JP2002305759A - 眼鏡無し立体映像表示装置 - Google Patents

眼鏡無し立体映像表示装置

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JP2002305759A
JP2002305759A JP2001108910A JP2001108910A JP2002305759A JP 2002305759 A JP2002305759 A JP 2002305759A JP 2001108910 A JP2001108910 A JP 2001108910A JP 2001108910 A JP2001108910 A JP 2001108910A JP 2002305759 A JP2002305759 A JP 2002305759A
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JP2001108910A
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English (en)
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Takeshi Masutani
健 増谷
Goro Hamagishi
五郎 濱岸
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観察者が適視位置から前後方向に離れた場合
おいても観察者に立体視を行わせることができる装置を
提供する。 【解決手段】 遮光手段付きディスプレイ1aは5つに
領域分割されている。各領域ごとに遮光手段の遮光部を
遮光部ピッチに対して1/4移動できる。1/4移動時
には「シフト後」の各範囲に対応して画像が通過する。
センサにおいて検出した頭の位置を観察者の最適観察距
離の位置に投影し、この投影した結果に基づいて分割移
動制御手段及び前記画像表示手段で表示させる左眼画像
および右眼画像の切替を制御する。この結果、最適観察
位置Dから前方又は後方に移動した観察者2の右眼に右
眼映像、左眼に左眼映像のみを供給できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特殊な眼鏡を使用す
ることなく立体映像を観察者の頭部位置に追従して認識
させることができる眼鏡無し立体映像表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特殊な眼鏡を必要とせずに立体映像表示
を実現する方法として、パララックスバリア方式やレン
チキュラーレンズ方式が一般的に知られている。これら
を液晶表示パネルに用いて眼鏡無し立体映像表示装置を
構成する場合、液晶パネルの解像度に限界があるため
に、通常は2眼式の眼鏡無し立体映像表示装置とする場
合が多い。この2眼式の場合、図1に示すように、液晶
表示パネル200上には一縦ラインおきに右眼画像と左
眼画像が表示される。そして、図示しないレンチキュラ
ーレンズやパララックスバリアは、観察者2が最適観察
位置Dにいる状態で、右眼画像と左眼画像が眼間距離E
のピッチにて交互に観察されるように設計される。
【0003】図1では、「…,R,R1,R2,R3,
R4,…」が右眼画像観察可能領域であり、「…,L,
L1,L2,L3,…」が左眼画像観察可能領域であ
る。従って、図2に示すように、観察者の右眼が右眼画
像観察可能領域にあり、左眼が左眼画像観察可能領域に
ある場合は、観察者は立体映像を認識できる。各眼の画
像観察領域は、画面の全面から対応する眼の画像が集光
されるので、図3に示すように、例えば、画面真正面の
R2領域に注目すると、実際には、前後に多少移動した
位置にも観察可能範囲が存在する。すなわち、図の四角
形領域Gにおいては、画面全面からの右眼画像の到達が
可能となるので、当該四角形領域Gの上端又は下端にて
右眼画像の観察が行える。また、R2領域を通過する光
は、図中の斜線領域以外には到達しないことになる。
【0004】前述の原理により、右眼画像観察可能領域
および左眼画像観察可能領域はそれぞれ図4に示す四角
形領域(斜線を施してある)となる。従って、図5に示
すように、観察者2の右眼が右眼画像観察四角形領域
に、左眼が左眼画像観察四角形領域に存在する場合、立
体視が可能となり、逆にそれ以外の場合には立体視不能
になる。
【0005】立体視可能範囲を拡大する方法としては、
例えば、特開平9−152668号公報(IPC:G0
3B 35/00)に開示されているように、観察者2
の位置を検出し、観察者の右眼に左眼画像が左眼に右眼
画像が観察されるいわゆる逆視領域に観察者2が位置す
る場合、液晶表示パネル200に表示する右眼画像と左
眼画像を入替える方法がある。また、特開平9−197
344号公報(IPC:G02B 27/22)には、
液晶表示パネルとバックライトとの間に配置されたスリ
ット状の開口部を持つ遮光バリアやパララックスバリア
を、そのピッチに対して1/4ピッチ移動(バリア移
動)できるように液晶パネル等を用いた構成が開示され
ている。この構成であれば、図4に示した四角形領域が
E/4だけ移動可能となり、図6に示すように、白抜き
四角形領域において、各画像が観察可能となる。すなわ
ち、「…,R,R1,R2,R3,R4,…」であった
右眼画像観察可能領域が、「…,R’,R1’,R
2’,R3’,R4’,…」となり、「…,L,L1,
L2,L3,…」であった左眼画像観察可能領域が、
「…,L’,L1’,L2’,L3’,…」となる。
【0006】従って、バリア移動を行う前の右眼画像と
左眼画像の境界においても多少前後方向に立体像の供給
が可能となる。バリアや遮光板におけるバリア移動と液
晶表示パネル200に表示する右眼画像と左眼画像の切
換を最適に制御することで、図6の斜線四角形領域と白
抜き四角形領域のどの位置においても、右眼画像または
左眼画像の観察が可能となり、立体視範囲は拡大する。
【0007】上記のように、バリアや遮光板におけるバ
リア移動と液晶表示パネル200に表示する右眼画像と
左眼画像の切換を最適に制御することで、図7に示すよ
うに、4つの四角形領域(ABCD)が繰り返し存在す
ることになり、この領域によって下記の表1に示すよう
に、バリア移動と液晶表示パネル200に表示する右眼
画像と左眼画像の切換を制御している。上記したよう
