JP2002338762A - ポリプロピレン系樹脂組成物、その製造方法およびそのフィルム - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物、その製造方法およびそのフィルム

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JP2002338762A
JP2002338762A JP2001151841A JP2001151841A JP2002338762A JP 2002338762 A JP2002338762 A JP 2002338762A JP 2001151841 A JP2001151841 A JP 2001151841A JP 2001151841 A JP2001151841 A JP 2001151841A JP 2002338762 A JP2002338762 A JP 2002338762A
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polypropylene
mass
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polypropylene resin
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Norihide Inoue
則英 井上
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Grand Polymer Co Ltd
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透明性を有するフイルムの
製造に適したポリプロピレン系樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 MFRが0.1〜10、かつ質量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(M
w/Mn)が0.5〜8.0であるポリプロピレン9
9.5〜99.99質量%、および平均粒径が0.1〜
200μmの高密度ポリエチレン0.01〜0.5質量
%とからなる混合物を有機過酸化物の存在下に溶融混練
して、MFRが2〜30、かつ(Mw/Mn)が2.2
〜5.0であるポリプロピレンと高密度ポリエチレンと
からなる組成物を製造する。この組成物からは、厚さ2
5μmで測定した時のヘイズが3%以下を示すフィルム
を成形することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性の高いフイ
ルムを製造するに適したポリプロピレン系樹脂組成物、
その組成物の製造方法、およびその組成物から形成した
フィルムに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】一般にポリプロピレン樹脂は、耐
熱性、化学的特性、物理的特性、および成形加工性に優
れ、しかも安価であることから、フイルム用途に幅広く
利用されている。そのフィルム用途の中でも菓子、パン
等の包装分野では、商品の見栄えを高めるために透明性
およびヒートシール性に優れたフィルムが求められてい
ることから、これ迄主としてプロピレンランダム共重合
体が使用されて来た。しかし、市場からはより一層透明
性の高いフイルムが望まれており、そのようなフィルム
を製造し得るポリプロピレン樹脂の開発がまたれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、優れた透明性を有するフイルムの製造に適したポリ
プロピレン系樹脂組成物を提供することである。また本
発明は、そのようなポリプロピレン系樹脂組成物の製造
方法を提供することである。さらに本発明は、優れた透
明性と高いヒートシ−ル強度とを備えたフイルムの提供
を目的にする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、メル
トフローレートが2〜30(g/10分)、かつ質量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw
/Mn)が2.2〜5.0であるポリプロピレン(A)
99.5〜99.99質量%、および密度が0.950
〜0.980(g/cm)の高密度ポリエチレン0.
01〜0.5質量%とからなるポリプロピレン系樹脂組
成物に関する。
【0005】前記のポリプロピレン(A)としては、プ
ロピレン単独重合体またはα−オレフィン含有量が8.
0質量%以下のプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体が好ましく、またそのα−オレフィンとしては、
エチレンおよび/または1−ブテンが好ましい。さら
に、この樹脂組成物から厚さ25μmのフィルムを形成
した時に、そのフィルムのヘイズが3.0%以下になり
得るポリプロピレン系樹脂組成物が好ましい。
【0006】また本発明は、メルトフローレートが0.
1〜10(g/10分)、かつ質量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が0.5
〜8.0であるポリプロピレン(B)99.5〜99.
