341757 A JP 2002341757A JP 2001148537 A JP2001148537 A JP 2001148537A JP 2001148537 A JP2001148537 A JP 2001148537A JP 2002341757 A JP2002341757 A JP 2002341757A
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JP2001148537A
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English (en)
Inventor
Akinori Kimoto
昭則 木元
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JEKKU KK
JECC Co Ltd
Original Assignee
JEKKU KK
JECC Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高精度な移動局GPS測位機能を用いて元の地
図データを補正し精度の高い地図データに変換すること
ができる地図作成システムの提供。 【解決手段】この発明の地図作成システムでは、座標点
a0,b0,c0,d0,…から成る元地図データに対
して、これを修正して新たな地図データを作成するため
に、補正対象となる地域を複数の基準地点A,B,Cに
より指定すると、これらの基準地点A,B,Cの真位置
PA,PB,PCは、移動局の高精度GPS観測により
測位され、基準地点位置データファイルに記憶される。
次に、元の地図データは、基準地点の元地図上の位置Q
A,QB,QC及び真位置PA,PB,PCに基づい
て、両位置QA〜QC,PA〜PCが一致するように補
正され、座標点a,b,c,d,…から成る新たな地図
データに変換される。そして、変換された新たな地図デ
ータは新地図データ記憶手段に記憶される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地図作成システ
ム、より詳しくいうと、VRS方式などの高精度ポジシ
ョニングを利用し、案内などに適した高精度地図を作成
する地図作成システム及びそのための記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、宅配などで利用する地図に
は、主として、住宅地図と呼ばれるものが多く利用され
ている。このような地図は、住所及び住人の氏名が記載
された詳細な内容を載せており、大体の形状は現況に合
っているので、街区に実際に表示されている住所表示と
地図とを見比べながら目的の位置にたどり着くことがで
きる。しかしながら、地域の状況に詳しくない配達担当
者では、利用している地図の地理的な精度が悪いため
に、目的位置への到達に非常に時間が掛かってしまうこ
とがあり、また、一度訪問した場所であっても、時間が
経ったり配達箇所が多くなると、同様の労力が必要とな
ってしまう。
【0003】一方、GPS(汎地球測位システム;Glob
al Posisioning System )を用いたポジショニングシス
テム(測位方法)は、既にカーナビゲーションに利用さ
れており、飛躍的に発展しつつある。さらに、VRS
(仮想基準点;Virtual Reference Station )方式を用
いることにより、ますます高精度になることが予測され
る。そこで、このようなポジショニングシステムに、詳
細な内容を載せた住宅地図などの既製地図を併用して移
動局に詳細なナビゲーションを行い、目的位置への誘導
を自動的に行うようにすることが考えられる。
【0004】しかしながら、高精度のGPS観測による
ポジショニングシステムに住宅地図などの詳細地図を使
用すると、地図の地理的な精度が悪いので、目的位置と
は異なる路地へナビゲーションすることがしばしば発生
する。また、高精度ポジショニングシステムに適合する
高精度地図を新たに作成するには、多大の時間及び費用
が必要となって現実的ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な事情に鑑み、移動局の高精度なGPS測位機能を用い
て元の地図データを補正し精度の高い地図データに変換
することができる地図作成システムを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の主たる特徴に
従うと、元の地図データを記録した元地図記録手段と、
移動局のGPS観測情報に基づいて測位された複数の基
準地点の位置を記憶する基準地点位置記憶手段と、元地
図記録手段に記録された元の地図データにおける基準地
点の位置及び基準地点位置記録手段に記憶された基準地
点の位置に基づいて、元の地図データを補正し新たな地
図データに変換する地図データ変換手段と、変換された
新たな地図データを記憶する新地図データ記憶手段とを
具備する地図作成システム(請求項1)、並びに、移動
局のGPS観測情報に基づいて測位された複数の基準地
点の位置を基準地点位置記憶手段に記憶するための位置
登録プログラムと、元地図記録手段に記録された元の地
図データにおける基準地点の位置及び基準地点位置記録
手段に記憶された基準地点の位置に基づいて、元の地図
データを補正し新たな地図データに変換し、変換された
新たな地図データを新地図記憶手段に記憶するための地
図補正プログラムとを記録している地図作成のための記
録媒体(請求項5)が提供される。
【0007】この発明による地図作成システムにおい
て、基準地点位置記録手段に記憶される基準地点の位置
は、仮想基準点方式によるVRS参照情報及び移動局の
GPS観測情報に基づいて移動局上で測位することがで
き(請求項2)、さらに、基準地点位置記録手段に記憶
される基準地点の位置は、ディファレンシャルGPS観
測方式又はリアルタイムキネマテックGPS観測方式で
測位することができる(請求項3)。
【0008】この発明による地図作成システムにおいて
は、地図データ変換手段は、3つの基準地点で囲まれる
三角形ごとに、元の地図データを補正し新たな地図デー
