JP2002315674A - 穀類炊き上げ方法及び穀類炊き上げ装置 - Google Patents

穀類炊き上げ方法及び穀類炊き上げ装置

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JP2002315674A
JP2002315674A JP2001125352A JP2001125352A JP2002315674A JP 2002315674 A JP2002315674 A JP 2002315674A JP 2001125352 A JP2001125352 A JP 2001125352A JP 2001125352 A JP2001125352 A JP 2001125352A JP 2002315674 A JP2002315674 A JP 2002315674A
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hot water
superheated steam
container
pressurized hot
rice
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Taizo Kawamura
泰三 川村
Yoshitaka Uchibori
義隆 内堀
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Seta Giken KK
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Seta Giken KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炊き上げ時間の短縮と、穀類の炊き上げ物性
を向上させる穀類炊き上げ方法及び穀類炊き上げ装置を
提供する。 【解決手段】 米・豆等の穀類が収容される容器11内
を所定圧力に調整し、前記容器11内の上方から高温加
圧熱水を供給しながら、前記容器11内の下方から過熱
水蒸気を供給し、前記穀類に供給される高温加圧熱水を
過熱水蒸気で対向させながら炊きあげる。そのため、米
・豆等の穀類が収容される容器11と、この容器11内
の圧力を大気圧以上に調整する圧力調整部13と、高温
加圧熱水を前記容器に供給する高温加圧熱水発生部3
と、前記容器11内の上方に設けられ、前記高温加圧熱
水を前記米・豆等の穀類の上方のほぼ全面に散水する散
水手段14と、過熱水蒸気水を前記容器に供給する過熱
水蒸気発生部4と、前記容器11内の下方に設けられ、
前記過熱水蒸気を前記米・豆等の穀類の下方のほぼ全面
から通過させる分散手段12を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気圧を超える圧
力環境において、米・豆のような粒状穀物を高温加圧熱
水及び加熱水蒸気を用いて炊き上げる穀類炊き上げ方法
及び穀類炊き上げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば米の炊き上げは、容器の中に水と
米を入れ、米澱粉が完全に糊化するまで常圧下で水を沸
騰させて20分以上加熱する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
炊き上げ方法では、100℃までの昇温期、蒸らし期を
含めると40分以上の加熱時間を要するため、炊き上げ
時間の短縮が要請されている。また、100℃で炊飯さ
れた米飯の物性上の賞味限界は、通常、20℃で炊飯後
24〜30時間であり、これが10℃になると、6〜8
時間と急速に老化速度を増すため、米飯のチルド流通は
実際上困難という問題点があった。
【0004】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、炊き上げ時間の短
縮と、穀類の炊き上げ物性を向上させる穀類炊き上げ方
法及び穀類炊き上げ装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
米・豆等の穀類が収容される容器内を所定圧力に調整
し、前記容器内の上方から高温加圧熱水を供給しなが
ら、前記容器内の下方から過熱水蒸気を供給し、前記穀
類に供給される高温加圧熱水を過熱水蒸気で対向させな
がら炊きあげることを特徴とする穀類炊き上げ方法であ
