JP2002339266A - 繊維構造物の染色方法 - Google Patents

繊維構造物の染色方法

Info

Publication number
JP2002339266A
JP2002339266A JP2001150772A JP2001150772A JP2002339266A JP 2002339266 A JP2002339266 A JP 2002339266A JP 2001150772 A JP2001150772 A JP 2001150772A JP 2001150772 A JP2001150772 A JP 2001150772A JP 2002339266 A JP2002339266 A JP 2002339266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dyeing
temperature
pressure
carbon dioxide
dyed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001150772A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Ogawa
小川  貴之
Masanori Nakagawa
政則 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2001150772A priority Critical patent/JP2002339266A/ja
Publication of JP2002339266A publication Critical patent/JP2002339266A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法変化が少なく、均染で堅牢なポリトリメ
チレンテレフタレート系繊維を含む構造物を提供する環
境負荷の少ない染色法を提供すること。 【解決手段】ポリトリメチレンテレフタレート系繊維を
含む構造物を媒体中で分散染料を用いて染色する方法に
おいて、前記媒体として、超臨界二酸化炭素を媒体を用
い、臨界点以上の温度および圧力条件下で染色を行った
後,該媒体を臨界点未満の温度および圧力に低下させ、
前記染料を回収することを特徴とする繊維構造物の染色
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維構造物の染色
方法に関し、特にポリメチレンテレフタレート系繊維を
含む繊維構造物の染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル系繊維に代表される
分散染料可染性繊維の染色は、分散染料を水中分散させ
た状態にした後、高温・高圧下で染色する方法(以下、
水系染色と称する)が一般的である。しかしながら、こ
の染色方法には染色廃液処理問題、染料・分散剤が染色
後大量に残存する染色効率の問題があり、環境問題が深
刻化する昨今、該染色分野においても特に環境負荷の少
ない染色法が要望されてきている。
【0003】近年、環境負荷の少ない染色法として、超
臨界二酸化炭素を用いた無水での染色法が提案されてい
る。この染色法は、超臨界状態の二酸化炭素流体に溶解
可能な分散染料を用いてポリエステル系繊維などの分散
可染性繊維を高温・高圧下で染色するもので、特開平4
−245981号公報、特開平5−132880号公報
に開示されている。例えば特開平4−245981号公
報には、該繊維を超臨界二酸化炭素流体中で特定の分散
染料を用いて染色する方法が提案されており、具体例と
してポリエステル繊維を200バール(20MPa)の
圧力で130℃にて染色することで水系染色と同様同質
の染色物が得られることが記載されている。また、特開
平5−132880号公報には、超臨界染色の染色工程
で、多段階減圧をすることで被染物を濃染化する方法が
提案されており、具体例として250バール(25MP
a)の圧力で130℃にて染色することで水系による従
来法の染色と同様同質の染色物が得られることが記載さ
れている。両者の方法とも、130℃の高温で200あ
るいは250バール(20あるいは25MPa)の高圧
にて染色することが特徴的である。一方、特開2001
−32134号公報には、鉄カルボニルなる化学薬品を
用い、180気圧(18.2MPa)の圧力で50℃に
て染着する、融解ピーク温度260℃以上、かつ、複屈
折0.11以下の易染性ポリエステル繊維が提案されて
いる。分散染料とは性質の大きく異なる毒性の強い鉄カ
ルボニルを用いた真意は不明であるが、50℃で染着す
る特定の易染性ポリエステル繊維の提案は特徴的であ
る。
【0004】一方、ポリトリメチレンテレフタレート系
繊維の染色方法においては、高温・高圧下での水系染色
では該繊維が著しく収縮し、織編物においては高密度化
し、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維特有のスト
レッチ性が低下したり、風合が粗硬になる等の問題があ
る。そのため、織編物の設計変更あるいは糸条布帛での
前処理を余儀なくされ、染色工程が長く、複雑化してし
まい、均一で、再現性の高い染色物を得るには、極めて
コストの高いものになるという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の問題を解消し、染色の際の環境負荷が少な
く、かつ寸法変化が少なく、均染で堅牢なポリトリメチ
レンテレフタレート系繊維を含む繊維構造物の染色法を
提供することにある。
【0006】本発明者らは、前述の課題を改善するため
に、ポリメチレンテレフタレート繊維について、超臨界
二酸化炭素を媒体として分散染料による染色法を検討し
たところ、超臨界領域の中のある特定温度と圧力領域で
十分染色することができ、さらに、染色された繊維構造
物は、水系染色で問題になった収縮が殆どないことを発
