JP2002317668A - 水ジェット推進艇のエンジン制御装置 - Google Patents

水ジェット推進艇のエンジン制御装置

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JP2002317668A
JP2002317668A JP2001288523A JP2001288523A JP2002317668A JP 2002317668 A JP2002317668 A JP 2002317668A JP 2001288523 A JP2001288523 A JP 2001288523A JP 2001288523 A JP2001288523 A JP 2001288523A JP 2002317668 A JP2002317668 A JP 2002317668A
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engine
valve
opening
throttle
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Isao Sugano
功 菅野
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Sanshin Kogyo KK
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 操船フィーリングを悪化させることなく、エ
ンジン低回転(スロットル低開度)側とエンジン高回転
(スロットル高開度)側のいずれでも空燃比A/Fの精
度を良くする。 【解決手段】 通常よく使用され、高い操船フィーリン
グが要求される完全滑走航走状態(プレーニング)とな
る前に、D−j制御とα−N制御を切り替えるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水ジェット推進艇
のエンジン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水ジェット推進艇は、4サイクルエンジ
ンで駆動されるジェット推進機のインペラで発生する噴
流を噴射ノズルから後方に噴射することにより推進する
ものである。
【0003】上記水ジェット推進艇においては、4サイ
クルエンジンの各気筒のそれぞれの吸気通路に独立して
スロットル弁が設けられ、このエンジンの燃料室に点火
プラグが設けられ、上記燃料室に吸気通路のスロットル
弁を介して空気が導入され、上記スロットル弁より下流
に燃料噴射弁が設けられて、制御装置により、エンジン
の運転状態に応じて燃料噴射量を決定するようにしたも
のがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記水ジェ
ット推進艇のエンジンの燃料噴射システムとして、吸気
負圧とエンジン回転数とで燃料噴射量を決定するD−j
制御と、スロットル開度とエンジン回転数とで燃料噴射
量を決定するα−N制御とが考えられる。
【0005】上記D−j制御は、吸気負圧から空気量を
間接的に測定する方法であって、吸気負圧と実空気量と
の相関をマップでデータ化するものであるが、各気筒の
それぞれの吸気通路に独立してスロットル弁が設けられ
た独立スロットルでは、エンジン高回転(スロットル高
開度)側の空燃比A/Fの精度の関係で、エンジン低回
転(スロットル低開度)側でないと使用できないという
問題がある。
【0006】上記α−N制御は、スロットル開度から空
気量を間接的に測定する方法であって、スロットル開度
と実空気量の相関をマップでデータ化するものである
が、各気筒のそれぞれの吸気通路に独立してスロットル
弁が設けられた独立スロットルでは、エンジン低回転
(スロットル低開度)側の空燃比A/Fの精度の関係
で、エンジン高回転(スロットル高開度)側でないと使
用できないという問題がある。
【0007】また、上記D−j制御から上記α−N制御
に切り替える時にエンジン運転状態の変動により操船フ
ィーリングが悪化する恐れがある。
【0008】そこで本発明の第1の目的は、操船フィー
リングを悪化させることなく、エンジン低回転(スロッ
トル低開度)側とエンジン高回転(スロットル高開度)
側のいずれでも空燃比A/Fの精度を良くすることがで
きる水ジェット推進艇のエンジン制御装置を提供するこ
とである。
【0009】上記吸気通路に、スロットル弁をバイパス
するバイパス通路と、このバイパス通路を開閉する開閉
弁とが設けられた水ジェット推進艇においては、エンジ
ン高回転時にスロットル弁が急に閉じられたときに開閉
弁を開き制御(いわゆる、ダッシュポッド制御)するこ
とにより、エンジンストールを防止しているが、エンジ
ン高回転時のα−N制御では、開閉弁による空気量の増
加分が検出できないために空燃比A/Fの精度の関係
で、エンジンが不調になるという問題がある。
【0010】特に、α−N制御領域におけるスロットル
低開度側や、D−j制御領域とα−N制御領域との間の
遷移領域では、バイパス通路を通る空気量が比較的多く
て開閉弁による空気量の変動の影響が顕著にあらわれる
ことから、開閉弁が大きく動くとD−j制御による燃料
噴射量とα−N制御による燃料噴射量とに差が生じて、
エンジン運転状態の変動により操船フィーリングが悪化
するという問題がある。
【0011】そこで本発明の第2の目的は、α−N制御