る。この構成によると、高温加圧熱水を穀類に上方から
供給するとともに、穀類の下方から過熱水蒸気を供給す
ることにより、熱効率の高い高温加圧熱水を穀類に均等
に作用させることができ、伝熱速度が上昇し、各粒が大
きく膨れるとともに、炊き上げ時間が短縮される。ま
た、100℃以上の高温加圧熱水で米を均等に急速に炊
き上げるため、耐熱菌の滅菌が可能となり、穀類の老化
を遅延させることができる。穀類の動きが最小限に抑え
られ、粒形状が揃い、光沢感が増す。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、前記容器からの間欠的な水蒸気の吹き出しにより、
前記過熱水蒸気により前記穀類を攪拌することを特徴と
する。この構成によると、穀類が過熱水蒸気で時々攪拌
されるため、高温加圧熱水がより均等に穀類に作用す
る。また、穀類に時々過熱水蒸気を作用させて、穀類を
均一に加熱する。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
おいて、前記過熱蒸気の温度は、前記高温加圧熱水の温
度より高く設定されていることを特徴とする。この構成
によると、高温加圧熱水に過熱蒸気からの熱が連続的に
供給され、所定の高温加熱を維持することができる。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかにおいて、前記過熱水蒸気の供給を、前記高温加
圧熱水の供給より先行させることを特徴とする。この構
成によると、高エネルギーの過熱水蒸気の供給を先行さ
せることにより、加熱が促進される。
【0009】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれかにおいて、前記高温加圧熱水及び前記過熱水蒸気
は、電磁誘導加熱により加熱されたものであることを特
徴とする。この構成によると、電磁誘導加熱により、正
確に温度制御され、均等に加熱された良好な特性を有す
る前記高温加圧熱水及び前記過熱水蒸気を供給できる。
【0010】請求項6記載の発明は、米・豆等の穀類が
収容される容器と、この容器内の圧力を大気圧以上に調
整する圧力調整部と、高温加圧熱水を前記容器に供給す
る高温加圧熱水発生部と、前記容器内の上方に設けら
れ、前記高温加圧熱水を前記米・豆等の穀類の上方のほ
ぼ全面に散水する散水手段と、過熱水蒸気水を前記容器
に供給する過熱水蒸気発生部と、前記容器内の下方に設
けられ、前記過熱水蒸気を前記米・豆等の穀類の下方の
ほぼ全面から通過させる分散手段と、を備えることを特
徴とする穀類炊き上げ装置である。この構成によると、
高温加圧熱水を穀類に上方から供給するとともに、穀類
の下方から過熱水蒸気を供給することで、熱効率の高い
高温加圧熱水を穀類に均等に作用させることができ、伝
熱速度が上昇し、各粒が大きく膨れるとともに、炊き上
げ時間が短縮される。また、100℃以上の高温加圧熱
水で米を均等に急速に炊き上げるため、耐熱菌の滅菌が
可能となり、穀類の老化を遅延させることができる。穀
類の動きが最小限に抑えられ、粒形状が揃い、光沢感が
増す。
【0011】請求項7記載の発明は、請求項6におい
て、前記分散手段は、米・豆等の穀類が支持可能な程度
の多数の開口を有する底部と、この底部の周囲にほぼ垂
直に立設される隔壁とからなることを特徴とする。この
構成によると、穀類の層の上方と下方から均等に高温加
圧熱水と過熱水蒸気が作用する。
【0012】請求項8記載の発明は、請求項6または7
において、前記高温加圧熱水は電磁誘導加熱手段により
加熱され、前記過熱水蒸気は電磁誘導加熱手段により加
熱されることを特徴とする。この構成によると、電磁誘
導加熱により、正確に温度制御され、均等に加熱された
良好な特性を有する前記高温加圧熱水及び前記過熱水蒸
気を供給できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。図1は本発明の穀類炊き上げ装置
の機器構成図である。図1に示すように、炊き上げ装置
1は、炊き上げ部2と、高温加圧熱水発生部3と、過熱
水蒸気発生部4とを有する構成である。
【0014】炊き上げ部2は、容器11と、内容器(分
散手段)12と、調圧弁13と、容器11の上方の散水
ノズル(散水手段)14と、容器11の下方の放出ノズ
