JP2002336223A - 画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラム、及び記憶媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラム、及び記憶媒体

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JP2002336223A
JP2002336223A JP2002068035A JP2002068035A JP2002336223A JP 2002336223 A JP2002336223 A JP 2002336223A JP 2002068035 A JP2002068035 A JP 2002068035A JP 2002068035 A JP2002068035 A JP 2002068035A JP 2002336223 A JP2002336223 A JP 2002336223A
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Hitoshi Inoue
仁司 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象画像における所定の領域とその他の領域
との境界の画素値を正確に抽出できる画像処理装置等を
提供すること。 【解決手段】 抽出手段120は、対象画像(放射線画
像等)のヒストグラムにおける所定領域(放射線が被写
体を介さずに直接イメージセンサに入射した部分である
直接線部分の領域等)を、2直線で構成される折れ線で
近似することで、対象画像の所定領域と、その他の領域
との境界画素値を抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、医療分野
において、X線撮影等の放射線撮影により取得された被
写体の放射線画像(当該被写体内部を透過した放射線の
透過量を画像化したもの)を処理対象とした装置或いは
システムに用いられる、画像処理装置、画像処理システ
ム、画像処理方法、プログラムを記憶したコンピュータ
読出可能な記憶媒体、及び当該プログラムに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、X線を被写体に曝射
した際の、当該被写体を介したX線量透過分布を観測す
ることにより、被写体、特に、人体の内部を観察するこ
とが行われてきた。近年においては、“フラットパネル
X線センサ”と呼ばれる固体撮像素子を用いた大判のイ
メージセンサにより、被写体を透過したX線分布(以
下、これを画像化したものを「X線画像」と言う)を取
得することが一般化しつつある。
【0003】固体撮像素子の利点の一つとしては、セン
サ平面上に存在する複数の受像画素により、平面状のエ
ネルギー分布(X線量透過分布)を直接空間的にサンプ
リングして信号化できることが挙げられる。
【0004】一方、固体撮像素子の欠点としては、X線
量透過分布を空間的にサンプリングするための複数の画
素要素が基本的には独立した素子であり、それぞれが異
なる特性を有することが挙げられる。このため、均一の
特性を有する画素から構成される理想的な固体撮像素子
から出力されたかのような適正な画像(X線画像)を取
得するためには、画素毎の特性のばらつきを補正するた
めの画像処理が必要となる。
【0005】例えば、画素要素が、線形特性を有するエ
ネルギー変換素子である場合、主な特性ばらつきとして
は、変換効率(ゲイン)及びオフセットのばらつきが挙
げられる。したがって、固体撮像素子を用いたイメージ
センサにより被写体のX線画像を得る場合には、第一に
ゲイン及びオフセットの補正を行う必要がある。
【0006】オフセットばらつきの補正(以下、単に
「オフセット補正」とも言う)方法としては、イメージ
センサに対してX線エネルギーを入射せずに得られる画
素毎の固有のオフセット値を取得し、このオフセット値
を、被写体を介したX線をイメージセンサに対して入射
して得られる、被写体像を含む画像情報から差し引く方
法が挙げられる。この方法では、さらに、実際のX線画
像の取得時間に合わせて、オフセット値取得時間(イメ
ージセンサにおけるエネルギー蓄積時間等)を設定する
ことも可能である。
【0007】ゲインばらつきの補正(以下、単に「ゲイ
ン補正」とも言う)方法としては、被写体無しでイメー
ジセンサへのX線エネルギーの入射を行うことで、所謂
“白画像”を取得し、上述のオフセットばらつき補正を
施した後で、当該白画像を用いた画素毎のゲイン補正を
除算により行う。実際には、ゲイン補正は、対数変換し
た画像間で画素値の差分によって実現される場合が多
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うなイメージセンサによるX線画像の取得における特徴
は、イメージセンサで受像するX線量ダイナミックレン
ジが非常に広いことである。これは、被写体内部の情報
をより正確に描出するために、被写体を介したX線透過
量分布のダイナミックレンジを、イメージセンサのダイ
ナミックレンジに合わせるように、被写体に対して照射
するX線量を調整すると、被写体を透過しない部分(以
下、「素抜け部分」とも言う)のX線量が非常に強大と
なって直接イメージセンサへ到達することによる。
【0009】イメージセンサ、すなわち固体撮像素子を
用いたイメージセンサにおいては、あまりに強大なX線
が直接入射すると、その出力値が飽和してしまう。この
ような飽和は、入射X線量がX線イメージセンサ上の画
素の充電許容量を超える場合、後段の電気系アンプが飽
和する場合、及び電気量をディジタル化するA/D変換
系で発生する場合があるが、何れの場合でも、得られる
出力値は、ほぼ一定の不変の値に固定されてしまう。
【0010】上述のような飽和状態において、オフセッ
ト補正若しくはゲイン補正を行うと、それぞれの補正で
用いるデータとして、飽和状態でないときに取得された
補正用データを用いることにより、補正すべき画素毎の
変動が逆に画像上(例えば、素抜け部分)に重畳される
ことになり、この結果、ノイズが発生してしまうことに
なる。
【0011】そこで、上記の問題を解決するために、例
えば、特開2000−244824号等では、ゲインコ
ントロールアンプにより、如何なるX線量においても、
最大値が必ず扱える信号値となるように調整する構成が
提案されている。
【0012】しかしながら、上記の構成では、本来情報
のない直接線部分(直接X線が入射した素抜け部分)ま
