JP2002299762A - 窒化物半導体素子 - Google Patents

窒化物半導体素子

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JP2002299762A
JP2002299762A JP2001101925A JP2001101925A JP2002299762A JP 2002299762 A JP2002299762 A JP 2002299762A JP 2001101925 A JP2001101925 A JP 2001101925A JP 2001101925 A JP2001101925 A JP 2001101925A JP 2002299762 A JP2002299762 A JP 2002299762A
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type
cladding layer
nitride semiconductor
type cladding
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JP2001101925A
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English (en)
Inventor
Yusuke Watanabe
祐介 渡邊
Shinichi Nagahama
慎一 長濱
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Nichia Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コアに隣接するクラッド層での自由キャリア
吸収損失を減少させ、閾値電流を小さくする。これに伴
い、緩和振動周波数は高くなるため、高速変調時の応答
速度が上がり、RIN特性が向上する。 【解決手段】 上記目的を達成するため、本発明のレー
ザ素子は、両クラッド層、又は一方のクラッド層を2層
化し、コアに隣接する側の不純物濃度を低く抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化物半導体(たとえば
B、As、Pを含有するInxAlyGa1-x-yN、0≦
x、0≦y、x+y≦1)よりなる素子に関し、特に、
高速変調時の応答速度が良く、RIN特性が優れている
レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、窒化物半導体を用いた半導体レー
ザは、DVDなど、大容量・高密度の情報記録・再生が
可能な光ディスクシステムへの利用に対する要求が高ま
りを見せている。このため、窒化物半導体を用いた半導
体レーザ素子は、研究が盛んになされている。また、窒
化物半導体を用いた半導体レーザ素子は、紫外域から赤
色に至るまで、幅広く可視光域での発振が可能と考えら
れ、その応用範囲は、上記光ディスクシステムの光源に
とどまらず、レーザプリンタ、光ネットワークなどの光
源など、多岐にわたるものと期待されている。
【0003】また、窒化物半導体を用いた発光素子、受
光素子などには、Alを含む窒化物半導体を用いてクラ
ッド層とした構造を有しており、より優れたクラッド層
の形成が、素子特性の向上において重要となる。
【0004】窒化物半導体のレーザ素子において、効率
良く光を導波させるには完全にコア内に閉じ込めるのが
好ましい。そのためには、レーザ素子において、活性層
が上部、下部クラッド層に挟まれた構造を有する場合
に、両クラッド層の屈折率を小さくし、上部、下部クラ
ッド層に挟まれた導波路内の屈折率を高くすることで、
導波路内に効率よく光が閉じこめられ、結果としてレー
ザ素子においては閾値電流密度の低下に寄与する。
【0005】従来、このようなクラッド層を有する窒化
物半導体素子のレーザ素子において、ガイド層にGa
N、クラッド層にAlGaNを用いたSCH構造が提案
されている。
【0006】しかしながら、より高出力化が求められる
現在においては十分ではなく、更なる特性の向上が求め
られている。本発明は、特定構造のクラッド層を設けた
窒化物半導体素子とすることにより、より出力が向上
し、閾値電流が低下し、緩和振動周波数が高くなること
を見出し本発明を成すに至った。
【0007】なお、本明細書においてクラッド層とは、
光を発生・増幅する機能を持つコアの周囲に隣接する
か、他の半導体層等を介して近接して存在する、屈折率
が低くバンドギャップエネルギーが活性層よりも高い半
導体層を意味する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】通常のクラッド層は均
一に不純物をドープしているため活性層と活性層の両側
に形成された光ガイド層からなるコアから光が浸みだ
し、クラッド層の自由キャリアにより吸収損失が起こ
る。これは、キャリアに光があたり、キャリアが光のエ
ネルギーを吸収し、キャリアが励起される。励起された
キャリアは非発光再結合するか、LED光として発光し
レーザ光のノイズになる。よって、光の内部損失が起こ
っていたと考えられる。
【0009】本願発明は、n型クラッド層とp型クラッ
ド層を共に2つに大別し、両クラッド層のコアに隣接す
る側に不純物ドープ量の少ない領域をもうけることでク
ラッド層での自由キャリア損失を減少させることより光
の内部損失が減少する。これにより閾値電流Ithが小さ
くなり(Iopを一定とする場合、Iop/Ithは大きくな
る)、緩和振動周波数Froは高くなる(緩和振動周期は
短くなる)。 Fro=(1/2π)(1/τn・τph)1/2((J−Jth)/Jth)1/2 =(1/2π)(1/τn・τph)1/2(Iop/Ith−1)1/2 よって高速変調時の応答速度が上がるため、RIN特性が
向上すると考えられる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明における窒化物半
導体素子は、活性層と該活性層の両側に形成された光ガ
イド層からなるコアをn型クラッド層とp型クラッド層