99質量%、および密度が0.950〜0.980(g
/cm)でかつ平均粒径が0.1〜200μmの高密
度ポリエチレン0.01〜0.5質量%とからなる混合
物を、有機過酸化物の存在下に溶融混練するポリプロピ
レン系樹脂組成物の製造方法に関する。
【0007】前記の有機過酸化物としては、2,5−ジ
メチルー2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン
が好ましく、その添加量は、ポリプロピレン(B)と高
密度ポリエチレンとの合計量100質量部に対して、
0.001〜0.5質量部添加されることが好ましい。
【0008】さらに本発明は、前記のポリプロピレン系
樹脂組成物、あるいは前記の製造方法で得られた樹脂組
成物から形成されているポリプロピレン系樹脂フイルム
である。
【0009】
【発明の具体的説明】次に、本発明に係わるプロピレン
系樹脂組成物、その製造方法、およびそれから形成した
フイルムについてより具体的に説明する。
【0010】ポリプロピレン(A) 樹脂組成物の主成分を占めるポリプロピレン(A)は、
プロピレンの単独重合体であってもよいし、プロピレン
とα−オレフィンとの共重合体であってもよい。特に、
プロピレンとα−オレフィンとがランダムに結合した共
重合体を含む樹脂組成物から形成したフィルムは、優れ
た透明性およびヒートシール性を有することから好まし
い。
【0011】α−オレフィンとしては、プロピレン以外
の炭素数2〜10のオレフィンが使用でき、例えば、エ
チレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテンを挙げることができる。中でも
エチレンおよび1−ブテンが好ましく、また共重合体中
に2種類以上のオレフィン、例えばエチレンおよび1−
ブテンが共に共重合成分になっていてもよい。
【0012】ポリプロピレン(A)が共重合体である場
合、その中のα−オレフィン含有量は、フィルムの透明
性、ヒートシール性および機械的強度を高め、かつそれ
らの間にバランスを持たせる観点から、8.0質量%以
下、好ましくは2.0〜5.0質量%、特に好ましくは
2.5〜4.5質量%の範囲が望ましい。
【0013】このポリプロピレン(A)は、ASTM
D−1238に準拠し、230℃、2.16kgの負荷
質量下で測定したメルトフローレート(MFR)値が、
2〜30(g/10分)、好ましくは4〜20(g/1
0分)、特に好ましくは6〜15(g/10分)の範囲
が望ましい。MFR値が前記の範囲にあると、樹脂組成
物からのキャストフイルム成形性が良好であって、また
成形されたフイルムは、透明性、機械的強度および光沢
が良好であると共にそれらの間にバランスがとれてお
り、見栄えのよい外観を呈する。
【0014】さらに、ポリプロピレン(A)は、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフ(GPC)法で測定した
質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
比、すなわち(Mw/Mn)の値が、2.2〜5.0、
好ましくは2.2〜4.5、より好ましくは2.2〜
4.0の範囲にある。分子量分布の指標になる(Mw/
Mn)の値が前記の範囲内にあると、樹脂組成物からの
キャストフイルム成形性が良好であって、成形されたフ
ィルムは、透明性と光沢に優れている。
【0015】ここで、MwおよびMnは、GPCを使用
して測定される。測定方法の一例を示すと、Water
s社製の150C型機を用い、ポリマーラボラトリーズ
社製のカラムPlmixedBを取り付け、測定温度を
135℃とし、溶媒としてo−ジクロロベンゼンを使用
し、ポリマー濃度0.15質量%のサンプルを400μ
l供給して測定を行う。この際、標準ポリスチレンを用
いて作成した検量線を使用することによって、Mwおよ
びMnを求めることができる。
【0016】このようなポリプロピレン(A)は、チタ
ン系またはジルコニウム系などの遷移金属化合物成分、
有機アルミニウム化合物成分、必要に応じて電子供与
体、担体等を含む立体規則性オレフィン重合触媒の存在
下にプロピレンを重合させ、あるいは必要に応じて他の
α−オレフィンの共存下で共重合させることによって製
造することができる。
【0017】高密度ポリエチレン 本発明で使用可能な高密度ポリエチレンは、エチレン単
独重合体、あるいはエチレンと少量のα−オレフィンと
の共重合体であって、ASTM D−1505に準拠し
て測定したその密度は、0.950(g/cm)〜
0.980(g/cm)である。前記のα−オレフィ
ンとしては、炭素数3〜10のオレフィン、例えばプロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−オクテンが好
ましい。
【0018】また、ASTM D−1238に準拠し、
190℃、2.16kgの負荷質量下で測定したそのメ
ルトフローレート(MFR)値は、好ましくは0.01
〜100(g/10分)、より好ましくは0.1〜10
(g/10分)の範囲が望ましい。
【0019】このような高密度ポリエチレンは、チタン
系またはジルコニウム系などの遷移金属化合物成分、有
機アルミニウム化合物成分、必要に応じて電子供与体、
担体等を含む立体規則性オレフィン重合触媒の存在下に
エチレンを、必要に応じてα−オレフィンの共存下に重
合して製造することができる。
【0020】ポリプロピレン系樹脂組成物 本発明に係わるポリプロピレン系樹脂組成物は、前記し
たポリプロピレン(A)と高密度ポリエチレンとから構
成されている。その構成割合は、ポリプロピレン(A)
が、99.5〜99.99(質量%)、好ましくは9
9.6〜99.98(質量%)、より好ましくは99.
