JP2002299948A

JP2002299948A - パッチアンテナ

Info

Publication number: JP2002299948A
Application number: JP2001100519A
Authority: JP
Inventors: Masaki Shibata; 正樹柴田
Original assignee: NGK Spark Plug Co Ltd
Current assignee: Niterra Co Ltd
Priority date: 2001-03-30
Filing date: 2001-03-30
Publication date: 2002-10-11

Abstract

(57)【要約】【課題】複数の共振周波数帯域に対応することができ
るパッチアンテナを提供する。【解決手段】相互に絶縁され、かつ互いに形態が異な
る複数の放射導体３，４を配設し、その対向面に、接地
導体５と絶縁されてなる一個の給電部１０を設けると共
に、誘電体基板２に貫通して設けた導通孔６，８によ
り、各放射導体３，４と給電部１０とを接続したパッチ
アンテナ１ａ、１ｂを形成するようにしたから、各放射
導体３，４に対応する複数の共振周波数帯域を安定して
効率的に使用することができ得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話、自動車
電話，ノート型パソコン等の移動体通信機に用いられる
パッチアンテナに関する。

【０００２】

【従来の技術】誘電体基板の一面に放射導体を、他面に
接地導体を配設したパッチアンテナは、小型，軽量，薄
肉のため、携帯電話、自動車電話，ノート型パソコン等
の小型な移動体通信機器のアンテナ部材として好適であ
る。

【０００３】ここで矩形パッチアンテナは、誘電体基板
の一面に放射導体を、他面に接地導体を配設し、かつ該
誘電体基板を貫通した導通孔を放射導体に接続し、導通
孔を通じて放射導体に給電してなるものである。この導
通孔は、裏面で接地導体と絶縁間隔を形成して絶縁され
る。而して、この導通孔から給電すると、放射導体から
開放周辺端より電波が放射され、例えば直線偏波として
動作するものが一般的に知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】近年、携帯電話やＰＨ
Ｓ、またはノート型パソコン等に代表される移動体通信
機が急速に普及しており、これに伴って異なる共振周波
数帯域を使用する複数の通信システムが広く展開してき
ている。しかし、これら複数の通信システムには互換性
がないことから、異なる通信システム間で情報のやりと
りをするには、それらの共振周波数帯域に対応して送受
信可能なアンテナが必要となる。ところが、上記従来の
パッチアンテナでは、１種類の共振周波数帯域にしか対
応していないため、使用者は限られた範囲の中でしか情
報交換を行うことができず、移動体通信機器の利便性に
限界があった。本発明はかかる問題点を解決することを
目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、誘電体基板の
一面に放射導体を、その対向面に接地導体を配設したパ
ッチアンテナにおいて、誘電体基板の一面に、相互に絶
縁され、かつ互いに形態が異なる複数の放射導体を設
け、その対向面に、接地導体と絶縁されてなる一個の給
電部を設けると共に、誘電体基板に貫通して設けた導通
孔により、各放射導体と給電部とを接続するようにした
ことを特徴とするパッチアンテナである。

【０００６】かかる構成にあっては、誘電体基板の一面
に配設した複数の放射導体が、互いに異なる形態とする
ことにより、各放射導体が送受信可能な共振周波数帯域
を異ならせることができるから、一つのパッチアンテナ
で複数の共振周波数帯域を使用することが可能となる。
また、各放射導体を導通孔によって一個の給電部と電気
的に接続することにより、該給電部に所定の特性インピ
ーダンスを有する給電線を接続させることで、放射導体
から送受信が行われるようにしている。

【０００７】このようなパッチアンテナは、入力インピ
ーダンスに依存して所定の共振周波数帯域で適切な送受
信がなされるものである。そのため、各放射導体毎に異
なる入力インピーダンスに整合させておき、給電線から
給電部に入力するインピーダンスを調整することによ
り、その入力インピーダンスと整合する放射導体から所
定の共振周波数帯域により送受信がなされることとな
る。なお、該入力インピーダンスと整合していない放射
導体では信号が反射されるため、送受信がなされない。
このように複数の放射導体に対し適切に信号のやりとり
が行い得るから、それぞれの共振周波数帯域に安定して
対応することが可能となる。

