JP2002332508A - 熱電材料の製造方法 - Google Patents

熱電材料の製造方法

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JP2002332508A JP2001143766A JP2001143766A JP2002332508A JP 2002332508 A JP2002332508 A JP 2002332508A JP 2001143766 A JP2001143766 A JP 2001143766A JP 2001143766 A JP2001143766 A JP 2001143766A JP 2002332508 A JP2002332508 A JP 2002332508A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏析が少なく、結晶粒が微細であり、且つ、
不純物の混入していないMnSi1.7 系熱電材料を短時
間で安価に製造方法を提供する。 【解決手段】 原材料を溶融する溶融工程と該溶融工程
によって溶融された原材料を滴下して滴下中の原材料に
噴霧媒体を吹き付けて急冷却すると共に粉末化してMn
Si1.7 系熱電材料とする冷却・粉末化工程と該冷却・
粉末化工程において得られた粉末状のMnSi1.7 系熱
電材料を加圧、焼結又は加圧焼結により所望形状に成形
する成形工程とを含んでなるMnSi1.7 系熱電材料の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MnSi1.7 系熱
電材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、熱エネルギーを電気エネル
ギーに直接変換することができる熱電材料が注目されて
おり、当該熱電材料の中でもMnSi1.7 系熱電材料
は、原料が比較的安価・豊富で毒素元素を含まず、しか
も、高温域で使用できる熱電材料として、特に注目され
ている。
【0003】ここで、MnSi1.7 系熱電材料とは、モ
ル比がMn:Si=1:x(1.6 ≦x≦1.8 )の間の組
成を有する金属間化合物相であるMnSi1.7 相の単相
組織からなる熱電材料又は該MnSi1.7 相を主相とす
る熱電材料のことをいう。
【0004】従来、前記MnSi1.7 系熱電材料の製造
方法としては、所望の組成になるように配合した原材料
を溶解炉中で溶解して鋳造型に注入し、冷却した後、時
効熱処理を施して塊状の熱電材料を得る溶解法(以下、
「第一従来法」という。)、前記時効熱処理を施す前の
塊状の熱電材料を一旦粉砕して焼結法により固化成形し
た後、時効熱処理を施して塊状の熱電材料を得る方法
(以下、「第二従来法」という。)、前記原材料を処理
容器に入れてボールミル等の粉砕機で機械的に混合及び
粉砕を繰り返しながら合金化させて粉末状の熱電材料を
得るメカニカルアロイング法(以下、「第三従来法」と
いう。)及び前記原材料を10-5mmHg前後にまで減
圧した真空容器内で融解蒸発させて被着物に付着させて
薄膜状の熱電材料を得る真空蒸着や10-3mmHg程度
にまで減圧した真空容器内において電圧を1000V以
上にして真空放電を行って陰極に配置した前記原材料を
陽極に配置した被着物に付着させて薄膜状の熱電材料を
得るスパッタリング等を含む乾式めっき法(以下、「第
四従来法」という。)が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記第一従来
法では、MnSi1.7 系熱電材料は組成幅を殆ど持たな
い金属間化合物相であるため、MnとSiを所望の組成
となるように配合した原材料を溶解して冷却固化するだ
けでは、MnSi1.7 相を多く含むものの該MnSi
1.7 相以外の相も多く析出して複数相の混合組織となる
という問題点があった。また、組織の偏析が大きくなる
ため、該組織を均質化させるためには数日間以上の時効
熱処理が必要となり、該時効熱処理によって組織を均質
化できたとしても、MnSi1.7 系熱電材料はSiを多
く含んだ金属間化合物であるため、硬くて脆く、切削や
塑性変形などの加工成形が非常に困難であるという問題
点があった。さらに、熱電材料の熱電性能は、結晶粒が
微細なほど向上するが、前記時効熱処理によって結晶粒
が粗大化するため、熱電性能が低下するという問題点が
あった。
【0006】前記第二従来法によれば、前記第一従来法
によって得られた塊状の熱電材料を一旦粉砕して焼結法
によって成形するため、所望形状に成形し易く、粉砕す
ることによって偏析が減少し、組織を均質化させるため
に必要とされる時効熱処理の時間を前記第一従来法に比
べて数十時間に短縮できるという利点があるが、粉砕時
に粉末酸化や不純物混入を避けることができず、また、
鋳造、粉砕、粉末成形、焼結、時効熱処理と5段階の工
程を必要とするため、多工程となりコスト高になると共
に、品質管理が面倒になるという問題点があった。さら
に、前記第一従来法と同様に時効熱処理を必要とするた
め、熱電性能が低下するという問題点があった。
【0007】前記第三従来法では、所望の組成及び組織
を持つ粉末を得るために数日から数カ月の連続粉砕処理
