JP2002322576A - シヤドウマスクの製造方法 - Google Patents

シヤドウマスクの製造方法

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JP2002322576A
JP2002322576A JP2001125251A JP2001125251A JP2002322576A JP 2002322576 A JP2002322576 A JP 2002322576A JP 2001125251 A JP2001125251 A JP 2001125251A JP 2001125251 A JP2001125251 A JP 2001125251A JP 2002322576 A JP2002322576 A JP 2002322576A
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Takeo Mitsunari
剛生 三成
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シャドウマスクのエッチング後の洗浄工程で不
均一なエッチングを、洗浄性が劣ることなく抑制し、且
つ、シャドウマスクの更に優れた保存性(長期保存性お
よび腐食環境における保存性)を実現すること。 【解決手段】薄板状の鉄材料の両面にパターン状のエッ
チングレジストを形成し、両面から塩化第2鉄溶液によ
るエッチングを行って貫通孔を形成した後に、アルカリ
性水溶液によってエッチングレジストを剥離する工程か
らなるシャドウマスクの製造において、貫通孔8の形成
後に第一クロメート処理、及びエッチングレジストの剥
離後に第二クロメート処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄系の金属材料を
用いたシャドウマスクの製造方法に関するものであり、
特に、長期間にわたり良好な保存性を有するシャドウマ
スクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー受像管等に用いられるシャドウマ
スクの製造方法としてはフォトエッチング法が知られて
おり、その一例を図1を用い簡単に説明する。まず、シ
ャドウマスクとなる金属板(1)をアルカリ脱脂液に接
触することにより、金属板の表面に付着している油分や
有機系のゴミ等を除去する脱脂処理を行う。次いで、次
工程の感光性樹脂の塗布の際に、金属板の表面に感光性
樹脂を付き易くするために、金属板を酸処理液に接触す
ることにより、金属板の表面の整面処理を行う。
【0003】次いで、金属板の両面にネガ型感光性樹脂
(2)を塗布する(図1(a))。次いで、孔形パター
ン部が遮光部となった大孔小孔二種類のパターンマスク
を用い、金属板の片面に大孔パターンマスクを密着して
当て、金属板の他方の片面に小孔パターンマスクを対応
する位置に密着して当て、同時に両面から紫外線を照射
することによりパターン露光を行い、孔形パターン部以
外の領域のネガ型感光性樹脂の光硬化を行う。
【0004】次いで、例えば、温水スプレーにて現像を
行い未露光未硬化部のネガ型感光性樹脂を除去後、残っ
たネガ型感光性樹脂の硬膜処理およびバーニングを行
い、図1(b)に示すように、所定パターンに従って感
光性樹脂層から金属面が露出した部分(3)、(4)を
有する金属板を得る。次いで、金属板両面に一定のエッ
チングを行い、図1(c)に示すように、金属板に小孔
凹部(5)および大孔凹部(6)を得る。次いで、小孔
側感光性樹脂層(2a)上に、例えば,ニスを塗布し
て、小孔凹部(5)を充填するエッチング防止層(7)
を形成する(図1(d))。
【0005】次いで、金属板の大孔側に二次エッチング
を行い、小孔と貫通した開孔(8)を形成する(図1
(e))。次いで、アルカリ液等を用いエッチング防止
層(7)および感光性樹脂層(2a)、(2b)を剥膜
し図1(f)に示す、金属板上に所定パターンに従って
孔パターンが穿設されたシャドウマスク(9)を得るも
のである。
【0006】ところで、このようなシャドウマスクの製
造工程で製造したシャドウマスクを保存した場合に、錆
が生じてしまうという現象があった。特に、長期にわた
って保存したり、保存あるいは輸送時に高温多湿であっ
たりして、時間的にも環境的にも好ましい状態とは限ら
