JP2002305971A - 病害発生予察方法及びそのシステム - Google Patents
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Landscapes
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 薬剤散布の経済効率の予測を実現した病害発
生予察方法及びそのシステムを提供する。 【解決手段】 作物へ病害を与える伝染源量及び被害許
容率から薬剤の散布条件を求める処理(散布条件入力処
理418)、最終被害量を算定する処理(最終被害量算
定処理414)、薬剤の散布適否を判定する処理(散布
適否判定処理424)を含み、作物の病害による被害状
況を予測し、薬剤散布の要否を判定することにより、薬
剤散布の経済性を高め、地域内等の薬剤散布量や散布回
数の削減により、環境汚染等をも抑制することができ
る。
生予察方法及びそのシステムを提供する。 【解決手段】 作物へ病害を与える伝染源量及び被害許
容率から薬剤の散布条件を求める処理(散布条件入力処
理418)、最終被害量を算定する処理(最終被害量算
定処理414)、薬剤の散布適否を判定する処理(散布
適否判定処理424)を含み、作物の病害による被害状
況を予測し、薬剤散布の要否を判定することにより、薬
剤散布の経済性を高め、地域内等の薬剤散布量や散布回
数の削減により、環境汚染等をも抑制することができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、茶園等の圃場で発
生する病害の発生予察に用いられる病害発生予察方法及
びそのシステムに関する。
生する病害の発生予察に用いられる病害発生予察方法及
びそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、雨量、湿度、風速等の気象情報を
用いて稲のイモチ病について、感染好適日を求め、発生
量や発病の進展を予測するシステムがある。このシステ
ムの目的は、病害の感染好適日から薬剤散布の適期を求
めることにある。
用いて稲のイモチ病について、感染好適日を求め、発生
量や発病の進展を予測するシステムがある。このシステ
ムの目的は、病害の感染好適日から薬剤散布の適期を求
めることにある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のシステ
ムでは、薬剤散布の適期を求めることができるものの、
散布の要否やコスト等について、判断していない。この
ため、薬剤散布の適期を知っても、薬剤散布の要否、経
済性等は依然として勘や経験に依存することとなる。
ムでは、薬剤散布の適期を求めることができるものの、
散布の要否やコスト等について、判断していない。この
ため、薬剤散布の適期を知っても、薬剤散布の要否、経
済性等は依然として勘や経験に依存することとなる。
【0004】そこで、本発明は、薬剤散布の経済効率の
予測を実現した病害発生予察方法及びそのシステムを提
供することを課題とする。
予測を実現した病害発生予察方法及びそのシステムを提
供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の病害発生予察方
法は、着目作物と着目病害の伝染源量及び被害許容率か
ら薬剤の散布条件を求める処理(散布条件入力処理41
8)と、前記作物の最終被害量を算定する処理(最終被
害量算定処理414)と、前記作物に対する前記薬剤の
散布適否を判定する処理(散布適否判定処理424)と
を含むことを特徴とする。即ち、病害から作物を防護す
る薬剤が環境汚染や経済性等の観点からすれば、必ずし
も有効であるとは言えず、作物の病害による被害状況を
予測し、薬剤散布の要否を判定することにより、薬剤散
布の経済性を高め、地域内等の薬剤散布量や散布回数の
削減により、環境汚染等をも抑制することができる。
法は、着目作物と着目病害の伝染源量及び被害許容率か
ら薬剤の散布条件を求める処理(散布条件入力処理41
8)と、前記作物の最終被害量を算定する処理(最終被
害量算定処理414)と、前記作物に対する前記薬剤の
散布適否を判定する処理(散布適否判定処理424)と
を含むことを特徴とする。即ち、病害から作物を防護す
る薬剤が環境汚染や経済性等の観点からすれば、必ずし
も有効であるとは言えず、作物の病害による被害状況を
予測し、薬剤散布の要否を判定することにより、薬剤散
布の経済性を高め、地域内等の薬剤散布量や散布回数の
削減により、環境汚染等をも抑制することができる。
