JP2002336307A - 介護用移動補助装置 - Google Patents

介護用移動補助装置

Info

Publication number
JP2002336307A
JP2002336307A JP2001142808A JP2001142808A JP2002336307A JP 2002336307 A JP2002336307 A JP 2002336307A JP 2001142808 A JP2001142808 A JP 2001142808A JP 2001142808 A JP2001142808 A JP 2001142808A JP 2002336307 A JP2002336307 A JP 2002336307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thrust
gear
weight
motor
elevator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001142808A
Other languages
English (en)
Inventor
Akito Tanaka
明人 田中
Norio Nomura
則雄 野村
Kazuo Fukumoto
一夫 福本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Glory Ltd
Original Assignee
Glory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Glory Ltd filed Critical Glory Ltd
Priority to JP2001142808A priority Critical patent/JP2002336307A/ja
Publication of JP2002336307A publication Critical patent/JP2002336307A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manipulator (AREA)
  • Invalid Beds And Related Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被介護者に不快感を与えることなく、介護者
一人で迅速且つ安全に被介護者を移動させることができ
る介護用移動補助装置を提供する。 【解決手段】 被介護者の身体を保持する身体保持手段
120を掛ける吊具21は動滑車25を介して紐状部材
26により懸垂支持される。紐状部材26の一端はエレ
ベーター40に連結される。エレベーター40は錘42
を保持し、この錘42により吊具21に値一定な上向き
の推力が与えられる。この推力により被介護者の見かけ
上の質量が減少する。錘42の質量を変更することによ
り、推力を任意に調整可能である。エレベーター40を
昇降させる昇降装置70にモータ80の力を伝える動力
伝達装置90が連結切り離し状態となったとき、錘42
の質量が推力として吊具21に伝達される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、病人や怪我人、体
の不自由な人などの被介護者をベッドから車椅子に移動
させたり、車椅子からベッドに戻す作業を行う時などに
介護者を補助し、負担を軽減するための介護用移動補助
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】病人や怪我人、体の不自由な人などの被
介護者をベッドから車椅子に移動させたり、あるいは車
椅子からベッドへ戻すような作業は介護者にとって極め
て重労働であり、大きな負担となっている。このような
問題を解決するために、被介護者を吊上シートに乗せて
吊り上げ、その吊り上げ状態のまま車椅子の上に降ろす
ようにした装置が多数提案されている。例えば、特開平
9−108277号公報に示されている装置では、鉛直
状の支柱に連接された吊上アームの先端に吊上シートが
掛止可能な吊具を設けており、この吊具は一端がベルト
に連結されていて、巻取ハンドルを回転させてベルトを
巻き取ったり、繰り出すことで上下に昇降可能となって
いる。そして、被介護者をベッドから車椅子に移動させ
るような場合には、まず、ベッド上の被介護者を吊上シ
ートに包み込み、巻取ハンドルを手動で回転させてベル
トを繰り出して吊具を適当な位置まで下降させて吊上シ
ートのフックを吊具に引っ掛けた後、巻取ハンドルを回
転させてベルトを巻き取って被介護者を吊り上げる。次
に、吊り上げられた被介護者の下方に車椅子を置き、巻
取ハンドルを回転させてベルトを繰り出して被介護者を
車椅子の上に下ろすようになっている。
【0003】また、特開平10−85273号公報に示
された装置では、高所に架設されたレールに沿って巻上
装置が走行自在となっており、巻上装置内に設けられた
巻き胴(ドラム)をモータで回転させてベルトの巻き取
りや繰り出しを行うことにより吊具を昇降させるように
なっている。そして、巻上装置で吊り上げられた被介護
者を巻上装置ごとレールに沿って任意の位置まで移動さ
せるようにしている。
【0004】ところが、上記従来の装置を使用すること
で介護者の負担は軽減させることができるが、被介護者
に対しては荷物のように吊り上げられて移動させられて
いるという不快感や落下するのではないかという不安感
を与えてしまうという問題がある。痴呆症の老人などを
移動させる際には吊り上げられた状態で暴れる可能性が
あり、転落や転倒の危険がある。
【0005】また一口に被介護者といっても全身麻痺状
態の人、下半身だけが不自由な人、補助をしてやれば自
力で立てるような人等、様々なレベルの人が存在し、全
身を吊り上げて移動させなければならない場合もあれ
ば、少し手を貸せば移動できる場合もある。このように
被介護者の状況が多様であるのに対し、従来の装置では
全ての被介護者を全身吊り上げの方法で移動させること
しかできず、被介護者側のニーズにぴったりマッチする
とは言い難い。全ての人に全身吊り用の身体保持手段
(スリング)を使用するため、常に面倒で時間のかかる
全身吊りスリングのセット作業が必要であった。
【0006】さらには、上記従来の装置では被介護者の
移動に非常に多くの時間を必要とする。例えば手動式の
装置の場合、所望の上昇量あるいは降下量を得るために
は時間をかけて巻取ハンドルを何回も回す必要がある。
電動式の装置の場合でも、一般的には重度の被介護者を
静かに上下させることに基準を合わせて設計されている
ため、昇降速度は遅い。
【0007】また、吊り上げた被介護者を車椅子に座ら
せる場合など、車椅子の座部の真上に被介護者の体幹部
を持ってくるとともに被介護者の身体の向きと車椅子の
向きを合わせるという水平方向の位置決めと、被介護者
の体幹部が車椅子の座部にうまく収まるよう被介護者を
降ろすという垂直方向の位置決めとを行うため、巻上ハ
ンドルやモータのスイッチを小刻みに操作して被介護者
の下降位置を調整しつつ、被介護者の身体あるいは車椅
子を押し引きして水平方向の相対位置を調整する必要が
あり、操作が煩雑で不慣れな介護者には取り扱いにくい
という問題もある。
【0008】上記従来の装置の欠点を解決するため、特
開平11−290398号公報で次のような移送介助装
置が提案されている。すなわち被介助者を支持する支持
手段を連結手段により移動体手段に連結支持する。連結
手段は被介助者の重量を測定する重量測定手段と、支持
力の増減手段と、前記重量測定手段からの測定信号を前
記増減手段に出力する制御手段を備え、被介助者の体重
分の荷重を常にゼロに相殺し、介助者の労力を大幅に軽
減する。引き上げる時にも引き下げる時にも介助者が被
介助者の体を上方向や下方向に引っ張らない限り駆動モ
ータが作動しないので、介助者の手は常に被介助者の身
体と接触していて、被介助者に安心感を与える。しかし
ながら、この装置にも次のような欠点がある。
【0009】すなわち、この装置では鋭敏な応答性が得
られない。介助者が被介助者に手をかけて上方なり下方
なりに力を加えたとき、被介助者だけを支えていたとき
と異なる重量状態を重量測定手段が検出してはじめて支
持力の増減手段が動作を開始し、従前の重量状態を回復
しようとする。増減手段の動作は従前の重量状態に復帰
したことを重量測定手段が検出するまで続く。
【0010】被介助者を大きく持ち上げると、増減手段
の動きが追いつくまで、介助者は大きな重量を支えてい
なければならないことになる。そのような大きな重量は
支えられないということで、少しだけ持ち上げて負荷の
増分を少なくすることとすれば、少し持ち上げては増減
手段が追いつくのを待つというサイクルを何度も繰り返
さねばならず、動きがぎくしゃくしたものになる。これ
は被介助者に不快感を与える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、被介
護者に不快感を与えることなく、介護者一人で非常に迅
速且つ安全に被介護者を移動させることができ、操作性
に優れ、動きがスムーズで、構成もシンプルにできる介
護用移動補助装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、介護用移動補助装置が以下の構成要素