に、バリア移動とは、遮光部の1/4ピッチ移動するこ
とを言い、以下、遮光部の1/4ピッチ移動することを
単に”バリア移動”と表現し、また、右眼画像と左眼画
像の切換えて画像表示を変更することを単に”LR画像
切り替え”と表現することにする。
【0008】
【表1】
【0009】ここで、Cで示す領域は、正視の位置状態
であり、このときバリアや遮光板における光透過部路と
遮光部の位置状態を正視の時の状態として”正”の状態
と表現し、また、このときの表示されるLR画像は正視
状態の映像であり”正”と表現する。この状態より左右
どちらかに観察者が移動すると、バリア移動または、L
Rが像切り替えが行われる。B及びDで示す領域はモア
レを観察する状態であり、この状態では、バリア移動を
行う。正視状態のバリア位置からバリア移動を行う場合
には、”移”と表現する。Cの領域より図7で左に観察
者がE/4移動したときは、LR画像は正視状態のま
ま”正”となる。さらに、Cの状態より観察者がE/4
移動したときは、逆視の状態となる。このため、バリア
移動し、バリアは”正”の状態となる。そして、LR画
像を切り替え、正視状態の表示とはLR画像が反対の状
態となる。この状態を”反”と表現する。さらに、左に
観察者がE/4移動したときは、Dの状態、この状態は
Cの正視状態から図中右に観察者がE/4移動したとき
同じ状態である。このときは、バリア移動は正視状態よ
り移動させた”移”となり、LR画像は”反”になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、観察者が図8に示すように例えば後方に
大きく移動した場合には立体視が行えなくなる。すなわ
ち、図9に示すように、観察者2の右眼には、液晶表示
パネル200の領域2からL1を通過した左眼画像、B
領域からR2を通過した右眼画像、およびC領域からL
2を通過した左眼画像が観察され、観察者2は画面上の
A領域とB領域とC領域の境界にモアレを見ることにな
る。これは、L1 R2 L2領域の境界に相当する。こ
のように、観察者2が立体観察可能位置から前後方向に
大きくずれると、観察者2は右眼画像と左眼画像をとも
に観察するため、立体視が不可能になる。
【0011】この発明は、上記の事情に鑑み、観察者が
適視位置から前後方向に大きく離れた場合でも、その位
置において観察者に立体視を行わせることができる眼鏡
無し立体映像表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の立体映像表示
装置は、上記の課題を解決するために、ストライプ状の
左眼画像および右眼画像を交互に表示する画像表示手段
と、両眼視差効果を生じさせる遮光部の位置が移動でき
るように構成された遮光手段と、観察者の頭の位置を検
出するセンサと、を備え、前記遮光手段を横方向に領域
分割し、観察者の頭位置に応じて各領域ごとに遮光部の
位置の移動制御を行う領域分割移動制御手段を備えた立
体表示装置において、前記センサにおいて検出した頭の
位置を観察者の最適観察距離の位置に投影する投影手段
と、この投影手段に基づいて分割移動制御手段及び前記
画像表示手段で表示させる左眼画像および右眼画像の切
替を制御する領域状態決定手段と、を備えたことを特徴
とする。
【0013】前記遮光手段は遮光部の位置を遮光部ピッ
チの1/4ピッチで移動するように構成されるのがよ
い。
【0014】ここで、例えば、二領域の一方の領域から
右眼画像が通常配置の遮光部間を通過し、他方の領域か
ら右眼画像が通常配置の遮光部間を通過する場合は、通
常どおり適視位置にいる観察者の右眼に右眼画像が供給
される。これに対し、一方の領域から右眼画像が1/4
ピッチシフトした配置の遮光部間を通過し、他方の領域
から右眼画像が通常配置の遮光部間を通過する場合は、
右眼画像の供給範囲は適視位置の前方又は後方にずれる
ことになる。従って、このずれた位置に観察者の頭部が
移動したときには、遮光部の上記移動制御を行うこと
で、上記ずれた観察者の右眼に右眼画像を供給すること
ができ、また、このときには観察者の左眼に左眼画像が
供給されるので、観察者は立体映像を認識できることに
なる。
【0015】そして、この発明では、観察者の前後方向
のヘッドトラッキング結果に基づき、分割した液晶パネ
ルの各領域の状態を決定する処理を行っているので、各
領域には最適な映像が表示される。
【0016】また、遮光手段の領域分割に対応させて前
記画像表示手段の表示部も領域分割し、観察者の頭位置
に応じて各領域ごとにストライプ状の左眼画像および右
眼画像の表示順序を制御する表示制御手段を備えるのが
よい。
【0017】ここで、例えば一方の領域において、本来
なら左眼画像が出力される位置から右眼画像を出力し、
当該右眼画像が通常配置の遮光部間を通過し、他方の領
域から右眼画像が1/4ピッチシフトした配置の遮光部
間を通過する場合は、右眼画像の供給範囲は適視位置の
前方又は後方にずれることになる。従って、このずれた
位置に観察者の頭部が移動したときには、上記のような
遮光部の移動制御および画像表示手段の表示制御を行う
ことで、観察者の右眼に右眼画像を供給することがで
き、また、このときには観察者の左眼に左眼画像が供給
されるので、観察者は立体映像を認識できることにな
る。
【0018】前記画像表示手段は液晶表示パネルから成
り、前記遮光手段は、前記液晶表示パネルとその裏面側
に配置される平面状に発光する光源との間に配置された
遮光バリアであってもよい。前記遮光手段は、前記画像
表示手段の光出射側に配置されるパララックスバリアで
あってもよい。前記遮光手段が液晶パネルから成るのが
よい。観察者の頭部が適視位置から離れるほど分割数を
増加するのがよい。領域分割を均等に行うのが望まし
い。観察者のきき眼にその眼用の画像が供給されるよう
に各領域の制御を行うのがよい。前記遮光手段の遮光部
を任意の領域において消失し得るように構成し、遮光部
を消失した領域に対応する表示領域に二次元画像を表示
するようにしてもよい。
【0019】前記遮光手段は、常時遮光部とその両側に
設けられた遮光部がオン・オフする液晶シャッタ部によ
り構成されていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図1
0乃至図31に基づいて説明する。
【0021】(概要)この実施形態の眼鏡無し立体映像
