JP2002306028A - 釣り竿用積層管の製造方法及び釣り竿用積層管 - Google Patents

釣り竿用積層管の製造方法及び釣り竿用積層管

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JP2002306028A
JP2002306028A JP2001115064A JP2001115064A JP2002306028A JP 2002306028 A JP2002306028 A JP 2002306028A JP 2001115064 A JP2001115064 A JP 2001115064A JP 2001115064 A JP2001115064 A JP 2001115064A JP 2002306028 A JP2002306028 A JP 2002306028A
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prepreg
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yarn
laminated tube
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Hidetoshi Shigefuji
秀俊 重藤
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Johshuya Co Ltd
Silver Star Co Ltd
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Johshuya Co Ltd
Silver Star Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂量が少なく軽量で、中空円筒部と中実円
錐部との一体感の高く、且つ、製造工程において作業者
の環境を向上させる釣り竿用積層管の製造方法及び釣り
竿用積層管の提供。 【解決手段】 釣り竿用積層管1は、基部をなす中空円
筒部10と先端部をなす中実円錐部20とからなる。中
空円筒部10は、急テーパ部12と、内層11A、外層
11Bからなる二層構造をした緩テーパ部11とにより
構成されている。内層11Aは、芯金の周方向に積層さ
れたプリプレグシートにより構成されており、プリプレ
グシート中の補強繊維は軸方向と周方向とに指向する。
外層11B、急テーパ部12及び中実円錐部20は、芯
金の軸方向に配置された連続するヤーンプリプレグによ
り一体に構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は釣り竿用積層管の製造方
法及び釣り竿用積層管に関し、特に先端部が中実円錐
部、基部が中空円筒部からなる釣り竿用積層管及び釣り
竿用積層管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一本もののルアー竿や、継竿
を構成する穂先竿としては、中空円筒部たる基部と中実
円錐部たる先端部とが一体に設けられた釣り竿用積層管
により構成されるタイプが知られている。
【0003】特開平8−332002号公報にはこのタ
イプの釣り竿用積層管が記載されている。図3に示され
るように、釣竿を構成する中空円筒部110たる基部
は、図示せぬ基端から先端110Aへ向かって細くなる
緩いテーパを有している。先端の中実円錐部120に
は、その底面から円錐の軸方向であって円錐から離間す
る方向に同軸的に突出する円柱部120Aを有してお
り、円柱部120Aの直径は、中空円筒部110の先端
の内周の直径に一致する。
【0004】一般に、このタイプの積層管101は、以
下の方法により製造される。中空円筒部110は、次の
工程により製造される。先ず、一端から他端へ向かって
大径となるように緩いテーパをもたせた図示せぬ芯金の
外周面に、フッ素等の離型剤を塗布する。次に、離型剤
の塗布された芯金の外周に、バインダーとしての熱硬化
性合成樹脂を補強繊維に含浸させて半乾燥させた図示せ
ぬプリプレグを、所望の量だけ巻回し積層する。
【0005】次に、巻回し積層したプリプレグの外周面
に、加圧テープを加圧テープの両側面が重なり合うよう
に螺旋状に巻回し、加熱炉内に吊下げて加熱して熱硬化
性合成樹脂を溶融・硬化させ、最後に、加圧テープを剥
離し、芯金を抜き去り、両端を所定の位置で切断し、外
周面を研磨する仕上げ加工をすることにより、中空円筒
部110が製造される。
【0006】中実円錐部120は、繊維補強合成樹脂か
らなる図示せぬ円柱体の外周面を切削加工して、中実円
