JP2002308763A - アポトーシス誘導剤 - Google Patents

アポトーシス誘導剤

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JP2002308763A JP2001105658A JP2001105658A JP2002308763A JP 2002308763 A JP2002308763 A JP 2002308763A JP 2001105658 A JP2001105658 A JP 2001105658A JP 2001105658 A JP2001105658 A JP 2001105658A JP 2002308763 A JP2002308763 A JP 2002308763A
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Hiroshige Himawari
博重 樋▲廻▼
Michio Aitani
教夫 藍谷
Hiroshi Yamaguchi
博司 山口
Tadashi Okada
忠司 岡田
Hiromichi Murai
弘道 村井
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Oryza Oil and Fat Chemical Co Ltd
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Oryza Oil and Fat Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 月見草由来の安全性の高い新規なアポトーシ
ス誘導剤、並びにこれを含有する飲食品および薬品を提
供する。 【解決手段】 本発明のアポトーシス誘導剤は、月見草
の全草、特に種子の抽出物を有効成分とすることを特徴
とする。前記月見草種子は脱脂月見草種子であるとよ
い。前記抽出物の抽出溶媒はエタノール濃度70〜85
%(v/v)のエタノール/水であるとよい。本発明のア
ポトーシス誘導剤は没食子酸、エラグ酸、またはペンタ
ガロイルグルコースを有効成分とすることを特徴とす
る。本発明の飲食品は、前記アポトーシス誘導剤を含有
してなることを特徴とする。本発明の薬品は前記アポト
ーシス誘導剤を含有してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞死の一つのタ
イプであるアポトーシスを誘導するアポトーシス誘導剤
に関する。本発明のアポトーシス誘導剤は、例えば、癌
の治療・予防を目的とする飲食品、医薬品、医薬部外品
等に適用される。
【0002】
【従来の技術】癌は死亡原因第一位の病気であり、その
予防に対する人々の関心は非常に高い。癌を予防する為
に日常的に有効成分を取り入れる方法が数多く提案され
ている。
【0003】近年、癌研究の分野ではアポトーシス、す
なわち癌細胞自滅に関する研究が盛んになりつつある。
アポトーシスは生物個体発生における組織、臓器の形
成、また生体の恒常性維持や防御に重要な働きをしてい
る。さらには多くの病気の発生に深い関係があることが
解明されつつある。
【0004】細胞のアポトーシスによる制御作用の異常
は、癌形成における一つの原因であると考えられてい
る。本来死滅すべき細胞が、アポトーシス、つまり細胞
自滅を起こすことなく生き残ると、その細胞が様々な刺
激を受けて染色体上に変異を重ね、最終的に癌細胞にな
るとされている。癌細胞は、アポトーシスの耐性機構を
獲得して初めて増殖を可能にするのである。つまり、種
々の遺伝子変異を伴う細胞の癌化はアポトーシスに対す
る耐性獲得と関連がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような背景の下、
本発明者らは、月見草の抽出成分ついて各種実験を行
い、生化学的・医学的な見地から鋭意研究に努めた結
果、月見草抽出物、特に月見草種子の抽出物が癌細胞に
対して顕著なアポトーシス誘導作用を示すことを見出し
た。また、月見草種子の抽出物から精製した没食子酸、
エラグ酸、およびペンタガロイルグルコースに優れたア
ポトーシス誘導作用があることを知見し、本発明を完成
するに至ったものである。本発明の目的は、月見草由来
の安全性の高い新規なアポトーシス誘導剤、並びにこれ
を含有する飲食品および薬品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明のアポトーシス誘導剤は、下記の特徴を有する
構成とした。 (1) 月見草の抽出物を有効成分とすることを特徴とす
る。 (2) 前記月見草が月見草種子であることを特徴とす
る。 (3) 前記月見草が脱脂月見草種子であることを特徴と
する。 (4) 前記抽出物の抽出溶媒がアルコール濃度70〜8
5%(v/v)のエタノール/水であることを特徴とす
