JP2002311147A - 中性子スペクトル測定器および中性子検出器 - Google Patents

中性子スペクトル測定器および中性子検出器

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JP2002311147A
JP2002311147A JP2001119160A JP2001119160A JP2002311147A JP 2002311147 A JP2002311147 A JP 2002311147A JP 2001119160 A JP2001119160 A JP 2001119160A JP 2001119160 A JP2001119160 A JP 2001119160A JP 2002311147 A JP2002311147 A JP 2002311147A
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neutron
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neutron detector
detector
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Yoshihisa Hayashida
芳久 林田
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる中性子エネルギーを測定するため異な
る減速材厚さを有する中性子検出器はその大きさが異な
る。このため、中性子束分布が均一でない場合には、各
中性子検出器の測定条件が同じでないため、適正な中性
子スペクトルを求めることができない。 【解決手段】 熱中性子検出器2の外側に支持部材5b
を設置し、その外側に減速材3bさらに熱中性子吸収材
4を設置した中性子検出器1bの構成とし、減速材3b
の厚さに合わせて支持部材5bの厚さを調整することで
中性子検出器1bの大きさを中性子スペクトル測定器の
他の中性子検出器の大きさと同じにする。これにより、
減速材の厚さによらず中性子検出器の大きさが同じにな
り、適正な中性子スペクトルを求められる測定が可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中性子スペクトル
の測定に用いられる中性子スペクトル測定器および中性
子検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】中性子スペクトル測定器は、それぞれ異
なる中性子エネルギーに対して感度が高い複数の中性子
検出器により構成されている。以下、図6を参照して従
来の中性子スペクトル測定器について説明する。
【0003】中性子スペクトル測定器は、図6(a)か
ら図6(e)までに示した中性子検出器11a〜11e
により構成されている。図6(b)に示した中性子検出
器11bは、熱中性子検出器2の外側にポリエチレンな
どからなる減速材13が設置され、さらに減速材13b
の外側に中性子吸収断面積の大きい物質、例えばカドミ
ウムなどからなる熱中性子吸収材14bが設置された構
成となっている。熱中性子検出器2としてはHe−3検
出器やB−10検出器などが用いられる。
【0004】図6(c)から図6(e)に示した熱中性
子検出器11c、11d、11eは、図6(b)に示し
た中性子検出器11bと同様に熱中性子検出器本体2の
外側に減速材13c、13d、13eおよび熱中性子吸
収材14c、14d、14eが設置されている。このと
き、減速材13b、13c、13d、13eはそれぞれ
厚さが異なる。
【0005】また、図6(a)に示す中性子検出器11
aは、減速材および熱中性子吸収材が設置されていない
熱中性子検出器本体2のみにより構成されている。
【0006】このように構成された中性子検出器11b
〜11eにおいて、中性子検出器11b〜11eに入射
した中性子のうち、熱中性子は熱中性子吸収材14b〜
14eで吸収され、熱中性子吸収材14b〜14eを通
過したエネルギーの大きい中性子は減速材13b〜13
eで減速されて熱中性子になり、熱中性子検出器2に到
達した熱中性子が計数される。
【0007】減速材13b〜13b中で減速されて熱中
性子になる割合は、減速材の厚さと中性子のエネルギー
に依存する。このため、中性子検出器11b〜11e
は、それぞれの減速材13b〜13eの厚さが異なるの
で、熱中性子になる割合が最も多い中性子の中性子エネ
ルギーはそれぞれ異なり、それぞれの中性子検出器11
b〜11eは異なるエネルギー範囲の中性子の計数を得
ることができる。そこで、中性子スペクトル測定器の中