タに変換するように構成することができる(請求項
4)。
【0009】〔発明の作用〕この発明による地図作成シ
ステムの主たる特徴によると、元地図記録手段(「元地
図データファイル」)に記録された元の地図データ(Q
A,QB,QC,…;a0,b0,c0,d0,…)に
対して、これを修正して新たな地図を作成するために、
補正対象となる地域を複数の基準地点(A,B,C,
…)により指定する。指定された複数の基準地点(A,
B,C,…)は、移動局(SM)のGPS観測情報に基
づいて測位され(Q1〜Q5)、測位された基準地点位
置(PA,PB,PC,…)は、基準地点位置記憶手段
(DP)に記憶される(R1)。地図データ変換手段
(P3)は、元の地図データにおける基準地点の位置
(QA,QB,QC,…)及び基準地点位置記録手段
(DP)に記憶された基準地点の位置(PA,PB,P
C,…)に基づいて、元の地図データ(QA,QB,Q
C,…;a0,b0,c0,d0,…)を補正し新たな
地図データ(PA,PB,PC,…;a,b,c,d,
…)に変換する。そして、変換された新たな地図データ
は新地図データ記憶手段(「新地図データファイル」)
に記憶される。なお、括弧書きは、理解の便のために例
示的に付記したものであり、後述する実施例において対
応する記号乃至用語を表わす。
【0010】この発明では、このように、デジタル化し
た元の地図データ(スキャナで読み取った地図も含む)
の基準地点(例えば、道路のコーナー等)を任意に選
び、GPS観測による高精度測位を用いて真位置を求
め、この真位置データを基準地点位置記憶手段(DP)
に登録する。この後、地図データ変換手段(P3)によ
って、基準地点位置記憶手段(DP)に登録した基準地
点の真位置データを利用して、近傍の点を使用した図形
の変換を行い、真位置に近い新たな地図データに変換す
る。従って、精度の悪い元の地図データから、高精度の
ポジショニング・ナビゲーションや精度を必要とするG
IS基礎データに利用可能な新たな地図データを作成す
ることができる。
【0011】また、この発明による地図作成システムに
おいては、基準地点の真位置は、ディファレンシャルG
PS(D−GPS)観測方式やリアルタイムキネマテッ
クGPS(RTK−GPS)観測方式で極めて高精度な
測位が可能であるので、精度を要する種々の用途に有用
な地図を作成するシステムを構築することができる。
【0012】さらに、この発明による地図作成システム
においては、3つの基準地点で囲まれる三角形ごとに、
元の地図データを補正し新たな地図データに座標変換す
るようにしているので、元の地図から新たな地図への座
標変換の演算を簡単に実行することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、この発
明の好適な実施例を詳述する。なお、以下の実施例は単
なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で
種々の構成変更が可能である。
【0014】図1は、この発明の一実施例による地図作
成システムにおける移動局のハードウエア構成例を極く
概略的に示す概略ハードウエアブロック図である。この
例では、移動局(ローバー;rover )による基準地点の
測位のために、モバイルタイプのパーソナルコンピュー
タ(モバイルコンピュータ;mobile computer )1が本
体システムとして用いられ、GPS受信機構2及び携帯
通信端末3が観測情報取得機構として用いられる。
【0015】モバイルコンピュータ1は、例えば、PD
A(Personal Digital Assistants)や携帯型ノートパ
ソコンなどのように、携帯しつつデータ処理やデータ送
受信を行うことができる情報ツールであり、CPU(中
央処理装置)11、記憶装置12、タッチパネルディス
プレイ13、インターフェース14を備え、これらの要
素11〜14はバス15を介して互いに接続されてい
る。
【0016】システム全体を制御するCPU11は、所
定のプログラムに従って種々の制御を行い、モバイルコ
ンピュータ1に搭載したプログラムによって、基本的な
情報処理を実行すると共に、特に、GPS受信機構2及
び携帯通信端末(移動体通信端末)3と連係して、この
発明による地図作成のための測位処理を中心的に遂行す
る。
【0017】記憶装置12は、基本プログラムや地図作
成のための処理に関するプログラムや固定データ/パラ
メータを記憶したROM(読出専用メモリ)、各種デー
タ等を一時記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)
の外に、ハードディスク(HD)や、メモリカード、F
D(フロッピィディスク)、MO(光磁気)ディスクな
どの各種可搬型記録媒体を用いる外部記憶装置から成
り、これらの外部記憶装置には、この地図作成のための
処理に関するプログラムや各種データ/パラメータを記
憶することができる。例えば、ROMや外部記憶装置に
は、地図補正などに用いるために予めディジタル化して
用意された元の詳細地図データを記憶した元地図データ
ファイルが設けられ、外部記憶装置(各種可搬型記録媒
体が好適である)には、基準地点の真位置データを記憶
した基準地点位置データファイル(DP)が設けられ、
変換後の地図データを格納するための新地図データファ
イルが用意されている。
【0018】また、タッチパネルディスプレイ13は、
ディスプレイ及び入力操作子〔各種キーや、ペン形操作
子(タッチペン)或いはフラットマウス〕を備え、ディ
スプレイ画面に表示される各種画面を視認しつつ、主と
して、タッチペンの操作により所定の入力をシステムに
与えることにより、地図作成のための処理における各種
ユーザインターフェース機能を遂行する。また、基準地
点の位置登録中は、記憶装置12の元地図データファイ
ルから基準地点の位置登録に必要なデータを取り出して
ディスプレイ13上に表示することができる。
【0019】インターフェイス14には、GPS受信機
構2及び携帯通信端末3が接続される。GPS受信機構
2は、GPSアンテナ21及びGPS受信機22を備え
る。GPSアンテナ21で受信される衛星電波信号は、