を備えるものとした。 (a)被介護者の身体を保持する身体保持手段 (b)前記身体保持手段を掛ける吊具 (c)前記吊具に、予め被介護者の質量による下方への
力と略同等以下に設定された値一定な上向きの推力を与
えるだけで被介護者の質量を見かけ上減少させるアシス
ト装置。
【0013】この構成により、被介護者の質量を見かけ
上減少させることができ、介護者の負担を数kgのレベ
ルにとどめておけば、非力な介護者でも被介護者の身体
を軽々と抱え上げ、思うがままに移動させることができ
る。また被介護者が機械的に吊り上げられることがな
く、介護者が抱きかかえてはじめて被介護者の身体が浮
上するため、荷物のように吊り上げらるという不快感や
落下するのではないかという不安感を被介護者に感じさ
せることがない。そして、介護者が被介護者に加える力
に応じてフィードバック制御するのでなく、予め設定さ
れた一定の推力が常に発生することとしたから、フィー
ドバック制御を実現するための様々な要素を配置する必
要がない。しかも演算とそれに基づく制御指令を待つ必
要がないので操作性が良く、動きもスムーズである。
【0014】また本発明では、アシスト装置は紐状手段
により吊具に連係する錘を推力源に含み、この錘の質量
を変更することで推力を任意に調整可能とした。この構
成によれば、極めてシンプル且つ信頼性の高い機構で任
意の推力を得ることができる。
【0015】また本発明では、吊具を動滑車を介して懸
垂支持し、動滑車に巻き掛けられる紐状部材の一端に錘
を連結した。この構成によれば、必要とされる推力を小
質量の錘で生み出すことができる。
【0016】また本発明では、錘を支持し、且つ紐状部
材を介して吊具に連結したエレベーターと、このエレベ
ーターを昇降させる昇降装置と、連結入切が可能な動力
伝達装置を介して前記昇降装置に連結するモータとを備
え、前記動力伝達装置が連結切り離し状態となったと
き、錘の質量が推力として吊具に伝達されるようにし
た。この構成によれば、必要なときに吊具に推力をかけ
ることが可能になる。
【0017】また本発明では、動力伝達装置が、モータ
の動力を受け取る入力部歯車と、昇降装置に動力を伝え
る出力部歯車と、前記入力部歯車と出力部歯車とを連結
するものにして、入力部歯車の軸を中心に回動自在なブ
ラケットに支持された中間歯車とを含み、モータの動力
を昇降装置に伝達してエレベーターを降下させている間
に被介護者の質量が吊具に加わってエレベーターが停止
し、出力部歯車の回転も停止した時点で、前記中間歯車
の回転により前記ブラケットが回動して中間歯車と出力
部歯車とのかみ合いが解除され、錘の質量が推力に転化
するようにした。この構成によれば、モータにより吊具
を引き上げるモードから錘により吊具に推力を付与する
モードへの切替が自動的に行われる。
【0018】また本発明では、中間歯車の回転によりブ
ラケットが回動して中間歯車と出力部歯車とのかみ合い
が解除されたときモータを停止させる制御装置と、モー
タ停止時においてブラケットの角度をそのままに維持す
る角度維持装置とを備え、停止中のモータを逆方向に回
転させることによりブラケットが逆方向に回動して中間
歯車と出力部歯車とのかみ合いが復活するようにした。
この構成によれば、錘による推力に代え再びモータの力
を昇降装置に伝えるのにモータを逆転させるだけで事足
りる。
【0019】また本発明では、ブラケットに回動阻止装
置を設け、この回動阻止装置が機能してブラケットの回
動が阻止されたとき、モータを駆動源とした被介護者を
完全に吊り上げることが可能なリフト装置が構成される
ようにした。この構成によれば、被介護者を機械力で完
全に吊り上げる必要が生じた場合にも対処できる。
【0020】また本発明では、アシスト装置はトルクモ
ータを推力源に含むこととした。この構成によれば、ア
シスト装置をコンパクト且つ軽量に構成することが可能
になる。
【0021】また本発明では、アシスト装置は一定荷重
を付加することが可能なバネを推力源に含むこととし
た。この構成によれば、コンパクト且つ軽量なアシスト
装置を低コストで実現できる。
【0022】また本発明では、垂直なコラムと、このコ
ラムに水平にヒンジ結合され、水平面内で旋回可能なビ
ームとを備え、このビームにはその長手方向に沿ってス
ライドするスライダーを装着し、このスライダーが吊具
を支持することとした。この構成によれば、吊具を水平
面内の任意位置に移動させることが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態を図
1〜20に基づき説明する。最初に、図1〜11に基づ
き構造の説明を行う。
【0024】介護用移動補助装置1はベッドサイドや浴
室の洗い場等、被介護者の身体を持ち上げて移動させる
必要のある場所に設置される。介護用移動補助装置1は
垂直なコラム10と、コラム10の上端の一側面にヒン
ジ11を介して結合された水平なビーム12を備える。
コラム10、ビーム12ともに板金を折曲して四辺形断
面に形成したものであり、被介護者の質量を支えるのに
十分な強度を備えている。
【0025】コラム10の下端からは3本のアウトリガ
ー13a、13b、13cがT字形をなすように張り出
す。各アウトリガーの先端にはレベル出し用のネジ脚1
4が取り付けられている。なおアウトリガー13a、1
3b、13cは着脱可能であり、コラム10をベッド、
浴槽、壁等に直接固定できる場合には取り外す。
【0026】ビーム12はヒンジ11を中心として水平
面内で旋回可能であり、内部にスライダー20を備えて
いる。スライダー20はビーム12の長手方向に沿って
水平方向にスライドする。スライダー20を支持するに
あたっては、「リニアガイド」等の商品名で市販されて
いる直線摺動機構要素、あるいは水平なガイドロッドと
ボールガイドとの組み合わせ等を使用することができ
る。
【0027】スライダー20は吊具21を懸垂支持す
る。吊具21はステンレススチール等強度の高い金属か
らなり、水平な板状本体の両側にフック22を有する形
状であって、このフック22に被介護者の身体を保持す
る身体保持手段120(図12参照)を掛けるものであ
る。身体保持手段120は図12のように被介護者を包
み込む形態の強靱な布により構成され、フック22に係
合する輪部121を両側に有する。なお、身体保持手段
はこの形態に限られるものではない。図14に示す身体
保持手段120aは、例えば下半身のみが不自由である
といった、上半身を真っ直ぐに起こしていられる被介護
者に用いるものである。この身体保持手段120aは腰
に巻くベルト122と太股に巻くベルト123を組み合
わせたものであり、全身を包み込むものに比べセッティ
ングを短時間で行うことができる。
【0028】吊具21の上面中央には滑車ハウジング2
3がスイベル軸24により連結される。滑車ハウジング
23は内部に動滑車25を備え、この動滑車25に巻き
掛けられる紐状部材26により懸垂支持される。紐状部
材26の一方の端はスライダー20に装着したガイドプ
ーリー27と、コラム10の内部に設けたガイドプーリ
ー28を介してコラム10内のエレベーター40に連結
する。紐状部材26の他方の端はスライダー20に装着
したガイドプーリー29、ビーム12内のガイドプーリ
ー30、31、及びコラム10内のガイドプーリー32
を介してコラム10内の復元用錘33に連結する。滑車
ハウジング23は2筋の紐状部材26で支持されるため
スライダー20に対し相対回転しないが、吊具21はス
イベル軸24を中心として水平面内で回転自在である。
【0029】紐状部材26はヒンジ11を経由してコラ
ム10とビーム12に出入りするものであり、ビーム1
2の旋回によって紐状部材26の移動が影響されないよ
う、ヒンジ11には図6、7に示すようなガイド機構が
設けられている。すなわちヒンジ11はコラム10側の
ヒンジ部材34とビーム12側のヒンジ部材35とをピ
ン36a、36bで連結するのであるが、このピン36
a、36bの互いに対向する端に水平な軸支板37を取
り付け、この2枚の軸支板37に垂直な軸38a、38
bの両端をそれぞれ支持させる。軸38a、38bはピ
ン36a、36bの軸線を中心とする対称位置に配置さ
れ、各々2個づつのガイドローラー39を軸線方向に距
離を置いて回転自在に支持している。各ガイドローラー
39の外周には半円形断面の溝が刻まれ、軸38a側の
ガイドローラー39と軸38b側のガイドローラー39
との間にはほぼ円形のガイド空間が形成される。このガ
イド空間に紐状部材26を通す。
【0030】軸支板37はピン36a、36bを中心と
して回動可能であり、図7に示すように紐状部材26の
向きに合わせて自らの向きを変えることができる。従っ
て、ビーム12の向きが変わるにつれ軸支板37の向き
も変わり、紐状部材26が移動に支障をきたすようなこ
とはない。なおピン36a、36bと軸支板37との関
係は、ピン36a、36bに軸支板37が固定され、軸
支板37がピン36a、36bもろとも回動する構成で
あってもよく、ピン36a、36bと軸支板37とが互
いに回動可能で、ピン36a、36bとは関係なく軸支
板37のみ回動する構成であってもよい。
【0031】コラム10の内部には、吊具21に上向き
の推力を与え、被介護者の見かけ上の質量を減少させる