錐部120の形状とすることにより製造されるか、また
は、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性合成樹
脂液中に浸漬させた炭素繊維や硝子繊維等からなる補強
繊維を、内面が略円錐状をした型内に引込んで加熱硬化
させ、硬化後に型内から引出すことにより製造される。
【0007】最後に、中実円錐部の120円柱部120
Aが、中空円筒部110の先端部110Aから中空円筒
部110内に挿入され、中空円筒部110に接着される
ことによって、中空円筒部110と中実円錐部120と
が一体となり、釣り竿用積層管101が製造される。
【0008】このタイプの釣り竿用積層管の製造方法に
おいては、中実円錐部120の中空円筒部110への接
着工程が必要であり、また、積層管101の使用頻度が
多くなると、接着した部分が剥離し積層管101の破壊
につながるという問題が生じていた。また、中実円錐部
120の円柱部120Aが接着されている中空円筒部1
10の部分に、たわみ時の応力が集中して破損しやす
く、竿先の重量増に伴う持ち重りの原因になるのみなら
ず、竿調子がでなくなるといった問題も生じていた。ま
た、この部分の周方向の補強が不足すると割れが発生し
てしまうといった問題も生じていた。
【0009】特公昭37−12812号公報には、緩い
テーパを有する略円柱形状の芯金の外周に、補強繊維か
らなるヤーンを周方向へほぼ密に巻回させた後に、芯金
の軸方向に芯金の一端よりも所定の距離だけ離間した位
置まで、直前にタンク内の熱硬化性合成樹脂溶液に浸漬
されヤーンに付着した樹脂をシゴキとるための伸縮自在
のゴム板に通されて余分な樹脂が除去された補強繊維か
らなる複数本のヤーンを配置させ、後に加熱することに
よりヤーンに含浸した熱硬化性合成樹脂を硬化させ、外
周面の研磨を行う仕上げ加工を行う他の製造方法が開示
されている。芯金の先端は、棒が切断されたような所定
の半径を有する断面となっているため、芯金の先端より
も先は芯金が存在しておらず、芯金の軸方向に配置され
るヤーンは、その部分、即ち、中実円錐部となる部分に
おいて芯金の半径方向内方へ入り込むことになり、中空
円筒部と中実円錐部とが接続されている部分に段差が生
じる。仕上げ加工にて、この段差を削り取るとこの部分
の強度をすこぶる低下させることになる。
【0010】しかし、特公昭37−12812号公報記
載の積層管の製造方法では、熱硬化性合成樹脂の溶液に
ヤーンを浸積した後に芯金上に配置するため、溶媒が積
層管内に多量に含まれ、硬化時に気泡となり、製造され
た積層管内部へ気泡が多数残存し、積層管が破損し易か
った。
【0011】また、熱硬化性合成樹脂の溶液にヤーンを
浸積した直後に余分な樹脂をゴム板で除去していたが十
分に除去することができず、製造された積層管の樹脂量
重量比率は多くなって、重い積層管しか得られないため
操作性が悪かった。
【0012】また、熱硬化性合成樹脂の溶液へヤーンを
浸積するためヤーン1本ずつへ一定の張力をかけること
ができず、製造された積層管内部でヤーンが上下左右に
蛇行した状態になってしまい、曲げ剛性や曲げ強力が一
定にならないため積層管が破損しやすいといった問題
や、ヤーンが丸くなろうとするため厚さが一定になら
ず、製造された積層管の表面に凹凸ができ、外層のヤー
ンが屈曲し、曲げ剛性、曲げ強力が低下し不安定である
といった問題が生じていた。
【0013】また、このタイプの釣竿用積層管の製造方
法においては、必要とされる竿の曲げ強力や曲げ剛性か
ら積層管の基端の肉厚を設定し、積層管の基端をベース
に芯金の軸方向に配置されるヤーンの目付や本数を決定
しなければならないので、先端中実円錐部の補強繊維量
が増大して、しなやかなたわみ曲線を描く積層管を得に
くく、肉厚は芯金の径が大きい元部で薄く、芯金の径が
小さい先端部で大きくなっていた。このため、先端部の
中実円錐部の外径は不必要に太く重くなり、研磨して廃
棄する材料が多く、持ち重りが非常に大きく操作性が悪
い竿になっていた。
【0014】また、特公昭37−12812号公報記載
の積層管の製造方法では、周方向に巻回するヤーンに代
えてプリプレグを使用すると、巻回されたプリプレグに
含浸されている樹脂が、溶液中の溶媒によって溶解され
てプリプレグ中の補強繊維がばらけてしまうという不具
合が発生する問題もある。
【0015】
【本発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、樹
脂量が少なく軽量で、中空円筒部と中実円錐部との一体
感の高く、且つ、製造工程において作業者の環境を向上
させる釣り竿用積層管の製造方法及び釣り竿用積層管を
