JP2002334977A - 焦電型赤外線撮像素子およびその作製方法 - Google Patents

焦電型赤外線撮像素子およびその作製方法

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JP2002334977A
JP2002334977A JP2001139595A JP2001139595A JP2002334977A JP 2002334977 A JP2002334977 A JP 2002334977A JP 2001139595 A JP2001139595 A JP 2001139595A JP 2001139595 A JP2001139595 A JP 2001139595A JP 2002334977 A JP2002334977 A JP 2002334977A
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infrared imaging
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English (en)
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Yasukazu Nihei
靖和 二瓶
Akinori Harada
明憲 原田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焦電型赤外線撮像素子の画素サイズを小さく
する。 【解決手段】 【請求項1】 単分極化されたLiTaO結晶基板等
からなる焦電体11に、その一表面11bにおいて互いに分
離したパターンを示す複数の分極反転部12を形成して、
これを上記一表面11bと反対側の表面11aで赤外線2を
受光する受光部10とする。そしてこの受光部10の一表面
11b側に電荷転送部20を配し、この電荷転送部20と分極
反転部12の各々とを接合手段30によって導通させて焦電
型赤外線撮像素子1を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は赤外線撮像素子に関
するものであり、特に詳細には、画素分割された焦電体
と該焦電体に接合された電荷転送部とからなる焦電型赤
外線撮像素子に関するものである。
【0002】また本発明は、上述のような焦電型赤外線
撮像素子を作製する方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、例えば文献 Materials Integrati
on Vol.12 No.4(1999)pp.38-42に記載されているよう
に、赤外線画像を撮像するための素子として、画素分割
された焦電体と該焦電体に接合された電荷転送部とから
なる焦電型赤外線撮像素子が知られている。
【0004】この焦電型赤外線撮像素子は基本的に、焦
電体からなる受光部に赤外線像を結ばせ、赤外線の温度
による焦電効果によって該受光部の表面に赤外線強度に
対応した電荷分布を発生させ、この発生した電荷を各画
素に結合されたInバンプ等を介してCCD等からなる電
荷転送部に伝え、該電荷転送部から各画素毎の電荷に対
応した、つまり赤外線像を示す画像信号を出力するよう
に構成されたものである。なお、上記電荷は温度変化に
対応して出現するので、受光部に対して赤外線は断続的
に照射する必要がある。そのため通常、赤外線は光学チ
ョッパを介して受光部に照射される。
【0005】上記の基本構成を有する焦電型赤外線撮像
素子においては、上記文献にも記載されている通り、受
光部を構成する結晶あるいはセラミックスからなる焦電
体にイオンビームエッチングやレーザーエッチングによ
り切り込みを入れて島状化し、その島状化された一つの
部分毎に電荷を取り出している。つまり島状化された一
つの部分が一画素となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近時、この種の焦電型
赤外線撮像素子においても高解像度化の要求が高まって
おり、画素サイズを例えば数十μm〜100μm角程度に
小さくすることが望まれている。画素サイズを小さくす
るためには、焦電体において島状部分をより微細に形成
すればよいが、加工上の制約から島状部分の微細化には
自ずと限界がある。また、焦電体を微細に島状化する加
工は難しいので、そのようにして画素サイズを小さくす
ることは、焦電型赤外線撮像素子のコスト高を招くこと
にもなる。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みて、画素サイズ