アシスト装置2が配置される。アシスト装置2の中核と
なるのは錘42であるが、この錘42にアシスト動作を
遂行させるため、エレベーター40、昇降装置70、モ
ータ80、動力伝達装置90等、様々な構成要素が付属
し、これらが集合してアシスト装置2を形成する。ま
た、コラム10の内部には吊具21に上方定位置への復
元力を与える復元装置3も配置されている。以下、アシ
スト装置2の各部及び復元装置3の構造を順次説明す
る。
【0032】コラム10の内部にはエレベーターシャフ
ト15、16が並列に区画形成され、そのうち断面積の
小さい方のエレベーターシャフト16に復元用錘33が
収納される。復元用錘33は復元装置3の中核をなす。
復元用錘33の質量は吊具21と滑車ハウジング23と
の合計質量の1/2よりも大きく、吊具21を常に上方
の定位置へ引き上げる。吊具21に手をかけて下に引く
と復元用錘33は上昇する。エレベーターシャフト16
の上端には復元用錘33の移動上限となるストッパー1
7が設けられている。なおガイドプーリー32の軸には
図5に示す抵抗装置41が連結される。抵抗装置41は
復元装置3の一部をなすものであり、ロータリーダンパ
ーにより構成され、回転方向によって異なる抵抗を発生
する。すなわち復元用錘33が上昇する方向にあっては
抵抗小、復元用錘33が下降する方向にあっては抵抗大
となるものである。
【0033】エレベーター40はエレベーターシャフト
15の内部で昇降動作を行う。エレベーター40は吊具
21の推力源となる錘42を支持する。錘42は複数個
の錘ブロック43の集合からなる。錘ブロック43は図
4に示すように直方体形状をしており、垂直方向に積み
上げて使用される。積み上げ時の位置ずれを防ぐため、
各錘ブロック43の上面には1対のダボ44が形設さ
れ、下面にはこのダボ44を受け入れる穴(図示せず)
が形設される。錘ブロック43の中心には垂直な貫通穴
43aが形設される。また錘ブロック43の対向側面間
には、貫通穴43aと直交する形で、連結ピン46を挿
入するための水平な貫通穴45が設けられる。連結ピン
46の役割は後で説明する。
【0034】エレベーター40は倒立したL字形状をし
ており、その上端のブラケット部47に倒立したT字形
状の吊りブロック48がピン49を介して連結される。
ピン49は紐状部材26を連結するのにも用いられる。
図3に示すように、吊りブロック48はT字の横棒部を
ブレーキ装置50のハウジングの中に置き、縦棒部をブ
レーキ装置50の天井部から上方に突き出す。吊りブロ
ック48とブレーキ装置50とは上下方向に相対移動可
能である。
【0035】吊りブロック48の横棒部の両翼にはそれ
ぞれ水平な長穴51が形設される。ブレーキ装置50の
内部に支軸52により垂直面内で回動自在に支持された
ブレーキレバー53の一端のピン54が長穴51に係合
する。ブレーキレバー53の他端はブレーキ装置50の
側面に設けた窓55に臨む。窓55の外には硬質ゴムか
らなるブレーキシュー56がブレーキ装置50の昇降ス
トローク全域にわたり垂直に配置されている。吊りブロ
ック48とブレーキ装置50の底壁との間には引張コイ
ルバネ57が張り渡され、吊りブロック48を下方へ引
く。通常状態ではブレーキ装置50及びその支持する構
成要素の質量が引張コイルバネ57のテンションに打ち
勝ち、吊りブロック48の横棒部がブレーキ装置50の
天井面に当たる。そしてブレーキレバー53は窓55か
ら突出しない角度に維持される。
【0036】ブレーキ装置50の下面中心からは吊り棒
58が垂下する。吊り棒58は錘ブロック43の垂直方
向の貫通穴43aに挿入されるものである。吊り棒58
の側面には、錘ブロック43の水平方向の貫通穴45に
整列する貫通穴59が、錘ブロック43の厚さと同じピ
ッチで形設されている。垂直に積まれた錘ブロック43
の貫通穴43aに吊り棒58を通し、任意の錘ブロック
43の貫通穴45に連結ピン46を通して錘ブロック4
3と吊り棒58を串刺しにすると、その錘ブロック43
及びその上に乗った錘ブロック43が吊り棒58と結合
した状態になり、ブレーキ装置50とともに昇降する。
どの錘ブロック43に連結ピン46を通すかにより、錘
42の質量を調整することができる。なおブレーキ装置
50の底壁には最上段の錘ブロック43のダボ44を通
す貫通穴が設けられている。
【0037】連結ピン46の抜き差し作業を行うため、
コラム10の下部両側面にはサービスハッチ60を設け
る(図1参照)。サービスハッチ60には扉61を設
け、常時はこれを閉ざす。なお図2において62は錘ブ
ロック43を載置する置台である。
【0038】エレベーター40は昇降装置70により昇
降する。昇降装置70はエレベーター40に連結したタ
イミングベルト71と、このタイミングベルト71を巻
き掛ける上下1対のタイミングプーリー72、73によ
り構成される。下方のタイミングプーリー73はエレベ
ーターシャフト15の中、上方のタイミングプーリー7
2はエレベーターシャフト15の上の区画に配置され
る。タイミングプーリー73にはベルトテンション調整
装置74が付属する。なおエレベーター40の側面には
垂直方向に整列する形で1対のガイドローラー75が装
着される。ガイドローラー75はエレベーターシャフト
15の内部に垂直に固定した断面コ字形のガイドレール
(図示せず)に係合し、エレベーター40をふらつきな
く垂直に昇降させる役割を担う。
【0039】図8、9に昇降装置70を動作させる仕組
を示す。80はモータ、90はモータ80の動力を昇降
装置70に伝達する動力伝達装置である。モータ80と
動力伝達装置90はともにコラム10の上部に配置され
ものであり、配置に必要なスペースを確保するため、コ
ラム10の上部には張出部18が形設されている(図1
参照)。
【0040】動力伝達装置90は次の4個の歯車を備え
る。すなわち入力部歯車91、出力部歯車92、中間歯
車93、ウオーム歯車94である。入力部歯車91とウ
オーム歯車94とは同じ軸95に固定される。出力歯車
92はタイミングプーリー72とともに軸96に固定さ
れる。中間歯車93は軸97に固定される。軸95、9
6、97はいずれも水平且つ互いに平行である。
【0041】98は軸95に取り付けられたブラケット
で、軸95を中心に垂直面内で回動可能である。軸97
はブラケット98に回転自在に支持され、中間歯車93
は入力部歯車91に常時かみ合う。99はコラム10の
内部に水平に設けたストッパー板で、ブラケット98の
自由端がストッパー板99に当たる角度位置において、
中間歯車93は出力部歯車92にかみ合う。
【0042】モータ80はモータ軸81を垂直にして配
置される。モータ軸81に固定したウオーム82がウオ
ーム歯車94にかみ合い、動力を伝える。83はモータ
80を制御する制御装置である。制御装置83には図
1、2に示すコントローラー84から制御信号が伝えら
れる。コントローラー84は上昇ボタン85、下降ボタ
ン86、及びモード切替スイッチ87を有する。制御装
置83にはストッパー板99の下面に固定されたマイク
ロスイッチ88と、エレベータシャフト15内に配置さ
れた上下のリミットスイッチ89a、89b(図2参
照)からも信号が伝えられる。マイクロスイッチ88は
ストッパー板99に設けた穴を通じて押しボタン88a
を上方に突出させている。押しボタン88aはブラケッ
ト98を待ち受ける位置にあり、ブラケット98がスト
ッパー板99に当たると押しボタン88aがブラケット
98に押されてマイクロスイッチ88の開閉状態が切り
替わるものである。
【0043】ブラケット98に対しては回動阻止装置1
00が設けられる。回動阻止装置100はストッパー板
99に当たったブラケット98をその状態に押しとどめ
る働きをするものであり、ロータリーソレノイド101
と、その軸102に固定されたストッパーブロック10
3により構成される。軸102は軸95、96、97と
平行であり、ストッパーブロック103はブラケット9
8の上方に位置する。ロータリーソレノイド101は制
御装置83により制御される。ストッパーブロック10
3が図8、10の角度位置にあるとき、ブラケット98
は中間歯車93と出力部歯車92のかみ合いが外れる位
置まで回動可能である。ストッパーブロック103が図
11の角度位置に来ると、ブラケット98はストッパー
板99に当たったまま拘束されることになる。
【0044】ブラケット98に対しては、その角度を維
持する角度維持装置110が設けられる(図9参照)。
角度維持装置110は軸95に装着されたトルクリミッ
ター111と、トルクリミッター111から突き出した
アーム112と、ブラケット98から突き出し、アーム
112に下から支えられるピン113により構成され
る。
【0045】次に、図1〜11に加え図12〜20も参
照しつつ介護用移動補助装置1の作用を説明する。なお
図16〜20は図2を忠実に線画化したものではない。
説明を容易にするため、エレベーターシャフト15、1
6の位置を取り替えてあり、ガイドプーリーの配置も異
なっている。省略した構成要素も多い。
【0046】介護用移動補助装置1をはじめて使用する
場合には、吊具21に与える推力を被介護者131の質
量に合わせて調整する必要がある。これを行うには、エ
レベーター40を最下降位置まで下降させた状態でサー