提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による釣り竿用積層管の製造方法は、先端2
Dを急テーパ2Aの円錐形状に形成した芯金2の外周の
緩テーパ部2Bに高強度・高弾性補強繊維13を少なく
とも該芯金2の周方向に巻回し、該巻回層11Aの外周
の基部2から先端2Dよりも先まで該芯金2の軸方向に
合成樹脂を含浸させて半乾燥させた高強度・高弾性補強
繊維束14を複数本配置して軸方向繊維層11Bを形成
し、該軸方向繊維層11Bの外周に加圧テープを巻回し
て加熱硬化させ後に該加圧テープを除去すると共に該芯
金2を脱芯して仕上げ加工をする。
【0017】また本発明による釣り用積層管1は、基部
の中空円筒部10と先端部中実円錐部20とを一体に形
成してなる釣り竿用積層管1において、前記中空円筒部
10の内周11Aは、周方向及び軸方向に高強度・高弾
性補強繊維を配向させたプリプレグシート13或いはプ
リプレグテープの巻回層からなり、前記中空円筒部の外
周11B及び前記先端部中実円錐部20は、基端から先
端1Aに亘って軸方向に配向された高強度・高弾性補強
繊維樹脂層からなる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態による釣り竿
用積層管1及び釣り竿用積層管1の製造方法について図
1乃至図2に基づき説明する。釣り竿用積層管1は、一
本もののルアー竿を構成し、図1に示されるように、基
部を構成する中空円筒部10と先端部を構成する中実円
錐部20とにより構成されている。中空円筒部10は、
積層管の図示せぬ基端から先端1Aへ向かって細径とな
る緩テーパ部11を有し、細径となっている緩テーパ部
11の一端よりも積層管の先端寄りの部分は、積層管の
図示せぬ基端から先端1Aへ向かって更に細径となる急
テーパ部12を有している。釣り用積層管1を構成する
中空円筒部10の、細径となっている急テーパ部12の
一端から積層管の先端1Aに至る部分は、円錐形状の中
実円錐部20により構成されている。従って、中実円錐
部20は中空円筒部10の急テーパ部12に一体的に形
成されており、急テーパ部12は緩テーパ部11に一体
的に形成されている。
【0019】中空円筒部10の緩テーパ部11は内層1
1Aと外層11Bとからなる二層構造になっている。内
層11Aには、プリプレグシート13(図2)を巻回す
ることにより構成されている。プリプレグシート13
は、炭素繊維を有するプリプレグシートをガラススクリ
ムクロスで裏打ちしたものを2プライ巻回して2層とす
ることにより構成されている。具体的には、プリプレグ
シート13には、03ガラススクリムクロスによって裏
打ちされたトレカ3053S−05からなるトレカ30
53S−0503を使用している。プリプレグシート1
3中の炭素繊維は、全て釣り用積層管1の軸方向に指向
している。03スクリムクロスを構成するガラス繊維
は、軸方向に指向するガラス繊維と周方向に指向するガ
ラス繊維とを織成して形成している。トレカ3053S
−05は、炭素繊維重量が55g/m 、樹脂量が30
WT%であり、03ガラススクリムクロスは、ガラス繊
維重量が24g/m、樹脂量が31.4WT%であ
り、トレカ3053S−0503全体の合計重量は11
3.6g/mである。プリプレグシート13のトレカ
3053S−05、03ガラススクリムクロスには熱硬
化性合成樹脂としてエポキシ樹脂を含浸させて半乾燥さ
せている。プリプレグシート13中のガラス繊維は、周
方向に巻回された高強度、高弾性補強繊維に相当する。
【0020】外層11Bは、熱硬化性合成樹脂としての
エポキシ樹脂と炭素繊維束とからなるヤーンプリプレグ
14を、釣り竿用積層管1の軸方向に指向させて構成さ
れている。より具体的には、直径が7ミクロンの炭素繊
維3000本を一束としたトレカT−700S−24ト
ン炭素繊維3Kにエポキシ樹脂を含浸させて半乾燥させ
たヤーンプリプレグ14が32本用いられて、外層11
Bは構成されている。ヤーンプリプレグ14は、ヤーン
サイズが3K、繊維重量が0.198g/m、樹脂量が
24WT%、プリプレグ重量が0.261g/m、繊維
容積が0.110m/m、樹脂容積が0.050m
/m、ヤーンプリプレグの容積が0.160m/m、
繊維容積比率が68.6%、弾性率が15,873kg
/mmである。外層11Bを構成するヤーンプリプレ
グ14が配置された後に加圧・加熱され、プリプレグシ
ート13及びヤーンプリプレグ14に含浸されている熱
硬化性合成樹脂が硬化されて、外層11B及び内層11
Aからなる二層構造の中空円筒部10を形成する。
【0021】軸方向に配置され外層11Bに用いられて