が必要であり、該処理中においては、処理される粉末の
表面が活性化されて処理雰囲気により酸化、窒化等の化
学反応が生じ易くなるため、処理が終了するまで処理容
器内を不活性ガス雰囲気に保持する必要があると共に、
処理容器内壁及びボール表面の磨耗によって発生する不
純物やミリング助剤に含まれる不純物が不可避的に混入
するため、製造した粉末が汚染されて配合組成からずれ
ることが多いという問題点があった。また、装置が大が
かりとなり、操作ハンドリングに手間を要するため、量
産性に欠けると共にコスト高になるという問題点があっ
た。さらに、製造した粉末の粒子径は数μm 〜十数μm
程度になり、十分に均質化してなお50μm 〜100 μm の
粒子径を持たせることができなかった。
【0008】前記第四従来法では、大きな偏析が生じな
いため、時効熱処理の時間を大幅に短縮することができ
るが、最大十数μmの厚さの薄膜しか製造することがで
きず、また、該薄膜は物性が不安定であるという問題点
があった。さらに、装置が大がかりとなり、量産性に欠
けると共にコスト高になるという問題点があった。
【0009】そこで、本発明者は、偏析が少なく、結晶
粒が微細であり、且つ、不純物の混入していないMnS
1.7 系熱電材料を短時間で安価に製造することを技術
的課題として、その具現化をはかるべく研究・実験を重
ねた結果、原材料を溶融し、該溶融された原材料を滴下
し、該滴下中の原材料に噴霧媒体を吹き付けて急冷却す
ると共に粉末化すれば、内部偏析が少なく、結晶粒が微
細であり、且つ、不純物が混入していないMnSi1.7
系熱電材料を製造できるという刮目すべき知見を得、前
記技術的課題を達成したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって解決できる。
【0011】即ち、本発明に係るMnSi1.7 系熱電材
料の製造方法は、MnSi1.7 相の単相組織からなるM
nSi1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶
融する溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料
を滴下して滴下中の原材料に噴霧媒体を吹き付けて急冷
却すると共に粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする
冷却・粉末化工程とを含んでなるものである。
【0012】また、本発明に係るMnSi1.7 系熱電材
料の製造方法は、MnSi1.7 相を主相とするMnSi
1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶融する
溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料を滴下
して滴下中の原材料に噴霧媒体を吹き付けて急冷却する
と共に粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷却・
粉末化工程とを含んでなるものである。
【0013】また、本発明に係るMnSi1.7 系熱電材
料の製造方法は、MnSi1.7 相の単相組織からなるM
nSi1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶
融する溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料
を滴下して滴下中の原材料に噴霧媒体を吹き付けて急冷
却すると共に粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする
冷却・粉末化工程と該冷却・粉末化工程において得られ
た粉末状のMnSi1. 7 系熱電材料を加圧、焼結又は加
圧焼結により所望形状に成形する成形工程とを含んでな
るものである。
【0014】また、本発明に係るMnSi1.7 系熱電材
料の製造方法は、MnSi1.7 相を主相とするMnSi
1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶融する
溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料を滴下
して滴下中の原材料に噴霧媒体を吹き付けて急冷却する
と共に粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷却・
粉末化工程と該冷却・粉末化工程において得られた粉末
状のMnSi1.7 系熱電材料を加圧、焼結又は加圧焼結
により所望形状に成形する成形工程とを含んでなるもの
である。
【0015】また、本発明は、前記いずれかのMnSi
1.7 系熱電材料の製造方法において、噴霧媒体が非酸化
性ガス、空気、水又は油から選ばれるものである。
【0016】また、本発明に係るMnSi1.7 系熱電材
料の製造方法は、MnSi1.7 相の単相組織からなるM
nSi1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶
融する溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料
