JP2002326233A - 樹脂成形金型のルーズコアエジェクター装置 - Google Patents

樹脂成形金型のルーズコアエジェクター装置

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JP2002326233A
JP2002326233A JP2001135509A JP2001135509A JP2002326233A JP 2002326233 A JP2002326233 A JP 2002326233A JP 2001135509 A JP2001135509 A JP 2001135509A JP 2001135509 A JP2001135509 A JP 2001135509A JP 2002326233 A JP2002326233 A JP 2002326233A
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loose core
guide rod
ejector device
support rod
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汎 鷹尾
Reiko Shibata
礼子 柴田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のルーズコアエジェクター装置における
基本的な性能を備えながらも構造が簡単で、組み立てに
手間と時間がかからず、且つ安価な樹脂成型金型のルー
ズコアエジェクター装置を提供すること。 【解決手段】 コア21cを貫通し、その表面に対して
傾斜配置された移動可能なルーズコア支持ロッド27が
それぞれ両端部を可動側型板21bと台座プレート23
とに係止されたガイドロッド36に相対的に摺動可能に
エジェクタープレート25の摺動路33に配置されたス
ライドベース34の移動に連動する、ルーズコアエジェ
クター装置において、ガイドロッド36の一端は、可動
側型板の下面に形成された凹部29に緊密に嵌め込まれ
たホルダー30に係止され、またルーズコア支持ロッド
は、ガイドロッドとほぼ同じ傾斜角度でコアに形成され
た角度設定孔26によってのみ傾斜角度が設定されてい
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は樹脂成形金型のルーズコ
アエジェクター装置に関し、更に詳細には樹脂成形品に
アンダーカット部を形成すべく樹脂成形金型の一部品を
構成するコアを貫通し、その表面に対して斜めに且つ長
手方向へ移動可能に設置されたルーズコア支持ロッドを
移動させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂成形品にアンダーカット部を
形成すべく樹脂成形金型の一部品を構成するコアを斜め
に貫通し且つ長手方向へ移動可能なルーズコアを移動さ
せる装置は、エジェクター装置と呼ばれ、特許掲載公報
(特許第2823782号)に開示されているように既
に良く知られている。
【0003】上記の特許掲載公報に開示された従来のル
ーズコアエジェクター装置は、図5に示されるように樹
脂成形金型1の一部品を構成する複数のコア2aの貫通
孔3を通って斜めに伸長するルーズコア4を備える。こ
のルーズコア4の上端部は、コア2aと協働して樹脂成
形品を成型する型部分4aとして機能し、その側面には
樹脂成型品にアンダーカット部を形成する突出部4bが
形成されている。このルーズコア4の下端部4cは、コ
ア2aの下方に間隔を開けて配置された上下動可能なエ
ジェクタープレートと称する移動体5に連結されてい
る。
【0004】このルーズコア4の下端部4cとエジェク
タープレート5との連結構造について説明すると、2つ
のプレート5a、5bを重ねて構成されたエジェクター
プレート5における上プレート5aには、ルーズコア4
の上昇及び下降時にその下端4cの相対的横移動方向に
伸長する摺動路6が形成されている。
【0005】この摺動路6にはスライドベース7が摺動
可能に配置され、このスライドベース7に形成された凹
部7aにルーズコア4の下端部4cが受け入れられ且つ
ピン8で固定されている。そして、このルーズコア4に
隣接する位置にはこのルーズコアに平行なアンギュラガ
イドロッド(以下単にガイドロッドと称する)9が配置
されている。
【0006】ところで、コア2aの下面には凹所10が
形成され、この凹所10にはガイドプレート11が嵌め
込まれると共にボルト12で当該コアに固定されてい
る。ルーズコア4はこのガイドプレート11に斜めに形
成されたガイド孔11aを挿通してコア2aの下方へ伸
長している。このガイドプレート11は、これに所定傾