GPS受信機22で受信処理された後、インターフェー
ス14を介して本体システム1に入力される。本体シス
テム1ではGPS観測による高精度な測位処理が行わ
れ、この測位処理には、例えば、VRS測位が適用され
る。
【0020】このVRS測位を行う場合は、GPS受信
機構2からの受信衛星情報及び携帯通信端末3からの仮
想基準局のVRS参照情報(補正情報など)に基づい
て、移動局の位置がVRS方式で測位される。このVR
S方式の測位方法は、ここでは「VRS測位」と呼ば
れ、通常は、ディファレンシャルGPS(D−GPS)
観測が適用される。なお、特に高精度(例えば、精度=
1cm)の測位が必要な場合は、リアルタイムキネマテ
ックGPS(RTK−GPS)観測の手法を適用するこ
とができる。
【0021】携帯通信端末3は、例えば、携帯型電話機
〔PHS(Personal Handy phone System )を含む〕で
あって、通常通話やデータ通信を行うのに利用される。
このデータ通信にはVRS測位のためのデータ授受が含
まれ、この通信により、例えば、上述したVRS測位に
必要な仮想基準局(点)のVRS参照情報(補正情報な
ど)を取得することができる。
【0022】なお、図1では、携帯通信端末3やGPS
受信機22を別体として、インターフェース14を介し
て本体システム1に接続するようにしたが、GPS受信
機22や携帯通信端末3の機能を本体システム1内に組
み込んだり、本体システム1や携帯通信端末3の機能を
GPS受信機22に組み込んだり、或いは、本体システ
ム1やGPS受信機22の機能を携帯通信端末3に組み
込む等、移動局のシステムを、通信・信号送受・データ
処理機能を兼備する総合的携帯端末装置として一体型に
構成することができる。
【0023】〔地図補正作業〕この発明の一実施例によ
る地図作成システムにおいては、住宅地図などのように
住所及び住人の氏名が記載された詳細な内容を載せた既
製地図が、デジタル化され(スキャナで読み取った地図
データを含む)移動局の本体システム1内の記憶装置1
2(ROMや外部記憶装置)における元地図データファ
イル(12)に記憶されている。このような地図データ
は、内容が豊富であるが地理的には精度が悪いので、例
えば、ナビゲーションに利用した場合ディスプレイ13
上で移動局現在位置と地図表示が一致せず、訪問先の位
置に到達するのに労力を必要とする。このような場合、
元地図データファイル(12)に記憶されている地図デ
ータ自体を、本体システム1が有する高精度の測位機能
を利用して補正し精度の高い地図データに変換すること
により、ナビゲーションなどに有効に利用することがで
きる。
【0024】そこで、この発明の一実施例では、まず、
元地図データについて、道路のコーナー等の基準地点を
任意に選び、これらの地点の真位置を登録する。その
後、登録した基準地点の真位置データを利用して、元地
図に対して近傍の点を使用した図形の変換を行い、真位
置に近い精度の地図データに変換する。
【0025】例えば、元地図データファイル(12)に
記憶されている元地図データを用いて移動局の高精度測
位機能(VRS方式など)を接続し、元地図データをデ
ィスプレイ13上に表示しつつナビゲーションを行う。
このとき、当然、ナビゲーション中の地図上の位置と、
移動中の実際の移動局位置の状況に差異が発生する。そ
こで、この差異の大きな地域において、地図上で認識可
能な地点(例えば、道路交叉点のコーナー等)を地図上
から任意に選び、高精度測位機能を利用して当該地点の
真位置を測位し記憶装置12(外部記憶装置)の基準地
点位置データファイル(DP)に登録する。このような
真位置登録を複数回繰り返すことで、多数の真位置デー
タを取得する。そして、その後、登録された真位置デー
タを利用して元地図データの変形を行い、現実の状況に
極めて近い位置精度をもつ地図データに変換する。
【0026】具体例を揚げると、図2に示すように、記
憶装置12の元地図データファイルに記憶されている地
図上で、道路のコーナー等の地点A,B,C,…を任意
に選択し、これを基準地点とする。次に、移動局の高精
度測位機能(VRS方式など)を用いてこれらの観測地
点A,B,C,…の位置PA(XPA,YPA,ZP
A),PB(XPB,YPB,ZPB),PC(XP
C,YPC,ZPC),…を測位する。測位された正確
な基準地点位置PA,PB,PC,…は基準地点真位置
データとして、観測地点A,B,C,…に対応する地図
上の基準地点位置(QA,QB,QC,…)に対応させ
て基準地点位置データファイル(DP)に記録して行
く。
【0027】その後、移動局SMの位置を高精度測位方
式で随時観測し、基準地点位置データファイル(DP)
に登録されたデータから所定数の基準地点(例えば、3
地点)の位置データを順次取り出して、元地図データに
おける各点の基準地点位置が真位置に一致するように地
図補正を行う。具体的には、まず、図3に示すように、
基準地点位置データファイル(DP)から3つの基準地
点A,B,Cの地図上の基準地点位置データQA,Q
B,QC及び真位置データPA,PB,PCを取り出し
て、元地図データの位置QA(XQA,YQA,ZQ
A),QB(XQB,YQB,ZQB),QC(XQ
C,YQC,ZQC)が、それぞれ、真位置PA(XP
A,YPA,ZPA),PB(XPB,YPB,ZP
B),PC(XPC,YPC,ZPC)に一致するよう
に元地図データを図面修正する。以下、次の基準地点
A,C,D、基準地点C,D,E、基準地点C,E,
F、…について、順次、同様の図面修正を行って行き、
新たな高精度地図を作成する。
【0028】つまり、この発明の地図作成システムで
は、元地図データファイル(12)に記憶され、座標点
a0,b0,c0,d0,…から成る元地図データに対
して、これを修正して新たな地図データを作成するため
に、補正対象となる地域を複数の基準地点A,B,Cに
より指定すると、これらの基準地点A,B,Cの真位置
PA,PB,PCは、移動局の高精度GPS観測により
測位され、基準地点位置データファイル(DP)に記憶
される。次に、元の地図データは、基準地点の元地図上
の位置QA,QB,QC及び真位置PA,PB,PCに