でもが、正確に画像化されるような調整が行なわれてし
まい、必要な被写体部分のコントラスト分解能が非常に
低下してしまう。特に、X線画像では、例えば、画像診
断能向上のために、X線画像のディテールを明確にする
目的で、画像情報のダイナミックレンジを圧縮して、表
示出力やプリント出力する場合があり、このような場合
には、ノイズの多い直接線部分まで強調されて出力され
ることになる。
【0013】そこで、上記の問題を解決するために、例
えば、特開平6−292013号等では、画像情報のダ
イナミックレンジを圧縮する際に、直接線部分の強調度
を下げる構成が提案されている。しかし、この提案で
は、直接線部分を正確に抽出する手段が明確にされてお
らず、その直接線部分を構成する画素値の誤認識によ
り、画像診断用のX線画像におけるコントラストまでも
圧迫しかねない。
【0014】また、例えば、特開平5−328357号
等では、対象となるX線画像から得られたヒストグラム
のピーク値を解析することで、X線画像のダイナミック
レンジを決定するような構成が提案されている。しか
し、この構成では、X線画像のヒストグラムのピーク値
のみが解析されるため、正確な直接線部分の画素値の把
握に大きな誤差が生じる恐れがある。
【0015】そこで、本発明は、上記の欠点を除去する
ために成されたもので、対象画像における所定の領域と
その他の領域との境界の画素値を正確に抽出できる、画
像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログ
ラムを記憶したコンピュータ読出可能な記憶媒体、及び
当該プログラムを提供することを目的とする。
【0016】または、本発明は、対象放射線画像におけ
る直接線部分(素抜け部分)等の所定領域の画素値を正
確に認識し、当該所定領域の画素値を実質的に所定値に
固定することで、良好な放射線画像を提供できる、画像
処理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラ
ムを記憶したコンピュータ読出可能な記憶媒体、及び当
該プログラムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】斯かる目的下において、
本発明に係る画像処理装置は、対象画像の画素値ヒスト
グラムを作成するヒストグラム作成手段と、上記ヒスト
グラム作成手段により作成された上記ヒストグラムの所
定範囲を、2直線で構成される折れ線で近似することに
より、上記対象画像の所定領域とその他の領域との境界
画素値を抽出する抽出手段とを備えることを特徴とす
る。
【0018】また、本発明に係る画像処理方法は、対象
画像の画素値ヒストグラムを作成するステップと、上記
ヒストグラムを作成するステップで作成された上記ヒス
トグラムの所定範囲を、2直線で構成される折れ線で近
似することにより、上記対象画像の所定領域とその他の
領域との境界画素値を抽出するステップとを含むことを
特徴とする。
【0019】また、本発明に係るプログラムは、コンピ
ュータを所定の手段として機能させるためのプログラム
であって、上記所定の手段は、対象画像の画素値ヒスト
グラムを作成するヒストグラム作成手段と、上記ヒスト
グラム作成手段により作成された上記ヒストグラムの所
定範囲を、2直線で構成される折れ線で近似することに
より、上記対象画像の所定領域とその他の領域との境界
画素値を抽出する抽出手段とを含むことを特徴とする。
【0020】また、本発明に係るコンピュータ読出可能
な記憶媒体は、請求項21記載のプログラムを記録した
ことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。
【0022】[第1の実施の形態]本発明は、例えば、図
1に示すようなX線撮影装置100に適用される。本実
施の形態のX線撮影装置100は、特に、X線画像にお
ける直接線部分(X線が被写体を介さず直接イメージセ
ンサに入射する素抜け部分)の開始画素値(最小画素
値)を、X線画像のヒストグラム情報から正確に安定し
て抽出するように構成されている。さらに、X線撮影装
置100は、直接線部分における画素値変動(画像補正
によるノイズ等)を抑制するため、画素値の変換プロセ
スによって、抽出された直接線部分の画素値を実質的に
一定値に固定するように構成されている。以下、本実施
の形態のX線撮影装置100について具体的に説明す
る。
【0023】<X線撮影装置100の全体構成及び動作
>X線撮影装置100は、上記図1に示すように、X線
発生部101、寝台103、X線イメージセンサ10
5、A/D変換器106、メモリ(MEM)107、ス
イッチ108、メモリ109,110、差分ブロック
(SUB)111、メモリ(MEM)112、参照テー
ブル(ルックアップテーブル:LookUpTabl
e、以下、「LUT」とも言う)113、スイッチ11
4、メモリ115,116、差分ブロック(SUB)1
17、メモリ(MEM)118、ヒストグラム作成部
(HST)119、演算ブロック(ANAL)120、
及びLUT121を備えている。
【0024】X線発生部101は、高電圧発生を伴う制
御装置(不図示)からの制御に基づいて、寝台103上
の被写体102に対してX線を発する(図中の矢印参
照)。ここでの被写体102としては、一例として人体
を用いており、寝台103上に横たわった状態としてい
る。
【0025】X線イメージセンサ105は、被写体10
2を透過したX線量の強度分布を電気信号に変換するも
のであり、大判の固体撮像素子を含む構成としている。
具体的には例えば、X線イメージセンサ(以下、「フラ
ットパネルセンサ」とも言う)105は、X線量透過分
布を、平面状にマトリックス状に並べられた複数の画素
により、2次元平面上で空間的にサンプリングする。被
写体102が人体の場合、通常、サンプリングピッチは
100μm〜200μm程度に設定される。
【0026】上述のようなフラットパネルセンサ105
は、コントローラ(不図示)からの制御に基づいて、画
素毎に存在するX線量に比例した電荷値を、電圧若しく
は電流である電気量(画像信号)に変換する。フラット
パネルセンサ105で得られた画像信号は、順次走査さ
れることで後段のA/D変換器106に対して出力され
る。
【0027】A/D変換器106は、フラットパネルセ
ンサ105から出力される画像信号をディジタル化して
出力する。メモリ107は、A/D変換器106の出力
を画像データとして一旦記憶する。
【0028】スイッチ108は、メモリ107内の画像
データを読み出して、その読出画像データを、2つのメ