【0006】本発明の病害発生予察方法は、作物が持つ
葉の湿潤時間、気温、湿度又は雨量、又はこれらを含む
データ(計測データ402)と、前記病害の伝染源の感
染好適日、発病率及び薬剤散布適期との相関関係から、
前記病害の伝染源の感染好適日、発病率及び薬剤散布適
期を判定する処理(判定処理408)と、伝染源量及び
被害許容率から薬剤の散布条件を求める処理(散布条件
入力処理418)と、前記作物の発育ステージ別の感受
性及び気象条件を表すデータ又はこれらを含むデータに
より、前記作物の最終被害量を算定する処理(最終被害
量算定処理414)と、前記処理を基に前記作物に対す
る前記薬剤の散布適否を判定する処理(散布適否判定処
理424)とを含むことを特徴とする。即ち、従来の薬
剤散布の適期の判定に加えて、薬剤散布の要否やコスト
等についても判定することで、薬剤の散布量を削減可能
としたものである。
葉の湿潤時間、気温、湿度又は雨量、又はこれらを含む
データ(計測データ402)と、前記病害の伝染源の感
染好適日、発病率及び薬剤散布適期との相関関係から、
前記病害の伝染源の感染好適日、発病率及び薬剤散布適
期を判定する処理(判定処理408)と、伝染源量及び
被害許容率から薬剤の散布条件を求める処理(散布条件
入力処理418)と、前記作物の発育ステージ別の感受
性及び気象条件を表すデータ又はこれらを含むデータに
より、前記作物の最終被害量を算定する処理(最終被害
量算定処理414)と、前記処理を基に前記作物に対す
る前記薬剤の散布適否を判定する処理(散布適否判定処
理424)とを含むことを特徴とする。即ち、従来の薬
剤散布の適期の判定に加えて、薬剤散布の要否やコスト
等についても判定することで、薬剤の散布量を削減可能
としたものである。
【0007】本発明の病害発生予察システムは、コンピ
ュータを用いて作物の病害発生を予察する病害発生予察
システムであって、病害発生を予察対象の作物が持つ葉
の湿潤時間、気温、湿度又は雨量、又はこれらを含むデ
ータを時系列で取り込み、記憶手段(RAM12)に記
憶させる手段(センサ群16、中央処理装置4)と、前
記記憶手段に記憶している前記データと、前記病害に関
する感染好適日、発病率及び薬剤散布適期との相関関係
から感染好適日、発病率及び薬剤散布適期を判定する手
段(中央処理装置4)と、伝染源量及び被害許容率から
薬剤の散布条件を取り込む手段(中央処理装置4)と、
前記作物の発育ステージ別の感受性及び気象条件を表す
データ又はこれらを含むデータにより、前記作物の最終
被害量を算定する手段(中央処理装置4)と、前記処理
を基に前記薬剤の散布適否を判定する手段(中央処理装
置4)とを備えたことを特徴とする。即ち、病害発生予
察方法を実施するシステムであって、薬剤散布の要否や
コスト等についても判定し、薬剤の散布量の削減を可能
にしている。
ュータを用いて作物の病害発生を予察する病害発生予察
システムであって、病害発生を予察対象の作物が持つ葉
の湿潤時間、気温、湿度又は雨量、又はこれらを含むデ
ータを時系列で取り込み、記憶手段(RAM12)に記
憶させる手段(センサ群16、中央処理装置4)と、前
記記憶手段に記憶している前記データと、前記病害に関
する感染好適日、発病率及び薬剤散布適期との相関関係
から感染好適日、発病率及び薬剤散布適期を判定する手
段(中央処理装置4)と、伝染源量及び被害許容率から
薬剤の散布条件を取り込む手段(中央処理装置4)と、
前記作物の発育ステージ別の感受性及び気象条件を表す
データ又はこれらを含むデータにより、前記作物の最終
被害量を算定する手段(中央処理装置4)と、前記処理
を基に前記薬剤の散布適否を判定する手段(中央処理装
置4)とを備えたことを特徴とする。即ち、病害発生予
察方法を実施するシステムであって、薬剤散布の要否や
コスト等についても判定し、薬剤の散布量の削減を可能
にしている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明及びその実施の形態
を図面に示した実施例を参照して詳細に説明する。
を図面に示した実施例を参照して詳細に説明する。
【0009】図1及び図2は本発明の病害発生予察方法
及びそのシステムの実施例を示し、図1はそのコンピュ
ータシステム、図2はシステム構成を示している。
及びそのシステムの実施例を示し、図1はそのコンピュ
ータシステム、図2はシステム構成を示している。
【0010】この病害発生予察方法及びそのシステム
は、データベース2、中央処理装置4、メモリ6、入力
装置8、出力装置10及び記憶手段としてRAM12等