ル15と、容器11の最下方のドレン部16とを備えて
なる。
【0015】容器11は、釜状の本体11aと、本体1
1aに対して上方で開閉自在な蓋11bとからなり、ボ
ルト11cで締結することにより、容器11の内部を圧
力空間として維持できる圧力容器になっている。内容器
12は、米・豆等の穀類Rが支持可能な程度の多数の開
口を有する網状の底部12aと、底部12aの周囲の円
筒状の隔壁12bとからなる。隔壁12bの上端は、容
器11の突起11dに引っ掛かる様に曲げられている。
調圧弁13は、所定圧力で内部の流体を吹き出して、容
器11内を所定の圧力に維持するリリーフ弁であって、
前記所定圧力が可変になっているものである。
【0016】散水ノズル(散水手段)14は、内容器1
2内の穀類Rの上面のほぼ全体に散水できるように、容
器11の蓋11bに取り付けられている。この散水ノズ
ル14は、一つに限らず、複数設け、穀類Rのほぼ全面
に散水できるものであれば良い。放出ノズル15は、容
器11の本体11aの下方に取り付けられ、内容器12
の底部12aの全体から過熱水蒸気を吹き上げるように
機能する。ドレン部16は、容器11の最下方に溜まっ
たドレイを排出するためのものであり、開閉自在なバル
ブ16aを有する。
【0017】尚、炊き上げ部2の容器11の周囲には、
電気ヒーター等の補助加熱装置や、断熱材が適宜設けら
れており、外部への放熱を最小限に止める構成になって
いる。
【0018】高温加圧熱水発生装置3は、タンク21
と、給水ポンプ22と、リリーフ弁23と、電磁誘導加
熱装置24と、3方バルブ25とを有しており、高温加
圧熱水を発生させるようになっている。この高温加圧熱
水発生装置3は、1.013×105 〜5.065×1
5 Pa(1〜5気圧)の圧力下での飽和温度に至る迄
の、好ましくは115〜140℃、より好ましくは12
0〜125℃の高温加圧熱水を製造するものである。
【0019】タンク21は、給水ポンプ22を介して電
磁誘導加熱装置24に接続されており、被加熱物である
水を蓄積するようになっている。このタンク21には、
水位センサー21aが設けられており、タンク13内の
水位を検知するようになっている。また、タンク21の
上流側には、給水源26が接続されている。給水源26
からは、図示されない水位センサー21aの検知信号に
基づいてバルブ21b開くと、タンク21内に給水する
ようになっている。
【0020】給水ポンプ22は、タンク21の下流側に
バルブ22aを介して設けられており、タンク21内の
水を給水することにより、1.013×105 〜5.0
65×105 Pa(1〜5気圧)の所定の水圧をかける
ようになっている。これにより、電磁誘導加熱装置24
に、所定量の加圧水が供給されるようになる。また、タ
ンク21、給水ポンプ22は、リリーフ弁23を介して
ループ状に接続されており、リリーフ弁23から出た加
圧水がタンク21に戻るようになっている。
【0021】リリーフ弁23は、給水ポンプ22の下流
側に接続されており、給水ポンプ22の給水による水が
所定圧力以上に加圧されると、加圧水をタンク21に逃
がして、給水ポンプ22からの水を1.013×105
〜5.065×105 Pa(1〜5気圧)の所定の水圧
を保つようになっている。また、リリーフ弁23の下流
側には、圧力検出器23aが接続されており、給水ポン
プ22からの水圧を検出するようになっている。
【0022】電磁誘導加熱装置24は、チェックバルブ
24aを介して給水ポンプ22の下流側に接続されてい
る。このチェックバルブ24aは、電磁誘導加熱装置2
4により加熱された加圧熱水がリリーフ弁23を介して
タンク21に流れ込まないように給水ポンプ22及びリ
リーフ弁23の下流側に設けられている。
【0023】電磁誘導加熱装置24の先には、温度セン
サー24bが設けられている。温度センサー24bは、
電磁誘導加熱装置24の図示されない高周波電源に接続
されており、高温加圧熱水の温度を検出するようになっ
ている。
【0024】3方バルブ25は、高温加圧熱水の進路を
タンク21側又は容器11側に切り換えるバルブであ
り、電磁誘導加熱装置24の下流側に接続されている。
また、3方バルブ25は、タンク21、給水ポンプ2
2、電磁誘導加熱装置24とループ状に接続されてお
り、タンク21側に切り換えると電磁誘導加熱装置24