ビスハッチ60の扉61を開け、正面に見えている錘ブ
ロック43の推力表示に着目する。各錘ブロック43に
は各々「40kg」「50kg」「60kg」「70k
g」といった推力の表示があるので、それを目安にいず
れかの錘ブロック43の貫通穴45に連結ピン46を差
し込めば良い。すると、貫通穴45とこれに整列する吊
り棒58の貫通穴59を連結ピン46が串刺しにし、所
要の推力を発生するのに必要な個数の錘ブロック43が
吊り棒58により吊られることになる。この推力は「被
介護者の質量(衣服を含む)と同等以下」という条件を
満たせば良く、通常は被介護者131の質量より少し小
さくする。
【0047】錘42は唯一の推力発生源という訳ではな
い。錘42の質量に加え、エレベーター40とブレーキ
装置50の質量も推力発生に寄与する。そして、動滑車
25を用いているため、錘42、エレベーター40、ブ
レーキ装置50の質量の合計の2倍が推力として作用す
ることになる(各部の抵抗による推力の減殺はここでは
論議の対象としない)。他方、吊具21と滑車ハウジン
グ23の質量は推力減殺要因として働く。これらもろも
ろの要素を考慮した上で、個々の錘ブロック43の質量
と、推力の表示が設定されるものである。
【0048】推力の調整を終えた後、サービスハッチ6
0の扉61を閉じ、エレベーター40を一旦上昇させ
る。コントローラー84のモード切替スイッチ87で
「アシストモード」を選択し、下降ボタン86を押す。
吊具21に及ぼす力の方向に着目してボタンの「上昇」
と「下降」を設定しているので、ボタンの表示とエレベ
ーター40の移動方向とは逆になる。さて、下降ボタン
86を押すと制御装置83を通じモータ80に制御信号
が伝えられ、モータ80が回転を始める。この時モータ
80は、入力部歯車91を図10において時計回りに回
転させる。
【0049】モータ80が回転を始めるまで、動力伝達
装置90は図10に示す連結切り離し状態にあった。す
なわち回動阻止装置100のストッパーブロック103
は斜めを向き、ブラケット98は反時計回りに回動して
ストッパー板99から持ち上げられ、ストッパーブロッ
ク103に当たって止まっていた。そしてこのように持
ち上げられたブラケット98は、角度維持装置110に
よって角度を維持されていた。ブラケット98はトルク
リミッター111のアーム112にピン113を介して
自重に基づくトルクを与え続けるが、そのトルクはトル
クリミッター111の設定トルクより小さいため、トル
クリミッター111と軸95との間に相対回転を生じさ
せるに至らず、ブラケット98は図10の角度を変えな
かったのである。
【0050】入力部歯車91が時計回りに回転を始める
と、すなわち軸95が時計回りに回転を始めると、上記
の状況は一転する。中間歯車93が反時計回りに回転を
始め、一方ではトルクリミッター111のアーム112
がピン113の下から逃げ、ブラケット98が時計回り
に回動する。ブラケット98はストッパー板99に当た
って止まり、図8の状態となる。ブラケット98がこの
角度になると中間歯車93と出力部歯車92のかみ合い
が成立し、動力伝達装置90が連結状態となり、出力部
歯車92が時計回りに回転を始める。軸95が約1回転
すると、トルクリミッター111のアーム112が今後
はピン113を上から押す。ブラケット98はそれ以上
角度を変えないので、軸95とトルクリミッター111
とは互いに回転することになる。またブラケット98は
マイクロスイッチ88の押しボタン88aを押してお
り、ブラケット98がストッパー板99に着座したとい
う着座信号がマイクロスイッチ88より制御装置83に
伝えられる。
【0051】出力部歯車92が時計回りに回転するとタ
イミングプーリー72も時計回りに回転し、タイミング
ベルト71がエレベーター40を引き上げる。エレベー
ター40が上昇するとその上昇分だけ紐状部材26がコ
ラム10から繰り出されるが、その繰り出し分は復元用
錘33が下降して再びコラム10の中に引き込むので、
吊具21が上方定位置より下がることはない。エレベー
ター40が適当な位置(吊具21に身体保持手段120
が掛けられる程度の位置)まで上昇したところでコント
ローラー84の下降ボタン86から指を離し、エレベー
ター40の上昇を止める。なお下降ボタン86を押し続
けていたとしても、エレベーター40から突き出した図
示しないドグがリミットスイッチ89aを押した時点で
モータ80が停止し、エレベーター40は上昇を止め
る。
【0052】次に、被介護者131の体幹部の下に身体
保持手段120を敷き込む。それから、輪部121をフ
ック22に掛けられるところまで吊具21を下ろす。吊
具21を下ろすと、図16のように復元用錘33が上昇
する。抵抗装置41の示す抵抗はこの時は小さく、吊具
21は軽く引き下ろすことができる。身体保持手段12
0の輪部121をフック22に掛けられるところまで吊
具21を下ろしたときには、復元用錘33はストッパー
17に当たるか、それに近い高さまで上昇している。
【0053】身体保持手段120を吊具21に掛けた後
手を離せば、吊具21は復元力で上昇しようとし、身体
保持手段120はぴんと張りつめる。紐状部材26もぴ
んと張る。従って身体保持手段120がたるんで吊具2
1から外れるといったことはない。吊具21が空中でふ
らつき、被介護者131あるいは介護者132に当たる
といったこともない。
【0054】身体保持手段120と吊具21の連結が完
了したところでコントローラー84の上昇ボタン85を
押す。するとモータ80が逆回転し、入力部歯車91が
反時計回りに回転し、中間歯車93が時計回りに回転す
る。出力部歯車92は反時計回りに回転する。この時の
中間歯車93と出力部歯車92の関係は、中間歯車93
が出力部歯車92を反時計回りに回転させるというより
もむしろ、自由落下しようとするエレベーター40によ
り出力部歯車92が急速に反時計まわりに回転しようと
するのに中間歯車93がブレーキをかけ、エレベーター
40を一定のゆっくりとした速度で下降させているもの
である。エレベーター40が下降するにつれ紐状部材2
6がエレベーターシャフト15の中に引き込まれ、復元
用錘33は、もしこの時点でストッパー17に当たって
いなかったとすれば、ストッパー17に当たるところま
で引き上げられる。
【0055】復元用錘33がストッパー17に当たって
動きを止めてもなおエレベーター40が下降を続ける
と、紐状部材26及び身体保持手段120の張力が高ま
って行く。そして、推力に等しい質量が吊具21に加わ
る瞬間がやってくる。この時エレベーター40は下降を
停止し、出力部歯車92も回転を停止する。このため、
急速に回転しようとする出力部歯車92に中間歯車93
がブレーキをかけるという関係が解消される。モータ8
0は依然として回転を続けるので、中間歯車93が出力
部歯車92をけり出す形になり、またトルクリミッター
111のアーム112がピン113の下に回り込んでき
てこれをすくい上げ、ブラケット98は反時計回りに回
動して図10の角度になる。これにより出力部歯車92
と中間歯車93のかみ合いは解消され、動力伝達装置9
0は連結切り離し状態となる。図17がこの状態に対応
する。
【0056】ブラケット98がリミットスイッチ88の
押しボタン88aを押さなくなった瞬間、着座信号が消
える。制御装置83の中には遅延回路があり、コントロ
ーラー84の上昇ボタン85が押されていなかったとし
ても、着座信号が消えた後一定時間はモータ80を回転
させ続け、ブラケット98がストッパーブロック103
に当たるまで持ち上がったことが確実になった後、モー
タ80を停止させる。ブラケット98のこの角度は前述
の通り角度維持装置110により維持される。停止中の
モータ80を上記と逆方向に回転させればブラケット9
8は逆方向すなわち時計回りに回動し、中間歯車93と
出力部歯車92のかみ合いが復活する。
【0057】動力伝達装置90が連結切り離し状態とな
り、中間歯車93による出力部歯車92の拘束がなくな
ると、錘42(及びエレベーター40、ブレーキ装置5
0)の質量が、吊具21に上向きに加わる推力に転化す
る。このため、被介護者131の質量は推力の分だけ見
かけ上減少する。介護者132は車椅子133をベッド
130の傍らに停止させた後、被介護者131の身体を
抱きかかえる。被介護者131の見かけ上の質量は数k
g程度とすることができ、介護者132は数kg分の力
を発揮しさえすれば被介護者131の身体を浮上させら
れる。そのため介護者132が被介護者131の下半身
をかかえ上げれば被介護者131の全身が浮上する。
【0058】被介護者131の見かけ上の質量が軽いの
で、介護者132は被介護者131を上下にも水平にも
楽に動かせる。図18がこの状態に対応する。介護者1
32は少ない労力で被介護者131を素早く車椅子13
3に座らせることができる。もちろん、被介護者131
が肉体的苦痛あるいは精神的不安を感じない程度の動作
速度でなければならないことは言うまでもない。
【0059】被介護者131を車椅子133に座らせた
後、コントローラー84の下降ボタン86を押すと、前
述のようにブラケット98が時計回りに回動して中間歯
車93と出力部歯車92のかみ合いが復活し、エレベー
ター40を上昇させる。図19がこの状態に対応する。
