JP2002305841A - 余剰電力管理システム - Google Patents

余剰電力管理システム

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JP2002305841A
JP2002305841A JP2001104445A JP2001104445A JP2002305841A JP 2002305841 A JP2002305841 A JP 2002305841A JP 2001104445 A JP2001104445 A JP 2001104445A JP 2001104445 A JP2001104445 A JP 2001104445A JP 2002305841 A JP2002305841 A JP 2002305841A
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power
battery
surplus
temperature difference
management system
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Toshiro Hirai
敏郎 平井
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Ennet Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Secondary Cells (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電事業者の施設で生じる排熱を有効利用し
ながら、電力使用者が必要とする電力または電力量を電
気事業者が発電事業者から確実に確保して電力使用者に
安定供給することができる省エネルギー性および信頼性
にすぐれた余剰電力管理システムを提供する。 【解決手段】 発電事業者10の発電設備11で生じる
熱を電気エネルギーに変換して蓄えるとともに送電網1
への放電が可能な温度差電池ユニット15を設け、発電
事業者10の電力供給と需要家20の電力使用との需給
バランスに応じて温度差電池ユニット15の充放電を制
御する。この制御により、余剰電力供給の過不足を解消
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電事業者の余剰
電力を電気事業者が購入し、その購入電力を電力会社の
送電網を利用して発電事業者から電力使用者に直接的に
供給する、いわゆる電力小売り事業に適用する余剰電力
管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、人間社会の発達とともに、情報産
業とこれに関わる生活物品の量産化と流通の拡大、各種
電子機器の製造、普及、商取引の活発化、交通システム
の高度化、量的拡大、食料の世界的規模での流通など生
産、流通を中心とした活動の活発化が特に顕著になって
きた。それに伴い、電力、エネルギー使用形態の多様化
や使用量の大幅な増大が起ってきた。
【0003】一方で、化石燃料を中心とした現在のエネ
ルギー体系において、化石燃料の残存埋蔵量の枯渇が取
り沙汰され、かつ、排ガス、廃棄物による地球の汚染が
懸念されるようになり、地球規模での環境保全、エネル
ギーの有効利用が叫ばれるようになった。
【0004】人間社会に発展に伴う電力を中心としたエ
ネルギーの使用形態の多様化、使用量の増大は今後も継
続するものと予測され、かつ、地球規模での環境保全、
エネルギーの有効利用も当然、ますます重要な課題とな
ってくることは論を待たない。
【0005】こうした状況にあって、電力、ガスなどの
エネルギーの使用形態の多様化に対応した様々な形態の
エネルギー供給システムの提供や、エネルギー使用価格
の低減化を図り、より高度で満足のいくエネルギー供給
体制を構築していくために、電力、ガスなどのエネルギ
ー産業の規制が緩和され、自由化が端緒についた。
【0006】電力事業の自由化に対しては、従来の一般
電気事業者(以下、電力会社という)だけでなく、電力
の供給を電力使用者(以下、需要家)に行う目的で、新
たな事業者、すなわち特定規模電気事業者(以下、電気
事業者という)が電力販売事業を行うことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、原子力
発電所、火力発電所、水力発電所などの多種類、かつ大
規模の発電所を多数保有し、各需要家の使用電力量の変
化に対して、いちいち発電量を仔細に調整する必要のな
い電力会社と異なり、限定された数量の発電所を保有
し、あるいは発電所を保有せずに契約発電事業者から電
力供給を受けるのみの電気事業者の場合は、需要家が必
要とする電力または電力量を推定し、これに合致した電
力または電力量を自己の発電所あるいは契約発電事業者
から需要家に供給するために、随時、その調整を実施し
なければならない。
【0008】なぜならば、需要家の推定必要電力または
推定必要電力量を確保するために、過剰な電力または電
力量を発電すれば、エネルギーの有効利用という世界規
模の課題に離反するばかりか、採算が取れずに事業の継
続が困難となる。
【0009】かといって、需要家の推定必要電力または
推定必要電力量に対してぎりぎりの電力または電力量を
供給する体制では、もし、予想外の気温の上昇や低下と
いった気象条件の変化あるいは娯楽に関する予想外の興
味の集中など、不測の事態が生じると、需要家の必要電
力量が増えて供給量不足を招くことがある。
【0010】この場合、発電事業者から需要家への電力
供給が、委託した電力会社の送電網を借りて行われる状
況であれば、その送電網には当然ながら電力会社が所有
する電力も流れているために、供給量不足となった分の
電力または電力量が自動的に電力会社から賄われる形と
なり、需要家は困らないものの、電気事業者に電力会社
から高額の補償金が要求されてしまう。こうなると、電
気事業者にとっては、採算が取れずに事業の継続が困難
となる恐れがある。
【0011】従って、電気事業者にとっては、契約した
各需要家の、予想され得る必要電力または必要電力量の
総計を満たす発電機を自ら所有したり、あるいは発電事
業者と契約して必要電力または必要電力量を確保するこ
とで、需要家の要求を満足する供給体制を構築すること
が必要となる。
【0012】従来は、法的規制により、需要家に対する
電力供給は一部の限定された発電事業者が独占的にこれ
を実施している。これらの発電事業者は、契約した需要
家の使用する電力・電力量に対してそれを大幅に上回る
規模の発電電力・発電電力量を実現する多数の発電所を
建設し所有してはいるが、需要家の使用電力・使用電力
量にきめ細かく対応する技術を有していないのが現状で
ある。
【0013】また、エネルギー有効利用の観点で言え
ば、太陽光発電、風力発電、波力発電など自然エネルギ
ーを利用した発電システムも精力的に開発され、実用
化、もしくは実用化に向けた技術的改良が図られている
が、人類の社会活動において確実に発生する廃熱、特に
200℃以下の低温廃熱は給湯や暖房などに一部利用さ
れているに過ぎず、殆ど利用されずに廃棄されているの
が現状であった。
【0014】この発明は上記の事情を考慮したもので、
その目的とするところは、発電事業者の施設で生じる排
熱を有効利用しながら、電力使用者が必要とする電力ま
たは電力量を電気事業者が発電事業者から確実に確保し
て電力使用者に安定供給することができる省エネルギー
性および信頼性にすぐれた余剰電力管理システムを提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の余
剰電力管理システムは、発電事業者の発電設備で生じる
熱を電気エネルギーに変換して蓄えるとともに送電網へ
の放電が可能な蓄電手段と、発電事業者の電力供給と電
力使用者の電力使用との需給バランスに応じて上記蓄電
手段の放電を制御する制御手段と、を備えている。
【0016】請求項2に係る発明の余剰電力管理システ
ムは、請求項1に係る発明において、蓄電手段が温度差
電池であることを限定している。
【0017】請求項3に係る発明の余剰電力管理システ
ムは、請求項1に係る発明において、制御手段について
限定している。制御手段は、発電事業者の電力供給量が
電力使用者の電力使用量に対し不足となる場合に蓄電手
段を放電させる手段を有している。
【0018】請求項4に係る発明の余剰電力管理システ
ムは、発電事業者の発電設備で生じる熱を電気エネルギ
ーに変換して蓄えるとともに余剰電力の充電および送電
網への放電が可能な蓄電手段と、発電事業者の電力供給
と電力使用者の電力使用との需給バランスに応じて蓄電
手段の充放電を制御する制御手段と、を備えている。
【0019】請求項5に係る発明の余剰電力管理システ
ムは、請求項4に係る発明において、蓄電手段および制
御手段について限定している。蓄電手段は、発電設備で
生じる熱を電気エネルギーに変換して蓄える温度差電池
と、余剰電力を直流変換しそれを上記温度差電池に対す
る充電用電力として出力するコンバータと、上記温度差
電池の電圧を交流変換するインバータとを有し、このイ
ンバータの出力を上記送電網に送出する。制御手段は、
充電時に上記コンバータを動作させ、放電時に上記イン
バータを動作させる手段を有している。
【0020】請求項6に係る発明の余剰電力管理システ
ムは、発電事業者の発電設備で生じる熱を電気エネルギ
ーに変換して蓄える温度差電池、およびこの温度差電池
に接続された二次電池を有し、余剰電力の充電および上
記送電網への放電が可能な蓄電手段と、発電事業者の電
力供給と電力使用者の電力使用との需給バランスに応じ
て蓄電手段の充放電を制御する制御手段と、を備えてい
る。
【0021】請求項7に係る発明の余剰電力管理システ
ムは、請求項6に係る発明において、蓄電手段および制
御手段について限定している。蓄電手段は、発電設備で
生じる熱を電気エネルギーに変換して蓄える温度差電池
と、この温度差電池に接続された二次電池と、余剰電力
を直流変換しそれを上記二次電池に対する充電用電力と
して出力するコンバータと、上記温度差電池の電圧また
は上記二次電池の電圧を交流変換するインバータとを有
し、このインバータの出力を上記送電網に送出する。制
御手段は、充電時に上記コンバータを動作させ、放電時