いる32本のヤーンプリプレグ14の各々は、外層11
Bに用いられている部分以外の部分が中空円筒部10の
急テーパ部12、中実円錐部20として用いられてい
る。即ち、一本のヤーンプリプレグ14の一部は、緩テ
ーパ部11の外層11Bを構成するために用いられ、外
層11Bに用いられている部分に先端側で隣接する部分
は急テーパ部12を形成するために用いられ、急テーパ
部12に用いられている部分に先端側で隣接する部分は
中実円錐部20に用いられる。中実円錐部20、中空円
筒部10の急テーパ部12は、緩テーパ部11の外層1
1Bに用いられているヤーンプリプレグ14のみが用い
られて構成されている。
【0022】製造した釣り用積層管1の全長は、180
0mmであり、基端の内径は6.500mm、外径は
7.210mmであり、内層11Aと外層11Bとの境
界線からなる面よって規定される、積層管の半径方向の
断面の径、即ち、中間径は、6.743mmである。急
テーパ部12の、中実円錐部20と接続されている部分
の内径は0.400mmである。また、製造された釣竿
用積層管の重量は17.7gであり、持ち重り、即ちモ
ーメントは13897g・mmである。
【0023】釣り用積層管1の製造方法で用いられる芯
金2は、略棒状をしており、先端側急テーパ部2Aと基
部側緩テーパ部2Bと、基部側急テーパ部2Cとにより
構成されている。先端側急テーパ部2A及び基部側急テ
ーパ部2Cは円錐形状をしている。先端側急テーパ部2
Aの先端は芯金2の先端2Dをなし、基端側急テーパ部
の先端は芯金2の基端2Eをなす。芯金2の外径は、先
端2Dではφ0.4mm、先端からの距離が50mmの
位置ではφ1.9mm、先端からの距離が1500mm
の位置、即ち、基部側緩テーパ部2Bと基部側急テーパ
部2Cとが接続されている位置ではφ6.5mmであ
る。
【0024】釣り用積層管1の製造に際しては、先ず、
芯金2の外周面全体にフッ素等からなる離型剤を塗布す
る。次に、基部側緩テーパ部2Bに、トレカ3053S
−0503を台形状に裁断したプリプレグシート13
が、芯金2の周方向に巻回される。芯金2にプリプレグ
シート13を巻回する際には、プリプレグシート13中
の炭素繊維が芯金2の軸方向に指向するように配置す
る。
【0025】次に、プリプレグシート13が巻回された
芯金2上に配置され緩テーパ部11の外層11B、急テ
ーパ部12、及び中実円錐部20をなすヤーンプリプレ
グ14の本数、目付を決定する。ヤーンプリプレグ14
の目付、本数は、製造される釣り用積層管1に要求され
る曲げ剛性及び曲げ強力に基づいて中実円錐部20の急
テーパ部12と接続されている部分の外径を決定し、こ
の外径に加工代を加えた状態の半径方向の断面積から決
定する。本実施の形態による釣り用積層管1の製造方法
では、本数は32本、用いられるヤーンプリプレグ14
は、トレカT−700S−24トン炭素繊維3Kとエポ
キシ樹脂とにより構成され熱硬化性合成樹脂を24WT
%含むものに選定される。
【0026】32本のヤーンプリプレグ14は、プリプ
レグシート13の巻回された芯金2の周方向に等間隔
で、芯金2の軸方向に指向した状態で配置される。ヤー
ンプリプレグ14は、芯金2の、基端側急テーパ部と基
端側緩テーパ部とが接続されている位置から、芯金2の
先端側急テーパ部2Aの方向に配置されてゆき、先端側
急テーパ部2Aの先端よりも先まで、即ち、芯金2の先
端からこの軸方向に離間した所定の位置まで配置され
る。
【0027】次に、配置したヤーンプリプレグ14の上
から、加圧テープを、加圧テープの両側面が重なり合う
ように螺旋状に巻回する。そして、加熱炉内に吊下げて
加熱することにより、プリプレグシート13及びヤーン
プリプレグ14を溶融させ、更に硬化させる。この段階
における急テーパ部12の、中実円錐部20と接続され
ている一端の外径は2.584mm、中実円錐部20
の、急テーパ部12と接続されている一端の外径は2.
55mmであり、外径の差は0.034mmである。急
テーパ部12と中実円錐体とは同軸的な位置関係であり
釣り用積層管1の半径方向に軸心を中心として線対称の
位置関係に2つ形成されているため、外径の差を2で割
った値が段差の値であり、段差は0.017mmであ
る。
【0028】最後に、加圧テープを剥離し、芯金2を抜
き、所定の位置で積層管の両端を切断し、外周面を研磨
加工して、所望の釣り用積層管1の形状とする。
【0029】ヤーンプリプレグ14を軸方向に配置させ
て、緩テーパ部11の外層11B、急テーパ部12、及
び中実円錐部20を構成したため、ヤーンプリプレグ1
4を構成する熱硬化性合成樹脂の量をヤーンプリプレグ