基づいて両位置QA〜QC,PA〜PCが一致するよう
に補正され、座標点a,b,c,d,…から成る新たな
地図データに変換される。そして、変換された新たな地
図データは新地図データファイル(12)に記憶され
る。
【0029】図4は、この発明の一実施例による地図補
正作業の手順を表わすフローチャートである。この「地
図補正」作業は、ステップP1における基準地点の測位
については移動局上で行われるが、その他の作業につい
ては、移動局上で行うことも、事務所などで本体システ
ム1上或いは別のパーソナルコンピュータ上で行うこと
もできる。
【0030】この処理フローの最初のステップP1で
は、まず、元地図データを補正するための座標変換に用
いられる基準地点を選択し、移動局上でVRS測位など
の高精度測位を行い、測位された基準地点の真位置デー
タを、地図上の基準地点データ(元地図位置データ)と
共に、記憶装置12内の座標変換用基準位置データファ
イル(DP)に登録する。なお、基準地点の選定に当っ
ては、地図上において或る程度均一に分布し正三角形に
近い形状を呈する地点であり、地図にも記載されてお
り、地図上で、はっきり認識し得る位置、例えば、道路
の隅切り位置や、マンホールなどを基準地点の位置とす
ることが好ましい。
【0031】次に、ステップP2では、座標変換用基準
位置データファイル(DP)から基準地点の真位置デー
タ及び元地図位置データを呼び出し、元地図データファ
イルからは、基準地点の記号や座標点情報(a0〜h
0)を含む地図データを呼び出し、まず、地図上の基準
地点を三角形ごとに結線する。例えば、図2に示すよう
に基準地点A〜Fが測位された場合は、点A,B,Cを
結線して△ABCを形成し、同様にして、△CAF,△
FCE,△ECDが形成されるように結線する。
【0032】続いて、ステップP3で、結線された或る
三角形について、元地図データの頂点位置を真位置に一
致させると共に、これに合わせて、当該三角形で区切ら
れた地形の中の元地図座標点の位置を補正する。例え
ば、基準地点A,B,Cで囲まれた△ABCについて
は、図3に示すように、元地図データの頂点位置QA
(XQA,YQA,ZQA),QB(XQB,YQB,
ZQB),QC(XQC,YQC,ZQC)を、対応す
る真位置PA(XPA,YPA,ZPA),PB(XP
B,YPB,ZPB),PC(XPC,YPC,ZP
C)に一致させる。また、△ABCの範囲内にある元地
図座標点a0,b0,c0,d0,e0,f0,g0,
h0,…を、3頂点の一致(QA→PA,QB→PC,
QC→PC)に合うように、座標変換し、新たな座標点
a,b,c,d,e,f,g,h,…を算出する。この
変換には、例えば、後で〔座標変換〕の項において説明
する「3点変換」や、本出願人による特願2000−2
62463で提案されている「ヘルマート変換」などが
用いられる。
【0033】次のステップP4では、或る三角形が別の
三角形と跨いで結線されているかどうかをチェックし、
跨ぐ線があるときは結線を引き直した後、ステップP5
に進んで、他に変換すべき三角形があるか否かを調べ
る。他に変換すべき三角形があるときは、ステップP3
に戻って別の三角形(△CAF,△FCE,△ECD,
…)について同様の座標変換を行い、ステップP3〜P
5の処理を繰り返す。そして、他に変換すべき三角形が
なくなると、この「図面補正」作業を終了する。この
「図面補正」作業によって作成された新たな地図データ
は、記憶装置12(外部記憶装置)の新地図データファ
イルに格納され、以後のナビゲーション用地図データや
GIS基礎地図データとして利用することができる。
【0034】〔位置登録処理〕この発明の一実施例によ
る地図作成システムにおいては、上述のように、予め、
高精度測位により複数の基準地点の位置(真位置)が測
位され、測位された基準地点位置は基準地点位置データ
ファイルに登録される。図5は、この発明の一実施例に
よる位置登録処理を表わすフローチャートである。この
「位置登録処理」は、上述した地図補正作業(図4)の
ステップP1において、元地図データによるナビゲーシ
ョンの下で、基準地点となる現地において移動局上で実
行することができる。
【0035】この処理フローの第1ステップQ1におい
て、元地図データファイル(12)から、元地図データ
をディスプレイ13上に呼び出し、地図補正の対象区域
として観測すべき基準地点、例えば、地点Aを、当該地
図上から探し出す。次のステップQ2では、タッチペン
又はフラットマウス等(13)の操作により地図上の基
準地点Aをヒットし、基準地点Aの地図上の位置QA
(XQA,YQA,ZQA)を計測する。
【0036】次いで、ステップQ3では、VRS測位な
どによる高精度測位方式により基準地点Aの真位置PA
(XPA,YPA,ZPA)を実際に測位し、ステップ
Q3において、地図上の位置QAの座標値を表わす元地
図位置データ及び真位置PAの座標値を表わす真位置デ
ータを基準位置データファイルDPに登録する。
【0037】次のステップQ5においては、他に登録す
べき基準地点があるか否かが打診され、まだ、登録すべ
き基準地点があれば、ステップQ1に戻って、全ての基
準地B,C,…の登録が終了するまでステップQ1〜Q
5の処理を繰り返す。つまり、上述の説明と同様に、別
の基準地点B,C,…を選択し(ステップQ1)、各基
準地点について地図上の位置QB(XQB,YQB,Z
QB),QC(XQC,YQC,ZQC),…を計測し
(ステップQ2)、真位置PB(XPB,Ypb,ZP
A),PC(XPC,YPC,ZPC),…を測位し基
準位置データファイルDPに登録する(ステップQ3,
Q4)。そして、登録すべき基準地点がなくなれば、こ
の「位置登録処理」を終了する。
【0038】なお、ステップQ1,Q2の処理は、移動
局上に限らず、予め、事務所などで、本体システム1上
或いは別のパーソナルコンピュータ上で行うことができ
る。この場合、事務所などにおいて、観測すべき複数の
基準地点A,B,C,…を探し出し(ステップQ1)、
タッチペン又はフラットマウス等(13)の操作により
地図上の基準地点A,B,C,…をヒットし、各基準地