見し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願で特許請求される発
明は下記のとおりである。 (1)ポリトリメチレンテレフタレート系繊維を含む構
造物を媒体中で分散染料を用いて染色する方法におい
て、前記媒体として、超臨界二酸化炭素を用い、臨界点
以上の温度および圧力条件下で染色を行った後,該媒体
を臨界点未満の温度および圧力に低下させ、前記染料を
回収することを特徴とする繊維構造物の染色方法。
【0008】(2)前記染色時の超臨界二酸化炭素の温
度が二酸化炭素の臨界温度より5℃以上高いことを特徴
とする(1)記載の繊維構造物の染色方法。 (3)前記染色時の超臨界二酸化炭素の温度が60℃以
上、その圧力が15MPa以上であることを特徴とする
(1)記載の繊維構造物の染色方法。 (4)前記回収された二酸化炭素を超臨界二酸化炭素と
し、回収された分散染料とともに再使用することを特徴
とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の繊維構造
物の染色方法。
【0009】本発明において、ポリトリメチレンテレフ
タレート系繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位
を主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、
トリメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、
好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル
%以上、最も好ましくは90モル%以上のものをいう。
従って、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコー
ル成分の合計量が、約50モル%以下好ましくは30モ
ル%以下、さらに好ましくは20モル%以下、最も好ま
しくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチ
レンテレフタレートを包含する。
【0010】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレ
フタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコ
ール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当
な反応条件下に結合せしめることにより合成される。こ
の合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成
分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエ
ステル、ナイロンとポリトリメチレンテレフタレートを
別個に合成した後、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、
サイドバイサイド等)してもよい。
【0011】複合紡糸に関しては、特公昭43−191
08号公報、特開平11−189923号公報、特開2
000−239927号公報、特開2000−2569
18号公報等に例示されるような、第一成分がポリトリ
メチレンテレフタレートであり、第二成分がポリトリメ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロ
ンを並列的あるいは偏芯的に配置したサイドバイサイド
型又は偏芯シースコア型に複合紡糸したものがあり、特
にポリトリメチレンテレフタレートと共重合ポリトリメ
チレンテレフタレートの組み合わせや、極限粘度の異な
る二種類のポリトリメチレンテレフタレートの組み合わ
せが好ましく、特に、特開2000−239927号公
報に例示されるような極限粘度の異なる二種類のポリト
リメチレンテレフタレートを用い、低粘度側が高粘度側
を包み込むように接合面形状が湾曲しているサイドバイ
サイド型に複合紡糸したものが、高度のストレッチ性と
嵩高性を兼備する点から特に好ましい。
【0012】前記合成過程において、添加する第三成分
としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸
等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン
酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウム
スルホソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレング
リコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチ
レングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサ
ンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール
(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカル
ボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカル
ボン酸(P−オキシ安息香酸等)等がある。又、1個又
は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安
息香酸等又はグリセリン等)も重合体が実質的に線状で
ある範囲内で使用できる。
【0013】ポリトリメチレンテレフタレートには、二
酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシ
ベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結
晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノー
ル誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増
白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよ
い。
【0014】本発明において、ポリトリメチレンテレフ
タレート系繊維の紡糸については、1500m/分程度
の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で
延撚する方法、紡糸−延撚工程を直結した直延法(スピ
ンドロー法)、巻取り速度5000m/分以上の高速紡
糸法(スピンテイクアップ法)の何れを採用してもよ
い。
【0015】また、ポリトリメチレンテレフタレート系
繊維を含む繊維構造物とは、不織布、織物、編物などの
布帛、糸条のいずれでも良く、繊維の形状、織編物の組
織、不織布などの構造、糸条形態には全く左右されず、
すべてに適用される。布帛の形態については、生機、精
練乾燥後、精練・プレセット後等の何れでも良いが、好
ましくは、精練・プレセットしたものを用いる。本発明
において超臨界二酸化炭素とは、二酸化炭素に7.38
MPa以上の圧力及び31.1℃以上の温度をかけるこ
とにより製造される高密度流体をいう。
【0016】次に、本発明の染色方法について説明す
る。使用する分散染料は超臨界二酸化炭素に溶解するも
のであればよい。染色温度は二酸化炭素の臨界温度より
も5℃以上高ければ(31.1+5℃)よく、好ましく
は60℃以上、より好ましくは70℃以上である。染色
温度を120℃以上にしても構わないが、120℃以下
で十分に染着し問題がないので上げる意味はない。3
1.1+5℃未満では十分な染着が得られないことがあ
る。圧力は、二酸化炭素の臨界圧力である7.38MP
a以上であればよく、好ましくは15〜25MPaであ
る。7.38MPa未満では十分な染着が得られない。
二酸化炭素を用いて超臨界状態を作るには、液化二酸化
炭素またはドライアイスを用い、密閉系にて31.1℃
以上でかつ、7.38MPa以上にすればよい。
【0017】具体的な染色方法としては、例えば、オー
トクレーブ中に分散染料と被染物を入れ、その中にドラ
イアイスまたは液化二酸化炭素を入れて密閉し、加圧・
加温して7.38MPa以上の圧力及び31.1℃以上
の温度を保持することにより超臨界状態にすればよい。
【0018】本発明の染色法の特徴は、水系染色の場
合、染色後の残液に染料が残留し、廃水処理などを必要
とするのに対して、染色終了後、即ち、超臨界二酸化炭
素媒体での染色が完了した後、媒体の温度および圧力を
臨界点未満の条件に戻すことにより、被染物に未染着の
染料は粉体状になり、二酸化炭素と分離することができ
ることである。このようにして、染料及び二酸化炭素は
ともに再使用可能となるため、環境負荷を極めて少なく
することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施例により具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、染色後の被染物の評価は下記の方法により
行なった。 (1)染色物の測色値 マクベスCOLOR−EYE3000分光光度計を用
い、色差式:CIELab法によりK/S値(色濃
度)、L値(明度)およびC値(彩度)を測定した。な
お、K/S値は表面染着濃度を表し、数値が大きいほど
濃染であることを示し、L値は明度を表し、数値が大き
いほど明るく、淡染であることを示し、C値は彩度を表
し、数値が大きいほど鮮やかであることを示す。 (2)寸法変化率の測定方法 染色する前と後の布帛の経および緯の長さを測定し、布
帛の経および緯の寸法変化率を下記の式で算出した。な
お、式中のL1は染色前の長さ(cm)、L2は染色後の
長さ(cm)を示し、+は収縮、−は伸長を意味する。 寸法変化率(%)=(L1―L2)×100/L1
【0020】(3)染色堅牢度評価 被染物の洗浄前および沸水洗浄後の洗濯堅牢度をJIS
L−0884 A−2法に従って評価した。試験片の
変褪色と添付白布片の汚染の程度はそれぞれ変褪色用グ
レースケール(変褪色度5段階)、汚染用グレースケー
ル(汚染度5段階)と比較して評価した。なお、数値が
大きいほど変褪色が少なく、また汚染の程度が少ないこ
とを示す。 (4)総合評価 上記(1)〜(3)の項目について総合判断し、下記の
ように評価した。 ◎:非常に優れている。 ○:優れている。 ×:不適
である。
【0021】
【実施例1】経糸ポリトリメチレンテレフタレート56
dtex/48f、緯糸ポリトリメチレンテレフタレー
ト84dtex/72fの平織物を常法にて精練し、1
00℃で1分乾燥した後、170℃で30秒プレセット
して、経密度96本/2.54cm、緯密度80本/
2.54cmの平織物を得た。
【0022】次に、容積120ccの小型オートクレー
ブ(材質SAS316)内にCI.Disperse
Blue301(1%omf)と該織物を入れ、更にド
ライアイス160gを投入し、オートクレーブを封入し
た。次に該オートクレーブを20℃にて15分放置し、
オートクレーブ内部が6MPaの亜臨界領域にあること
を確認した後、昇温速度2℃/分にて昇温を行った。オ
ートクレーブ内部の温度が70℃、圧力17.0MPa
になったことを確認して30分間温度と圧力を保持し、
染色を行った。次に、オートクレーブの圧力を0.5M
Pa/分で減圧を行い5MPaまで減圧後はオートクレ
ーブ内部圧力を大気圧まで開放した。この結果、被染物
は濃紺に均一に染色されていた。なお、未染着の染料は
粉体状で回収できた。
【0023】得られた被染物を沸水洗浄、還元洗浄(ハ
イドロサルファイト2g/L、NaOH2g/L、80
℃で10分間処理)したのち、80℃で10分湯洗し乾