性子スペクトル測定器から得られた結果を解析すること
により中性子スペクトルを求めることができる。また、
熱中性子は、図6(a)に示す熱中性子検出器2のみに
より構成された中性子検出器11aにより測定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の中性子ス
ペクトル測定器においては、減速材13b〜13eの厚
さが異なる、あるいは減速材が設置されていないことに
より、各中性子検出器11a〜11eでその大きさが変
化する。
【0009】ところが、原子炉施設や放射線発生装置な
どの放射線を発生する施設においては、中性子を測定す
る場所で中性子束の分布が均一でない場合がある。この
ような測定場所では、中性子検出器11a〜11eの大
きさが変化するとにより、中性子検出器11a〜11e
の測定条件が変わるという問題点があった。
【0010】例えば、貫通孔やスリットなどを通過して
きた中性子は、その出口部において不均一な分布を有し
ている。この時、中性子検出器11a〜11eそれぞれ
の測定時に中性子検出器11a〜11eの中心を同じに
した場合は、外形の大きい中性子検出器11eでは広い
範囲を測定しているのに対し、減速材がなくて外形の小
さい中性子検出器11aの場合は、大きい中性子検出器
の中心付近の狭い範囲しか測定しないことになる。
【0011】このため、最も外形の大きい中性子検出器
(この場合では中性子検出器11e)の測定範囲で中性
子束分布が変化している場所では、中性子検出器11a
〜11eで測定条件が異なり、それぞれの中性子検出器
により得られる中性子エネルギー範囲の計数が異なった
測定条件で得られたものになるためスペクトル測定が不
可能である。
【0012】一方、中性子検出器を中性子束の密度が高
い部分を検出できるように、中性子検出器11a〜11
e中心を移動させた場合は、中性子検出器11aや中性
子検出器11bのように外形の小さい中性子検出器は中
性子束密度の高い範囲を測定するが、中性子検出器11
eのように外形の大きい中性子検出器は中性子束密度の
低い範囲も測定することになる。このため、外形の大き
い中性子検出器は、外形の小さい中性子検出器に比べて
実効的に入射する中性子が少なくなり、この場合も正し
くスペクトルを測定することができない。
【0013】本発明はかかる事情に対処してなされたも
のであり、中性子束分布が不均一な場所においてもその
測定結果より中性子スペクトルの算出が可能な中性子ス
ペクトル測定器および中性子検出器を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の中性子スペクトル測定器においては、請求
項1記載の発明では、熱中性子を検出する第1の熱中性
子検出器の外側に中性子を減速する第1の減速材を設置
しその第1の減速材の外側に熱中性子を吸収する第1の
熱中性子吸収材を設置してなる第1の中性子検出器と、
第2の熱中性子検出器の外側に中性子を減速する効果お
よび中性子を吸収する効果が小さい物質からなる第1の
支持部材を設置してなる第2の中性子検出器と、第3の
熱中性子検出器の外側に第2の支持部材を設置しその第
2の支持部材の外側に第2の減速材を設置しその第2の
減速材の外側に第2の熱中性子吸収材を設置してなる一
つあるいは複数の第3の中性子検出器とを具備し、前記
第2の中性子検出器の外形の大きさと前記第1および第
3の中性子検出器の外形の大きさまたは第1および第2
の減速材の外形の大きさが同じであることを特徴とする
ものである。
【0015】上記構成の中性子スペクトル測定器におい
ては、中性子束分布が均一でない測定場所(放射線場)
においても厚さの異なる減速材を有する中性子検出器に
よる測定を同一条件で行なうことができる。このため、
この中性子スペクトル測定器より得られた測定結果より
正しく中性子スペクトルを求めることができる。
【0016】また、請求項2に記載の中性子スペクトル
測定器では、熱中性子を検出する第1の熱中性子検出器
の外側に中性子を減速する第1の減速材を設置しその第
1の減速材の外側に熱中性子を吸収する第1の熱中性子
吸収材を設置してなる第1の中性子検出器と、第2の熱
中性子検出器の外側に第1の支持枠を設置し前記第1の
支持枠の外形と前記第2の熱中性子検出器の間に空間を
生じさせてなる第2の中性子検出器と、第3の熱中性子
検出器の外側に第2の減速材を設置しその第2の減速材
と第3の熱中性子検出器の間に空間を生じさせる第2の
支持枠を第2の減速材と第3の熱中性子検出器の間に設
置し第2の減速材の外側に第2の熱中性子吸収材を設置
してなる一つあるいは複数の第3の中性子検出器とを具
