JP2002300609A - 立体撮像装置 - Google Patents

立体撮像装置

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JP2002300609A
JP2002300609A JP2001104042A JP2001104042A JP2002300609A JP 2002300609 A JP2002300609 A JP 2002300609A JP 2001104042 A JP2001104042 A JP 2001104042A JP 2001104042 A JP2001104042 A JP 2001104042A JP 2002300609 A JP2002300609 A JP 2002300609A
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image
lens
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lens group
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JP2001104042A
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Fumio Okano
文男 岡野
Atsushi Arai
淳 洗井
Mitsuo Yamada
光穂 山田
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生像のぼけや、また、奥行き歪みを生じる
ことない立体撮像装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 立体撮像装置10は、被写体1から離間
して配置され負の縦倍率を有し、かつその縦倍率と横倍
率の比を1または−1とする奥行き制御光学レンズ系2
と、この奥行き制御光学レンズ系から離間して配置さ
れ、一平面上にレンズを複数配列してなる要素画像生成
レンズ群3と、この要素画像生成レンズ群が生成する前
記被写体の要素画像全体を撮像する位置に配置される撮
像手段4と、を備える構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ群を利用し
た立体テレビジョン、いわゆるintegral photography
(IP)立体方式の立体撮像装置に係り、特に、光学系
の構成に特徴を備える立体撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、任意の視点から自由に立体画像
を見ることが可能な立体テレビジョン方式の一つとし
て、平面上に配列された凸レンズ群或いはピンホール群
を利用したIP(integral photography)立体方式の立
体撮像装置が知られている。このIP立体方式の立体撮
像装置について、凸レンズ群を用いた構成を示す図8〜
図12を参照して説明する。
【0003】図8は従来のIPにおける被写体の要素画
像の撮影を模式的に説明した模式図、図9は従来のIP
における被写体の要素画像に基づいた立体画像の再生を
模式的に説明した模式図、図10は撮像した被写体の状
態を示す模式図、図11(a)は被写体を撮像する状態
を示す模式図、(b)は撮像した被写体を再生する状態
を示す模式図、図12は従来の立体撮像装置の構成を示
す模式図、図13(a)、(b)、(c)はレンズの縦
倍率を説明するための模式図である。
【0004】図8および図9に示すように、従来のIP
立体方式では、一例として、被写体101の再生像を生
成する場合は、はじめに、撮像装置を用い被写体101
を写真フィルム103に撮像し、つぎに、現像した写真
フィルム104を用いて立体再生像104を生成してい
る。
【0005】図8に示すように、前記撮像装置は、同一
平面上に配列された複数の凸レンズ(以下、各凸レンズ
を要素レンズという)1021,1022…102nから
なるレンズ群102と、このレンズ群102の後方に配
置された写真フィルム103とから構成されている。
【0006】そして、この撮像装置は、レンズ群102
の前方に配置した被写体101を、各凸レンズ10
1,1022…102nを介して結像する被写体101
の光学結像1031,1032…103nを写真フィルム
103に撮像している。さらに、図9に示すように、撮
像、現像した写真フィルム104をレンズ群102に対
して撮像したときと同じ配置に設定し、その状態でレン
ズ群102の前方から観察者106が写真フィルム10
4上の像を観察すると、立体再生像105が見えるよう
に構成されている。
【0007】なお、実際には図9の状態で観察者106
が立体再生像105を見たときには、奥行きが反転する