斜角度で形成されたガイド孔11aによってルーズコア
4のスムーズな長手方向の摺動を可能とさせることから
軸受けとして機能するものである。
【0007】他方、ガイドロッド9の両端には切欠き部
13が形成され、その上端部は、ガイドプレート11に
形成された貫通開口11bを横断して取り付けられたピ
ン14に切欠き部13を係合させて支持されている。こ
のような従来の樹脂成形金型ルーズコアエジェクター装
置によると、エジェクタープレート5が上昇又は下降す
ると、このプレート5に形成された摺動路6に配置され
たスライドベース7がガイドロッド7に沿って移動する
結果、このスライドベース7は上昇又は下降しながら摺
動路6内を横方向移動する。
【0008】これにより、下端がスライドベース7に連
結されたルーズコア4はその長手方向への上昇又は下降
移動力を受けると共にガイドプレート11に形成された
ガイド孔11aに正確に案内されて移動する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
のルーズコアエジェクター装置では、ルーズコア4を所
定の傾斜方向に正確にガイドするガイド孔11aによる
軸受け機能やガイドロッド9の上端を係止する支持機能
を併せ持ったガイドプレート11を必要としていたこと
から構造が複雑となり、その結果組み立てに手間と時間
が掛かり、しかも非常に高い精度でガイド孔11aを形
成しなければならないことからガイドプレート11それ
自体の製造コストも高く、これらがルーズコアエジェク
ター装置の価格を高める要因となっていた。
【0010】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解
決するためになされたもので、前述した従来のルーズコ
アエジェクター装置における基本的な性能を備えながら
も構造が簡単で、組み立てに手間と時間がかからず、且
つ安価な樹脂成型金型のルーズコアエジェクター装置を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は樹脂成形金型の
ルーズコアエジェクター装置であり、前述の技術的課題
を解決すべく以下のような構成とされている。すなわ
ち、本発明は、樹脂成形品にアンダーカット部を形成す
べく樹脂成形金型の構成部分であるコアを貫通し、その
表面に対して斜めに且つ長手方向へ移動可能に設置され
たルーズコア支持ロッドが、樹脂成形金型の構成部分で
ある可動側型板とその下部に配置された台座プレートと
にそれぞれ両端部を係止して傾斜配置されたガイドロッ
ドに相対的に摺動可能に連結され且つ可動側型板と台座
プレートとの間に上下動可能に配置されたエジェクター
プレートの摺動路に移動可能に配置されたスライドベー
スの移動に連動してガイドロッドに平行な方向に移動す
る、樹脂成形金型のルーズコアエジェクター装置におい
て、ガイドロッドの一端は、可動側型板の下面に形成さ
れた凹部に緊密に嵌め込まれたホルダーに係止され、ま
たルーズコア支持ロッドは、コアにガイドロッドとほぼ
同じ傾斜角度で形成された挿通孔を摺動可能に挿通し、
この挿通孔がルーズコア支持ロッドの傾斜角度を設定す
る唯一の角度設定孔であることを特徴とする。
【0012】〈本発明における具体的構成〉本発明にお
ける樹脂成形金型のルーズコアエジェクター装置は、前
述した必須の構成要素からなるが、その構成要素が具体
的に以下のような場合であっても成立する。その具体的
構成要素とは、前記コアに形成された前記挿通孔の加工
精度が低く、前記ガイドロッドとの平行度が低い時、前
記ルーズコア支持ロッドの一方の端部が前記スライドベ
ースに緩く係止されていることを特徴とする。
【0013】また、本発明における樹脂成形金型のルー
ズコアエジェクター装置では、前記ホルダーが円筒形状
のホルダー本体を備え、このホルダー本体の下面側にピ
ンが設けられ、またガイドロッドは、その一端に形成さ
れた切欠き部を備えると共にこの切欠き部をホルダーの
前記ピンに係合して支持されることを特徴とする。
【0014】更に、本発明における樹脂成形金型のルー
ズコアエジェクター装置では、前記ホルダーが円筒形状
のホルダー本体を備え、更に可動側型板に形成された凹
部に嵌め込む際の位置決め手段を備えていることを特徴
とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る樹脂成形金型
のルーズコアエジェクター装置を図に示される実施形態
について更に詳細に説明する。図1には本発明の一実施
形態に係るルーズコアエジェクター装置20が示され、
図2にはこのルーズコアエジェクター装置20を備える
樹脂成形金型100が示されている。