を極めて小さくすることができる焦電型赤外線撮像素子
を提供することを目的とする。
【0008】また本発明は、画素サイズが極めて小さい
焦電型赤外線撮像素子を容易に作製することができる方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による焦電型赤外
線撮像素子は、単分極化された焦電体に、その一表面に
おいて互いに分離したパターンを示す複数の分極反転部
が形成されてなり、前記一表面と反対側の表面で赤外線
を受光する受光部と、この受光部の前記一表面側に配さ
れた電荷転送部と、この電荷転送部と前記複数の分極反
転部の各々とを導通させる接合手段とからなることを特
徴とするものである。
【0010】なお上記構成の焦電型赤外線撮像素子にお
いては、焦電体の前記一表面において複数の分極反転部
が、2次元的に整列したドット状に形成されていること
が望ましい。
【0011】また上記一表面において複数の分極反転部
は、非反転部から島状に突出していることが望ましい。
【0012】また、上記島状に突出した複数の分極反転
部の相互間には、前記焦電体よりも熱伝導率の低い絶縁
材料が充填されていることが望ましい。
【0013】そして受光部を構成する焦電体は、LiT
aO、LiNbO、Sr1−xBaNb
PbGe11、PbTi1−xZrおよび
PbTiOのうちのいずれかからなることが望まし
い。
【0014】一方、本発明による一つの焦電型赤外線撮
像素子の作製方法は、上に説明した本発明の焦電型赤外
線撮像素子を作製する方法において、単分極化された焦
電体の前記一表面またはそれと反対側の表面に互いに分
離したパターンの電極を形成し、これらの電極を介して
該一表面および反対側の表面からこの焦電体に電場を印
加することにより、該電極のパターンに従ったパターン
を示す複数の分極反転部を該焦電体に形成して前記受光
部を得ることを特徴とするものである。
【0015】なお、この本発明による焦電型赤外線撮像
素子の作製方法においては、上記電極として、2次元的
に整列したドット状の電極を用いることが望ましい。
【0016】また、本発明による焦電型赤外線撮像素子
の作製方法においては、焦電体の前記一表面と反対側の
表面に全面電極を形成し、この全面電極を介して該焦電
体に電場を印加することが望ましい。あるいはこの電場
印加は、コロナ帯電を利用して行なってもよい。
【0017】また、本発明による別の焦電型赤外線撮像
素子の作製方法は、単分極化された焦電体の前記一表面
またはそれと反対側の表面に互いに分離したパターンの
電極を形成し、これらの電極を介して該一表面および反
対側の表面からこの焦電体に電場を印加することによ
り、該電極のパターンに従ったパターンを示す複数の分
極反転部を該焦電体に形成し、次いでこの焦電体の前記
一表面をエッチングし、分極反転部と非反転部とのエッ
チングレートの差を利用して、複数の分極反転部が非反
転部から島状に突出している前記受光部を得ることを特
徴とする。
【0018】
【発明の効果】上記構成を有する本発明の焦電型赤外線
撮像素子において、焦電体からなる受光部に赤外線が照
射されると、該焦電体が所定波長(例えば焦電体がLi
TaO である場合は3〜6μm程度)の赤外線を吸収
し、この吸収による温度変化に対応して分極率が変化す
るのに従って表面に電荷を発生させる。この表面電荷
は、分極反転部と非反転部とで符号が互いに逆のものと
なる。そこで、焦電体の前記一表面において互いに分離
したパターンを示す複数の分極反転部の各々からは、周
囲の非反転部とは異なる符号で、該分極反転部に照射さ
れた赤外線の強度に応じた大きさの電荷が出現する。つ
まり、一つの分極反転部を一画素として、赤外線強度を
示す電荷が得られることになる。
【0019】そこで、この一画素毎の電荷をCCDやC
MOS等からなる電荷転送部に伝え、該電荷転送部から
各画素毎の電荷に対応した画像信号を出力させれば、そ
の画像信号は受光部に照射された赤外線による像を示す
ものとなる。なお、この電荷転送部としては、従来の焦
電型赤外線撮像素子で用いられていたものをそのまま使
用することができる。
【0020】そして一画素を構成する一つの分極反転部
は、焦電体の分極を反転させる際に使用する電極のサイ
ズ次第で、例えば数μm程度と極めて小さく形成するこ
とも可能であるので、本発明の焦電型赤外線撮像素子
は、画素サイズを極めて小さくして高解像度化を実現で
きるものとなる。
【0021】なお上記複数の分極反転部が2次元的に整