を備えるとともに、これらはデータ等の授受を行うバス
14で連係されたコンピュータによって構成されてい
る。
は、データベース2、中央処理装置4、メモリ6、入力
装置8、出力装置10及び記憶手段としてRAM12等
を備えるとともに、これらはデータ等の授受を行うバス
14で連係されたコンピュータによって構成されてい
る。
【0011】データベース2は、バックグラウンドデー
タとして、第1に、過去の各種病害の発生消長、平年の
発生消長、前年よりの病菌・細菌の越冬量、前回の発生
量、対象作物の品種特性による発病データ、第2に、薬
剤(保護・治療剤)の効果、流亡・分解モデル、第3
に、肥料成分の違いによる各種病害の発生量との関係、
第4に、病害予察の対象作物の伸育過程中における病菌
・細菌の侵入、潜伏、発病データ等が格納されている。
タとして、第1に、過去の各種病害の発生消長、平年の
発生消長、前年よりの病菌・細菌の越冬量、前回の発生
量、対象作物の品種特性による発病データ、第2に、薬
剤(保護・治療剤)の効果、流亡・分解モデル、第3
に、肥料成分の違いによる各種病害の発生量との関係、
第4に、病害予察の対象作物の伸育過程中における病菌
・細菌の侵入、潜伏、発病データ等が格納されている。
【0012】中央処理装置4は、データ処理手段であっ
て、作物の葉の濡れ具合の計測や気象条件データの時系
列計測処理及びそのデータ蓄積処理、病害の感染好適
日、発病率、薬剤散布適期等の判定処理、発育ステージ
別の感受性、気象条件等からの最終被害量算定処理、伝
染源量、被害許容率等からの薬剤の散布条件入力処理、
薬剤の散布コスト、散布適否、最適薬剤等の適否判定処
理等の処理を行う。
て、作物の葉の濡れ具合の計測や気象条件データの時系
列計測処理及びそのデータ蓄積処理、病害の感染好適
日、発病率、薬剤散布適期等の判定処理、発育ステージ
別の感受性、気象条件等からの最終被害量算定処理、伝
染源量、被害許容率等からの薬剤の散布条件入力処理、
薬剤の散布コスト、散布適否、最適薬剤等の適否判定処
理等の処理を行う。
【0013】メモリ6には、処理プログラムの他、固定
データ等が格納されている。
データ等が格納されている。
【0014】入力装置8には、センサ群16として、計
測部18を介して作物の濡れ具合を計測する濡れ葉セン
サ20、作物の環境条件としての気象条件の計測手段と
して、温度を計測する温度センサ22、湿度を計測する
湿度センサ24、雨量を計測する雨量センサ26等から
計測データが加えられている。濡れ葉センサ20は、例
えば、作物の葉の濡れ及びその蒸発による湿潤状態を電
気的に検出する手段であって、空気中の湿度とは別のデ
ータを得るものである。また、この入力装置8には、他
の入力手段としてキーボード28等が接続され、薬剤の
散布条件や伝染源量、被害許容率等が入力される。
測部18を介して作物の濡れ具合を計測する濡れ葉セン
サ20、作物の環境条件としての気象条件の計測手段と
して、温度を計測する温度センサ22、湿度を計測する
湿度センサ24、雨量を計測する雨量センサ26等から
計測データが加えられている。濡れ葉センサ20は、例
えば、作物の葉の濡れ及びその蒸発による湿潤状態を電
気的に検出する手段であって、空気中の湿度とは別のデ
ータを得るものである。また、この入力装置8には、他
の入力手段としてキーボード28等が接続され、薬剤の
散布条件や伝染源量、被害許容率等が入力される。
【0015】出力装置10には、表示装置30やプリン
タ32が接続され、表示装置30には表示出力として、
第1に、病害の感染好適日、発病率、薬剤散布適期等、
第2に、最終被害量、第3に、薬剤の散布コスト、散布
適否、最適薬剤等が表示され、これらの表示出力はプリ
ンタ32によっても印字される。
タ32が接続され、表示装置30には表示出力として、
第1に、病害の感染好適日、発病率、薬剤散布適期等、
第2に、最終被害量、第3に、薬剤の散布コスト、散布
適否、最適薬剤等が表示され、これらの表示出力はプリ
ンタ32によっても印字される。
【0016】また、RAM12には、入力装置8に加え
られたデータや出力装置10から出力されるデータが一
時的に格納され、図示しないバックアップ電源等によっ
てデータが停電等による消失から防護されている。
られたデータや出力装置10から出力されるデータが一
時的に格納され、図示しないバックアップ電源等によっ
てデータが停電等による消失から防護されている。
【0017】そして、このコンピュータを用いて実現さ
れるシステムは、図2に示すように、中央処理装置4に