14中で均一となるようにコントロールすることが可能
となり、樹脂量を20乃至35%といった低い値にまで
任意にコントロールすることができる。このため、竿の
大幅な軽量化を図ることができる。また、ヤーンプリプ
レグ14の乾燥状態を容易に管理できるため、ヤーンプ
リプレグ14中の溶媒の残存量を1.5%以下にするこ
とが可能となり、釣り用積層管1へ持込む溶媒の量を極
端に減少でき、釣り用積層管1の強度の安定、向上を図
ることができる。
【0030】また、ヤーンプリプレグ14中のヤーン1
本ずつの張力のコントロールが容易となり、芯金2外周
へ配置したヤーンの乱れが無くなり、曲げ剛性、曲げ強
力の安定化と向上を図ることができる。
【0031】ヤーンプリプレグ14は半乾燥状態であり
溶媒がほとんど無いため、芯金2へ前もってプリプレグ
のシート、プリプレグクロスなどを積層し、その上にヤ
ーンプリプレグ14を配置しても、プリプレグシート1
3中の補強繊維がばらけない。このため、設計の自由度
を向上させることができる。また、釣り用積層管1を製
造する工場とは別の換気状態のよい部屋で、前もってヤ
ーンへ樹脂を含浸しヤーンプリプレグ14を製造してお
くことができるため、積層管を製造する工場内に熱硬化
性合成樹脂と溶媒のタンクを置く必要がなく、作業環境
の向上を図ることができる。
【0032】また、プリプレグの厚さを均一とすること
ができるため、芯金2に巻回された状態のプリプレグ表
面に凹凸が生じないようにすることができる。このた
め、プリプレグの上に配置され外層11Bをなすヤーン
プリプレグ14の繊維配列が安定し、品質を向上させる
ことができる。
【0033】また、ヤーンプリプレグ14の目付、本数
は、製造される釣り用積層管1に要求される曲げ剛性及
び曲げ強力に基づいて中実円錐部20の急テーパ部12
と接続されている部分の外径が決定され、この外径によ
り定まる断面積から決定されるようにできるため、仕上
げ加工を行う際に、釣り用積層管1の先端を構成するヤ
ーンプリプレグ14からなる部分を、研磨して廃棄する
ロスを大きく減少することができる。
【0034】また、基部の芯金2径や前もって積層され
内層11Aをなすプリプレグシート13の肉厚によって
外層11Bの内径が設定され、外層11Bの外径を計算
できる。このため、ヤーンプリプレグ14とは異なる種
々の弾性率、強度を有するプリプレグシート13等を内
層として使用でき、設計の自由度が格段に向上し、大き
な軽量化が図れ、持ち重りが無く操作性に優れた竿を得
ることができる。
【0035】また、周方向補強材として、プリプレグテ
ープ単体もしくはプリプレグシートへの張り合わせ材を
使用できるため積層管の厚さが安定し、品質を安定、向
上させることができる。
【0036】また、緩テーパ部11は、内層に炭素繊維
・ガラス繊維、外層に炭素繊維を有する二層構造であ
り、急テーパ部12及び中実円錐部20は、炭素繊維を
有しガラス繊維を有していないため、曲がりがスムーズ
でより先調子の竿を得ることができる。
【0037】また、中空円筒部10の緩テーパ部11を
ガラス繊維と炭素繊維とが混在した構造としたため、ガ
ラスと炭素との中間の弾性率を得ることができ、軽い竿
を得ることができる。また、ガラス繊維等の、炭素繊維
の弾性率とは異なる材料を緩テーパ部11に混在・配合
させることによって、緩テーパ部11の弾性率をその配
合比率により調整して、任意に得ることができる。
【0038】また、芯金2先端外径をφ0.4mm以下
としたことにより、中実円錐部20と中空円筒部10と
の境目に生ずる段差を極度に減少させることができ、仕
上げ加工における研磨後の繊維切断等に起因しての破損
が防止できる。
【0039】次に、本実施の形態による釣り竿用積層管
1の効果を明らかにするために、本実施の形態による釣
り竿用積層管1と同等の曲げ剛性及び曲げ強力を有する
図示せぬ従来の釣り竿用積層管を、前述の特公昭37−
12812号公報に記載の製造方法に基づき製造し比較
を行った。
【0040】従来の釣り竿用積層管は一本もののルアー
竿であり、本実施の形態による釣り竿用積層管1と類似
の構成をしており、中実円錐部と中空円筒部とからな
り、中空円筒部は緩テーパ部と急テーパ部とからなる。
また、緩テーパ部は外層と内層とからなる二層構造にな
っている。但し、中実円錐部、中空円筒部の急テーパ
部、緩テーパ部の内層、外層に用いられている材料は、
本実施の形態による釣り竿用積層管1のものとはそれぞ
れ異なっている。
【0041】内層には炭素繊維からなるヤーン、より具
体的には、直径が7ミクロンの炭素繊維3000本を一
束としたヤーンであるトレカT−700S−24トン炭