のときでも開閉弁の影響を比較的小さくすることができ
る水ジェット推進艇のエンジン制御装置を提供すること
である。
【0012】上記D−j制御は、高回転域の空燃比A/
Fの精度が悪く、例えばスロットル開度の検出不良で
は、D−j制御が用いられると空燃比A/Fが薄すぎる
ことになるが操船者は事前に気付くことができない。ま
た、エンジンの運転状態を検出するセンサーの作動不良
では、停泊場所に引き返すまでエンジンを停止すること
ができないために、作動不良のセンサーの情報を他のセ
ンサーの情報で代用したり、操船者にセンサーの作動不
良等を知らせる必要がある。
【0013】そこで本発明の第3の目的は、エンジンの
運転状態の検出不良の場合に、エンジンを停止すること
なく、エンジンを保護するとともに、操船者に知らせる
ことができる水ジェット推進艇のエンジン制御装置を提
供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1は、各気筒の吸気通路に各々スロ
ットル弁が設けられ、燃料室に点火プラグが設けられ、
上記燃料室に上記吸気通路のスロットル弁を介して空気
が導入され、このスロットル弁より下流に燃料噴射弁が
設けられたエンジンでジェット推進機が駆動される水ジ
ェット推進艇のエンジン制御装置において、上記制御装
置は、スロットル弁の低開度側またはエンジン回転数の
低回転側では吸気通路の吸気負圧とエンジン回転数とで
燃料噴射量を決定するD−j制御するとともに、スロッ
トル弁の高開度側またはエンジン回転数の高回転側では
スロットル開度とエンジン回転数とで燃料噴射量を決定
するα−N制御し、遷移航走状態から完全滑走航走状態
になるスロットル開度又はエンジン回転数以下のスロッ
トル開度又はエンジン回転数で上記D−j制御とα−N
制御とを切り替えることを特徴とする水ジェット推進艇
のエンジン制御装置を提供するものである。
【0015】ここで、一般に水ジェット推進艇は、船体
の下部が水中に没して、水を掻き分けながら航走する排
水量航走状態(トローリング)から、水面に対して船体
が大きい傾角の前上がり姿勢で航走する遷移航走状態を
経た後に、水面に対して船体が小さい傾角のほぼ一定の
前上がり姿勢で航走する完全滑走航走状態(プレーニン
グ)となる。通常、水ジェット推進艇は、この完全滑走
航走状態で使用されることが多く、この状態での操船フ
ィーリングを向上することが望まれている。
【0016】したがって、請求項1の発明によれば、通
常よく使用され、高い操船フィーリングが要求される完
全滑走航走状態(プレーニング)となる前に、D−j制
御とα−N制御を切り替えるようにしたから、操船フィ
ーリングを悪化させることなく、スロットル低開度(エ
ンジン低回転)側とスロットル高開度(エンジン高回
転)側のいずれでも空燃比A/Fの精度を良くすること
ができる。なお、完全滑走航走状態となる前とは、上述
の遷移航走状態と排水量航走状態(トローリング)とを
含むものである。
【0017】また、スロットル弁より下流に燃料噴射弁
が設けられたとは、エンジンの燃焼室に燃料を直接噴射
する燃料噴射弁が設けられた直噴タイプも含まれるもの
である。
【0018】請求項2は、請求項1の発明において、上
記吸気通路に、スロットル弁をバイパスするバイパス通
路とこのバイパス通路を開閉する開閉弁とが設けられ
て、上記制御装置は、α−N制御領域におけるD−j制
御領域に近い側で、開閉弁の開度を略固定するように制
御する構成としたものである。
【0019】請求項2によれば、開閉弁による空気量の
増加分が検出できないα−N制御のときに、開閉弁によ
る空気量の変動の影響が顕著に現れるD−j制御領域に
近い側では、開閉弁を略固定しているから、開閉弁の開
度の変動で空燃比A/Fの精度が悪くなって、エンジン
が不調になることを極力防止することができる。
【0020】請求項3は、請求項1又は請求項2の発明
において、上記吸気通路に、スロットル弁をバイパスす
るバイパス通路とこのバイパス通路を開閉する開閉弁と
が設けられて、上記制御装置は、D−j制御領域とα−
N制御領域との間の遷移領域で、開閉弁の開度を略固定
するように制御する構成としたものである。
【0021】請求項3によれば、D−j制御領域とα−
N制御領域との間の遷移領域で、開閉弁の開度を略固定
しているから、開閉弁の開度の変更でD−j制御による
燃料噴射量とα−N制御による燃料噴射量とに差が生じ
ることを防止することができるので、エンジン運転状態
の変動により操船フィーリングが悪化することを極力防
止することができる。
【0022】請求項4は、請求項1〜3のいずれかに記
載の発明において、上記制御装置は、吸気負圧の検出不
良時にα−N制御単独に切り替え、スロットル開度の検
出不良時にD−j制御単独に切り替えるとともに、上記
D−j制御領域とα−N制御領域の併用制御からD−j
制御単独又はα−N制御単独に切り替えたときに、エン
ジン回転数を低下させることで警告するように制御する
構成としたものである。
【0023】請求項4によれば、D−j制御領域とα−
N制御領域の併用の燃料噴射からD−j制御単独または
α−N制御単独に切り替えたときに、エンジン回転数を
低下させることで警告するから、エンジンを停止するこ
となく、エンジンを保護するとともに、操船者に知らせ
ることができる。
【0024】請求項5は、請求項4の発明において、上