おける処理として、センサ群16からの計測データ40
2の計測処理404、この計測処理404及びその計測
データに基づき、病害の感染好適日、発病率又は薬剤散
布適期の判定結果406を求める判定処理408、この
判定処理408を前提として作物の発育状況を表す発育
ステージ別の感受性、気象条件等の入力データ410か
ら最終被害量412を求める最終被害量算定処理414
を行い、また、伝染源量及び被害許容率の入力データ4
16の散布条件入力処理418を行い、データベース2
から得られた薬剤データ420、散布条件入力処理41
8及び最終被害量算定処理414の各結果を参照して薬
剤の散布コスト、散布適否及び最適薬剤の判定結果42
2を求める散布適否判定処理424を行うという構成で
ある。
れるシステムは、図2に示すように、中央処理装置4に
おける処理として、センサ群16からの計測データ40
2の計測処理404、この計測処理404及びその計測
データに基づき、病害の感染好適日、発病率又は薬剤散
布適期の判定結果406を求める判定処理408、この
判定処理408を前提として作物の発育状況を表す発育
ステージ別の感受性、気象条件等の入力データ410か
ら最終被害量412を求める最終被害量算定処理414
を行い、また、伝染源量及び被害許容率の入力データ4
16の散布条件入力処理418を行い、データベース2
から得られた薬剤データ420、散布条件入力処理41
8及び最終被害量算定処理414の各結果を参照して薬
剤の散布コスト、散布適否及び最適薬剤の判定結果42
2を求める散布適否判定処理424を行うという構成で
ある。
【0018】即ち、計測処理404では、濡れ葉センサ
20によって計測される濡れ時間、温度センサ22、湿
度センサ24、雨量センサ26によって計測される気
温、湿度、雨量等の気象条件データ、その他のセンサか
ら得られる計測データ402を時系列データとして蓄え
る。この計測データ402は、RAM12に格納され
る。判定処理408では、感染好適日、発病率及び薬剤
散布適期が求められる。最終被害量算定処理414で
は、作物の発育ステージ別の感受性及び気象条件等に基
づいて最終被害量412を算定する。散布条件入力処理
418では、作物における伝染源量及び被害許容率がキ
ーボード28等から入力されるが、これらのデータは、
フロッピィディスク等の外部記憶装置から入力してもよ
い。そして、散布適否判定処理424では、計測データ
等の諸条件を基に薬剤散布の適否が判定される。
20によって計測される濡れ時間、温度センサ22、湿
度センサ24、雨量センサ26によって計測される気
温、湿度、雨量等の気象条件データ、その他のセンサか
ら得られる計測データ402を時系列データとして蓄え
る。この計測データ402は、RAM12に格納され
る。判定処理408では、感染好適日、発病率及び薬剤
散布適期が求められる。最終被害量算定処理414で
は、作物の発育ステージ別の感受性及び気象条件等に基
づいて最終被害量412を算定する。散布条件入力処理
418では、作物における伝染源量及び被害許容率がキ
ーボード28等から入力されるが、これらのデータは、
フロッピィディスク等の外部記憶装置から入力してもよ
い。そして、散布適否判定処理424では、計測データ
等の諸条件を基に薬剤散布の適否が判定される。
【0019】ところで、散布条件入力処理418は、人
間が入力しても良いし、センサを用いて自動入力として
も良い。さらに、被害許容率は、データベース2から対
象とする病気及びそれに対して使用する薬剤等の価格や
作業量等を取り出して自動判定しても良い。例えば、病
害Qの治療に薬剤Pを使用し、その薬剤Pは10アール
の面積当たりx円、その散布時間は10アールの面積当
たりy時間かかる。このコストは収穫に換算すると全収
穫のz%に相当する。
間が入力しても良いし、センサを用いて自動入力として
も良い。さらに、被害許容率は、データベース2から対
象とする病気及びそれに対して使用する薬剤等の価格や
作業量等を取り出して自動判定しても良い。例えば、病
害Qの治療に薬剤Pを使用し、その薬剤Pは10アール
の面積当たりx円、その散布時間は10アールの面積当
たりy時間かかる。このコストは収穫に換算すると全収
穫のz%に相当する。
【0020】このような処理に基づき、計測処理404
で計測されたデータに基づき、判定処理408で感染好
適日、発病率及び薬剤散布適期が求められ、最終被害量
算定処理414では、散布条件入力処理418で求めら
れる伝染源量と発病数(葉/m2 )を参照するととも、
濡れ葉データ及び気象条件データ等を参照し、作物の発
