JP2002328315A

JP2002328315A - ミラー駆動機構

Info

Publication number: JP2002328315A
Application number: JP2001130885A
Authority: JP
Inventors: Mitsue Aizono; 充江相薗
Original assignee: NEC Corp
Current assignee: NEC Corp
Priority date: 2001-04-27
Filing date: 2001-04-27
Publication date: 2002-11-15

Abstract

(57)【要約】【課題】１つのミラーを２軸方向に駆動することがで
き、更にミラーの駆動角度範囲を大きくとることができ
る機構を提供する。【解決手段】同じ接合面に接合する弾性ヒンジ５ａ〜
８ａのヒンジ群はそれらのばね面が平行となるように支
持台９に取り付けられ、弾性ヒンジ５ｂ〜８ｂのヒンジ
群もばね面が平行となるように固定用部材１１に取り付
け、かつ上下の各接合面上の弾性ヒンジ群５ａ〜８ａの
組と５ｂ〜８ｂの組のばね面を直交するように配置する
ことで、各接合面上のヒンジ群は各軸方向専用の弾性ヒ
ンジとなり、両軸駆動しても各軸の応力を上下のヒンジ
で効率良く吸収することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ミラー駆動機構に
関し、特に、ミラー駆動機構における圧電アクチュエー
タ両端と各々の部材との接合部に各軸専用の弾性の高い
薄いヒンジを備えたことを特徴とするミラー駆動機構に
関する。

【０００２】本発明は、更に詳しくは、図１に本発明に
よる構造図を示すように、同じ接合面に接合する弾性ヒ
ンジ５ａ、６ａ、７ａ、８ａのヒンジ群はそれらのばね
面が平行となるように接合面である支持台９に取り付け
られ、同様に弾性ヒンジ５ｂ、６ｂ、７ｂ、８ｂのヒン
ジ群もばね面が平行となるように接合面である固定用部
材１１に取り付けられ、かつ上下の各接合面上の弾性ヒ
ンジ群５ａ、６ａ、７ａ、８ａの組と５ｂ、６ｂ、７
ｂ、８ｂの組のばね面を直交するように配置すること
で、各接合面上のヒンジ群は各軸方向専用の弾性ヒンジ
となり、両軸駆動しても各軸の応力を上下のヒンジで効
率良く吸収することができ、さらに、１つのヒンジに両
軸の応力を吸収させるタイプのヒンジと比較し、同じ強
度でも薄くすることができ、より弾性を増すことが可能
となり、従って、１つのミラーを２軸方向に駆動するこ
とができ、更にミラーの駆動角度範囲を大きくとること
ができる特徴を備えたミラー駆動機構である。

【０００３】

【従来の技術】本発明が関するこの種のミラー駆動機構
は、特に２軸制御の光ビームトラッキング等に用いられ
ている。このようなミラー駆動機構は、一般的に微小角
度を制御できればよいために駆動角度範囲が狭いが、近
年捕捉も対応できるように駆動角度の拡大が、また小型
化のためにミラーが１個でよい２軸駆動タイプが要求さ
れている。

【０００４】この要請に応えるために、例えば、『特開
平２−９６９３５号公報“カルバノミラーユニット”』
『特開昭６１−１３２１２号公報“光ビーム偏向器”』
に開示されているように、２軸駆動タイプ型のミラー、
ヒンジを取り付けたミラー駆動機構が提案されている。

【０００５】この先行技術文献に開示された手法は、
『特開平２−９６９３５号公報“カルバノミラーユニッ
ト”』は、この公報の第２図（ｂ）に、『特開昭６１−
１３２１２号公報“光ビーム偏向器”』は、この公報の
第３図、第４図、第５図に示されているが、ミラー部と
アクチュエータ接合部にはヒンジがないかまたは片端に
しかヒンジを有していない。また、２軸両方の軸のずれ
応力を吸収することができるヒンジ構造を有していない
か、またはアクチュエータ接合部の片端に２軸のずれ応
力吸収用のヒンジである場合には弾性が低いために、微
小な駆動範囲でしか駆動できないという欠点がある。