表示装置は、構造的には特開平9−197344号公報
に開示されているように、両眼視差効果を生じさせる遮
光手段における遮光部を、そのピッチに対して例えば1
/4ピッチだけ移動できるようにしたものである。そし
て、かかる構造において、遮光手段を横方向に領域分割
し、観察者の位置に応じて分割数と、各領域における1
/4ピッチ移動の有無を決定するとともに、上記領域に
対応する表示領域の映像表示を制御するようにしたもの
である。
【0022】図10は観察者2が眼鏡無し立体映像表示
装置1を見ている様子を示している。眼鏡無し立体映像
表示装置1の上部両端には観察者2の頭部位置を検出す
るセンサ101が取り付けられている。図11および図
12は、前記図9のごとく観察者2の頭が移動したこと
をセンサ101が検出したときに、遮光手段付きディス
プレイ1aをH1,H2,H3の3領域に分割した場合
を示している。遮光手段における1/4ピッチ移動無し
のときには、図において「シフト前」と表記したところ
のR・Lが付記された領域を右眼映像と左眼映像が各々
通過し、遮光手段における1/4ピッチ移動有りのとき
には、図において「シフト後」と表記したところのR’
・L’が付記された領域を右眼映像と左眼映像が各々通
過することになる。そして、右眼映像と左眼映像の並び
を切り換えると、本来は右眼映像が通過するR,R’領
域には左眼映像が通過し、本来は左眼映像が通過する
L,L’領域には右眼映像が通過することになる。
【0023】図11の状態では、H1領域から右眼画像
がL1’を通過して観察者2の右眼に入り、H2領域か
ら右眼画像がR2を通過して観察者2の右眼に入り、H
3領域から右眼画像がR2’を通過して観察者2の右眼
に入る。すなわち、観察者2はその右眼において右眼映
像のみを見ている。図12は図11の遮光手段における
1/4ピッチ移動、および右眼映像と左眼映像を切り換
えについて同じ制御がなされている状態であり、H1領
域から左眼画像がR2’を通過して観察者2の左眼に入
り、H2領域から左眼画像がL2を通過して観察者2の
左眼に入り、H3領域から左眼画像がL2’を通過して
観察者2の左眼に入る。すなわち、観察者2はその左眼
において左眼映像のみを見ている。このような制御によ
り、観察者2の頭部が適視範囲から後方にずれた場合で
も、立体視が可能となる。
【0024】上記した立体映像表示装置1は、図13に
示すように、例えば、液晶パネル20と、この液晶パネ
ル20の観察者側に配置される遮光バリア10と、平面
光源30と、で構成される。
【0025】この遮光バリア10は、後述するように、
遮光部の一部がオン・オフ(発生・消滅)できるように
構成されている。この実施形態においては、遮光バリア
としてTN型液晶パネルが用いられる。
【0026】前記液晶パネル20は、光入射側ガラス基
板23と、光出射側ガラス基板24と、これら基板2
3、24間に設けられた液晶層25と、光入射側ガラス
基板23に貼付された光入射側偏光板26と、光出射側
ガラス基板24に貼付された光出射側偏光板27と、を
有する。この液晶パネル20は、例えばマトリクス駆動
方式により駆動され、図示しない透明画素電極に画像信
号に応じて電圧が印加されることによって画像が表示さ
れる。そして、液晶パネル20に供給する映像信号を処
理することにより、1縦ラインおきに右眼用画像Rと左
眼用画像Lが交互に表示される。
【0027】液晶パネル20の光出射側に配置されるT
N型液晶パネルからなる遮光バリア10は、2枚のガラ
ス基板11,12の間に液晶層13が設けられ、観察者
2側には、光入射側偏光板14が設けられている。ま
た、TN型液晶パネルの光入射側の偏光板は画像を形成
する液晶パネル20の偏光板27を供用している。この
TN型液晶パネルよりなる遮光バリア10はガラス基板
11,12の内面にITO等の透明電極がパターニング
されており、電気的に遮光部がオン・オフできるように
構成されている。さらに、この遮光バリア10の遮光部
をそのピッチの1/4だけ移動できる機能を有してお
り、例えば、この機能を実現するために、遮光部をオン
・オフするための透明電極を細分化して、遮光部の移動
を可能にしている。そして、遮光部は液晶パネル20の
表示画素2つに対して1つの開口部が対応するようにオ
ンし、液晶パネル20を透過した光を左右分離して、左
眼用の画像が観察者2の左眼2Lに右眼用の画像が観察
者2の右眼2Rにそれぞれ与えられる。
【0028】図14は上記した液晶パネルで構成した遮
光バリア10の構造の一例を示す断面図である。この液
晶パネルは、2枚のガラス基板11,12の間に液晶層
13が設けられている。それぞれのガラス基板11,1
2の外面には偏光板14,16が設けられている。これ
ら2枚の偏光板14,16のうち、画像を表示する液晶
パネル20側の偏光板は、液晶パネル20の偏光板と共
用することも可能である。これら偏光板14と偏光板1
6とが、偏光軸が互いに直行するように貼り付けられて
いる。図では、遮光バリア10の偏光板と映像表示用の
液晶パネル20の偏光板はそれぞれ共用している。一方
のガラス基板12の内面側には、全面に透明電極15が
形成されている。この透明電極15は、例えばITOで
構成されている。
【0029】他方のガラス基板11上に、常時遮光部1
0bを黒顔料で形成し、第一の状態の時にのみ遮光部に
なる領域10a1,10a2と第二の状態の時にのみ遮
光部になる領域10c1、10c2とを透明電極で形成
している。実際には図に示すように、透明電極と常時遮
光部は少し重なるように形成し隙間がなくなるようにな
っている。
【0030】全ての透明電極に電圧を印加しない場合
は、偏光板16で選択された光の偏光軸が、液晶層13
の中で液晶の回転に従って90度回転し、偏光板14を
通過して出てくる。ただし、常時遮光部10部に入射し
ようとした光だけが遮蔽される。
【0031】上記した常時遮光部10bと、透明電極1
0a1(10a2)、10c1(10c2)は、遮光部
がオン時に眼鏡を用いずに立体視を可能にするために、
液晶パネル20の2画素に対し、常時遮光部10bとど
ちらか一方の透明電極との対が対応するようにそのピッ
チ(Q)が形成されている。透明電極10a1(10a
2)、10c1(10c2)は遮光部の移動を可能にす
るためのものであり、観察者2の位置に対応し、いずれ
か一方の電極がオンされる。透明電極10a1(10a