育ステージ別の感受性を考慮して最終被害量412が算
定される。そして、散布適否判定処理424では、これ
らの算定結果の対応に要するコストと比較して散布適否
を判定する。
で計測されたデータに基づき、判定処理408で感染好
適日、発病率及び薬剤散布適期が求められ、最終被害量
算定処理414では、散布条件入力処理418で求めら
れる伝染源量と発病数(葉/m2 )を参照するととも、
濡れ葉データ及び気象条件データ等を参照し、作物の発
育ステージ別の感受性を考慮して最終被害量412が算
定される。そして、散布適否判定処理424では、これ
らの算定結果の対応に要するコストと比較して散布適否
を判定する。
【0021】したがって、この病害発生予察方法及びそ
のシステムは、感染好適日を求め、病害の発生量や発病
の進展を予測することができるとともに、伝染源量と被
害許容率から薬剤散布の経済効率を予測でき、即ち、薬
剤散布に掛かる費用Bと散布しない場合の損害Aとを比
較し、A>Bの場合に薬剤散布が必要と判定され、栽培
効率の向上に寄与するものである。
のシステムは、感染好適日を求め、病害の発生量や発病
の進展を予測することができるとともに、伝染源量と被
害許容率から薬剤散布の経済効率を予測でき、即ち、薬
剤散布に掛かる費用Bと散布しない場合の損害Aとを比
較し、A>Bの場合に薬剤散布が必要と判定され、栽培
効率の向上に寄与するものである。
【0022】次に、図3は、この病害発生予察方法及び
そのシステムにおける感染好適日把握処理を示してい
る。この実施例では対象作物として茶を例に挙げて説明
する。
そのシステムにおける感染好適日把握処理を示してい
る。この実施例では対象作物として茶を例に挙げて説明
する。
【0023】この処理では、ステップS1で対象作物と
して例えば、茶葉の病気に対応する湿潤時間H(h)、
平均気温T(℃)及び平均湿度W(%)を決定し、例え
ば、所定値として、H=10、T=22及びW=80を
決定する。
して例えば、茶葉の病気に対応する湿潤時間H(h)、
平均気温T(℃)及び平均湿度W(%)を決定し、例え
ば、所定値として、H=10、T=22及びW=80を
決定する。
【0024】これら3条件の決定の後、ステップS2で
は、湿潤時間を0時間から計測を開始し、ステップS3
では、センサ群16の計測データ402から状態把握を
行う。即ち、茶葉の湿潤状態、気温、湿度及び雨量等の
気象条件データを把握する。
は、湿潤時間を0時間から計測を開始し、ステップS3
では、センサ群16の計測データ402から状態把握を
行う。即ち、茶葉の湿潤状態、気温、湿度及び雨量等の
気象条件データを把握する。
【0025】ステップS4では、茶葉が濡れているか否
かを判定し、濡れていない場合にはステップS2に戻
り、濡れている場合にはステップS5に移行する。ステ
ップS5では、その湿潤時間を計測し、所定時間後、ス
テップS6に移行する。
かを判定し、濡れていない場合にはステップS2に戻
り、濡れている場合にはステップS5に移行する。ステ
ップS5では、その湿潤時間を計測し、所定時間後、ス
テップS6に移行する。
【0026】ステップS6では、湿潤時間が所定時間H
(=10)(h)より大であるか否かを判定し、大でな
い場合には感染の好適条件ではないので、ステップS3
に戻り、大である場合にはステップS7に移行する。
(=10)(h)より大であるか否かを判定し、大でな
い場合には感染の好適条件ではないので、ステップS3
に戻り、大である場合にはステップS7に移行する。
【0027】ステップS7では、平均気温が所定温度T
(=22)(℃)より大であるか否かを判定し、大でな
い場合には感染の好適条件ではないので、ステップS3
に戻り、大である場合にはステップS8に移行する。
(=22)(℃)より大であるか否かを判定し、大でな
い場合には感染の好適条件ではないので、ステップS3
に戻り、大である場合にはステップS8に移行する。
【0028】ステップS8では、平均湿度が所定湿度W
(=80)(%)より大であるか否かを判定し、大でな
い場合には感染の好適条件ではないので、ステップS3
に戻り、大である場合にはステップS9に移行する。
(=80)(%)より大であるか否かを判定し、大でな
い場合には感染の好適条件ではないので、ステップS3
に戻り、大である場合にはステップS9に移行する。
【0029】ステップS9では、湿潤時間H、平均気温
T及び平均湿度Wの3条件から茶葉が病害に感染する感
染好適日が判定され、ステップS10では、この判定結
果が通知され、次の処理に移行する。この通知内容は表