る。 (5) 没食子酸を有効成分とすることを特徴とする。 (6) エラグ酸を有効成分とすることを特徴とする。 (7) ペンタガロイルグルコースを有効成分とすること
を特徴とする。
【0007】本発明の飲食品は、前記アポトーシス誘導
剤を含有してなることを特徴とする。本発明の薬品は、
前記アポトーシス誘導剤を含有してなることを特徴とす
る。
【0008】
【発明実施の形態】月見草は、マツヨイグサ属の1〜2
年草または多年草である。まれに茎は木質化し低木状を
なすこともある。代表種は次の4種である。 コマツヨイグサ(Oenothera laciniata) マツヨイグサ(Oenothera striata) メマツヨイグサ(Oenothera biennis) オオマツヨイグサ(Oenothera erythrosepala) 本発明による「月見草」は、月見草の種類は限定され
ず、いずれを用いてもよい。また、前記特徴(1)の「月
見草」は、月見草全草を意味し、葉、茎、根および種子
を含む。
【0009】従来、月見草は、その種子から採取される
月見草油が広く知られている。月見草油にはγ−リノレ
ン酸が多く含まれており、その効能としては、肥満、糖
尿病、高コレステロール血症、多量アルコール飲用者、
加齢、ビタミンB6不足に有効なことが知られている。
また、ウイルス感染の場合に生ずるリノール酸からγ−
リノレン酸への転換阻害、喘息、アトピー性湿疹患者の
治療に対して月見草油が有効なことも知られている。
【0010】月見草種子の脂溶性成分については生理活
性の研究が行われているが、脂溶性成分以外の物質の生
理活性についてはほとんど報告がない。また、月見草油
の製造過程で生じる圧搾粕は、一部が飼料として利用さ
れる他、産業廃棄物として処理されるのが現状である。
本発明によれば、月見草種子の脂溶性成分以外の成分に
ついて、新たな用途を与え、月見草油の分離後の圧搾粕
から有効成分を抽出することができる。圧搾粕から付加
価値の高い有効成分を抽出し、資源の有効利用を図るこ
とは、きわめて有意義なことである。また、月見草種子
採取時に廃棄されている葉、茎、根の部分を原料とする
ことも資源の有効利用に役立つ。
【0011】本発明で使用する月見草種子の抽出物は、
月見草種子より既知の方法で得ることができる。例えば
月見草種子を圧搾し、その残渣を水または有機溶媒で抽
出し、乾燥させる。
【0012】前記月見草種子には、脱脂月見草種子を使
用するのが望ましい。これは、脂溶性有機溶媒によって
種子中の油分が除かれ、有効成分が脱脂物中に濃縮され
るためである。
【0013】脱脂用の脂溶性有機溶媒としては、ヘキサ
ンを用いるとよい。抽出油分を食用油として使用し得る
とともに、脱脂物からの抽出物を食品素材等に利用しや
すいからである。脱脂物からの抽出物を食品以外の用途
に用いる場合は、ヘキサンに限ることなく、その他の非
極性溶媒を用いることも可能である。
【0014】月見草の抽出に使用する溶媒は特に限定さ
れず、例えば、抽出溶媒として水、メタノール、エタノ
ール等の1級アルコール、プロピレングリコール、1,
3−ブチレングリコール等の液状高価アルコール、酢酸
エチルエステルなどの低級アルキルエステル、ベンゼ
ン、ヘキサン等の炭化水素、エチルエーテル、アセト
ン、塩化メチレン等の公知の溶媒などが挙げられる。ま
たこれら溶媒は、一種または二種以上を組合わせて使用
することができる。そのうちで、好ましい抽出溶媒とし
ては、水と混和する溶媒の水溶液、例えば、エタノー
ル、メタノール、アセトンなどの水溶液が挙げられる。
【0015】特に、含水エタノールを抽出溶媒とするの
が望ましい。含水エタノールによれば、効率よく有効成
分を抽出することができるためである。含水エタノール
は、エタノール濃度70〜85%(v/v)のエタノール
/水であるとよい。エタノール濃度70〜85%(v/
v)としたのは、70%(v/v)未満であると、有効成
分の抽出量が不十分になり、また、85%(v/v)を超
えると、種子の油分が溶媒中に溶け出しやすくなるから
である。
【0016】前記月見草種子の抽出物には、没食子酸、
エラグ酸、ペンタガロイルグルコースから選ばれる1種
または2種以上が含まれるとよい。これらの化合物を含
む抽出物に優れたアポトーシス誘導作用が見られるため
である。
【0017】月見草種子の抽出物に含まれる成分のう
ち、没食子酸、エラグ酸およびペンタガロイルグルコー
スについては、単体でも、アポトーシス誘導剤の有効成
分として使用することができる。従来、これらの化合物
のアポトーシス誘導について報告されたものは知られて
いない。
【0018】本発明としては、月見草種子の抽出物に限
ることなく、月見草の全草、例えば葉や茎から抽出され
る没食子酸、エラグ酸またはペンタガロイルグルコース
を抽出・精製してもよい。また、月見草に限ることな
く、茶、シャクヤク、ボタン、柿等の植物から没食子