虚立体像となるため、各要素画像1041,1042…1
04 nは、図10に示すように、その中心を線対称の中
心(×で示す)として、別途手段により点対称の位置に
変換することで、奥行きの正しい立体像を得ている(例
えば、特開平10−150675号公報)。
【0008】従来のIP方式による立体撮像装置は、レ
ンズ群(レンズ板)より被写体が離れるほど、要素レン
ズが生成する要素画像が、レンズの回折の影響や、ま
た、解像度の影響を受けることが原因となり、再生像が
ぼける性質を持っている。そのため、従来のIP方式に
よる立体撮像装置は、この再生像のぼけを矯正すること
ができなかった。なお、再生像がぼける性質をもつこと
については、「OpticalEngineering Vol.38 No.6 June
1999 pp1072-1077」などに記載されている
【0009】また、図11(a)、(b)に示すよう
に、被写体111を、ファイバレンズ群112を介して
フィルム113等に撮像し、その撮像して現像したフィ
ルム114等により再生する場合、再生像115の位置
は、原理的に、被写体111の位置と同じである。その
ため、再生像115は、観察者116から見てレンズ板
(レンズ群)110の背後にしか位置せず、そのレンズ
板110の前(観察者側)に位置することはできなかっ
た。この立体撮像装置は、技術的な要求として、再生像
115をレンズ板110の前に位置させることが望まれ
ているが、原理的には前記構成では、その要求に応える
ことはできなかった。そこで、再生像115の位置に対
する改善と、さらに、前記した再生像のぼけを解消する
ため、従来、奥行き制御レンズを備える装置の構成が提
案されている。
【0010】この奥行き制御レンズを備える立体撮像装
置は、図12に示すように、奥行き制御レンズ122
と、光ファイバ群(レンズ群)123と、集光レンズ1
24とを介して被写体121の倒立像121aを作り出
し、その倒立像121aをテレビジョンカメラなどの撮
像手段125により撮像する構成としている。そして、
撮像した倒立像121aは、LCD126からレンズ群
127を介して再生することで、観察者129が、正立
像として、そのレンズ群127の前(レンズ群127と
観察者129側の間)に、かつ、ぼけのない状態で生成
されて、観察できるものとして構成した(詳細は「Opti
cal Engineering Vol.38 No.6 June 1999pp1072-1077」
参照)。なお、前記構成の立体撮像装置は、奥行き制御
レンズ122と、光ファイバ群123との位置関係によ
って、奥行き制御レンズによる光学像の生成位置を制御
している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
立体撮像装置では、以下に示すような問題点が存在して
いた。すなわち、立体撮像装置は、奥行き制御レンズを
用いることで、レンズ群の前(レンズ群と観察者側の
間)に、かつ、ぼけのない状態で、被写体の再生像を再
生するようにしているが、奥行き制御レンズを使用する
構成上、被写体と、その奥行き制御レンズと、生成され
る光学像との位置関係において、奥行き歪みに対する改
善については考慮されておらず解消することができなか
った。
【0012】図13に示すように、光学像の縦倍率が光
学像の位置(被写体の位置)に応じて変化することを意
味しており、被写体Yaから奥行き制御レンズまでの距
離aと、奥行き制御レンズから光学像Ybまでの距離b
との関係を示す(−1/a)+(1/b)=1/fの式
から導かれる縦倍率Mz=Δb/Δa=f2/(a+
f)2および横倍率ML=(Yb/Ya)+(b/a)=
f/(a+f)からつぎのようなことが分かる。すなわ
ち、奥行き歪みは、(│Mz/ML│)>1の場合ある
いは(│Mz/ML│)<1の場合に、被写体が奥行き
方向に歪むことを示している。
【0013】したがって、被写体に対する従来の立体撮
像装置は、前記構成の奥行き制御レンズを使用している
以上、この奥行き歪みを制御することは困難であった。
なお、縦倍率とは、被写体に対する光学像の奥行き方向
の倍率であり、縦倍率が負であることは、被写体に対し
て光学像の奥行きが反転していることを意味する。
【0014】本発明は前記した従来の技術が有する問題
点を解決するために創案されたものであり、再生像のぼ
けや、また、奥行き歪みを生じることない立体撮像装置
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる立体撮像
装置は、前記課題を解決するため、つぎのように構成し
た。すなわち、立体撮像装置は、被写体から離間して配
置され負の縦倍率を有し、かつその縦倍率と横倍率の比
を1または−1とする奥行き制御光学レンズ系と、この
奥行き制御光学レンズ系から離間して配置され、一平面