素繊維3Kが周方向に巻回されて螺旋状とされ、ヤーン
の両側面が互いに接触した状態とされて用いられてい
る。また、外層には、内層に用いられているヤーンと同
一のヤーン36本が、エポキシ樹脂溶液に浸漬され、内
層を構成するヤーンの上に周方向に均等の間隔で釣り竿
用積層管の軸方向に指向するように配置されている。外
層を構成するヤーンが配置された後に加熱され、ヤーン
に含浸したエポキシ樹脂が硬化されて、外層及び内層か
らなる二層構造の中空円筒部をなす。
【0042】エポキシ樹脂溶液に浸漬され外層に用いら
れた36本のヤーンは、本実施の形態と同様に、それぞ
れ中空円筒部の急テーパ部及び中実円錐部にも用いられ
ており、ヤーンが配置された後に加熱され、ヤーンに含
浸したエポキシ樹脂が硬化されることにより、急テーパ
部及び中実円錐部を構成する。
【0043】釣り竿用積層管の全長は、1800mmで
あり、基端の外径はφ8.734mm、内径は8.00
0である。急テーパ部の、中実円錐部に接続されている
部分の内径は0.800mmである。釣り竿用積層管の
重量は24.0gであり、持ち重り、即ちモーメントは
19708g・mmである。
【0044】比較される従来の釣り竿用積層管の製造方
法は、本実施の形態による釣り竿用積層管1の製造方法
とは若干異なる。具体的には、芯金にはプリプレグシー
トではなくヤーンを周方向に螺旋状に巻回しヤーンの側
面が互いに接した状態とし、その上に、ヤーンプリプレ
グではなく熱硬化性合成樹脂を含浸させたヤーンを芯金
の軸方向に配置する点で本実施の形態による釣り竿用積
層管の製造方法とは異なる。ヤーンは、本実施の形態に
おけるヤーンプリプレグが有するヤーンと同一であり、
熱硬化性合成樹脂を含浸させた状態のヤーンは、樹脂量
が50WT%、重量が0.396g/m、樹脂容積が
0.158m/m、ヤーンの容積が0.268m
m、繊維容積比率が41.0%、弾性率が9,487k
g/mmである。
【0045】ヤーンの目付や本数は、本実施の形態によ
る釣り竿用積層管の曲げ強力や曲げ剛性の値を基準とし
て決定した。従来の釣り竿用積層管の製造方法では、本
数は36本、目付は、0.198g/m、用いられるヤ
ーンは、トレカT−700S−24トン炭素繊維3Kと
決定した。
【0046】また、芯金の形状も異なる。芯金は略棒状
をしており、一端から他端へ向かって小径となる緩いテ
ーパを有している。一端は芯金の基端をなし、他端は芯
金の先端をなす。芯金の外径は、先端ではφ0.8m
m、先端からの距離が1500mmの位置、即ち、基端
の位置ではφ8.0mmである。これら以外は、本実施
の形態による釣り竿用積層管1の製造方法と同一であ
る。
【0047】また、比較される従来の釣り竿用積層管の
製造方法における、仕上げ加工をする前の段階の急テー
パ部の先端の外径は3.595mm、中実円錐部の、急
テーパ部の先端と接続されている部分の外径は3.50
5mmである。従って、外径の差は0.090mmであ
り、外径の差を2で割ることにより求まる段差の値は
0.045mmである。
【0048】本実施の形態による釣り竿用積層管1と従
来の釣り竿用積層管とを比較すると、従来の釣り竿用積
層管に対して本実施の形態による釣り竿用積層管の重量
は73.8%と軽量化されている。また、基端の外径
は、82.5%と小径化され、モーメントは70.5%
と小さくなっており、商品価値が格段に向上しているこ
とが分かる。中実円錐部の急テーパ部の先端と接続され
ている部分に生ずる段差は、35.8%と大幅に小さく
なっており、仕上げ加工における研磨によって中空円筒
部が損傷を受けて折れることがなくなり、品質が格段に
向上することが分かる。
【0049】本発明による釣り竿用積層管の製造方法及
び釣り竿用積層管は上述した実施の形態に限定されず、
特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可
能である。例えば、本実施の形態では、軸方向に配置さ
れ、又は周方向に巻回された高強度・高弾性補強繊維と
して炭素繊維、ガラス繊維を用いたが、炭素繊維は、低
弾性、中弾性、高弾性のいずれであってもよく、また、
ケブラーなどの有機繊維、ボロン、アモルファスなどの
金属繊維であってもよい。これらの内の一を単独で用い
てもよく、2種類以上の繊維を重ねて配置してもよく、
並列させて配置してもよい。従って、プリプレグシート
としては、一方向引揃えシート、直交シート、張り合わ
せシート、ガラススクリムクロスのみからなるプリプレ
グシート、織物でもよい。また、形状はシートではなく
てもよくテープ状のものを両側面が重なるように螺旋状
に巻回するようにしてもよい。