備し、前記第2の中性子検出器の外形の大きさと前記第
1および第3の中性子検出器の外形の大きさまたは前記
第1および第3の減速材の外形の大きさが同じであるこ
とを特徴とするものである。
【0017】上記構成の中性子スペクトル測定器におい
ては、中性子束分布が均一でない測定場所(放射線場)
においても厚さの異なる減速材を有する中性子検出器に
よる測定を同一条件で行なうことができる。このため、
この中性子スペクトル測定器より得られた測定結果より
正しく中性子スペクトルを求めることができる。
【0018】さらに、請求項3に記載の中性子スペクト
ル測定器では、請求項1または請求項2のいずれかに記
載の発明において、前記第1および第2の減速材および
前記第1および第2の支持部材のうちの少なくともひと
つが多層構造であることを特徴とするものである。
【0019】上記構成の中性子スペクトル測定器におい
ては、減速材厚さの異なる中性子検出器ごとに支持部材
または減速材を用意することなく、支持部材または減速
材の材料層数の組合せを変えることにより所定の減速材
厚さの中性子検出器を構成することができる。
【0020】また、請求項4に記載の中性子検出器で
は、熱中性子を検出する熱中性子検出器と、前記熱中性
子検出器の外側に設置され中性子を減速および吸収する
効果の小さい物質より構成された支持部材と、前記支持
部材の外側に設置され中性子を減速する減速材と、前記
減速材の外側に設置され熱中性子を吸収する熱中性子吸
収材とから構成されることを特徴とするものである。
【0021】このように構成された中性子検出器におい
ては、減速材の厚さの変化に応じて支持部材の厚さを調
整して減速材の厚さが異なっても同じ大きさの中性子検
出器を構成することができる。
【0022】また、請求項5に記載の中性子検出器で
は、熱中性子を検出する熱中性子検出器と、前記熱中性
子検出器の外側に設置され中性子を減速する減速材と、
前記熱中性子検出器と前記減速材の間に設置され前記熱
中性子検出器と前記減速材との間に空間を生じさせる支
持枠と、前記減速材の外側に設置され熱中性子を吸収す
る熱中性子吸収材とを具備することを特徴とするもので
ある。
【0023】このように構成された中性子検出器におい
ては、減速材の厚さの変化に応じて支持枠を調整して減
速材の厚さが異なっても同じ大きさの中性子検出器を構
成することができる。
【0024】さらに、請求項6に記載の中性子検出器で
は、請求項4に記載の発明において、前記減速材または
支持部材の少なくともひとつが多層構造であることを特
徴とするものである。
【0025】このように構成された中性子検出器におい
ては、中性子検出器ごとに支持部材または減速材を用意
することなく減速材厚さの異なる減速材の厚さあるいは
支持部材の厚さを層数を調整することにより容易に調整
することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る中性子スペク
トル測定器の第1の実施の形態について、図1を参照し
て説明する。
【0027】図1(a)から図1(e)までは、本実施
の形態の中性子スペクトル測定器の各中性子測定器の断
面図である。本実施の形態の中性子スペクトル測定器
は、図1(a)から図1(e)までに示す中性子検出器
1a〜1eにより構成されている。
【0028】図1(e)に示す中性子検出器1eは、最
も減速材厚さの大きい中性子検出器で、熱中性子検出器
2の外側に厚さ7cmのポリエチレンからなる減速材3
eを設置し、その減速材3eの外側にカドミウムからな
る熱中性子吸収材4を設置している。また、熱中性子検
出器2としてHe−3検出器を用いている。
【0029】一方、図1(a)に示す中性子検出器1a
は、熱中性子検出器2の外側に厚さ7cmのアルミニウ
ムからなる支持部材5aを設置している。支持部材5a
は、中性子を減速する効果および中性子を吸収する効果
が小さい物質としてアルミニウムを用いている。中性子
検出器1aの支持部材5aの外形と、中性子検出器1e
の減速材3eの外形とは、大きさが略同じになってい
る。
【0030】また、図1(b)から図1(d)に示す中
性子検出器1b、1c、1dは、熱中性子検出器2の外
側に、中性子を減速する効果および中性子を吸収する効
果が小さい物質であるアルミニウムからなる支持部材5
b、5c、5dを設置し、支持部材5b、5c、5dの
外側にポリエチレンからなる減速材3b、3c、3dを
設置し、減速材3b、3c、3dの外側にカドミウムか
らなる熱中性子吸収材4を設置している。
【0031】支持部材および減速材の厚さはそれぞれ、
支持部材5bの厚さ5.5cm、減速材3bの厚さ1.