上にレンズを複数配列してなる要素画像生成レンズ群
と、この要素画像生成レンズ群が生成する前記被写体の
要素画像全体を撮像する位置に配置される撮像手段と、
を備える構成とした。
【0016】このように構成されることにより、立体撮
像装置は、−1の縦倍率を有する奥行き制御光学レンズ
系、および要素画像生成レンズ群を介して被写体を撮像
するため、入射光線の角度と、出射光線の角度が、符号
が逆で絶対値が等しくなり、奥行き歪みを解消すること
ができる。
【0017】また、前記立体撮像装置において、奥行き
制御光学レンズ系は、光路の半周期における奇数倍の長
さを有し、かつ、周辺部から中心部に向かって屈折率が
大きくなる屈折率特性を有する光ファイバを、平面上に
複数配置して構成した。
【0018】このように構成されることにより、被写体
から各光ファイバに入射されて射出する出射光は、その
光ファイバの長さが、光路の半周期における奇数倍であ
ることから、被写体から入射端までと同じ距離の位置で
交わる。そのため、その位置に縦倍率を−1とし、横倍
率を1とする光学像を生成し、奥行きが反転して奥行き
歪を生じてない光学像の状態で生成できる。つまり、光
ファイバは、奥行き制御光学レンズ系として作用し、こ
の奥行き制御光学レンズ系は、平面上に配置した状態で
構成することが可能となる。この光ファイバによる奥行
き制御光学レンズ系の構成において長さ寸法を小さなも
ので、奥行き歪みに対して有効に対応することができ
る。
【0019】そして、前記立体撮像装置において、奥行
き制御光学レンズ系が、−1の縦倍率であるときの要素
画像を生成するための要素画像生成レンズ群は、前記レ
ンズを凸レンズとすることや、また、光ファイバを平面
上に複数配列し、前記光ファイバが、周辺部から中心部
に向かって屈折率が大きくなる屈折率特性を有し、か
つ、当該光ファイバの光路における1周期の1/4に整
数倍を付加した長さ寸法を備える構成とした。
【0020】このように構成されることにより、奥行き
制御光学レンズ系で、一度奥行きを逆転した光学像を、
凸レンズあるいは光ファイバにより再度奥行きを逆転す
ることができる。
【0021】さらに、前記立体撮像装置において、前記
撮像手段は、前記要素画像生成レンズ群が生成する前記
被写体の要素画像群全体を直接撮像する等倍の面積を備
える撮像素子である構成とした。このように構成される
ことにより、撮像素子を用いることで目的に合ったもの
に対応することが容易となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は立体撮像装置の全体
を示す模式図、図2は屈折率分布レンズである光ファイ
バの構成を示す模式図、図3(a)、(b)は屈折率分
布レンズである光ファイバの光路における光の進み方を
説明する模式図、図4は屈折率分布レンズである光ファ
イバの長さを光路の半周期とした奥行き制御光学レンズ
系により生成した光学像を示す模式図、図5は屈折率分
布レンズである光ファイバにより奥行き制御光学レンズ
系を構成した状態の模式図、図6は要素画像を生成する
要素画像生成レンズ群の各要素レンズを屈折率分布レン
ズである光ファイバとした場合の模式図、図7は再生像
を観察者と再生レンズ群の間に飛び出して表示する状態
を示す模式図である。
【0023】なお、図1ないし図7では、「−1」の縦
倍率を備える奥行き制御光学レンズ系を用いた場合とし
て説明し、同じ構成の部材は、同じ符号を付して説明を
省略する。
【0024】図1に示すように、立体撮像装置10は、
被写体1側に配置された奥行き制御光学レンズ系2と、
被写体1とは反対側でその奥行き制御光学レンズ系2か
ら所定の距離をおいて配置される要素画像生成レンズ群
3と、この要素画像生成レンズ群3に近接して、奥行き
制御光学レンズ系2とは反対側に配置される写真フィル
ムなどの撮像手段4とを備えている。
【0025】図1および図2に示すように、奥行き制御
光学レンズ系2は、一定長さの光ファイバ21,22…2
nが、屈折率分布レンズとして、その入射端面2aが被
写体1に向くように、一平面上に配置され、「−1」の
縦倍率を備える光学レンズ系となるように構成されてい
る。そして、各光ファイバ21は、周辺部から中心部に
向かって屈折率が大きくなる屈折率特性(半径方向に対
して2乗特性であってもよい)を有し、半径rとしたと
き、その半径rにおける屈折率nが、n=n0{1−
(A/2)r2}となる特性を備えている。なお、式中
において、Aは光ファイバの材質によって定まる定数、
0は光ファイバ中心部における屈折率である。
【0026】この光ファイバ21は、図2に示すよう
に、光が入射すると、中心部は屈折率が高いため、光は
周期的に蛇行し、ある特定の点で結像し、レンズ作用を
持つようになる。なお、この原理は、1964年、D.