【０００６】さらには、弾性が低いために各軸で駆動角
度範囲性能が異なったり、応力が大きいために剛性破壊
の問題や信頼性が劣るという問題もある。

【０００７】上記課題を解決するために、本発明者は、
実開平４−１２０９１６号公報及び特開平６−１１８３
３０号公報に開示されたミラー駆動機構を提案してい
る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平
４−１２０９１６号公報に開示されたミラー駆動機構
は、１軸構成であり、２軸までは考慮されてはおらず、
従って安定性が悪い。

【０００９】また、上記特開平６−１１８３３０号公報
に開示されたミラー駆動機構は、２軸構成であるが、弾
性ヒンジのばね面までは考慮されてはおらず、やはり安
定性及び確実性がもう一つ不足している。

【００１０】本発明は従来の上記実情に鑑みてなされた
ものであり、従って本発明の目的は、従来の上記欠点を
解消することを可能とした新規なミラー駆動機構を提供
することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本発明に係るミラー駆動機構は、光ビームを表面で
反射するミラーと、印加電圧により長手方向に伸縮する
４個の圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータ
それぞれの一端を支持するとともに該各圧電アクチュエ
ータの伸縮により各ヒンジのばね面が屈曲する４個のヒ
ンジから成る第１の弾性ヒンジ群と、一面には前記ミラ
ーの裏面を取り付けるとともに他面には前記各ヒンジの
ばね面がほぼ平行となるように前記第１の弾性ヒンジ群
を取り付けたミラー取付用支持台と、前記各圧電アクチ
ュエータそれぞれの他端を支持するとともに該圧電アク
チュエータの伸縮により各ヒンジのばね面が屈曲する４
個のヒンジから成る第２の弾性ヒンジ群と、一面にはヒ
ンジのばね面がほぼ平行となるように前記第２の弾性ヒ
ンジ群を取り付けた固定用部材とを有し、前記４個の圧
電アクチュエータが、２個一組にされて他の一組とは互
いに直交するように配置されていることを特徴としてい
る。

【００１２】前記第１の弾性ヒンジ群と第２の弾性ヒン
ジ群とは各ばね面が直交するように配設されている。

【００１３】前記弾性ヒンジは、その縦断面が略工字状
に、横断面が略Ｉ字状に形成されている。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に、本発明をその好ましい一実
施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１５】図１（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は、本発明に
よる一実施の形態を示し、そのうち、図１（ａ）は平面
図、図１（ｂ）は正面図、図１（ｃ）は側面図である。

【００１６】

【実施の形態の構成】図１（ａ）、（ｂ）、（ｃ）を参
照するに、電圧を印加することにより、長手方向（図１
（ｂ）、（ｃ）における上下方向）に伸縮するスタック
型の圧電アクチュエータ１、２、３及び４は、長手方向
の第１の端部でそれぞれ弾性ヒンジ５ａ、６ａ、７ａお
よび８ａにより支持されている。また、圧電アクチュエ
ータ１〜４の他のもう片端部である第２の端部もそれぞ
れ弾性ヒンジ５ｂ、６ｂ、７ｂおよび８ｂにより支持さ
れている。

【００１７】弾性ヒンジ５ａ、６ａ、７ａ、および８ａ
は、さらにヒンジのばね面がほぼ平行となるようにミラ
ー取付用支持台９の一面（図１（ｂ）の９における下
面）に取り付けられ、ミラー取付用支持台９の他面はミ
ラー１０の裏面（図１（ｂ）の１０における下面）を支
持している。

【００１８】一方、弾性ヒンジ５ｂ、６ｂ、７ｂおよび
８ｂは、各ヒンジのばね面がほぼ平行となるように固定
用部材１１の一面（図１（ｂ）の１１における上面）に
取り付けられ、そのばね面の向きは弾性ヒンジ５ａ、６
ａ、７ａおよび８ａのヒンジ面と直交するように取り付
けられている。

【００１９】ここで、圧電アクチュエータ１および２を
ミラー１０の表面（図１（ｂ）の１０における上面）に
入射する光ビームの反射角をＸ軸方向に駆動するための
アクチュエータとすると、圧電アクチュエータ３および
４の組は、上記圧電アクチュエータ１および２の組とは
互いに直交するように配置されており、これらのアクチ
ュエータ３および４は光ビームの反射をＹ軸方向に駆動
するためのアクチュエータとされている。