から出た高温加圧熱水をタンク21に戻し、容器11側
に切り換えると、所望のタイミングで炊き上げ部2に高
温加圧熱水を供給するようになっている。この3方バル
ブ25とタンク21の間には、図示されない絞り弁が設
けられている。この絞り弁は、散水ノズル11と同様
に、給水ポンプ22により給水された水が給水ポンプ2
2と絞り弁との間で1.013×105 〜5.065×
105 Pa(1〜5気圧)の所定の圧力に加圧されるよ
うに、所定の開度に絞られている。これにより、3方バ
ルブ25をタンク21側又は散水ノズル14側のいずれ
の方に切り換えても、給水ポンプ22の下流側では、加
圧水は1.013×105 〜5.065×105 Pa
(1〜5気圧)の所定の圧力に加圧される。なお、電磁
誘導加熱装置24の下流側が所定の圧力以上になると、
熱水をタンク21へ逃がす安全弁を設け、この安全弁か
らの熱水をタンク21に戻す通路が適宜設けられてい
る。
【0025】過熱水蒸気発生装置4は、ボイラ27と、
電磁誘導加熱装置28と、バルブ29とを有しており、
1.013×105 〜5.065×105 Pa(1〜5
気圧)の所定の圧力下での過熱水蒸気を発生させるよう
になっている。この過熱水蒸気発生装置4は、1.01
3×105 〜5.065×105 Pa(1〜5気圧)の
圧力下での飽和温度を超える過熱水蒸気、好ましくは1
15〜140℃、より好ましくは120〜150℃の過
熱水蒸気を製造するものである。この過熱水蒸気の温度
は、前記高温加圧熱水の温度より高く、好ましくは5〜
25℃より高くなっている。
【0026】ボイラ27は、給水源26からの所定の圧
力の水をその圧力での飽和水蒸気以上に加熱するもので
あり、電磁誘導加熱式に限らず、種々のものが用いられ
る。また、給水源26を分離し、所定圧力の飽和水蒸気
以上を独立して生成するものであってもよい。
【0027】電磁誘導加熱装置28は、チェックバルブ
28aを介してボイラ27の下流側に接続されている。
このチェックバルブ28aは、電磁誘導加熱装置28に
より加熱された過熱水蒸気が逆流しないようにボイラ2
7の下流側に設けられている。この電磁誘導加熱装置2
8の先の容器11には、温度センサー28bが設けられ
ている。温度センサー28bは、電磁誘導加熱装置28
の図示されない高周波電源に接続されており、容器11
内に投入される過熱水蒸気の温度を検出するようになっ
ている。
【0028】つぎに、電磁誘導過熱装置24及び電磁誘
導過熱装置28の構造を以下に説明する。パイプ部材1
11内に、積層構造体112を収納し、パイプ部材11
1に励磁コイル113を巻回して構成されている。
【0029】パイプ部材111は耐熱性、耐蝕性及び耐
圧性に優れたセラミック等の非磁性材料によりパイプ状
に形成されたものである。パイプ部材111内に収納さ
れた積層構造体112は、前記励磁コイル113により
発生する磁界変化により発熱する金属等の導電性材料に
より多数の小通路を形成したものである。
【0030】図3及び図4は、電磁誘導過熱装置24及
び電磁誘導過熱装置28において用いられる積層体構造
体112を示す。図3の如くジグザグの山型に折り曲げ
られた第1金属板531と平たい第2金属板532とを
交互に積層し、全体として円筒状の積層体に形成したも
のである。この第1金属板531や第2金属板532の
材質としては、SUS447J1の如きマルテンサイト
系ステンレスが用いられる。
【0031】図3に示されるように、第1金属板531
の山(又は谷)533は中心軸534に対して角度αだ
け傾くように配設され、第2金属板532を挟んで隣り
合う第1金属板531の山(又は谷)533は交差する
ように配設されている。そして、隣り合う第1金属板5
31における山(又は谷)533の交差点において、第
1金属板531と第2金属板532がスポット溶接で溶
着され、電気的に導通可能に接合されている。
【0032】結局、手前側の第1金属板531と第2金
属板532との間には、角度αだけ傾いた第1小流路5
35が形成され、第2金属板532と奥側の第1金属板
531との間には、角度−αだけ傾いた第2小流路53
6が形成され、この第1小流路535と第2小流路53
6は角度2×αで交差している。また、第1金属板53
1や第2金属板532の表面には、流体の乱流を生じさ
せるための第3小流路としての孔537が設けられてい