に上記インバータを動作させる手段を有している。
【0022】請求項8に係る発明の余剰電力管理システ
ムは、請求項4ないし請求項6のいずれかに係る発明に
おいて、制御手段について限定している。制御手段は、
発電事業者の電力供給量が上記電力使用者の電力使用量
に対し過剰となる場合に蓄電手段を充電し、発電事業者
の電力供給量が電力使用者の電力使用量に対し不足とな
る場合に上記蓄電手段を放電させる手段を有している。
【0023】請求項9に係る発明の余剰電力管理システ
ムは、請求項4ないし請求項6のいずれかに係る発明に
おいて、蓄電手段および制御手段について限定してい
る。蓄電手段は、上記発電事業者の施設内に設けられて
いる。制御手段は、発電事業者の施設内に設けられてい
る第1端末と、電力使用者の施設内に設けられている第
2端末と、これら第1および第2端末とのデータ送受信
が可能なサーバと、このサーバに設けられ上記各端末と
のデータ送受信により発電事業者の電力供給と上記電力
使用者の電力使用との需給バランスを監視する手段と、
上記サーバに設けられ上記監視結果に応じた充放電制御
を上記第1端末に指令する手段と、上記第1端末に接続
されその第1端末が受けた指令に応じて上記蓄電手段の
充放電を制御する制御ユニットとを有している。
【0024】請求項10に係る発明の余剰電力管理シス
テムは、請求項2、請求項5、請求項6、請求項7のい
ずれかに係る発明において、温度差電池について限定し
ている。温度差電池は、[Fe(CN)6 3-/[Fe
(CN)6 4-レドックスイオン対系電解液を用い、高
温側電極と低温側電極を主電極とし、この主電極の間に
陽イオン交換膜を配し、その陽イオン交換膜の両側に接
して副電極を配して構成されている。
【0025】請求項11に係る発明の余剰電力管理シス
テムは、請求項6または請求項7に係る発明において、
二次電池について限定している。二次電池は、鉛電池、
シール鉛電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素
電池、リチウムイオン電池などである。
【0026】請求項12に係る発明の余剰電力管理シス
テムは、請求項6または請求項7に係る発明において、
さらに、二次電池の劣化を判定する判定手段を備えてい
る。
【0027】請求項13に係る発明の余剰電力管理シス
テムは、請求項12に係る発明において、判定手段につ
いて限定している。判定手段は、二次電池に対し抵抗を
介した並列回路を一定時間だけ形成し、その形成開始時
の二次電池電圧と形成終了時の二次電池電圧との差に基
づいて二次電池の劣化を判定する。
【0028】
【発明の実施の形態】[1]以下、この発明の第1の実
施形態について図面を参照して説明する。図1におい
て、10は電気事業者と契約した発電事業者で、発電設
備11、この発電設備11を制御するための制御装置1
2、発電設備11から後述の送電網1に供給される電力
の値および電力量を検出たとえば計測する計測器(第1
検出手段)13、この計測器13に接続されたコンピュ
ータ等の端末(第1端末)14を所有している。計測器
13は、電力の値および電力量のほかに、力率を計測す
る。
【0029】このような発電事業者10が複数あり、そ
れぞれの発電設備11の発電電力うち、発電事業者10
の本来の操業に使用する電力を超える分のいわゆる余剰
電力が、特定規模電気事業者(以下、電気事業者と略称
する)30に購入される形で電力会社送電網1に供給さ
れる。この送電網1は、電気事業者30とは別の電力会
社が所有する設備である。この送電網1を所有する電力
会社に電気事業者30が送電を委託することにより、電
気事業者30が各発電事業者10から購入した余剰電力
が、送電網1を介して各発電事業者10から複数の電力
使用者(以下、需要家と称する)20に直接的に供給さ
れる。
【0030】各電力使用者20は、送電網1から電力を
取り込んで内部の負荷設備の運転に使用する建物21、
この建物21に取り込まれる電力の値および電力量を検
出たとえば計測する計測器(第2検出手段)22、この
計測器22に接続されたコンピュータ等の端末(第2端
末)23を所有している。計測器22は、電力の値およ
び電力量のほかに、力率を計測する。
【0031】電気事業者30は、各発電事業者10の余
剰電力を購入する契約を各発電事業者10と交わし、そ
の購入した電力を各需要家20に販売する契約を各需要
家20と交わし、かつ上記のように送電網1の所有者と
の間で送電委託の契約を交わし、余剰電力の購入から供
給までその管理を行うもので、制御装置としてサーバ3
1を備えている。サーバ31は、各発電事業者10の端
末14および各需要家20の端末23との間でインター
ネット等の通信ネットワーク2を介したデータ送受信が
可能である。また、図示していないが、サーバ31は、
送電を委託している電力会社の端末に対しても通信ネッ
トワーク2を介したデータ送受信が可能となっている。
【0032】なお、各発電事業者10において端末14
に制御装置12を信号線接続し、サーバ31から端末1
4への送信内容をそのまま発電設備11に対する発電機
制御用データとして制御装置12に送るようにしてもよ
い。
【0033】このような構成において、1つまたは複数
の発電事業者10の施設内に、蓄電手段として温度差電
池ユニット15および制御ユニット(制御手段)16が
設けられている。温度差電池ユニット15は、発電設備
11と計測器13との間の電力線に接続され、余剰電力
の充電および送電網1への放電が可能となっている。制
御ユニット16は、温度差電池ユニット15の充放電を
制御するもので、具体的には、サーバ31からの指令に
基づき、発電事業者10の電力供給量が需要家20の電
力使用量に対し過剰となる場合に温度差電池ユニット1
5を充電し、発電事業者10の電力供給量が需要家20
の電力使用量に対し不足となる場合に温度差電池ユニッ
ト15を放電させる。なお、制御ユニット16は、上記
端末14に接続される。
【0034】温度差電池ユニット15およびその周辺部
の具体例を図2に示している。発電施設11は、いわゆ
る汽力発電設備であり、発電機40、この発電機を駆動
する蒸気タービン41、この蒸気タービン41を経た蒸
気を復水する復水器42、この復水器42で得られる水
を蒸気ボイラ44に送る送水ポンプ43、蒸気ボイラ4
4で発生する蒸気を過熱する過熱器45を備えている。
発電機40の発電電力のうち、本来の操業に使用する電
力を超える分の余剰電力が、計測器13を介して送電網
1に送出される。
【0035】温度差電池ユニット15は、上記発電施設
11で生じる熱を電気エネルギーに変換して蓄えるため
の温度差電池モジュール50、発電機40と計測器13
との間の電力線18に電磁遮断器17を介して接続され
その電磁遮断器17を介して取り込まれる余剰電力を直
流変換しそれを温度差電池モジュール50に対する充電
用電力として出力するAC/DCコンバータ60、温度
差電池モジュール50の電圧(直流電圧)を交流変換す
るための2つのインバータ61,62、温度差電池モジ
ュール50に対する逆流防止用のダイオード63,6
4、保護制御部65、温度差電池モジュール50とイン
バータ61,62との間の通電制御用のスイッチ71,
72,73などを有し、インバータ61,62の出力を
上記電力線18を介して送電網1に送出する。
【0036】温度差電池モジュール50は、発電施設1
1の蒸気ボイラ44に接して設けられており、その蒸気
ボイラ44から伝わる例えば70℃以上200℃以下の
熱(いわゆる低温排熱)を電気エネルギーに変換して蓄
えるとともに、コンバータ60の出力を充電することが
可能である。保護制御部65は、制御ユニット16から
の指令に応じて電磁接触器17、コンバータ60、イン
バータ61,62の動作を制御するとともに、温度差電
池モジュール50の電圧や電流を測定する機能を有して
いる。電磁接触器17およびスイッチ71,72,73
は、制御ユニット16によってオンとオフが制御され
る。
【0037】制御ユニット16は、温度差電池モジュー
ル50を充電する場合に、電磁遮断器17およびスイッ
チ71をオンしてスイッチ72,73をオフし、かつコ
ンバータ60を動作させる。また、制御ユニット16
は、温度差電池モジュール50を放電させる場合に、電
磁遮断器17をオフしてスイッチ71,72,73をオ
ンし、かつインバータ61,62を動作させる。
【0038】また、温度差電池モジュール50は、複数
の温度差電池により構成されている。これら温度差電池
は、片方の電極を高温に接し、他方の電極を室温環境に
置いたりあるいは冷却することによって電極間に温度差
を生じさせ、この温度差により、片方の電極上で酸化反
応または還元反応を進行させ、他方の電極でその逆の反
応を進行させるもので、酸化還元反応によって電極で電
子の授受を起こし、これによって電気エネルギーを取り
出す。
【0039】温度差電池の電圧は、Li/Li+ 系など
の有機電解液系の3Vレベルを除けば0.1Vレベルか
せいぜい1V程度である。このため、複数の温度差電池
が用意され、これら単電池(以下、セルと称す)の直列
接続(直列配置)によって温度差電池モジュール50が
構成されている。このモジュール化の一例を図3に示し
ている。
【0040】すなわち、9個のセル55が順次に直列接
続され、これらセル55がプラスチック56でラミネー
ト一体封口して成型されてモジュール化されている。5
1は主電極、54は副電極で、それぞれモジュール+端
子となる。52は副電極、53は主電極で、それぞれモ
ジュール−端子となる。67は主電極回路、68は副電
極回路である。モジュールの片面は発電設備の適当な熱
源に接して配置し、他方の面は空冷もしくは適当な冷熱
媒体に接するように配置する。
【0041】図7は、セル55の断面図である。81は
高温熱源に接する熱伝導性に優れた板たとえば金属板、
82は低温熱源に接する熱伝導性に優れた板たとえば金
属板であり、これら金属板81,82の内側にそれぞれ
接して主電極51,53が配置され、その主電極51,
53の内側にそれぞれ空隙83,84を確保して副電極
52,54が配置され、その副電極52,54の相互間
にイオン交換膜80が設けられている。主電極51,5
3からリード線85a,85bがそれぞれ導出され、副
電極52,54からリード線86a,86bがそれぞれ