とで挟み込む構造を有する窒化物半導体素子において、
前記n型クラッド層は少なくともコアに隣接する側から
第1のn型クラッド層と第2のn型クラッド層を有する
と共に、該第1のn型クラッド層は第2のn型クラッド
層よりもn型不純物の濃度が低いことを特徴とするか、
若しくは、前記p型クラッド層は少なくともコアに隣接
する側から第1のp型クラッド層と第2のp型クラッド
層を有すると共に、該第1のp型クラッド層は第2のp
型クラッド層よりもp型不純物の濃度が低いことを特徴
とするか、更には、前記p型クラッド層は少なくともコ
アに隣接する側から第1のp型クラッド層と第2のp型
クラッド層を有すると共に、該第1のp型クラッド層は
第2のp型クラッド層よりもp型不純物の濃度が低く、
かつ、前記n型クラッド層が少なくともコアに隣接する
側から第1のn型クラッド層と第2のn型クラッド層を
有し、第1のn型クラッド層は第2のn型クラッド層よ
りもn型不純物濃度が低いことを特徴とする。この場
合、第1の両クラッド層はアンドープであっても良い。
これによりコアに隣接するクラッド層での自由キャリア
吸収損失が減少するため、閾値電流が小さくなる。これ
に伴い、緩和振動周波数は高くなるため、高速変調時の
応答速度が上がり、RIN特性が向上する。
【0011】また、本発明における窒化物半導体レーザ
素子は、前記第1及び第2のn型クラッド層はAl
1−xN(0.03≦x<0.15)及びn型不純物
を有するGaNを積層した多層膜である。Alをこの範
囲で混晶させ、超格子構造にすることによりAlを含ん
でいるにも関わらず、クラックの発生を防止でき、結晶
性を良好にすることができる。
【0012】また、本発明における窒化物半導体レーザ
素子は、また、本発明における窒化物半導体レーザ素子
は、前記第1及び第2のn型クラッド層におけるn型不
純物はSiである。ここでSi濃度は5×1018/c
以下である。この範囲でドープされているとクラッ
ド層での自由キャリア吸収損失が減少するため、閾値電
流が小さくなる。これに伴い、緩和振動周波数は高くな
るため、高速変調時の応答速度が上がり、RIN特性が
向上する。また、第1のn型クラッド層におけるSiド
ープ量を従来は第2のn型クラッド層におけるSiドー
プ量と同量入れていたにも関わらず減らしているため抵
抗率が高くなると考えられるが問題になる程度の抵抗率
の上昇は見られず、n型クラッド層を2層化するため結
晶性へ何らかの影響があると考えられるが結晶性も問題
ない。
【0013】さらに、本発明における窒化物半導体レー
ザ素子は、前記第1のn型クラッド層における単一層の
膜厚が100Å以下であり、かつ、前記第1のn型クラ
ッド層の総膜厚が0.05〜0.45μmである。コア
からの距離がこの範囲で光の漏れが生じているため、こ
の範囲に不純物ドープ量の少ない領域をもうけることで
クラッド層での自由キャリア吸収損失が減少するため、
閾値電流が小さくなる。これに伴い、緩和振動周波数は
高くなるため、高速変調時の応答速度が上がり、RIN
特性が向上する。また単一膜厚が100Å以下であると
窒化物半導体の結晶構造が超格子構造になると考えら
れ、Alを含んでいるにも関わらずAlの結晶構造にお
ける影響を抑制することにより、クラックの発生を防止
でき、結晶性を良好にすることができる。
【0014】その上、本発明における窒化物半導体レー
ザ素子は、前記両p型クラッド層はAlGa1−y
(0<y≦1)及びp型不純物を有するGaNを積層し
た多層膜である。また、p型不純物はMgである。超格
子構造をとることにより、Alを含んでいるにも関わら
ず、クラックの発生を防止でき、結晶性を良好にするこ
とができる。
【0015】また、本発明における窒化物半導体レーザ
素子は、前記第1のp型クラッド層におけるMgドープ
量が1×1019/cm以下であることを特徴とす
る。この範囲でドープされているとクラッド層での自由
キャリア吸収損失が減少するため、閾値電流が小さくな
る。これに伴い、緩和振動周波数は高くなるため、高速
変調時の応答速度が上がり、RIN特性が向上する。ま
た、第1のp型クラッド層におけるMgドープ量を従来
は第2のp型クラッド層におけるMgドープ量と同量入
れていたにも関わらず減らしているため抵抗率が高くな
ると考えられるが問題になる程度の抵抗率の上昇は見ら
れず、p型クラッド層を2層化するため結晶性へ何らか
の影響があると考えられるが結晶性も問題ない。
【0016】さらに、本発明における窒化物半導体レー
ザ素子は、前記第1のp型クラッド層における単一層の
膜厚が100Å以下であり、かつ、前記第1のn型クラ
ッド層の総膜厚が0.05〜0.45μmであることを
特徴とする。これは、n型クラッド層の場合と同様、コ
アからの距離がこの範囲で光の漏れが生じているため、
この範囲に不純物ドープ量の少ない領域をもうけること
でクラッド層での自由キャリア吸収損失が減少するた
め、閾値電流が小さくなる。これに伴い、緩和振動周波
数は高くなるため、高速変調時の応答速度が上がり、R
IN特性が向上する。また単一膜厚が100Å以下であ
ると結晶構造が超格子構造となり、Alを含んでいるに
も関わらず、クラックの発生を防止でき、結晶性を良好
にすることができる。
【0017】
【発明実施の形態】以下に図1を用いて本発明を詳細に
説明する。図1は本発明の素子構造の一実施形態を示し
た模式的な断面図であり、レーザ光の共振方向に垂直な
方向で素子を切断した際の図を示している。
【0018】図1に示される本発明の一実施の形態であ
る窒化物半導体レーザ素子を示す模式的断面図について
以下に説明する。
【0019】図1には、サファイア等の異種基板1上に
ELOG(Epitaxially laterallyovergrown GaN)基板
(省略可)を成長させた窒化物半導体基板4上に、アン
ドープしてなるAlGa1−aNよりなるアンドープ
n型コンタクト層5、n型不純物(例えばSi)をドー
プしてなるAlGa1−aNよりなるn型コンタクト
層6、SiドープのInGa1−bNよりなるクラッ
ク防止層7、AlGa1−xN(0.03≦x<0.