【0016】この実施形態に係る樹脂成形金型のルーズ
コアエジェクター装置20の構成は、基本的には、前述
した特許掲載公報(特許第2823782号)に開示さ
れているルーズコアエジェクター装置と同じである。す
なわち、このルーズコアエジェクター装置20を備える
樹脂成型金型100の全体的な構成としては、図2に示
されるように固定側型板21aの下部に可動側型板21
b及びコア21cが配置され、これら固定側型板21a
と可動側型板21b及びコア21cとで樹脂成型空間2
2(図1)を区画形成している。
【0017】可動側型板21b及びコア21cの下方に
は台座プレート23が配置されていて、これら可動側型
板21b及びコア21cと台座プレート23との間には
スペーサ(図示せず)が両サイドに配置され、このよう
にして可動側型板21b及びコア21cの下方における
スペーサ間にエジェクタースペース24を形成してい
る。このエジェクタースペース24にはエジェクタープ
レート25が上下動可能に配置されている。
【0018】この樹脂成型金型100には、前述の樹脂
成型空間22で形成される樹脂成型品にアンダーカット
部を形成すべくコア21cに形成された挿通孔26に通
されて斜めに伸長し且つ長手方向へ移動可能なルーズコ
ア支持ロッド27が設けられている。このルーズコア支
持ロッド27の上端部27aには、コア21cと協働し
て樹脂成型品を成型するルーズコア28がネジなどによ
り取り付けられている。
【0019】可動側型板21bの下面には凹所29が形
成され、この凹所29にはホルダー30が嵌め込まれて
いる。ホルダー30は、図3に示されるように全体とし
て円筒形状のホルダー本体31aと、その下面に設けら
れた二股部31b、31cとから形成され、更に後述す
るガイドロッドの一端を係止するためのピン31dがこ
の二股部間を横断するように取り付けられている。
【0020】また、ホルダー本体31aの円形上面に
は、その中心点を除く位置に突起部31eが形成されて
いる。ところで、ホルダー30における二股部31b、
31c間に取り付けられたピン31dはガイドロッドを
高い傾斜精度で保持するようにその一端を係止する必要
があることから、ピン31dが所定の方向に正確に向く
ように可動側型板21bの下面に形成された凹所29に
ホルダー30を嵌め込まなければならない。
【0021】しかし、ホルダー30は円筒形状のホルダ
ー本体31aで実質的に構成されているため凹所29に
嵌め込む際に周方向については向きが定まらないことか
ら位置決め手段が必要となる。ホルダー30のホルダー
本体31a上面に設けられた突起部31eは、ホルダー
30を凹所29に嵌め込む際の周方向位置決め手段とし
て機能する。すなわち、ピン31dが正確に所定方向に
向くようにホルダー30を凹所29内に嵌め込んだ時
に、突起部31eのための挿入孔32が凹所29内の天
面に形成されている。
【0022】しかし、本発明において、ホルダー30を
可動側型板21b下面の凹所29内に嵌め込む際の周方
向位置決め手段は、前述したようなホルダー本体31a
上面に設けられる突起部31eと可動側型板21b下面
の凹所29内の天面に設けられた挿入孔32とによる構
成に限定されるものではなく、例えばホルダー本体31
aの外周面と凹所29の内周面のいずれか一方に軸方向
に伸長する突出部を形成し、他方にこの突出部が嵌合す
る溝部を形成する等してもよい。
【0023】ルーズコア支持ロッド27は、ルーズコア
エジェクター装置20によりコア21cの挿通孔26内
を上下方向へ摺動させられる。ルーズコア支持ロッド2
7を摺動させるためにルーズコアエジェクター装置20
はエジェクタープレート25を備えている。このエジェ
クタープレート25には、ルーズコア支持ロッド27の
上昇及び下降時にその下端の相対的横移動方向に伸長す
る摺動路33が形成されている。この摺動路33にはス
ライドベース34が摺動可能に配置され、このスライド
ベース34の摺動方向側一端部34aにはルーズコア支
持ロッド27の下端部27bがボルト35で連結されて
いる。
【0024】更に、ルーズコアエジェクター装置20
は、ルーズコア支持ロッド27に隣接し且つこれに平行
なアンギュラガイドロッド(以下単にガイドロッドと称
する)36が配置されている。このガイドロッド36の
両端にはV形の切欠き部37が形成されている。このガ
イドロッド36の上端部は、前述したホルダー30の底
面側に設けられているピン31dに切欠き部37を係合
させて支持されている。
【0025】ところで、前述したエジェクタープレート
25に摺動可能に設けられたスライドベース34の摺動
方向側他端部34bには、平面的に見た時にコ字形を呈