記エンジン回転数を低下させる制御は、複数気筒のうち
のいずれかの気筒の点火または/および燃料噴射の休止
である構成としたものである。これにより、エンジン運
転状態の変動による操船フィーリングを悪化させること
なく、操船者に知らせることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0026】図1及び図2に示すように、水ジェット推
進艇1は、ハル部材2とデッキ部材3とがその周縁部で
接合されて艇体4が構成されて、この艇体4の内部の前
後方向のほぼ中央位置に形成されたエンジンルーム5に
はエンジン6が搭載され、このエンジン6の前方には燃
料タンク7が設置され、このエンジン6の後方にはジェ
ット推進機8が設置されている。
【0027】上記デッキ部材3の両側にはフートステッ
プ3aがそれぞれ形成される一方、デッキ部材3の前上
部にはカバー部材10が設けられ、このカバー部材10
の前部にはハッチカバー11が取付けられるとともに、
後部にはスロットルレバー12aを有する操舵ハンドル
12が設けられている。なお、9は、エンジンルーム6
を大気に連通するベンチレーションダクトである。
【0028】上記デッキ部材3の後上部にはシート台1
3が設けられ、このシート台13の上部には前後方向の
跨座式シート14が着脱可能に取付けられて、このシー
ト台13の上面には、跨座式シート14を取外したとき
に、上記エンジンルーム5内のエンジン6を点検するた
めに点検用開口13a(図5参照)が形成されるととも
に、この点検用開口13aの後側には物品収納ボックス
15が設けられている。
【0029】上記エンジン6のクランク軸16には、固
定減速比を備えた変速手段からカップリング17を介し
てインペラ軸18が連結され、このインペラ軸18に
は、上記ジェット推進機8のインペラハウジング8aに
収容されたインペラ(不図示)が取付けられ、このイン
ペラハウジング8aの後端部に噴射ノズル19aが設け
られ、この噴射ノズル19aにディフレクター19bが
取付けられている。
【0030】そして、エンジン6で駆動されるジェット
推進機8のインペラで発生した噴流を噴射ノズル19a
から後方に噴射することにより艇体4が推進されるとと
もに、跨座式シート14に跨った乗員が操舵ハンドル1
2を操作して噴射ノズル19aのディフレクター19b
を左右に揺動させることにより旋回されるようになる。
【0031】上記エンジン6は、図3〜図5に示すよう
に、例えば水冷式の直列4気筒4サイクルエンジンであ
って、上記クランク軸16が艇体前後方向に延在するよ
うに上記エンジンルーム5のハル部材2にエンジンマウ
ント20を介して搭載されている。このエンジン6は、
シリンダブロック25が上記クランク軸16を含む鉛直
面の一側方(図5の後面視では右舷側)に向かって傾斜
させた状態で搭載して、エンジン高さを低くするように
している。
【0032】上記エンジン6のシリンダブロック25の
上部には、シリンダヘッド26が取付けられ、このシリ
ンダブロック25の下部にはクランクケース27が取付
けられている。
【0033】上記エンジン6のシリンダブロック25に
は、前から後に向かって順に第1気筒、第2気筒、第3
気筒、第4気筒がそれぞれ設けられている。なお、図5
において、21は気筒の1つであり、各気筒21には、
上記クランク軸16にコネクティングロッド23を介し
て連結されたピストン24が嵌合されている。
【0034】上記シリンダヘッド26には各気筒21毎
に、吸気ポート26aを有する吸気通路26dと、排気
ポート26bを有する排気通路26eと、点火プラグ3
8(図6参照)を有する燃焼室26cとが形成されて、
吸気ポート26aと排気ポート26bは、それぞれ吸気
バルブ40と排気バルブ41で開閉されるようになる。
これらバルブ40,41はカムシャフト42,43によ
りそれぞれ駆動されるように構成され、これらカムシャ
フト42,43は、シリンダヘッドカバー44で覆われ
ている。
【0035】上記シリンダヘッドカバー44の上方には
吸気ボックス36が配置され、この吸気ボックス36の
下方の空間には、二次空気導入装置(AIS)37が配
置されて、吸気ボックス36の空気をパイプで二次空気
導入装置37に導くとともに、この二次空気導入装置3
7からホースを介して後述する排気マニホールド29,
30内の各排気通路に導くことにより、未燃焼ガスが燃
焼されるようになる。
【0036】上記吸気ボックス36は、ともに合成樹脂
製の下側カバー51と上側カバー52とに上下2分割さ
れ、艇体右舷側の内部にはフィルター組立体54が配置
されている。そして、下側カバー51は、シリンダヘッ
ドカバー44に取付けられたステー55にボルト56で
着脱可能に固定されるとともに、上側カバー52は複数
個の挟着金具53で下側カバー51に着脱可能に取付け
られている。
【0037】上記下側カバー51の艇体右舷側には、吸
気ボックス36内のフィルター組立体54の内部に外気
を導入する吸気口51aが形成されるとともに、この吸
気ボックス36内の艇体左舷側には、各気筒21毎にス
ロットルボディ33の吸気入口33aが臨まされて、外
気が吸気口51aからフィルター組立体54を通過し
て、スロットルボディ33の吸気通路33bから上記シ
リンダヘット26の左舷側の吸気通路26dを通って吸
気ポート26aに吸気されるようになる。
