JP2002299678A - 高感度受光素子及び光センサー - Google Patents

高感度受光素子及び光センサー

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JP2002299678A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便に画素分割できる受光素子、及び該受光
素子からなる光センサーを提供する。 【解決手段】 電気的に絶縁された複数列の作用極、電
荷輸送層及び電気的に絶縁された複数列の対極を有し、
作用極が色素で増感した半導体を含有する感光層を含む
とともに、作用極の各列が対極の各列と所定の角度をな
すように作用極と対極とが対向していることを特徴とす
る受光素子。本発明の光センサーは該受光素子からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色素により増感さ
れた半導体を用いた受光素子、及び該受光素子からなる
光センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、微細加工技術と光リソグラフィー
の進歩によって、受光素子による画像情報の記録密度は
ますます向上する傾向にある。従来から、高感度受光素
子として固体接合を用いたアレイセンサーが使用されて
いるが、このアレイセンサーは下記の問題点がある。第
1は、シリコンウエハの精密加工や蒸着等の工程を要す
るため、コスト高となる点である。第2は、シリコンは
赤外光(熱線)に敏感なため、屋内の暗光源下では画像
検出のS/N比が低下し、この対策として赤外カットフィ
ルターが必要となる点である。第3は、センサーの感光
波長領域はバンドギャップによって一義的に決まり、分
光波長特性はフラットに近いかブロードとなるため、セ
ンサー単独では分光検出機能が無く、このためカラーセ
ンシングには特定の波長領域の光を透過するカラーフィ
ルターが必要となる点である。第4は、シリコンウエハ
を加工の出発素材とするため、センサーの大面積化(ウ
エハ以上のサイズ)が現実的に困難である点である。第
5には、センサー構造をフレキシブルな支持体上に設け
ることが困難であり、センサーの形状(平面性)が限定
される点である。
【0003】また、複雑な3次元的接合構造を用いず、
電気化学的界面を利用して色素の吸収光を電気応答に変
換する受光素子(光電変換素子)が、Nature, 第353巻,
第737〜740頁, 1991年、米国特許4927721号、同535064
4号、特開平5-504023号、特許2963276号等に開示されて
いる。特に、色素によって増感した多孔質半導体微粒子
を用いた色素増感型光電変換素子は高い対入射光量子効
率を示すことが知られている。更に、色素増感型光電変
換素子においては、光吸収波長の異なる色素を選択する
ことによりセンサーの分光感度を任意に変えることが可
能である。
【0004】一方、色素増感型光電変換素子を光画像パ
ターンを認識するセンサーとして使用するためには、そ
の感光要素を画素に分割することが必要となるが、素子
の電極上に複雑な配線を設けることは製造コストの観点
から望ましくなく、また配線部の面積が無駄となるた
め、微細化が困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡便
に画素分割できる受光素子、及び該受光素子からなる光
センサーを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、複数列の作用極と複数列の対極と
を用い、それらを所定の角度で交差するように対向させ
ることによって、色素増感型受光素子の画素分割が簡便
にできることを発見し、本発明に想到した。
【0007】即ち、本発明の受光素子は電気的に絶縁さ
れた複数列の作用極、電荷輸送層及び電気的に絶縁され
た複数列の対極を有し、作用極が色素で増感した半導体
を含有する感光層を含むとともに、作用極の各列が対極
の各列と所定の角度をなすように作用極と対極とが対向
していることを特徴とする。
【0008】上記本発明の受光素子において、半導体は
金属カルコゲニドであるのが好ましく、TiO2、ZnO、SnO
2及びWO3から選択される少なくとも一種の金属酸化物で
あるのがより好ましい。
【0009】上記本発明の受光素子は、電荷輸送層を酸
化還元種を含むイオン伝導材料又はホール輸送材料によ
り形成した定常型受光素子、或いは電荷輸送層を酸化還
元種を含まないイオン伝導材料により形成した微分応答
型受光素子に、好ましく適用できる。
【0010】また、本発明の受光素子において、複数の
作用極を電荷輸送層及び/又は対極を介して積層するこ
とにより積層型受光素子が得られる。この積層型受光素
子は、それぞれ異なる感光波長を示す複数の作用極を形
成することにより、光電変換型カラー光センサーとして
使用できる。このとき複数の作用極は、その感光波長が
短い順に入射光側から積層するのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】[1]受光素子 本発明の受光素子は電気的に絶縁された複数列の作用
極、電荷輸送層及び電気的に絶縁された複数列の対極を