15)を含んでなる多層膜の第2のn型クラッド層8、
AlGa1−xN(0.03≦x<0.15)を含ん
でなる多層膜の第1のn型クラッド層9、アンドープの
GaNからなるn型ガイド層10、障壁層と井戸層とか
らなる量子井戸構造の活性層11、MgドープのAl
Ga −fNからなる少なくとも1層以上のp型電子閉
じ込め層12、アンドープのGaNからなるp型ガイド
層13、AlGa1−yN(0<y≦1)を含んでな
る多層膜の第1のp型クラッド層14、AlGa
1−yN(0<y≦1)を含んでなる多層膜の第2のp
型クラッド層15、MgドープのGaNからなるp型コ
ンタクト層16からなるリッジ形状のストライプを有す
る窒化物半導体レーザ素子が示されている。
【0020】また、p電極は、リッジ形状のストライプ
の最上層に形成され、n電極はn型コンタクト層上に形
成される。以下に、基板、各層などについて更に詳細に
説明する。 (窒化物半導体基板4)今回は窒化物半導体の低転位基
板としてELOG基板を用い説明するが、本発明の実施
の形態はこれに限る訳ではなく、低転位のGaNよりな
る窒化物半導体基板であれば置換可能である。基板とし
て、異種基板に成長させたGaNよりなる窒化物半導体
を厚膜で成長させてGaNよりなる窒化物半導体基板を
用いる。基板の形成方法は、以下の通りである。C面を
主面とするサファイアよりなる異種基板をMOVPE反
応容器内にセットし、有機金属ガスを用いバッファ層を
成長させ、その後、温度を上げて、アンドープの窒化物
半導体を成長させて、下地層とする。次に、下地層表面
にストライプ状のマスクを複数形成して、マスク開口部
(窓部)から窒化物半導体を選択成長させて、横方向の
成長を伴った成長(ELOG)により成膜された窒化物
半導体層を、さらに厚膜で成長させて、窒化物半導体基
板を得る。 (アンドープn型コンタクト層5)まず、アンドープn
型コンタクト層5を窒化物半導体基板4上に成長させ
る。アンドープn型コンタクト層5としては、Al
1−aNを成長させる。この層は窒化物半導体基板4
がGaNからなり、n型コンタクト層6がSiドープA
Ga1−aNからなるため、格子定数が異なり、か
つ、Siは不純物であるため結晶構造の整合性が取れな
くなり、結晶が乱れる。よって結晶の整合性をとるため
に、アンドープn型コンタクト層5を積層させてから、
n型コンタクト層6を積層させる。結果として、寿命特
性が向上する。 (n型コンタクト層6)まず、n型コンタクト層6をア
ンドープn型コンタクト層5上に成長させる。n型コン
タクト層6としては、n型不純物(好ましくはSi)を
ドープされたAlGa1−aNを成長させる。n型コ
ンタクト層6がAlを含む3元混晶で形成されると、窒
化物半導体基板4に微細なクラックが発生していても、
微細なクラックの伝播を防止することができ、更に従来
の問題点であった窒化物半導体基板4とn型コンタクト
層6との格子定数及び熱膨張係数の相違によるn型コン
タクト層6への微細なクラックの発生を防止することが
でき好ましい。このn型コンタクト層6にn電極19が
形成される。 (クラック防止層7)次に、クラック防止層7をn型コ
ンタクト層6上に成長させる。クラック防止層7として
は、SiドープのInGa1−bNを成長させる。こ
のクラック防止層7は、省略することができるが、クラ
ック防止層7をn型コンタクト層6上に形成すると、素
子内のクラックの発生を防止するのに好ましい。
【0021】また、クラック防止層7を成長させる際
に、Inの混晶比を大きくすると、クラック防止層7
が、活性層11から発光しn型クラッド層から漏れ出し
た光を吸収することができ、レーザ光のファーフィール
ドパターンの乱れを防止することができ好ましい。 (第2のn型クラッド層8)次に、第2のn型クラッド
層8をクラック防止層7上に成長させる。第2のn型ク
ラッド層8としては、AlGa1−xN(0.03≦
x<0.15)を含む窒化半導体を有する多層膜の層と
して形成される。多層膜とは、互いに組成が異なる窒化
物半導体層を積層した多層膜構造を示し、例えば、Al
Ga1− N(0.03≦x<0.15)層と、この
AlGa1−xNと組成の異なる窒化物半導体、例え
ばAlの混晶比の異なるもの、Inを含んでなる3元混
晶のもの、又はGaN等からなる層とを組み合わせて積
層してなるものである。この中で好ましい組み合わせと
しては、AlGa1−xNとGaNとを積層してなる
多層膜とすると、同一温度で結晶性の良い窒化物半導体
層が積層でき好ましい。より好ましい多層膜としては、
アンドープのAlGa1−xNとn型不純物(例えば
Si)ドープのGaNとを積層してなる組み合わせであ
る。n型不純物は、AlGa1−xNにドープされて
もよい。n型不純物のドープ量は、1×1018/cm
〜5×1018/cmである。n型不純物がこの範
囲でドープされていると抵抗率を低くでき且つ結晶性を
損なわない。
【0022】このような多層膜は、単一層の膜厚が10
0オングストローム以下、好ましくは70オングストロ
ーム以下、さらに好ましくは40オングストローム以
下、好ましくは10オングストローム以上の膜厚の窒化
物半導体層を積層してなる。単一の膜厚が100オング
ストローム以下であると第2のn型クラッド層が超格子
構造になると考えられ、Alを含んでいるにも関わらず
Alの結晶構造における影響を抑制することにより、ク
ラックの発生を防止でき結晶性を良好にすることができ
る。また、第2のn型クラッド層8の総膜厚としては、
0.6〜1.8μmである。
【0023】また第2のn型クラッド層の全体のAlの
平均組成は、0.01〜0.1である。Alの平均組成
がこの範囲であると、クラックを発生させない程度の組
成比で、且つ充分にレーザ導波路との屈折率の差を得る
のに好ましい組成比である。 (第1のn型クラッド層9)次に、第1のn型クラッド
層9を第2のn型クラッド層8上に成長させる。第1の
n型クラッド層9としては、AlGa1−xN(0.