る。さらに、第1金属板531や第2金属板532の表
面は平滑ではなく、梨地加工又はエンボス加工によって
微小な凹凸538が施されている。この凹凸538は山
(又は谷)533の高さに比較して無視できる程度に小
さい。
【0033】励磁コイル113に高周波電流を流して、
積層構造体112に高周波磁界を作用させると、第1金
属板531と第2金属板532の全体に渦電流が生じ、
積層構造体112が発熱する。このときの温度分布は、
第1金属板531と第2金属板532の長手方向に延び
た目玉型となり、周辺部より中心部の方が発熱し、中央
部を流れようとする水又は水蒸気の加熱に有利になって
いる。
【0034】また、図4のように、積層構造体112内
には交差する第1小流路535と第2小流路536が形
成され、周辺と中央との拡散が行われ、加えて第3小通
路を形成する孔537の存在によって、第1小流路53
5と第2小流路536間の厚み方向の拡散も行われる。
したがって、これらの小流路535,536,537に
よって積層構造体112の全体にわたる水又は水蒸気の
マクロ的な分散、放散、揮散が生じる。加えて、表面の
微小な凹凸538によってミクロ的な拡散、放散、揮散
も生じる。その結果、積層構造体112を通過する水又
は水蒸気は略均一な流れになって、第1金属板531及
び第2金属板532と流体との均一な接触機会が得られ
る。その結果水又は水蒸気の均一な加熱が確保される。
【0035】ところで、金属板531,532の厚みが
30ミクロン以上1mm以下であり、高周波電流発生器
による高周波電流の周波数が15〜150KHzの範囲
にあるものが好ましい。金属板の厚みが30ミクロン以
上1mm以下であると、電力が入り易く、又伝熱面積を
大きくとるための波形等の加工による小流路の確保が容
易になる。また、使用する周波数が15KHz〜150
KHzの範囲であると、励磁コイルの銅損や、スイッチ
ング素子の損失を防止できる。特に、損失が少ない周波
数帯としては、20〜70KHzである。また、積層構
造体112の1立方センチメートル当たりの伝熱面積
が、2.5平方センチメートル以上であるものが好まし
い。積層構造体112の1立方センチメートル当たりの
表面積が2.5平方センチメートル以上、より好ましく
は5平方センチメートル以上になるように金属板を積層
すると、熱交換の効率を上げることができる。また、積
層構造体112の表面積1平方センチメートル当たりで
加熱すべき流体量が、0.4立方センチメートル以下で
あるものが好ましい。積層構造体12の表面積1平方セ
ンチメートル当たりの流体量を0.4立方センチメート
ル以下、より好ましくは0.1立方センチメートル以下
にすると、流体に対する伝熱の急速応答性が得られる。
【0036】上述した構造の積層構造体による加熱にお
いては、電気エネルギーから熱エネルギーへの変換効率
が極めて高いことが確認されている。例えば、100m
m径、長さ200mm、表面積2.2〜6.2m2の積
層構造体112を用いた場合、流体の膜厚(1cm3当
たりの水膜量)が0.5〜0.2mmと極めて薄膜状で
あり、積層構造体112を構成する金属板531、53
2も薄いため、温度差も極めて小さく、熱伝達を素早く
促進できる。したがって、電磁誘導加熱装置24,28
がコンパクトであっても、大量の加熱加圧熱水又は過熱
水蒸気を発生させることが可能になる。また、積層構造
体には高電流が複雑に流れるとともに、磁力線も複雑に
通っている。この状態の積層構造体の広大な面積に過熱
水蒸気が触れることで熱交換されるため、純粋なる過熱
水蒸気ではなく、イオン化又は磁化され、食品に対する
活性力が高まった加熱加圧熱水又は過熱水蒸気になって
いると想定される。
【0037】次に、上記実施形態における炊き上げ装置
1を用いた米の炊飯方法を図1及び図2に基づいて説明
する。
【0038】図1において、容器11の蓋11bを外し
て、米・豆等の穀類を入れた内容器12を容器11内に
セットする。なお、この内容器12に入れる米・豆等の
穀類は予め一晩位浸漬しておくことが好ましい。また、
内容器12に入れた米・豆等の穀類を電子レンジ等でα
化が進む直前の温度例えば50℃位まで予熱してことが
好ましい。内容器12を入れると、蓋11bを閉め、容
器11内を圧力容器の状態にする。
【0039】図2(a)の様に、まず、容器11内に、