列したドット状に形成されていれば、CCDやCMOS
等からなる電荷転送部として、従来用いられている一般
的なものをそのまま使用することができる。
【0022】また、それら複数の分極反転部が非反転部
から島状に突出している場合には、分極反転部と非反転
部とが明瞭に峻別されるので、各分極反転部をInバンプ
等を介して電荷転送部に接合する作業がしやすくなる。
【0023】また、上記島状に突出した複数の分極反転
部の相互間に、前記焦電体よりも熱伝導率の低い絶縁材
料が充填されている場合には、突出した微細な分極反転
部の破壊を防止するとともに、凹部つまり非反転部の電
荷の影響を除き、さらに、隣り合う分極反転部どうし間
で熱が移動して画素間のクロストークが生じることを防
止できるという効果も得られる。
【0024】一方、本発明による一つの焦電型赤外線撮
像素子の作製方法は、単分極化された焦電体の前記一表
面またはそれと反対側の表面に互いに分離したパターン
の電極を形成し、これらの電極を介して該一表面および
反対側の表面からこの焦電体に電場を印加することによ
り、該電極のパターンに従ったパターンを示す複数の分
極反転部を該焦電体に形成するようにしたから、焦電体
に切り込み加工をして画素(島状部分)を形成する場合
に比べれば、極めて小さい画素(分極反転部)も容易に
形成可能である。
【0025】この本発明による焦電型赤外線撮像素子の
作製方法において、上記電極として2次元的に整列した
ドット状の電極を用いれば、前述したように一般的な電
荷転送部をそのまま使用できるという点で好ましい、2
次元的に整列したドット状の分極反転部を備えた焦電型
赤外線撮像素子を簡単に作製することができる。
【0026】また、本発明による別の焦電型赤外線撮像
素子の作製方法は、上記方法と同様にして複数の分極反
転部を該焦電体に形成した後、この焦電体の前記一表面
をエッチングし、分極反転部と非反転部とのエッチング
レートの差を利用して、複数の分極反転部を非反転部か
ら島状に突出させるようにしたから、分極反転部と非反
転部とが明瞭に峻別される焦電型赤外線撮像素子を簡単
に作製することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の
形態による焦電型赤外線撮像素子1の概略側面形状を示
すものであり、図2はこの焦電型赤外線撮像素子1の使
用形態を概略的に示している。
【0028】図1に示される通りこの焦電型赤外線撮像
素子1は、強誘電性の焦電体であるLiTaOの結晶
基板11に複数の分極反転部12が形成されてなり、図中上
側の表面で赤外線を受光するように配置される受光部10
と、この受光部10の図中下側の表面に向けて配された電
荷転送部20と、この電荷転送部20と上記分極反転部11の
各々とを導通させる接合手段30とから構成されている。
【0029】受光部10は、単分極化されたLiTaO
結晶基板(以下、LT結晶基板と称する)11に、多数の
分極反転部12が形成されてなる。これらの分極反転部12
は、LT結晶基板11の+Z面11aから−Z面11bまで貫
通するように形成され、特に−Z面11bからは島状に突
出して凹凸構造を形成している。またこれらの分極反転
部12は、−Z面11bの上で2次元的に整列したドット状
に形成されている。
【0030】図3および図4は、LT結晶基板11の−Z
面11b上における分極反転部12の形状を示す電子顕微鏡
写真である。なお倍率は、図3が2500倍、図4が9000倍
である。これらに示されているように本例では、LiT
aOの結晶系を反映して、突出した分極反転部12の形
状は略三角形となる。また本例において、ドット状の分
極反転部12のサイズ(底辺から頂点までの長さ)は5〜
10μm程度、分極反転部12どうしの間の距離(中心間の
距離)は20〜40μm程度とされる。
【0031】ここで、上記構成の受光部10を作製する方
法について、図5を参照して説明する。まず同図(1)に
示すように、例えば10×10×0.3mmの単分極化された
ZカットLT結晶基板11を用意し、このLT結晶基板11
の+Z面11aに通常のリソグラフィにより、2次元的に
整列したドットパターン状のレジスト膜40を形成する。
【0032】次に同図(2)に示すように、+Z面11a上
のレジスト膜40の上に電極41を形成するとともに、−Z
面11bには全面電極42を形成する。上記電極41は、レジ
スト膜40が形成されていることにより、+Z面11aに対
しては、レジスト膜40どうしの間に入り込んだ部分のみ
が接するドット状の電極となる。なおこれらの電極41お