する取付け部分が形成されている。このスライドベース
34のコ字形をした取付け部には図1及び図2に示され
るようにガイドブッシュ38が回動可能に取り付けられ
ている。
【0026】上端部がホルダー30により支持されたガ
イドロッド36は、スライドベース34に取り付けられ
た前述のガイドブッシュ38に形成された挿通孔38a
を通り、更に下プレート25bに形成された逃げ孔39
を介して台座プレート23へ伸長し、その下端部は、台
座プレート23に取り付けられたホルダーブッシュ40
のピン41に切欠き部37が係合されて支持されてい
る。
【0027】このホルダーブッシュ40は、一端側に二
股部が形成され、この二股部間にピン41が横断して取
り付けられている。このホルダーブッシュ40は、台座
プレート23に形成された開口部42に挿入してボルト
43により固定されている。
【0028】このガイドロッド36は、ルーズコア支持
ロッド27と平行即ち同一の傾斜角度で配置されてい
る、と説明したが、このガイドロッド36の角度設定
は、図1から明らかなように可動側型板21bと台座プ
レート23との間隔即ち高さが決められているため(ス
ペーサの高さ)、ホルダー30に設けられたピン31d
とホルダーブッシュ40に設けられたピン41との横方
向位置即ち間隔に依存する。
【0029】次に、本実施例における樹脂成形金型10
0のルーズコアエジェクター装置20の動作について説
明する。樹脂成型品を本金型100で成型後、エジェク
タープレート25が上昇される。エジェクタープレート
25が上昇すると、摺動路33に配置されたスライドベ
ース34を介してルーズコア支持ロッド27の下端部2
7bには垂直上方への持ち上げ力が作用する。
【0030】ところが、このスライドベース34は、こ
れに取り付けられたガイドブッシュ38がガイドロッド
36に摺動可能に外装されているため、このスライドベ
ース34の上昇と同時にこのガイドロッド36に沿って
横方向へ強制的に移動させられる。この時の横方向移動
距離は、このガイドロッド36の傾斜角がルーズコア支
持ロッド27と同じであることから、この傾斜角度をα
とするとスライドベース34の垂直方向移動高さをyと
した時、y/tanα゜となる。
【0031】その結果、スライドベース34は、上方向
と横方向の移動力を同時に受け、ガイドロッド36に沿
う方向へ強制的に動くことになる。そのため、このスラ
イドベース34に下端部27bが固着されたルーズコア
支持ロッド27には、その長手方向への移動力が付与さ
れることになり、コア21cの挿通孔26に対して摩擦
を発生させるような曲げ力及びモーメントの付与は起こ
らない。
【0032】他方、エジェクタープレート25が下降す
る際には、前述の上昇の時とは反対にスライドベース3
4がガイドロッド36に沿って強制的に移動させられ、
これによりルーズコア支持ロッド27はその長手方向へ
の引き下げ力が付与される。その結果、エジェクタープ
レート25の下降時にもルーズコア支持ロッド27への
曲げ力及びモーメントの発生はなく、従って角度設定孔
26との摩擦を完全に回避することができる。
【0033】このような動作から明らかなように、エジ
ェクタープレート25に摺動可能に設置されたスライド
ベース34と、ルーズコア支持ロッド27と同一の傾斜
角度で設置されたガイドロッド36とがエジェクタープ
レート25の上昇及び下降時にルーズコア支持ロッド2
7の下端部27bを積極的に横方向へ移動する手段を構
成している。
【0034】前述した説明から明らかなように、本実施
形態に係るルーズコアエジェクター装置20では、従来
のルーズコアエジェクター装置で用いていたガイドプレ
ートは設けられていない。その理由として、この種のル
ーズコアエジェクター装置では、基本的にガイドロッド
とルーズコア支持ロッドとを極めて高い精度で平行に保
持する必要があるため、従来のルーズコアエジェクター
装置では、ガイドロッドとルーズコア支持ロッドを上部
と下部の2箇所で正確に同じ間隔で支持するように両者
の支持部としてガイドプレートとスライドベースとを設
け、これらをそれぞれ一部品として高い精度で加工製作
することで両者の平行度を高めていた。
【0035】しかし、コア21cに形成されるルーズコ
ア支持ロッド摺動用の挿通孔26を比較的に高い精度で
加工しておけば、従来のガイドプレートで行っていたよ
うにガイドロッドとルーズコア支持ロッドを一つの部品
で共に支持する箇所を2箇所とする必要はなく、その結
果高価なガイドプレートを省略することができるのであ
る。
【0036】また、ガイドプレートを省略できる場合と
しては、自動調芯機能を利用する場合である。この自動
調芯機能について具体的に説明すると、成型品によって