導出されている。空隙83,84には電解液が充填され
る。セル両端部は、リード線85a,85b,86a,
86bを内包するようにプラスチック87でシールされ
る。
【0042】以下、温度差電池の作用について詳細に説
明しておく。図5は、反応活物質となる電解液にフェロ
シアンイオン、フェリシアンイオン[Fe(CN)6
4-/[Fe(CN)6 3-レドックス対を含む水溶液を
用いた温度差電池の電池反応機構を示した図であり、9
1は温度差電池の容器、92は高温側電極、93は低温
側電極であり、それぞれの電極には、94の高温熱源、
95の低温熱源を接しており、96は電解液である。
【0043】図5の温度差電池では、高温側電極92上
でフェロシアンイオン[Fe(CN)6 4-がフェリシ
アンイオン[Fe(CN)6 3-に還元され、電子が電
極に渡される。一方、低温側電極93では、逆にフェリ
シアンイオン[Fe(CN) 6 3-がフェロシアンイオ
ン[Fe(CN)6 4-に酸化され、電極上の電子を受
け取る。該酸化還元反応(レドックス反応)による電子
の授受によって外部導体97上を電子が移動し、電気エ
ネルギーが外部に取り出され仕事をすることになる。反
応活物質であるフェロシアンイオン、フェリシアンイオ
ンは酸化還元反応によっていずれも再生することにな
り、基本的に熱源、すなわち発電機、もしくは発電設備
による発電が行われ、温度差の存在さえあれば、永久に
電気エネルギーの取得が可能になる。
【0044】この温度差電池の付設によって、発電設備
11で生じる熱を電気エネルギーに変換することがで
き、発電設備11の発電そのものと合わせて、発電効率
のいっそうの向上が実現できる。
【0045】しかしながら、温度差の存在がある限り電
気エネルギーは取得できるものの、温度差電池は単に熱
エネルギーを電気エネルギーに変換する装置に過ぎない
ため、電気エネルギーが過剰であるときは、それを無駄
に廃棄するほかない。
【0046】そのために、電気エネルギーをいったん貯
蔵し、必要なときにこれを放出する機構が求められる。
本システムでは、二次化した温度差電池、すなわち充電
可能な温度差電池を用いることで、電気エネルギー貯蔵
の実現を図っている。これを図6を示す。
【0047】すなわち、フェリシアンイオン、フェロシ
アンイオンを活物質として含む電解液を持つ温度差電池
であり、高温側電極92と低温側電極93との相互間に
陽イオン交換膜101を配すことにより、充電可能とし
ている。
【0048】図6の充電可能な温度差電池では、図5に
示したように、高温側電極92上でフェロシアンイオン
[Fe(CN)6 4-がフェリシアンイオン[Fe(C
N) 6 3-に還元され、低温側電極93上で逆にフェリ
シアンイオン[Fe(CN) 6 3-がフェロシアンイオ
ン[Fe(CN)6 4-に酸化され、この酸化還元反応
によって電子が外部導体97を移動し仕事をする。
【0049】しかし、両電極92,93間に陽イオン交
換膜101を設置すると、陽イオン交換膜101は、陽
イオン、すなわち、カチオン、または+イオンのみを透
過し、陰イオン、すなわちアニオン、または−イオンは
透過しないため、高温側(図6の左側)で生成したフェ
リシアンイオン[Fe(CN)6 3-が、また低温側
(図6の右側)で生成したフェロシアンイオン[Fe
(CN)6 4-が、いずれも陽イオン交換膜にブロック
され反対側の電極へ移動できなくなる。陽イオン交換膜
101は、フェロシアンイオン[Fe(CN)6 4-
フェリシアンイオン[Fe(CN)6 3-の対イオンで
ある、例えばカリウムイオンK+ イオンのみを透過し、
プラスマイナスの電荷のバランス調節を行うのみであ
る。これによって、熱源の存在で温度差が生じ、酸化還
元反応が両電極上で進んだ場合、陽イオン交換膜で仕切
られた高温側部分の電解液中ではフェリシアンイオン
[Fe(CN)6 3-が増加し、フェロシアンイオン
[Fe(CN)6 4-が減少し、一方、低温側部分の電
解液中では逆にフェロシアンイオン[Fe(CN)6
4-が増加し、フェリシアンイオン[Fe(CN)6 3-
が減少してついにはそれぞれの側の反応物質が不足して
熱源は存在しても電気エネルギーには変換されず、その
代わり、陽イオン交換膜101の左右の電解液には濃度
の差が拡大する。この濃度の差は、熱エネルギーをいっ
たん電解液の濃淡差のエネルギーとして貯蔵することに
なる。
【0050】その上で、スイッチ102のオフして外部
導体97を開路し、温度差電池を熱源から乖離し、再び
スイッチ102をオンし外部導体97を閉路すると、電
解液の濃淡の差によって、温度差の存在する場合の反応
とは逆の反応がそれぞれの電極上で進行する。すなわ
ち、図6の左側の旧高温側電極92上では、フェリシア
ンイオン[Fe(CN)6 3-がフェロシアンイオン
[Fe(CN)6 4-に酸化され、図2の右側の旧低温
電極93上では逆に、フヱロシアンイオン[Fe(C
N)6 4-がフェリシアンイオン[Fe(CN)6 3-
に還元され、電解液の濃淡差として蓄えられたエネルギ
ーが電気エネルギーとして取得できることになる。
【0051】しかし、この構造になる温度差電池は、充
電ができるものの、充電の進行によって濃淡差が拡大す
ると充電効率が低下し、かつ、熱源があっても満充電に
なるとこの熱エネルギーを利用できなくなるばかりか、
満充電の管理が必要となり、運用が煩雑になる欠点が生
まれる。
【0052】本システムにおいては、この欠点を解消す
るため、常時熱エネルギーから電気エネルギーの変換
と、充電が可能となるように副電極の導入を行う。図7
にその基本構造概念を示す。
【0053】すなわち、陽イオン交換膜101の両側に
副電極111,112を設置し、さらに外部導体113
およびその外部導体113の投入・遮断を制御するため
のスイッチ114を設置した、充電可能な温度差電池と
なっている。この場合、高温側電極92および低温側電
極93がそれぞれ主電極となる。
【0054】この場合、主電極92,93の外部導体9
7のスイッチ102をオンし、副電極111,112の
外部導体113のスイッチ114をオフしている。この
状態で、主電極の高温側電極92を発電設備11の適当
な熱源に接触し、他方の主電極である低温側電極93を
室温環境もしくは冷却する状態に置くと、上述したよう
に、高温側電極92上でフェロシアンイオン[Fe(C
N)6 4-がフェリシアンイオン[Fe(CN)6 3-
に還元され、低温側電極93上で逆にフェリシアンイオ
ン[Fe(CN)6 3-がフェロシアンイオン[Fe
(CN)6 4-に酸化される酸化還元反応が進行する。
この酸化還元反応の進行によって、陽イオン交換膜で仕
切られた高温側部分の電解液中ではフェリシアンイオン
[Fe(CN)6 3-が増加し、フェロシアンイオン
[Fe(CN)6 4-が減少して、電解液の両側の濃淡
差が拡大しエネルギーが蓄積される。
【0055】このようにして、熱エネルギーを電気エネ
ルギーに変換し、それをいったん電解液の濃淡差として
貯蔵した温度差電池のスイッチ102をオフし、他のス
イッチ114をオンして副電極111,112の外部導
体113を閉路すると、図8に示すように、左側の旧高
温側電極92上では、増加したフェリシアンイオン[F
e(CN)6 3-がフェロシアンイオン[Fe(CN)
6 4-に酸化され、右側の旧低温電極93上では逆に、
増加したフェロシアンイオン[Fe(CN)64-がフ
ェリシアンイオン[Fe(CN)6 3-に還元され、電
解液の濃淡差として蓄えられたエネルギーが電気エネル
ギーとして取得できることになる。この場合、図6に示
す電極92,93とその外部導体97を用いた反応と同
じであり、これを単に副電極111,112とその外部
導体113に変更したに過ぎない。
【0056】しかし、両方の外部導体97,113のス
イッチ102,114を共にオンして、主電極、副電極
の反応をいずれも進行させ、かつ、主、副の電力上での
反応量をバランスさせた場合、図5の基本的な温度差電
池の場合と同様に、生成物であるフェロシアンイオン
[Fe(CN)6 4-、フェリシアンイオン[Fe(C
N)6 3-が一定に保たれることになる。それを図9に
示した。
【0057】すなわち、図9は、主電極、副電極の両外
部導体を閉路した場合の充電可能な温度差電池の反応機
構の概念を示した図である。このような構成にすること
により、発電設備11の適当な熱源に接して設置した該
温度差電池は、常に熱エネルギーを電気エネルギーに変
化するとともに、主電極、または副電極の外部導体を開
閉することによって、任意の時刻に、任意の時間、充電
が可能となり、電力の需給バランスを保って行う電気事
業の運営において極めて優れた電力の調整機能を果たす
ことができる。
【0058】電気事業者30がこの温度差電池を発電シ
ステムの一要素に採用する場合、常時付加的な電力を必
要とする場合は、図5に示したごく基本的な構造の温度
差電池を選択すればよいし、一定時間、一定量の付加的
な電力を必要とする場合には、図6に示した陽イオン交
換膜101のみを備えた温度差電池を選択し、スイッチ
102の開閉でこの付加的な電力の供給を制御すればよ
いし、非定時、任意の量の付加的な電力を必要とする場
合には、図7、図8、図9の陽イオン交換膜101と副
電極111,112とを備えた温度差電池を選択し、同
様にスイッチ102,114の開閉を制御することがで
きる。なお、図7、図8、図9において、主電極回路に
よる電解液の濃淡差の拡大、すなわち、充電は、外部か
らの電気による他の二次電池と同様の方法による充電も
可能である。
【0059】なお、該温度差電池の基本構造、機能につ
いては、既存の技術として公開されている(T.Hirai,
K.Shindo, and T.Ogata, J.Electrochemical Society,
143,1306(1996)、および、平井、新藤、尾形、電気学会
論文誌,116-A, 412(1996))。
【0060】温度差電池の酸化還元反応の活物質として
は、上述したフェロシアンイオン/フェリシアンイオン
系の他、硫酸銅Cu2 SO4 /CuSO4 系、塩化ジピ
リジル銅Cu(dipy)2 Cl2 /Cu(dipy)2 Cl系など
のCu+ /Cu2+系、Fe2+/Fe3+系、MnO4 -Mn
4 2-系などの水溶液電解液系、Li/Li+ 系などの