モリ109,110のいずれかに選択的に記憶させる。
これにより、メモリ109には、X線を曝射しない状態
でフラットパネルセンサ105からA/D変換器106
及びメモリ107を介して出力される画像データが、オ
フセット固定パタン画像データとして記憶される。ま
た、メモリ110には、実際にX線を曝射した状態(実
際の撮影状態)でフラットパネルセンサ105からA/
D変換器106及びメモリ107を介して出力される画
像データが、撮影画像データとして記憶される。
【0029】具体的には例えば、被写体102を透過し
たX線量をモニタするX線量測定装置(不図示)を“フ
ォトタイマー”と呼ばれるX線曝射制御用センサとして
用いることで、X線発生部101から曝射されるX線量
の積算値(電荷量)が、所定値になった瞬間に、X線発
生部101でのX線曝射が停止される。これと同時に、
フラットパネルセンサ105を走査することで、被写体
102の画像データがメモリ107に記憶される。そし
て、スイッチ108において、出力先を端子A側に切り
換ることで、メモリ107内の画像データが撮影画像デ
ータとしてメモリ110に対して出力される。
【0030】その直後に、X線発生器101でのX線曝
射を行わずに、上記のフォトタイマーで得られた曝射時
間と同じ蓄積時間になるまで、フラットパネルセンサ1
05を駆動する。フラットパネルセンサ105での電荷
蓄積が終了すると、フラットパネルセンサ105を走査
して、X線曝射無し状態の画像データをメモリ107に
記憶する。そして、スイッチ108において、出力先を
端子B側に切り換ることで、メモリ107内の画像デー
タがオフセット固定パタン画像データとしてメモリ10
9に対して出力される。
【0031】差分ブロック111は、メモリ110内の
撮影画像データを構成する画素データのそれぞれに対し
て、メモリ109内のオフセット固定パタン画像データ
を構成する画素データの中の、該当する位置に存在する
画素データを減算する処理を施し、その結果をメモリ1
12へ記憶する。
【0032】LUT113は、減算によるゲイン補正
(後述)を遂行するために用いる対数値変換の参照テー
ブルである。上述のようにして得られた、メモリ112
内の画像データ(被写体像を含む画像データ)が、この
LUT113を介して出力される。スイッチ114は、
出力先を端子C側に切り換ることで、LUT113から
出力された画像データがメモリ115に対して出力され
る。
【0033】メモリ116は、X線撮影装置100にお
いて“キャリブレーション”と呼称される操作が行なわ
れた際の取得画像データを記憶する。
【0034】上記のキャリブレーションでは、先ず、被
写体102が無い状態で、上述したような撮影動作によ
って画像データを取得する。スイッチ114において、
出力先を端子D側に切り換ることで、LUT113から
出力された当該画像データがメモリ116に対して出力
される。したがって、メモリ116内の画像データは、
被写体102が無い状態でのX線量分布そのものと、画
素毎のゲインばらつきのみのデータとからなるものであ
る。
【0035】通常、キャリブレーションの操作は、一日
一回程度始業時に行われるものであり、これにより得ら
れるデータ(メモリ116内の画像データ)により、フ
ラットパネルセンサ105が画素毎に有するゲインばら
つきを補正することが可能となる。
【0036】すなわち、差分ブロック117は、メモリ
115内の画像データ(元画像データ)から、メモリ1
16内の画像データ(ゲイン画像データ)を引き去るこ
とで、元画像における画素毎のゲインばらつきを補正
し、当該補正後の画像データをメモリ118に記憶させ
る。
【0037】ヒストグラム作成部119は、メモリ11
8に記憶された画像データ(補正後の画像データ)を読
み出し、当該画像のヒストグラムを作成する。演算ブロ
ック120は、ヒストグラム作成部119で得られたヒ
ストグラムを解析し、そのヒール点(HEELPOIN
T)を検出する。
【0038】例えば、演算ブロック120は、その詳細
が後述される図2及び図3のフローチャートに従った処
理を実行する。特に、上記図3に示される処理におい
て、処理対象画像のヒストグラム、すなわち直接線部分
(X線がフラットパネルセンサ105に直接入射した部
分)を含むヒストグラムから、当該直接線部分の開始画
素値(ヒール点)を抽出するのに用いる基点k1を選択
する際(ステップS302)、最高画素値から経験的に
求められた比率、若しくは具体的な画素値に基いて、被
写体102の画像データのほぼ最高値になる値を、基点
k1として選択する。また、基点k1に対する終点k2
としては、画像データの最高値を選択する。このような
基点k1及び終点k2の選択により、後段の処理ステッ
プによるヒール点検索(抽出)に対して重大な影響が与
えられないため、適当なヒール点が得られる。
【0039】LUT121は、演算ブロック120で得
られたヒール点(直接線部分のヒストグラムヒール点
P)に基いて生成された、例えば、図4に示されるよう
な参照テーブルである。上記図4において、横軸は入力
画素値を示し、縦軸は出力画素値を示す。同図の“40
1”に示されるように、LUT121では、入力画素値
が、画素値p(ヒール点Pの値)より小さい値の場合、
当該入力画素値そのものを出力画素値として出力し、そ
れ以上の値である場合、固定値pを出力画素値として出
力する。これにより、変動の多い直接線部分の濃度変動
が抑制され、固定値pで固定されることになる。このよ
うなLUT121から出力された画像データは、例え
ば、画像診断のために表示部(不図示)で表示される。
【0040】<X線撮影装置100の特徴とする構成>
本実施の形態の最も特徴とする構成は、演算ブロック1
20により、対象画像から直接線部分を正確且つ安定し
て抽出し、当該直接線部分の画素値変動(画像補正によ
るノイズ等)を抑制し、画素値の変換プロセスによっ
て、当該直接線部分の画素値をほぼ一定に固定する構成
にある。特に、演算ブロック120は、直接線部分を抽
出する際に、直接線部分の開始する画素値(開始画素
値)を正確に安定して抽出する。以下、上記の構成につ
いて具体的に説明する。
【0041】まず、図5は、処理対象となる画像(メモ
リ118に記憶された被写体102の撮影画像)の一例
としての画像(対象画像)500、及びヒストグラム作
成部119で作成された対象画像500のヒストグラム
510を示したものである。
【0042】上記図5において、“501”は、X線が
照射されていない部分、及びそのヒストグラム部分(以