すると復元用錘33が下降し、ストッパー17との間
に、吊具21を手で引き下げられるだけのゆとりしろが
生じる。こうしておいて吊具21を下に引き、フック2
2から身体保持手段120を外す。身体保持手段120
から離れた吊具21は復元装置3による復元力で上方定
位置に復元移動する。図20がこの状態に対応する。復
元移動中、抵抗装置41が大きな抵抗を発生しているの
で吊具21の上昇速度は緩やかであり、周囲に対する危
険はない。
【0060】吊具21の方は自然に復元するにまかせ、
介護者132は車椅子133の後ろに回り、車椅子13
3を押して被介護者131を目的地へと運ぶ。なお上昇
したエレベーター40は、モータ40が停止しさえすれ
ば、ウオーム82とウオーム歯車94との不可逆伝達性
により、その高さに留まっている。
【0061】上記の構成では、吊具21は手または身体
保持手段120による拘束が解かれるとすぐ上方への復
元移動を開始する。しかしながら、吊具21が任意の高
さに留まっていてくれれば、身体保持手段120を吊具
21に掛けるのに両手を自由に使うことができ、介護者
132にとって便利である。これは、次の関係が満たさ
れるように復元用錘33の質量を調整することにより実
現できる。 復元用錘の質量と吊具及び滑車ハウジングの合計質量の
1/2との差 <抵抗 (復元用錘の質量 > 吊具及び滑車ハウジングの合計
質量の1/2)
【0062】上記抵抗は動滑車25、ガイドプーリー2
7、28、29、30、31、32、ガイドローラー3
9等の軸受部の摩擦、紐状部材26の内部摩擦、及び抵
抗装置41の抵抗の総和である。なお厳密に言えば、吊
具21が下降するにつれ吊具21側の紐状図材26の質
量が増加し、復元用錘33の側の紐状部材26の質量が
減少する訳であるが、これによりもたらされる釣り合い
の変化は相対的に小さく、無視して構わない。
【0063】このように復元用錘33の質量を調整して
おけば、吊具21を任意高さに引き下ろして手を離した
とき、吊具21はその位置を維持する。そして、吊具2
1に外部より上方への付勢力を与えて勢いをつければ、
後は復元用錘33がその運動を引き継いで吊具21を上
方定位置まで復元移動させるものである。
【0064】被介護者131を車椅子133からベッド
130に戻すときも上記と同様の手順を踏む。まず、車
椅子133と吊具21の位置を合わせる。エレベーター
40が以前上昇させたときの高さのままであるならば、
すぐに吊具21を引き下ろせばよい。身体保持手段12
0の輪部121をフック22に掛け、コントローラー8
4の上昇ボタン85を押すと、エレベーター40が下降
を始める。推力に等しい質量が吊具21に加わるとエレ
ベーター40は下降を停止し、動力伝達装置90は連結
切り離し状態となり、錘42(及びエレベーター40、
ブレーキ装置50)の質量が吊具21に上向きに加わる
推力に転化し、被介護者131の質量は推力の分だけ見
かけ上減少する。介護者132は被介護者131の下半
身をかかえ上げて被介護者131の全身を浮上させ、ベ
ッド130の上まで水平移動させてから下ろす。
【0065】次いでコントローラー84の下降ボタン8
6を押してエレベーター40を上昇させ、復元用錘33
とストッパー17との間に吊具21を手で押し下げられ
るだけのゆとりしろを生じさせる。それから吊具21を
下に引き、フック22から身体保持手段120を外し、
吊具21を上方定位置へ復元移動させる。次の使用に備
えて推力を調整する必要がなければ、エレベーター40
は上昇させたままにしておけば良い。推力を調整する必
要があるときはコントローラー84の上昇ボタン85を
押し、エレベーター40を最後まで下降させる。錘42
が完全に置台62に載置されるところまでエレベーター
40を下降させると、エレベーター40から突き出した
図示しないドグがリミットスイッチ89bを押し、上昇
ボタン85を押し続けていたとしてもモータ80は停止
する。
【0066】次にブレーキ装置50の作用について説明
する。動力伝達装置90が連結切り離し状態にあるとき
に紐状部材26が切れると、エレベーター40は引き留
めるものなく落下する。紐状部材26が切れても動力伝
達装置90が連結状態にあればエレベーター40の自由
落下はくい止められる訳であるが、タイミングベルト7
1が切れでもすればその歯止めもきかない。エレベータ
ー40が最後まで自由落下すれば大きな音と振動を生
じ、被介護者131をはじめとする周囲の人々にショッ
クを与えるばかりでなく、介護用移動補助装置1の機構
や制御系統も悪影響を受ける。
【0067】そこで、ブレーキ装置50の出番となる。
紐状部材26が切れるや否や引張コイルバネ57が吊り
ブロック48を下方に引き寄せる。するとブレーキレバ
ー53が回動し、先端が窓55から外に突き出してブレ
ーキシュー56に接触する。ブレーキシュー56に接触
するとブレーキレバー53にはこれを一層外側に回動さ
せようとする力が加わり、強力にブレーキがかかる。そ
の結果、エレベーター40は加速度を増す前に停止す
る。
【0068】上半身を自分で真っ直ぐ起こしていられる
被介護者131を車椅子133に移すときは、図14、
15に示すように被介護者131をベッド130の縁に
腰掛けさせる。そして図14のようにベルトタイプの身
体保持手段120aを被介護者131に装着し、身体保
持手段120aを吊具21に掛けてアシスト装置2に推
力を発生させた後、介護者132は被介護者131の両
足の間に片足を入れ、ベルト122に両手をかけて被介
護者131を立ち上がらせるように抱きかかえる。それ
から、自分の体を軸にして被介護者131の体の向きを
変え、図15のように車椅子133に座らせる。このよ
うな作業手順を踏むことにより、被介護者131を楽
に、スピーディーに車椅子133に移すことができる。
【0069】補助をしてやれば自力で立てるような被介
護者131であれば、着脱の簡単なベルトタイプの身体
保持手段120aを用いて、自力でベッド130から車
椅子133へ、あるいはその逆へと移動することも可能
である。
【0070】これまで、アシスト装置2が被介護者13
1の質量を見かけ上減少させる働きについて説明してき
た。これは、ベッドに腰掛けることができたり、ベッド
上で座位を保つことができたり、下半身のみ麻痺してい
るような被介護者とその介護者にとっては非常に具合が
良い。しかしながら全身麻痺であったり、そこまで行か
ないまでも首が座らないような被介護者を移動させる際
には機械力で完全に吊り上げた方が介護者にとって都合
の良い場合もある。この実施形態の介護用移動補助装置
1はアシスト装置2をリフト装置に転換することによ
り、そのような完全吊り上げの要請にも応えられるもの
である。以下これについて説明する。
【0071】アシスト装置2をリフト装置として働かせ
るときは、まずコントローラー84の下降ボタン86を
押してエレベーター40を上昇させ、吊具21に身体保
持手段120を掛けた後、モード切替スイッチ87を
「リフトモード」に切り替える。すると回動阻止装置1
00のロータリーソレノイド101が動作してストッパ
ーブロック103が図11のように真下を向く。ここで
上昇ボタン85を押すとモータ80が中間歯車93を時
計回りに回転させ、エレベーター40の下降が開始す
る。
【0072】今度は、推力に等しい質量が吊具21に加
わる瞬間がやってきても回動阻止装置100のストッパ
ーブロック103がブラケット98を押さえているため
ブラケット98は回動しない。すなわち中間歯車93は
出力部歯車92にかみ合ったままである。このためモー
タ80の回転力が出力部歯車92に伝達され続け、吊具
21には推力に加えモータ80による吊上力が加わっ
て、被介護者131を完全に吊り上げるものである。モ
ード切替スイッチ87を「アシストモード」にしないか
ぎり回動阻止装置100の状態は変わらず、被介護者1
31の身体の上下はすべてモータ80を駆動源として行
われることになる。
【0073】図21、22に本発明の第2実施形態を示
す。なお、この実施形態を含む以下の実施形態におい
て、第1の実施形態に現れたものと共通の構成要素ない
し同等の機能を有する構成要素には第1の実施形態の説
明で使用したのと同じ符号を付し、説明は省略するもの
とする。
【0074】第2実施形態はアシスト装置2がトルクモ
ータを推力源に含むことを特徴とする。エレベーターシ
ャフト15の中にはエレベーター40も錘42もなく、
トルクモータ140がモータ軸141を水平にして設置
される。モータ軸141には巻取ドラム142を固定す
る。巻取ドラム142は紐状部材26を巻き取るもので
ある。143はトルクモータ140の制御装置、144
は制御装置143に接続したコントローラーである。
【0075】コントローラー144には推力調整ダイヤ
ル145があり、これを回動させることにより任意の推
力を発生させることができる。吊具21に身体保持手段
120を掛けた後、推力調整ダイヤル145を操作して
被介護者131の質量より少し値の低い推力を発生させ
る。これでアシスト状態とすることができる。
【0076】図23に本発明の第3実施形態を示す。こ
の実施形態は、エレベーター40に紐状部材26を連結
して吊具21を上下させる機構は第1実施形態と同じで
あるが、アシスト装置2の推力発生源として錘でなくバ