MARCUSE等によって創案されており、その詳細は
The Bell System Technical Journal.(July, 1964)等に
記載されているため、ここでは省略する。つぎに、前記
原理に基づき、本実施の形態では、光ファイバ21の長
さを、その光ファイバ21中を蛇行する光路の半周期、
あるいは,半周期の奇数倍(2n+1、n=自然数)の
長さとすることで、負の縦倍率を有する奥行き制御光学
レンズ系を構成している。
【0027】図3に示すように、光ファイバ21は、そ
の長さが光路の半周期の奇数倍である場合には、ri
−r′i、r0=−r′0となり、入射光線の角度と、出
力光線の角度において符号が逆で絶対値が等しくなる。
ここに、ri,−r′iは、それぞれ入射側および出射側
における光線の光軸からの距離、そして、r0,−r′0
は、それぞれ入射側、出射側における光線の光軸との角
度である。
【0028】なお、光ファイバ21は、入射端面2aと
出射端面2bにおいて光軸と同じ位置をO2とQ2とし、
また、入射光の上下端となる入射端面2aでの位置をO
1,O3とし、さらに、出射端面2bにおける出射光の上
下端となると位置をQ1,Q 3としている。さらに、図1
および図4に示すように、この光ファイバ21,22…2
nを多数配列して奥行き制御光学レンズ系2とすると、
出射光は、奥行き制御光学レンズ系2の外側に、入射端
面2aから被写体1までの距離d1と同じ距離d1の位置
で交わる。
【0029】図3に示すように、光ファイバ21は、そ
の出射端面2bの中心から出射した光線を考えると、こ
の光ファイバ21の中心から対称に折り返して入射端面
2aと出射端面2bとを重ね合わせた状態のとき、その
点Oが点Qに重なるようになる。
【0030】つまり、距離d1である交点には、被写体
1の光学像5が生成される。これらのことは、図3に示
すように、点Oからの三角形O,O1,O3と、点Q′か
らの三角形Q′,Q1,Q3は、鏡面対称の合同になって
いることからも分かる。なお、各光ファイバ21,22
nの出射端面2bから出る出射光の光束は広がるが、
端面が小さい場合にはその光束の広がりは問題とならな
い。
【0031】したがって、この光ファイバ21を、図4
に示すように、複数配列して奥行き制御光学レンズ系2
を形成することで、奥行き制御光学レンズ系2からの被
写体1との距離d1と、奥行き制御光学レンズ系2と生
成される光学像5との距離d1とが同一となり、奥行き
が反転しているものの奥行き歪を生じることなく光学像
5を生成することができる。なお、図3および図4に示
すように、奥行き制御光学レンズ系2の各光ファイバ2
11,22…2nにより焦点は結ばないが、点Qの集まり
として光学像5を生成することができる。
【0032】このように、奥行き制御光学レンズ系2
は、光ファイバ21,22…2nが、屈折率分布レンズと
して作用することで、負の縦倍率を有する光学レンズ系
を構成できる。そのため、図4に示すように、光学像5
は、その被写体1と奥行き制御光学レンズ系2との距離
1と同じ距離d1だけ離れた位置に、被写体1の凹凸が
反転した状態として生成されることになる。つまり、こ
の光フィバ群2は、「−1」の縦倍率を持つ奥行き制御
光学レンズ系となる。
【0033】なお、ここでは光ファイバ21,22…2n
は、光路の半周期の長さを備える構成として説明した
が、光路の半周期の奇数倍(1,3,5…、)であれば
光学像5が、前記同様に被写体1の凹凸が反転した状態
として生成することができる。
【0034】また、光ファイバ21,22…2nは、屈折
率分布レンズとして作用するときに、nr=n0sech
(√Ar)の屈折率分布をもつ構成のものを使用しても
構わない。ここで式中において、nr=は半径r位置の
屈折率、Aは光ファイバの材質によって定まる定数、n
0は光ファイバ中心部における屈折率である。
【0035】図5に示すように、前記の条件を備える光
ファイバ21,22…2nは、奥行き制御光学レンズ系2