下、「ヒストグラム501H」とも言う)を示し、“5
02”は、被写体部分、及びそのヒストグラム部分(以
下、「ヒストグラム502H」とも言う)を示し、“5
03”は、被写体外部の直接線部分、及びそのヒストグ
ラム部分(以下、「ヒストグラム503H」とも言う)
を示す。
【0043】直接線部分503の一般的な特徴は、被写
体(ここでは“人体”)による著しいX線強度の減弱が
ないために、非常にX線強度が強く、被写体部分502
内の画素値とはかなり乖離した位置に、ヒストグラム5
03Hが存在することにある。したがって、直接線部分
503は、一般的には分離しやすいようにも思えるが、
被写体部分(人体部分)502と直接線部分503との
境界部分、すなわち皮膚や耳等の部分の画素情報につい
ては、非常に分離しにくい。
【0044】上記図5の“520”で示す上向矢印の画
素値は、被写体部分502と直接線部分503との境界
の画素値(以下、「境界値520」とも言う)であり、
この境界値520以上の画素値を一定値に固定すれば、
直接線部分503の画素値変動、すなわちノイズはなく
なり、ダイナミックレンジ圧縮等の操作にも耐えられる
ようになる。
【0045】しかしながら、境界値520が、少しでも
前後すると、被写体部分502における皮膚や耳等の部
分が描写されなくなる、或いは直接線部分503のノイ
ズが残留する、等の不具合が生じる。また、境界値52
0は、ヒストグラム510をグラフ化した上で、適切な
表示をすれば、人間の判断によりヒューリスティックに
比較的安定してもとまるものである。しかし、境界値5
20を計算機により安定して自動判定するのは比較的困
難である。
【0046】そこで、本実施の形態では、演算ブロック
120が、以下に説明するようにして、境界値520、
すなわち直接線部分503の開始画素値を簡便な手法
で、正確に且つ安定して抽出する。
【0047】図6は、上記図5に示したヒストグラム5
10のうち、被写体部分502のヒストグラム502H
と、直接線部分503のヒストグラム503Hとの境界
付近を拡大して示したものである。ここでは、被写体部
分502のヒストグラム502Hにおいて、皮膚等の少
量の画素値の頻度が直線的に減少し、直接線部分503
のヒストグラム503Hにおいて、頻度が直線的に上昇
するようなモデル化を行う。上記図6の“530”で示
す矢印は、両者を最適に分離する点を示す。
【0048】上記のモデル化に基き最適な分離点(最適
分離点)530を得るために、図7に示すように、被写
体部分502と直接線部分503との境界部分を折れ線
で最適近似し、この折れ点Pを、最適分離点530、す
なわちヒール点(HEELPOINT)として抽出す
る。これにより、最適且つ安定したヒール点を抽出する
ことができる。
【0049】尚、ヒストグラムの解析は古くから行われ
た方法であるが、ピークや集中度の解析等が主であり、
上述したような本実施の形態の構成により、ヒール点を
抽出する手法は存在しない。
【0050】図8は、上記図7に示した折れ線による近
似を説明するための図である。上記図8において、黒丸
で示される点は、対象画像(ディジタル画像)の0〜n
−1までのn個のヒストグラム点を示し、同図に示され
るように、折れ点Pの位置で折れ曲がっている。この折
れ線、すなわち0〜Pの直線530Lと、P〜(n−
1)の直線530Rとの2直線は、横軸を“x”、縦軸
を“y”として、
【0051】
【数1】
【0052】なる式(1)で表される。尚、上記式
(1)において、“P”の値は、折れ点Pのインデック
スを表す。
【0053】上記式(1)において、パラメータa0,
a1,b0は、折れ点Pが固定されると、最小2乗規範に
則って線形代数的に求められるパラメータである。この
とき、パラメータa0は、直線530L(左側直線)の
傾きを示し、パラメータa1は、直線530R(右側直
線)の傾きを示す。
【0054】上記図8に示したn個のヒストグラム点
を、[(xi,yi);i=0〜n−1]とすると、2乗誤
差の総和εは、
【0055】
【数2】
【0056】なる式(2)で表される。
【0057】上記式(2)で表される2乗誤差の総和ε
を最小にするために、パラメータa0,a1,b0のそれ
ぞれによる偏微分を“0”とするような、
【0058】
【数3】
【0059】なる式(3)で表される連立方程式を解
く。
【0060】ここで、上述の演算処理では、折れ点Pを
既知として扱っているが、実際には、折れ点Pも未知数
であるため、上記式(2)の演算を、折れ点Pの値を変
化させながら実行することで、当該演算結果(2乗誤差
の総和ε)が最小となる、折れ点Pを求める。
【0061】上記図2は、上記の演算処理を示したもの
である。上記式(1)において、P,a0,a1,b0
を、上記図2の処理の結果であるp0,A0,A1,B0
で置き換えたものが、求める折れ線を表す。
【0062】先ず、折れ線のインデックスP,p0のそ
れぞれに対して、初期値“1”を設定し(ステップS2
01)、この値を持って、上記式(3)の演算処理を実
行する(ステップS202)。これにより得られたパラ
メータa0,a1を、パラメータA0,A1に設定する(ス
テップS203)。
【0063】次に、現在のインデックスP、及びパラメ
ータa0,a1,b0を用いて、上記式(2)の演算処理
を実行する(ステップS204)。次に、インデックス
Pに対して“2”を設定し(ステップS205)、その
インデックスPの値が、(n−1)を超えたか否かを判
別する(ステップS206)。
【0064】ステップS206の判別の結果、「P>n
−1」である場合、すなわちn個のヒストグラム点の全
てについての処理が終了した場合、本処理終了とする。
【0065】ステップS206の判別の結果、「P>n
−1」でない場合、現在のインデックスP、及びパラメ
ータa0,a1,b0を用いて、上記式(3)の演算処理
を実行し(ステップS207)、その後、上記式(2)
の演算処理を実行する(ステップS208)。
【0066】そして、上記式(2)の演算処理の結果
(2乗誤差の総和ε)を“E”として、この結果値E
が、前回の当該処理結果E0よりも小さいか否かを判別
する(ステップS209)。
【0067】ステップS209の判別の結果、「E<E
0」である場合、現在のE,P,a0,a1,b0のそれぞ
れの値を、E0,p0,A0,A1,B0に設定する(ステ
ップS210)。その後、インデックスPをカウントア
ップして(ステップS211)、再びステップS206
からの処理を実行する。
【0068】一方、ステップS209の判別の結果、
「E<E0」でない場合、そのままステップS211の