燥後、測色及び寸法変化率を測定をした結果を表1に示
した。洗浄前とボイル洗浄後及び還元洗浄後のK/S値
の差が殆どなく、ボイル洗浄や還元洗浄による染料脱落
が極めて少ない。被染物に染料脱落は認められず高堅牢
性を確認できた。布帛の染色前後の収縮は認められなか
った。
【0024】
【実施例2】実施例1で用いた織物をオートクレーブ内
部の温度が60℃、16.0MPaになったことを確認
して30分間温度と圧力を保持し染色を行った以外は、
実施例1と同じ条件で染色を行なった。染色後の被染物
は濃紺に均一に染色されていた。洗浄前とボイル洗浄後
及び還元洗浄後のK/S値の差が殆どなく、ボイル洗浄
や還元洗浄による染料脱落が極めて少なかった。布帛の
染色前後の収縮は認められなかった。
【0025】
【実施例3】実施例1で用いた織物をオートクレーブ内
部の温度が40℃、9.5MPaになったことを確認し
て30分間温度と圧力を保持し染色を行った以外は、実
施例1と同じ条件で染色を行なった。染色後の被染物は
濃紺に均一に染色されていた。洗浄前とボイル洗浄後及
び還元洗浄後のK/S値の差が殆どなく、ボイル洗浄や
還元洗浄による染料脱落が極めて少なかった。布帛の染
色前後の収縮は認められなかった。
【0026】
【実施例4】実施例1で用いた織物をオートクレーブ内
部の温度が100℃、圧力17.5MPaになったこと
を確認して30分間温度と圧力を保持して染色を行った
以外は、実施例1と同じ条件で染色を行なった。染色後
の被染物は濃紺に均一に染色されていた。被染物に染料
脱落は認められず高堅牢性を確認できた。洗浄前とボイ
ル洗浄後及び還元洗浄後のK/S値の差が殆どなく、ボ
イル洗浄や還元洗浄による染料脱落が極めて少なかっ
た。布帛の染色前後の収縮は認められなかった。
【0027】
【比較例1】実施例1で用いた織物を15℃にて、オー
トクレーブ内部が5MPaの亜臨界領域にあることを確
認した後、30分間温度と圧力を保持し染色を行った以
外は、実施例1と同じ条件で染色を行なった。 この結
果、被染物は染着されていなかった。
【0028】
【比較例2】経糸ポリエチレンテレフタレート56dt
ex/48f緯糸ポリエチレンテレフタレート84dt
ex/72fの平織物を常法にて精練し、100℃で1
分乾燥した後、170℃で30秒プレセットして、経密
度93/2.54cm、緯密度80/2.54cmの平
織物を得た。
【0029】次に、容積120ccの小型オートクレー
ブ(材質SAS316)内にCI.Disperse
Blue301、1%omfと該織物を入れ、更にドラ
イアイス160gを投入し、オートクレーブを封入し
た。次に該オートクレーブを20℃にて15分放置し、
オートクレーブ内部が6MPaの亜臨界領域にあること
を確認した後、昇温速度2℃/分にて昇温を行った。オ
ートクレーブ内部の温度が70℃、圧力17.0MPa
になったことを確認して30分間温度と圧力を保持し染
色を行った。次に、オートクレーブの圧力を0.5MP
a/分で減圧を行い5MPaまで減圧後はオートクレー
ブ内部圧力を大気圧まで開放した。この結果、被染物は
染着されていなかった。
【0030】
【比較例3】実施例1で用いた織物をCI.Dispe
rse Blue301(1%omf)、ディスパーT
L(タモール型分散剤:明成化学社製)1g/l、酢酸
0.5g/l、酢酸ナトリウム0.5g/lを含む水溶
液を用いて、浴比1:50にて、液流染色機で110
℃、60分間染色した。この結果、被染物は紺に染色さ
れていたが、収縮によるシワが発生し、シワ状の染めむ
らがあった。得られた被染物を沸水洗浄、還元洗浄(ハ
イドロサルファイト2g/L、NaOH2g/L、80
℃で10分間処理)したのち、80℃で10分湯洗し乾
燥後、測色及び寸法変化率測定をした結果を表1に示し
た。寸法変化率が大きく、被染物はシワ状の染めむらが
認められた。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果より、実施例1、2、3および
4は、何れも洗浄前、ボイル洗浄後、還元洗浄後のK/
S値、L値、C値共に殆ど差がなく、かつ、洗浄前とボ
イル洗浄後の洗濯堅牢度共、良好な結果が得られ、か
つ、染色前後の寸法変化率が極めて小さく、均一に染色
されていた。なお、未染着の染料は粉体状で回収でき、
環境負荷の少ない染色方法であることが確認された。こ
れに対して、比較例1、2は染着が低く問題があった。
比較例3は、寸法変化率が大きく、シワ状の染めむらが
あり、洗濯堅牢度も実施例より低いものであった。
【0033】
【発明の効果】請求項1〜3記載の発明によれば、ポリ
トリメチレンテレフタレート系繊維を含む繊維構造物に
均一に染色することが可能となり、水系染色の場合と比
較して染色後の廃液処理が不要となり、環境への負荷を
軽減することができる。加えて本発明による染色物は、
水系染色と同等の発色性が得られ、また、公知の水系染
色における染色温度よりも大幅に低い温度領域で分散染
料による染色を行うことができる。請求項4記載の発明
によれば、上記の効果に加えて未染着染料を固体状態で
回収し、再使用することができ、廃液処理が不要にな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H057 AA02 BA08 CA29 CB46 CB49 CC02 DA01 DA17 FA16 FA17 GA03 HA01 HA02 HA08 HA09 JA10 JA14 JB02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリトリメチレンテレフタレート系繊維
    を含む構造物を媒体中で分散染料を用いて染色する方法
    において、前記媒体として、超臨界二酸化炭素を用い、
    臨界点以上の温度および圧力条件下で染色を行った後,
    該媒体を臨界点未満の温度および圧力に低下させ、前記
    染料を回収することを特徴とする繊維構造物の染色方
    法。