03≦x<0.15)を含む窒化半導体を有する多層膜
の層として形成される。多層膜とは、互いに組成が異な
る窒化物半導体層を積層した多層膜構造を示し、例え
ば、AlGa 1−xN(0.03≦x<0.15)層
と、このAlGa1−xNと組成の異なる窒化物半導
体、例えばAlの混晶比の異なるもの、Inを含んでな
る3元混晶のもの、又はGaN等からなる層とを組み合
わせて積層してなるものである。この中で好ましい組み
合わせとしては、AlGa1−xNとGaNとを積層
してなる多層膜とすると、同一温度で結晶性の良い窒化
物半導体層が積層でき好ましい。より好ましい多層膜と
しては、アンドープのAlGa1−xNとn型不純物
(例えばSi)ドープのGaNとを積層してなる組み合
わせである。n型不純物は、AlGa1−xNにドー
プされてもよい。n型不純物のドープ量は、0/cm
〜5×1018/cmである。好ましくは1×10
17/cm〜3×1018/cmである。より好ま
しくは1×1017/cm〜1×10 18/cm
ある。この場合、アンドープにしても隣接層よりある程
度拡散してくるため、結果としてn型を示す。n型不純
物がこの範囲でドープされているとコアに隣接するクラ
ッド層での自由キャリア吸収損失が減少するため、閾電
流が小さくなる。これに伴い、緩和振動周波数は高くな
るため、高速変調時の応答速度が上がり、RIN特性が
上がる。
【0024】このような多層膜は、単一層の膜厚が10
0オングストローム以下、好ましくは70オングストロ
ーム以下、さらに好ましくは40オングストローム以
下、好ましくは10オングストローム以上の膜厚の窒化
物半導体層を積層してなる。単一の膜厚が100オング
ストローム以下であると第1のn型クラッド層9が超格
子構造になると考えられ、Alを含んでいるにも関わら
ずAlの結晶構造における影響を抑制することにより、
クラックの発生を防止でき結晶性を良好にすることがで
きる。また、第1のn型クラッド層9の総膜厚として
は、0.05〜0.45μmである。
【0025】また第1のn型クラッド層9の全体のAl
の平均組成は、0.01〜0.1である。Alの平均組
成がこの範囲であると、クラックを発生させない程度の
組成比で、且つ充分にレーザ導波路との屈折率の差を得
るのに好ましい組成比である。 (n型ガイド層10)次に、n型ガイド層10を第1の
n型クラッド層9上に成長させる。n型ガイド層10と
しては、アンドープのGaNからなる窒化物半導体を成
長させる。n型ガイド層10をアンドープとすること
で、レーザ導波路内の伝搬損失が減少し、しきい値が低
くなり好ましい。 (活性層11)次に、活性層11をn型ガイド層10上
に成長させる。
【0026】本発明において、活性層としては、少なく
ともInを含んでなる井戸層と、井戸層よりバンドギャ
ップエネルギーが大きい障壁層からなる量子井戸構造を
有している。
【0027】活性層の井戸層としては、少なくともIn
を含んでなるInGa1−eNで示される窒化物半導
体が挙げられる。
【0028】また、井戸層は、アンドープでも、不純物
をドープされていてもよいが、好ましくは結晶性を損な
わない点で、アンドープ、または不純物をドープする場
合でも不純物(例えばSiなど)を含有されてなるもの
が好ましい。井戸層の結晶性が良好であれば、しきい値
電流密度の低下や寿命特性の向上の点で好ましい。
【0029】また、活性層の障壁層としては、特に限定
されないが、少なくとも井戸層よりバンドギャップエネ
ルギーが大きい組成のものが挙げられ、例えば具体的に
は、InGa1−eNで示される窒化物半導体が挙げ
られる。
【0030】障壁層は、アンドープでも、不純物をドー
プされていてもよい。
【0031】活性層の井戸層の積層数が、例えば2の場
合、少なくとも井戸層が2層積層されていればよく、障
壁層から始まり井戸層で終わっても、障壁層から始まり
障壁層で終わっても、井戸層から始まり障壁層で終わっ
ても、また井戸層から始まり井戸層で終わってもよい。
好ましくは障壁層で始まり障壁層で終わると、しきい値
電流密度を低下させ寿命特性を向上させるのに好まし
い。
【0032】また、活性層が井戸層の積層数が1である
単一量子井戸構造の場合は、障壁層は井戸層を挟むよう
に形成されるのが好ましい。単一量子井戸構造の場合、
障壁層が形成されていると、しきい値電流密度の低下及
び寿命特性の向上の点で好ましい。井戸層の積層数は1
〜10層程度が好ましい。最適値は膜厚との兼ね合いで
決まり、井戸層1層あたりの膜厚が厚くなれば積層数を
少なめに、井戸層1層あたりの膜厚が薄くなれば積層数
を多めにするのが好ましい。 (p型電子閉じ込め層12)次に、p型電子閉じ込め層
12を活性層11上に成長させる。p型電子閉じ込め層
12としては、MgドープのAlGa1−fNからな
る少なくとも1層以上を成長させてなるものである。 (p型ガイド層13)次に、p型ガイド層13をp型電
子閉じ込め層12上に成長させる。p型ガイド層13と
しては、アンドープのGaNからなる窒化物半導体層と
して成長させてなるものである。 (第1のp型クラッド層14)次に、第1のp型クラッ
ド層14をp型ガイド層13上に成長させる。第1のp
型クラッド層としては、AlGa1−yN(0<y≦
1)を含んでなる窒化物半導体層、好ましくはAl
1−yN(0.03≦y≦0.15)を含んでなる窒
化物半導体層を有する多層膜の層として形成される。多
層膜とは、互いに組成が異なる窒化物半導体層を積層し
た多層膜構造であり、例えば、AlGa1−yN層
と、AlGa1−yNと組成の異なる窒化物半導体、
例えばAlの混晶比の異なるもの、Inを含んでなる3
元混晶のもの、又はGaN等からなる層とを組み合わせ
て積層してなるものである。この中で好ましい組み合わ
せとしては、AlGa1−yNとGaNとを積層して
なる多層膜とすると、同一温度で結晶性の良い窒化物半
導体層が積層でき好ましい。より好ましい多層膜とし
は、アンドープのAlGa1−yNとp型不純物(例
えばMg)ドープのGaNとを積層してなる組み合わせ
である。p型不純物は、AlGa1−yNにドープさ
れてもよい。p型不純物のドープ量は、0/cm〜1
×1019/cm である。好ましくは、1×1016
/cm〜1×1017/cmである。より好ましく
は、1×1016/cm〜1×1018/cmであ
る。この場合、アンドープにしても隣接層よりある程度
拡散してくるため、結果としてn型を示す。p型不純物