【0038】上記スロットルボディ33の吸気通路33
b内には、上記操舵ハンドル12のスロットルレバー1
2aの操作に連動して開閉されるはスロットル弁35が
設けられるとともに、このスロットル弁35の下流側の
スロットルボディ33には、吸気通路33b内に燃料を
噴射する燃料噴射弁34が設けられている。この燃料噴
射弁34には、上記燃料タンク7内の電動モータ49
(図6参照)で駆動される燃料ポンプ47により、燃料
供給管48aを介して燃料が圧送供給されるとともに、
余剰燃料は燃料戻し管48bを介して燃料タンク7に戻
されるようになる。
【0039】上記シリンダヘット26の右舷側の側面に
は、排気通路26eを介して排気ポート26bに接続さ
れる排気マニホールド29,30がそれぞれ取付けら
れ、この両排気マニホールド29,30は右舷側へ斜め
下方に延在されている。
【0040】この両排気マニホールド29,30には、
前後に2分割された後側の第1排気管31Aが接続さ
れ、この後側の第1排気管31Aは前方へ斜め上方に延
在されているとともに、前側の第1排気管31Bは、前
方へ斜め上方に延在されながら大きく湾曲してエンジン
6の前方を左舷方向に横切って幅方向のほぼ中間部分ま
で延在されている。
【0041】上記前側の第1排気管31Bには第2排気
管32の前端部が接続され、この第2排気管32は、エ
ンジン6の前方の幅方向のほぼ中間部分からエンジン6
の前方を左舷方向に横切って大きく湾曲しながらエンジ
ン6の左舷側を後方に延在されて、エンジン6の後方に
配置されたウォーターロック45に後端部が接続されて
いる。
【0042】上記エンジン6は、ドライサンプ方式のオ
イル潤滑装置を備えており、エンジン6の後部側には潤
滑オイルを溜めておくオイルタンク39が設置されると
ともに、左舷側のクランクケース27の側面のオイルフ
ィルタ取付け面27aに、潤滑オイルをろ過するオイル
フィルタ46が着脱可能に取付けられている。
【0043】図6に模式図で示すように、上記シリンダ
ヘッド26の排気通路26eには、排気ガスの酸素濃度
を検出するO2センサー60が設けられている。
【0044】また、上記スロットルボディ33のスロッ
トル弁35の下流側の吸気通路33bには、吸気負圧を
検出する吸気負圧センサー61と吸気温度を検出する吸
気温度センサー67とが設けられるとともに、スロット
ル弁35の弁軸にはスロットル開度を検出するスロット
ル開度センサー62が設けられている。
【0045】さらに、上記スロットルボディ33の吸気
通路33bには、スロットル弁35をバイパスするバイ
パス通路33cが設けられ、このバイパス通路33cに
は、このバイパス通路33cを開閉する開閉弁63が設
けられている。
【0046】図7に模式図で示すように、上記各気筒2
1のそれぞれの吸気通路26dに対応する各スロットル
ボディ33の吸気通路33dに独立してスロットル弁3
5が設けられた、いわゆる独立スロットルであり、上記
バイパス通路33cは、上流側が吸気ボックス(サイレ
ンサー)36に接続されるとともに、下流側が各スロッ
トルボディ33の吸気通路33dにおけるスロットル弁
35よりも下流側の部分にそれぞれ接続されている。そ
して、バイパス通路53cの中間部には上記開閉弁63
が設けられ、この開閉弁63は、ステップモータ66の
駆動で開閉されるようになる。
【0047】さらにまた、上記シリンダブロック25に
は、冷却水ジャケットの冷却水の水温からエンジン温度
を検出するエンジン温度センサー64が設けられるとと
もに、上記クランク軸16には、エンジン6の回転数を
検出するエンジン回転数センサー65が設けられてい
る。
【0048】そして、上記艇体4内には、点火プラグ3
8の点火時期や、燃料噴射弁34の燃料噴射量や噴射時
期などのエンジン運転状態を制御するためのエンジンコ
ントロールユニット(ECU)59が設置されている。
【0049】このエンジンコントロールユニット59
は、CPU、タイマー、RAM、ROMなどの記憶部な
どが設けられたマイコンなどの制御装置であり、その入
力側には、上記O2センサー60、吸気負圧センサー6
1、吸気温度センサー67、スロットル開度センサー6
2、エンジン温度センサー64、エンジン回転数センサ
ー65などが接続されるとともに、その出力側には、点
火プラグ38の点火時期制御回路、燃料噴射弁34の燃
料噴射量・燃料噴射時期制御回路、開閉弁63の開閉制
御回路などが接続されている。
【0050】上記エンジンコントロールユニット59の
記憶部には、図9に示すように、吸気負圧センサー61
が検出する吸気負圧(Qm)およびエンジン回転数セン
サー65が検出するエンジン回転数(Cn)と燃料噴射
量(Bmn)との関係を示すD−j制御用3次元マップ
と、図10に示すように、スロットル開度センサー62
が検出するスロットル開度(Km)およびエンジン回転
数(Cn)と燃料噴射量(Amn)との関係を示すα−
N制御用3次元マップとが記憶されている。
【0051】そして、吸気負圧(Qm)およびエンジン
回転数(Cn)に基づいて、燃料噴射弁34からの燃料
噴射量(Bmn)を決定するD−j制御の際には、D−
j制御用3次元マップを参照するとともに、スロットル
開度(Km)およびエンジン回転数(Cn)に基づい
て、燃料噴射弁58からの燃料噴射量(Amn)を決定
するα−N制御の際には、α−N制御用3次元マップを
参照するようになる。