よび42は蒸着あるいはスパッタ等によってCrから形成
され、厚さは例えば50nmとされる。
【0033】次いで同図(3)に示すように、上記ドット
状の電極41および全面電極42を介して、直流電源43によ
ってLT結晶基板11の+Z面11a、−Z面11b間に電場
を印加すると、ドット状の電極41に対応する部分におい
てLT結晶基板11の分極が反転し、+Z面11aと−Z面
11bとの間で延びる複数の微細な分極反転部12が形成さ
れる。
【0034】なお、上記のような全面電極42を設ける代
わりに、LT結晶基板11の−Z面11bと向かい合う位置
にコロナワイヤを配置し、コロナ帯電法によってLT結
晶基板11に電場を印加することも可能である。
【0035】次に同図(4)に示すように電極41、42およ
びレジスト膜40を除去した後、同図(5)に示すようにL
T結晶基板11の+Z面11aに、エッチング防止膜44を形
成する。このエッチング防止膜44は例えば蒸着あるいは
スパッタ等によってCrから形成され、厚さは例えば50
nmとされる。
【0036】次に同図(6)に示すように、このLT結晶
基板11を室温に保ったHF(フッ酸):HNO(硝
酸)=1:2の混合液からなるエッチング液45に例えば
1時間浸漬して、エッチングする。このような酸による
エッチングにおいて、LT結晶基板11の+Z面11aと−
Z面11bとのエッチングレート比は1:10000程度であ
る。そこで、露出している−Z面11b側では、該−Z面
11bの部分つまり非反転部と、分極反転部12(ここは+
Z面に相当する)との間でエッチング深さに差が生じ、
分極反転部12が−Z面11bから島状に突出して凹凸構造
が形成される。
【0037】このLT結晶基板11をエッチング液45から
取り出し、エッチング防止膜44を除去すると、同図(7)
に示す状態のLT結晶基板11が得られる。なお本例にお
けるエッチング条件の下では、分極反転部12の−Z面11
bからの突出高さは約1μmとなる。
【0038】ここで、−Z面11bにおいて分極反転部12
がドット状に形成されていることを、以下の方法によっ
て確認した。図5の(7)に示す状態のLT結晶基板11の
温度を室温から100℃に変化させて、焦電効果による表
面電荷を発生させた後、このLT結晶基板11を、プラス
電荷を持っている液体トナー中に浸漬した。すると、こ
のLT結晶基板11のZ面11a側では分極反転部12(ここ
は−Z面に相当)のみにトナーが付着し、一方、該LT
結晶基板11の−Z面11b側では分極反転部12以外の部
分、つまり非反転部のみにトナーが付着していることが
確認された。
【0039】以上の工程により、図1に示した、LT結
晶基板11からなる受光部10が得られる。以下、図1に戻
って説明を続ける。上記受光部10を構成するLT結晶基
板11の−Z面11bから突出した分極反転部12の各々は、
接合手段30を介して電荷転送部20と導通されている。こ
の接合手段30は、各分極反転部12の表面に形成された電
極31と、電荷転送部20に形成された電荷注入電極32と、
これらの電極31と電極32との間に介装されたInバンプ33
とから構成されている。
【0040】また電荷転送部20は、従来より赤外線撮像
素子において、受光部への赤外線照射により生じた電荷
を時系列の画像信号として転送するために用いられてい
るものであり、例えばCCDやあるいはCMOSからな
るものが使用可能である。その種の電荷転送部について
は、例えば特開平5−90554号や同7−94693
号に詳しい開示があり、本実施の形態でもそれらに示さ
れているような従来公知のものをそのまま用いることが
できるが、ここでCCDを例にとって簡単に説明する。
【0041】CCD(電荷結合素子)は揮発性の半導体
記憶素子であり、その一つの電極に負の電圧をかけると
該電極の下の部分に電荷が集まり、電圧をかける電極を
次々と移動させることによって、電荷を転送させること
ができる。このようなCCDに、Inバンプ33等を介して
各分極反転部12を接合しておくことにより、各分極反転
部12に発生した表面電荷を時系列信号として取り出すこ
とができる。
【0042】この図1の焦電型赤外線撮像素子1は、図
2に示すようにして赤外線像の撮像のために用いられ
る。すなわち、この焦電型赤外線撮像素子1は受光部10
側を撮像対象に向けて配置され、赤外線像を担持した赤
外線2が、光学チョッパ3および撮像光学系4を介して
受光部10に照射される。このとき撮像光学系4によっ
て、赤外線2が担持している画像が受光部10の上に結像
され、また光学チョッパ3の作用により、赤外線2が受