2)、10c1(10c2)の幅は、常時遮光部10b
と重ならない部分がQ/4で形成されている。このた
め、この透明電極のオン・オフの切替により、Q/4の
遮光部の移動が可能になる。これら透明電極10a1
(10a2)、10c1(10c2)部分が液晶シャッ
タを構成する。
【0032】(具体的構成の説明)図15は眼鏡無し立
体映像表示装置の構成を示すブロック図である。このブ
ロック図は、この発明をカラー表示に適応させたもので
ある。
【0033】観察者2の位置を検出するセンサ101か
らの出力は位置検出制御回路102に与えられ、この位
置検出制御回路102は、センサ101の出力に基づい
て観察者2の頭の位置がどこにあるかを検知し、その位
置に対応した制御信号を表示信号生成回路100および
遮光バリア分割制御回路115に与える。
【0034】表示信号生成回路100は左眼用映像信号
および右眼用映像信号を各々生成してこれを液晶表示パ
ネル20に供給する。液晶表示パネル20上には基本的
に一縦ラインおきに右眼画像と左眼画像が表示される。
表示信号生成回路100は、位置検出制御回路102か
らの制御信号に基づいて左眼用映像信号と右眼用映像信
号との供給を切り換える基本動作に加え、当該制御信号
に基づき画面分割数を決定し、各分割画面ごとに左眼用
映像信号と右眼用映像信号との切り替えを制御するよう
になっている。
【0035】表示信号生成回路100の具体的構成を説
明する。第1の入力端子106aには、輝度信号Yと色
差信号Cから成るコンポジット信号である左眼用映像信
号が与えられ、第2の入力端子106bには、輝度信号
Yと色差信号Cから成るコンポジット信号である右眼用
映像信号が与えられる。左眼用映像信号は第1のデコー
ダ107aにて赤,緑,青の原色信号に変換され、右眼
用映像信号は第2のデコーダ107bにて赤,緑,青の
原色信号に変換される。各原色信号は、第1,第2のA
/D変換器108a,108bにてディジタルデータに
変換されてマルチプレクサ109に与えられる。
【0036】マルチプレクサ109は、第1,第2のA
/D変換器108a,108bから入力した二つの赤色
原色データのうち一方を選択する第1スイッチ部109
aと、第1,第2のA/D変換器108a,108bか
ら入力した二つの緑色原色データのうち一方を選択する
第2スイッチ部109bと、第1,第2のA/D変換器
108a,108bから入力した二つの青色原色データ
のうち一方を選択する第3スイッチ部109cとを備え
る。このマルチプレクサ109は、第1スイッチ部10
9aが第2のA/D変換器108bから右眼用の赤色原
色データを選択し、第2スイッチ部109bが第1のA
/D変換器108aから左眼用の緑色原色データを選択
し、第3スイッチ部109cが第2のA/D変換器10
8bから右眼用の青色原色データを選択する第1の選択
状態(実線で示す)と、第1スイッチ部109aが第1
のA/D変換器108aから左眼用の赤色原色データを
選択し、第2スイッチ部109bが第2のA/D変換器
108bから右眼用の緑色原色データを選択し、第3ス
イッチ部109cが第1のA/D変換器108aから左
眼用の青色原色データを選択する第2の選択状態(破線
で示す)とが切り替わる。そして、この第1の選択状態
と第2の選択状態とは、基本的には、液晶表示パネル2
0における1水平走査期間内の第1,第2のデータ出力
期間毎(1ドットクロック毎)に切り換えられる。
【0037】同期信号分離回路111は、第1の入力端
子106aに入力された左眼用信号から、水平・垂直同
期信号を分離し、この同期信号をタイミング信号発生回
路112に与える。タイミング信号発生回路112は、
同期信号に従って第1,第2のデコーダ107a,10
7b、第1,第2のA/D変換器108a,108b、
マルチプレクサ109、及び液晶表示パネル20が動作
するタイミングを制御するタイミング信号を生成する。
【0038】遮光バリア分割制御回路115は、遮光バ
リア10における液晶シャッタ部のオン・オフを制御
し、遮光バリア10の光透過部と遮光部の位置を制御す
る。遮光バリア10は、縦ストライプ状の光透過部と遮
光部とで構成され、この実施形態においては、液晶表示
パネル20と観察者2との間に配置するパララックスバ
リアを採用している。勿論、液晶表示パネル20と平面
状に発光する図示しない光源との間に配置する構成を採
用してもよい。遮光バリア10における遮光部のピッチ
は、用いられる液晶表示パネル20の画素ピッチにより
決定される。そして、遮光バリア10は、遮光部のピッ
チの4分の1だけ光透過部と遮光部を移動可能とすべ
く、その液晶シャッタ部の幅は上述したように、上記ピ
ッチの4分の1とされる。
【0039】位置検出制御回路102は、観察者2の頭
の位置が液晶表示パネル20の正視領域に位置するとき
には、第1の制御信号をタイミング発生回路112及び
遮光バリア分割制御回路115に出力し、観察者2の頭
の位置が液晶表示パネル20の逆視領域(右眼が左眼映
像を、左眼が右眼映像を各々見る状態)に位置するとき
には、第2の制御信号をタイミング発生回路112及び
遮光バリア分割制御回路115に出力し、観察者2の頭
位置が略E/4から3E/4の領域(モアレ領域)にあ
るときには、第3の制御信号をタイミング発生回路11
2及び遮光バリア分割制御回路115に出力する。
【0040】更に、位置検出制御回路102は、観察者
2の頭の位置が適視範囲から所定距離以上前後に外れた
ときには、第4の制御信号をタイミング発生回路112
及び遮光バリア分割制御回路115に出力する。第4の
制御信号は、観察者2の頭の位置が適視範囲から前方向
に外れたのか、後ろ方向に外れたのか、さらに、その外
れの程度(適視範囲からの距離)によって相違する。す
なわち、この相違により、領域分割数、各領域における
遮光部の1/4ピッチ移動の有無、および各領域におけ
る右眼画像と左眼画像の表示順序切り換えの有無が、所
定の組み合わで選択される。これについては、後で詳述
する。
【0041】観察者2が正視領域に位置し、第1の制御
信号がタイミング発生回路112に与えられると、この
タイミング発生回路112は、液晶表示パネル20上に
おいて、正視領域用の絵素並びが形成されるように、マ
ルチプレクサ109における第1の選択状態と第2の選
択状態を切り換えていく。すなわち、液晶表示パネル2