有する。作用極は色素で増感した半導体を含有する感光
層を含む。本発明の受光素子においては、作用極の各列
が対極の各列と所定の角度をなすように、作用極と対極
とが対向している。
【0012】本発明の受光素子の基本構成は、Nature,
第353巻, 第737〜740頁, 1991年、米国特許4927721号等
に開示されている、色素増感した酸化物半導体を用いた
色素増感光電変換素子の構成と類似のものであってよ
い。この色素増感光電変換素子は感光層を設置した導電
性支持体(作用極)、電荷輸送層及び対極からなり、感
光層は表面に色素が吸着した半導体を含有する。この素
子において、電荷輸送層は酸化還元種を含み、作用極と
対極との間での電荷輸送を担う。電荷輸送層が作用極で
色素の光励起電荷分離により生成した色素ホールへの電
子供与及び対極側での電子受容を行い、作用極と対極間
の回路に定常的な電流が流れ続ける。このように、上記
色素増感光電変換素子は光量に応じた電流・電圧変化に
より光情報をセンシングすることができる。以下、本発
明ではこのような定常型受光素子をA型受光素子と呼
ぶ。
【0013】一方、上記のような色素増感光電変換素子
において、酸化還元種を含む電荷輸送材料に替えて、色
素ホールへの電子供与作用及び/又は対極からの電子受
容作用の無い電解質を用いた場合には、定常電流は流れ
ず、光強度に対して微分応答的な電流が観察される。こ
の光電変換機構は次のように考えられる。受光面に光が
照射され感光層中の色素が励起されると、励起色素から
電子が半導体に注入され、電子は回路を通って対極側に
移行する。その結果、感光層中には色素ホール(通常カ
チオン又はカチオンラジカル)が生成し、対極側には負
に分極した電荷分離状態が形成される。電解質中のアニ
オンとカチオンは電荷分離状態を安定化するように作用
極側と対極側に分配され、両極に電気二重層が形成され
る。従って、光照射onでの電気二重層充電電流、及び光
照射offでの放電電流が、光強度に対する微分的な電流
応答となる。即ち、このような酸化還元種を含まない電
荷輸送材料を用いた受光素子は、光を起電力とした電気
二重層コンデンサーとして作用し、光の動的変化や光の
輪郭を抽出するセンサーとして利用できる。以下、本発
明ではこのような微分応答型受光素子をB型受光素子と
呼ぶ。
【0014】本発明の受光素子は、好ましくは図1に示
すような、導電層10、感光層20、電荷輸送層30及び対極
導電層40をこの順に積層し、感光層20を色素22によって
増感した半導体21と当該半導体21の間の空隙に浸透した
電荷輸送材料23とから形成した構造を有する。電荷輸送
材料23は電荷輸送層30に用いる材料と同じ成分からな
る。また受光素子に強度を付与するために、導電層10及
び/又は対極導電層40には基板50を設けてもよい。以下
本発明では、導電層及び任意で設ける基板からなる層を
「導電性支持体」、対極導電層及び任意で設ける基板か
らなる層を「対極」、導電性支持体及び感光層からなる
層を「作用極」と呼ぶ。図1に示すように、作用極は導電
層10と感光層20の間に下塗り層60等を有してよい。また
図1中の導電層10、対極導電層40及び基板50はそれぞれ
透明導電層10a、透明対極導電層40a及び透明基板50aで
あってもよい。
【0015】本発明でいう「複数列の作用極が電気的に
絶縁されている」とは、少なくとも導電層が複数列に分
割され、各列が互いに電気的に絶縁されていることを意
味する。上記下塗り層及び感光層も電気的に絶縁されて
いるのが好ましい。また「複数列の対極が電気的に絶縁
されている」とは、少なくとも上記対極導電層が複数列
に分割され、各列が互いに電気的に絶縁されていること
を意味する。なお、導電性支持体又は対極に設ける基板
は、絶縁されていても絶縁されていなくてもよい。また
電荷輸送層は画素毎に分割されていても、されていなく
てもよい。
【0016】各電極を複数列に分割するためには、蒸着
法、スパッタ法、フォトマスクを使用した化学的エッチ
ング法、機械的な削り落とし等の一般的なパターニング
方法が使用できる。
【0017】本発明の受光素子は画素分割が簡便にでき
るという利点を有する。図2はn×m個の画素を有する本
発明の受光素子を作製する方法の一実施態様を示す概略
図である。図2に示すように、電気的に絶縁されたn列
の作用極R1〜Rnと電気的に絶縁されたm列の対極C1〜Cm
とを直交するように対向させ、その交点にn×m個の画素
を形成して、該n×m個の画素から光応答電流を並列的に
取り出すことができる。各画素は上記図1に示すものに
類似の構造を有する。このように本発明では、各画素か
ら基板の外周に配線プリントを施す複雑なパターニング
を行うことなく容易に画素分割することができ、加えて
配線部の面積が不要となるため、画素の製造コスト低減
と高密度化が達成できる。本実施態様では作用極の各列
が対極の各列と直角に交わっているが、作用極と対極を
対向させる際の作用極の各列と対極の各列とがなす角度
は特に限定されず、実用上は通常30°、45°、60°、90
°等が好ましく、90°が特に好ましい。なお、「作用極
の各列と対極の各列とがなす角度」は作用極と対極の各
列同士がなす鋭角側の角度をいう。
【0018】図3は本発明の受光素子による電気信号を
並列に取り出すための配線の一例を示す概略図である。