有機電解液系、AgI/Ag+ 系、La/LaCl
3 系、Cd/CdI2 系などの溶融塩電解液系などが選
択できる。
【0061】電極材料には、Ptや各種カーボン材料の
他、金属塩や金属イオンを含む電解液系の場合はそれぞ
れの金属材料を選択するが、本システムの温度差電池の
機能を満たせば何らこれに限定されることはない。
【0062】また、副電極材料は、陽イオン交換膜に接
しているため、該陽イオン交換膜を陽イオンが円滑に透
過するのを妨げないために、イオン透過性の材料である
ことが必要であり、金属材料であれば、金属網であり、
カーボン材料であれば多孔性の構造か、炭素繊維材料を
選択する。
【0063】一方、電気事業者のサーバ31は、主要な
機能として次の(1)〜(8)の手段を備える。 (1)各計測器22の計測結果に基づき、所定の電力供
給該当日における各需要家20の電力需要を推定する推
定手段。すなわち、サーバ31は、各需要家20の端末
23に定期的にデータ要求を指示することにより、各需
要家20の端末23から各計測器22の計測データ(電
力・電力量・力率)を需要家20ごとに固有のIDと共
に収集し、かつ必要に応じて各端末23から現地気象デ
ータを収集し、これら収集した計測データおよび現地気
象データを用い、さらに上記IDに基づいて当該サーバ
31の内部メモリから読み出される需要家基礎データ
(需要家ごとに固有)などを用いた所定の演算により、
現時点より先の所定の時期における各需要家20の電力
需要つまり使用電力および使用電力量を推定する。どの
時期の使用電力および使用電力量を推定するかは、予め
設定されている単位計測時間の次回分について行う場合
と、その次回分とそれに続く複数回の単位計測時間につ
いて行う場合があり、そのいずれでもよい。
【0064】(2)推定された電力需要に相当する電力
を、上記電力供給該当日において、各発電事業者10か
ら送電網1に送出させるための発電計画を決定する決定
手段。すなわち、各発電事業者10から通告される事前
発電計画、各発電事業者10に固有の発電事業者基礎デ
ータ、および各発電事業者10の現地気象データなどに
基づき、発電計画を決定する。この発電計画は、電力供
給該当日における予め設定されている単位計測時間ごと
に必要電力を対応付けたものである。
【0065】(3)決定された発電計画を各発電事業者
10の端末14に通信ネットワーク2を介して通知する
通知手段。
【0066】(4)各計測器13の計測結果に基づき、
各発電事業者10から送電網1への電力供給状況を検出
する検出手段。すなわち、サーバ31は、各発電事業者
10の端末14に定期的にデータ要求を指示することに
より、各発電事業者10の端末14から各計測器13の
計測データ(電力・電力量・力率)を発電事業者10ご
とに固有のIDと共に収集し、この収集した計測データ
から電力供給状況を検出する。
【0067】(5)上記電力供給該当日の当日、発電計
画に基づく電力供給が実際に行われている状況におい
て、各計測器13の計測により検出される電力供給状況
と各計測器22の計測により検出される電力使用状況と
の対比に基づいて、かつ各発電事業者10に固有の発電
事業者基礎データおよび各発電事業者10の現地気象デ
ータなどに基づいて、現時点より先の電力供給と電力使
用との需給バランスを予測(監視)し、その予測結果に
応じて各発電事業者10の供給電力に対する増減値を設
定する予測手段(監視手段)。
【0068】この場合、予め設定されている単位計測時
間の次回分について、またはその次回分とそれに続く複
数回の単位計測時間について、予測が行われる。
【0069】(6)上記設定された増減値を増減指令・
削減指令として各発電事業者10の端末14に通信ネッ
トワーク2を介して送る指令手段。
【0070】(7)上記指令後、上記検出される電力供
給状況が、上記指令された増減値を含む所定値またはそ
の所定値を基準とする制御許容範囲から外れていて、そ
の外れ方向が過剰側である場合、温度差電池モジュール
50が充電可能な状態にあれば、制御ユニット16に対
し充電を指令する手段。
【0071】(8)上記指令後、上記検出される電力供
給状況が、上記指令された増減値を含む所定値またはそ
の所定値を基準とする制御許容範囲から外れていて、そ
の外れ方向が不足側である場合、温度差電池モジュール
50が放電可能な状態にあれば、制御ユニット16に対
し放電開始を指令する手段。
【0072】なお、発電事業者10の端末14には、発
電事業者に固有の識別情報であるID、発電機40の種
類・基礎データファイル、発電機40の特性モニタリン
グファイル、発電機40の制御・管理メニューファイ
ル、発電計画ファイル、過去の発電データファイル、気
象データファイルなどがあらかじめ登録され、かつ、電
気事業者30のサーバ31や気象情報取得など必要なセ
ンターとの通信機能が搭載されている。
【0073】制御ユニット16には、温度差電池モジュ
ール50の基本特性データファイル、温度差電池モジュ
ール50の特性モニタリングファイル、温度差電池モジ
ュール50の周辺回路に関する制御・管理メニューファ
イルなどがあらかじめ登録されている。
【0074】電気事業者30のサーバ31には、各発電
事業者10、各需要家20に固有の識別情報であるI
D、各発電機40の基礎データファイル、各発電機40
の発電データファイル、各需要家20の基礎データファ
イル、各需要家20の過去の受電データファイル、発電
計画ファイル、発電・使用電力関係のモニタリングファ
イル、需給バランス制御・管理ファイル、給電指令指示
ファイル、送電網1を所有する電力会社との需給制御フ
ァイル、気象データファイル、温度差電池モジュール5
0の制御・管理指示ファイル、温度差電池モジュール5
0の過去データファイルなどがあらかじめ登録され、か
つ、各端末14,23、電力会社のセンター、その他、
気象情報管理センターなど必要なセンターとの通信機能
が搭載されている。
【0075】各需要家20の端末23には、需要家20
に固有の識別情報であるID、需要家20の基礎データ
ファイル・過去の電力使用データファイル・受電電力・
電力量などのモニタリングメニューファイルがあらかじ
め登録され、かつ、サーバ31との通信機能が搭載され
ている。
【0076】つぎに、上記の構成の作用を説明する。サ
ーバ31は、発電事業者10の発電機40の供給電力状
況に関するデータを端末13から受信し、発電機40の
基礎データ・発電計画、各需要家20の使用電力、使用
電力状況、他の発電事業者10の電力供給状況と比較演
算して単位時間ごとに給電指令を発電事業者10の端末
13に送信し、供給電力を調整する。
【0077】発電事業者10では、発電施設11の運転
に伴い、その発電施設11で生じる熱が温度差電池モジ
ュール50で電気エネルギーに変換され、それが温度差
電池モジュール50に蓄えられる。
【0078】また、供給電力の調整に際し、発電機40
が、サーバ31からの給電指令電力、または、その給電
指令電力に一定の上限値と下限値を設定した、または、
上限値のみ、または下限値のみを設定した制御許容範囲
を上回って供給した場合、上記給電指令電力または上記
制御許容範囲を上回った余剰分の電力によって温度差電
池モジュール50を充電する。
【0079】一方、発電機40が、サーバ31の給電指
令電力、または、その給電指令電力に一定の上限値と下
限値を設定した、または、上限値のみ、または下限値の
みを設定した制御許容範囲を下回って供給した場合に
は、供給電力と、上記給電指令電力、または上記制御許
容範囲の最低値との差である不足分の電力を、温度差電
池モジュール50の放電によって補填する。
【0080】このような、発電機40の供給電力の過不
足を補正するための温度差電池モジュール50の充放電
は、サーバ31、端末14、および制御ユニット16の
相互間のデータ送受信により実施される。
【0081】また、サーバ31が、各発電事業者10の
発電機40の供給電力データを端末14から受信し、そ
の発電機40の基礎データ・発電計画、各需要家20の
使用電力・使用電力状況、他の発電事業者10の電力供
給状況と比較演算して単位時間ごとに給電指令を実施す
るとき、他の発電事業者10の発電機40の供給電力
が、事前に決定した発電計画に基づく給電電力値、また
は電気事業者30の給電指令値、またはそれらの値に一
定の上限値と下限値を設定した、あるいは上限値のみを
設定した、あるいは下限値のみを設定した制御許容範囲
を下回って給電した場合、温度差電池モジュール50に
蓄えられている電力量を放電することによって、計画電
力値、給電指令値、または制御許容範囲と供給電力との
差である電力の不足分を補填することができる。
【0082】以下、電力供給該当日の需要家20の使用
電力・使用電力量に対応した発電事業者10の供給電力
・電力量の具体的な調整手順について説明する。
【0083】すなわち、サーバ31は各発電事業者10
の端末14から供給電力・供給電力量などの発電データ
を受信し、発電状況の把握を行うとともに、各需要家2
0の端末23から使用電力・使用電力量などの受電デー
タを受信し、使用状況の把握を行う。その上で、サーバ
31では、発電事業者10の基礎データ、需要家20の
基礎データ、および、これに必要ならば気温、天候など
の気象データなど必要情報データと比較演算して、供給
量と使用量の需給バランスを予測する。もし、次期単位
計測時間、あるいは複数の将来の単位計測時間における
推定使用量が計画供給量を上回った場合、各発電事業者
10の端末14に対してサーバ31から必要な電力の増
加を指令し、さらに供給量に不足がある場合には、温度
差電池モジュール50の放電を実施し、電力の補填を行
う。
【0084】それでも供給量に不足が生じる可能性のあ
る最悪の場合には、電力会社から必要な電力量を供給し
てもらうよう、電力会社の端末、またはサーバに送信す
るか、または適当な連絡手段により要請する。
【0085】もし、計画供給量が推定使用量を上回る場
合であれば、その過剰量を使用して温度差電池モジュー
ル50を充電する。さらに供給量が推定使用量を上回る
場合でそれが採算的に不良となる大きい場合には各発電
事業者10の端末14に対して必要な電力量分の削減指
令を送信する。
【0086】この操作手順を単位計測時間ごと、あるい
は調整発電事業者に対しては単位給電指令時間ごとに繰
り返す。