  2. 【請求項2】 前記染色時の超臨界二酸化炭素の温度が
    二酸化炭素の臨界温度より5℃以上高いことを特徴とす
    る請求項1記載の繊維構造物の染色方法。
  3. 【請求項3】 前記染色時の超臨界二酸化炭素の温度が
    60℃以上、その圧力が15MPa以上であることを特
    徴とする請求項1記載の繊維構造物の染色方法。
  4. 【請求項4】 前記回収された二酸化炭素を超臨界二酸
    化炭素とし、回収された分散染料とともに再使用するこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の繊
    維構造物の染色方法。
JP2001150772A 2001-05-21 2001-05-21 繊維構造物の染色方法 Pending JP2002339266A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001150772A JP2002339266A (ja) 2001-05-21 2001-05-21 繊維構造物の染色方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001150772A JP2002339266A (ja) 2001-05-21 2001-05-21 繊維構造物の染色方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002339266A true JP2002339266A (ja) 2002-11-27

Family

ID=18995733

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001150772A Pending JP2002339266A (ja) 2001-05-21 2001-05-21 繊維構造物の染色方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002339266A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013535587A (ja) * 2010-08-03 2013-09-12 キュービック テック コーポレイション 積層素材に対する色その他の物理特性の転写
WO2024075460A1 (ja) * 2022-10-05 2024-04-11 東洋紡株式会社 ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013535587A (ja) * 2010-08-03 2013-09-12 キュービック テック コーポレイション 積層素材に対する色その他の物理特性の転写
WO2024075460A1 (ja) * 2022-10-05 2024-04-11 東洋紡株式会社 ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1394296B1 (en) False twist yarn of polyester composite fiber and method for production thereof
US6635347B1 (en) Blended dyed product of fiber dyeable with disperse dye and polyurethane fiber and dyeing method therefor
EP1334225B1 (en) Process for treating knits containing polyester biocomponent fibers
EP1489206B1 (en) Polyester fiber and fabric using the same
JP2002339266A (ja) 繊維構造物の染色方法
JP2005307395A (ja) 透け防止ポリエステル系混用品
JP3948942B2 (ja) ポリトリメチレンテレフタレート繊維の染色方法
JP3235991B2 (ja) ポリトリメチレンテレフタレート繊維の染色方法
US5370929A (en) Polyester fiber, process for the production and process for the dyeing of the fibrous structure of the polyester fiber
JP2001329440A (ja) ポリエステル繊維とポリアミド繊維の混合糸を用いてなる染色物およびその製造方法
JP2009079335A (ja) 高収縮ポリエステル仮撚糸、それを用いた織編物及び高収縮ポリエステル仮撚糸の製造方法
JP4384283B2 (ja) ポリエステル超高密度織物の染色方法
JP2002339264A (ja) 繊維構造物の染色法
JP2002180384A (ja) 染色物
JP2002371482A (ja) ポリトリメチレンテレフタレート繊維の捺染方法
JP4059557B2 (ja) 染色織物の製法
JPH09157977A (ja) ポリエステル繊維とウールの複合糸
JP2008266830A (ja) 形態記憶性と形態回復性に優れる織物、その製造方法および繊維製品
Suh 21st Century Dyeing and Finishing Technology of Microdenier Polyester.
JP3235985B2 (ja) 混用品の染色方法
JP3689945B2 (ja) ポリエステル系合成繊維製品の処理方法
JP2023105784A (ja) リサイクル用ポリエステル系繊維製品の製造方法及びポリエステル系繊維製品
JP3801815B2 (ja) ポリプロピレンテレフタレート繊維と他繊維との混用品の染色方法
JP2002020980A (ja) 混用品の染色方法
JP2003301387A (ja) 染色物とその製造方法