示装置30やプリンタ32によって出力される。
T及び平均湿度Wの3条件から茶葉が病害に感染する感
染好適日が判定され、ステップS10では、この判定結
果が通知され、次の処理に移行する。この通知内容は表
示装置30やプリンタ32によって出力される。
【0030】次に、図4は、病害の感染好適日を判定し
た後の最終被害量算定処理414を示している。
た後の最終被害量算定処理414を示している。
【0031】ステップS11では、対象作物品種につい
ての作物品種認識(K)を行い、ステップS12では、
病害の原因である病原菌認識(D)を行い、ステップS
13では、病害の発病率についての発病率認識(N)を
行う。茶葉の場合、発病率は単位面積当たりの葉の枚数
(N枚/m2 )となる。
ての作物品種認識(K)を行い、ステップS12では、
病害の原因である病原菌認識(D)を行い、ステップS
13では、病害の発病率についての発病率認識(N)を
行う。茶葉の場合、発病率は単位面積当たりの葉の枚数
(N枚/m2 )となる。
【0032】ステップS14では、茶における伸育状態
認識(S)を行い、ステップS15では、茶葉の摘採の
有無についての摘採有無認識(P)を行う。即ち、茶の
発育ステージについて、S番茶の前後、摘採の有無を把
握する。これらの認識把握の後、ステップS16では、
病菌及び祖菌による最終被害量計算として被害Xが、 X=f(K,D,N,S,P) ・・・・・・(1) から求められ、表示装置30に表示される。この被害X
が、最終被害量を表している。この場合、データベース
2から病気、作物品種、発育ステージ毎に病菌、祖菌デ
ータが得られ、その侵入日数、潜伏日数及び発病日数が
求められる。
認識(S)を行い、ステップS15では、茶葉の摘採の
有無についての摘採有無認識(P)を行う。即ち、茶の
発育ステージについて、S番茶の前後、摘採の有無を把
握する。これらの認識把握の後、ステップS16では、
病菌及び祖菌による最終被害量計算として被害Xが、 X=f(K,D,N,S,P) ・・・・・・(1) から求められ、表示装置30に表示される。この被害X
が、最終被害量を表している。この場合、データベース
2から病気、作物品種、発育ステージ毎に病菌、祖菌デ
ータが得られ、その侵入日数、潜伏日数及び発病日数が
求められる。
【0033】次に、図5は、最終被害量算定処理414
に基づき、薬剤の散布適否判定処理424を示してい
る。
に基づき、薬剤の散布適否判定処理424を示してい
る。
【0034】ステップS21では、薬剤散布の要否の対
象である作物品種認識(K)を行い、ステップS22で
は、病害の原因である病原菌認識(D)を行い、ステッ
プS23では、茶における伸育状態認識(S)を行い、
ステップS24では、茶葉の摘採の有無についての摘採
有無認識(P)を行う。ステップS25では、散布すべ
き薬剤について、散布薬剤と費用(B)との算出を行
い、ステップS26では、薬剤散布をしなかった場合の
最終被害率認識(X)を行う。最終被害率と最終被害量
との関係は、最終被害率に収穫量を乗算することによ
り、最終被害量が求められる。そして、ステップS27
では、茶葉によって被害金額が異なることから、茶葉型
について、被害金額(A)の算出を行う。
象である作物品種認識(K)を行い、ステップS22で
は、病害の原因である病原菌認識(D)を行い、ステッ
プS23では、茶における伸育状態認識(S)を行い、
ステップS24では、茶葉の摘採の有無についての摘採
有無認識(P)を行う。ステップS25では、散布すべ
き薬剤について、散布薬剤と費用(B)との算出を行
い、ステップS26では、薬剤散布をしなかった場合の
最終被害率認識(X)を行う。最終被害率と最終被害量
との関係は、最終被害率に収穫量を乗算することによ
り、最終被害量が求められる。そして、ステップS27
では、茶葉によって被害金額が異なることから、茶葉型
について、被害金額(A)の算出を行う。
【0035】そして、ステップS28では、算出された
被害金額Aと費用Bとの比較を行い、AがBより大きく
ない場合には、ステップS29に移行し、薬剤散布は不
要とし、それを表示装置30やプリンタ32に出力し、
この処理を終了する。また、AがBより大きい場合に
は、ステップS30に移行し、薬剤散布が必要であると
し、それを表示装置30やプリンタ32に出力し、同様
に、この処理を終了する。
被害金額Aと費用Bとの比較を行い、AがBより大きく
ない場合には、ステップS29に移行し、薬剤散布は不
要とし、それを表示装置30やプリンタ32に出力し、