0上には、第1赤色用画素(右眼画像)→第1緑色用画
素(左眼画像)→第1青色用画素(右眼画像)→第2赤
色用画素(左眼画像)→第2緑色用画素(右眼画像)→
第2青色用画素(左眼画像)→第3赤色用画素(右眼画
像)…のごとく、画像が表示されることになる。そし
て、第1の制御信号が遮光バリア分割制御回路115に
与えられると、この遮光バリア分割制御回路115は、
正視領域用の光透過部と遮光部の位置を遮光バリア10
上に形成させるように、この遮光バリア10に液晶シャ
ッタオンオフ制御信号を与える。
【0042】一方、観察者2が逆視領域に位置し、第2
の制御信号がタイミング発生回路112に与えられる
と、このタイミング発生回路112は、液晶表示パネル
20上において、逆視領域用の絵素並びが形成されるよ
うに、マルチプレクサ109における第1の選択状態と
第2の選択状態を切り換えていく。すなわち、液晶表示
パネル20上には、第1赤色用画素(左眼画像)→第1
緑色用画素(右眼画像)→第1青色用画素(左眼画像)
→第2赤色用画素(右眼画像)→第2緑色用画素(左眼
画像)→第2青色用画素(右眼画像)→第3赤色用画素
(左眼画像)…のごとく、画像が表示されることにな
る。一方、遮光バリア10上の光透過部と遮光部の位置
は正視領域用と同じに設定される。なお、上述のように
画像表示を変更することを、以下”LR画像切り換え”
と表現することにする。
【0043】観察者2が正視領域を基準に略E/4から
3E/4の領域(モアレ領域)に位置し、第3の制御信
号がタイミング発生回路112に与えられると、前記タ
イミング発生回路112は、液晶表示パネル20上にお
いて、正視用と同一(例えば観察者2が図の右方向に移
動した場合)又は逆視用と同一(例えば観察者2が図の
左方向に移動した場合)の絵素並びが形成されるよう
に、マルチプレクサ109における第1の選択状態と第
2の選択状態を切り換える。そして、第3の制御信号が
遮光バリア分割制御回路115に与えられると、この前
記遮光バリア分割制御回路115は、正視領域用を基準
にして遮光バリア10の遮光部がその1/4ピッチ観察
者2の移動方向と逆方向にシフトするように、この遮光
バリア10に液晶シャッタオンオフ制御信号を与える。
【0044】次に、観察者2が適視範囲から前後に外
れ、第4の制御信号がタイミング発生回路112及び遮
光バリア分割制御回路115に出力される場合について
以下に説明していく。ここで、第4の制御信号が出力さ
れたときには、遮光バリア10は横方向に領域分割され
て各領域ごとにバリア移動の実行・非実行が設定される
ことになる。この設定の制御を遮光バリア分割制御回路
115が行う。また、上記領域に対応して液晶表示パネ
ル20も領域分割され、各領域ごとにLR画像切り換え
の実行・非実行が設定される。この設定の制御をタイミ
ング発生回路112が行う。LR画像切り換えの実行・
非実行およびバリア移動の実行・非実行の組み合わせ
(制御)は、後述の表2乃至表3に従って行われる。
【0045】上記した構造の立体映像表示装置を基本と
して、観察者が適視位置から前後方向に大きく離れた場
合でも、その位置において観察者に立体視を行わせるこ
とができる眼鏡無し立体映像表示装置をこの発明者等は
特願2000−289150号で提案している。以下、
その装置につきまず説明する。
【0046】[液晶表示パネルを2分割構成とする場
合] (観察者2の頭の位置が適視範囲から後方に外れた場
合)図16は、遮光手段付きディスプレイ1aのH1領
域ではバリア移動は行わず、H2領域においてバリア移
動を行い、両領域ともにLR画像切り換えは行っていな
い状態を示している。この状態では、H1領域からR1
を通過した右眼画像が見える範囲は図中左の太枠四角形
内であり、H2領域からR1’を通過した右眼画像が見
える範囲は図中左の太点線四角形内である。従って、H
1領域およびH2領域から同時に右眼画像が見える範囲
は図中の斜線範囲となる。また、H1領域からL1を通
過した左眼画像が見える範囲は図中右の太枠四角形内で
あり、H2領域からL1’を通過した左眼画像が見える
範囲は図中右の太点線四角形内である。従って、H1領
域およびH2領域から同時に左眼画像が見える範囲は図
中の格子模様範囲となる。
【0047】図17は、H1領域およびH2領域から同
時に右眼画像が見える範囲を太線多角形(白抜き)で示
している。図においてを付記した範囲は、上記図16
の場合と同様、H1領域はバリア移動無し、H2領域は
バリア移動有り、両領域ともLR画像切り換え無しの場
合に対応している。
【0048】の範囲は、H1領域はバリア移動有り、
H2領域はバリア移動無し、H2領域のみLR画像切り
換え有りの場合である。このの範囲では、H1領域か
らR1’を通過した右眼画像が見える範囲と、H2領域
からL1を通過した右眼画像が見える範囲とが重なる。
【0049】の範囲は、H1領域はバリア移動無し、
H2領域はバリア移動有り、両領域ともLR画像切り換
え有りの場合である。このの範囲では、H1領域から
L1を通過した右眼画像が見える範囲と、H2領域から
L1’を通過した右眼画像が見える範囲とが重なる。
【0050】の範囲は、H1領域はバリア移動有り、
H2領域はバリア移動無し、H1領域のみLR画像切り
換え有りの場合である。このの範囲では、H1領域か
らL1’を通過した右眼画像が見える範囲と、H2領域
からR2を通過した右眼画像が見える範囲とが重なる。
【0051】液晶表示パネルを2領域(H1,H2)に
分割し、観察者2の頭の位置が適視範囲から後方に外れ
た場合の各領域(H1,H2)のLR画像切り換え有無
及び各領域(H1,H2)のバリア移動有無の組み合わ
せは、上記した4種類(〜)となる。から(1
3)の範囲における各領域(H1,H2)のLR画像切
り換え有無及び各領域(H1,H2)のバリア移動有無
の組み合わせを、下記の表2に示す。なお、表2の制御
により、観察者2の右眼には確実に右眼画像が供給さ
れ、左眼にはほぼ左眼画像が入る。
【0052】
【表2】
【0053】適視範囲から後方に離れるに従って右眼画
像が見える領域と左眼画像が見える領域が離れる傾向が
あるが、ほぼ眼間距離近辺であるので、かなりの範囲で
立体視が可能である。眼間距離よりもずれてしまう場合
には、観察者2のきき眼を優先して制御するのがよい。
すなわち、観察者2のきき眼が右眼であるなら、図17