として、図5(a)に示すように、平面上(2次元状)
に配置して正方格子状に構成することや、また、図5
(b)に示すように、俵積状の奥行き制御光学レンズ系
2Aにすることや、あるいは、図5(c)に示すよう
に、中心から徐々に円形になるような奥行き制御光学レ
ンズ系2Bに配置する構成としてもよい。すなわち、奥
行き制御光学レンズ系2(2A、2B)は、被写体1
(図1参照)の光学像(再生時の再生像)を生成できる
ように、その被写体1の全体を、適切に要素画像生成レ
ンズ群3(図1参照)に伝達できる構成であれば、全体
としての形状は特に限定されるものではない。
【0036】一方、図1に示すように、要素画像生成レ
ンズ群3は、レンズ板を構成する要素レンズ31,32
nとして凸レンズを一平面上に複数配列して構成して
いる。なお、単純な凸レンズを用いる場合は、お互いの
入射光および出射光が漏れないように光学遮蔽を行なう
ことが望ましい。
【0037】この要素画像生成レンズ群3は、凸レンズ
を用いることで、奥行き制御レンズ2により一度奥行き
を逆転しておいた光学像を、要素画像を生成する際に凸
レンズにより再度奥行き逆転を生じさせ、結果として、
奥行きが正しい状態の立体像として撮像手段4に生成す
ることができるものである。
【0038】また、図1に示すように、撮像手段4は、
要素画像生成レンズ群3を介して被写体1の光学像が撮
像(撮影)されるものであり、写真フィルム、またはC
CD、CMOSなどの撮像素子、あるいは、テレビジョ
ンカメラなどの手段により構成することができる。この
撮像手段4は、被写体1の要素画像群全体を直接撮像す
る等倍の面積を備えていればよく、映し出される要素画
像が適切に撮像できるものであれば、特に限定されるも
のではない。
【0039】前記説明したように、立体撮像装置10に
より被写体1を撮像手段4に撮像(撮影)する場合は、
次のようになる。すなわち、図1に示すように、奥行き
制御光学レンズ系2は、被写体1を、凹凸が逆転した状
態、つまり奥行きが逆転した状態で光学像5を生成する
状態とする。そのため、要素画像は、その光学像5の手
前に配置される要素画像生成レンズ群3の各要素レンズ
1,22…2nのそれぞれに結像され、この要素画像生
成レンズ群3を介して撮像素子などの撮像手段4に撮像
(撮影)される。このとき、要素レンズ21,22…2n
は、一度奥行きを逆転したものを、再度奥行きを逆転さ
せるため、結果として奥行きが正しい立体像の状態で撮
像手段4に撮像することができる。
【0040】なお、被写体1は、要素画像生成レンズ群
3を介して撮像手段4に撮像されるとき、被写体1から
奥行き制御光学レンズ系2までの距離と、奥行き制御光
学レンズ系2と要素画像生成レンズ群までの距離を適切
に制御することで、奥行き制御光学レンズ系である光フ
ァイバ群3による光学像を、撮像するための要素画像生
成レンズ群3の周辺(前後)に生成することができる。
そして、生成される光学像には、奥行き歪みが生じるこ
とはない。
【0041】したがって、図7に示すように、観察者1
7は、現像した写真フィルム、LCD、LEなどの表示
手段14(テレビジョンカメラ、CCDなどでもよい)
により、要素画像生成レンズ群15を介して被写体1の
再生像16を、全く奥行き歪みが生じていない状態で観
察することが可能となる。なお、レンズ群15は、一度
奥行きが逆転した被写体1の光学像を、再度奥行きを逆
転して再生像16とすることのできる例えば、凸レンズ
の機能(要素レンズ,光ファイバ)を備えるものであれ
ばよい。
【0042】つぎに、他の実施の形態について、図6を
参照して説明する。ここでは、図1に示す要素画像生成
レンズ群3に使用される要素レンズ31,32…3nの代
わりとして、図6に示すように、すでに説明した、周辺
部から中心部に向かって屈折率が大きくなる屈折率特性
を有する光ファイバ131,132…13nである屈折率
分布レンズを、要素画像生成レンズ群13として用いて
立体撮像装置20を構成している。