がこの範囲でドープされているn型不純物がこの範囲で
ドープされているとコアに隣接するクラッド層での自由
キャリア吸収損失が減少するため、閾電流が小さくな
る。これに伴い、緩和振動周波数は高くなるため、高速
変調時の応答速度が上がり、RIN特性が上がる。
【0033】このような多層膜は、単一層の膜厚が10
0オングストローム以下、好ましくは70オングストロ
ーム以下、さらに好ましくは40オングストローム以
下、好ましくは10オングストローム以上の膜厚の窒化
物半導体層を積層してなる。単一の膜厚が100オング
ストローム以下であるとn型クラッド層が超格子構造に
なると考えられ、Alを含んでいるにも関わらずAlの
結晶構造における影響を抑制することにより、クラック
の発生を防止でき結晶性を良好にすることができる。
【0034】第1のp型クラッド層14の総膜厚として
は、0.05〜0.45μmであり、この範囲であると
順方向電圧(Vf)を低減するために好ましい。
【0035】また第1のp型クラッド層の全体のAlの
平均組成は、0.015〜0.1である。この値は、ク
ラックの発生を抑制し且つレーザ導波路との屈折率差を
得るのに好ましい。 (第2のp型クラッド層15)次に、第2のp型クラッ
ド層15を第1のp型クラッド層14上に成長させる。
第2のp型クラッド層としては、AlGa1−y
(0<y≦1)を含んでなる窒化物半導体層、好ましく
はAlGa1−yN(0.03≦y≦0.15)を含
んでなる窒化物半導体層を有する多層膜の層として形成
される。多層膜とは、互いに組成が異なる窒化物半導体
層を積層した多層膜構造であり、例えば、AlGa
1−yN層と、AlGa1−yNと組成の異なる窒化
物半導体、例えばAlの混晶比の異なるもの、Inを含
んでなる3元混晶のもの、又はGaN等からなる層とを
組み合わせて積層してなるものである。この中で好まし
い組み合わせとしては、AlGa1−yNとGaNと
を積層してなる多層膜とすると、同一温度で結晶性の良
い窒化物半導体層が積層でき好ましい。より好ましい多
層膜としは、アンドープのAlGa1−yNとp型不
純物(例えばMg)ドープのGaNとを積層してなる組
み合わせである。p型不純物は、AlGa1− Nに
ドープされてもよい。p型不純物のドープ量は、1×1
17/cm〜1×1019/cmである。p型不
純物がこの範囲でドープされていると結晶性を損なわな
い程度のドープ量で且つバルク抵抗が低くなり好まし
い。
【0036】このような多層膜は、単一層の膜厚が10
0オングストローム以下、好ましくは70オングストロ
ーム以下、さらに好ましくは40オングストローム以
下、好ましくは10オングストローム以上の膜厚の窒化
物半導体層を積層してなる。単一の膜厚が100オング
ストローム以下であるとp型クラッド層が超格子構造に
なると考えられ、Alを含んでいるにも関わらずAlの
結晶構造における影響を抑制することにより、クラック
の発生を防止でき結晶性を良好にすることができる。
【0037】第2のp型クラッド層15の総膜厚として
は、0.2〜0.5μmであり、この範囲であると順方
向電圧(Vf)を低減するために好ましい。
【0038】また第2のp型クラッド層の全体のAlの
平均組成は、0.015〜0.1である。この値は、ク
ラックの発生を抑制し且つレーザ導波路との屈折率差を
得るのに好ましい。 (p型コンタクト層16)次に、p型コンタクト層16
を第2のp型クラッド層15上に成長させる。p型コン
タクト層としては、MgドープのGaNからなる窒化物
半導体層を成長させてなるものである。膜厚とMgのド
ープ量を調整することにより、p型コンタクト層のキャ
リア濃度が上昇し、p電極とのオーミックがとりやすく
なる。
【0039】本発明の素子において、リッジ形状のスト
ライプは、p型コンタクト層からエッチングされてp型
コンタクト層よりも下側(基板側)までエッチングされ
ることにより形成される。例えば図1に示すようなp型
コンタクト層16から第2のp型クラッド層15の途中
までエッチングしてなるストライプ、p型コンタクト層
16から第1のp型クラッド層14の途中までエッチン
グしてなるストライプ、p型コンタクト層16からp型
ガイド層13までエッチングしてなるストライプ、又は
p型コンタクト層16からn型コンタクト層6までエッ
チングしてなるストライプなどが挙げられる。
【0040】エッチングして形成されたリッジ形状のス
トライプの側面やその側面に連続した窒化物半導体層の
平面に、例えば図1に示すように、レーザ導波路領域の
屈折率より小さい値を有する絶縁膜が形成されている。
ストライプの側面等に形成される絶縁膜としては、例え
ば、Si、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から
選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物や、B
N、AlN等が挙げられ、好ましくは、Zr及びHfの
酸化物のいずれか1種以上の元素や、BNである。
【0041】さらにこの絶縁膜を介してストライプの最
上層にあるp型コンタクト層16の表面にp電極が形成
される。
【0042】また本発明の素子において、p電極やn電
極等は従来公知の種々のものを適宜選択して用いること
ができる。
【0043】また、本実施例はMOVPE(有機金属気
相成長法)について示すものであるが、本発明の方法
は、MOVPE法に限るものではなく、例えばHVPE
(ハライド気相成長法)、MBE(分子線気相成長法)
等、窒化物半導体を成長させるのに知られている全ての
方法を適用できる。
【0044】
【実施例】以下に本発明の一実施の形態である実施例を
示す。しかし本発明はこれに限定されない。 [実施例1]実施例1として、図1に示される本発明の
一実施の形態である窒化物半導体レーザ素子を製造す
る。
【0045】異種基板1として、サファイア基板を用意
する。
【0046】このサファイア基板を反応容器内にセット
し、温度を510℃にして、キャリアガスに水素、原料
ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを
用い、サファイア基板上にGaNよりなる低温成長のバ
ッファ層2を200オングストロームの膜厚で成長させ
る。
【0047】バッファ層成長後、TMGのみ止めて、温
度を1050℃まで上昇させ、1050℃になったら、
原料ガスにTMG、アンモニアを用い、アンドープのG