ネを用いた点に特徴を有する。バネとしては一定荷重を
付加することが可能な定荷重バネ150を用いる。定荷
重バネ150はバネ鋼の帯151とこれを巻き付かせる
リール152の組み合わせからなる。帯151は常に自
らリール152に巻き付こうとし、これにより一定の荷
重が発生する。この定荷重バネ150を複数個用意し、
リール152をエレベーターシャフト15の下部に回転
自在に支持し、帯151の先端をエレベーター40に連
結する。推力の調整は定荷重バネ150の数を変えるこ
とにより行う。
【0077】図24に本発明の第4実施形態を示す。こ
の実施形態は復元装置3の復元力を復元用錘33でなく
バネにより発生させるようにした点に特徴を有する。図
24において160はビーム12の先端に設けた巻取ド
ラムで、水平軸まわりに回転可能であり、紐状部材26
の一端がこれに連結されている。巻取ドラム160の内
部のゼンマイバネ161が巻取ドラム160に紐状部材
26の巻取回転力を与える。紐状部材26の他端は第1
実施形態あるいは第3実施形態と同じくエレベーター4
0に連結されている。
【0078】巻取ドラム160の巻き取り力は、吊具2
1から手を離せば吊具21が自然に上方定位置に復元移
動するように設定することができる。あるいは、任意の
高さに引き下ろして手を離せば各部の摩擦抵抗でその高
さに留まり、外部より上方への付勢力を与えて勢いをつ
ければ巻取ドラム160がその運動を引き継いで吊具2
1を上方定位置まで復元移動させる程度に設定すること
ができる。吊具21の上昇が緩やかに行われるよう、第
1実施形態の抵抗装置41と同様の抵抗装置を巻取ドラ
ム160あるいはガイドプーリー29の軸に連結しても
よい。
【0079】図25に本発明の第5実施形態を示す。こ
の実施形態では、スライダー20の中に2つの巻取ドラ
ムを設けた。一方はアシスト装置2の巻取ドラム142
で、第2実施形態で用いたのと同様のものであり、トル
クモータのモータ軸141に固定されている。他方は復
元装置3の巻取ドラム160で、これは第4実施形態で
用いたものと同じものである。一端を巻取ドラム14
2、他端を巻取ドラム160に連結した紐状部材26が
動滑車25に巻き掛けられており、トルクモータは動滑
車25を介して吊具21に推力を伝える。
【0080】図26に本発明の第6実施形態を示す。こ
れまでの実施形態ではビーム12は片持梁(カンチレバ
ー)型式であったが、この実施形態ではコラム10を2
本設け、その上部間にビーム12を掛け渡し、ガントリ
ー型式とした。ビーム12は複数のベッド130をまた
ぐ長さにすることが可能であり、1台の介護用移動補助
装置1を複数のベッド130で使用することができる。
ビーム12に組み合わせるスライダー20は、第1〜第
5実施形態に現れたもののうちどれでもよい。
【0081】以上、本発明の各種実施形態につき説明を
行ったが、この他、発明の主旨を逸脱しない範囲で様々
な変更を加えて実施することができる。
【0082】
【発明の効果】本発明により、次に掲げるような効果が
奏される。
【0083】本発明では、介護用移動補助装置が、被介
護者の身体を保持する身体保持手段を掛ける吊具に、予
め被介護者の質量による下方への力と略同等以下に設定
された値一定な上向きの推力を与えるだけで被介護者の
質量を見かけ上減少させるアシスト装置を備えるものと
したから、介護者の負担を数kgのレベルにとどめてお
けば、非力な介護者でも被介護者の身体を軽々と抱え上
げ、思うがままに移動させることができる。アシスト装
置の発生する推力は被介護者の質量による下方への力と
略同等以下であり、アシスト装置が機能したからといっ
て被介護者が機械的に吊り上げられてしまうことがな
く、介護者が抱きかかえて持ち上げてはじめて被介護者
の身体が浮上する。そのため、被介護者は荷物のように
吊り上げられるという不快感を感じない。片手で被介護
者を浮上させられる程度の推力を発生させれば、介護者
が一方の手で被介護者の胴を抱き、他方の手で被介護者
の首を支えるといった動作を無理なく遂行できる。これ
は介護者に精神的なゆとりをもたらし、これを感じ取る
ことにより、被介護者の方も落下するのではないかとい
う不安感が払拭される。
【0084】さらに、被介護者の身体を完全に吊り上げ
るリフト装置と異なり、ハンドルやスイッチを操作して
高さの微調整を行う操作が不要であり、経験の浅い介護
者であっても、ハンドルやスイッチの操作に気をとられ
ることなく容易に使いこなすことができる。また、例え
ば下半身のみ不自由な被介護者の場合など、腰から太股
にかけて取り付ける専用の身体保持手段を用いることが
でき、身体保持手段の取り付けを短時間で行うことがで
きる。補助をしてやれば自力で立てるような被介護者で
あれば、このような着脱簡単タイプの身体保持手段を用
いて、自力でベッドから車椅子へ、あるいはその逆へと
移動することも可能である。
【0085】加えて、介護者が被介護者に加える力に応
じてフィードバック制御するのでなく、予め設定された
一定の推力が常に発生することとしたから、フィードバ
ック制御を実現するための様々な要素を配置する必要が
ない。しかも演算とそれに基づく制御指令を待つ必要が
ないので操作性が良く、動きもスムーズである。
【0086】また本発明では、アシスト装置は紐状手段
により吊具に連係する錘を推力源に含み、この錘の質量
を変更することで推力を任意に調整可能としたから、極
めてシンプルな機構で任意の推力を得ることができる。
機構がシンプルなため設計が容易であり、信頼性も高
い。
【0087】また本発明では、吊具を動滑車を介して懸
垂支持し、動滑車に巻き掛けられる紐状部材の一端に錘
を連結したから、必要とされる推力を小質量の錘で生み
出すことができる。
【0088】また本発明では、錘を支持し、且つ紐状部
材を介して吊具に連結したエレベーターと、このエレベ
ーターを昇降させる昇降装置と、連結入切が可能な動力
伝達装置を介して前記昇降装置に連結するモータとを備
え、前記動力伝達装置が連結切り離し状態となったと
き、錘の質量が推力として吊具に伝達されるようにした
から、必要が生じる都度吊具に推力をかけることができ
る。
【0089】また本発明では、動力伝達装置が、モータ
の動力を受け取る入力部歯車と、昇降装置に動力を伝え
る出力部歯車と、前記入力部歯車と出力部歯車とを連結
するものにして、入力部歯車の軸を中心に回動自在なブ
ラケットに支持された中間歯車とを含み、モータの動力
を昇降装置に伝達してエレベーターを降下させている間
に被介護者の質量が吊具に加わってエレベーターが停止
し、出力部歯車の回転も停止した時点で、前記中間歯車
の回転により前記ブラケットが回動して中間歯車と出力
部歯車とのかみ合いが解除され、錘の質量が推力に転化
するようにしたから、モータにより吊具を引き上げるモ
ードから錘により吊具に推力を付与するモードへの切替
が自動的に行われ、介護者が切替のタイミングを気にす
る必要がない。
【0090】また本発明では、中間歯車の回転によりブ
ラケットが回動して中間歯車と出力部歯車とのかみ合い
が解除されたときモータを停止させる制御装置と、モー
タ停止時においてブラケットの角度をそのままに維持す
る角度維持装置とを備え、停止中のモータを逆方向に回
転させることによりブラケットが逆方向に回動して中間
歯車と出力部歯車とのかみ合いが復活するようにしたか
ら、錘による推力に代え再びモータの力を昇降装置に伝
えるのにモータを逆転させるだけで事足り、機構も制御
回路も簡単化できる。
【0091】また本発明では、ブラケットに回動阻止装
置を設け、この回動阻止装置が機能してブラケットの回
動が阻止されたとき、モータを駆動源とした被介護者を
完全に吊り上げることが可能なリフト装置が構成される
ようにしたから、被介護者を機械力で完全に吊り上げる
必要が生じた場合にも対処でき、利用範囲が広い。
【0092】また本発明では、アシスト装置はトルクモ
ータを推力源に含むこととしてアシスト装置をコンパク
ト且つ軽量に構成し、介護用移動補助装置全体を小型軽
量化することが可能である。
【0093】また本発明では、アシスト装置は一定荷重
を付加することが可能なバネを推力源に含むこととして
アシスト装置をコンパクト、軽量、且つ低コストなもの
とすることができる。
【0094】また本発明では、垂直なコラムと、このコ
ラムに水平にヒンジ結合され、水平面内で旋回可能なビ
ームとを備え、このビームにはその長手方向に沿ってス
ライドするスライダーを装着し、このスライダーが吊具
を支持することとしたから、吊具を水平面で自由に移動
させることができ、使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明介護用移動補助装置の第1実施形態を
示す斜視図
【図2】 介護用移動補助装置の垂直断面図
【図3】 ブレーキ装置の構造を示す部分垂直断面図
【図4】 錘ブロックと連結ピンの斜視図
【図5】 抵抗装置の連結状況を示す部分水平断面図
【図6】 ヒンジの構造を示す部分垂直断面図
【図7】 ヒンジ部の部分水平断面図
【図8】 動力伝達装置の正面図
【図9】 動力伝達装置の上面図
【図10】 異なる状態における動力伝達装置の正面図
【図11】 さらに異なる状態における動力伝達装置の
正面図
【図12】 被介護者の移動操作を説明する第1の斜視