【0043】なお、図6で用いられる要素レンズとして
の光ファイバ131,132…13nは、その長さ寸法が
光路の1周期の1/4または、光路の1周期の1/4
に、1周期の整数倍の長さを付加した寸法とすることで
も、図1同様に凸レンズと同じ機能を備えることができ
る。
【0044】また、図6に示すように、被写体1に対す
る奥行き制御光学レンズ系2あるいは要素画像生成レン
ズ群13の構成が異なっても、撮像手段4は、図1と同
様の構成のものを用いることができる。
【0045】したがって、図6に示す構成の立体撮像装
置20は、図1で説明したと同様に、被写体1から奥行
き制御光学レンズ系2と同じ距離で、その被写体1とは
反対側に光学像5を、凹凸が逆転した状態で生成するこ
とが可能となる。そのため、光ファイバ131,132
13nからなる要素画像生成レンズ群13を介して被写
体1の要素画像を撮像手段4に撮像することができる。
【0046】なお、奥行き制御光学レンズ系は、−1の
縦倍率で、その縦倍率と横倍率との比を1として説明し
たが、横倍率の絶対値が1でない場合には、光学像が被
写体より大きくなったり、あるいは、小さくなったりす
るが、結果として縦倍率と横倍率との比が1または−1
となる関係であれば構わない。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる立
体撮像装置は、以下に示すような優れた効果を奏するも
のである。立体撮像装置は、IP立体方式による被写体
の撮像時に奥行き制御光学レンズ系および要素画像生成
レンズ群を介して撮像しているため、奥行き歪みを生じ
ることなく、要素画像生成レンズ群の周辺に光学像を生
成することができる。したがって、被写体を撮像して再
生して観察する場合であっても、奥行き歪みを生じるこ
となく、解像度の低下を回避すると共に、要素画像生成
レンズ群から観察者側に飛び出した位置に再生像を得る
ことができる。
【0048】また、立体撮像装置は、奥行き制御光学レ
ンズ系が、負の縦倍率を有する構成であることにより、
その奥行き制御光学レンズ系の構成を簡略化し、かつ、
長さ寸法を小さくすることができる。また、奥行き歪み
に対して有効に対応することができ、奥行き歪みを生じ
ることなく、要素画像生成レンズ群の周辺に光学像を生
成ることができる。
【0049】さらに、立体撮像装置は、所定の光ファイ
バを用いることで、一平面上に構成した光ファイバ群を
奥行き制御光学レンズ系として使用することができ、奥
行き歪みを生じることなく、要素画像生成レンズ群の周
辺に光学像を生成することができる。
【0050】そして、立体撮像装置は、奥行き制御光学
レンズ系が、負の縦倍率である場合に、要素画像生成レ
ンズ群が、凸レンズや、また、所定の光ファイバとする
ことにより、奥行き制御光学レンズ系で、一度奥行きを
逆転した光学像を、凸レンズあるいは光ファイバにより
再度奥行きを逆転することができるため、写真フィル
ム、CCD、CMOSなどの撮像手段に被写体の奥行き
が正しい立体像として撮像することができる。
【0051】さらに、立体撮像装置は、撮像手段として
例えば、CCDなどの撮像素子を用いる構成とすること
で、目的に合ったものに対応することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による立体撮像装置の全体を示す模式図
である。
【図2】本発明にかかる立体撮像装置に用いる屈折率分
布レンズである光ファイバの構成を示す模式図である。
【図3】(a)、(b)は、本発明にかかる立体撮像装
置に用いる屈折率分布レンズである光ファイバの光路に
おける光の進み方を説明する模式図である。
【図4】本発明にかかる立体撮像装置に用いる屈折率分
布レンズである光ファイバの長さを光路の半周期とした
奥行き制御光学レンズ系により生成した光学像を示す模
式図である。
【図5】(a)、(b)、(c)は本発明にかかる立体
撮像装置に用いる屈折率分布レンズである光ファイバに