7〜99.97(質量%)、高密度ポリエチレンが、
0.01〜0.5(質量%)、好ましくは0.02〜
0.4(質量%)、より好ましくは0.03〜0.3
(質量%)の範囲であって、この範囲にあると透明性に
優れたフィルムを成形することができる。ここで、ポリ
プロピレン(A)と高密度ポリエチレンとの合計量が1
00質量%になる。
【0021】このような構成の樹脂組成物は、ポリプロ
ピレン(A)の中に高密度ポリエチレンが均一に分散混
合していることから、高い透明性を示す。しかも、ポリ
プロピレン(A)は、前記した特定範囲の比較的に狭い
分子量分布を有していることから、その樹脂組成物から
得られたフィルムの表面は平滑で、高い透明性と光沢と
を示す。本発明においては、それらの樹脂組成物の中で
も、それから厚さ25μmのフィルムを形成して測定し
たヘイズが3.0%以下になり得る、そのようなフィル
ムを形成可能な組成物がより好ましい。
【0022】樹脂組成物の製造方法 このような樹脂組成物の製造方法として、次の方法を例
示することができる。 (1)予め製造しておいたポリプロピレン(A)と高密
度ポリエチレンとを混合する方法 (2)ポリプロピレンと高密度ポリエチレンとを有機過
酸化物の存在下に溶融混練して、ポリプロピレン(A)
と高密度ポリエチレンとの組成物を得る方法 (3)まず立体規則性重合触媒の調整時にエチレンの予
備重合を行って高密度ポリエチレンを製造し、引き続い
て同重合触媒を用いてプロピレンの本重合を行ってポリ
プロピレン(A)を製造して組成物を得る方法 (4)第一段階でプロピレンを重合してポリプロピレン
(A)を製造した後、第二段階でエチレンを重合して高
密度ポリエチレンを得る二段重合法によって組成物を得
る方法
【0023】それらの方法の中でも、(2)による方法
が、ポリプロピレンの分子量および分子量分布を容易に
調整することが可能であるために、また成形したフィル
ムの透明性が高いことから好ましい。すなわち、ポリプ
ロピレンおよび高密度ポリエチレンを有機過酸化物の存
在下に溶融混練する過程で、ポリプロピレン分子は熱減
成して分子量分布を狭め、その結果好ましい分子量およ
び分子量分布に調整される。次にその製造方法について
詳細に説明する。
【0024】<ポリプロピレン(B)>この製造方法に
適した原料ポリプロピレン(B)は、プロピレンの単独
重合体であってもよいし、先にポリプロピレン(A)で
説明したと同じプロピレンとα−オレフィンとの共重合
体であってもよく、好ましくはプロピレンとα−オレフ
ィンとのランダム共重合体である。そして、そのランダ
ム共重合体中のα−オレフィン含有量は、透明性、機械
的強度およびヒートシール性とのバランスを考慮して、
8質量%以下、好ましくは2.0〜5.0質量%、より
好ましくは2.5〜4.5質量%の範囲である。なお、
ポリプロピレン(B)は、後述する溶融混練工程の際、
2種類以上のポリプロピレンを用いてもよい。
【0025】ASTM D−1238に準拠し、230
℃、2.16kgの負荷質量下で測定したそのメルトフ
ローレート値は、0.1〜10(g/10分)、好まし
くは0.3〜8(g/10分)、特に好ましくは0.5
〜7(g/10分)が望ましい。
【0026】また、ポリプロピレン(B)の質量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、すなわち
(Mw/Mn)の値が、0.5〜8.0、好ましくは
0.5〜6.5、より好ましくは1〜6の範囲である。
MwおよびMnは、前記したと同様にGPC法で測定す
ることができる。
【0027】<高密度ポリエチレン>原料としての高密
度ポリエチレンは、前記したと同じ重合体を使用するこ
とができる。ただ、ポリプロピレン(B)との均一混合
を図るために、その平均粒径が、0.1〜200μm、
好ましくは1〜200μm、より好ましくは2〜150
μmの範囲が望ましく、この範囲にあると、透明性に優
れたフィルムを製造することができる。
【0028】<有機過酸化物>使用可能な有機過酸化物
として次の化合物を例示することができる。 (1)ケトンペルオキシド類:メチルエチルケトンペル
オキシド、メチルアセトアセテートペルオキシド
【0029】(2)ペルオキシケタール類:1,1−ビ
ス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキ
シ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−
ブチルペルオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブ
チルペルオキシ)ブタン
【0030】(3)ハイドロペルオキシド類:パーメタ
ンハイドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルハイドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼ
ンハイドロペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド
【0031】(4)ジアルキルペルオキシド類:ジ−t
−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソ
プロピル)ベンゼン、ジ(3−メチル−3−メトキシブ
チル)ペルオキシジ(カーボネプロピル)ベンゼン
【0032】(5)ジアシルペルオキシド類:ベンゾイ
ルペルオキシド
【0033】(6)ペルオキシエステル類:t−ブチル
ペルオキシオクテート、t−ブチルペルオキシイソブチ
レート、t−ブチルペルオキシラウレート、t−ブチル
ペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、
t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキ
シベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシイソフタレ
ート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオ
キシ)ヘキサン
【0034】これらの有機過酸化物は、1種または2種
以上を使用することができる。これらの中でも、2,5
−ジメチルー2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
サンが好ましい。
【0035】<反応割合>溶融混練を行う前に、原料に
なるポリプロピレン(B)を99.5〜99.99(質
量%)、好ましくは99.6〜99.98(質量%)、
より好ましくは99.7〜99.97(質量%)、高密
度ポリエチレンを0.01〜0.5(質量%)、好まし
くは0.02〜0.4(質量%)、より好ましくは0.
03〜0.3(質量%)の割合で混合する。ここで、ポ
リプロピレン(B)と高密度ポリエチレンとの合計量が
100質量%になる。
【0036】また、有機過酸化物の添加量は、ポリプロ
ピレン(B)と高密度ポリエチレンとの合計量100質
量部に対して、好ましくは0.001〜0.5質量部、
より好ましくは0.005〜0.2質量部添加する。有
機過酸化物がこの範囲で添加されると、溶融混練後に得
られる樹脂組成物は、フィルム成形に適しかつフィルム
が高い機械的強度を示すMFR値に調整されると共に、
ポリプロピレンが前記した範囲の質量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比、すなわち(Mw/
Mn)の値が、2.2〜5.0、好ましくは2.2〜
4.5、より好ましくは2.2〜4.0の範囲に調整さ
れる。
【0037】<反応方法>原料ポリプロピレン(B)、
高密度ポリエチレン、有機過酸化物、および必要に応じ
て添加される酸化防止剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、ア
ンチブロッキング剤、滑剤、スリップ剤、塩酸吸収剤等
々の各種添加剤を、まずリボンブレンダー、タンブラー
ブレンダー、V型ブレンダー、あるいはヘンシェルブレ
ンダー等を用いてドライブレンドして、均一に混合す
る。
【0038】次いで、ニーダー、コニーダー、バンバリ
ーミキサー、ブラベンダー、単軸押出機、2軸押出機な
どの混練機、2軸表面更新機、2軸多円板装置などの横
型攪拌機、またはダブルヘリカルリボン攪拌機などの縦
型攪拌機を用いて溶融混練する。
【0039】溶融混練時の加熱温度は、170〜270
℃、好ましくは180〜250℃である。また溶融混練
時間は、一般に10秒〜5分間、好ましくは30秒〜6
0秒間である。この温度および時間の条件下で溶融混練
を行うと、原料ポリプロピレン(B)は十分に溶融し、
かつ有機過酸化物は分解してしまうことから、得られる
樹脂組成物が後工程のフィルム成形時にさらに性状を変
化させることはほとんどない。
【0040】この溶融混練の工程で、各成分および添加
剤は互いに均一に分散混合して、高品質の樹脂組成物が
製造される。その結果、樹脂組成物中のポリプロピレン
成分は、MFRが2〜30(g/10分)および(Mw
/Mn)の値が2.2〜5.0に調節され、フィルム成
形性が良好な樹脂組成物になり、成形したフィルムの透
明性も良好である。
【0041】ポリプロピレン系樹脂フィルム 前記した樹脂組成物、あるいはその製造方法によって得
られた樹脂組成物からキャスト成形法やインフレーショ
ン成形法によってフイルムを製造することができる。例
えば、樹脂組成物を押出機へ供給して溶融し、先端がT