のどの範囲(〜(13))に右眼が存在するかによっ
て、上述した制御を行えば、観察者2の右眼には確実に
右眼画像が供給され、左眼にはほぼ左眼画像が供給され
ることになる。
【0054】[液晶表示パネルを2分割構成とする場
合] (観察者2の頭の位置が適視範囲から前方に外れた場
合)図18は、遮光バリア付き液晶ディスプレイ1aの
H1領域においては、バリア移動を行い、H2領域にお
いてバリア移動は行わず、両領域ともにLR画像切り換
えは行っていない状態を示している。この状態では、例
えば、H1領域からR1’を通過した右眼画像が見える
範囲は図中左の太枠四角形内であり、H2領域からR1
を通過した右眼画像が見える範囲は図中左の太点線四角
形内である。従って、H1領域およびH2領域から同時
に右眼画像が見える範囲は図中の斜線範囲となる。ま
た、H1領域からL1’を通過した左眼画像が見える範
囲は図中右の太枠四角形内であり、H2領域からL1を
通過した左眼画像が見える範囲は図中右の太点線四角形
内である。従って、H1領域およびH2領域から同時に
左眼画像が見える範囲は図中の格子模様範囲となる。
【0055】図19は、H1領域およびH2領域から同
時に右眼画像が見える範囲を多角形(白抜き)で示して
いる。図においてを付記した範囲は、上記図17の場
合と同様、H1領域はバリア移動有り、H2領域はバリ
ア移動無し、両領域ともLR画像切り換え無しの場合で
ある。
【0056】の範囲は、H1領域はバリア移動無し、
H2領域はバリア移動有り、H1領域のみLR画像切り
換え有りの場合である。このの範囲では、H1領域か
らL1を通過した右眼画像が見える範囲と、H2領域か
らR1’を通過した右眼画像が見える範囲とが重なる。
【0057】の範囲は、H1領域はバリア移動有り、
H2領域はバリア移動無し、両領域ともLR画像切り換
え有りの場合である。このの範囲では、H1領域から
L1’を通過した右眼画像が見える範囲と、H2領域か
らL1を通過した右眼画像が見える範囲とが重なる。
【0058】の範囲は、H1領域はバリア移動無し、
H2領域はバリア移動有り、H2領域のみLR画像切り
換え有りの場合である。このの範囲では、H1領域か
らR2を通過した右眼画像が見える範囲と、H2領域か
らL1’を通過した右眼画像が見える範囲とが重なる。
【0059】液晶表示パネルを2領域(H1,H2)に
分割し、観察者2の頭の位置が適視範囲から前方に外れ
た場合の各領域(H1,H2)のLR画像切り換え有無
及び各領域(H1,H2)のバリア移動有無の組み合わ
せは、上記した4種類(〜)となる。から(1
3)の範囲における各領域(H1,H2)のLR画像切
り換え有無及び各領域(H1,H2)のバリア移動有無
の組み合わせを、下記の表2に示す。なお、表3の制御
により、観察者2の右眼には確実に右眼画像が供給さ
れ、左眼にはほぼ左眼画像が入る。
【0060】
【表3】
【0061】適視範囲から前方に離れるに従って右眼画
像が見える領域と左眼画像が見える領域が近づく傾向が
あるが、ほぼ眼間距離近辺であるので、かなりの範囲で
立体視が可能である。眼間距離よりもずれてしまう場合
には、観察者2のきき眼を優先して制御するのがよい。
すなわち、観察者2のきき眼が右眼であるなら、図19
のどの範囲(〜(13))に右眼が存在するかによっ
て、上述した制御を行えば、観察者2の右眼には確実に
右眼画像が供給され、左眼にはほぼ左眼画像が供給され
ることになる。
【0062】図20は、図17におけるH1領域および
H2領域から同時に右眼画像が見える範囲と、図19に
おけるH1領域およびH2領域から同時に右眼画像が見
える範囲とを合わせた範囲を灰色で示している。また、
この図において、太線領域内は通常(領域分割無し)の
画像供給可能範囲を示している。この太線領域内の画像
供給可能範囲内に観察者2が存在する場合には、通常の
制御(領域分割無しの制御)を行い、ここからはみ出た
ときに、上述した領域分割有りの制御を行うことにな
る。なお、図21に示すP1領域に観察者2が存在する
場合には、通常の制御(領域分割無しの制御)を行い、
ここからはみ出たときに、上述した領域分割有りの制御
を行うようにしてもよい。
【0063】さらに、液晶パネルの分割数を、3分割、
4分割と、その分割数を多くするにつれて、後側又は前
側の横に並んだ四角形領域において立体視可能範囲を広
げることができる。なお、適視範囲から離れるに従って
四角形領域のピッチが後方で拡大、前方で縮小する傾向
があるが、ほぼ眼間距離近辺であるので、かなりの範囲
で立体視が可能である。眼間距離よりもずれてしまう場
合には、観察者2のきき眼を優先して制御するのがよ
い。
【0064】次に、液晶表示パネルを5分割にした場合
の立体視可能範囲の関係につき説明する。図22は液晶
表示パネルを5分割にした場合の中央の表示部13から
映像の立体視範囲を示す説明図である。5分割した液晶
パネル1aは、左から11,12,13,14,15とす
る。中央部の液晶表示部13からの映像は、最適観察距
離で、それぞれの領域幅Wの間隔で、4つの領域(AB
CD)が繰り返し存在することになる。そして、この領
域によって上記した表1に示すように、バリア移動と液
晶表示パネル13に表示する右眼画像と左眼画像の切り
替えを制御する。
【0065】ここで、Cで示す領域は、正視の位置状態
であり、B及びDで示す領域はモアレを観察する状態で
あり、Aの状態は、逆視の状態である。それぞれの領域
で、表1に示すように制御し、立体視可能範囲を広げ
る。
【0066】図23は液晶表示パネルを5分割にした場
合の右端の表示部15から映像の立体視範囲を示す説明
図である。この右端の表示部15から映像も領域幅Wの
間隔で、4つの領域(ABCD)が繰り返し存在するこ
とになる。そして、図22,図23において、ABCD
でそれぞれ区切られた範囲の領域には、それぞれABC
Dに対応する映像が送られることになるので、最適観察
距離の前後もそれぞれ対応する映像を見ることになる。
【0067】図24に、液晶表示パネルを5分割にした
場合の中央部の表示部13から映像と、右端の表示部15
から映像の立体視範囲を示す。この図24から分かるよ
うに、最適観察距離位置では、すべての表示部11から
5の立体視領域はそれぞれ表1に示すように制御した
状態で重なる。
【0068】図25に示すように、観察者が前方に移動
し、図のXに示す位置にいるとすると、中央部の表示部