この処理を終了する。また、AがBより大きい場合に
は、ステップS30に移行し、薬剤散布が必要であると
し、それを表示装置30やプリンタ32に出力し、同様
に、この処理を終了する。
【0036】このように、データベース2から病気、作
物品種、発育ステージ毎に被害許容水準を求め、最終被
害率(X枚/m2 )を茶葉型として例えば、芽数型、芽
重型に対応する病気、作物品種、発育ステージを割り出
し、この最終被害率に収穫量を乗算することで、最終被
害量が求められる。そこで、これらのデータから算出さ
れた被害金額Aと費用Bとの比較を行うことにより、薬
剤散布の要否を判定している。即ち、薬剤散布の要否が
作業者の勘や経験だけでなく、科学的な分析に基づいて
行われ、その判定結果を参照することで、栽培効率の向
上を図ることができる。
物品種、発育ステージ毎に被害許容水準を求め、最終被
害率(X枚/m2 )を茶葉型として例えば、芽数型、芽
重型に対応する病気、作物品種、発育ステージを割り出
し、この最終被害率に収穫量を乗算することで、最終被
害量が求められる。そこで、これらのデータから算出さ
れた被害金額Aと費用Bとの比較を行うことにより、薬
剤散布の要否を判定している。即ち、薬剤散布の要否が
作業者の勘や経験だけでなく、科学的な分析に基づいて
行われ、その判定結果を参照することで、栽培効率の向
上を図ることができる。
【0037】なお、実施例では、茶葉を例に取って説明
したが、病害発生予察の対象作物は茶の他、稲や野菜等
であってもよく、本発明は、各種の作物に適用できるも
のである。
したが、病害発生予察の対象作物は茶の他、稲や野菜等
であってもよく、本発明は、各種の作物に適用できるも
のである。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次の効果が得られる。 a 作物に散布される薬剤の経済効率を予測することが
でき、栽培効率を高めることができる。 b 感染好適日を求め、病害の発生量や発病の進展予測
に加え、伝染源量と被害許容率から薬剤散布の経済効率
も予測することが可能である。 c 保護・治療剤等の薬剤の最適防除時期の予測、最適
防除薬剤の選定・指示、その散布防除必要度の要否判定
が容易になる。 d 最適防除により、減農薬栽培ができ、環境保護とと
もに安全性の高い作物を得ることができる。 e 薬剤抵抗性・リサージェンス問題からの軽減が可能
である。 f 作物の品種間差による発生予測が可能となる。 g シュミレーションモデルを用い、気象予測データに
よる地域別発生予察に役立てることができ、地域別薬剤
散布を策定することができる。
次の効果が得られる。 a 作物に散布される薬剤の経済効率を予測することが
でき、栽培効率を高めることができる。 b 感染好適日を求め、病害の発生量や発病の進展予測
に加え、伝染源量と被害許容率から薬剤散布の経済効率
も予測することが可能である。 c 保護・治療剤等の薬剤の最適防除時期の予測、最適
防除薬剤の選定・指示、その散布防除必要度の要否判定
が容易になる。 d 最適防除により、減農薬栽培ができ、環境保護とと
もに安全性の高い作物を得ることができる。 e 薬剤抵抗性・リサージェンス問題からの軽減が可能
である。 f 作物の品種間差による発生予測が可能となる。 g シュミレーションモデルを用い、気象予測データに
よる地域別発生予察に役立てることができ、地域別薬剤
散布を策定することができる。
【図1】本発明の病害発生予察方法及びそのシステムの
実施例を示すブロック図である。
実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明の病害発生予察方法及びそのシステムの
実施例におけるシステム構成を示すブロック図である。
実施例におけるシステム構成を示すブロック図である。
【図3】感染好適日把握処理を示すフローチャートであ
る。
る。
【図4】最終被害量算定処理を示すフローチャートであ
る。
る。
【図5】薬剤の散布適否判定処理を示すフローチャート
である。
である。
4 中央処理装置 16 センサ群 20 濡れ葉センサ 22 温度センサ 24 湿度センサ 26 雨量センサ 402 計測データ 408 判定処理 414 最終被害量算定処理 418 散布条件入力処理 424 散布適否判定処理
Claims (3)
- 【請求項1】 作物へ病害を与える伝染源量及び被害許
容率から薬剤の散布条件を求める処理と、 前記作物の最終被害量を算定する処理と、 前記作物に対する前記薬剤の散布適否を判定する処理