【0052】上記のように構成した水ジェット推進艇用
エンジン6において、エンジンコントロールユニット5
9による点火プラグ38、燃料噴射弁34、開閉弁63
の制御を説明する。
【0053】上記D−j制御またはα−N制御のいずれ
を行うかは、図8(a)のようにスロットル開度により
決定されており、D−j制御領域の上限値(本実施形態
では約12度)はD−j制御用設定値としてエンジンコ
ントロールユニット91の記憶部に記憶され、α−N制
御領域の下限値(本実施形態では約14度)はα−N制
御用設定値としてエンジンコントロールユニット91の
記憶部に記憶されている。
【0054】また、D−j制御領域とα−N制御領域と
の間は制御遷移領域となり、D−j制御とα−N制御と
の両者が混合して行われており、図8(a)に示すよう
に、その比率(以下、D−j・α−N比率という。)と
スロットル開度との関係はエンジンコントロールユニッ
ト59の記憶部に記憶されている。例えば、制御遷移領
域において、D−j制御が40%で、α−N制御が60
%の場合には、D−j制御用3次元マップで決定される
燃料噴射量(Bmn)×40%と、α−N制御用3次元
マップで決定される燃料噴射量(Amn)×60%とを
合算して、燃料噴射弁34から噴射される燃料噴射量が
決定される。
【0055】さらに、本実施形態では、船体の下部が水
中に没して、水を掻き分けながら航走する排水量航走状
態(トローリング)から、水面に対して船体が大きい傾
角の前上がり姿勢で航走する遷移航走状態へは、スロッ
トル開度で約17度、エンジン回転数で約6500rp
m、インペラ回転数で約4550rpmの時に移行し、
遷移航走状態から水面に対して船体が小さい傾角のほぼ
一定の前上がり姿勢で航走する完全滑走航走状態(プレ
ーニング)へは、スロットル開度で約23度、エンジン
回転数で約7500rpm、インペラ回転数で約525
0rpmの時に移行するようになっている。
【0056】(1)エンジン回転数によるD−j制御と
α−N制御の切り替え制御 上記D−j制御とα−N制御との切り替えは、上述した
D−j・α−N比率とスロットル開度との関係に代え
て、図8(a)に併記したように、エンジン回転数との
関係で切り替えるようにエンジンコントロールユニット
59の記憶部に記憶させておくことができる。
【0057】すなわち、D−j制御とα−N制御との切
り替えを、遷移航走状態から完全滑走航走状態になるス
ロットル開度又はエンジン回転数(例えば23度又は7
500rpm)以下のスロットル開度またはエンジン回
転数(例えば14度又は6250rpm)に設定するこ
とにより、操船フィーリングを悪化させることなく、ス
ロットル低開度(エンジン低回転)側とスロットル高開
度(エンジン高回転)側のいずれでも空燃比A/Fの精
度を良くすることができる。
【0058】(2)開閉弁開度の制御 上記エンジンコントロールユニット59の記憶部には、
開閉弁63を作動させるスロットル開度の上限値(本実
施形態では約12度)が開閉弁作動用設定値として記憶
されている。また、図8(b)に示すように、開閉弁6
3の開度とスロットル開度との関係が2次元マップで一
対一で対応するように記憶されている。なお、記憶され
ているスロットル開度の範囲は、開閉弁作動用設定値以
下の部分だけであり、開閉弁作動用設定値以上の部分
は、開閉弁63は非作動であるので記憶されていない。
この開閉弁開度は、対応するスロットル開度の状態時
に、急にスロットル弁35が全閉されても、エンジン6
の回転が極力不調とならないように決定されている。
【0059】上記開閉弁63は、図11に示すフローチ
ャートのようにエンジンコントロールユニット59で制
御される。
【0060】ステップS1で、スロットル開度センサー
62からスロットル開度をサンプリングし、ステップS
2で、このスロットル開度が記憶部に設定されている開
閉弁作動用設定値(約12度)よりも小か否かを判断
し、小の場合にはステップS3に進み、大または等しい
場合にはステップS6に進む。
【0061】ステップS3で、サンプリングしたスロッ
トル開度からスロットル開度と開閉弁開度との関係(図
8(b)の2次元マップ参照)に基づいて、開閉弁開度
の目標値を決定してステップS4に進む。
【0062】ステップS4で、開閉弁開度の目標値と開
閉弁開度の現在値とを比較し、差が無い場合にはステッ
プS1に戻り、差が有る場合にはステップS5に進む。
なお、エンジンコントロールユニット59は、ステップ
モータ66に出力した回転信号の今までの出力回数(す
なわち、正転の出力回数から反転の出力回数を減算した
回数)から、開閉弁開度の現在値が分かっている。
【0063】そして、ステップS5において、ステップ
モータ66を駆動して開閉弁63を回転させて目標値に
近づけてステップS1に戻る。
【0064】このようにして、開閉弁開度が、図8
(b)に示す関係を維持するように、スロットル開度に
追随して変化する。つまり、スロットル高開度側では開
閉弁開度が大きく、スロットル低開度側では開閉弁開度
が小さくなるように制御される。
【0065】一方、ステップS2で、スロットル開度が
開閉弁作動用設定値以上である場合にはステップS6に
進み、開閉弁63を作動させずに開閉弁開度を固定し
て、ステップS1に戻る。
【0066】そして、上記操舵ハンドル12のスロット
ルレバー12aを操作して、スロットル弁35の開度を