処理を実行し、その後、再びステップS206からの処
理を実行する。
【0069】また、本実施の形態では、ヒストグラム作
成部119で得られた、直接線部分を含むヒストグラム
(ヒストグラムデータ系列)において、部分データを選
択しながら、上述したような折れ線近似(フィッティン
グ)を行い、当該選択部分データが、
【0070】
【数4】
【0071】なる条件式(1)及び(2)を満たす部分
データになった時点で、ヒール点Pを抽出する。これに
より、安定してヒール点Pを抽出することができる。
【0072】上記条件式(1)及び(2)において、例
えば、“T”の値としては、50%程度の数値、
“δ0”の値としては、10%程度の数値を適用可能で
ある。この場合、例えば、折れ線を構成する2直線の傾
きの変化率が50%以上で、且つ折れ線フィッティング
の結果の誤差の比率が10%以下である場合、ヒール点
が抽出されることになる。
【0073】上述のようにしてヒール点Pを抽出するよ
うに構成した理由としては、ヒール点Pの抽出に用いる
ヒストグラムデータ系列を適正に選ばなければ、正確な
直接線部分の始まりの点であるヒール点を求めることが
できないためである。
【0074】具体的に図9を用いて説明する。当該図9
において、“553”は、直接線部分を含むヒストグラ
ムを示す。先ず、ヒストグラム553において、明らか
に直接線部分ではない点545を基点として求める。
【0075】対象データ範囲を、基点545から、点5
52、点550及び点548を経て、点546までの範
囲とすると、上記図8に示したような最適な折れ線は、
上記図9の“547”で示されるものになる。しかしな
がら、この折れ線547は、上記条件式(1)及び
(2)の何れの条件も満たしていない。
【0076】また、基点545、点552、点550、
及び点548のデータ系列を用いると、上記図9の“5
49”で示される折れ線が求まる。しかし、この折れ線
549は、上記条件式(1)を満たす可能性はあるが、
上記条件(2)で示される、満足なフィッティングが行
われているとはいえない。
【0077】また、基点545及び点552のデータ系
列を用いると、フィッティングは十分であるので、上記
条件式(2)は満たされるが、逆L字型であるという上
記条件(1)が満たされない。
【0078】一方、基点545、点552、及び点55
0のデータ系列を用いると、上記図9の“551”で示
される折れ線が求まる。この折れ線551は、上記条件
式(1)及び(2)を共に満たすものである。したがっ
て、ここで得られた折れ線551の折れ点を、ヒストグ
ラムのヒール点として求めることができる。
【0079】上記図3は、上述したようなヒール点の抽
出処理のフローチャートを示したものである。
【0080】先ず、ヒストグラム作成部119は、対象
画像のヒストグラムを作成する(ステップS301)。
演算ブロック120は、ヒストグラム作成部119で得
られたヒストグラムに基づいて、次のステップS302
からの処理を実行することで、ヒール点Pを抽出する。
【0081】すなわち、先ず、演算ブロック120は、
ヒストグラム作成部119で得られたヒストグラムにお
いて、直接線部分を十分含むような点を、基点k1とし
て設定する(ステップS302)。この基点k1は、経
験的若しくはヒストグラムの簡単な解析等の手法によっ
て求められる。
【0082】次に、演算ブロック120は、上記ヒスト
グラムにおいて、終点k2を選択する(ステップS30
3)。この終点k2としては、上記ヒストグラムにおけ
る画素値の最大値の点を用いることができる。
【0083】次に、演算ブロック120は、上記図2に
示した処理により、基点k1から終点k2の範囲のデー
タ系列を用いて、折れ線のフィッティングを行い、折れ
点Pを求める(ステップS304)。
【0084】そして、演算ブロック120は、ステップ
S304でのフィッティング結果に基いて、当該データ
系列が、上記条件式(1)及び(2)を同時に満たすも
のであるか否かを判別する(ステップS305)。
【0085】ステップS305の判別の結果、上記条件
式(1)及び(2)を満たさない場合、演算ブロック1
20は、より少ないデータ系列でフィッティングを行う
ために、終点k2を更新し、すなわちデータ系列を更新
する(ステップS306)。ここでは、終点k2の値
(インデックス)から、“α”で示される値を差し引く
ことで、データ系列を少なくしている。このときの
“α”の値は、例えば、“1”としてもよいが、演算効
率を高めるために、適当な数値“10”程度でも十分で
ある。
【0086】その後、演算ブロック120は、ステップ
S306での更新後の終点k2の値が、基点k1よりも
小さいか否かを判別する(ステップS307)。
【0087】ステップS307の判別の結果、「k2<
k1」である場合、すなわち終点k2の値が妥当な値で
ない場合、演算ブロック120は、ヒール点なしとし
て、すなわち現在のデータ系列には十分な広面積を有す
る直接線部分が存在しないためヒール点が存在しないと
して、本処理を終了する。
【0088】また、ステップS307の判別の結果、
「k2<k1」でない場合、演算ブロック120は、再
びステップS304からの処理を実行する。
【0089】一方、ステップS305の判別の結果、上
記条件式(1)及び(2)を満たす場合、演算ブロック
120は、現在の折れ点Pを、ヒール点Pとして(ステ
ップS309)、本処理終了とする。
【0090】[第2の実施の形態]本実施の形態では、上
記図1のX線撮影装置100において、LUT121
を、例えば、図10に示されるような参照テーブルとす
る。すなわち、本実施の形態では、上記図4に示したよ
うに、ヒール点Pで角度をつけて曲げるのではなく、ク
リップされる出力画素値(固定値p)と、クリップされ
ない出力画素値(入力画素値と等しい画素値)とを連続
的に接続するために、上記図10に示されるように、3
次関数(y=ax3+bx2+cx+d)を用いてLUT
121が構成される。
【0091】上記図10において、“p0”はヒール点
Pであるが、ヒール点Pから所定値だけ前後した値であ
ってもよい。また、“q”は、出力がクリップされる値
であり、任意の値を適用可能であるが、ヒール点Pと同
じ或いは所定値だけ大きな値をとる。また、“δ”は、
LUT121の湾曲される範囲を規定するものである。
【0092】本実施の形態での上記の3次関数は、各ノ
ードにおける値及び微分値が同じという条件で、
【0093】
【数5】
【0094】なる式(4)の連立方程式の解となる。