【０００８】ここで、上記導通孔を、各放射導体と接続
する分岐孔部と、その分岐孔部と連成された給電共通孔
部とにより構成することも提案される。このように、各
分岐孔部が誘電体基板の内部において接合し、それに連
成した給電共通孔部が、対向面において給電部と接続す
ることになるから、該給電部を小さくでき、接地導体を
広く配することが可能となる。これにより、パッチアン
テナに形成される等価回路が安定し易くなるから、放射
導体から効率的な送受信が行い得るという利点が生じ
る。

【０００９】また、放射導体の形態としては、各放射導
体の面積を異なるようにすることが提案される。同一の
比誘電率を有する誘電体基板に形成された放射導体にお
いては、互いに相似形であっても、面積を異なるように
することにより、各放射導体の面積に比して対応する共
振周波数帯域を異なるようにすることができ得る。そし
て、上述のように各放射導体毎に異なる入力インピーダ
ンスに整合させておくことにより、パッチアンテナは異
なる複数の共振周波数帯域の電波を適切に送受信するこ
とが可能となる。

【００１０】また、放射導体の形態として、各放射導体
の形状を異なるようにすることも提案される。互いに同
じ面積を有する放射導体であっても、異なる形状とする
ことにより、各放射導体で共振する定在波を異ならせる
ことができるため、対応する共振周波数帯域を変えるこ
とができ得る。そして、上記と同様に、各放射導体毎に
異なる入力インピーダンスに整合させておくことによ
り、パッチアンテナは異なる複数の共振周波数帯域の電
波を適切に送受信することができる。

【００１１】さらに、上述のように各放射導体の形態
を、面積及び形状の両方を異ならせることによって、各
放射導体が対応する共振周波数帯域を効果的に変化させ
て、複数の共振周波数帯域に対応できるようにしても良
い。

【００１２】上述のようなパッチアンテナとしては、誘
電体基板に用いられる誘電体材料が有する比誘電率によ
り、共振周波数帯域が変化するから、所望の共振周波数
帯域を使用できるように誘電体材料が選択される。この
ような誘電体基板には、酸化チタン、酸化バリウム、酸
化アルミニウムを主成分とする組成物、または、セラミ
ックス、樹脂等の絶縁材料、さらにはこれらの混合材料
又は複合材料等を用いることができる。そして、誘電損
失が小さく、共振周波数の温度係数の絶対値が小さいこ
と等の優れた特性を有する誘電体材料を使用することに
より、所定の共振周波数帯域に対して、一層安定した送
受信機能を発揮させるパッチアンテナとすることが望ま
しい。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１乃至図３に従って、本発明に
係る矩形状のパッチアンテナ１ａの構成を説明する。こ
のパッチアンテナ１ａは、誘電体基板２の一面に、相互
に絶縁した第一の放射導体３と第二の放射導体４とを形
成し、その対向面に接地導体５を配設している。また、
対向面側には、このパッチアンテナ１ａに給電するため
の給電部１０が、接地導体と電気的に絶縁されるように
配設されている。

【００１４】ここで、第一の放射導体３と第二の放射導
体４とは、互いに異なる面積を有する長方形状を形成
し、相互に電気的に絶縁されるように配されている。こ
のように第一の放射導体３の面積と第二の放射導体４の
面積とに比して、対応する共振周波数帯域を異ならせる
ことができるから、このパッチアンテナ１ａは、それぞ
れの共振周波数帯域に対応するデュアルバンドアンテナ
となる。

【００１５】そして、第一の放射導体３に給電するた
め、誘電体基板２に形成され、該放射導体３と給電部１
０とを連通した導通孔６に、第一の放射導体３と給電部
１０とを電気的に接続する導電体７を挿通している。ま
た、同様に第二の放射導体４に給電するため、誘電体基
板２に形成され、該放射導体４と給電部１０とを連通し
た導通孔８に、第二の放射導体４と給電部１０とを電気
的に接続する導電体９を挿通している。

【００１６】このパッチアンテナ１ａの、第一の放射導
体３に対する導電孔６の位置（導電体７の接続位置）
と、第二の放射導体４に対する導電孔８の位置（導電体
９の接続位置）とを、相互に異なる所定の入力インピー
ダンスに整合させ得る位置に設定し、給電線から給電部
１０を介して伝送される信号のインピーダンスを調整し
て、所要の共振周波数帯域に対応するいずれかの放射導
体により送受信を行うようにしている。