酸、エラグ酸およびペンタガロイルグルコースを抽出・
精製するか、その他の方法によって得るようにしてもよ
い。
【0019】没食子酸、エラグ酸およびペンタガロイル
グルコースは、これらの誘導体の形、つまり詳細にはナ
トリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜
鉛、バリウム、アルミニウムといった金属類やアンモニ
ウム等によって生じる塩類、アルコールや脂肪酸、アル
キルハロゲナイド類などとの反応によって得られるアル
キルエステルの如くのエステル類およびそれらの塩類、
また、リン酸基を導入したリン酸化化合物、硫酸基を導
入した硫酸化化合物、さらに、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコールのようなC2
〜C4の程度の炭素鎖を有するアルキレンオキサイド類
との反応によってられるアルキルエーテル誘導体、グリ
シジルトリアルキルアンモニウムハロゲナイドの如く第
4級アミンを分子内に有する基質との反応に生じる第4
級アルキルアミン誘導体およびその塩類といった形で利
用できる。
【0020】本発明の「飲食品」には、飲料および固形
食品が含まれる。飲食品の形態としては、例えば、特定
の保健効果が認められる食品、あるいは生体調整成分の
機能を生かして作られる、機能性食品とすることができ
る。
【0021】本発明のアポトーシス誘導剤を飲食品に適
用する場合、月見草の抽出物をそのまま製剤の形態にし
てもよいが、所要量のアポトーシス誘導剤を食品原料に
加えて一般の製造法により加工製造することができる。
例えばアポトーシス誘導剤を飲料に添加物として直接添
加するか、あるいはビスケットのような固形食品に添加
して癌予防の食品、健康食品あるいは機能性食品等とし
て提供することができる。
【0022】また、本発明のアポトーシス誘導剤を、例
えば、油脂、エタノール、プロピレングリコール、グリ
セリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲
料に添加するか、固形食品に添加することが可能であ
る。さらに、必要に応じてアラビアガム、デキストリン
等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、
飲料に添加するか固形食品に添加することも可能であ
る。本発明のアポトーシス誘導剤を添加する飲食品の種
類は特に限定されない。
【0023】飲食品に月見草抽出物を添加する場合、月
見草抽出物の使用量に特に制限はないが、健康食品、機
能性食品としての摂取は、病気予防、健康維持に用いら
れるので、含有する飲食品に対して月見草抽出物が合計
0.05〜20重量%であるのが好ましい。
【0024】本発明の「薬品」は、医薬品および医薬部
外品を含む。月見草抽出物のアポトーシス誘導能を利用
することにより癌治療薬とすることができる。
【0025】本発明による薬品の投与方法は経口投与す
ることが望ましい。一般的には錠剤、丸剤、カプセル
剤、散剤、顆粒剤等の形態とすることができる。
【0026】本発明による薬品を非経口剤として投与し
てもよい。非経口剤として投与する場合、溶液の状態、
または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、
注射剤、坐剤などに調製することができる。
【0027】有効成分の投与量は、年齢、体重、症状、
治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常
成人一人あたり、1回に1mg〜1000mgの範囲
で、1日1回から数回経口投与されるか、または、1回
に100μg〜100mgの範囲で、1日1回から数回
非経口投与される。なお、投与量は種々の条件で変動す
るので、上記投与量より少ない量で十分な場合もある
し、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もあ
る。
【0028】本発明の有効成分である抽出物は、従来食
品中より見出した抽出物であり、安全性の面からも優れ
ているのは明らかである。
【0029】
【実施例】[アポトーシス阻害剤の製造]原料には、月
見草油の製造過程で得られる圧搾粕を使用した。まず、
圧搾粕を破砕し、ヘキサンで還流し、圧搾粕に残存する
油分を除いて脱脂物とした。次いで、この脱脂物を80
%(v/v)含水エタノールで還流し、エタノール抽出
液を乾固させて月見草種子抽出物(実施例1)を得た。
この月見草種子抽出物(実施例1)から所定の吸着剤に
よって分画し、各フラクションの成分を高速液体クロマ
トグラフィーで分離することにより、没食子酸(実施例
2)、エラグ酸(実施例3)、およびペンタガロイルグ
ルコース(実施例4)を精製・単離した。
【0030】[試験例1:ヒト胃ガン細胞に対する増殖