【００２０】なお、これらの弾性ヒンジ５ａ、６ａ、７
ａおよび８ａの組と弾性ヒンジ５ｂ、６ｂ、７ｂおよび
８ｂの組とのばね面が直交するように配置されているこ
とに注意すべきである。即ち、弾性ヒンジ５ａ、６ａ、
７ａおよび８ａはミラー１０の表面（図１（ｂ）の１０
における上面）に入射する光ビームの反射角をＸ軸方向
に駆動する時の応力を吸収し、弾性ヒンジ５ｂ、６ｂ、
７ｂおよび８ｂは、ミラー１０の表面に入射する光ビー
ムの反射角をＹ軸方向に駆動する時の応力を吸収する。
スタック型のアクチュエータ１、２、３、４の上下それ
ぞれが各軸の応力を吸収することで、ミラー１０の駆動
角度効率がよくなっている。

【００２１】

【実施の形態の動作】以下、本発明による一実施の形態
の動作について詳細に説明する。

【００２２】まず、本ミラー駆動機構の動作について図
２、図３を用いて説明する。

【００２３】図２は図１に示された一実施の形態におけ
るミラー駆動後の正面図であり、図２（ａ）はＸ軸駆動
状態、図２（ｂ）は光ビームの反射面位置移動状態、図
３は２軸駆動状態を示す正面図である。なお、図２、図
３には現れていないが、圧電アクチュエータ３の正面長
手方向に圧電アクチュエータ４及び弾性ヒンジ８ａ、８
ｂが存在するものとする。

【００２４】図２（ａ）は、圧電アクチュエータ２が伸
びるように電圧を印加している状態である。圧電アクチ
ュエータ２が伸長することによりミラー取付用支持台９
の下面に取り付けられた各ばね面が平行である弾性ヒン
ジ５ａ、６ａ、７ａ、８ａが変形し、その結果、支持台
９に傾きが生じてミラー１０の表面に入射してきた光ビ
ームの出射角が角度θだけ変化する。なお、逆に、圧電
アクチュエータ１が伸長するように電圧を印加すると、
図２（ａ）とは逆の方向にミラー１０の傾きが生じる。

【００２５】図２（ｂ）は、圧電アクチュエータ１及び
２の長さが共に伸びる方向に電圧を印加した状態であ
り、ミラー１０用支持台９は図の上方向に長さｈだけ移
動している。この結果、出射光ビームの位置が変わる。

【００２６】図３は図１の一実施の形態におけるミラー
の２軸駆動後の正面図である。Ｘ軸駆動用として圧電ア
クチュエータ２、Ｙ軸駆動用として圧電アクチュエータ
３の向こうに隠れている圧電アクチュエータ４を使用
し、これらの圧電アクチュエータ２、４が伸長する方向
に電圧を印加している。

【００２７】この圧電アクチュエータ２が伸長すること
によりミラー取付用支持台９の下面に取り付けられた各
ばね面が平行である弾性ヒンジ５ａ、６ａ、７ａ、８ａ
がＸ軸方向に変形し、圧電アクチュエータ４が伸長する
ことによりミラー取付用支持台９の下面に取り付けられ
た各ばね面が平行である弾性ヒンジ５ｂ、６ｂ、７ｂ、
８ｂがＹ軸方向に変形し、その結果、ミラー１０にＸお
よびＹ方向の軸駆動が行われている。

【００２８】図４（ａ）〜（ｃ）は、本発明の特徴的構
造の弾性ヒンジの詳細な構成を示し、そのうち、図４
（ａ）は斜視図、図４（ｂ）は図４（ａ）のＡ−Ａ線に
沿って縦方向に切断し矢印の方向に見た断面図（縦断面
図）、図４（ｃ）は図４（ａ）のＢ−Ｂ線に沿って横方
向に切断し矢印の方向に見た断面図（横断面図）であ
る。

【００２９】図４（ａ）〜（ｃ）を参照するに、参照符
号Ｋは弾性ヒンジを示し、この弾性ヒンジは、図１〜図
３に示された弾性ヒンジ５ａ〜８ａ、５ｂ〜８ｂを代表
し総括して示すものであり、ばね面Ｋ１と、このばね面
Ｋ１の両端に形成された圧電アクチュエータ１〜４の端
面または支持台９、固定用部材１１の面に接着接合され
る接合面、Ｋ２、Ｋ３とを備えている。