5cm、支持部材5cの厚さ4.5cm、減速材の3c
厚さ2.5cm、支持部材3dの厚さ3.5cm、減速
材4dの厚さ3.5cmとなっており、支持部材厚さと
減速材厚さを足し合わせた厚さは中性子検出器1b、1
c、1dの全てが7cmとなっている。このため、中性
子検出器1b〜1dの減速材3b〜3dの外形は中性子
検出器1eの減速材3eの外形および中性子検出器1a
の外形と大きさが略同じとなっている。また、中性子検
出器1b〜1eの熱中性子吸収材4は同じ大きさのもの
が設置されており、中性子検出器1b〜1eの大きさも
略同じとなっている。
【0032】本実施の形態の中性子検出器1b〜1eに
おいて、熱中性子は、熱中性子吸収材4により吸収さ
れ、厚さの異なる減速材3b〜3eによりそれぞれの中
性子検出器で異なる中性子エネルギー範囲の中性子が最
も多く熱中性子になり、それぞれ熱中性子検出器2で検
出される。また、熱中性子は、減速材および熱中性子吸
収材の設置されていない中性子検出器1aで測定され
る。支持部材3a〜3dはアルミニウムから構成されて
いるため、熱中性子を吸収したり中性子を減速したりす
る作用が小さく、熱中性子を吸収あるいは中性子を減速
して中性子検出器の検出への影響を与えることが少な
い。本実施の形態の中性子スペクトル測定器の各中性子
検出器の応答関数の例を図2に示す。
【0033】この時、本実施の形態の中性子スペクトル
測定器の測定においては、減速材の無い中性子検出器1
aの大きさと、中性子検出器1b〜1eの減速材3b〜
3eの外形の大きさが略同じであるため、同じ測定範囲
の中性子を検出することができる。そこで、中性子束分
布が不均一であっても同一条件で測定することができ
る。
【0034】中性子検出器への中性子入射が中性子検出
器端面から1/3程度に限られる場合の計数率の測定例
につき、本実施の形態の中性子スペクトル測定器の中性
子検出器の測定と従来の中性子スペクトル測定器の中性
子検出器の測定を比較して表1に示す。
【0035】
【表1】 図6に示した従来の中性子スペクトル測定器では、減速
材の厚さにより各中性子検出器の減速材の外形の大きさ
が異なる。そこで、従来の中性子スペクトル測定器につ
いては、全ての中性子検出器の中心を同じ位置に固定し
て測定した場合と、外形の大きい中性子検出器の検出範
囲内の中性子束密度の高い位置に小さい中性子検出器の
中心を移動して測定した場合について示す。従来の中性
子スペクトル測定器では、減速材の厚さが小さくて外形
が小さい中性子検出器は、その中心位置を固定して測定
した場合に外形の大きい中性子検出器の検出範囲の中性
子束密度の平均よりも低い中性子束密度の測定範囲を測
定し、その中心位置を移動して測定した場合は、外形の
大きい中性子検出器の測定範囲の中性子束密度の平均よ
りも高い中性子束密度の領域を測定していると考えられ
る。このため、外形の大きい中性子検出器と同じ測定範
囲での真値は両方の測定結果の間にあると推測される。
【0036】これに対して、本実施の形態の中性子スペ
クトル測定器では、各中性子検出器の測定範囲が同じで
あるため、各中性子検出器の測定条件が同じになってい
る。
【0037】本実施の形態によれば、減速材厚さを変え
た場合も支持部材と減速材の厚さの合計が略一定になる
よう支持部材の厚さが設定されているため、減速材の厚
さを変えても中性子検出器の大きさが変化せず、各種厚
さの減速材の中性子検出器による測定を同一条件で測定
することができる。したがって、このように同一条件で
測定ができる中性子検出器より構成された中性子スペク
トル測定器により得られた結果から、正しい中性子スペ
クトルを求めることができる。
【0038】なお、本実施の形態において、熱中性子検
出器2としてHe−3検出器以外の熱中性子検出器を用
いても良い。また、支持部材、減速材、熱中性子吸収材
は、本実施の形態のそれぞれの機能を達成する性質を有
した他の物質によって構成することもできる。
【0039】また、中性子スペクトル検出器を構成する
中性子検出器個数と各中性子検出器の減速材厚さと支持
部材厚さはあくまで一例であり、これら2つの厚さを足
し合わせた厚さが各中性子検出器で略同じとなりかつ段
階的に減速材厚さと支持部材厚さを異ならしめた少なく
とも3つの中性子検出器から構成されるものであれば、
上述したもとの同様の作用効果を得ることができる。
【0040】次に、本発明に係る中性子スペクトル測定
器の第2の実施の形態を図3を用いて説明する。
【0041】図3は、本実施の形態に係る中性子スペク
トル測定器の減速材の厚さが小さい中性子検出器31b
の断面図である。減速材の厚さが最も大きい中性子検出
器は図1(e)に示した第1の実施の形態の中性子検出
器1eと同じ構成のため説明を省略する。
【0042】中性子検出器31bは、熱中性子検出器2
の外側に支持枠6bを設置し、その支持枠6bの外側に
減速材3bを設置し、減速材3bの外側に熱中性子吸収
材4を設置している。第1の実施の形態と同様に熱中性