【0050】また、本実施の形態では、熱硬化性合成樹
脂としてエポキシ樹脂を用いたが、不飽和ポリエステル
樹脂、フェノール樹脂等を用いてもよい。
【0051】また、ヤーンプリプレグの樹脂量は24W
T%であったが、35%WT以下であればよく、20乃
至30WT%であることが望ましい。
【0052】また、外層にヤーンプリプレグが用いられ
るのであれば、内層にはプリプレグシートが用いられな
くてもよく、例えば、内層にはヤーンが用いられてもよ
い。
【0053】
【発明の効果】請求項1記載の釣り竿用積層管の製造方
法によれば、巻回層の外周の基部から先端よりも先まで
芯金の軸方向に合成樹脂を含浸させて半乾燥させた高強
度・高弾性補強繊維束を複数本配置して軸方向繊維層を
形成するようにしたため、高強度・高弾性補強繊維束を
構成する熱硬化性合成樹脂の量を、合成樹脂を含浸させ
て半乾燥させた高強度・高弾性補強繊維束中で均一とな
るようにコントロールすることが可能となり、樹脂量を
20乃至35%といった低い値にまで任意にコントロー
ルすることができる。このため、釣り竿用積層管の大幅
な軽量化を図ることができる。また、合成樹脂を含浸さ
せて半乾燥させた高強度・高弾性補強繊維束の乾燥状態
を容易に管理できるため、合成樹脂を含浸させて半乾燥
させた高強度・高弾性補強繊維束中の溶媒の残存量を低
減させることが可能となり、釣り竿用積層管へ持込む溶
媒の量を極端に減少でき、釣り竿用積層管の強度の安
定、向上を図ることができる。
【0054】また、合成樹脂を含浸させて半乾燥させた
高強度・高弾性補強繊維束中のヤーン1本ずつの張力の
コントロールが容易となり、芯金外周へ配置したヤーン
の乱れが無くなり、釣り竿用積層管の曲げ剛性、曲げ強
力の安定化と向上を図ることができる。
【0055】また、合成樹脂を含浸させて半乾燥させた
高強度・高弾性補強繊維束には溶媒がほとんど無いた
め、芯金へ前もってプリプレグのシート、プリプレグク
ロスなどを積層し、その上に合成樹脂を含浸させて半乾
燥させた高強度・高弾性補強繊維束を配置しても、プリ
プレグシート中の補強繊維がばらけない。このため、設
計の自由度を向上させることができる。また、釣り竿用
積層管を製造する工場とは別の換気状態のよい部屋で、
前もってヤーンへ樹脂を含浸し合成樹脂を含浸させて半
乾燥させた高強度・高弾性補強繊維束を製造しておくこ
とができるため、積層管を製造する工場内に熱硬化性合
成樹脂と溶媒のタンクを置く必要がなく、作業環境の向
上を図ることができる。
【0056】また、内層の周方向補強材にプリプレグシ
ートやプリプレグテープ、プリプレグクロステープ等を
使用できるため、繊維の毛羽立ちが無くなり、作業環境
の向上を図ることができる。また、プリプレグの厚さを
均一とすることができるため、芯金に巻回された状態の
プリプレグ表面に凹凸が生じないようにすることができ
る。このため、プリプレグの上に配置され外層をなす合
成樹脂を含浸させて半乾燥させた高強度・高弾性補強繊
維束の繊維配列が安定し、品質を向上させることができ
る。
【0057】また、基部の芯金径や前もって積層され内
層をなすプリプレグシートの肉厚によって外層の内径が
設定され、外層の外径を計算できる。このため、合成樹
脂を含浸させて半乾燥させた高強度・高弾性補強繊維束
とは異なる種々の弾性率、強度を有するプリプレグシー
ト等を内層として使用でき、設計の自由度が格段に向上
し、大きな軽量化が図れ、持ち重りが無く操作性に優れ
た釣り竿用積層管を得ることができる。
【0058】また、周方向補強材として、プリプレグテ
ープ単体もしくはプリプレグシートへの張り合わせ材を
使用できるため積層管の厚さが安定し、品質を安定、向
上させることができる。
【0059】請求項2記載の釣り竿用積層管によれば、
中空円筒部の内周は、周方向及び軸方向に高強度・高弾
性補強繊維を配向させたプリプレグシート或いはプリプ
レグテープの巻回層からなり、中空円筒部の外周及び先
端部中実円錐部は、基端から先端に亘って軸方向に配向
された高強度・高弾性補強繊維樹脂層からなるようにし
たため、高強度・高弾性補強繊維樹脂層を構成するヤー
ンプリプレグの熱硬化性合成樹脂の量をヤーンプリプレ
グ中で均一となるようにコントロールすることが可能と
なり、樹脂量を20乃至35%といった低い値にまで任
意にコントロールすることができる。このため、釣り竿
用積層管を大幅に軽量化することができる。また、ヤー
ンプリプレグの乾燥状態を容易に管理できるため、ヤー
ンプリプレグ中の溶媒の残存量を低減させることが可能
となり、釣り竿用積層管へ持込む溶媒の量を極端に減少
でき、強度の安定、向上化が図られた釣り竿用積層管と