抑制活性]実施例1〜4について、ヒト胃ガン細胞に対
する増殖抑制活性を試験した。ヒト胃ガン細胞を10%
牛胎児血清含有RPMI1640培地で培養した。5×10
5cells/mlに調整したヒト胃ガン細胞に、所定濃度のサ
ンプル(実施例1〜4)をそれぞれ添加し、これらを3
7℃、95%air-5%CO2の条件下で3日間培養し、細
胞数を数え、細胞の増殖阻害率を求めた。なお、対照と
して、溶媒(80%含水エタノール)のみを添加したも
のについて同様な条件で試験を行った。結果を表1およ
び2に示す。
【0031】
【表1】
【表2】
【0032】表1および2に示すように、実施例1〜4
においていずれも、優れた細胞増殖抑制効果が認められ
た。
【0033】[試験例2:ヒト胃ガン細胞に対するアポ
トーシス誘導作用]実施例1について、ヒト胃ガン細胞
に対するアポトーシス誘導作用を確認するため、細胞が
形態変化する様子を観察した。ヒト胃ガン細胞を10%
牛胎児血清含有RPMI1640培地で培養した。5×10
5cells/mlに調整したヒト胃ガン細胞にサンプル2mg
/mlを添加した。これらを37℃、95%air-5%CO
2の条件下で3日間培養し、遠心分離により細胞を集め
た。集めた細胞の核を染色し、蛍光顕微鏡で形態を観察
した。なお、対照として、溶媒(80%含水エタノー
ル)のみを添加したものについて同様な条件で細胞の形
態を観察した。
【0034】図1(A)に示すように、無添加の対照には
細胞の形態変化が見られないのに対し、実施例1(月見
草種子抽出物)を添加したものは、アポトーシス誘導の
特徴であるアポトーシス小体が認められた(図1(B)参
照)。
【0035】[試験例3:DNA断片化の解析]細胞に
アポトーシスが誘導されるとDNAの断片化が生じる。
試験例3では、実施例1〜4を添加した細胞からDNA
を抽出して電気泳動を行い、DNAの断片化を観察し
た。
【0036】ヒト胃ガン細胞を10%牛胎児血清含有R
PMI1640培地で培養した。5×105cells/mlに
調整したヒト胃ガン細胞に所定濃度のサンプル(実施例
1〜4)をそれぞれ添加した。これらを37℃、95%
air-5%CO2の条件下で3日間培養し、遠心分離して上
清を除き細胞をPBS(Phosphate buffered saline)
で洗浄した。細胞ペレットにlysis bufferを加え、細胞
を懸濁させた。ここにRNaseを加え50℃で2.5時間
反応させてからプロテアーゼK溶液を加え、50℃で
2.5時間反応させた。DNA断片を抽出し、DNA抽
出液とゲルローディング液を混合して2%アガロースゲ
ル板のウェルに添加し、100Vで電気泳動を行った。
ゲルを水に浸しUVトランスイルミネーターでエチジウ
ムブロマイド蛍光を発したDNAを検出した。なお、対
照として、溶媒(50%含水エタノール)のみを添加し
たものについて同様な条件でDNA断片化の様子を観察
した。結果を図2〜4に示す。
【0037】図2において、「M」はDNAマーカー、
「(1)」は対照(無添加)、「(2)」は実施例1(月見草
種子抽出物)を1mg/ml添加したもの、「(3)」は
実施例1(月見草種子抽出物)を2mg/ml添加した
ものである。実施例1(月見草種子抽出物)を添加した
ものはDNAの断片化が見られる。濃度が大きくなるに
したがいDNAの断片化の程度が大きくなることが判
る。
【0038】図3において、「M」はDNAマーカー、
「(1)」は対照(無添加)、「(2)」、「(3)」および
「(4)」は実施例1(月見草種子抽出物)を2mg添加
したものについて、培養1日目、2日目および3日目の
DNAの断片化の様子を観察したものである。実施例1
(月見草種子抽出物)を添加したものは培養日数の経過
に伴い、DNAの断片化の程度が大きくなることが判
る。
【0039】図4において、「M」はDNAマーカー、
「(1)」は対照(無添加)、「(2)」は実施例2(没食子
酸)を400μM添加したもの、「(3)」は実施例2
(エラグ酸)を200μM添加したもの、「(4)」は比
較例1(ルテオリン)を800μM添加したもの、
「(5)」は比較例2(アピゲニン)を300μM添加し
たもの、「(6)」は実施例4(ペンタガロイルグルコー
ス)を400μM添加したものである。比較例1、2お
よび対照には、DNAの断片化がほとんど見られないの
に対し、実施例2〜4はDNAの断片化が認められた。
【0040】[製造例:飲食品への適用]例えば、次の
処方により癌予防に有効な飲食品を製造することができ
る。 製造例1:ソフトカプセル 玄米胚芽油 87.0wt% 乳化剤 12.0 月見草種子抽出物 1.0 100.0wt%
【0041】 製造例2:清涼飲料 果糖ブドウ糖液糖 30.0wt% 乳化剤 0.5 月見草種子抽出物 0.05 香料 微量 精製水 残余 100.0wt%