光部10に断続的に照射される。
【0043】こうして赤外線2が受光部10に断続的に照
射されると、焦電体であるLT結晶基板11が波長3〜6
μm程度の赤外線を吸収し、この吸収による温度変化に
対応して分極率が変化するのに従って表面に電荷を発生
させる。この表面電荷は、分極反転部12と非反転部とで
符号が互いに逆のものとなる。そこで、2次元的に整列
した複数の分極反転部12の各々からは、周囲の非反転部
とは異なる符号で、該分極反転部12に照射された赤外線
2の強度に応じた大きさの電荷が出現する。つまり、一
つの分極反転部12を一画素として、赤外線強度を示す電
荷が得られることになる。
【0044】この一画素毎の電荷は接合手段30を介して
電荷転送部20に伝えられ、該電荷転送部20からは、各画
素毎の電荷に対応した、つまり受光部10に照射された赤
外線2による像を示す画像信号Sが出力される。この画
像信号Sは、駆動回路5を介して例えばCRT表示装置
等の画像表示手段6に入力され、画像信号Sが示してい
る赤外線像がこの画像表示手段6に表示される。
【0045】一画素を構成する一つの分極反転部12は、
LT結晶基板11の分極を反転させる際に使用する電極41
(図5参照)のドット部のサイズ次第で極めて小さく形
成することも可能であり、そのようにすれば画素の高密
度化、つまりは撮像画像の高解像度化が達成される。た
だし、分極反転部12どうしの間隔は、あまり小さくする
と回折光の影響が大きくなるので、赤外線波長の数倍程
度に設定する必要がある。前述した3〜6μmの波長帯
の赤外線を対象とする場合、妥当な画素間隔は20μm程
度である。
【0046】また、LT結晶基板11の−Z面11b側で分
極反転部12を突出させることは必ずしも必要ではない
が、そのようにすれば分極反転部12が非反転部から明瞭
に峻別されるので、各分極反転部12を接合手段30を介し
て電荷転送部20に接合する作業がしやすくなる。
【0047】一方、図5を参照して説明した焦電型赤外
線撮像素子の作製方法は、単分極化されたLT結晶基板
11に、その+Z面11a上で互いに分離したパターンとな
っている電極41を形成し、この電極41を介して電場印加
することにより、LT結晶基板11に画素となる分極反転
部12を形成するようにしたから、焦電体に切り込み加工
をして画素(島状部分)を形成する場合に比べれば、極
めて小さい画素も容易に形成可能である。
【0048】またこの例では、LT結晶基板11の+Z面
11a上で2次元的に整列したドット状の部分を有する電
極41を用いていることにより、一般的な電荷転送部20を
そのまま使用できるという点で好ましい、2次元的に整
列したドット状の分極反転部12を備えた焦電型赤外線撮
像素子を簡単に作製することができる。
【0049】なお、受光部10を構成する焦電体として
は、上記実施の形態で用いたLT結晶基板11に限らず、
先に例示したLiNbO等のその他の焦電体を用いる
ことも可能である。
【0050】また図6に示すように、分極反転部12を電
荷転送部20に接合した後、突出した複数の分極反転部12
の相互間に、LT結晶基板11よりも熱伝導率の低い樹脂
等の絶縁材料50を充填してもよい。そのようにすれば、
突出した微細な分極反転部12の破壊を防止するととも
に、凹部つまり非反転部の電荷の影響を除き、さらに、
隣り合う分極反転部12どうし間で熱が移動して画素間の
クロストークが生じることも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による焦電型赤外線
撮像素子を示す概略側面図
【図2】図1の焦電型赤外線撮像素子の使用形態を示す
概略図
【図3】図1の焦電型赤外線撮像素子の受光部を構成す
るLT結晶基板の上に形成された微細パターンを示す電
子顕微鏡写真
【図4】図3に示された微細パターンをさらに拡大して
示す電子顕微鏡写真
【図5】図1の焦電型赤外線撮像素子を構成する受光部
を作製する方法を説明する概略図
【図6】本発明の第2の実施の形態による焦電型赤外線
撮像素子を示す概略側面図
【符号の説明】