することができる。
【0060】また、ヤーンプリプレグ中のヤーン1本ず
つの張力が的確にコントロールされ、芯金外周へ配置し
たヤーンの乱れが無く、曲げ剛性、曲げ強力の安定化と
向上が図られた釣り竿用積層管とすることができる。
【0061】ヤーンプリプレグは半乾燥状態であり溶媒
がほとんど無いため、芯金へ前もってプリプレグのシー
ト、プリプレグクロスなどを積層し、その上にヤーンプ
リプレグを配置しても、プリプレグシート中の補強繊維
がばらけない。このため、設計の自由度の向上した釣り
竿用積層管とすることができる。また、釣り竿用積層管
を製造する工場とは別の換気状態のよい部屋で、前もっ
てヤーンへ樹脂を含浸しヤーンプリプレグを製造してお
くことができるため、積層管を製造する工場内に熱硬化
性合成樹脂と溶媒のタンクを置く必要がなく、作業環境
の向上を図られた状態で製造される釣り竿用積層管とす
ることができる。
【0062】内層に軸方向の繊維を配向させるので、外
層のヤーンプリプレグの目付、本数は中実円錐部の急テ
ーパ部と接続されている部分の外径により定まる断面積
にて決定でき、外層のヤーンプリプレグの目付、本数の
低減が図れ、軽量かつ持ち重り感のない細身の積層管に
要求される曲げ剛性及び曲げ強力を得ることができる。
【0063】また、中空円筒部の内周は、周方向及び軸
方向に高強度・高弾性補強繊維を配向させたプリプレグ
シート或いはプリプレグテープの巻回層からなるため、
製造される過程において繊維の毛羽立ちが無くなり、作
業環境の向上が図られた状態で製造される釣り竿用積層
管とすることができる。また、プリプレグの厚さを均一
とすることができるため、芯金に巻回された状態のプリ
プレグ表面に凹凸が生じないようにすることができる。
このため、プリプレグの上に配置され外層をなすヤーン
プリプレグの繊維配列が安定し、品質の向上した釣り竿
用積層管とすることができる。
【0064】また、基部の芯金径や前もって積層され内
層をなすプリプレグシートの肉厚によって外層の内径が
設定され、外層の外径を計算できる。このため、ヤーン
プリプレグとは異なる種々の弾性率、強度を有するプリ
プレグシート等を内層として使用でき、設計の自由度が
格段に向上し、大きな軽量化が図られ、持ち重りが無く
操作性に優れた釣り竿用積層管とすることができる。
【0065】また、周方向補強材として、プリプレグテ
ープ単体もしくはプリプレグシートへの張り合わせ材を
使用できるため厚さが安定し、品質を安定、向上させた
釣り竿用積層管とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による釣り竿用積層管の先
端部付近を示す断面図。
【図2】本発明の実施の形態による釣り竿用積層管の製
造方法に用いられる芯金、プリプレグシート、ヤーンプ
リプレグを示す概略図。
【図3】従来の釣り竿用積層管の先端部付近を示す断面
図。
【符号の説明】
1 釣り竿用積層管 1A 先端 2 芯金 2A 先端側急テーパ部 2B 基部側緩テーパ部 2D 先端 10 中空円筒部 11A 内層 11B 外層 13 プリプレグシート 14 ヤーンプリプレグ 20 中実円錐部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B019 AA05 AB12 AC00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端を急テーパの円錐形状に形成した芯
    金の外周の緩テーパ部に高強度・高弾性補強繊維を少な
    くとも該芯金の周方向に巻回し、該巻回層の外周の基部
    から先端よりも先まで該芯金の軸方向に合成樹脂を含浸
    させて半乾燥させた高強度・高弾性補強繊維束を複数本
    配置して軸方向繊維層を形成し、該軸方向繊維層の外周
    に加圧テープを巻回して加熱硬化させ後に該加圧テープ
    を除去すると共に該芯金を脱芯して仕上げ加工をするこ
    とを特徴とする釣り竿用積層管の製造方法。
  2. 【請求項2】 基部の中空円筒部と先端部中実円錐部と
    を一体に形成してなる釣り竿用積層管において、 前記中空円筒部の内周は、周方向及び軸方向に高強度・
    高弾性補強繊維を配向させたプリプレグシート或いはプ
    リプレグテープの巻回層からなり、 前記中空円筒部の外周及び前記先端部中実円錐部は、基
    端から先端に亘って軸方向に配向された高強度・高弾性
    補強繊維樹脂層からなることを特徴とする釣り竿用積層
    管。
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