【図13】 被介護者の移動操作を説明する第2の斜視
【図14】 被介護者の移動操作を説明する側面図
【図15】 被介護者の移動操作を説明する上面図
【図16】 被介護者の移動操作を説明する第1の模型
的垂直断面図
【図17】 被介護者の移動操作を説明する第2の模型
的垂直断面図
【図18】 被介護者の移動操作を説明する第3の模型
的垂直断面図
【図19】 被介護者の移動操作を説明する第4の模型
的垂直断面図
【図20】 被介護者の移動操作を説明する第5の模型
的垂直断面図
【図21】 本発明介護用移動補助装置の第2実施形態
を示す部分垂直断面図
【図22】 第2実施形態の構成説明図
【図23】 本発明介護用移動補助装置の第3実施形態
を示す部分垂直断面図
【図24】 本発明介護用移動補助装置の第4実施形態
を示す部分垂直断面図
【図25】 本発明介護用移動補助装置の第5実施形態
を示す部分垂直断面図
【図26】 本発明介護用移動補助装置の第6実施形態
を示す正面図
【符号の説明】
1 介護用移動補助装置 2 アシスト装置 3 復元装置 10 コラム 11 ヒンジ 12 ビーム 13a、13b、13c アウトリガー 14 ネジ脚 15、16 エレベーターシャフト 17 ストッパー 18 張出部 20 スライダー 21 吊具 22 フック 23 滑車ハウジング 24 スイベル軸 25 動滑車 26 紐状部材 27、28、29、30、31、32 ガイドプーリー 33 復元用錘 34、35 ヒンジ部材 36a、36b ピン 37 軸支板 38a、38b 軸 39 ガイドローラー 40 エレベーター 41 抵抗装置 42 錘 43 錘ブロック 43a 貫通穴 44 ダボ 45 貫通穴 46 連結ピン 47 ブラケット部 48 吊りブロック 49 ピン 50 ブレーキ装置 51 長穴 52 支軸 53 ブレーキレバー 54 ピン 55 窓 56 ブレーキシュー 57 引張コイルバネ 58 吊り棒 59 貫通穴 60 サービスハッチ 61 扉 62 置台 70 昇降装置 71 タイミングベルト 72、73 タイミングプーリー 74 ベルトテンション調整装置 75 ガイドローラー 80 モータ 81 モータ軸 82 ウオーム 83 制御装置 84 コントローラー 85 上昇ボタン 86 下降ボタン 87 モード切替スイッチ 88 マイクロスイッチ 88a 押しボタン 89a、89b リミットスイッチ 90 動力伝達装置 91 入力部歯車 92 出力部歯車 93 中間歯車 94 ウオーム歯車 95、96、97 軸 98 ブラケット 99 ストッパー板 100 回動阻止装置 101 ロータリーソレノイド 102 軸 103 ストッパーブロック 110 角度維持装置 111 トルクリミッター 112 アーム 113 ピン 120、120a 身体保持手段 121 輪部 122、123 ベルト 130 ベッド 131 被介護者 132 介護者 133 車椅子 140 トルクモータ 141 モータ軸 142 巻取ドラム 143 制御装置 144 コントローラー 145 推力調整ダイヤル 150 定荷重バネ 151 バネ鋼の帯 152 リール 160 巻取ドラム 161 ゼンマイバネ
フロントページの続き (72)発明者 福本 一夫 兵庫県姫路市下手野一丁目3番1号 グロ ーリー工業株式会社内 Fターム(参考) 4C040 AA08 EE05 EE08 HH01 JJ02 JJ09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の構成要素を備えた介護用移動補助
    装置: (a)被介護者の身体を保持する身体保持手段 (b)前記身体保持手段を掛ける吊具 (c)前記吊具に、予め被介護者の質量による下方への
    力と略同等以下に設定された値一定な上向きの推力を与
    えるだけで被介護者の質量を見かけ上減少させるアシス
    ト装置。
  2. 【請求項2】 アシスト装置は紐状手段により前記吊具
    に連係する錘を推力源に含み、この錘の質量を変更する
    ことで推力を任意に調整可能とした請求項1に記載の介
    護用移動補助装置。
  3. 【請求項3】 吊具を動滑車を介して懸垂支持し、動滑
    車に巻き掛けられる紐状部材の一端に錘を連結したこと
    を特徴とする請求項2に記載の介護用移動補助装置。
  4. 【請求項4】 錘を支持し、且つ紐状部材を介して吊具
    に連結したエレベーターと、このエレベーターを昇降さ
    せる昇降装置と、連結入切が可能な動力伝達装置を介し
    て前記昇降装置に連結するモータとを備え、前記動力伝
    達装置が連結切り離し状態となったとき、錘の質量が推
    力として吊具に伝達されるようにしたことを特徴とする
    請求項2又は3に記載の介護用移動補助装置。
  5. 【請求項5】 動力伝達装置が、前記モータの動力を受
    け取る入力部歯車と、昇降装置に動力を伝える出力部歯
    車と、前記入力部歯車と出力部歯車とを連結するものに
    して、入力部歯車の軸を中心に回動自在なブラケットに
    支持された中間歯車とを含み、モータの動力を昇降装置
    に伝達してエレベーターを降下させている間に被介護者
    の質量が吊具に加わってエレベーターが停止し、出力部
    歯車の回転も停止した時点で、前記中間歯車の回転によ
    り前記ブラケットが回動して中間歯車と出力部歯車との
    かみ合いが解除され、錘の質量が推力に転化するように
    したことを特徴とする請求項4に記載の介護用移動補助
    装置。
  6. 【請求項6】 中間歯車の回転によりブラケットが回動
    して中間歯車と出力部歯車とのかみ合いが解除されたと
    きモータを停止させる制御装置と、モータ停止時におい
    てブラケットの角度をそのままに維持する角度維持装置
    とを備え、停止中のモータを逆方向に回転させることに
    よりブラケットが逆方向に回動して中間歯車と出力部歯
    車とのかみ合いが復活するようにしたことを特徴とする
    請求項5に記載の介護用移動補助装置。
  7. 【請求項7】 ブラケットに回動阻止装置を設け、この
    回動阻止装置が機能してブラケットの回動が阻止された
    とき、モータを駆動源とした被介護者を完全に吊り上げ
    ることが可能なリフト装置が構成されるようにしたこと
    を特徴とする請求項5又は6に記載の介護用移動補助装
    置。
  8. 【請求項8】 アシスト装置はトルクモータを推力源に
    含むことを特徴とする請求項1に記載の介護用移動補助
    装置。
  9. 【請求項9】 アシスト装置は一定荷重を付加すること
    が可能なバネを推力源に含むことを特徴とする請求項1
    に記載の介護用移動補助装置。
  10. 【請求項10】 垂直なコラムと、このコラムに水平に
    ヒンジ結合され、水平面内で旋回可能なビームとを備
    え、このビームにはその長手方向に沿ってスライドする
    スライダーを装着し、このスライダーが吊具を支持する
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の介護
    用移動補助装置。
JP2001142808A 2001-05-14 2001-05-14 介護用移動補助装置 Pending JP2002336307A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001142808A JP2002336307A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 介護用移動補助装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001142808A JP2002336307A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 介護用移動補助装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002336307A true JP2002336307A (ja) 2002-11-26

Family

ID=18989044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001142808A Pending JP2002336307A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 介護用移動補助装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002336307A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004016717A (ja) * 2002-06-20 2004-01-22 Glory Ltd 介護用移動補助装置
WO2007102480A1 (ja) * 2006-03-09 2007-09-13 Sumitomo Metal Logistics Service Co., Ltd. 重量物搬送装置