子検出器2としてHe−3検出器を、減速材3bとして
ポリエチレンを、熱中性子吸収材4としてカドミウムを
用いている。支持枠6bはアルミニウムからなり、熱中
性子検出器2と減速材3bの間に空間9bを生じさせる
構造となっている。
【0043】この中性子検出器31bの減速材3bは第
1の実施の形態の中性子検出器1bの減速材3bと同じ
厚さおよび大きさとしている。第1の実施の形態におけ
る中性子検出器1c、1dと同じ厚さの減速材を有する
本実施の形態の中性子検出器は、中性子検出器31bと
同様な構成において支持枠6bの構造と減速材3bの厚
さを調整して形成される。
【0044】第1の実施の形態の中性子検出器1aに相
当する、減速材および熱中性子吸収材を外側に設置しな
い本実施の形態の中性子検出器は、図3の支持枠6bと
同様な構成の支持枠を熱中性子検出器2の周りに設置
し、中性子検出器の外形が中性子検出器31bの外形ま
たは中性子検出器31bの減速材3bの外形と略同じ大
きさになっている。
【0045】熱中性子検出器2、減速材3b、熱中性子
吸収材4は第1の実施の形態と同じ構成としたため、そ
の説明を省略する。
【0046】本実施の形態の中性子スペクトル測定器の
中性子検出器31bの外形の大きさは、支持枠6の構造
を調整することにより中性子スペクトル測定器内の減速
材厚さの異なる他の中性子検出器の外形の大きさと略同
じになっている。このため、減速材の厚さが異なって
も、中性子検出器の測定範囲が同じとなるため、かかる
中性子検出器より得られる測定結果によって適正な中性
子スペクトルを求めることができる。
【0047】また、減速材31bと熱中性子検出器2と
の間は支持枠6により空間9bとなっているため、減速
材31bと熱中性子検出器2の間で中性子の減速や吸収
がなく、測定に影響を与えることがない。
【0048】次に、本発明に係る中性子スペクトル測定
器の第3の実施の形態を図4を用いて説明する。
【0049】図4は、本実施の形態に係る中性子スペク
トル測定器の減速材の厚さが中程度の中性子検出器41
cの断面図である。
【0050】本実施の形態の中性子検出器41cは、熱
中性子検出器2の外側にアルミニウム板7を多層に構成
した支持部材を設置し、その外側にポリエチレン板8を
多層に構成した減速材を設置し、その減速材の外側に熱
中性子吸収材4を設置している。熱中性子検出器2、支
持部材、減速材、熱中性子吸収材4の作用は第1の実施
の形態と同じで、第1の実施の形態と同様な効果を得る
ことができる。
【0051】本実施の形態では、第1の実施の形態の中
性子検出器1eのような構成においても、図3の減速材
と同様に熱中性子検出器の外側にポリエチレン板を多層
に構成した減速材を設置し、その外側に熱中性子吸収材
を設置する構成とすることができる。
【0052】本実施の形態では、支持部材がアルミニウ
ム板7を多層にした構成、減速材がポリエチレン板8を
多層にした構成となっているため、厚さの異なる減速材
をポリエチレン板8の枚数を異ならせて多層とすること
で容易に形成でき、その厚さの増加減少に合わせてアル
ミニウム板7の枚数を減少増加させ多層とした支持部材
を形成することで、各中性子検出器における支持部材の
厚さと減速材の厚さを足し合わせた厚さを同じとして、
中性子検出器の外形の大きさを略同じに形成することが
容易に実現できる。
【0053】また、本実施の形態においては、減速材と
してのポリエチレン板多層構造または支持部材としての
アルミニウム板多層構造のうちの1つを採用し、他を上
述の第1または第2の実施の形態において述べた構成と
することも考えられる。
【0054】例えば、形態においては、図5に示すよう
にアルミニウム板7を多層にした支持部材に換えて支持
枠6cを用いた構成としても良い。図5は、かかる構成
からなる中性子スペクトル測定器の減速材の厚さが中程
度の中性子検出器51cの断面図である。
【0055】ポリエチレン板8多層構造の減速材と熱中
性子検出器2との間の多くの部分が支持枠6cによって
空間9cになっているため、減速材3と熱中性子検出器
2の間で中性子の減速や吸収がなく、測定に影響を与え
ることがない。
【0056】
【発明の効果】本発明においては、中性子検出器の大き
さが変化しないので、中性子束分布が空間的に不均一な
場合でも、異なる厚さの減速材を有する複数の中性子検
出器において同じ測定範囲で測定することができる。そ
して、中性子束分布が空間的に不均一な場合において
も、その測定結果を用いて中性子スペクトルを求めるこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の中性子スペクトル
測定器の中性子検出器の断面図。(a)は減速材の無い
中性子検出器で、(b)〜(e)は減速材の異なる中性
子検出器である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の中性子スペクトル