字型になったダイから押出し、冷却ロールで冷却固化さ
せた後巻き取る方法を採用することができる。その後、
必要に応じて一軸または二軸方向へと延伸操作を加える
こともできる。
【0042】本発明に係わるフィルムは、その厚さを使
用目的に応じて任意に調整することができ、その厚みに
係わらず優れた透明性を示す。例えば、厚さ25μmの
フィルムを成形した時に、ASTM D−1003に準
拠して測定したそのヘイズは3.0%以下になり、この
ように高い透明性を示すフィルムが得られ、またそのよ
うなフィルムが望ましい。さらにこのフィルムは、高い
機械的強度とヒートシール強度とを有しているので、各
種包装用フィルムとして使用することができ、特に食品
包装用フイルム用途に好適に使用することができる。
【0043】
【実施例】次に実施例を通して本発明を説明するが、本
発明はそれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【0044】実施例で使用した各種原料の組成および物
性は次の通りであった。 (a)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重
合体: MFR(230℃);5(g/10分) エチレン含有量:2.0質量%、1−ブテン含量2.1
質量% Mw/Mn=5.7
【0045】(a’)プロピレン単独重合体: MFR(230℃);5(g/10分) Mw/Mn=5.5
【0046】(b)高密度ポリエチレン: MFR(190℃);8(g/10分) 密度;0.960(g/cm) 粒径;100μm
【0047】実施例および比較例で得たフィルムは、次
に記す試験方法で各種物性を測定した。 (イ)ヘイズ :ASTM D−1003に準拠して
測定した。 (ロ)光沢 :ASTM D−523に準拠して測
定した。 (ハ)引張降伏点強さおよび破断点伸び:ASTM D
−882に準拠して引張試験を行い、その結果から引張
降伏点強さおよび破断点伸びを測定した。 (ニ)ヒートシール温度:東洋製機(株)製ヒートシー
ラーを用い、2kg/cmの圧力で1秒間シールした
サンプルを15mm幅に切断し、インストロン引張試験
機によってT字剥離強度を測定した。その際、シール温
度を変えてシール試験を行い、6N/15mmの剥離強
度を示すシール温度をヒートシール温度(℃)とした。
【0048】(実施例1)ヘンシェルミキサー中にプロ
ピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体(a)
99.9質量部、および高密度ポリエチレン0.1質量
部とからなる混合物100質量部、エルカ酸アミド90
0ppm、微粉末シリカ1500ppmを供給し、さら
に2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキ
シ)ヘキサン0.02質量部とを添加し、攪拌混合し
た。
【0049】その混合物を二軸押出機(40mmφ)を
用いて樹脂温度230℃で溶融混練し、その混練物を押
出してポリプロピレン系樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットのMFRは、10(g/10分)であっ
た。
【0050】次いで、そのペレットを65mmφのキャ
スト成形機へと供給し、樹脂温度220℃で溶融してか
ら押出し、30℃のロールで冷却しつつ引き取り、厚み
25μmのフイルムを得た。このフイルムからそれぞれ
の試験片を作製し、ヘイズ、光沢、引張特性およびヒー
トシール温度を測定し、その結果を表1に示した。
【0051】(実施例2)実施例1で用いたプロピレン
・エチレン・1−ブテンランダム共重合体(a)の代り
にプロピレン単独重合体(a’)を用いる以外は実施例
1と同様に行って厚み25μmのフイルムを作成した。
このフイルムからそれぞれの試験片を作製して、各種の
物性を測定し、その結果を表1に併せて示した。
【0052】(比較例1)高密度ポリエチレンを配合し
ない以外は実施例1と同様に行ってフイルムを作成し、
その物性を測定した。結果を表1に併せて示した。
【0053】(比較例2)高密度ポリエチレンを配合し
ない以外は実施例2と同様に行ってフイルムを作成し、
その物性を測定した。結果を表1に併せて示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明に係わるポリプロピレン系樹脂組
成物からは、優れた透明性を有するフイルムを製造する
ことができる。また本発明のポリプロピレン系樹脂組成
物の製造方法によると、原料ポリプロピレンの分子量お
よび分子量分布を容易に調整することができることか
ら、優れた透明性を有するフイルムを製造するに適した
樹脂組成物の製造方法を提供することができる。さらに