点A,B,C,…の地図上の位置QA(XQA,YQ
A,ZQA),QB(XQB,YQB,ZQB),QC
(XQC,YQC,ZQC),…を計測し、計測された
各基準地点の地図上の位置を表わす元地図位置データQ
A,QB,QC,…は、各基準地点の記号と共に基準地
点位置データファイルDP(例えば、各種可搬型記録媒
体を利用)に予備登録しておく(ステップQ2)。そし
て、移動局上では、図5に破線で示すように、ステップ
Q3〜Q5の処理を繰り返し、各基準地点A,B,C,
…についてステップQ3の現場観測を行った結果を用い
て、各地点の座標変換用基準地点位置データファイルD
Pを完成させる。
【0039】〔座標変換処理〕この発明の一実施例によ
れば、次に説明する「座標変換処理」による座標点修正
機能を用いて比較的簡単に元地図上の座標点を新たな正
しい位置に変換することができる。図6は、このような
座標変換処理の一例を表わすフローチャートであり、図
7は、元地図を各座標点の座標変換により修正して地理
的に正しい新たな地図データとする座標変換機能を説明
するための図である。図6に示される「座標変換処理」
は、この明細書では「3点変換」と呼ばれる変換を用い
る場合の例であり、図4のステップS3で実行される。
【0040】図6の「座標変換処理」の第1ステップT
1では、座標変換用基準位置データファイルDPや元地
図データファイルから呼び出されたデータのうち、3つ
の基準地点の位置、及び、これらの基準地点で囲まれる
各座標点の位置に基づいて、或る基準地点から、他の2
つの基準地点を通る直線までの距離D、及び、当該座標
点を通りこれら2つの基準地点に平行な直線までの距離
dを3組分算出する。
【0041】例えば、図3に示される基準地点A,B,
Cの元地図上の位置QA(XQA,YQA,ZQA),
QB(XQB,YQB,ZQB),QC(XQC,YQ
C,ZQC)で囲まれる基準地点三角形△ABC内の各
座標点a0,b0,c0,…を座標変換する場合、図7
(1)に示すように、これらの座標点のうち、或る座標
点a0の元地図上の位置Qa(Xqa,Yqa,Zq
a)については、元地図座標系において、(a)基準地
点A(QA)から、他の2つの基準地点B(QB),C
(QC)を通る直線QB−QCまでの距離DA、及び、
当該座標点Qaを通りこれら2つの基準地点B(Q
B),C(QC)に平行な直線までの距離dA、(b)
基準地点B(QB)から、他の2つの基準地点C(Q
C),A(QA)を通る直線QC−QAまでの距離D
B、及び、当該座標点Qaを通りこれら2つの基準地点
C(QC),A(QA)に平行な直線までの距離dB、
並びに、(c)基準地点C(QC)から、他の2つの基
準地点A(QA),B(QB)を通る直線QA−QBま
での距離DC、及び、当該座標点Qaを通りこれら2つ
の基準地点A(QA),B(QB)に平行な直線までの
距離dCを算出する。なお、図7(1)においては、距
離DB,dB及び距離DC,dCについて、図示の煩雑
さを避けるため、夫々、定数“j”及び定数“k”を乗
算して配分比dB/DB,dC/DCの関係だけを示し
ている。
【0042】次のステップT2〜T4では、算出された
各組の距離D,dから次式(1)に従って3つの比例配
分の内分比を表わす変数(内分変数)pの値を求める: R = d / D …(1) 例えば、図7(1)の例では、 (a)ステップT2においては、第1組の距離DA,dAから内分変数 RA = dA / DA …(2) を求め、 (b)ステップT3においては、第2組の距離DB,dBから内分変数 RB = dB / DB …(3) を求め、 (c)ステップT4においては、第3組の距離DC,dCから内分変数 RC = dC / DC …(4) を求める。
【0043】次に、ステップT5では、元地図上の3つ
の基準地点に対応する真位置、及び、ステップT2〜T
4で求められた3つの内分変数pの値に基づき、真位置
(新地図)座標系において、或る基準地点から見て他の
2つの基準地点に平行な直線であって、当該基準地点か
ら、当該2基準地点を通る直線までの距離を、当該基準
地点からの比例配分の内分比を表わす変数Rで内分する
3つの直線を求める。
【0044】次いで、ステップT6では、求められた3
つの直線により構成される三角形を求め、ステップT7
で、重心計算によって、ステップT6で求められた三角
形の重心点を求める。そして、最後のステップT8にお
いて、ステップT7で求められた重心点を、当該座標点
に対応する新たな地図上の座標点位置とする。そして、
全ての座標点についてステップT1〜T8の処理を行う
と、この「座標変換処理」を終了する。
【0045】例えば、上述のように、元地図上の基準地
点A〜C(位置QA〜QC)による三角形△ABC内の
座標点a0(Xqa,Yqa,Zqa)を座標変換する
場合、これらの基準地点の真位置PA(XPA,YP
A,ZPA),PB(XPB,YPB,ZPB),PC
(XPC,YPC,ZPC)を用い、真位置(新地図)
座標系において、(a)基準地点A(PA)から見て他
の2つの基準地点B(PB),C(PC)に平行な直線
であって、当該基準地点A(PA)から、当該2基準地
点を通る直線PB−PCまでの距離DPAを内分変数R
Aで内分する直線A−Line、(b)基準地点B(P
B)から見て他の2つの基準地点C(PC),A(P
A)に平行な直線であって、当該基準地点B(PB)か
ら、当該2基準地点を通る直線PC−PAまでの距離D
PBを、内分変数PBで内分する直線B−Line、並
びに、(c)基準地点C(PC)から見て他の2つの基
準地点A(PA),B(PB)に平行な直線であって、
当該基準地点C(PC)から、当該2基準地点を通る直
線PA−PBまでの距離DPCを、内分変数RCで配分
する直線C−Lineを求める。
【0046】次に、ステップT6で、直線B−Lin
e,C−Lineの交点をαとし、直線C−Line,
A−Lineの交点をβとし、直線A−Line,B−
Lineの交点をγとすると、3つの直線A−Lin
e,B−Line,C−Lineにより構成される三角
形△αβγを求める。次のステップT7では、ステップ
T6で求められた三角形△αβγの重心点(×印)を求