【0087】このようにして、電力の需給バランスを高
レベルで保持することができ、よって信頼性の高い余剰
電力管理を実現することができる。
【0088】余剰電力を発電事業者10から購入し、こ
の電力を需要家20に販売する電気事業を営むうえで、
本システムを採用することにより、需要家20の使用電
力・使用電力量の状況に即応した適正な電力供給体制を
確立することができ、電気事業運営の高信頼、収益保証
の観点においてきわめて大きな貢献を果たすことができ
る。
【0089】すなわち、需要家20が必要とする電力ま
たは電力量を電気事業者30が発電事業者10から確実
に確保して需要家20に安定供給することができ、信頼
性にすぐれたものとなる。
【0090】しかも、発電施設11で生じる熱を電気エ
ネルギーに変換して温度差電池モジュール50に蓄え、
その蓄えた電気エネルギーを電力供給不足の補填用とし
て使用するので、発電施設11の熱を廃棄することなく
有効利用することができ、省エネルギー効果の大幅な向
上が図れる。
【0091】[2]第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では充電可能な温度差電池モジュール5
0を用いたが、この第2の実施形態では、発電施設11
の熱を電気エネルギーに変換して蓄えるだけの温度差電
池モジュール50を採用し、充電機能については専用の
二次電池を採用している。
【0092】すなわち、図10において、蓄電手段であ
るところの温度差電池ユニット15は、発電施設11で
生じる熱を電気エネルギーに変換して蓄えるための温度
差電池モジュール50、発電機40と計測器13との間
の電力線18に電磁遮断器17を介して接続されその電
磁遮断器17を介して取り込まれる余剰電力を直流変換
しそれを温度差電池モジュール50に対する充電用電力
として出力するAC/DCコンバータ60、温度差電池
モジュール50に接続された二次電池(組電池)12
0、二次電池120の電圧を交流変換するためのインバ
ータ61、温度差電池モジュール50に対する逆流防止
用のダイオード66,67、保護制御部65、温度差電
池モジュール50とインバータ61との間の通電制御用
のスイッチ71,73などを有し、インバータ61の出
力を上記電力線18を介して送電網1に送出する。
【0093】温度差電池モジュール50は、発電施設1
1の蒸気ボイラ44に接して設けられており、その蒸気
ボイラ44から伝わる例えば70℃以上200℃以下の
熱(いわゆる低温排熱)を電気エネルギーに変換して蓄
える。保護制御部65は、制御ユニット16からの指令
に応じて電磁接触器17、コンバータ60、インバータ
61の動作を制御するとともに、温度差電池モジュール
50の電圧や電流を測定する機能を有している。電磁接
触器17およびスイッチ71,73は、制御ユニット1
6によってオンとオフが制御される。制御ユニット16
は、蓄電ユニット15の電圧、電流、温度を測定する機
能を有している。
【0094】発電設備11の熱を受けて温度差電池モジ
ュール50が発電した直流電力は、スイッチ71,73
のオンにより、インバータ61で交流変換されて電力線
18に送出される。温度差電池モジュール50が発電し
た電力によって二次電池120を充電する場合には、ス
イッチ71がオンされてスイッチ73がオフされる。さ
らに、発電機40の発電に基づく余剰電力を二次電池1
20に充電する場合には、電磁接触器17がオンされて
スイッチ71,73がオフされる。これにより、余剰電
力がコンバータ60で直流変換され、それが二次電池1
20に充電される。
【0095】二次電池120としては、鉛電池、シール
鉛電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、
リチウムイオン電池など、そのいずれかが使用される。
これらの電池は、商品としての広く市販されて量産化に
よる価格低減化が一定図られ、充電制御法も一定確立
し、さらに長寿命化や高温対策の技術も進展しており、
高い信頼性が期待できるからである。
【0096】設置場所が広く、地上、または地下であ
り、かつ安価であることを重視するなら、鉛電池、シー
ル鉛電池、ニッケルカドミウム電池を適用するのが最も
好ましく、反対に、設置場所がビルの階上となり床面積
が限定される場合にはニッケル水素電池、リチウムイオ
ン電池を適用するのが好ましい。比較的高温の場所で、
かつ発電電力、または温度差電池からの電力供給に余裕
がある場合には、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水
素電池の適用が好ましく、比較的高温の場所であるが、
充電のための電力が限定される場合には、リチウムイオ
ン電池の適用が好ましい。
【0097】二次電池120の必要電力量に応じて、温
度差電池モジュール50のモジュール数、各セルの容量
・サイズ・個数を決定し、できるだけ最小のサイズで組
電池を構成するのが好ましい。
【0098】他の構成および作用は第1の実施形態と同
じであり、よってその説明は省略する。
【0099】[3]第3の実施形態について説明する。
二次電池120については、使用期間中に徐々に劣化が
進行し、電力の貯蔵能力が低下し、かつ発電電圧の低
下、発電電気量の低下を来たし、ついにはその機能を発
揮できなくなることがある。この場合、新品の二次電池
120に交換しなければならない。これら機能の低下
や、機能不全に陥った場合には、電力の供給量に深刻な
影響を及ぼし、場合によっては頻繁に電力会社からの電
力の補給、すなわち、高価な事故時補給を仰がなければ
ならなくなり、信頼性を損なうばかりか事業採算性が悪
化することになり好ましくない。
【0100】何らかの方法によって二次電池120の劣
化状態を管理・把握し、適切な時期の交換を実施するこ
とが必要である。
【0101】この第3の実施形態では、二次電池120
に対する劣化判定機能を制御ユニット16に持たせてい
る。
【0102】二次電池120の劣化が進行する要因はい
くつか指摘されている。
【0103】すなわち、まず、充放電の繰り返しによ
る、電極の膨張、収縮の繰り返しによって電極の反応活
物質と導電剤との接触が劣化することが指摘される。鉛
電池、シール鉛電池、ニッケルカドミウム電池のカドミ
ウム正極は、特に活物質の電解液中への溶解と析出を繰
り返し、かつ、充放電反応が中間体を含む複雑な反応の
ため、特にこの傾向が顕著である。また、ニッケルカド
ミウム電池とニッケル水素電池ニッケル正極、ニッケル
水素電池の水素吸蔵合金負極は溶解しないものの、水素
との結合や水素の吸蔵、脱離に伴う電極の膨張、収縮が
激しく同様の電極の劣化が進行する。リチウムイオン電
池のリチウム金属酸化物正極の一部の材料、カーボン負
極も同様にこの膨張、収縮が大きく電極の劣化は避けら
れない。
【0104】次に、充電中の過充電によって電解液が分
解するために起こる劣化が指摘される。二次電池120
が、リチウムイオン電池以外の水溶液電解液を用いるも
のである場合には、電圧2V付近に水の電気分解反応が
存在するため、充電中の電解液の分解は避けられず、主
に酸素ガスの発生によって、電解液自体が減少し、か
つ、シール鉛電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル
水素電池では、発生した酸素ガスを負極活物質と反応さ
せ吸収させる反応機構を採用しているため、負極活物質
が減少してこれが進行すると、反応量の減少に繋がる。
リチウムイオン電池では、高温下などの環境で、有機電
解液が分解し、有機ガスを生成し、これが多いと安全弁
を破壊して電池の機能を全うしなくなる。また、分解生
成物が負極表面に析出し、負極の反応面の低下をもたら
し、反応量の減少が進む。
【0105】その他、鉛電池、シール鉛電池では、電極
の集電体に反応活物質と同じ鉛を使用するため、特に正
極において、正極格子と呼ばれる終電体が腐食し、導電
性が低下して電子の授受が円滑に行われず反応量の低下
をきたし、かつ腐食により体積膨張を起こし、極端な場
合には電池のケースを突き破り破壊することがあり、電
池の機能不全に陥る。
【0106】ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電
池では、発生酸素ガスの吸収に使用される負極活物質が
消耗すると、水の電気分解によって起こるもうひとつの
ガスである水素ガスが発生するようになり、この水素ガ
スは吸収する機能を電池内部に持たないため、安全弁
(水溶液系電解液の電池の場合、安全弁は再使用が可
能)からガスが外部に放出されることになり、近傍に火
気が存在したり、環境条件が整うと引火爆発の危険があ
る。
【0107】リチウムイオン電池では、正極活物質であ
るリチウム金属酸化物が電池の温度上昇や高温環境下
で、かつ満充電状態にあるとき、電解液中に溶解し、セ
パレータの目詰まりと負極表面上へ析出して負極の反応
面積を低下させ、反応量の低下をきたす。また、長期間
休止状態にあると、リチウムイオン電池の材料構成上不
可避となる、電解液と電解液界面近傍にある負極中のリ
チウムが化学反応し、負極表面に不活性皮膜を形成して
反応量の低下をもたらす。この不活性皮膜による反応量
の低下は再充電によっても回復は不完全となる。
【0108】これらいくつかの劣化要因の結果として起
こる現象にはいくつかの共通点がある。その最も顕著で
支配的な要因は、電池の内部抵抗、または内部インピー
ダンスの増加である。したがって、二次電池120の劣
化判定法は、これら内部抵抗、内部インピーダンスの増
加と電池の劣化度との関係を把握し、この関係から電池
の劣化度を評価することが原則となる。
【0109】本システムに採用する劣化判定法もこの要
因を基本にする。電池の内部抵抗、内部インピーダンス
の増加をモニタリングする主な方法は以下のとおりであ
る。 (1)交流複素インピーダンス、あるいは電圧パルス、
電流パルスを印加して直接抵抗値、インピーダンスの大
きさを求める方法 (2)充電電圧、充電電流、放電電圧、放電電流などの
充放電特性を測定しその変化を評価する方法 これらの方法における、測定、またはモニタリング項目
を選定し、選定した項目と電池の容量、または劣化度と
の関係をあらかじめ求めておき、実際の二次電池におい
てこれらの項目に関するデータを取得して該関係式に適
用し、容量、または劣化度を算定する手順を確立する。