本発明に係わるフィルムは、優れた透明性を有し、しか
もヒートシ−ル強度および光沢もよいことから、包装用
フィルムとして好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 23:00 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA20 AA81 AA82 AA88 AC08 AF14 AF21 AF30 AF32 AF45 AH04 BC01 4F201 AA04 AA04E AA11 AA11H AB03 AB19 AG01 AR15 AR17 BA01 BC01 BC12 BC38 BD05 BK01 BK02 4J002 BB032 BB111 BB121 BB141 EK006 EK016 EK036 EK056 EK066 EK076 GG00 GG02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローレートが2〜30(g/10
    分)、かつ質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
    n)との比(Mw/Mn)が2.2〜5.0であるポリ
    プロピレン(A)99.5〜99.99質量%、および
    密度が0.950〜0.980(g/cm)の高密度
    ポリエチレン0.01〜0.5質量%とからなることを
    特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記のポリプロピレン(A)が、プロピレ
    ン単独重合体またはα−オレフィン含有量が8.0質量
    %以下のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体
    であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレ
    ン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記のα−オレフィンが、エチレンおよび
    /または1−ブテンであることを特徴とする請求項2に
    記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記の組成物は、それから厚さ25μmの
    フィルムを形成した時のそのフィルムのヘイズが3.0
    %以下になる得ることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】メルトフローレートが0.1〜10(g/
    10分)、かつ質量平均分子量(Mw)と数平均分子量
    (Mn)との比(Mw/Mn)が0.5〜8.0である
    ポリプロピレン(B)99.5〜99.99質量%、お
    よび密度が0.950〜0.980(g/cm)でか
    つ平均粒径が0.1〜200μmの高密度ポリエチレン
    0.01〜0.5質量%とからなる混合物を、有機過酸
    化物の存在下に溶融混練することを特徴とするポリプロ
    ピレン系樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】前記の有機過酸化物が、2,5−ジメチル
    −2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンである
    ことを特徴とする請求項5に記載のポリプロピレン系樹
    脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】前記の有機過酸化物が、ポリプロピレン
    (B)と高密度ポリエチレンとの合計量100質量部に
    対して、0.001〜0.5質量部添加されることを特
    徴とする請求項5または6に記載のポリプロピレン系樹
    脂組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロ
    ピレン系樹脂組成物から形成されていることを特徴とす
    るポリプロピレン系樹脂フイルム。
  9. 【請求項9】請求項5〜7のいずれかに記載のポリプロ
    ピレン系樹脂組成物の製造方法で得られた樹脂組成物か
    ら形成されていることを特徴とするポリプロピレン系樹
    脂フイルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0616884A (ja) * 1992-06-30 1994-01-25 Sumitomo Chem Co Ltd ポリプロピレン組成物及びそのフィルム

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