ないために、深刻な問題であった。このような問題を解
消する技術として、塩化第2鉄溶液により鉄材料をエッ
チングした後の洗浄水にクロム酸または重クロム酸塩を
添加する方法が知られている。
【0007】エッチング直後の鉄鋼表面はまだ腐食電位
のままである部位が多く、そのためエッチング後の洗浄
工程で不均一なエッチング(エッチング面に発生する微
小なエッチング)が生じて微小な錆の元をつくる原因に
なっていたが、この方法によると、クロム酸または重ク
ロム酸といった腐食防止剤の働きにより鉄鋼の表面電位
を不動態電位にまで押し上げ、不均一なエッチングを抑
制することができる。しかし、このような方法を採用し
た場合は、クロム酸または重クロム酸塩を添加した水溶
液は粘性が高く、純水よりも洗浄性が劣るという問題が
あった。
【0008】鉄鋼の表面をクロム酸または重クロム酸に
よって処理することで耐食性および保存性(長期保存性
および腐食環境における保存性)が向上するメカニズム
としては、クロム酸または重クロム酸の働きによって鉄
鋼の表面電位を不動態化電位にまで押し上げることだけ
でなく、鉄鋼の表面を被覆するクロメート皮膜(クロム
酸化物またはクロム水酸化物を主成分とする)が形成さ
れるためと考えられている。上記の方法では、主として
重クロム酸の酸化力によって鉄鋼表面が不動態電位にま
で押し上げられ、クロム酸によって表面が化学反応して
クロメート皮膜ができると推定されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フォトエッチ
ング法でシャドウマスクを製造する工程では、エッチン
グ後に強アルカリ液、例えば、濃度5%〜30%程度の
水酸化ナトリウム溶液に添加剤を加えた強アルカリ液を
用いてレジストの剥膜を行うことが多いが、強アルカリ
液中では前記クロメート皮膜が溶解し傷んでしまう。こ
のため、前記従来技術を用いた場合には、工程中での不
均一なエッチングを抑制することは可能だが、最終製品
の良好な保存性(長期保存性および腐食環境における保
存性)を確保することはできない。本発明は、シャドウ
マスクのエッチング後の洗浄工程で不均一なエッチング
を、洗浄性が劣ることなく抑制し、且つ、シャドウマス
クの更に優れた保存性(長期保存性および腐食環境にお
ける保存性)を実現することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、薄板状の鉄材
料の両面にパターン状のエッチングレジストを形成し、
両面から塩化第2鉄溶液によるエッチングを行って貫通
孔を形成した後に、アルカリ性水溶液によって該エッチ
ングレジストを剥離する工程からなるシャドウマスクの
製造方法において、貫通孔の形成後に第一クロメート処
理、及びエッチングレジストの剥離後に第二クロメート
処理を行うことを特徴とするシャドウマスクの製造方法
である。
【0011】また、本発明は、上記発明によるシャドウ
マスクの製造方法において、前記第一クロメート処理後
の鉄材料表面における金属酸化物(Fe2 O3 、C
r2O3 )が金属水酸化物(Fe(OH)3 、Cr
(OH)3 )よりも多くなるように第一クロメート処
理を行うことを特徴とするシャドウマスクの製造方法で
ある。
【0012】また、本発明は、上記発明によるシャドウ
マスクの製造方法において、前記第一クロメート処理に
二クロム酸カリウムを主成分とする水溶液を用いること
を特徴とするシャドウマスクの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明によるシャドウマスクの製造方法
は、表1に示すように、エッチングによって貫通孔を形
成した直後の水洗(腐食水洗(イ))後の第一クロメー
ト処理(ロ)と、レジスト剥離(ニ)後の第二クロメー
ト処理(ハ)の2回のクロメート処理を行うものであ
り、これにより格段に保存性の高いシャドウマスクを製
造することが可能になる。
【0014】ここで、クロメート処理とは、クロム酸ま
たは重クロム酸塩を主成分とする水溶液を金属と反応さ
せて、金属表面に耐食性皮膜を形成する処理のことであ
る。クロメート処理には、クロム酸または重クロム酸塩
を主成分とする水溶液を用いるが、好ましいクロム酸ま
たは重クロム酸塩としては、二クロム酸カリウム、無水