より奥行き制御光学レンズ系を構成した状態の模式図で
ある。
【図6】本発明による要素画像を生成する要素画像生成
レンズ群の各要素レンズを屈折率分布レンズである光フ
ァイバとした場合の模式図である。
【図7】本発明にかかる立体撮像装置により撮像し再生
像を観察者とレンズ群の間に飛び出して表示する状態を
示す模式図である。
【図8】従来のIPにおける被写体の要素画像の撮影を
模式的に説明した説明図である。
【図9】従来のIPにおける、被写体の要素画像に基づ
いた立体画像の再生を模式的に説明した説明図である。
【図10】従来の撮像した被写体の状態を示す説明図で
ある。
【図11】(a)は従来の被写体を撮像する状態をしめ
す構成図、(b)は従来の撮像した被写体を再生する状
態を示す構成図である。
【図12】従来の立体撮像装置の構成を示す模式図であ
る。
【図13】(a)、(b)、(c)はレンズの縦倍率を
説明するための模式図である。
【符号の説明】
10,20 立体撮像装置 1 被写体 2 奥行き制御光学レンズ系 21,22…2n レンズ群 2a 入射端面 2b 出射端面 3 要素画像生成レンズ群 31,32…3n 光ファイバ 4 撮像手段 5 光学像 13 要素画像生成レンズ群 14 表示手段 15 レンズ群(要素画像再生レンズ) 16 再生像 17 観察者
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 13/04 H04N 13/04 15/00 15/00 (72)発明者 山田 光穂 東京都世田谷区砧1丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 Fターム(参考) 2H059 AB08 5C061 AA06 AA07 AA29 AB02 AB03 AB17 AB24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体から離間して配置され、負の縦倍
    率を有し、かつその縦倍率と横倍率の比を1または−1
    とする奥行き制御光学レンズ系と、この奥行き制御光学
    レンズ系から離間して配置され、平面上にレンズを複数
    配列してなる要素画像生成レンズ群と、この要素画像生
    成レンズ群が生成する前記被写体の要素画像全体を撮像
    する位置に配置される撮像手段と、を備えることを特徴
    とする立体撮像装置。
  2. 【請求項2】前記奥行き制御光学レンズ系は、光路の半
    周期における奇数倍の長さを有し、かつ、周辺部から中
    心部に向かって屈折率が大きくなる屈折率特性を有する
    光ファイバを、平面上に複数配置して構成されることを
    特徴とする請求項1に記載の立体撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記要素画像生成レンズ群は、その各レ
    ンズを凸レンズとしたことを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の立体撮像装置。
  4. 【請求項4】 前記要素画像生成レンズ群は、光ファイ
    バを平面上に複数配列し、前記光ファイバが、周辺部か
    ら中心部に向かって屈折率が大きくなる屈折率特性を有
    し、かつ、当該光ファイバの光路における1周期の1/
    4に整数倍を付加した長さ寸法を備えることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の立体撮像装置。
  5. 【請求項5】 前記撮像手段は、前記要素画像生成レン
    ズ群が生成する前記被写体の要素画像群全体を直接撮像
    する等倍の面積を備える撮像素子であることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の立体
    撮像装置。
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