図3中に示す受光素子は4×4個の画素(16画素)を有
し、各画素(A1〜A4、B1〜B4、C1〜C4及びD1〜D4)の電
気信号を並列に取り出すことにより、16画素に受光した
光情報を独立にセンシングすることが可能となる。な
お、図3の受光素子の画素数は簡略化のために4×4個
としたが、本発明の受光素子の画素数は加工技術の許す
限りにおいて限度は無い。
【0019】以下、本発明の受光素子の各構成要素につ
いて詳細に説明するが、本発明はそれらにより限定され
ない。
【0020】(A)作用極 作用極は色素で増感した半導体を含有する感光層を含
み、更に導電性支持体を含んでよい。また、必要に応じ
て感光層と導電性支持体の間に下塗り層等を有してよ
い。
【0021】(1)導電性支持体 導電性支持体は、(i)導電層の単層、又は(ii)導電層及
び基板の2層からなる。(i)の場合は、導電層として強
度や密封性が十分に保たれるような材料、例えば、金属
材料(白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウ
ム、これらを含む合金等)を用いることができる。(ii)
の場合、感光層側に導電剤を含む導電層を有する基板を
使用することができる。好ましい導電剤としては金属
(白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム、イ
ンジウム、これらを含む合金等)、炭素、及び導電性金
属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフ
ッ素又はアンチモンをドープしたもの等)が挙げられ
る。導電層の厚さは0.02〜10μm程度が好ましい。
【0022】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲は50Ω/□以下であり、さらに好
ましくは20Ω/□以下である。
【0023】導電性支持体側から光を照射する場合に
は、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。
実質的に透明であるとは、可視〜近赤外領域(400〜120
0nm)の光の一部又は全域において透過率が10%以上で
あることを意味し、50%以上であるのが好ましく、80%
以上がより好ましい。特に、感光層が感度を有する波長
域の透過率が高いことが好ましい。
【0024】透明導電性支持体としては、ガラス又はプ
ラスチック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物から
なる透明導電層を塗布又は蒸着等により形成したものが
好ましい。透明導電層として好ましいものは、フッ素若
しくはアンチモンをドーピングした二酸化スズ或いはイ
ンジウム−スズ酸化物(ITO)である。透明基板にはコ
スト及び強度の点で有利なソーダガラス、アルカリ溶出
の影響のない無アルカリガラス等のガラス基板のほか、
透明ポリマーフィルムを用いることができる。透明ポリ
マーフィルムの材料としては、トリアセチルセルロース
(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリ
スチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、
ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポ
リスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PE
S)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、
環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ樹脂等があ
る。十分な透明性を確保するために、導電性金属酸化物
の塗布量はガラス又はプラスチックの支持体1m2当たり
0.01〜100gとするのが好ましい。
【0025】透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金
属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質は白
金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀等の
金属が好ましい。金属リードは透明基板に蒸着、スパッ
タリング等で設置し、その上に導電性の酸化スズ、ITO
膜等からなる透明導電層を設けるのが好ましい。金属リ
ード設置による入射光量の低下は、好ましくは10%以
内、より好ましくは1〜5%とする。
【0026】(2)感光層 感光層において、半導体は感光体として作用し、光を吸
収して電荷分離を行い電子と正孔を生ずる。色素増感し
た半導体では、光吸収及びこれによる電子及び正孔の発
生は主として色素において起こり、半導体微粒子はこの
電子(又は正孔)を受け取り、伝達する役割を担う。本
発明で用いる半導体は光励起下で伝導体電子がキャリア
ーとなり、アノード電流を与えるn型半導体であること
が好ましい。
【0027】(a)半導体 半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体