3から映像は表1で示すAの状態が与えられ、これと
同じ左右の条件では、液晶表示パネル1aの右端の表示
部15から映像はBが与えられる。
【0069】この発明は、上記したように、観察者の前
後方向のヘッドトラッキング結果に基づき、分割した液
晶パネルの各領域の状態を決定する処理を簡単に行うも
のである。
【0070】上記した図9に示すように、2つのセンサ
101により、観察者の頭の前後の位置を検出する。図
25と同じ位置に観察者の頭が移動した状態の処理につ
き説明する。図26に示すように、2つのセンサ101
を用いて三角法等の手法を用いて観察者の位置座標を算
出する。
【0071】観察者の頭を検出した位置座標をXとす
る。そして、図27に示すように、液晶表示パネルを5
分割にした場合の中央部の表示部13からの映像におい
て、検出した位置Xから表示部に対して最適観察距離位
置に頭位置を投影する処理を行う。投影した位置をY3
とする。また、図28に示すように、液晶表示パネルを
5分割にした場合の右端の表示部13からの映像におい
て、検出した位置Xから表示部に対して最適観察距離位
置に頭位置を投影する処理を行う。投影した位置をY5
とする。このように各表示部に対して、最適観察距離位
置に頭位置を投影させる。
【0072】上記図24に示すように、全ての表示部か
らの立体視領域は、最適観察距離位置で同じ領域番号同
士が重なる。そこで、投影した位置をそれぞれ検出し、
その投影した位置に相当する領域に従って、表1に示す
制御を行えば前後に位置した頭位置で最適な制御が行
え、立体視が行えことになる。
【0073】次に、上記した投影手法及び、立体視領域
の制御方法につき説明する。図29に示すように、2つ
のセンサ101を用いて三角法等の手法を用いて観察者
の位置座標を算出する。このときの基準点は、適視距離
Dでの正視領域にあたるCの領域の中央部分と液晶パネ
ル1aの表面の交点とする。
【0074】算出した位置座標を(a,b)とし、投影
座標(a0,b0)とすると、投影座標は次式で求ま
る。
【0075】b0=D a0=a+(a−x0)/b×(D−b) ここで、Dは適視距離、x0は液晶パネル1aの分割し
た領域の中心座標である。
【0076】そして、前述したように、領域ABCDが
繰り返し現れるので、Aの領域をはじめとして領域を求
める。上記したように、Cの領域の中央部分と液晶パネ
ル1aの表面の交点を基準としているので、図30に示
すように、aの領域から換算するように、算出したa0
を以下のように換算する。
【0077】H=2.5W+a0
【0078】算出したHに基づき下記式によりどの領域
にするかを決定するための値Sを算出する。
【0079】S=H/W ここで、Wは最適観察距離での領域幅である。
【0080】そして、Sを4で割り、商を整数まで求
め、その剰余を算出する。その剰余に基づきどの領域で
あるかを決定する。即ち、図30に示すように、剰余が
1未満の場合にはAの領域、1以上2未満の場合には
B、2以上3未満の場合はC、3以上4未満の場合はD
と判断することで、投影した領域がどの領域になるかが
分かる。
【0081】なお、Sが負の数の場合は剰余が正の数と
なるように算出する。例えば、Sが−0.6の場合は商
が−1で剰余が3.4となる。
【0082】図31に、上記したこの発明の処理方法の
動作フローを示す。まず、センサ101を用いて三角法
による位置座標を算出する。処理回数iをリセットする
(ステップS1)。
【0083】そして、ステップS2でi=i+1の演算
を行い、ステップS3へ進む。ステップS3において、
例えば、1番左端の表示部について、上記した投影処理
を行った後、(ステップS3)、上記した状態決定処理
を行う(ステップS4)。続いて、ステップS5にて、
処理回数iが表示分割数より多いか否か判断され、表示
分割数が越えていないとステップS2に戻り、隣の表示
部の処理を同様にして行う。このようにして次の処理回
数が表示分割数を越えるまで、投影処理、状態決定処理
の動作を繰り返すことで、液晶表示パネルの分割した全
ての表示部での領域決定が行える。
【0084】このような処理を行うことで、状態決定処
理は、いずれの表示部においても共通に使用でき、且つ
引数が座標値のみの簡単な関数で表すことができる。
又、投影処理自体も非常に簡単な関数であるため、全体
の処理時間も短くできる。
【0085】なお、上記の例では、5分割の場合の状態
決定処理について説明したが、分割数は5分割に限られ
るものではなく、5分割以下でも5分割以上でも適用で
きることはいうまでもない。
【0086】なお、上記の説明では立体視(3次元映像
の供給)のみを行うことについて説明したが、上記分割
した領域のうちいずれかの領域だけバリアOFF(全体
透過、この場合、遮光部を全て液晶シャッタで構成す
る)とし、この領域に対応する液晶表示パネルの領域に
通常の2次元映像を表示することにより、部分的な2次
元映像表示が可能になる。勿論、全領域において2次元
映像表示を行うことも可能である。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、前記
遮光手段を横方向に領域分割し、観察者の頭位置に応じ
て各領域ごとに遮光部の位置の移動制御を行うので、観
察者が適視位置から前後方向に離れた場合でも、その位
置において観察者に立体視を行わせることができる。ま
た、前記遮光手段の領域分割に対応させて前記画像表示
手段の表示部も領域分割し、観察者の頭位置に応じて各
領域ごとにストライプ状の左眼画像および右眼画像の表
示順序を制御する場合には、観察者に立体視を行わせる
範囲の抜けを無くすことができる。領域分割数を増やせ
ば、観察者が適視位置からかなり前後方向に離れた場合
でも、その位置において観察者に立体視を行わせること
ができる。そして、この発明では、観察者の前後方向の
ヘッドトラッキング結果に基づき、分割した液晶パネル
の各領域の状態を決定する処理を行っているので、各領
域には最適な映像が表示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示パネルからの最適観察位置および観察
者の眼間距離を示す説明図である。
【図2】最適観察位置に観察者が位置している状態の説
明図である。
【図3】液晶表示パネルの画面全面からR2領域を通過
する光の進路および画面全面からの右眼画像の到達が可