【0095】上記式(4)の連立方程式の解は、具体的
に演算が行え、各パラメータa〜dは、
【0096】
【数6】
【0097】なる式(5)により表される。
【0098】上述のように、本実施の形態では、LUT
121を連続かつ微分可能な曲線で構成したので、安定
した処理後画像を提供することができる。
【0099】[第3の実施の形態]第2の実施の形態で
は、LUT121を連続かつ微分可能な曲線で構成し
た。しかしながら、この場合のLUT121では、曲線
(非直線)部分において、被写体部分と直接線部分のノ
イズ情報が混在する場合がある。本実施の形態では、上
記のノイズ情報を低下させ、より自然なクリッピングを
実現する。
【0100】このため、本実施の形態におけるX線撮影
装置100は、図11に示されるように、上記図1に示
される構成に加えて、LUT121の後段に演算ブロッ
ク122を更に設けて構成される。演算ブロック122
は、例えば、図12のフローチャートに示される処理を
実行する。
【0101】すなわち、先ず、演算ブロック122は、
対象画像上の画素位置を示すアドレスAを初期化する
(ステップS601)。次に、演算ブロック122は、
アドレスAで示される画素の値を、LUT121の出力
から取得する(ステップS602)。
【0102】次に、演算ブロック122は、ステップS
602で取得した画素値(対象画素値)が、上記図10
に示したLUT121の曲線部分(非直線部分)、すな
わち(p0−δ)からp0の範囲内に存在するか否かを判
別する(ステップS603)。
【0103】ステップS603での判別の結果、対象画
素値が曲線部分に存在する場合、演算ブロック122
は、当該出力値を、対象画素とその周囲画素を含む9画
素の平均値に置き換え(ステップS604)、その後、
次のステップS605の処理へ進む。
【0104】ステップS603での判別の結果、対象画
素値が曲線部分に存在しない場合、演算ブロック122
は、そのまま次のステップS605の処理へ進む。
【0105】ステップS605では、演算ブロック12
2は、対象画像を構成する全ての画素に対して、ステッ
プS602〜ステップS604の処理を終了したか否か
を判別し(ステップS605)する。この判別の結果、
すべて終了の場合のみ、本処理終了とする。
【0106】ステップS605の判別の結果、すべて終
了でない場合、演算ブロック122は、次の画素への処
理を実行するために、アドレスAをインクリメントして
(ステップS606)、再びステップS602からの処
理を実行する。
【0107】上述のように、本実施の形態では、LUT
121の曲線部分に出力画素値が存在する場合、対象画
素の周囲の画素値の平均をとるように構成したので、残
留する直接線部分のノイズ情報を低下させることがで
き、より自然なクリッピングが実現できる。
【0108】[第4の実施の形態]本実施の形態では、上
記図11に示されるX線撮影装置100の構成が、例え
ば、図13に示されるように、LUT123を更に設け
た構成とされる。
【0109】LUT123は、差分ブロック117の出
力を受け、メモリ118に対して出力するように構成さ
れており、特に、画像診断に適する表示用画像を得るた
めの参照テーブルである。したがって、上述した直接線
部分のノイズを除去する処理は、LUT123が、差分
ブロック117から出力される画像データに対して表示
用の画像変換を行った後に実行されることになる。
【0110】LUT123から出力される画素値は、不
図示の表示部に依存するものになる。しかしながら、本
実施の形態における構成は、X線撮影装置100からの
出力画像が既に表示用に変換されているようにする場合
等に有効である。
【0111】尚、第1〜第4の実施の形態では、直接線
部分、すなわちX線がイメージセンサに直接入射する部
分(素抜け部分)を対象領域としているが、対象領域は
これに限られることはなく、例えば、一般の放射線画像
の背景部分(放射線照射野外の領域等)としてもよい。
この場合、背景部分の画素値範囲を、上述したようなヒ
ール点検出によって検出した結果は、LUTの作成のみ
ならず、背景部分のみを抽出又は削除する画像処理にも
有効である。
【0112】また、上述のように直接線部分を固定(ク
リッピング)した後に、ダイナミックレンジ圧縮等の強
調処理を含む画像処理を実行するようにしてもよい。こ
れにより、補正ノイズを強調することなく、安定した処
理後画像を提供することが可能になる。
【0113】また、本発明の目的は、第1〜第4の実施
の形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラ
ムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に
供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CP
U又はMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコ
ードを読みだして実行することによっても、達成される
ことは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出
されたプログラムコード自体が第1〜第4の実施の形態
の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを
記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。プロ
グラムコードを供給するための記憶媒体としては、RO
M、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディス
ク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テ
ープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができ
る。また、コンピュータが読みだしたプログラムコード
を実行することにより、第1〜第4の実施の形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際
の処理の一部又は全部を行い、その処理によって第1〜
第4の実施の形態の機能が実現される場合も本発明を構
成することは言うまでもない。さらに、記憶媒体から読
み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入さ
れた拡張機能ボードやコンピュータに接続された機能拡