略閉じている状態から漸次増加すると、エンジン回転数
も増大する。また、開閉弁開度もスロットル開度が開閉
弁作動用設定値未満ではスロットル開度に追随して大き
くなる。さらに、スロットル開度が開閉弁作動用設定値
以上になると、開閉弁開度は不動となって略固定されて
いる。
【0067】ついで、急にスロットル弁35を閉じる
と、開閉弁63も閉方向に変化するが、ステップモータ
66で回転される開閉弁63は応答特性が悪いことか
ら、スロットル弁35の変化に遅れながら追随して閉方
向に変化する。
【0068】このように、急にスロットル弁35を閉じ
ると、ダッシュポッド制御が始まり、従来技術では開閉
弁63が閉まっている状態から開くようになっていると
ころ、本実施形態では開閉弁63はすでに開いており、
この開いた状態から漸次閉まることになるから、エンジ
ン6には必要な空気量が供給されるので、エンジンスト
ールや不調になることを極力防止することができる。
【0069】また、水ジェット推進艇1のエンジン6で
は、開閉弁63に塩付きが発生することがあるが、本実
施形態では、開閉弁63をステップモータ66で回転さ
せているから、ソレノイドで回転させるような場合に比
して駆動力が大きいので、塩付きが発生してもステップ
モータ66の大きな駆動力で開閉弁63を回転させるこ
とができる。
【0070】さらに、本実施形態では、図8(a)に示
した遷移領域およびα−N制御領域のスロットル開度
は、開閉弁作動用設定値(約12度)以上となってお
り、開閉弁開度は固定されている。そのため、遷移領域
およびα−N制御領域において、開閉弁開度の変動で空
燃比A/Fが所望の値からずれて、エンジン6が不調に
なったり、エンジン運転状態の変動により操船フィーリ
ングが悪化することを防止することができる。
【0071】(3)エンジン運転状態の検出不良時の警
告制御 上記エンジンコントロールユニット59の記憶部には、
スロットル弁35の低開度側では吸気負圧とエンジン回
転数とで燃料噴射量を決定するD−j制御されるととも
に、スロットル弁35の高開度側ではスロットル開度と
エンジン回転数とで燃料噴射量を決定するα−N制御さ
れるように切り替えられるように記憶されている。
【0072】また、吸気負圧センサー61による吸気負
圧の検出不良ではα−N制御単独に切り替え、スロット
ル開度センサー62によるスロットル開度の検出不良で
はD−j制御単独に切り替えるようになっている。そし
て、D−j制御領域とα−N制御領域との間の遷移領域
からD−j制御単独またはα−N制御単独に切り替えら
れたときに、エンジン回転数を低下させるもののエンジ
ン6を停止させないで運転を続けるように記憶されてい
る。
【0073】上記吸気負圧センサー61またはスロット
ル開度センサー62の検出不良時は、図12に示すフロ
ーチャートのようにエンジンコントロールユニット59
で制御される。
【0074】ステップS11で、スロットル開度センサ
ー62が故障か否かの判断を行い、作動不良(YES)
のときは、ステップS12で、D−j制御単独となるよ
うに切り替えて、ステップS13で、複数気筒のうちの
いずれかの気筒の点火または/および燃料噴射の休止を
行うと、エンジン回転数が低下することにより警告され
るようになる。この警告により停泊場所に引き返して、
ステップS14で操船者がエンジン6を停止すると制御
が終了する。
【0075】ステップS11でスロットル開度センサー
62が作動不良でない場合には、ステップS15へ移行
し、吸負圧センサー61が故障か否かの判断を行い、作
動不良でない(NO)ときはステップS11に戻る。吸
気圧センサー44が作動不良(YES)のときは、ステ
ップS12で、α−N制御単独となるように切り替え
て、ステップS13で、複数気筒のうちのいずれかの気
筒の点火または/および燃料噴射の休止を行うと、エン
ジン回転数が低下することにより警告されるようにな
る。この警告により停泊場所に引き返して、ステップS
14で操船者がエンジン6を停止すると制御が終了す
る。
【0076】このように、エンジン6の運転状態の検出
不良でエンジン6の回転数を低下させる警告を行なっ
て、エンジン6を停止することなく、エンジン6を保護
するとともに、操船者に知らせることができる。特に、
複数気筒のうちのいずれかの気筒の点火または/および
燃料噴射の休止を行ってエンジン回転数を低下させるよ
にすると、エンジン運転状態の変動による操船フィーリ
ングを悪化させることなく、操船者に知らせることがで
きる。
【0077】一方、例えばエンジン温度センサー64が
作動不良等で正常な情報が得られない場合には、吸気温
度センサー67からの吸気温度情報で代用する制御を行
うことができる。このような場合でも、エンジン6の運
転状態の検出不良でエンジン6の回転数を低下させる警
告を行なって、エンジン6を停止することなく、エンジ
ン6を保護するとともに、操船者に知らせることができ
る。
【0078】また、例えば吸気負圧センサー61のホー
スが外れたようなときは、吸気負圧が大気圧となるため
に、α−N制御単独に切り替えることにより、エンジン
6の回転数を低下させる警告を行なって、エンジン6を
停止することなく、エンジン6を保護するとともに、操
船者に知らせることができる。
【0079】さらに、例えばバッテリー電圧が一定電圧
以下でエンジン回転数が一定以上のときには、バッテリ