測定器の中性子測定器の応答関数を例示する図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の中性子スペクトル
測定器の中性子測定器の断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の中性子スペクトル
測定器の中性子測定器の断面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態を応用した中性子ス
ペクトル測定器の中性子測定器の断面図。
【図6】従来の中性子スペクトル測定器の中性子検出器
の断面図。(a)は減速材の無い中性子検出器で、
(b)〜(e)は減速材の異なる中性子検出器である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e…中性子検出器 2…熱中性子検出器 3b,3c,3d,3e…減速材 4…熱中性子吸収材 5a,5b,5c,5d…支持部材 6b,6c…支持構造枠 7…アルミニウム板 8…ポリエチレン板 9b,9c…空間 11a,11b,11c,11d,11e…中性子検出
器 13b,13c,13d,13e…減速材 14b,14c,14d,14e…熱中性子吸収材 31b,41c,51c…中性子検出器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱中性子を検出する第1の熱中性子検出
    器の外側に中性子を減速する第1の減速材を設置しその
    第1の減速材の外側に熱中性子を吸収する第1の熱中性
    子吸収材を設置してなる第1の中性子検出器と、第2の
    熱中性子検出器の外側に中性子を減速する効果および中
    性子を吸収する効果が小さい物質からなる第1の支持部
    材を設置してなる第2の中性子検出器と、第3の熱中性
    子検出器の外側に第2の支持部材を設置しその第2の支
    持部材の外側に第2の減速材を設置しその第2の減速材
    の外側に第2の熱中性子吸収材を設置してなる一つある
    いは複数の第3の中性子検出器とを具備し、前記第2の
    中性子検出器の外形の大きさと前記第1および第3の中
    性子検出器の外形の大きさまたは第1および第2の減速
    材の外形の大きさが同じであることを特徴とする中性子
    スペクトル測定器。
  2. 【請求項2】 熱中性子を検出する第1の熱中性子検出
    器の外側に中性子を減速する第1の減速材を設置しその
    第1の減速材の外側に熱中性子を吸収する第1の熱中性
    子吸収材を設置してなる第1の中性子検出器と、第2の
    熱中性子検出器の外側に第1の支持枠を設置し前記第1
    の支持枠の外形と前記第2の熱中性子検出器の間に空間
    を生じさせてなる第2の中性子検出器と、第3の熱中性
    子検出器の外側に第2の減速材を設置しその第2の減速
    材と第3の熱中性子検出器の間に空間を生じさせる第2
    の支持枠を第2の減速材と第3の熱中性子検出器の間に
    設置し第2の減速材の外側に第2の熱中性子吸収材を設
    置してなる一つあるいは複数の第3の中性子検出器とを
    具備し、前記第2の中性子検出器の外形の大きさと前記
    第1および第3の中性子検出器の外形の大きさまたは前
    記第1および第3の減速材の外形の大きさが同じである
    ことを特徴とする中性子スペクトル測定器。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の減速材および前記
    第1および第2の支持部材のうちの少なくともひとつが
    多層構造であることを特徴とする請求項1に記載の中性
    子スペクトル測定器。
  4. 【請求項4】 熱中性子を検出する熱中性子検出器と、
    前記熱中性子検出器の外側に設置され中性子を減速する
    効果および中性子を吸収する効果が小さい物質より構成
    された支持部材と、前記支持部材の外側に設置され中性
    子を減速する減速材と、前記減速材の外側に設置され熱
    中性子を吸収する熱中性子吸収材とを具備することを特
    徴とする中性子検出器。
  5. 【請求項5】 熱中性子を検出する熱中性子検出器と、
    前記熱中性子検出器の外側に設置され中性子を減速する
    減速材と、前記熱中性子検出器と前記減速材の間に設置
    され前記熱中性子検出器と前記減速材との間に空間を生
    じさせる支持枠と、前記減速材の外側に設置され熱中性
    子を吸収する熱中性子吸収材とを具備することを特徴と
    する中性子検出器。
  6. 【請求項6】 前記減速材または前記支持部材の少なく
    ともひとつが多層構造であることを特徴とする請求項4
    に記載の中性子検出器。
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