はルーズコア支持ロッド摺動用の挿通孔26をそれ程高
い精度で加工する必要がない場合がある。このような場
合にはルーズコア支持ロッド27とガイドロッド36と
の平行度も低下することがある。
【0037】しかし、スライドベース34は前述したよ
うにガイドロッド36に沿って上下動するためルーズコ
ア支持ロッド27がスライドベース34から受ける力の
方向とルーズコア支持ロッド27の長手方向軸線の方向
が正確に一致しなくなることがあり、その結果ルーズコ
ア支持ロッド27と挿通孔26とにこすれ等を起こすよ
うな曲げモーメント等が発生することがある。
【0038】そこで、このような場合にはルーズコア支
持ロッド27の下端をボルトなどでスライドベース34
に堅固に固定することを避けて、図4に部分的に示され
るようにピン45などでルーズコア支持ロッド27を緩
く保持する。すなわち、ルーズコア支持ロッド27の下
端にその軸線方向に直交する貫通孔46を形成し、この
貫通孔46の内径よりも若干小さな直径のピン45を通
して緩く支持するのである。
【0039】このようにすると、ルーズコア支持ロッド
27がスライドベース34からガイドロッド36に沿う
方向の作用力を受けた時に、ルーズコア支持ロッド27
は、下端27bにおける緩慢支持とコア21cにおける
挿通孔26の低い加工精度がルーズコア支持ロッド27
の長手方向中心軸線をスライドベース34から受ける作
用力の方向に自動的に一致するように調整することにな
り、その結果ルーズコア支持ロッド27と挿通孔26と
のこすれ等の発生を防止することができ、ルーズコア支
持ロッド27の挿通孔26におけるスムーズな摺動を確
保することができることになる。
【0040】このように、本実施形態は、従来のルーズ
コアエジェクター装置においてガイドロッドの上端部を
支持する機能とルーズコア支持ロッドを精度良く所定の
傾斜角度に保持する軸受け機能とを備えるガイドプレー
トを省略し、ルーズコア支持ロッド27がガイドロッド
36とほぼ同じ傾斜角度でコア21cに形成された挿通
孔26によってのみ傾斜角度を設定するようにし且つガ
イドロッド36の上端部をホルダー31のみにより支持
するだけの構成となっている。そのような意味からコア
21cに形成されたルーズコア支持ロッド挿通用の孔2
6は精度の善し悪しは別にして角度設定孔と言うことが
できる。
【0041】このようなことから、本実施形態に係るル
ーズコアエジェクター装置では、従来のルーズコアエジ
ェクター装置でガイドプレートを取り付けるため、縦及
び横の方向性を定めるように矩形にされた凹所を可動側
型板下面に形成する必要がなく、位置と直径で確定する
単純丸穴形状で形成できることから製作が非常に容易と
なるなど、極めて実用的な効果を奏する。
【0042】また、ガイドプレートを取り付けるための
比較的に大きな矩形凹所を可動側型板下面に形成する必
要がないということは、可動側型板などに形成される温
調穴や各種の締結部品類との干渉を容易に回避すること
ができ、設計の自由度が格段に向上するという大きな利
点がある。
【0043】また、従来のルーズコアエジェクター装置
で用いていたガイドプレートは前述したようにルーズコ
ア支持ロッドを摺動可能に且つ高い精度の傾斜角度で支
持するガイド孔を備えるため耐摩耗性のある高価な材料
で、ガイドロッド36の上端部を係止する支持部と共に
形成されていた。しかし、本実施形態に係るルーズコア
エジェクター装置ではガイドロッド36の上端部を係止
する支持機能のみとして、この支持機能をホルダー31
という単独の部品で行うようにしたことから安価な材料
で形成することができる。
【0044】実際に、従来のルーズコアエジェクター装
置で用いていたガイドプレートとガイドロッド36の上
端部を係止するホルダーとでは部品の価格が安価にな
る。しかも、本実施形態に係るルーズコアエジェクター
装置20の場合には、このホルダー30を可動側型板2
1bの下面に形成した横断面円形状の凹所29に単に嵌
め込むだけで取り付けても十分に機能することから組み
立ても極めて容易となる。また、部品の価格、加工穴の
形成と組立費用等を勘案すれば、総合減価は非常に大き
くなる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における樹
脂成形金型のルーズコアエジェクター装置によれば、エ
ジェクタープレートの上昇及び下降時にルーズコア支持
ロッドの下端部をガイドロッドに沿って積極的に移動さ
せるようにしたことから、ルーズコア支持ロッドの上昇
及び下降時に従来及ぼされたような曲げ力及びモーメン
トが掛かることはなく、従ってルーズコア支持ロッドと