【0110】二次電池120が鉛電池またはシール鉛電
池である場合の劣化判定を行うために、図11に示すよ
うに、二次電池120の正側端子にスイッチ74を介し
て抵抗75の一端が接続され、その抵抗75の他端がス
イッチ76を介して二次電池120の負側端子に接続さ
れる。
【0111】制御ユニット16は、電磁接触器17をオ
フして温度差電池ユニット15を電力線18から切離し
た状態で、スイッチ74,76のオンより二次電池12
0に対し抵抗75を介した並列回路を一定時間(例えば
0.5ms以上)だけ形成し、その形成開始時の二次電
池電圧Vsおよび形成終了時の二次電池電圧Veを測定
し、両測定電圧Vs,Veの差に基づいて二次電池12
0の劣化を判定する。
【0112】並列回路が形成されているときに、二次電
池120の公称容量値の0.15倍の電流値、すなわち
0.15CmAの電流が流れるように、抵抗75の抵抗
値が選定されている。
【0113】制御ユニット16は、両測定電圧Vs,V
eの差ΔV=Vs−Veを求め、それを次の劣化判定式
に当て嵌めることにより、二次電池(鉛電池またはシー
ル鉛電池)120の劣化度Deg(%)を求める。
【0114】 Deg(%)=100×(1−C/C0 ) =100×(1−[a×(ΔV/ΔV0 )+b])…(1) C0 は対象電池の公称容量、Cは劣化判定時の対象電池
の容量、ΔV0 は新品電池の初期値である。a,bは定
数(a<0,b>0)であり、設置した同種の鉛電池ま
たはシール鉛電池を用いて劣化判定の条件と同様にして
求めた容量Cと電圧差ΔVによってあらかじめ決定す
る。
【0115】こうして求められた劣化度Deg(%)のデ
ータは、端末14を介してサーバ31に送られ、そのサ
ーバ31の表示部で表示されて係員に報知される。係員
は、二次電池120の劣化度Deg(%)を把握し、二次
電池120を新品と交換するための処置を適宜に行うこ
とになる。
【0116】なお、両測定電圧Vs,Veのデータを制
御ユニット16から端末14またはその端末14を介し
てサーバ31に送り、その端末14またはサーバ31で
劣化判定式の演算を実行して劣化度Deg(%)を求める
ようにしてもよい。
【0117】他の構成および作用は第1の実施形態と同
じであり、よってその説明は省略する。
【0118】次に、二次電池120としてニッケルカド
ミウム電池が採用されている場合の劣化判定について説
明する。この場合、制御ユニット16は、電磁接触器1
7をオフして温度差電池ユニット15を電力線18から
切離した状態で、スイッチ74,76のオンより二次電
池120に対し抵抗75を介した並列回路を一定時間
(例えば0.01ms以上1ms以下の範囲)だけ形成
し、その形成開始時の二次電池電圧Vsおよび形成終了
時の二次電池電圧Veを測定し、両測定電圧Vs,Ve
の差に基づいて二次電池120の劣化を判定する。
【0119】並列回路が形成されているときに、二次電
池120の公称容量値の1/2倍以上2倍以下の電流
値、すなわち0.5CmA以上2.0CmA以下の電流
が流れるように、抵抗75の抵抗値が選定される。
【0120】制御ユニット16は、両測定電圧Vs,V
eの差ΔV=Vs−Veを求め、それを次の劣化判定式
に当て嵌めることにより、二次電池(鉛電池またはシー
ル鉛電池)120の劣化度Deg(%)を求める。
【0121】 Deg(%)=100×(1−C/C0 ) =100×(f/Cm )×ln(ΔV/ΔV0 )…(2) C0 は対象電池の公称容量、Cは劣化判定時の対象電池
の容量、Cm は上記劣化判定式(2)を作成するときに
用いたニッケルカドミウム試験電池の容量である。な
お、劣化判定式(2)を作成するために使用したニッケ
ルカドミウム電池は、設置する電池と同一サイズでなく
ても構わない。ΔV0 は設置した電池が新品電池のとき
の電圧差ΔVの初期値。fは定数(f<0)であり、劣
化判定式(2)を作成するときに求めた容量Cと電圧差
ΔVによってあらかじめ決定する。
【0122】によって演算し、ニッケルカドミウム電池
の劣化度Deg(%)を算定して電池の劣化状態を管理
する。
【0123】次に、二次電池120としてニッケル水素
電池が採用されている場合の劣化判定について説明す
る。この場合、制御ユニット16は、電磁接触器17を
オフして温度差電池ユニット15を電力線18から切離
した状態で、スイッチ74,76のオンより二次電池1
20に対し抵抗75を介した並列回路を一定時間(例え
ば0.01ms以上1ms以下の範囲)だけ形成し、そ
の形成開始時の二次電池電圧Vsおよび形成終了時の二
次電池電圧Veを測定し、両測定電圧Vs,Veの差に
基づいて二次電池120の劣化を判定する。
【0124】並列回路が形成されているときに、二次電
池120の公称容量値の1/2倍以上2倍以下の電流
値、すなわち0.5CmA以上2.0CmA以下の電流
が流れるように、抵抗75の抵抗値が選定される。
【0125】制御ユニット16は、両測定電圧Vs,V
eの差ΔV=Vs−Veを求め、それを次の劣化判定式
に当て嵌めることにより、二次電池(鉛電池またはシー
ル鉛電池)120の劣化度Deg(%)を求める。
【0126】 Deg(%)=100×(1−C/C0 ) =100×{1−[g(ΔV/ΔV0 )+h]}…(3) C0 は対象電池の公称容量、Cは劣化判定時の対象電池
の容量、ΔV0 は設置した電池の新品電池のときの電圧
差ΔVの初期値である。g,hは、定数(g<0,h>
0)であり、設置したと同一種のニッケル水素電池を上
述と同様の条件で試験して求めた容量Cと電圧差ΔVに
よってあらかじめ決定する。
【0127】ここまでは、二次電池120が水溶液電解
液を用いている場合の劣化判定について説明したが、二
次電池120がリチウムイオン電池の場合は、水溶液電
解液を使用する二次電池とは異なった劣化判定が行われ
る。
【0128】リチウムイオン電池は、安全性の観点から
電池単体で販売されることはなく、必ず安全保護冶具、
または安全保護回路を付与してパック構成するか、ある
いは電池外部に付設して販売される。
【0129】図12は、パック構成されたリチウムイオ
ン電池の一般的な回路構成を示しており、3つのセル
(リチウムイオン電池)が直列接続されて搭載されてい
る。
【0130】131は電池パック本体、132,13
3,134はリチウムイオン電池である。135は保護
用ICで、電圧、電流、温度などのモニタ、ソフト的な
安全制御を行う。137,138,139,140,1
41,142はパック内および各電池の充電電流制御を
目的とするトランジスタFETである。143は温度ヒ
ューズであるところのPTC(Positive Temperature C
oefficient)素子、144は電流ヒューズで、それぞれ
温度上昇時、異常大電流時に電流を遮断する役目を負
う。145はプラス端子、146はマイナス端子、14
7は情報出力用およびコントロール用の端子である。
【0131】リチウムイオン電池の各単電池(以下、セ
ルと称す)132,133,134には、抵抗R11,
R12,R13を介してトランジスタFET140,1
41,142が接続され、これらトランジスタFETに
さらに保護用IC135の端子CD1,CD2,CD3
が接続されている。セル132,133,134を流れ
る電流値をモニタし、異常過大電流などが流れる場合に
はFET140,141,142が電流を遮断する。
【0132】また、これとは別に、セル132,13
3,134には、抵抗R1,R2,R3を介して保護用
IC135の端子VCC,VC1,VC2,VSSが接
続され、これにより各セルの電圧をモニタしている。各
セルの電圧がアンバランスになった場合には、逆充電が
起こるなど安全性を損なうため、各セルの電池にアンバ
ランスがあってもそれを矯正できるよう、コンデンサC
1,C2,C3がこれらの配線をまたいで接続されてい
る。
【0133】別のトランジスタFET137は保護用I
C135の端子DOPに接続され、トランジスタFET
138は保護用IC135の端子COPに接続されてお
り、それぞれ、放電電流、充電電流をモニタして、異常
過大電流が流れるなど安全性を阻害する恐れがある場合
にはそれぞれの電流を遮断する。また、抵抗R6がトラ
ンジスタFET138に接続されており、そのトランジ
スタFET138によって充電電流および充電電圧の異
常のチェックを行う。
【0134】PTC素子143は温度ヒューズであり、
各セルが一定温度以上に上昇した場合や一定電流以上の
過大電流が各セル内に流れた場合に電流を遮断する機能
をもつ。電流ヒューズ144は、各セルに一定以上の電
流が流れないようにするためのもので、一定以上の電流
が流れた場合に融解して電流を遮断する。PTC素子1
43も同様の機能であるが、PTC素子143は、電流
値や温度が正常範囲内になると再び機能するのに対し
て、電流ヒューズ144はいったん電流を遮断すると使
用不可能となる。すなわち、PTC素子143が作動で
きない瞬時の異常電流などの場合にこの電流ヒューズ1
44が作動することになる。
【0135】抵抗R5は、電池パック本体131内の電
圧をモニタしており、保護用IC135の端子VMPに
接続されている。保護用IC135の端子CTLは制御
用ターミナルであり、当該電池パック本体131を搭載
しているコンピュータや充電器などの制御端子に接続さ
れるもので、本システムでは制御ユニット16に接続さ
れる。
【0136】保護用IC135の端子CCTは充電電流
制御用ターミナルであり、コンデンサC4を介してアー
スされ充電電流などの制御に使用されている。また、端
子CDTは、放電電流制御用ターミナルであり、コンデ
ンサC5を介してアースされ、トランジスタFET13
9に接続されて放電電流異常、過放電防止などの制御に
使用されている。さらに別の端子であるCOVTは過充
電防止などの制御に使用され、コンデンサC6を介して
アースされている。
【0137】このように図12における保護用IC13
5は、充放電の電圧、電流のモニタリング、異常電流、
電圧制御、異常セル温度制御など、リチウムイオン電池
の安全性維持確保に関わる必要な監視制御を実行してい
る。
【0138】図12において、該安全機構の保護用IC
135内にタイマーを搭載し、保護用IC135内の空
きメモリに、以下に記述する劣化判定法に用いる劣化判