ーの負荷が大きすぎるか、充電系の異常なので、このよ
うなときにも、D−j制御単独またはα−N制御単独に
切り替えることにより、エンジン6の回転数を低下させ
る警告を行なって、エンジン6を停止することなく、エ
ンジン6を保護するとともに、操船者に知らせることが
できる。
【0080】(4)燃料ポンプ47の電動モータ49の
デューティ比制御 水ジェット推進艇1のエンジン6は、制約されたスペー
ス(エンジンルーム5)に配置されて、大掛かりな冷却
装置を設けることが困難であるために、エンジン6の雰
囲気温度が高くて燃料中に気泡が発生しやすくなり、こ
の気泡が燃料噴射弁34に流入すると燃料供給にばらつ
きが生じるため、燃料噴射弁34に流入せずに残った余
剰の燃料を燃料タンク7に戻すようにしているが、燃料
ポンプ47が電動モータ49で駆動され、かつエンジン
6の近傍に設けられている場合には、燃料ポンプ47お
よび電動モータ49の発熱により燃料の温度が上昇して
配管内で気泡が発生してしまうという問題がある。
【0081】特に、燃料ポンプ47は高回転時の燃料噴
射量に合わせて燃料を供給しているため、低回転時には
燃料タンク7に戻る余剰の燃料が多くなり、ますます燃
料の温度が上昇してしまうために、低回転時には燃料ポ
ンプ47の駆動回路内で電流を下げる回路に切り替える
方式も考えられるが、抵抗や制御回路の増設によりコス
トアップになる。
【0082】そこで、上記エンジン6の近傍に設けられ
た電動モータ49で駆動される燃料ポンプ47により、
燃料がエンジン6の燃料噴射弁34に供給されるものに
おいて、上記エンジンコントロールユニット59によ
り、燃料噴射弁34の噴射量に応じて電動モータ49を
デューティ比制御することにより、低コストで燃料温度
の上昇を防止することができる。この場合、燃料ポンプ
47の吐出量が燃料噴射量に所定値を加算して設定され
るようにするのが好ましい。
【0083】図13(a)のフローチャートに示すよう
に、ステップS21で、エンジン回転数センサー65か
らエンジン回転数を読み取り、ステップS22で、負荷
(吸気負圧センサー61の吸気負圧またはスロットル開
度センサー62のスロットル開度)を読み取り、ステッ
プS21と22でのエンジン回転数および負荷に基づい
て、ステップS23で、図13(b)に示されたマップ
により燃料噴射量Tmn(msec)を計算する。つい
で、ステップS24で、図13(c)に示されたマップ
により、計算された燃料噴射量Tmnに所定値αを加算
してポンプ吐出量を求め、このポンプ吐出量に基づいて
燃料ポンプ47の電動モータ49のデューティ比を計算
し、ステップS25で、この計算されたデューティ比を
電動モータ49に出力する。
【0084】このように、燃料噴射弁34の噴射量に応
じて電動モータ49をデューティ比制御することによ
り、抵抗や制御回路を増設することなく低コストで燃料
温度の上昇を防止することができる。特に4サイクルの
エンジン6の場合、エンジン6にオイルを潤滑させてい
るため、エンジン温度すなわち燃料温度が上昇しやすい
ので、より効果的に燃料温度の上昇を防止することがで
きる。
【0085】上記デューティ比は、単位周期に対する通
電時間の割合であり、ポンプ吐出量に比例してデューテ
ィ比を増大させるようにしている。なお、燃料噴射量T
mnに所定値αを加算する理由は、燃料噴射圧力を調整
する圧力調整弁68に常時燃料を供給し、燃料噴射圧力
の変動を防止するためである。
【0086】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の請求項1は、通常よく使用され、高い操船フィーリ
ングが要求される完全滑走航走状態(プレーニング)と
なる前に、D−j制御とα−N制御を切り替えるように
したから、操船フィーリングを悪化させることなく、ス
ロットル低開度(エンジン低回転)側とスロットル高開
度(エンジン高回転)側のいずれでも空燃比A/Fの精
度を良くすることができる。
【0087】請求項2は、開閉弁による空気量の増加分
が検出できないα−N制御のときに、開閉弁による空気
量の変動の影響が顕著に現れるD−j制御領域に近い側
では、開閉弁を略固定しているから、開閉弁の開度の変
動で空燃比A/Fの精度が悪くなって、エンジンが不調
になることを極力防止することができる。
【0088】請求項3は、D−j制御領域とα−N制御
領域との間の遷移領域で、開閉弁の開度を略固定してい
るから、開閉弁の開度の変更でD−j制御による燃料噴
射量とα−N制御による燃料噴射量とに差が生じること
を防止することができるので、エンジン運転状態の変動
により操船フィーリングが悪化することを極力防止する
ことができる。
【0089】請求項4は、D−j制御領域とα−N制御
領域の併用の燃料噴射からD−j制御単独またはα−N
制御単独に切り替えたときに、エンジン回転数を低下さ
せることで警告するから、エンジンを停止することな
く、エンジンを保護するとともに、操船者に知らせるこ
とができる。
【0090】請求項5は、エンジン回転数を低下させる
制御は、複数気筒のうちのいずれかの気筒の点火または
/および燃料噴射の休止である構成としたことにより、
エンジン運転状態の変動による操船フィーリングを悪化
させることなく、操船者に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水ジェット推進艇の側面図であ