クロム酸、二クロム酸ナトリウムがあげられる。また、
ここで言う保存性とはシャドウマスクを長期保存および
腐食環境に放置した際の錆にくさのことである。
【0015】本発明においては、エッチングによって貫
通孔を形成した直後の洗浄水として、クロム酸または重
クロム酸塩を添加した洗浄水を用いることなく、先ず、
純水を用いて洗浄し、その後直ちにクロム酸または重ク
ロム酸塩を主成分とする水溶液を用いて第一クロメート
処理を行うものである。従って、洗浄性が優れたものと
なり、また、クロム酸または重クロム酸塩を主成分とす
る水溶液と相まって、急速に鉄鋼の表面電位を不動態電
位にまで押し上げることができ、また、クロメート皮膜
を形成することができる。
【0016】また、この第一クロメート処理は、クロメ
ート皮膜を厚めに析出させることが好ましい。これは、
クロメート皮膜を厚めに析出させることにより、その後
のレジスト剥膜(ニ)でのアルカリによってクロメート
皮膜が溶解し、鉄表面が露出してしまうのを抑えるため
である。しかし、アルカリによるレジスト剥膜を、例え
ば、水酸化ナトリウム20%、70℃の強アルカリ液に
浸漬することによって行うと、クロメート皮膜は溶解
し、また、表面の金属水酸化物は金属酸化物に変化す
る。金属酸化物の割合が増えたことでより表面が安定に
なることが予測されるが、表面を保護していたクロメー
ト皮膜が溶解したため下地の鉄がむき出しの状態になっ
てしまい、長期保存性および腐食環境に対する保存性は
低下したものとなる。
【0017】本発明においては、レジスト剥膜(ニ)に
続く水洗(ホ)後に第二クロメート処理を行うが、これ
は、レジスト剥膜工程で溶解してしまったクロメート皮
膜を修復するため、及び第一クロメート処理時には感光
性樹脂層で被覆されておりクロメート処理のなされてい
ない部位(例えば、図1における感光性樹脂層(2
a)、(2b)で被覆されていた金属板上の部位)にも
クロメート皮膜を形成するためである。これによって、
特に保存性(長期保存性および腐食環境に対する保存
性)が低いエッチングされた面(例えば、小孔凹部
(5)および大孔凹部(6)の面)には二重にクロメー
ト処理が施されることになる。二度目の第二クロメート
処理によって、一度しか行わない場合に比べて保存性
(長期保存性および腐食環境に対する保存性)がより高
くなることは確認済みである。
【0018】また、本発明においては、第一クロメート
処理後の状態で、鉄材料表面の金属酸化物(Fe2 O
3 、Cr2 O3 )が金属水酸化物(Fe(OH)
3、Cr(OH)3 )よりも多くなるようにしておく
ことが非常に好ましい。
【0019】第一クロメート処理として、表1に示すよ
うに、3通りの条件を試した。第一クロメート処理後の
状態で、鉄材料表面の金属酸化物が金属水酸化物よりも
多くなるように処理するためには、第一クロメート処理
に、二クロム酸カリウム、二クロム酸ナトリウム、また
は無水クロム酸を用いることが好ましい。二クロム酸カ
リウム、または二クロム酸ナトリウムを用いることが、
さらに好ましく、特に二クロム酸カリウム(条件)が
好ましい。ニクロム酸カリウムが好ましい理由は、他の
条件(条件、条件)の処理よりも処理後の表面に金
属(鉄とクロム)酸化物が多く腐食に対して安定である
ためである。
【0020】第一クロメート処理後のシャドウマスクの
表面をXPS(X線光電子分光法)で測定し、01sの
530.1eV(Fe2 O3 、Cr2 O3 に起
因)と531.3eV(Fe(OH)3 、Cr(O
H)3 に起因)のスペクトル強度比から、金属酸化物
(Fe2 O3 、Cr2 O3 )と金属水酸化物
(Fe(OH)3 、Cr(OH)3 )の比率を調べ
たところ、第一クロメート処理が二クロム酸カリウム2
0g/Lの条件(条件)において最も金属酸化物の比
率が高く、金属酸化物:金属水酸化物=9:1程度の割
合であった。以下、二クロム酸ナトリウム70g/Lの
条件(条件)のものは金属酸化物:金属水酸化物=
5:5程度、無水クロム酸250g/Lの条件(条件
)のものは金属酸化物:金属水酸化物=3:7程度で
あった。
【0021】また、第一クロメート処理後、水洗(ハ)
した製品(レジスト剥膜(ニ)、水洗(ホ)、第二クロ
メート処理(ヘ)を省略したもの)で保存性(長期保存
性および腐食環境に対する保存性)を比較してみた。実