【００３０】ばね面Ｋ１は、その板厚方向（広い面に対
する方向）に加えられる応力を吸収することができ、図
４に示されるように構成されているために、ばね面Ｋ１
の板厚を薄く形成することが可能となり、より弾性強度
を増大させることができ、つまり大きな駆動角度を得る
ことが可能となる。

【００３１】図１（ａ）〜（ｃ）において、支持台９の
同じ接合面に接合される図４に示す如く形成された第１
の弾性ヒンジ群５ａ、６ａ、７ａ、８ａは、その各ばね
面が平行となるように支持台９に取り付けられ、同様に
図４に示す如く形成された、第２の弾性ヒンジ群５ｂ、
６ｂ、７ｂ、８ｂもまたその各ばね面が平行となるよう
に接合面である固定用部材１１に取り付けられている。
しかも本発明では、第１の弾性ヒンジ群と第２の弾性ヒ
ンジ群のばね面が直交するように配置され、Ｘ、Ｙ両軸
駆動による各軸の応力を上下のヒンジに効率よく吸収さ
せることで２軸駆動が可能となることを特徴としてい
る。

【００３２】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成され、作用する
ものであり、本発明によれば以下に示すような効果が得
られる。

【００３３】本発明では、２組の圧電アクチュエータを
直交して配置することにより、１個のミラーを２軸駆動
することができ、また位置のオフセットをすることがで
きるという効果も生じる。

【００３４】さらに、圧電アクチュエータ両端とその各
々の接合部に各軸専用の薄い弾性の高いヒンジを備えた
ことでミラーの駆動範囲を大きくとることができるとい
う効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は、本発明による一実
施の形態を示し、そのうち、（ａ）は平面図、（ｂ）は
正面図、（ｃ）は側面図である。

【図２】図１に示された一実施の形態におけるミラー駆
動後の正面図であり、（ａ）はＸ軸駆動状態、（ｂ）は
光ビームの反射面位置移動状態を示す正面図である。

【図３】図１に示された一実施の形態におけるミラー駆
動後の２軸駆動状態を示す正面図である。

【図４】（ａ）は本発明による弾性ヒンジの一実施例を
示す斜視図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ線に沿って縦方向
に切断し矢印の方向に見た断面図（縦断面図）、（ｃ）
は図４（ａ）のＢ−Ｂ線に沿って横方向に切断し矢印の
方向に見た断面図（横断面図）である。

【符号の説明】

１、２、３、４…圧電アクチュエータ５ａ、５ｂ、６ａ、６ｂ、７ａ、７ｂ、８ａ、８ｂ、Ｋ
…弾性ヒンジ９…ミラー取付用支持台１０…ミラー１１…固定用部材１２…取付孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】光ビームを表面で反射するミラーと、印
加電圧により長手方向に伸縮する４個の圧電アクチュエ
ータと、前記圧電アクチュエータそれぞれの一端を支持
するとともに該各圧電アクチュエータの伸縮により各ヒ
ンジのばね面が屈曲する４個のヒンジから成る第１の弾
性ヒンジ群と、一面には前記ミラーの裏面を取り付ける
とともに他面には前記各ヒンジのばね面がほぼ平行とな
るように前記第１の弾性ヒンジ群を取り付けたミラー取
付用支持台と、前記各圧電アクチュエータそれぞれの他
端を支持するとともに該圧電アクチュエータの伸縮によ
り各ヒンジのばね面が屈曲する４個のヒンジから成る第
２の弾性ヒンジ群と、一面にはヒンジのばね面がほぼ平
行となるように前記第２の弾性ヒンジ群を取り付けた固
定用部材とを有し、前記４個の圧電アクチュエータが、
２個一組にされて他の一組とは互いに直交するように配
置されていることを特徴とするミラー駆動機構。
【請求項２】前記第１の弾性ヒンジ群と第２の弾性ヒ
ンジ群とは各ばね面が直交するように配設されているこ
とを更に特徴とする請求項１に記載のミラー駆動機構。
【請求項３】前記弾性ヒンジは、その縦断面が略工字
状に、横断面が略Ｉ字状に形成されていることを更に特
徴とする請求項１または２のいずれか一項に記載のミラ
ー駆動機構。