を回転する円盤上に滴下して飛散させて急冷却すると共
に球状粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷却・
粉末化工程とを含んでなるものである。
【0017】また、本発明に係るMnSi1.7 系熱電材
料の製造方法は、MnSi1.7 相を主相とするMnSi
1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶融する
溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料を回転
する円盤上に滴下して飛散させて急冷却すると共に球状
粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷却・粉末化
工程とを含んでなるものである。
【0018】また、本発明に係るMnSi1.7 系熱電材
料の製造方法は、MnSi1.7 相の単相組織からなるM
nSi1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶
融する溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料
を回転する円盤上に滴下して飛散させて急冷却すると共
に球状粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷却・
粉末化工程と該冷却・粉末化工程において得られた粉末
状のMnSi1.7 系熱電材料を加圧、焼結又は加圧焼結
により所望形状に成形する成形工程とを含んでなるもの
である。
【0019】また、本発明に係るMnSi1.7 系熱電材
料の製造方法は、MnSi1.7 相を主相とするMnSi
1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶融する
溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料を回転
する円盤上に滴下して飛散させて急冷却すると共に球状
粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷却・粉末化
工程と該冷却・粉末化工程において得られた粉末状のM
nSi1.7 系熱電材料を加圧、焼結又は加圧焼結により
所望形状に成形する成形工程とを含んでなるものであ
る。
【0020】また、本発明は、前記いずれかのMnSi
1.7 系熱電材料の製造方法において、溶融工程を非酸化
性雰囲気中にて行うものである。
【0021】また、本発明は、前記いずれかのMnSi
1.7 系熱電材料の製造方法において、冷却・粉末化工程
を非酸化性雰囲気中にて行うものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0023】実施の形態1.
【0024】本実施の形態におけるMnSi1.7 系熱電
材料の製造方法は、先ず、所望の組成となるようにMn
とSiを配合して原材料を調製し、該原材料を耐熱性容
器に入れて該耐熱性容器の周囲に設けられた高周波コイ
ルによって該耐熱性容器を誘導加熱し、耐熱性容器内の
原材料を溶融する(溶融工程)。次に、耐熱性容器に設
けられた開口から溶融された原材料を滴下させた後、滴
下中の原材料に非酸化性ガスを噴霧媒体として吹付けて
急冷却すると共に、粉末化させることにより粉末状のM
nSi1.7 系熱電材料を得る(冷却・粉末化工程)。こ
の後、前記粉末状のMnSi1.7 系熱電材料を焼結法に
より固化成形することによって所望形状のMnSi1.7
系熱電材料を得る(成形工程)ものである。
【0025】なお、前記MnSi1.7 系熱電材料は、M
nとSi以外の添加元素を配合した原材料を用いた場合
や滴下条件、冷却条件等の各条件を変更することによ
り、MnSi1.7 相の単相組織からなるMnSi1.7
熱電材料になる場合やMnSi 1.7 相を主相とするMn
Si1.7 系熱電材料になる場合がある。
【0026】溶融工程と冷却・粉末化工程は、原材料に
不純物が混入することを防止して該原材料の耐酸化性を
向上させるために非酸化性雰囲気中で行ってもよい。
【0027】ここで、非酸化性雰囲気とは、不可避的に
含まれる酸素以外の酸素を含まない非酸化性ガスの雰囲
気をいう。
【0028】噴霧媒体としては、非酸化性ガスの替わり
に空気、水又は油を用いることができる。
【0029】非酸化性ガスとしては、アルゴンガス、ヘ
リウムガス又はネオンガス等の不活性ガスや窒素ガス又
は窒素・水素混合ガス等を使用すればよい。
【0030】成形工程における焼結法としては、例え
ば、ホットプレス法、熱間静水圧加圧法、通電加圧焼結
法及び金属射出成形法等を含む粉末冶金法を用いればよ
い。
【0031】本実施の形態においては、噴霧媒体の吹き
付け条件を調節することにより、粉末状のMnSi1.7
系熱電材料の粒子径を調節することができるので、粒子
径が50μm〜100μmのMnSi1.7 系熱電材料も
作製することができ、成形工程において使用される各焼
結法に最適な粒子径のMnSi1.7 系熱電材料を製造す
ることができる。
【0032】実施の形態2.