【0042】 製造例3:錠剤 乳糖 54.0wt% 結晶セルロース 30.0 澱粉分解物 10.0 グリセリン脂肪酸エステル 5.0 月見草種子抽出物 1.0 100.0wt%
【0043】 製造例4:錠菓 砂糖 76.4wt% グルコース 19.0 ショ糖脂肪酸エステル 0.2 月見草種子抽出物 0.5 精製水 3.9 100.0wt%
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のように優れた効果を奏する。 (a) 月見草由来の安全性の高いアポトーシス誘導剤を
得ることができる。 (b) 副作用のない癌予防食品や癌治療薬を容易に製造
することができる。 (c) 癌予防の有効成分を飲食品または薬品として日常
的に摂取しやすい。 (d) 月見草油の製造工程で生じる残渣および圧搾粕を
原料とすることができ、産業廃棄物の有効利用および減
少に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト胃ガン細胞の形態変化の様子を示す蛍光顕
微鏡写真である。
【図2】ヒト胃ガン細胞のDNA断片化の様子を示す電
気泳動写真である。
【図3】ヒト胃ガン細胞のDNA断片化の様子を示す電
気泳動写真である。
【図4】ヒト胃ガン細胞のDNA断片化の様子を示す電
気泳動写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/7024 A61K 35/78 C 4C206 35/78 A61P 35/00 A61P 35/00 43/00 105 43/00 105 A23G 3/00 101 // A23G 3/00 101 A23L 2/00 F (72)発明者 藍谷 教夫 愛知県一宮市北方町北方字沼田一番地 オ リザ油化株式会社内 (72)発明者 山口 博司 愛知県一宮市北方町北方字沼田一番地 オ リザ油化株式会社内 (72)発明者 岡田 忠司 愛知県一宮市北方町北方字沼田一番地 オ リザ油化株式会社内 (72)発明者 村井 弘道 愛知県一宮市北方町北方字沼田一番地 オ リザ油化株式会社内 Fターム(参考) 4B014 GB08 GK06 4B017 LC03 LG15 LK08 LK11 LP01 4B018 LB01 MD15 MD27 MD61 ME08 MF01 4C086 AA01 AA02 BA17 EA03 MA01 MA04 MA52 NA14 ZB21 ZB26 4C088 AB12 AC04 BA08 CA08 MA01 MA52 NA14 ZB21 ZB26 4C206 AA01 AA02 DA18 MA01 MA04 MA72 NA14 ZB21 ZB26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 月見草の抽出物を有効成分とするアポト
    ーシス誘導剤。
  2. 【請求項2】 前記月見草が月見草種子である請求項1
    記載のアポトーシス誘導剤。
  3. 【請求項3】 前記月見草が脱脂月見草種子である請求
    項1記載のアポトーシス誘導剤。
  4. 【請求項4】 前記抽出物の抽出溶媒がエタノール濃度
    70〜85%(v/v)のエタノール/水である請求項1
    〜3のいずれか一項記載のアポトーシス誘導剤。
  5. 【請求項5】 没食子酸を有効成分とするアポトーシス
    誘導剤。
  6. 【請求項6】 エラグ酸を有効成分とするアポトーシス
    誘導剤。
  7. 【請求項7】 ペンタガロイルグルコースを有効成分と
    するアポトーシス誘導剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項記載のアポ
    トーシス誘導剤を含有してなる飲食品。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか一項記載のアポ
    トーシス誘導剤を含有してなる薬品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110652505A (zh) * 2018-06-28 2020-01-07 嘉兴学院 南湖菱壳多酚提取物在制备用于抗her-2过表达型乳腺癌药物中的用途

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110652505A (zh) * 2018-06-28 2020-01-07 嘉兴学院 南湖菱壳多酚提取物在制备用于抗her-2过表达型乳腺癌药物中的用途
CN110652505B (zh) * 2018-06-28 2022-05-31 嘉兴学院 南湖菱壳多酚提取物在制备用于抗her-2过表达型乳腺癌药物中的用途

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