定式を入力しておき、充電電流値と充電電圧を測定する
実行手順を入力しておき、測定したデータを該劣化判定
式に適用して電池の劣化度を算定する演算手順を入力し
ておき、さらに算定した電池の劣化度の結果を接続した
制御ユニット16に送信する実行手順を入力しておき、
以下の劣化判定を実行する。劣化判定式と演算手順は制
御ユニット16に入力しておき、電池の劣化度の算定、
表示の実施は制御ユニット16にて行うこともできる。
【0139】以下、二次電池120としてリチウムイオ
ン電池が採用されている場合の第1の劣化判定について
説明する。保護用IC135によって、定電流(CC)
充電中に、放電終止電圧Ve以上、充電上限電圧Vcよ
り0.2V低い電圧(Vc−0.2)以下のあらかじめ
定めた任意の電圧Vsに到達した時刻から、上限電圧V
cに電池電圧が到達した時刻までの所要時間tcを計測
し、該計測データを端子147に接続した制御ユニット
16に取り込み、その測定データを次の劣化判定式に代
入し演算して二次電池120の劣化度Deg(%)を算定
する。
【0140】 Deg(%)=100×(1−C/C0 ) =100×[1−(tc/tc0 k ]…(4) Cは劣化判定の対象となるリチウムイオン電池の容量、
0 は劣化判定の対象となるリチウムイオン電池の新品
電池での容量、tcはVsからVcまでのCC充電の所
要時間、tc0 はVsからVcまでのCC充電の新品電
池の所要時間である。kは定数であり、あらかじめ劣化
判定と同条件で試験して求めた値である。
【0141】また、二次電池120としてリチウムイオ
ン電池が採用されている場合の第2の劣化判定について
説明する。保護用IC135によって、定電流(CC)
充電中に、放電終止電圧Ve以上、充電上限電圧Vcよ
り0.2V低い電圧(Vc−0.2)以下のあらかじめ
定めた任意の電圧Vsに到達した時刻から、上限電圧V
cに電池電圧が到達した時刻までの所要時間tcを計測
し、該計測データを端子147に接続した制御ユニット
16に取り込み、その測定データを次の劣化判定式に代
入し演算して二次電池120の劣化度Deg(%)を算定
する。
【0142】 Deg(%)=100×(1−C/C0 ) =100×[1−(m×tc+n)/(m×tc0 +n)]…(5) Cは劣化判定の対象となるリチウムイオン電池の容量、
0 は劣化判定の対象となるリチウムイオン電池の新品
電池での容量、tcはVsからVcまでのCC充電の所
要時間、tc0 はVsからVcまでのCC充電の新品電
池の所要時間である。m,nは定数(m>0,n>0)
であり、あらかじめ劣化判定と同条件で試験して求めた
値である。
【0143】さらに、二次電池120としてリチウムイ
オン電池が採用されている場合の第3の劣化判定につい
て説明する。保護用IC135によって、端子VMPで
計測した電池電圧が充電上限電圧Vcに到達し、定電流
(CC)充電から定電圧(CV)充電に変った時刻か
ら、30秒以上30分以内のあらかじめ定めた時間tc
後の充電電流値Icを計測し、該計測データを端子14
7に接続した制御ユニット16に取り込み、その測定デ
ータを次の劣化判定式に代入し演算して二次電池120
の劣化度Deg(%)を算定する。
【0144】 Deg(%)=100×(1−C/C0 ) =100×[1−(−p×Ic+q)/(−p×Ic0 +q)]…(6) Cは劣化判定の対象となるリチウムイオン電池の容量、
0 は劣化判定の対象となるリチウムイオン電池の新品
電池での容量、IcはCC充電からCV充電に変換して
から時間t後の充電電流値、Ic0 はCC充電からCV
充電に変換してから時間t後の新品電池の充電電流値で
ある。p,qは定数(p>0,q>0)であり、あらか
じめ劣化判定と同条件で試験して求めた値となる。
【0145】これら第1、第2、および第3の劣化判定
法のほかに、さらに第4の劣化判定法がある。
【0146】保護用IC135によって、端子VMPで
計測した電池電圧が充電上限電圧Vcに到達し、定電流
(CC)充電から定電圧(CV)充電に変った時刻か
ら、充電電流値Icが定電圧(CV)充電中に減衰し、
あらかじめ定めた割合α(0<α<1)の電流値α×I
cに到達した時間tを計測し、該計測データを端子14
7に接続した制御ユニット16に取り込み、その測定デ
ータを次の劣化判定式に代入し演算して二次電池120
の劣化度Deg(%)を算定する。
【0147】 Deg(%)=100×(1−C/C0 ) =100×[1−(−r×tc+s)/(−r×tc0 +s)]…(7) Cは劣化判定の対象となるリチウムイオン電池の容量、
0 は劣化判定の対象となるリチウムイオン電池の新品
電池での容量、tcはCC充電からCV充電に変換して
から充電電流値Icがα×Icに到達した時間、tc0
はCC充電からCV充電に変換してから充電電流値Ic
がα×Icに到達した新品電池の時間である。r,sは
定数(r>0,s>0)であり、あらかじめ劣化判定と
同条件で試験して求めた値となる。
【0148】上述した第3、第4の劣化判定方法は、リ
チウムイオン電池の一般的な充電方法である定電流定電
圧(CC−CV)充電のうち、定電圧(CV)充電モー
ドにおける電流値の変化に着目した判定方法であった。
通常はこれらの劣化判定方法にて満足できるレベルでリ
チウムイオン電池の劣化判定が可能である。
【0149】しかしながら、充放電や使用期間によって
は、第3、第4の劣化判定法で使用する劣化判定式
(6)(7)に示すような、電池容量と充電電流値、ま
たは電池容量と所要時間の関係によらない別の関係を示
す場合が存在する。
【0150】この事実に鑑み、上述した劣化判定法の他
に第5および第6の劣化判定法がある。
【0151】まず第五の劣化判定法について示す。保護
用IC135によって、端子VMPで計測した電池電圧
が充電上限電圧Vcに到達し、定電流(CC)充電から
定電圧(CV)充電に変った時刻から、1分以上15分
以内のあらかじめ定めた時間tc後の充電電流値Icを
計測し、該計測データを制御ユニット16に取り込み、
その測定データを次の劣化判定式に代入し演算して二次
電池120の劣化度Deg(%)を算定する。
【0152】 Deg(%)=100×(1−C/C0 ) =100×[1−(−p′×Ic+q′)/(−p′×Ic0 +q′)]…(6′) Cは劣化判定の対象となるリチウムイオン電池の容量、
0 は劣化判定の対象となるリチウムイオン電池の新品
電池での容量、IcはCC充電からCV充電に変換して
から時間t後の充電電流値、Ic0 はCC充電からCV
充電に変換してから時間t後の新品電池の充電電流値で
ある。p′,q′は定数(p′>0,q′>0)であ
り、あらかじめ劣化判定と同条件で試験して求めた値で
ある。
【0153】この劣化判定の手順を繰り返して、計測し
た充電電流値Icn が前回の劣化判定において計測した
充電電流値Ic(n-1)と比べてIc(n-1)>Icn となっ
た場合には、上記劣化判定式(6′)に代えて、次の劣
化判定式(6″)が使用される Deg(%)=100×(1−C/C0 ) =100×[1−(+p′×Ic+q″)/(+p′×Ic0 +q″)]…(6″) q″は定数であり、Ic(n-1)とそのときの容量Cm
を(6″)式が満たすよう定めた値を適用することを特
徴とする。
【0154】次に、第6の劣化判定法について示す。
【0155】保護用IC135によって、端子VMPで
計測した電池電圧が充電上限電圧Vcに到達し、定電流
(CC)充電から定電圧(CV)充電に変った時刻か
ら、充電電流値Icが定電圧(CV)充電中に減衰し、
1/2の電流値0.5Icに到達した時間tを計測し、
該計測データを制御ユニット16に取り込み、その測定
データを次の劣化判定式に代入し演算して二次電池12
0の劣化度Deg(%)を算定する。
【0156】 Deg(%)=100×(1−C/C0 ) =100×[1−(−r′×tc+s′)/(−r′×tc0 +s′)]…(7′) Cは劣化判定の対象となるリチウムイオン電池の容量、
0 は劣化判定の対象となるリチウムイオン電池の新品
電池での容量、tcはCC充電からCV充電に変換して
から充電電流値Icがα×Icに到達した時間、tc0
はCC充電からCV充電に変換してから充電電流値Ic
がα×Icに到達した新品電池の時間である。r′,
s′は定数(r′>0,s′>0)であり、あらかじめ
劣化判定と同条件で試験して求めた値である。
【0157】この劣化判定の手順を繰り返して、計測し
た所要時間tcn が前回の劣化判定において計測した所
要時間tc(n-1)と比べてtc(n-1)>tcn となった場
合には、上記劣化判定式C(7′)に代えて、次の劣化
判定式(7″)が使用される。
【0158】 Deg(%)=100×(1−C/C0 ) =100×[1−(+r′×tc+s″)/(+r′×tc0 +s″)]…(7″) s″は定数であり、tc(n-1)とそのときの容量Cn-1
とを(7″)式が満たすよう定めた値が適用されること
を特徴とする。
【0159】この第6の劣化判定の手順の具体例を図1
3に示す。
【0160】手順A:設置したリチウムイオン電池の充
電が開始されたら、保護用IC135の端子VMPによ
って電池電圧Vをモニタする。電圧Vが充電上限値Vc
に達したら、劣化判定のための時間計測を開始する。同
時に、充電電流値を端子VCC、VSS間でモニタす
る。
【0161】手順B:電流値が1/2に到達したら時間
計測を終了。充電上限電圧到達時から電流値半減到達時
までの所要時間t1/2を記録する。
【0162】手順C:取得した所要時間tを上記劣化判
定式(7′)に代入して劣化度Deg(%)を算出する。
もし、前サイクルの所要時間t1/2bが記録されてお
り、t1/2<t1/2bとなる場合には、劣化判定式
(7′)の代わりに、定数−r′の符号を逆にした定数
+r′が用いられる上記劣化判定式(7″)を使用し
て、容量推定、劣化判定を実施する。劣化判定式
(7″)の定数の値s″は、取得した前サイクルの所要
時間t1/2bと劣化判定式(7′)から算出された容
量Cとを式(7″)に代入して決定する。
【0163】手順D:算出された結果を適当なディスプ
レイ上に表示する。
【0164】このようにして二次電池120の劣化判定
を実施し、電池の充電能力、放電電力量を電気事業者3
0のサーバ31が管理することにより、電池の劣化度に