る。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 エンジンを右斜め前方から見た斜視図であ
る。
【図4】 エンジンを左斜め前方から見た斜視図であ
る。
【図5】 エンジンの要部破断後面図である。
【図6】 エンジンとエンジンコントロールユニット
とのシステム図である。
【図7】 吸気管と開閉弁の配置の模式図である。
【図8】 スロットル開度に関し、(a)はD−j制
御による燃料噴射量の比率およびα−N制御による燃料
噴射量の比率の変化を示すグラフ、(b)は開閉弁の開
度の変化を示すグラフである。
【図9】 D−j制御による燃料噴射量の3次元マッ
プである。
【図10】 α−N制御による燃料噴射量の3次元マッ
プである。
【図11】 開閉弁開度の制御のフローチャートであ
る。
【図12】 エンジン運転状態の検出不良時の警告制御
のフローチャートである。
【図13】 燃料ポンプの電動モータのデューティ比制
御に関し、(a)はフローチャート、(b)は燃料噴射
量計算のマップ、(c)はデューティ比計算のマップで
ある。
【符号の説明】
1 水ジェット推進艇 6 エンジン 7 燃料タンク 8 ジェット推進機 33 スロットルボディ 33c バイパス通路 34 燃焼噴射弁 35 スロットル弁 38 点火プラグ 47 燃料ポンプ 49 電動モータ 59 エンジンコントロールユニット 61 吸気負圧センサー 62 スロットル開度センサー 63 開閉弁 64 エンジン温度センサー 65 エンジン回転数センサー 67 吸気温度センサー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 305 F02D 45/00 305A 366 366E Fターム(参考) 3G084 AA08 BA03 BA04 BA05 BA06 BA13 CA09 DA01 DA03 DA04 DA11 DA12 DA15 EA02 EA03 EB05 EB06 EB08 EB09 EB12 EB13 EC01 FA07 FA10 FA11 FA33 3G093 AA19 BA02 BA14 BA15 BA18 CA09 CA10 CA11 CB15 DA01 DA03 DA06 DA09 DB29 EA05 FA03 3G301 HA01 HA26 JA03 JA04 JA13 JA20 KA23 KA24 KA25 LB01 LB02 MA06 MA11 MA13 MA14 NB11 NB20 NC02 NC04 ND02 PA01Z PA07Z PA11Z PA15Z PB03Z PE01Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各気筒の吸気通路に各々スロットル弁が
    設けられ、燃料室に点火プラグが設けられ、上記燃料室
    に上記吸気通路のスロットル弁を介して空気が導入さ
    れ、このスロットル弁より下流に燃料噴射弁が設けられ
    たエンジンでジェット推進機が駆動される水ジェット推
    進艇のエンジン制御装置において、 上記制御装置は、スロットル弁の低開度側またはエンジ
    ン回転数の低回転側では吸気通路の吸気負圧とエンジン
    回転数とで燃料噴射量を決定するD−j制御するととも
    に、スロットル弁の高開度側またはエンジン回転数の高
    回転側ではスロットル開度とエンジン回転数とで燃料噴
    射量を決定するα−N制御し、 遷移航走状態から完全滑走航走状態になるスロットル開
    度又はエンジン回転数以下のスロットル開度又はエンジ
    ン回転数で上記D−j制御とα−N制御とを切り替える
    ことを特徴とする水ジェット推進艇のエンジン制御装
    置。
  2. 【請求項2】 上記吸気通路に、スロットル弁をバイパ
    スするバイパス通路とこのバイパス通路を開閉する開閉
    弁とが設けられて、上記制御装置は、α−N制御領域に
    おけるD−j制御領域に近い側で、開閉弁の開度を略固
    定するように制御する請求項1記載の水ジェット推進艇
    のエンジン制御装置。
  3. 【請求項3】 上記吸気通路に、スロットル弁をバイパ
    スするバイパス通路とこのバイパス通路を開閉する開閉
    弁とが設けられて、上記制御装置は、D−j制御領域と
    α−N制御領域との間の遷移領域で、開閉弁の開度を略
    固定するように制御する請求項1又は請求項2記載の水
    ジェット推進艇のエンジン制御装置。
  4. 【請求項4】 上記制御装置は、吸気負圧の検出不良時
    にα−N制御単独に切り替え、スロットル開度の検出不
    良時にD−j制御単独に切り替えるとともに、上記D−
    j制御領域とα−N制御領域の併用制御からD−j制御
    単独又はα−N制御単独に切り替えたときに、エンジン
    回転数を低下させることで警告する請求項1〜請求項3
    のいずれかに記載の水ジェット推進艇のエンジン制御装
    置。
  5. 【請求項5】 上記エンジン回転数を低下させる制御
    は、複数気筒のうちのいずれかの気筒の点火または/お
    よび燃料噴射の休止である請求項4記載の水ジェット推
    進艇のエンジン制御装置。
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