1 焦電型赤外線撮像素子 2 赤外線 3 光学チョッパ 4 撮像光学系 5 駆動回路 6 画像表示手段 10 受光部 11 LT(LiTaO)結晶基板 11a LT結晶基板の+Z面 11b LT結晶基板の−Z面 12 分極反転部 20 電荷転送部 30 接合手段 31、32 電極 33 Inバンプ 40 レジスト膜 41 ドット状の電極 42 全面電極 43 直流電源 44 エッチング防止膜 45 エッチング液 50 絶縁材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01J 5/02 H01L 37/02 H01L 37/02 27/14 K Fターム(参考) 2G065 AB02 BA13 BA34 BC02 BE08 CA13 DA18 2G066 BA02 BA04 BA55 BB09 4M118 AA10 AB01 BA10 BA14 BA19 CA16 CA40 CB12 DA01 FA06 GA10 HA31

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単分極化された焦電体に、その一表面に
    おいて互いに分離したパターンを示す複数の分極反転部
    が形成されてなり、前記一表面と反対側の表面で赤外線
    を受光する受光部と、 この受光部の前記一表面側に配された電荷転送部と、 この電荷転送部と前記複数の分極反転部の各々とを導通
    させる接合手段とからなる焦電型赤外線撮像素子。
  2. 【請求項2】 前記一表面において前記複数の分極反転
    部が、2次元的に整列したドット状に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の赤外線撮像素子。
  3. 【請求項3】 前記一表面において複数の分極反転部が
    非反転部から島状に突出していることを特徴とする請求
    項1または2記載の焦電型赤外線撮像素子。
  4. 【請求項4】 前記島状に突出した複数の分極反転部の
    相互間に、前記焦電体よりも熱伝導率の低い絶縁材料が
    充填されていることを特徴とする請求項1から3いずれ
    か1項記載の焦電型赤外線撮像素子。
  5. 【請求項5】 前記焦電体がLiTaO、LiNbO
    、Sr1−xBa Nb、PbGe
    11、PbTi1−xZrおよびPbTiO
    のうちのいずれかからなることを特徴とする請求項1
    から4いずれか1項記載の焦電型赤外線撮像素子。
  6. 【請求項6】 請求項1から5いずれか1項記載の焦電
    型赤外線撮像素子を作製する方法において、 単分極化された焦電体の前記一表面またはそれと反対側
    の表面に互いに分離したパターンの電極を形成し、 これらの電極を介して該一表面および反対側の表面から
    この焦電体に電場を印加することにより、 該電極のパターンに従ったパターンを示す複数の分極反
    転部を該焦電体に形成して前記受光部を得ることを特徴
    とする焦電型赤外線撮像素子の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記電極として、2次元的に整列したド
    ット状の電極を用いることを特徴とする請求項6記載の
    焦電型赤外線撮像素子の作製方法。
  8. 【請求項8】 前記焦電体の前記一表面と反対側の表面
    に全面電極を形成し、この全面電極を介して該焦電体に
    電場を印加することを特徴とする請求項6または7記載
    の焦電型赤外線撮像素子の作製方法。
  9. 【請求項9】 コロナ帯電を利用して前記電場を印加す
    ることを特徴とする請求項6または7記載の焦電型赤外
    線撮像素子の作製方法。
  10. 【請求項10】 請求項3記載の赤外線撮像素子を作製
    する方法において、単分極化された焦電体の前記一表面
    またはそれと反対側の表面に互いに分離したパターンの
    電極を形成し、 これらの電極を介して該一表面および反対側の表面から
    この焦電体に電場を印加することにより、 該電極のパターンに従ったパターンを示す複数の分極反
    転部を該焦電体に形成し、 次いでこの焦電体の前記一表面をエッチングし、分極反
    転部と非反転部とのエッチングレートの差を利用して、
    複数の分極反転部が非反転部から島状に突出している前
    記受光部を得ることを特徴とする焦電型赤外線撮像素子
    の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012150144A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 Fujifilm Corp 放射線画像撮影用グリッド、放射線画像検出器、放射線画像撮影システム及び放射線画像撮影用グリッドの製造方法。

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