める。そして、最後のステップT8において、ステップ
T7で求められた重心点(×印)を、新たな地図上の座
標点aの正しい位置座標Pa(Xpa,Ypa,Zp
a)とする。
【0047】他の座標点b0,c0,…についても、同
様にして、新たな地図上の座標値を求めて、対応する新
たな座標点b,c,…を得ることができる。このような
処理を、順次、他の基準地点三角形△CAF,△FC
E,△ECD,…内の各座標点について行い、座標変換
すべき座標点がなくなると、この「座標変換処理」を終
了する。
【0048】〔測位方式の概略〕この発明の一実施例に
よる地図作成システムにおいては、移動局位置決定のた
めの高精度測位方式としてVRS測位(D−GPS測位
を採用するのが、種々の面から実用的に好適なものと考
えられる。)が利用される。このVRS測位では、GP
S受信機構2にて人口衛星からのGPS衛星情報を受信
し、携帯通信端末3にて、VRS情報配信サーバ(S
S)からVRS方式のGPS補正情報(移動局でのVR
S測位に必要な補正情報や仮想衛星情報などの情報。
「VRS参照情報」という。)を受信する。そして、本
体システム1が、GPS衛星情報及びVRS参照情報に
基づき高精度の測位をVRS方式(例えば、D−GP
S)で実行するのである。
【0049】つまり、この地図作成システムにおいて
は、GPS観測手法のうち特にVRS方式を利用した高
精度な測位が実行され、移動局位置決定の一方法として
用いられる。図8は、このVRS測位方式の概略を説明
するための図である。図1にブロック構成が示される移
動局SMは、当該移動局の移動中の任意の位置におい
て、人口衛星からの電波信号をGPS受信機構2のGP
Sアンテナ21により受信することができる。このよう
な衛星電波信号には、例えば、GPS受信機22が2周
波受信機であれば、L1、L2搬送波位相、C/Aコー
ド、Pコード(Yコード)などにより表わされる衛星情
報が含まれる。
【0050】受信された衛星情報は、移動局SMのGP
S受信機22により本体システム(モバイルコンピュー
タ)1に送られ、インターフェース14及びバス15を
介して記憶装置12(RAM)に取り込まれ、CPU1
1は、GPS受信機22で受信した4つ以上の人口衛星
からの衛星情報に基づき単独測位の処理を行う。この処
理によって、現時点における移動局SMの位置SV(X
v,Yv,Zv)が算出され、算出された移動局位置の
座標(緯度経度高度など)を表わす観測情報は、単独測
位情報として記憶装置12(RAM)の観測情報記憶領
域に記憶される。
【0051】本体システム1は、さらに、携帯通信端末
(携帯電話)3及び通信(電話)回線TCを介してVR
S情報配信サーバ(VRS基準局衛星情報配信サーバセ
ンター)SSを呼び出し、移動局SMをVRS情報配信
サーバSSに接続する。この接続により、本体システム
1で算出された単独測位による移動局SMの観測情報S
V(Xv,Yv,Zv)が、移動局SM側からVRS情
報配信サーバSS側に送信される。
【0052】これに対して、VRS情報配信サーバSS
側では、移動局SMから送信されてきた観測情報が表わ
す移動局SMの単独観測位置SV(Xv,Yv,Zv)
上に仮想基準点SVを作り、仮想基準点SVを囲む角形
地域(例えば、三角形)の頂点を構成する3以上のGP
S固定基準局Sr1〜Sr4から通信回線(図示せず)
を介してVRS情報配信サーバSSに送られてくる衛星
情報を取得する。ここで、GPS固定基準局Sr1〜S
r4の位置座標(Xr1,Yr1,Zr1)〜(Xr
4,Yr4,Zr4)は既知であり、各GPS固定基準
局Sr1〜Sr4の位置間隔は、通常、30〜70km
が取られる(ときには、100km以上の場合もあ
る)。なお、仮想基準点SVに対するGPS固定基準局
の数は、少なくとも3地点であればよいが、誤差消去の
ために冗長性を持たせて、例えば、図示のように4地点
以上のGPS固定基準局Sr1〜Sr4を利用するのが
好都合である。
【0053】そして、VRS情報配信サーバSSは、G
PS固定基準局Sr1〜Sr4からの衛星情報を基にし
てVRS方式の測位を行う。つまり、通常採用されるD
−GPS観測のための測位では、仮想基準点SV(X
v,Yv,Zv)上にGPSアンテナを立てたとした場
合に単独測位の処理をして得られるであろう位置座標S
Vm(Xvm,Yvm,Zvm)を算出し、算出された
位置座標SVm(Xvm,Yvm,Zvm)と移動局S
Mから送られてきた仮想基準点座標SV(Xv,Yv,
Zv)との差を表わす差座標Δ=(Δxm、Δym、Δ
zm)を算出し、この差座標Δ=(Δxm、Δym、Δ
zm)を移動局SMに対する補正情報(VRS参照情
報)とする。
【0054】なお、ここで、RTK−GPS観測で測位
を行う必要がある場合には、仮想基準点SV(Xv,Y
v,Zv)上にGPSアンテナを立てたとした場合に人
口衛星から受信されるであろう衛星情報(仮想基準点衛
星情報)として、L1、L2搬送波位相、C/Aコード
擬似距離、Pコード(Yコード)擬似距離を算出し、算
出された仮想衛星情報を移動局SMに対するVRS参照
情報とする。
【0055】VRS情報配信サーバSSは、算出された
VRS参照情報(補正情報や仮想衛星情報)を、仮想基
準点座標SV(Xv,Yv,Zv)と共に、移動局SM
側に送り、移動局SMの本体システム1は、VRS情報
配信サーバSSから通信(電話)回線TC及び携帯通信
端末3を介して送られてくるVRS参照情報及び仮想基
準点座標SV(Xv,Yv,Zv)を受け取り、CPU
11の管理の下に、インターフェース14及びバス15
を介して記憶装置12(RAM)のVRS情報記憶領域
に記憶する。そして、VRS測位を実行する。
【0056】すなわち、VRS方式でD−GPS観測に
基づく測位を行う通常のD−GPS測位においては、記
憶装置12(RAM)のVRS情報記憶領域に記憶され
たVRS参照情報(補正情報=差座標Δ;Δxm、Δy
m、Δzm)を、移動局の単独測位機能により新たに算
出された観測情報SV1(Xv1,Yv1,Zv1)に
加算し、移動局SMのVRS真位置座標Pm(Xm,Y
m,Zm)を算出する。