張ユニット等に備わるメモリに書き込まれた後、そのプ
ログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや
機能拡張ユニット等に備わるCPUなどが実際の処理の
一部又は全部を行い、その処理によって第1〜第4の実
施の形態の機能が実現される場合も本発明を構成するこ
とは言うまでもない。
【0114】図14は、上記のコンピュータの機能70
0の構成の一例を示したものである。コンピュータ機能
700は、上記図14に示すように、CPU701と、
ROM702と、RAM703と、キーボード(KB)
709のキーボードコントローラ(KBC)705と、
表示部としてのCRTディスプレイ(CRT)710の
CRTコントローラ(CRTC)706と、ハードディ
スク(HD)711及びフレキシブルディスク(FD)
712のディスクコントローラ(DKC)707と、任
意のネットワーク720に接続されたネットワークイン
ターフェースカード(NIC)708とが、システムバ
ス704を介して互いに通信可能に接続された構成とし
ている。
【0115】CPU701は、ROM702若しくはH
D711に記憶されたソフトウェア、又はFD712よ
り供給されるソフトウェアを実行することで、システム
バス704に接続された各構成部を総括的に制御する。
すなわち、CPU701は、所定の処理シーケンスに従
った処理プログラムを、ROM702若しくはHD71
1、又はFD712から読み出して実行することで、第
1〜第4の実施の形態における動作を実現するための制
御を行う。
【0116】RAM703は、CPU701の主メモリ
或いはワークエリア等として機能する。KBC705
は、KB709や図示していないポインティングデバイ
ス等からの指示入力を制御する。CRTC706は、C
RT710の表示を制御する。DKC707は、ブート
プログラム、種々のアプリケーションソフトウェア、編
集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログ
ラム、及び第1〜第4の実施の形態にかかる処理プログ
ラム等を記憶するHD711又はFD712等へのアク
セスを制御する。NIC708は、ネットワーク720
上の装置或いはシステム等と双方向にデータをやりとり
する。
【0117】以上説明したように本実施の形態では、対
象画像(放射線画像等)のヒストグラムを作成し、当該
ヒストグラムにおける所定領域(放射線が被写体を介さ
ずに直接イメージセンサに入射した部分である直接線部
分の領域等)の開始点(境界点)を、折れ線でフィッテ
ィングすること等により求めるように構成した。
【0118】これにより、例えば、所定領域の開始点に
基いて、当該所定領域を正確に抽出することができる。
また、対象画像における所定領域を正確に抽出すること
ができるため、イメージセンサの画素毎の特性はらつき
に関する画像補正処理等に起因したノイズ情報を適切に
抑制することができ、よって、良好な処理後画像を提供
することができる。例えば、放射線画像における直接線
部分又は背景部分(照射野外領域等)等のような所定領
域の画素値を実質的に所定値に固定するように構成した
場合、所定領域内のノイズを除去又は抑制することがで
きる。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、対
象画像における所定の領域とその他の領域との境界の画
素値を正確に抽出できる、画像処理装置、画像処理シス
テム、画像処理方法、プログラムを記憶したコンピュー
タ読出可能な記憶媒体、及び当該プログラムを提供する
ことができる。
【0120】または、本発明によれば、対象放射線画像
における直接線部分(素抜け部分)等の所定領域の画素
値を正確に認識し、当該所定領域の画素値を実質的に所
定値に固定することで、良好な放射線画像を提供でき
る、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、
プログラムを記憶したコンピュータ読出可能な記憶媒
体、及び当該プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態において、本発明を適用した
X線撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記X線撮影装置の演算ブロック120で実行
される、折れ線フィッティングの処理を説明するための
フローチャートである。
【図3】上記折れ線フィッティングの処理を含む、ヒー
ル点検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】上記X線撮影装置で使用されるLUTの構成を
説明するための図である。
【図5】上記X線撮影装置において処理対象となる画像
の一例と、そのヒストグラムを説明するための図であ
る。
【図6】上記ヒストグラムにおける直接線部分のヒスト
グラムをモデル化する処理を説明するための図である。
【図7】上記折れ線フィッティングを具体的に説明する
ための図である。
【図8】上記折れ線フィッティングにおける演算処理を
具体的に説明するための図である。
【図9】上記ヒール点検出処理を具体的に説明するため
の図である。
【図10】第2の実施の形態におけるX線撮影装置で使
用されるLUTの構成を説明するための図である。
【図11】第3の実施の形態におけるX線撮影装置の構
成を示すブロック図である。
【図12】上記X線撮影装置の演算ブロック122の処
理を説明するためのフローチャートである。
【図13】第4の実施の形態におけるX線撮影装置の構
成を示すブロック図である。
【図14】第1〜第4の実施の形態の機能または処理に
係るプログラムを実行可能なコンピュータの構成を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
119 ヒストグラム作成部(HST) 120 演算ブロック(ANAL)

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象画像の画素値ヒストグラムを作成す
    るヒストグラム作成手段と、 上記ヒストグラム作成手段により作成された上記ヒスト
    グラムの所定範囲を、2直線で構成される折れ線で近似
    することにより、上記対象画像の所定領域とその他の領
    域との境界画素値を抽出する抽出手段とを備えることを
    特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 上記対象画像は、被写体の放射線画像を