aNからなる第1の窒化物半導体層3を1.5μmの膜
厚で成長させる。
【0048】次に、第1の窒化物半導体層を積層したウ
ェーハ上にストライプ状のフォトマスクを形成し、スパ
ッタ装置によりストライプ幅(凸部の上部になる部分)
5μm、ストライプ間隔(凹部底部となる部分)15μ
mにパターニングされたSiO膜を形成し、続いて、
RIE装置によりSiO膜の形成されていない部分の
第1の窒化物半導体層をサファイアが露出しさらに12
00オングストロームの深さに削れるまでエッチングし
て凹凸を形成することにより、凹部側面に第1の窒化物
半導体層を露出させる。凹凸を形成後に、凸部上部のS
iO膜を除去する。なおストライプ方向は、オリフラ
面に対して垂直な方向で形成する。
【0049】次に、反応容器にセットし、常圧で、原料
ガスにTMG、アンモニアを用い、アンドープのGaN
よりなる第2の窒化物半導体層を15μmの膜厚で成長
させ窒化物半導体基板4とする。凹部上方部の表面には
転位がほとんど見られなくなる。
【0050】得られた窒化物半導体を窒化物半導体基板
4として以下の素子構造を積層成長させる。
【0051】窒化物半導体基板4上に、1050℃で原
料ガスにTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、
アンモニアガスを用いアンドープのAl0.05Ga
0.9 Nよりなるアンドープn型コンタクト層5を
1.3μmの膜厚で成長させる。
【0052】次に、同様の温度で、原料ガスにTMA、
TMG及びアンモニアガスを用い、不純物ガスにシラン
ガス(SiH)を用い、Al0.05Ga0.95
よりなるn型コンタクト層6を4μmの膜厚で成長させ
る。
【0053】成長されたn型コンタクト層6には、微細
なクラックが発生しておらず、微細なクラックの発生が
良好に防止されている。また、窒化物半導体基板1に微
細なクラックが生じていても、n型コンタクト層6を成
長させることで微細なクラックの伝播を防止でき結晶性
の良好な素子構造を成長さることができる。結晶性の改
善は、n型コンタクト層6のみの場合より、上記のよう
にアンドープn型コンタクト層を成長させることにより
より良好となる。
【0054】次に、温度を800℃にして、原料ガスに
TMG、TMI(トリメチルインジウム)及びアンモニ
アを用い、不純物ガスにシランガスを用い、In
0.06Ga0.94Nよりなるクラック防止層7を
0.15μmの膜厚で成長させる。
【0055】次に、温度を1050℃にして、原料ガス
にTMA、TMG及びアンモニアを用い、アンドープの
Al0.07Ga0.93NよりなるA層を25オング
ストロームの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、
不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを4×10
18/cmドープしたGaNよりなるB層を25オン
グストロームの膜厚で成長させる。そして、この操作を
それぞれ275回繰り返してA層とB層の積層し、総膜
厚13750オングストロームの多層膜(超格子構造)
よりなる第2のn型クラッド層8を成長させる。
【0056】次に、同様の温度で、原料ガスにTMA、
TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAl
0.07Ga0.93NよりなるA層を25オングスト
ロームの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、不純
物ガスとしてシランガスを用い、Siを2×1018
cmドープしたGaNよりなるC層を25オングスト
ロームの膜厚で成長させる。そして、この操作をそれぞ
れ25回繰り返してA層とC層の積層し、総膜厚125
0オングストロームの多層膜(超格子構造)よりなる第
1のn型クラッド層9を成長させる。
【0057】次に、同様の温度で、原料ガスにTMG及
びアンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるn型
ガイド層10を0.15μmの膜厚で成長させる。
【0058】次に、温度を800℃にして、原料ガスに
TMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとし
てシランガスを用い、Siを5×1018/cmドー
プした In0.05Ga0.95Nよりなる障壁層を
135オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、
シランガスを止め、In0.1Ga0.9Nよりなる井
戸層を45オングストロームの膜厚で成長させる。この
操作を2回繰り返し、最後に障壁層を積層した総膜厚4
95オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の
活性層11を成長させる。
【0059】次に、同様の温度で、原料ガスにTMA、
TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてCp
Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、M
gを1×1019/cmドープしたAl0.3Ga
0.7Nよりなるp型電子閉じ込め層12を100オン
グストロームの膜厚で成長させる。この層は、特に設け
られていなくても良いが、設けることで電子閉込めとし
て機能し、閾値の低下に寄与するものとなる。また、こ
こでは、p型電子閉込め層12からp型不純物のMg
が、それに隣接する最上部の障壁層に拡散して、最上部
の障壁層にMgが5〜10×1016/cm3程度ドープ
された状態となる。
【0060】次に、温度を1050℃にして、原料ガス
にTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよ
りなるp型ガイド層13を0.15μmの膜厚で成長さ
せる。 このp型ガイド層13は、アンドープとして成
長させるが、p型電子閉じ込め層12からのMgの拡散
により、Mg濃度が5×1016/cmとなりp型を
示す。
【0061】次に、同様の温度で、原料ガスにTMA、
TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAl
0.07Ga0.93NよりなるA層を25オングスト
ロームの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、不純
物ガスとしてCpMgを用い、Mgを2.5×10
18/cmドープしたGaNよりなるD層を25オン
グストロームの膜厚で成長させる。そして、この操作を
それぞれ25回繰り返してA層とD層の積層し、総膜厚
1250オングストロームの多層膜(超格子構造)より
なる第1のp型クラッド層14を成長させる。
【0062】次に、同様の温度で、原料ガスにTMA、
TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAl
0.07Ga0.93NよりなるA層を25オングスト
ロームの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、不純
物ガスとしてCpMgを用い、Mgを5×1018
cmドープしたGaNよりなるE層を25オングスト
ロームの膜厚で成長させる。そして、この操作をそれぞ
れ90回繰り返してA層とE層の積層し、総膜厚450
0オングストロームの多層膜(超格子構造)よりなる第
2のp型クラッド層15を成長させる。
【0063】次に、同様の温度で、原料ガスにTMG及
びアンモニアを用い、不純物ガスとしてCpMgを用
い、Mgを1×1020/cmドープしたGaNより
なるp型コンタクト層16を150オングストロームの
膜厚で成長させる。
【0064】反応終了後、反応容器内において、ウエハ
を窒素雰囲気中、700℃でアニーリングを行い、p型
層を更に低抵抗化する。
【0065】アニーリング後、ウエハを反応容器から取
り出し、最上層のp型コンタクト層の表面にSiO
りなる保護膜を形成して、RIE(反応性イオンエッチ
ング)を用いSiClガスによりエッチングし、n電
極を形成すべきn型コンタクト層6の表面を露出させ
る。
【0066】次に、最上層のp型コンタクト層16のほ
ぼ全面に、PVD装置により、Si酸化物(主として、
SiO)よりなる第1の保護膜を0.5μmの膜厚で
形成した後、第1の保護膜の上に所定の形状のマスクを
かけ、フォトレジストよりなる第3の保護膜を、ストラ
イプ幅1.8μm、厚さ1μmで形成する。
【0067】次に、第3の保護膜形成後、RIE(反応
性イオンエッチング)装置により、CFガスを用い、
第3の保護膜をマスクとして、前記第1の保護膜をエッ
チングして、ストライプ状とする。その後エッチング液
で処理してフォトレジストのみを除去することにより、
p型コンタクト層16の上にストライプ幅1.8μmの
第1の保護膜が形成できる。
【0068】さらに、ストライプ状の第1の保護膜形成
後、再度RIEによりSiClガスを用いて、p型コ
ンタクト層16、第2のp型クラッド層15、第1のp
型クラッド層14、及びp型ガイド層13をエッチング
して、ストライプ幅1.8μmのリッジ形状のストライ
プを形成する。但し、リッジ形状のストライプは、図1
に示すように、ELOG成長を行う際に形成した凹部の
上部で且つ凹部の中心部分を避けるように形成される。
【0069】リッジストライプ形成後、ウェーハをPV
D装置に移送し、Zr酸化物(主としてZrO)より
なる第2の保護膜17(図1には単に、保護膜と示す)
を、第1の保護膜の上と、エッチングにより露出された
第2のp型クラッド層15の上に0.5μmの膜厚で連
続して形成する。このようにZr酸化物を形成すると、
p−n面の絶縁をとるためと、横モードの安定を図るこ
とができ好ましい。
【0070】次に、ウェーハをフッ酸に浸漬し、第1の
保護膜をリフトオフ法により除去する。
【0071】次に、p型コンタクト層16の上の第1の
保護膜が除去されて露出したそのp型コンタクト層の表
面にNi/Auよりなるp電極18を形成する。但しp
電極18は100μmのストライプ幅として、この図に
示すように、第2の保護膜17(図1には単に、保護膜
と示す)の上に渡って形成する。
【0072】第2の保護膜17(図1には単に、保護膜
と示す)形成後、図1に示されるように露出させたn型
コンタクト層6の表面にはTi/Alよりなるn電極1
9をストライプと平行な方向で形成する。
【0073】以上のようにして、n電極とp電極とを形
成したウェーハのサファイア基板を研磨して70μmと
した後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、基板側か
らバー状に劈開し、劈開面(11−00面、六角柱状の
結晶の側面に相当する面=M面)に共振器を作製する。
共振器面にSiOとTiOよりなる誘電体多層膜を
形成し、最後にp電極に平行な方向で、バーを切断して
図1に示すようなレーザ素子とする。なお共振器長は3
00〜500μmとすることが望ましい。 [実施例2]実施例1において、第1のnクラッド層9
と第2のnクラッド層14を下記のように、変更する他
は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
【0074】実施例1において、第1の両クラッド層の
不純物ドープ量が第2の両クラッド層に比べて1/2倍
であるのに対し、本実施例においては1/4倍にする。
すなわち、第1のnクラッド層9のSiドープ量は1×
1018/cmとし、第1のpクラッド層14のMg
ドープ量は1.25×1018/cmとして形成する
他は同様にして、レーザ素子を得る。得られるレーザ素
子の特性は、ほぼ同等なものが得られる。 [実施例3]実施例1において、第1のnクラッド層9
と第2のnクラッド層14を下記のように、変更する他
は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
【0075】実施例1において、第1の両クラッド層の
不純物ドープ量が第2の両クラッド層に比べて1/2倍
であるのに対し、本実施例においては第1のnクラッド
層9のSiドープ量は第2のnクラッド層8のSiドー
プ量と同量、すなわち1倍にし、第1のpクラッド層1
4のMgドープ量はアンドープ、すなわち0倍にする。
すなわち、第1のnクラッド層9のSiドープ量は4×
1018/cmとし、第1のpクラッド層14のMg
ドープ量は、アンドープであるが第2のpクラッド層1
5からの拡散のため結果的に1.0×1017/cm
として形成する他は同様にして、レーザ素子を得る。得
られるレーザ素子の特性は、ほぼ同等なものが得られ