放出ノズル15を経て過熱水蒸気を導入する。この過熱
水蒸気は、1.013×105 〜5.065×105
a(1〜5気圧)の所望の圧力に加圧され、この圧力下
での過熱水蒸気となっている。内容器12内の穀類R
は、その全体が蒸し上げられて加熱される。
【0040】図2(b)の様に、容器11内が、所定圧
力下での飽和水蒸気の温度近くまで加熱されると、散水
ノズル14から、1.013×105 〜5.065×1
5Pa(1〜5気圧)の所望の圧力に加圧され、この
圧力下での飽和温度直前まで加熱された高温加圧熱水が
内容器12内の穀類Rの上面の全面に散水される。
【0041】このとき、散水される高温加圧熱水の量
は、下方からの滴下の程度が僅かになる程度に絞られ
る。散水される高温加圧熱水は上から供給され、過熱水
蒸気は下から供給されるため、穀類Rに対する高温加圧
熱水は、下方の滴下が阻止され、穀類Rに止まる。その
ため、穀類Rに高温加圧熱水が急速に作用し、迅速な吸
水と高温加熱による炊き上げが穀類Rの全体に対して略
均一に行われる。高温加圧熱水には、より高温の過熱水
蒸気から熱が補給されるため、高温加圧熱水の炊き上げ
作用が維持される。
【0042】次に、図2(c)の様に、調圧部13から
容器11内の蒸気を間欠的に吹き出せる。この吹き出し
は容器11内部の加熱が進むことにより、昇圧と吹き出
しによる降圧が繰り返されるという調圧部13の圧力調
整により行われる。調圧部13からの吹き出しが行われ
ると、過熱水蒸気の穀類Rの通過量が急増し、穀類Rは
攪拌されるとともに穀類Rに過熱水蒸気が作用し、穀類
Rに対する高温加圧熱水と過熱水蒸気による炊き上げが
穀類Rの全体に均一に行われる。
【0043】穀類Rの炊き上げが終わると、図2(d)
の様に、最初に、高温加圧熱水の供給を止め、次に、過
熱水蒸気の供給を止め、蒸らしを行う。そして、ドレン
弁16aを開いて、容器11の内部を大気圧に徐々に戻
し、炊き上げを完了する。なお、穀類Rとして、代表的
なものはお米であるが、そば、麦、大豆等も含み、粒状
の状態で炊き上げる穀類であれば、種々のものが適用で
きる。
【0044】尚、連続式の炊飯装置41の例として、米
の入った網底容器が上から下へと垂直移動する縦型構造
であるが、これに限るものではなく、横型構造のコンベ
ア式連続炊飯装置であってもよい。この横型構造の連続
炊飯装置は、蒸しを行う第1チャンバと、熱水蒸煮を行
う第2チャンバ、そして、高温蒸しを行う第3チャンバ
を水平方向に配置したものであり、網底容器に米を入
れ、載置台を使って搬送しながら、蒸し、熱水蒸煮、高
温蒸しが行われるようになっている。
【0045】
【実施例】予め一晩水に浸した2合のお米を用いた。第
2容器12内に、この2合のお米を3粒分ぐらいが上下
に積層された状態に敷きつめた。第1容器11内を、
1.4気圧(1.418×105 ×105 Pa)に設定
し、散水ノズル14から、124℃の高温加圧熱水をお
米の上から散水し、2分でお米の予熱を行った。この高
温加圧熱水の供給量は、200cc/minであった。
2分の予熱が経過すると、この上方からの高温加圧熱水
の散水に加えて、お米の下方から、153℃の過熱水蒸
気を吹き上げた。過熱水蒸気の供給により、調圧弁13
が作動し、およそ2分間隔で、過熱水蒸気の吹き出しが
行われた。この過熱水蒸気の供給を5分継続したあと、
高温加圧熱水を止め、過熱水蒸気を止め、5分程度の蒸
らしを行った。その後、ドレン部16から徐々に内部流
体を排出し、大気圧まで降下させ、第2容器12を取り
出した。
【0046】お米の各粒の変形が殆どなく、粒の光沢感
に優れ、通常より膨らみ、うま味の増したご飯が得られ
た。このご飯は、すし米、仕出し弁当のお米などに好適
に使用できることが判った。
【0047】
【発明の効果】請求項1〜5記載の発明は、熱効率の高
い高温加圧熱水で米を均等に蒸煮することができるた
め、伝熱速度が上昇し、炊飯時間の短縮を図ることがで
きるという効果を奏する。また、100℃以上の高温加
圧熱水で米を均等に蒸煮することができるため、耐熱菌
の滅菌が可能となり、米飯の老化を遅延させることがで
きるという効果を奏する。これにより、チルド流通に乗
せられる製品作りが可能となったり、無菌化包装米飯等
の製造設備の軽減が可能となる。
【0048】請求項6〜8記載の発明は、上記効果に加
えて、熱効率の高い高温加圧熱水を米の上下から散水す