【００１７】これにより、パッチアンテナ１ａの対応す
る各共振周波数を、給電線から給電部１０を介して各放
射導体に伝送される信号の、その中心周波数と一致させ
ることができ、周波数の整合を図ることができるから、
各放射導体３，４での送受波効率を向上することができ
得る。

【００１８】また、上述の第一の放射導体３に対する導
電孔６の位置と、及び第二の放射導体４に対する導電孔
８の位置とを、充分な距離で離すことにより、互いの放
射導体が対応する異なる共振周波数帯域による相互干渉
を起こしにくくして、相互に安定した共振を行い得るよ
うにすることが望ましい。

【００１９】ここで、誘電体基板２はＢａＯ−ＴｉＯ₂
系のように誘電率が３０〜９０の誘電体セラミック材料
で形成される。またパッチアンテナ１ａは、例えば、長
さが異なる縦長と横長からなる平面形からなる矩形状で
あり、第一の放射導体３は長辺Ｌ1、短辺Ｌ2の面積Ｌ1
×Ｌ2の長方形状に形成されている。同様に第二の放射
導体４は長辺Ｌ3、短辺Ｌ4の面積Ｌ3×Ｌ4の長方形状に
形成されている。

【００２０】また、第一の放射導体３には、適切な入力
インピーダンスに整合する位置に導通孔６が設けられ、
導電体７が接続されている。同様に、第二の放射導体４
には、第一の放射導体３の入力インピーダンスと異なる
入力インピーダンスに整合する位置に導通孔８が設けら
れ、導電体９が接続されている。そして、この場合に
は、第一の放射導体３が対応する共振周波数と、第二の
放射導体４が対応する共振周波数とが異なり、而してパ
ッチアンテナ１ａは異なる二種類の共振周波数帯域に対
応できる。

【００２１】一方、本発明にかかる他の実施例として、
パッチアンテナ１ｂを図４乃至図６に従って説明する。
このパッチアンテナ１ｂは、誘電体基板２の一面に、長
方形状の第一の放射導体３と、円形状の第二の放射導体
４とを電気的に絶縁して配設している。また、第一の放
射導体３に給電するための分岐孔部１１と、第二の放射
導体４に給電するための分岐孔部１３とを、誘電体基板
２の内部で接合し、それと連成した給電共通孔部１５
が、対向面に貫通している。そして、第一の放射導体３
と接続し、分岐孔部１１に挿入された導電体１２と、第
二の放射導体４と接続し、分岐孔部１３に挿入された導
電体１４とが接合した共通導電体１６を、給電共通孔部
１５より引き出して給電部１０と接続している。ここ
で、パッチアンテナ１ｂの給電部１０は、上述のパッチ
アンテナ１ａに比して小さくできるので、接地導体５を
広くできるから、より効率的な送受信が行い得るという
利点がある。

【００２２】このようなパッチアンテナ１ｂは、互いに
形状の異なる放射導体３，４により、相互に異なる共振
周波数帯域で対応できるデュアルバンドアンテナとな
る。そして、各放射導体３，４を上述のように、相互に
異なる入力インピーダンスに整合させることにより、給
電部１０から伝送される信号のインピーダンスを調整し
て、所要の共振周波数帯域に対応するいずれかの放射導
体により送受信を行うようにしている。

【００２３】ここで、誘電体基板２は上述のパッチアン
テナ１ａと同様に、ＢａＯ−ＴｉＯ ₂ 系のように誘電率
が３０〜９０の誘電体セラミック材料で形成される。ま
たパッチアンテナ１ｂは、例えば長さが異なる縦長と横
長からなる平面形からなる矩形状であり、第一の放射導
体３は長辺Ｌ1、短辺Ｌ2の長方形状に形成されている。
一方、第二の放射導体４は半径ｒ1の円形状に形成され
ている。

【００２４】また、第一の放射導体３には、適切な入力
インピーダンスに整合する位置に導通孔６が設けられ、
導電体７が接続されている。同様に、第二の放射導体４
には、第一の放射導体３の入力インピーダンスと異なる
入力インピーダンスに整合する位置に導通孔８が設けら
れ、導電体９が接続されている。そして、この場合に
は、第一の放射導体３が対応する共振周波数と、第二の
放射導体４が対応する共振周波数とが異なり、而してパ
ッチアンテナ１ｂは異なる二種類の共振周波数帯域に対
応できる。