    含み、 上記所定領域は、放射線素抜け領域又は照射野外領域を
    含むことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 上記抽出手段は、上記近似により得られ
    た上記折れ線の折れ点を上記境界画素値として抽出する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 上記抽出手段は、上記所定範囲を設定す
    る設定手段を含むことを特徴とする請求項1記載の画像
    処理装置。
  5. 【請求項5】 上記抽出手段は、上記所定範囲を変更す
    る変更手段を含むことを特徴とする請求項1記載の画像
    処理装置。
  6. 【請求項6】 上記抽出手段は、上記近似により得られ
    た上記折れ線が所定の条件を満たす場合に、上記境界画
    素値を抽出することを特徴とする請求項1記載の画像処
    理装置。
  7. 【請求項7】 上記所定の条件は、2直線で構成される
    折れ線によるフィッティングの結果の誤差の比率が所定
    値以下であり、且つ当該2直線線の傾きの変化率が所定
    値以上である、という条件を含むことを特徴とする請求
    項6記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 上記所定の条件は、上記折れ線の近似度
    及び上記2直線の傾きの少なくとも一方に関する条件を
    含むことを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 上記近似度に関する上記所定の条件は、
    上記折れ線に対する上記ヒストグラムのデータのばらつ
    き度合いに関する条件を含むことを特徴とする請求項8
    記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 上記傾きに関する上記所定の条件は、
    上記2直線の傾きの変化に関する条件を含むことを特徴
    とする請求項8記載の画像処理装置。
  11. 【請求項11】 上記所定領域の画素値を所定値に変換
    する変換手段を備えることを特徴とする請求項1記載の
    画像処理装置。
  12. 【請求項12】 上記変換手段は、連続且つ微分可能な
    変換関数に応じて画素値を変換することを特徴とする請
    求項11記載の画像処理装置。
  13. 【請求項13】 上記変換関数は、所定領域の画素値を
    実質的に所定値に、その他の領域の画素値を実質的にリ
    ニアに変換すると共に、当該所定領域とその他の領域と
    の境界画素値近傍の画素値を非線形に変換する関数を含
    むことを特徴とする請求項12記載の画像処理装置。
  14. 【請求項14】 上記変換関数により非線形に変換され
    た画素の値を、当該画素及び当該画素の周囲画素の値に
    応じて平滑化する平滑化手段を備えることを特徴とする
    請求項13記載の画像処理装置。
  15. 【請求項15】 上記抽出手段による処理の前に、上記
    対象画像に対し、表示手段に依存した画素値変換を行う
    表示用変換手段を備えることを特徴とする請求項1記載
    の画像処理装置。
  16. 【請求項16】 上記変換手段による処理の後の画像に
    対し、所定の強調処理を行う強調処理手段を備えること
    を特徴とする請求項11記載の画像処理装置。
  17. 【請求項17】 上記所定の強調処理は、画像のダイナ
    ミックレンジを変更する処理を含むことを特徴とする請
    求項16記載の画像処理装置。
  18. 【請求項18】 上記境界画素値に基づいて、上記所定
    領域を認識する認識手段を備えることを特徴とする請求
    項1記載の画像処理装置。
  19. 【請求項19】 複数の装置が互いに通信可能に接続さ
    れてなる画像処理システムであって、 上記複数の装置のうち少なくとも1つの装置は、請求項
    1〜18の何れかに記載の画像処理装置の機能を有する
    ことを特徴とする画像処理システム。
  20. 【請求項20】 対象画像の画素値ヒストグラムを作成
    するステップと、 上記ヒストグラムを作成するステップで作成された上記
    ヒストグラムの所定範囲を、2直線で構成される折れ線
    で近似することにより、上記対象画像の所定領域とその
    他の領域との境界画素値を抽出するステップとを含むこ
    とを特徴とする画像処理方法。
  21. 【請求項21】 コンピュータを所定の手段として機能
    させるためのプログラムであって、 上記所定の手段は、 対象画像の画素値ヒストグラムを作成するヒストグラム
    作成手段と、 上記ヒストグラム作成手段により作成された上記ヒスト
    グラムの所定範囲を、2直線で構成される折れ線で近似
    することにより、上記対象画像の所定領域とその他の領
    域との境界画素値を抽出する抽出手段とを含むことを特
    徴とするプログラム。
  22. 【請求項22】 請求項21記載のプログラムを記録し
    たことを特徴とするコンピュータ読出可能な記憶媒体。
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JP2009514636A (ja) * 2005-11-09 2009-04-09 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ X線検出器において3dゴーストアーチファクトを低減させる方法
JP2009119055A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Canon Inc 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及びコンピュータ記録媒体
US9299141B2 (en) 2013-02-05 2016-03-29 Canon Kabushiki Kaisha Image analysis apparatus, radiation imaging apparatus, image analysis method, and storage medium

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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