際に製品の保存性を比較する際には、高温高湿環境(温
度85℃、湿度85%)に一定時間放置し、表面に発生
した錆の程度を観察して比較を行った(この試験を耐食
性試験と呼ぶことにする)。
【0022】この耐食性試験の結果、錆の程度の低い方
から、二クロム酸カリウム処理品(条件)、二クロム
酸ナトリウム処理品(条件)、無水クロム酸処理品
(条件)という順序であった。これはXPSでの測定
結果における金属酸化物の金属水酸化物に対する割合と
同じ順序であり、第一クロメート処理後の表面に鉄及び
クロム酸化物(Fe2O3 、Cr2 O3 )が多い
製品の方が、鉄及びクロム水酸化物(Fe(OH)3
、Cr(OH)3 )が多い製品よりも保存性(長期
保存性および腐食環境に対する保存性)が高いことを示
している。
【0023】また、上記比較とは別に、レジスト剥膜
(ニ)後の製品を用いた同様の測定でも、やはり第一ク
ロメート処理後の状態で鉄材料表面に金属酸化物の多か
ったものが高い保存性(長期保存性および腐食環境に対
する保存性)を示した。これは、第一クロメート処理後
の表面が不安定なものは、第一クロメート処理からレジ
スト剥膜に至るまでの時間(2分程度)で、鉄表面に微
小な錆の元のようなものが形成されてしまうのが原因で
あろう。また、レジスト剥膜にはアルカリ液を用いるこ
とが多いが、アルカリ液を通過すると金属酸化物が増加
する。鉄材料であるので、表面電位が高く、或いはpH
が高い上体では安定な鉄酸化物(Fe2 O3 )にな
っている。
【0024】また、最終製品の耐食性試験結果(リ)で
も、やはりシャドウマスクの保存性(長期保存性および
腐食環境に対する保存性)は、第一クロメート処理後に
おける鉄材料表面の金属酸化物の割合と比例関係があ
り、第一クロメート処理が二クロム酸カリウム20g/
Lの条件(条件)のもの、二クロム酸ナトリウム70
g/Lの条件(条件)のもの、無水クロム酸250g
/Lの条件(条件)のものという順であった。以上の
ことから、第一クロメート処理は、表面の金属酸化物の
割合が金属水酸化物に対して多くなるような条件にする
ことが望ましいと言える。
【0025】
【実施例】<実施例1>鉄が99.9%以上であるアル
ミキルド材を10cm×10cmの大きさに4枚カット
し、ペルシーLK(エンケルジャパン社製)7%水溶液
(70℃)に2分間浸漬して脱脂を行う。脱脂したサン
プルは2分間水洗する。基材上にカゼインレジストを用
いてフォトリソグラフィー法でパターンを形成する。レ
ジストを塗布、乾燥して成膜した後、マスクパターンを
介して光照射し、30℃の温水で現像する。さらに硬膜
処理として酸化クロム3%溶液に30秒間浸漬し、洗浄
した後バーニングを行う。
【0026】塩化第2鉄液(70℃)に3分間浸漬し
て、レジストから露出した基材表面をエッチングし、貫
通孔を形成する。本来、シャドウマスクは基材の表裏か
らエッチングを行って貫通孔を形成するが、ここでは表
面の錆を観察しやすくするためにエッチングは片側のみ
から行った。エッチング後10秒間水洗する。
【0027】4枚のサンプルをそれぞれ以下の通り第一
クロメート処理する。 ・サンプル:二クロム酸カリウム20g/Lの水溶液
に30秒間浸漬、常温。 ・サンプル:無水クロム酸250g/L、硫酸10c
c/Lの水溶液に30秒間浸漬、常温。 ・サンプル:二クロム酸ナトリウム70g/Lの水溶
液に30秒間浸漬、50℃。 ・サンプル:特に処理を行わず水中に30秒間放置。
【0028】各処理後、サンプル〜を2分間水洗す
る。次に、サンプル〜のレジスト剥膜を同一に行
う。揺動を行いながら水酸化ナトリウム20%水溶液に
1分間浸漬。その後1分間大気暴露。これを4回繰り返
してレジストを剥離する。その後2分間水洗。
【0029】上記サンプル〜をそれぞれ以下の通り
第二クロメート処理する。 ・サンプル〜:無水クロム酸250g/L、硫酸
2,5g/Lの水溶液に常温で30秒間浸漬。 ・サンプル:30秒間水中に放置。 その後各サンプルを2分間水洗し、エアシャワーで乾燥
する。
【0030】サンプル〜を温度85℃、湿度85%
に保った恒温恒湿槽中に12時間放置。その後、光学顕
微鏡を用いてエッチング面の錆の程度を観察した。その
結果、サンプルの二クロム酸カリウム浴で処理を行っ
たサンプルはエッチング面に錆が認められなかった。以
下、サンプルの二クロム酸ナトリウム浴で処理したも