【0033】本実施の形態におけるMnSi1.7 系熱電
材料の製造方法は、先ず、前記実施の形態1と同様にし
て調製した原材料を耐熱性容器に入れて溶融する(溶融
工程)。次に、耐熱性容器に設けられた開口から溶融さ
れた原材料を該耐熱性容器に設けられた開口の下方に配
置された回転する円盤上に滴下して該原材料を飛散させ
て急冷却すると共に、球状粉末化することにより粉末状
のMnSi1.7 系熱電材料を得る(冷却・粉末化工
程)。この後、前記実施の形態1と同様にして、粉末状
のMnSi1.7 系熱電材料を固化成形することによって
所望形状のMnSi 1.7 系熱電材料を得る(成形工程)
ものである。
【0034】なお、前記MnSi1.7 系熱電材料は、前
記実施の形態1と同様に各条件を変更することにより、
MnSi1.7 相の単相組織からなるMnSi1.7 系熱電
材料になる場合やMnSi1.7 相を主相とするMnSi
1.7 系熱電材料になる場合がある。
【0035】
【作用】前記各実施の形態によれば、溶融された原材料
を粉末化し、各粉子の内部まで瞬間的に冷却するため、
偏析のない均質な粉末状のMnSi1.7 系熱電材料を得
ることができる。
【0036】
【実施例】実施例1.
【0037】先ず、Mnの地金(東ソー株式会社製)と
Siの地金(日本電工株式会社製)をモル比Mn:Si
=1:1.7 にて配合して原材料を作製し、該原材料をジ
ルコニア製るつぼ内に入れ、Si粉末の融点である1690
K よりおよそ 200K 高い温度に加熱して原材料を溶融し
た。次に、るつぼに設けられた内径 5.0mmの滴下用ノズ
ルから該溶融した原材料を出湯量 20kg/min にて滴下し
た後、該滴下中の原材料に窒素ガスをガス圧 5kg/cm2
ガス流量 20m3/min にて吹き付けて粉末状のMnSi
1.7 系熱電材料を得た。
【0038】前記粉末状のMnSi1.7 系熱電材料は、
最大径 43 μm 、平均径 9.08 μm、比表面積 3100cm2/
g、酸素量 0.10%、見掛密度 1.50g/cm2、充填密度 3.03
g/cm2であった。
【0039】前記粉末状のMnSi1.7 系熱電材料をX
線回析したところ、図1に示すように、当該MnSi
1.7 系熱電材料はMnSi1.7 相の単相組織であること
が確認できた。
【0040】この後、前記粉末状のMnSi1.7 系熱電
材料を、粉末冶金法を用いて固化成形し、円板状のMn
Si1.7 系熱電材料を得た。
【0041】実施例2.
【0042】先ず、Mnの地金(東ソー株式会社製)と
Siの地金(日本電工株式会社製)をモル比Mn:Si
=1:1.7 にて配合して原材料を作製した後、前記実施
例1と同様にして粉末状のMnSi1.7 系熱電材料を得
た。
【0043】粉末状のMnSi1.7 系熱電材料は、最大
径43μm 、平均径10.2μm 、比表面積2900cm2/g 、酸素
量0.08% 、見掛密度1.60g/cm2 、充填密度3.20g/cm2
あった。
【0044】次に、前記粉末状のMnSi1.7 系熱電材
料、前記粉末状のMnSi1.7 系熱電材料に800 Kで時
効熱処理を施した後の粉末、前記粉末状のMnSi1.7
系熱電材料に1000Kで時効熱処理を施した後の粉末及び
前記粉末状のMnSi1.7 系熱電材料に1200Kで時効熱
処理を施した後の粉末をそれぞれX線回析したところ、
図2に示すように、時効熱処理を施していない粉末状の
MnSi1.7 系熱電材料は、MnSi1.7 相の単相組織
であるのに対して、前記粉末状のMnSi1.7系熱電材
料に時効熱処理を施した後の各粉末は、MnSi1.7
とMnSi相の混合組織であることが確認できた。
【0045】これにより、MnSi1.7 相とMnSi相
の2相混合組織で平衡状態となる組成の原材料であって
も、本発明によれば、MnSi1.7 相の単相組織からな
るMnSi1.7 系熱電材料が得られることがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、偏析のない均質な粉末
状のMnSi1.7 系熱電材料が得られるため、時効熱処
理を行う必要がなく、結晶粒を微細な状態で保つことが
できるので、熱電性能の良好なMnSi1.7 系熱電材料
を得ることができる。また、製造工程が少ないため、不
純物混入を防止できると共に、製造時間を短縮すること
ができ、不純物の混入していないMnSi1.7 系熱電材
料を安価に製造することができる。
【0047】また、図2に示すように、本発明によって
得られたMnSi1.7 系熱電材料は僅かに組成がずれて
いても、MnSi1.7 相の単相組織からなるMnSi
1.7 系熱電材料が得られる。
【0048】従って、本発明の産業上利用性は非常に高
いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得た粉末状のMnSi1.7
系熱電材料のX線回析図である。
【図2】本発明の実施例3で得た粉末状のMnSi1.7
系熱電材料及び該粉末状のMnSi1.7 系熱電材料に時
効熱処理を施した後の粉末のX線回析図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 35/14 H01L 35/14 35/34 35/34 Fターム(参考) 4G072 AA20 BB05 GG03 HH01 JJ09 LL03 LL05 LL06 MM38 RR23 UU30 4K017 AA04 BA10 BB16 CA01 EB00 ED02 FA03 FA14 FA17 FA18 4K018 AD11 BA11 CA29 EA01 EA11 EA21 KA32

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MnSi1.7 相の単相組織からなるMn
    Si1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶融
    する溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料を
    滴下して滴下中の原材料に噴霧媒体を吹き付けて急冷却
    すると共に粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷
    却・粉末化工程とを含んでなることを特徴とするMnS
    1.7 系熱電材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 MnSi1.7 相を主相とするMnSi