【0057】なお、本体システム1でRTK−GPS観
測で測位を行う場合は、記憶装置12(RAM)のVR
S情報記憶領域に記憶された(仮想基準点衛星情報)及
び仮想基準点位置座標情報SV(Xv,Yv,Zv)、
並びに、移動局にて新たに人工衛星から受信された受信
衛星情報を基にして、RTK測位の計算を行い、再度、
移動局SMのVRS真位置座標Pm(Xm,Ym,Z
m)を算出し直す。
【0058】なお、D−GPS測位において、当初の観
測結果位置SV(Xv,Yv,Zv)が新たな観測結果
位置SV1(Xv1,Yv1,Zv1)を同値とした場
合、差座標Δを用いて算出される真位置座標Pm(X
m,Ym,Zm)との誤差、つまり、単独測位とD−G
PS測位に対する観測精度差は、図8に斜線を施した区
域で表わされ、通常、数10m程度の範囲にある。
【0059】また、以上の説明では、携帯通信端末2を
用いて、単独測位による移動局SMの観測情報SV(X
v,Yv,Zv)をVRS情報サーバSSに送信した
り、VRS参照情報などをVRS情報サーバSSから受
信するのに、本体システム1のインターフェース14を
介して情報授受をするようにしているが、GPS受信機
22を介して情報授受を行う構成にしてもよい。この場
合、GPS受信機22に受信メモリを設け、受信メモリ
に記憶装置12のRAMに代る情報記憶機能を持たせ、
GPS受信機CPUによって情報授受の制御及び測位演
算の処理を行うように構成する。これにより、インター
フェース14を介する場合よりも、VRS情報サーバS
Sとの間で授受されるGPS情報の送受信タイムラグを
減少すると共に、GPS受信機22内で測位処理を行っ
て測位処理結果のみを本体システムに送り、本体システ
ムの負担を軽くすることができる。
【0060】〔VRS測位処理〕この発明の一実施例に
おいては、高精度な測位方式としてVRS測位を行う場
合、移動局SMの携帯通信端末によるVRS情報配信サ
ーバSSとの双方向通信により、移動局SMの単独測位
による観測位置情報に基づいて仮想基準点を設定し、設
定された仮想基準点のVRS参照情報を利用して高精度
なVRS測位を実現することができる。
【0061】この双方向通信により、VRS情報配信サ
ーバSSは、広いVRS情報配信サービスエリア内のど
こに移動局SMがいるのかを把握することができ、ま
た、観測位置情報に基づき移動局SMの近くに仮想基準
点を設定するので、処理速度及び観測精度が向上する。
例えば、RTK−GPS観測を適用する場合、仮想基準
点から10km以内の範囲では初期化時間が非常に短縮
されすばらしい観測精度を出すことができる。さらに、
VRS測位を利用しようとしている移動局SMの現在位
置は、GPS単独測位を使って簡便且つ短時間に算出す
ることができる(単独測位は、周知のとおり、大体この
あたりであるという目安になるような数10m位の精度
しかないが、仮想基準点位置として利用するには充分す
ぎる精度範囲である。)。
【0062】図9は、この発明の一実施例による地図作
成システムにおいて実行されるVRS測位処理を表わす
フローチャートである。なお、この「VRS測位処理」
は、位置登録処理のステップQ3(図5)において実行
することができ、また、このVRS測位処理におけるス
テップR4〜R6は、VRS情報配信サーバSS側の処
理である。
【0063】VRS測位においては、移動局SMの位置
をVRS情報配信サーバSSに送り、仮想基準点設定に
基づくVRS参照情報(補正情報や仮想衛星情報)を要
求するので両方向通信が必要である。従って、この処理
フローがスタートすると、まず、ステップR1におい
て、移動局SM側からVRS情報配信サーバSSを呼び
出し、次いで、ステップR2にて、移動局SMをVRS
情報配信サーバSSに接続する。そして、ステップR3
で、移動局SMは、単独測位を行い現在位置を観測した
結果を「数値の位置」としてVRS情報配信サーバSS
に送信し、ステップR4で、VRS情報配信サーバSS
は、送信された「数値の位置」を仮想基準点設置位置S
Vに決定する。
【0064】ここで、「数値の位置」とは、仮想基準点
SVの位置を、移動局SMのGPS単独測位機能によっ
て測定された数値により表現することを意味し、単独測
位の精度の制約のため、移動局の正確な位置は必ずしも
その数値通りではないことによる。なお、単独測位の精
度は数10m(例えば、30m)位であるから、仮想基
準点SVと真の移動局位置SVmとはその程度離れてい
る可能性がある。
【0065】さて、次のステップR5では、VRS情報
配信サーバSSにおいて、仮想基準点設置位置SVにあ
たかも基準局のGPS受信機を設置したとして補正情報
或いは仮想衛星情報(VRS参照情報)が算出される。
つまり、仮に、この仮想基準点SVに本当に参照受信機
が置かれたとしたとき、この参照受信機によって測定さ
れるであろう観測量を周辺の複数の実基準点Sr1〜S
r4から推定して仮想的に観測量を作成し、VRS参照
情報を算出する。続いて、ステップR6にて、算出され
たVRS参照情報〔補正情報(差座標Δ)又は仮想衛星
情報〕をVRS情報配信サーバから移動局側に配信す
る。
【0066】次に、ステップR7では、移動局におい
て、配信されたVRS参照情報(補正情報や仮想衛星情
報)を利用して、D−GPS測位又はRTK測位を行
う。このようにしてVRS測位を行うと、この「VRS
測位処理」が終了する。
【0067】〔種々の実施態様〕以上、一実施例につい
て説明したが、この発明は種々の態様で実施することが
できる。例えば、この発明による地図作成システムで作
成される地図データは、単に、高精度のカーナビゲーシ
ョンシステムへの利用にとどまらず、各種GISシステ
ムの基礎地図データに利用することができる。
【0068】また、高い精度を求める場合は、座標変換
のための基準地点の数を精度の要求に応じて任意に増加
することで、相応する高精度をもつ地図データに変換す
ることができる。つまり、コストとメリットを勘案して
任意の変換基準地点を選定することができる。
【0069】座標変換については、実施例のように3地
点ごとではなく、任意の地点数で変換することができ、
具体的変換方法についても、例示された「3点補正」や