と、 を含むことを特徴とする病害発生予察方法。 - 【請求項2】 作物が持つ葉の湿潤時間、気温、湿度又
は雨量、又はこれらを含むデータと、前記病害の伝染源
の感染好適日、発病率及び薬剤散布適期との相関関係か
ら、前記病害の伝染源の感染好適日、発病率及び薬剤散
布適期を判定する処理と、 伝染源量及び被害許容率から薬剤の散布条件を求める処
理と、 前記作物の発育ステージ別の感受性及び気象条件を表す
データ又はこれらを含むデータにより、前記作物の最終
被害量を算定する処理と、 前記処理を基に前記作物に対する前記薬剤の散布適否を
判定する処理と、を含むことを特徴とする病害発生予察
方法。 - 【請求項3】 コンピュータを用いて作物の病害発生を
予察する病害発生予察システムであって、 病害発生を予察対象の作物が持つ葉の湿潤時間、気温、
湿度又は雨量、又はこれらを含むデータを時系列で取り
込み、記憶手段に記憶させる手段と、 前記記憶手段に記憶している前記データと、前記病害に
関する感染好適日、発病率及び薬剤散布適期との相関関
係から感染好適日、発病率及び薬剤散布適期を判定する
手段と、 伝染源量及び被害許容率から薬剤の散布条件を取り込む
手段と、 前記作物の発育ステージ別の感受性及び気象条件を表す
データ又はこれらを含むデータにより、前記作物の最終
被害量を算定する手段と、 前記処理を基に前記薬剤の散布適否を判定する手段と、 を備えたことを特徴とする病害発生予察システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001108772A JP2002305971A (ja) | 2001-04-06 | 2001-04-06 | 病害発生予察方法及びそのシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001108772A JP2002305971A (ja) | 2001-04-06 | 2001-04-06 | 病害発生予察方法及びそのシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002305971A true JP2002305971A (ja) | 2002-10-22 |
Family
ID=18960849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001108772A Pending JP2002305971A (ja) | 2001-04-06 | 2001-04-06 | 病害発生予察方法及びそのシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002305971A (ja) |
Cited By (8)
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---|---|---|---|---|
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JP2008125496A (ja) * | 2006-11-27 | 2008-06-05 | Akita Prefectural Univ | ネギさび病の発生予測法 |
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WO2020137085A1 (ja) | 2018-12-27 | 2020-07-02 | ボッシュ株式会社 | 情報処理装置及び情報処理システム |
WO2020136819A1 (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-02 | 株式会社オプティム | 作物生育支援システム、作物生育支援方法及びプログラム |
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-
2001
- 2001-04-06 JP JP2001108772A patent/JP2002305971A/ja active Pending
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JPWO2020136819A1 (ja) * | 2018-12-27 | 2021-09-09 | 株式会社オプティム | 作物生育支援システム、作物生育支援方法及びプログラム |
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