JP2010284485A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Hideo Nakajima 歩行可能な力で吊り上げる介護装置とその介護方法
CN102133988A (zh) * 2011-01-25 2011-07-27 福建农林大学 床上用物品输送装置
JP2015116661A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 現代自動車株式会社 ロボットアームおよびこれを含むロボット
JP5820085B1 (ja) * 2015-07-30 2015-11-24 中島 秀夫 リハビリ機能付き電動クレーン柱。
JP2017531566A (ja) * 2014-10-16 2017-10-26 セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク 把持及び精巧操作用のモジュール式ロボット指
CN107598796A (zh) * 2017-09-29 2018-01-19 江苏理士电池有限公司 一种小型端子铅蓄电池检测工装
CN107854281A (zh) * 2017-11-30 2018-03-30 湖南妙手机器人有限公司 下肢康复机器人
CN108056888A (zh) * 2018-01-25 2018-05-22 陈建福 一种眼部检测用手术床
WO2018207809A1 (ja) * 2017-05-11 2018-11-15 リバーフィールド株式会社 ワイヤ操作装置およびそのワイヤの拘束方法
CN109941875A (zh) * 2019-03-08 2019-06-28 天奇自动化工程股份有限公司 一种吊具支撑切换装置
US20200318726A1 (en) * 2019-04-04 2020-10-08 Fanuc Corporation Jig supporting reduction gear of robot and method of replacing reduction gear using jig
CN113386153A (zh) * 2021-06-30 2021-09-14 安徽理工大学 多功能辅助护理机器人
CN113520414A (zh) * 2020-04-17 2021-10-22 通用电气精准医疗有限责任公司 升降装置以及x射线成像***

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004016717A (ja) * 2002-06-20 2004-01-22 Glory Ltd 介護用移動補助装置
WO2007102480A1 (ja) * 2006-03-09 2007-09-13 Sumitomo Metal Logistics Service Co., Ltd. 重量物搬送装置
JP2007269492A (ja) * 2006-03-09 2007-10-18 Sumitomo Metal Logistics Service Co Ltd 重量物搬送装置
JP4732380B2 (ja) * 2006-03-09 2011-07-27 住友金属物流株式会社 重量物搬送装置
JP2010284485A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Hideo Nakajima 歩行可能な力で吊り上げる介護装置とその介護方法
CN102133988A (zh) * 2011-01-25 2011-07-27 福建农林大学 床上用物品输送装置
JP2015116661A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 現代自動車株式会社 ロボットアームおよびこれを含むロボット
JP2017531566A (ja) * 2014-10-16 2017-10-26 セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク 把持及び精巧操作用のモジュール式ロボット指
JP5820085B1 (ja) * 2015-07-30 2015-11-24 中島 秀夫 リハビリ機能付き電動クレーン柱。
WO2018207809A1 (ja) * 2017-05-11 2018-11-15 リバーフィールド株式会社 ワイヤ操作装置およびそのワイヤの拘束方法
CN107598796A (zh) * 2017-09-29 2018-01-19 江苏理士电池有限公司 一种小型端子铅蓄电池检测工装
CN107598796B (zh) * 2017-09-29 2020-06-23 江苏理士电池有限公司 一种小型端子铅蓄电池检测工装
CN107854281A (zh) * 2017-11-30 2018-03-30 湖南妙手机器人有限公司 下肢康复机器人
CN108056888A (zh) * 2018-01-25 2018-05-22 陈建福 一种眼部检测用手术床
CN109941875A (zh) * 2019-03-08 2019-06-28 天奇自动化工程股份有限公司 一种吊具支撑切换装置
CN109941875B (zh) * 2019-03-08 2024-03-29 天奇自动化工程股份有限公司 一种吊具支撑切换装置
JP2020168697A (ja) * 2019-04-04 2020-10-15 ファナック株式会社 ロボットの減速機を支持する治具、及び治具を用いて減速機を交換する方法
JP7068224B2 (ja) 2019-04-04 2022-05-16 ファナック株式会社 ロボットの減速機を支持する治具、及び治具を用いて減速機を交換する方法
US11698125B2 (en) * 2019-04-04 2023-07-11 Fanuc Corporation Jig supporting reduction gear of robot and method of replacing reduction gear using jig
US20200318726A1 (en) * 2019-04-04 2020-10-08 Fanuc Corporation Jig supporting reduction gear of robot and method of replacing reduction gear using jig
CN113520414A (zh) * 2020-04-17 2021-10-22 通用电气精准医疗有限责任公司 升降装置以及x射线成像***
CN113386153A (zh) * 2021-06-30 2021-09-14 安徽理工大学 多功能辅助护理机器人
WO2023273603A1 (zh) * 2021-06-30 2023-01-05 安徽理工大学 多功能辅助护理机器人
GB2610546A (en) * 2021-06-30 2023-03-08 Univ Anhui Sci & Technology Multifunctional auxiliary nursing robot
GB2610546B (en) * 2021-06-30 2023-12-06 Univ Anhui Sci & Technology Multifunctional auxiliary nursing robot

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002336307A (ja) 介護用移動補助装置
US5181289A (en) Bed apparatus and rehabilitation attachment
US5127113A (en) Invalid transfer arrangement
US5090072A (en) Patient lifting device
JP4630119B2 (ja) 移乗支援装置
JPH0783754B2 (ja) 病人移送装置
JP4504525B2 (ja) 歩行補助機
JP4481089B2 (ja) 転倒防止装置及びそれを用いた歩行支援装置
JP2002336308A (ja) 介護用移動装置
JP4596589B2 (ja) ベッドにおける被介護者吊り移動装置
JP3213290B2 (ja) 多機能翻身装置
JP2004154297A (ja) 錘調節装置及びこれを備えた移動補助装置
JP2011110301A (ja) 歩行訓練装置
JP4097468B2 (ja) 介護用移動補助装置
JP4497397B2 (ja) 起立座位補助装置
JP2003126179A (ja) 筋力補助装置
JP2004016718A (ja) 介護用移動補助装置
JPH07289594A (ja) 釣合い型介護装置
CN217660486U (zh) 一种适合偏瘫患者新式轮椅
JP3067509U (ja) 多機能翻身装置
CN210644997U (zh) 多功能训练康复器
JP2009172413A (ja) 起立座位補助装置
JP2011194198A (ja) 移乗装置
BRPI1004537A2 (pt) dispositivo eletromecánico para elevação e transferência de pessoas enfermas e cadeirantes
JP2023008715A (ja) 起立着座補助装置