コアの挿通孔開口縁部とのこすれの発生を防止すること
ができ、ルーズコア支持ロッドの摩耗の発生を防止して
その信頼性を向上させることができる。
【0046】また、本発明のルーズコアエジェクター装
置によれば、前述したようにルーズコア支持ロッドをガ
イドロッドと平行に保持するためにガイド孔を備えるガ
イドプレートを省略し、ホルダーのみによってガイドロ
ッドの上端部を係止するようにしたことから、構造が簡
素化され、それに伴って組立て性も向上し、その結果安
価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る樹脂成形金型のルー
ズコアエジェクター装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示されるルーズコアエジェクター装置を
備える樹脂成形金型の主要部を示す断面図である。
【図3】図1に示されるルーズコアエジェクター装置を
構成するホルダーを示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るルーズコアエジェク
ター装置を備える樹脂成形金型の主要部を部分的に示す
断面図である。
【図5】従来のルーズコアエジェクター装置を用いた樹
脂成型金型の主要部を示す断面図である。
【符号の説明】
20 樹脂成形金型のルーズコアエジェクター装置 21a 固定側型板 21b 可動側型板 21c コア 22 樹脂成型空間 23 台座プレート 24 エジェクタースペース 25 エジェクタープレート 26 ルーズコア支持ロッド挿通孔(角度設定孔) 27 ルーズコア支持ロッド 28 ルーズコア 29 凹所 30 ホルダー 31a ホルダー本体 31b、31c 二股部 31d ピン 31e 突起部 32 位置合わせ用の挿入孔 33 摺動路 34 スライドベース 35 ボルト 36 ガイドロッド 37 切欠き部 38 ガイドブッシュ 38a 挿通孔 39 逃げ孔 40 ホルダーブッシュ 41 ピン 42 開口部 43 ボルト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成形品にアンダーカット部を形成す
    べく樹脂成形金型の構成部分であるコアを貫通し、その
    表面に対して斜めに且つ長手方向へ移動可能に設置され
    たルーズコア支持ロッドが、樹脂成形金型の構成部分で
    ある可動側型板とその下部に配置された台座プレートと
    にそれぞれ両端部を係止して傾斜配置されたガイドロッ
    ドに相対的に摺動可能に連結され且つ前記可動側型板と
    前記台座プレートとの間に上下動可能に配置されたエジ
    ェクタープレートの摺動路に移動可能に配置されたスラ
    イドベースの移動に連動して前記ガイドロッドに平行な
    方向に移動する、樹脂成形金型のルーズコアエジェクタ
    ー装置において、 前記ガイドロッドの前記一端は、前記可動側型板の下面
    に形成された凹部に緊密に嵌め込まれたホルダーに係止
    され、また前記ルーズコア支持ロッドは、前記コアに前
    記ガイドロッドとほぼ同じ傾斜角度で形成された挿通孔
    を摺動可能に挿通し、この挿通孔が前記ルーズコア支持
    ロッドの傾斜角度を設定する唯一の角度設定孔であるこ
    とを特徴とする樹脂成形金型のルーズコアエジェクター
    装置。
  2. 【請求項2】 前記コアに形成された前記挿通孔の加工
    精度が低く、前記ガイドロッドとの平行度が低い時、前
    記ルーズコア支持ロッドの一方の端部が前記スライドベ
    ースに緩く係止されていることを特徴とする請求項1に
    記載の樹脂成形金型のルーズコアエジェクター装置。
  3. 【請求項3】 前記ホルダーが円筒形状のホルダー本体
    を備え、このホルダー本体の下面にピンが設けられ、ま
    た前記ガイドロッドは、その一端に形成された切欠き部
    を備えると共にこの切欠き部を前記ホルダーの前記ピン
    に係合して支持されることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の樹脂成形金型のルーズコアエジェクター装置。
  4. 【請求項4】 前記ホルダーが円筒形状のホルダー本体
    を備え、更に前記可動側型板に形成された前記凹部に嵌
    め込む際の位置決め手段を備えていることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂成形金型のルーズ
    コアエジェクター装置。
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