のはエッチング面に微小な錆が認められ、サンプルの
無水クロム酸浴で処理したものはさらに錆の程度がひど
かった。サンプルのクロメート処理を施さなかったも
のは、エッチング面全体に錆が発生した。
【0031】従来の製品では耐食性試験(温度85℃、湿
度85%の環境に放置)において1時間程度で錆が発生し
ていたが、本発明の表面処理を行うことで同様の環境に
12時間放置しても全く錆が発生しなかった(サンプル
)。この試験条件では24時間の放置が通常の保管条
件における1年間の放置に等しいと考えられており、こ
の試験で12時間耐えたことは通常条件の半年に値す
る。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明は、薄板状の鉄材料の両面にパタ
ーン状のエッチングレジストを形成し、両面から塩化第
2鉄溶液によるエッチングを行って貫通孔を形成した後
に、アルカリ性水溶液によってエッチングレジストを剥
離してシャドウマスクを製造する際に、貫通孔の形成後
に第一クロメート処理と、エッチングレジストの剥離後
に第二クロメート処理の二度のクロメート処理を行うの
で、エッチング後の洗浄工程での不均一なエッチング
を、洗浄性が劣ることなく抑制し、且つ、シャドウマス
クの保存性(長期保存性および腐食環境における保存
性)が良好なものとなる。
【0034】また、本発明は、第一クロメート処理後の
鉄材料表面の金属酸化物(Fe2O3 、Cr2 O3
)が金属水酸化物(Fe(OH)3 、Cr(OH)
3)よりも多くなるようにクロメート処理を行うので、
製造工程中で発生する腐食を抑制することが可能にな
る。また、シャドウマスクの保存性(長期保存性および
腐食環境における保存性)が優れたものとなる。
【0035】また、本発明は、第一クロメート処理に二
クロム酸カリウムを主成分とする水溶液を用いるので、
特に、製造工程中で発生する腐食を抑制することが可能
になる。また、シャドウマスクの保存性(長期保存性お
よび腐食環境における保存性)が更に優れたものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】シヤドウマスクの製造方法の説明図である。
【符号の説明】
1……金属板 2……ネガ型感光性樹脂 2a……小孔側感光性樹脂層 2b……大孔側感光性樹脂層 3、4……金属面が露出した部分 5……小孔凹部 6……大孔凹部 7……エッチング防止層 8……貫通した開孔 9……シャドウマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 29/07 H01J 29/07 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄板状の鉄材料の両面にパターン状のエッ
    チングレジストを形成し、両面から塩化第2鉄溶液によ
    るエッチングを行って貫通孔を形成した後に、アルカリ
    性水溶液によって該エッチングレジストを剥離する工程
    からなるシャドウマスクの製造方法において、貫通孔の
    形成後に第一クロメート処理、及びエッチングレジスト
    の剥離後に第二クロメート処理を行うことを特徴とする
    シャドウマスクの製造方法。
  2. 【請求項2】前記第一クロメート処理後の鉄材料表面に
    おける金属酸化物(Fe2 O3、Cr2 O3 )が
    金属水酸化物(Fe(OH)3 、Cr(OH)3 )
    よりも多くなるように第一クロメート処理を行うことを
    特徴とする請求項1記載のシャドウマスクの製造方法。
  3. 【請求項3】前記第一クロメート処理に二クロム酸カリ
    ウムを主成分とする水溶液を用いることを特徴とする請
    求項2記載のシャドウマスクの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107638738A (zh) * 2016-07-22 2018-01-30 旭晖应用材料股份有限公司 多孔状基板及震荡组件
CN110453221A (zh) * 2018-05-08 2019-11-15 住友重机械工业株式会社 板处理装置及板处理方法

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