る。 [実施例4]実施例1において、第1のnクラッド層9
と第2のnクラッド層14を下記のように、変更する他
は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
【0076】実施例1において、第1の両クラッド層の
不純物ドープ量が第2の両クラッド層に比べて1/2倍
であるのに対し、本実施例においては第1のnクラッド
層9のSiドープ量は第2のnクラッド層8のSiドー
プ量の1/4倍にし、第1のpクラッド層14のMgド
ープ量はアンドープ、すなわち0倍にする。すなわち、
第1のnクラッド層9のSiドープ量は1.0×10
18/cmとし、第1のpクラッド層14のMgドー
プ量は、実施例3同様、アンドープであるが第2のpク
ラッド層15からの拡散のため結果的に1.0×10
17/cmとして形成する他は同様にして、レーザ素
子を得る。得られるレーザ素子の特性は、ほぼ同等なも
のが得られる。
【0077】
【発明の効果】本発明は、上記のように、両クラッド
層、又は一方のクラッド層がコアに隣接する側から第1
のクラッド層と第2のクラッド層との少なくとも2層か
ら構成され、第1のクラッド層は第2のクラッド層より
も不純物濃度が低くすることにより、コアに隣接するク
ラッド層での自由キャリア吸収損失が減少するため、閾
値電流が小さくなる。これに伴い、緩和振動周波数は高
くなるため、高速変調時の応答速度が上がり、RIN特
性が上がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態である窒化物半
導体レーザ素子を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1・・・異種基板 2・・・バッファ層 3・・・第1の窒化物半導体層 4・・・窒化物半導体基板 5・・・アンドープn型コンタクト層 6・・・n型コンタクト層 7・・・クラック防止層 8・・・第2のn型クラッド層 9・・・第1のn型クラッド層 10・・・n型ガイド層 11・・・活性層 12・・・p型電子閉じ込め層 13・・・p型ガイド層 14・・・第1のp型クラッド層 15・・・第2のp型クラッド層 16・・・p型コンタクト層 17・・・保護膜 18・・・p電極 19・・・n電極 20・・・pパッド電極 21・・・nパッド電極 22・・・絶縁膜 100・・・コア
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Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層と該活性層の両側に形成された光
    ガイド層からなるコアをn型クラッド層とp型クラッド
    層とで挟み込む構造を有する窒化物半導体素子におい
    て、 前記n型クラッド層は少なくともコアに隣接する側から
    第1のn型クラッド層と第2のn型クラッド層を有する
    と共に、該第1のn型クラッド層は第2のn型クラッド
    層よりもn型不純物の濃度が低いことを特徴とする窒化
    物半導体素子。
  2. 【請求項2】 活性層と該活性層の両側に形成された光
    ガイド層からなるコアをn型クラッド層とp型クラッド
    層とで挟み込む構造を有する窒化物半導体素子におい
    て、 前記p型クラッド層は少なくともコアに隣接する側から
    第1のp型クラッド層と第2のp型クラッド層を有する
    と共に、該第1のp型クラッド層は第2のp型クラッド
    層よりもp型不純物の濃度が低いことを特徴とする窒化
    物半導体素子。
  3. 【請求項3】 活性層と該活性層の両側に形成された光
    ガイド層からなるコアをn型クラッド層とp型クラッド
    層とで挟み込む構造を有する窒化物半導体素子におい
    て、 前記p型クラッド層は少なくともコアに隣接する側から
    第1のp型クラッド層と第2のp型クラッド層を有する
    と共に、該第1のp型クラッド層は第2のp型クラッド
    層よりもp型不純物の濃度が低く、かつ、前記n型クラ
    ッド層が少なくともコアに隣接する側から第1のn型ク
    ラッド層と第2のn型クラッド層を有し、第1のn型ク
    ラッド層は第2のn型クラッド層よりもn型不純物濃度
    が低いことを特徴とする窒化物半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2のn型クラッド層はA
    Ga1−xN(0.03≦x<0.15)及びn型
    不純物を有するGaNを積層した多層膜である請求項1
    又は請求項3に記載の窒化物半導体素子。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2のn型クラッド層にお
    けるn型不純物はSiである請求項1、請求項3又は請
    求項4に記載の窒化物半導体素子。
  6. 【請求項6】 前記第1のn型クラッド層におけるSi
    濃度は5×1018/cm以下である請求項5に記載
    の窒化物半導体素子。
  7. 【請求項7】 前記第1のn型クラッド層における単一
    層の膜厚が100Å以下であり、かつ、前記第1のn型
    クラッド層の総膜厚が0.05〜0.45μmである請
    求項4乃至請求項6に記載の窒化物半導体素子。
  8. 【請求項8】 前記両p型クラッド層はAlGa
    1−yN(0<y≦1)及びp型不純物を有するGaN
    を積層した多層膜である請求項2又は請求項3に記載の
    窒化物半導体素子。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2のp型クラッド層にお
    けるp型不純物はMgである請求項2、請求項3又は請
    求項8に記載の窒化物半導体素子。
  10. 【請求項10】 前記第1のp型クラッド層におけるM
    gドープ量が1×10 /cm以下である請求項9
    に記載の窒化物半導体素子。
  11. 【請求項11】 前記第1のp型クラッド層における単
    一層の膜厚が100Å以下であり、かつ、前記第1のp
    型クラッド層の総膜厚が0.05〜0.45μmである
    請求項8乃至請求項10に記載の窒化物半導体素子。
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