「ヘルマート変換」に限らず、必要に応じて他の座標変
換法を任意に適用することができる。例えば、前掲した
特願2000−262463で提案されている他の「4
点指示変換」、「4点補正」、「傾斜補正」、「メッシ
ュ補正」、「2点補正」などが適用可能である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による地
図作成システムでは、元地図記録手段に記録された元の
地図データに対して、これを修正して新たな地図を作成
するために、補正対象となる地域を複数の基準地点
(A,B,C,…)により指定する。指定された複数の
基準地点(A,B,C,…)は、移動局のGPS観測情
報に基づいて測位され、測位された基準地点位置(P
A,PB,PC,…)は、基準地点位置記憶手段に記憶
される。次いで、元の地図データにおける基準地点の位
置(QA,QB,QC,…)及び基準地点位置記録手段
(DP)に記憶された基準地点の位置(PA,PB,P
C,…)に基づいて、元の地図データ(QA,QB,Q
C,…;a0,b0,c0,d0,…)を補正し新たな
地図データ(PA,PB,PC,…;a,b,c,d,
…)に変換する。そして、変換された新たな地図データ
は新地図データ記憶手段に記憶される。従って、精度の
悪い元の地図データから、高精度のポジショニング・ナ
ビゲーションや精度を必要とするGIS基礎データに利
用可能な新たな地図データを作成することができる。
【0071】また、この発明による地図作成システムに
よれば、基準地点の真位置は、ディファレンシャルGP
S(D−GPS)観測方式やリアルタイムキネマテック
GPS(RTK−GPS)観測方式で極めて高精度な測
位が可能であるので、精度を要する種々の用途に有用な
地図を作成するシステムを構築することができる。
【0072】さらに、この発明による地図作成システム
によれば、3つの基準地点で囲まれる三角形ごとに、元
の地図データを補正し新たな地図データに座標変換する
ようにしているので、元の地図から新たな地図への座標
変換の演算を簡単に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例による地図作成シ
ステムにおける移動局の概略的ハードウエア構成を表わ
すブロック図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例による地図作成シ
ステムで行われる基準地点の位置観測を説明するための
図である。
【図3】図3は、この発明の一実施例による地図作成シ
ステムで行われる座標変換の概念を説明するためのイメ
ージ図である。
【図4】図4は、この発明の一実施例による地図補正の
作業手順を表わすフローチャートである。
【図5】図5は、この発明の一実施例による基準地点位
置登録処理を表わすフローチャートである。
【図6】図6は、この発明の一実施例による座標変換処
理を表わすフローチャートである。
【図7】図7は、この発明の一実施例による図面修正の
ための座標変換を説明するための図である。
【図8】図8は、この発明の一実施例による地図作成シ
ステムにおいて利用可能なVRS測位方式を説明するた
めの概略図である。
【図9】図9は、この発明の一実施例によるVRS測位
処理を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
PA,PB,PC,… 基準地点A,B,C,…の測位
位置(真位置)、 QA,QB,QC,… 基準地点A,B,C,…の元地
図上の位置、 a0,b0,c0,d0,… 元地図上の座標点、 a,b,c,d,… 変換後(新地図)の座標点、 Sr1〜Sr4 固定基準局、 SV 移動局位置(Xv,Yv,Zv)にセットされる
仮想基準局(点)、 Pm(Xm,Ym,Zm) VRSによる移動局(S
M)の高精度測位位置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】元の地図データを記録した元地図記録手段
    と、 移動局のGPS観測情報に基づいて測位された複数の基
    準地点の位置を記憶する基準地点位置記憶手段と、 元地図記録手段に記録された元の地図データにおける基
    準地点の位置及び基準地点位置記録手段に記憶された基
    準地点の位置に基づいて、元の地図データを補正し新た
    な地図データに変換する地図データ変換手段と、 変換された新たな地図データを記憶する新地図データ記
    憶手段とを具備することを特徴とする地図作成システ
    ム。
  2. 【請求項2】基準地点位置記録手段に記憶される基準地
    点の位置は、仮想基準点方式によるVRS参照情報及び
    移動局のGPS観測情報に基づいて移動局上で測位され
    ることを特徴とする請求項1に記載の地図作成システ
    ム。
  3. 【請求項3】基準地点位置記録手段に記憶される基準地
    点の位置は、ディファレンシャルGPS観測方式又はリ
    アルタイムキネマテックGPS観測方式で測位されるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の地図作成システム。
  4. 【請求項4】地図データ変換手段は、3つの基準地点で
    囲まれる三角形ごとに、元の地図データを補正し新たな
    地図データに変換することを特徴とする請求項1〜3の
    何れか1項に記載の地図作成システム。
  5. 【請求項5】移動局のGPS観測情報に基づいて測位さ
    れた複数の基準地点の位置を基準地点位置記憶手段に記
    憶するための位置登録プログラムと、 元地図記録手段に記録された元の地図データにおける基
    準地点の位置及び基準地点位置記録手段に記憶された基
    準地点の位置に基づいて、元の地図データを補正し新た
    な地図データに変換し、変換された新たな地図データを
    新地図記憶手段に記憶するための地図補正プログラムと
    を記録していることを特徴とする地図作成のための記録
    媒体。
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