能となる四角形領域を示す説明図である。
【図4】液晶表示パネルの画面全面より完全に右眼画像
または左眼画像が見える範囲を示す説明図である。
【図5】最適観察位置から観察者がすこし離れているも
のの、立体画像を認識している状態を示す説明図であ
る。
【図6】遮光部を1/4ピッチ移動した場合の右眼画像
または左眼画像が見える範囲を示す説明図である。
【図7】バリアや遮光板におけるバリア移動と液晶表示
パネルに表示する右眼画像と左眼画像の切換との制御と
立体視の領域との関係を示す説明図である。
【図8】最適観察位置から観察者が離れたために、立体
画像を認識することができない状態を示す説明図であ
る。
【図9】図8の状態において観察者の右眼に観察される
画像の説明図である。
【図10】この発明の実施形態の眼鏡無し立体映像表示
装置および観察者を示した斜視図である。
【図11】遮光手段付きディスプレイを3領域に分割し
て観察者の位置に応じて最適制御を行った場合の、画面
全体から完全な右眼画像の見える範囲を示した説明図で
ある。
【図12】遮光手段付きディスプレイを3領域に分割し
て観察者の位置に応じて最適制御を行った場合の、画面
全体から完全な左眼画像の見える範囲を示した説明図で
ある。
【図13】この発明の立体映像表示装置の構成を示す模
式的断面図である。
【図14】この発明にも散られる遮光バリアの一例を示
す断面図である。
【図15】この実施形態の眼鏡無し立体映像表示装置の
構成を示すブロック図である。
【図16】遮光手段付きディスプレイを二つの領域に分
割して観察者が適視位置から後方に移動したときに最適
制御を行った場合の、画面全体から完全な右眼画像およ
び左眼画像の見える範囲を示した説明図である。
【図17】図16において、二つの領域から同時に右眼
画像が見える範囲を太線多角形内(白抜き)で示した説
明図である。
【図18】遮光手段付きディスプレイを二つ領域に分割
して観察者が適視位置から前方に移動したときに最適制
御を行った場合の、画面全体から完全な右眼画像および
左眼画像の見える範囲を示した説明図である。
【図19】図18において、二つの領域から同時に右眼
画像が見える範囲を太線多角形内(白抜き)で示した説
明図である。
【図20】図18における右眼画像が見える範囲と、図
19における右眼画像が見える範囲とを合わせた範囲を
灰色で示した説明図である。
【図21】図18において、通常制御(非分割制御)が
行われる範囲として例えばP1を示した説明図である。
【図22】液晶表示パネルを5分割にした場合の中央の
表示部から映像の立体視範囲を示す説明図である。
【図23】液晶表示パネルを5分割にした場合の右端の
表示部から映像の立体視範囲を示す説明図である。
【図24】液晶表示パネルを5分割にした場合の中央部
の表示部から映像と、右端の表示部から映像の立体視範
囲を示す説明図である。
【図25】観察者が前方に移動した場合の液晶表示パネ
ルを5分割にした中央部の表示部から映像と、右端の表
示部から映像の立体視範囲を示す説明図である。
【図26】2つのセンサを用いて三角法等の手法を用い
て観察者の位置座標を算出する状態を示す説明図であ
る。
【図27】液晶表示パネルを5分割にした場合の中央部
の表示部からの映像において、検出した位置Xから表示
部に対して最適観察距離位置に頭位置を投影する状態を
示す説明図である。
【図28】液晶表示パネルを5分割にした場合の右端の
表示部からの映像において、検出した位置Xから表示部
に対して最適観察距離位置に頭位置を投影する状態を示
す説明図である。
【図29】2つのセンサを用いて三角法等の手法を用い
て観察者の位置座標を算出する方法を示す説明図であ
る。
【図30】算出した位置座標から領域を決定する方法を
示す説明図である。
【図31】この発明の処理動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 眼鏡無し立体映像表示装置 1a 遮光手段付きディスプレイ 2 観察者 10 遮光バリア 20 液晶ディスプレイ 100 表示信号生成回路 101 センサ 102 位置検出制御回路 112 タイミング信号発生回路 115 遮光バリア分割制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H059 AA33 2H088 EA05 MA20 5C061 AA06 AA08 AA25 AB12 AB18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストライプ状の左眼画像および右眼画像
    を交互に表示する画像表示手段と、両眼視差効果を生じ
    させる遮光部の位置が移動できるように構成された遮光
    手段と、観察者の頭の位置を検出するセンサと、を備
    え、前記遮光手段を横方向に領域分割し、観察者の頭位
    置に応じて各領域ごとに遮光部の位置の移動制御を行う
    領域分割移動制御手段を備えた立体表示装置において、
    前記センサにおいて検出した頭の位置を観察者の最適観
    察距離の位置に投影する投影手段と、この投影手段に基
    づいて分割移動制御手段及び前記画像表示手段で表示さ
    せる左眼画像および右眼画像の切替を制御する領域状態
    決定手段と、を備えたことを特徴とする眼鏡無し立体映
    像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記遮光手段は遮光部の位置を遮光部ピ
    ッチの1/4ピッチで移動するように構成されたことを
    特徴とする請求項1に記載の眼鏡無し立体映像表示装
    置。
  3. 【請求項3】 前記遮光手段の領域分割に対応させて前
    記画像表示手段の表示部も領域分割し、観察者の頭位置
    に応じて各領域ごとにストライプ状の左眼画像および右
    眼画像の表示順序を制御する表示制御手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼鏡無し立
    体映像表示装置。
JP2001108910A 2001-04-06 2001-04-06 眼鏡無し立体映像表示装置 Pending JP2002305759A (ja)

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