【００２５】上述のようなパッチアンテナ１ａ、１ｂの
製造として、パッチアンテナ１ａにあっては、予め誘電
体材料を所定の形状に切断して得られた誘電体基板２に
導通孔６，８を形成し、その表面に銀ペーストを用い
て、放射導体３，４、接地導体５、及び給電部１０をス
クリーン印刷することにより形成することができる。ま
た、パッチアンテナ１ｂにあっては、予め分岐孔部１
１，１３及び給電共通孔部１５が形成されたグリーンシ
ートを、所定枚数だけ重ね合わせ、焼成して、分岐孔部
１１，１３及び給電共通孔部１５を備える誘電体基板２
を得、そして、該誘電体基板２の表面に放射導体３，
４、接地導体５、及び給電部１０をスクリーン印刷する
ことにより形成することができる。このように、矩形状
素子構造物である本実施例のパッチアンテナ１ａ、１ｂ
は、誘電体基板２の各面が平であるから、比較的容易に
製造ができるいう利点がある。

【００２６】尚、上記のパッチアンテナ１ａ、１ｂは、
給電回路を印刷したプリント回路基板上に実装され、前
記給電回路を給電部１０を介して放射導体３及び放射導
体４と電気的に接続して用いることができる。

【００２７】

【発明の効果】本発明は、相互に絶縁され、かつ互いに
形態が異なる複数の放射導体を設けると共に、誘電体基
板に形成した導通孔により、各放射導体と、対向面に接
地導体と絶縁させた一個の給電部とを接続するようにし
たパッチアンテナであるから、各放射導体が対応する異
なる複数の共振周波数帯域を使用することができる。而
して、本パッチアンテナ一個を携帯電話等の移動体通信
機器に使用することによって、複数の共振周波数帯域で
送受信が可能となるため、情報の提供と入手とが幅広い
範囲で行い得ることができる。

【００２８】また、上記各放射導体に接続する導通孔
が、分岐孔部と、その分岐孔部が接合して形成した給電
共通孔部とを構成することによって、対向面の給電部を
小さくでき、接地導体を広く配設することができため、
安定して効率的な送受信が行い得るという利点が生じ
る。

【００２９】また、複数の放射導体の形態を、異なる面
積の放射導体とすることにより、各放射導体に対応する
複数の共振周波数帯域に対応するパッチアンテナとする
ことができる。

【００３０】また、複数の放射導体の形態を、異なる形
状の放射導体とすることにより、各放射導体に対応する
複数の共振周波数帯域に対応するパッチアンテナとする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パッチアンテナ１ａの上部平面図である。

【図２】パッチアンテナ１ａの下部平面図である。

【図３】パッチアンテナ１ａの縦断面図である。

【図４】パッチアンテナ１ｂの上部平面図である。

【図５】パッチアンテナ１ｂの下部平面図である。

【図６】パッチアンテナ１ｂの縦断面図である。

【符号の説明】

１ａ、１ｂパッチアンテナ２誘電体基板３、４放射導体５接地導体６、８導通孔１０給電部１１，１３分岐孔部１５給電共通孔部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 5J021 AA02 AA09 AB06 FA32 HA05 HA10 JA03 5J045 AA03 AB06 DA10 EA07 HA02 NA01

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】誘電体基板の一面に放射導体を、その対向
面に接地導体を配設したパッチアンテナにおいて、誘電体基板の一面に、相互に絶縁され、かつ互いに形態
が異なる複数の放射導体を設け、その対向面に、接地導
体と絶縁されてなる一個の給電部を設けると共に、誘電
体基板に貫通して設けた導通孔により、各放射導体と給
電部とを接続するようにしたことを特徴とするパッチア
ンテナ。
【請求項２】導通孔を、給電共通孔部と、各放射導体と
接続する分岐孔部とが連成してなる構成としたことを特
徴とする請求項１に記載のパッチアンテナ。
【請求項３】複数の放射導体が、互いに異なる面積であ
ることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のパッ
チアンテナ。
【請求項４】複数の放射導体が、互いに異なる形状であ
ることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のパッ
チアンテナ。