ることにより、高温加圧熱水で米を均等に蒸煮すること
ができるため、伝熱速度が大幅に上昇し、より一層炊飯
時間の短縮を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る炊き上げ装置の機器構成図で
ある。
【図2】本実施形態に係る炊き上げ工程を示す工程図で
ある。
【図3】電磁誘導加熱装置の発熱体の構造図である。
【図4】発熱体の拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 炊き上げ装置 2 炊き上げ部 3 容器 4 調圧弁 5 パイプ 6 圧力容器 7、8 散水部 9 トレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B023 LC05 LE11 LG01 LG10 LP10 LQ01 LT03 4B054 AA12 AA16 AB03 AC02 AC03 BA03 BA18 BA20 CH02 CH13 4B055 AA08 BA22 BA62 BA80 CA01 CA71 DA09 DB12 DB14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米・豆等の穀類が収容される容器内を所
    定圧力に調整し、前記容器内の上方から高温加圧熱水を
    供給しながら、前記容器内の下方から過熱水蒸気を供給
    し、前記穀類に供給される高温加圧熱水を過熱水蒸気で
    対向させながら炊きあげることを特徴とする穀類炊き上
    げ方法。
  2. 【請求項2】 前記容器からの間欠的な水蒸気の吹き出
    しにより、前記過熱水蒸気により前記穀類を攪拌するこ
    とを特徴とする請求項1記載の穀類炊き上げ方法。
  3. 【請求項3】 前記過熱蒸気の温度は、前記高温加圧熱
    水の温度より高く設定されていることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の穀類炊き上げ方法。
  4. 【請求項4】 前記過熱水蒸気の供給を、前記高温加圧
    熱水の供給より先行させることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の穀類炊き上げ方法。
  5. 【請求項5】 前記高温加圧熱水及び前記過熱水蒸気
    は、電磁誘導加熱により加熱されたものであることを特
    徴とする1〜4のいずれかに記載の穀類炊き上げ方法。
  6. 【請求項6】 米・豆等の穀類が収容される容器と、こ
    の容器内の圧力を大気圧以上に調整する圧力調整部と、
    高温加圧熱水を前記容器に供給する高温加圧熱水発生部
    と、前記容器内の上方に設けられ、前記高温加圧熱水を
    前記米・豆等の穀類の上方のほぼ全面に散水する散水手
    段と、過熱水蒸気水を前記容器に供給する過熱水蒸気発
    生部と、前記容器内の下方に設けられ、前記過熱水蒸気
    を前記米・豆等の穀類の下方のほぼ全面から通過させる
    分散手段と、を備えることを特徴とする穀類炊き上げ装
    置。
  7. 【請求項7】 前記分散手段は、米・豆等の穀類が支持
    可能な程度の多数の開口を有する底部と、この底部の周
    囲にほぼ垂直に立設される隔壁とからなることを特徴と
    する請求項6に記載の穀類炊き上げ装置。
  8. 【請求項8】 前記高温加圧熱水は電磁誘導加熱手段に
    より加熱され、前記過熱水蒸気は電磁誘導加熱手段によ
    り加熱される請求項6又は7に記載の穀類炊き上げ装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2004039936A1 (ja) * 2002-10-30 2006-03-02 サントリー株式会社 植物加工品の製造方法
JP2015043933A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 タイガー魔法瓶株式会社 炊飯装置、および炊飯方法
JP2018033520A (ja) * 2016-08-29 2018-03-08 シャープ株式会社 加熱調理器

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