    1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶融する
    溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料を滴下
    して滴下中の原材料に噴霧媒体を吹き付けて急冷却する
    と共に粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷却・
    粉末化工程とを含んでなることを特徴とするMnSi
    1.7 系熱電材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 MnSi1.7 相の単相組織からなるMn
    Si1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶融
    する溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料を
    滴下して滴下中の原材料に噴霧媒体を吹き付けて急冷却
    すると共に粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷
    却・粉末化工程と該冷却・粉末化工程において得られた
    粉末状のMnSi1.7 系熱電材料を加圧、焼結又は加圧
    焼結により所望形状に成形する成形工程とを含んでなる
    ことを特徴とするMnSi1.7系熱電材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 MnSi1.7 相を主相とするMnSi
    1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶融する
    溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料を滴下
    して滴下中の原材料に噴霧媒体を吹き付けて急冷却する
    と共に粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷却・
    粉末化工程と該冷却・粉末化工程において得られた粉末
    状のMnSi1.7 系熱電材料を加圧、焼結又は加圧焼結
    により所望形状に成形する成形工程とを含んでなること
    を特徴とするMnSi1.7 系熱電材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記噴霧媒体が非酸化性ガス、空気、水
    又は油から選ばれるものである請求項1乃至4記載のM
    nSi1.7 系熱電材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 MnSi1.7 相の単相組織からなるMn
    Si1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶融
    する溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料を
    回転する円盤上に滴下して飛散させて急冷却すると共に
    球状粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷却・粉
    末化工程とを含んでなることを特徴とするMnSi1.7
    系熱電材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 MnSi1.7 相を主相とするMnSi
    1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶融する
    溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料を回転
    する円盤上に滴下して飛散させて急冷却すると共に球状
    粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷却・粉末化
    工程とを含んでなることを特徴とするMnSi1.7 系熱
    電材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 MnSi1.7 相の単相組織からなるMn
    Si1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶融
    する溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料を
    回転する円盤上に滴下して飛散させて急冷却すると共に
    球状粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷却・粉
    末化工程と該冷却・粉末化工程において得られた粉末状
    のMnSi1.7 系熱電材料を加圧、焼結又は加圧焼結に
    より所望形状に成形する成形工程とを含んでなることを
    特徴とするMnSi1.7 系熱電材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 MnSi1.7 相を主相とするMnSi
    1.7 系熱電材料の製造方法において、原材料を溶融する
    溶融工程と該溶融工程によって溶融された原材料を回転
    する円盤上に滴下して飛散させて急冷却すると共に球状
    粉末化してMnSi1.7 系熱電材料とする冷却・粉末化
    工程と該冷却・粉末化工程において得られた粉末状のM
    nSi1.7 系熱電材料を加圧、焼結又は加圧焼結により
    所望形状に成形する成形工程とを含んでなることを特徴
    とするMnSi1.7 系熱電材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記溶融工程を非酸化性雰囲気中にて
    行う請求項1乃至9記載のMnSi1.7 系熱電材料の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 前記冷却・粉末化工程を非酸化性雰囲
    気中にて行う請求項1乃至10記載のMnSi1.7 系熱
    電材料の製造方法。
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