応じてこれを発電計画、給電指令に反映したり、寿命時
期には適切な電池交換を実施でき、信頼性の高い電力制
御・管理システムを実現することができる。
【0165】なお、この発明は上記各実施形態に限定さ
れるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施
可能である。
【0166】
【発明の効果】以上の述べたように、この発明によれ
ば、発電事業者の施設で生じる排熱を有効利用しなが
ら、電力使用者が必要とする電力または電力量を電気事
業者が発電事業者から確実に確保して電力使用者に安定
供給することができる省エネルギー性および信頼性にす
ぐれた余剰電力管理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施形態の全体的な構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態における温度差電池ユニットお
よびその周辺部の具体的な構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態における温度差電池モジュール
50の具体例の構成を示す図。
【図4】図3におけるセルの構成を断面して示す図。
【図5】各実施形態における温度差電池の作用について
説明するための図。
【図6】各実施形態における温度差電池の作用について
説明するための図。
【図7】各実施形態における温度差電池の作用について
説明するための図。
【図8】各実施形態における温度差電池の作用について
説明するための図。
【図9】各実施形態における温度差電池の作用について
説明するための図。
【図10】第2の実施形態における温度差電池ユニット
およびその周辺部の具体的な構成を示すブロック図。
【図11】第3の実施形態における温度差電池ユニット
およびその周辺部の具体的な構成を示すブロック図。
【図12】第3の実施形態におけるリチウムイオン電池
のパック構成を示すブロック図。
【図13】第3の実施形態における第6の劣化判定の手
順を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…電力会社送電網、2…通信ネットワーク、10…発
電事業者、11…発電設備、13…計測器、14…端
末、15…温度差電池ユニット15(蓄電手段)、20
…需要家(電力使用者)、21…建物、22…計測器、
23…端末、30…電気事業者、31…サーバ、40…
発電機、50…温度差電池モジュール、60…AC/D
Cコンバータ、61,62…インバータ、120…二次
電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02J 7/34 H02J 7/34 A Fターム(参考) 5G003 AA01 AA04 BA01 DA07 EA08 GB06 5G066 HA30 HB08 HB09 JB03 JB10 5H026 AA10 CX05 EE11 HH08 5H030 AA06 AS01 AS06 BB09 FF44

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電事業者の余剰電力を電気事業者が購
    入し、その購入電力を送電網により前記発電事業者から
    電力使用者へ直接的に供給する余剰電力管理システムに
    おいて、 前記発電事業者の発電設備で生じる熱を電気エネルギー
    に変換して蓄えるとともに前記送電網への放電が可能な
    蓄電手段と、 前記発電事業者の電力供給と前記電力使用者の電力使用
    との需給バランスに応じて前記蓄電手段の放電を制御す
    る制御手段と、 を具備したことを特徴とする余剰電力管理システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の余剰電力管理システム
    において、 前記蓄電手段は、温度差電池であることを特徴とする余
    剰電力管理システム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の余剰電力管理システム
    において、 前記制御手段は、前記発電事業者の電力供給量が前記電
    力使用者の電力使用量に対し不足となる場合に前記蓄電
    手段を放電させる手段を有する、ことを特徴とする余剰
    電力管理システム。
  4. 【請求項4】 発電事業者の余剰電力を電気事業者が購
    入し、その購入電力を送電網により前記発電事業者から
    電力使用者へ直接的に供給する余剰電力管理システムに
    おいて、 前記発電事業者の発電設備で生じる熱を電気エネルギー
    に変換して蓄えるとともに前記余剰電力の充電および前
    記送電網への放電が可能な蓄電手段と、 前記発電事業者の電力供給と前記電力使用者の電力使用
    との需給バランスに応じて前記蓄電手段の充放電を制御
    する制御手段と、 を具備したことを特徴とする余剰電力管理システム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の余剰電力管理システム
    において、 前記蓄電手段は、前記発電設備で生じる熱を電気エネル
    ギーに変換して蓄える温度差電池と、前記余剰電力を直
    流変換しそれを前記温度差電池に対する充電用電力とし
    て出力するコンバータと、前記温度差電池の電圧を交流
    変換するインバータとを有し、このインバータの出力を
    前記送電網に送出する、 前記制御手段は、充電時に前記コンバータを動作させ、
    放電時に前記インバータを動作させる手段を有する、 ことを特徴とする余剰電力管理システム。
  6. 【請求項6】 発電事業者の余剰電力を電気事業者が購
    入し、その購入電力を送電網により前記発電事業者から
    電力使用者へ直接的に供給する余剰電力管理システムに
    おいて、 前記発電事業者の発電設備で生じる熱を電気エネルギー
    に変換して蓄える温度差電池、およびこの温度差電池に
    接続された二次電池を有し、前記余剰電力の充電および
    前記送電網への放電が可能な蓄電手段と、 前記発電事業者の電力供給と前記電力使用者の電力使用
    との需給バランスに応じて前記蓄電手段の充放電を制御
    する制御手段と、 を具備したことを特徴とする余剰電力管理システム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の余剰電力管理システム
    において、 前記蓄電手段は、前記発電設備で生じる熱を電気エネル
    ギーに変換して蓄える温度差電池と、この温度差電池に
    接続された二次電池と、前記余剰電力を直流変換しそれ
    を前記二次電池に対する充電用電力として出力するコン
    バータと、前記温度差電池の電圧または前記二次電池の
    電圧を交流変換するインバータとを有し、このインバー
    タの出力を前記送電網に送出する、 前記制御手段は、充電時に前記コンバータを動作させ、
    放電時に前記インバータを動作させる手段を有する、 ことを特徴とする余剰電力管理システム。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし請求項6のいずれかに記
    載の余剰電力管理システムにおいて、 前記制御手段は、前記発電事業者の電力供給量が前記電
    力使用者の電力使用量に対し過剰となる場合に前記蓄電
    手段を充電し、前記発電事業者の電力供給量が前記電力
    使用者の電力使用量に対し不足となる場合に前記蓄電手
    段を放電させる手段を有する、ことを特徴とする余剰電
    力管理システム。
  9. 【請求項9】 請求項4ないし請求項8のいずれかに記
    載の余剰電力管理システムにおいて、 前記蓄電手段は、前記発電事業者の施設内に設けられて
    いる、 前記制御手段は、前記発電事業者の施設内に設けられて
    いる第1端末と、前記電力使用者の施設内に設けられて
    いる第2端末と、これら第1および第2端末とのデータ
    送受信が可能なサーバと、このサーバに設けられ前記各
    端末とのデータ送受信により前記発電事業者の電力供給
    と前記電力使用者の電力使用との需給バランスを監視す
    る手段と、前記サーバに設けられ前記監視結果に応じた
    充放電制御を前記第1端末に指令する手段と、前記第1
    端末に接続されその第1端末が受けた指令に応じて前記
    蓄電手段の充放電を制御する制御ユニットとを有する、 ことを特徴とする余剰電力管理システム。
  10. 【請求項10】 請求項2、請求項5、請求項6、請求
    項7のいずれかに記載の余剰電力管理システムにおい
    て、 前記温度差電池は、[Fe(CN)6 3-/[Fe(C
    N)6 4-レドックスイオン対系電解液を用い、高温側
    電極と低温側電極を主電極とし、この主電極の間に陽イ
    オン交換膜を配し、その陽イオン交換膜の両側に接して
    副電極を配して構成されていることを特徴とする余剰電
    力管理システム。
  11. 【請求項11】 請求項6または請求項7に記載の余剰
    電力管理システムにおいて、 前記二次電池は、鉛電池、シール鉛電池、ニッケルカド
    ミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池な
    どであることを特徴とする余剰電力管理システム。
  12. 【請求項12】 請求項6または請求項7に記載の余剰
    電力管理システムにおいて、 前記二次電池の劣化を判定する判定手段をさらに具備し
    たことを特徴とする余剰電力管理システム。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の余剰電力管理シス
    テムにおいて、 前記判定手段は、前記二次電池に対し抵抗を介した並列
    回路を一定時間だけ形成し、その形成開始時の二次電池
    電圧と形成終了時の二次電池電圧との差に基づいて前記
    二次電池の劣化を判定することを特徴とする余剰電力管
    理システム。
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