半導体、III-V族系化合物半導体、金属のカルコゲニド
(酸化物、硫化物、セレン化物、それらの複合物等)、
ペロブスカイト構造を有する化合物(チタン酸ストロン
チウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チ
タン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を使用するこ
とができる。中でも金属カルコゲニドが好ましい。
【0028】好ましい金属のカルコゲニドとして、チタ
ン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハ
フニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イ
ットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ又はタンタ
ルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン又
はビスマスの硫化物、カドミウム又は鉛のセレン化物、
カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合物半
導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム
等のリン化物、ガリウム−ヒ素又は銅−インジウムのセ
レン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げられる。さ
らには、MxOySz又はM1xM2yOz(M、M1及びM2はそれぞれ
金属元素、Oは酸素、x、y、zは価数が中性になる組み合
わせの数)のような複合物も好ましく用いることができ
る。
【0029】本発明に用いる半導体の好ましい具体例
は、Si、TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5、CdS、Z
nS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、SrTiO3、GaP、InP、GaA
s、CuInS2、CuInSe2等であり、より好ましくはTiO2、Zn
O、SnO2、Fe2O3、WO3、Nb2O5、CdS、PbS、CdSe、SrTi
O3、InP、GaAs、CuInS2又はCuInSe2であり、特に好まし
くはTiO2、ZnO、SnO2又はWO3であり、最も好ましくはTi
O2である。TiO2の中でもアナターゼ型結晶を70%以上含
むTiO2が好ましく、100%アナターゼ型結晶のTiO2が特
に好ましい。また、これらの半導体中の電子電導性を上
げる目的で金属をドープすることも有効である。ドープ
する金属としては2又は3価の金属が好ましい。半導体
から電荷輸送層へ逆電流が流れるのを防止する目的で、
半導体に1価の金属をドープすることも有効である。
【0030】本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶
でもよいが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイ
バックタイム等の観点からは多結晶が好ましく、半導体
微粒子からなる多孔質膜が特に好ましい。また、一部ア
モルファス部分を含んでいてもよい。
【0031】半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmのオ
ーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径か
ら求めた一次粒子の平均粒径は5〜200nmであるのが好
ましく、8〜100nmがより好ましい。また分散液中の半
導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.01〜30μmが好
ましい。粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混合し
てもよく、この場合小さい粒子の平均サイズは25nm以下
であるのが好ましく、より好ましくは10nm以下である。
入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、粒径
の大きな、例えば100〜300nm程度の半導体粒子を混合す
ることも好ましい。
【0032】種類の異なる2種以上の半導体微粒子を混
合して用いてもよい。2種以上の半導体微粒子を混合し
て使用する場合、一方はTiO2、ZnO、Nb2O5又はSrTiO3
あることが好ましい。また他方はSnO2、Fe2O3又はWO3
あることが好ましい。さらに好ましい組み合わせとして
は、ZnOとSnO2、ZnOとWO3、ZnOとSnO2とWO3等の組み合
わせを挙げることができる。2種以上の半導体微粒子を
混合して用いる場合、それぞれの粒径が異なっていても
よい。特にTiO2、ZnO、Nb2O5又はSrTiO3の粒径が大き
く、SnO2、Fe2O3又はWO3が小さい組み合わせが好まし
い。好ましくは大きい粒径の粒子を100nm以上、小さい
粒径の粒子を15nm以下とする。
【0033】半導体微粒子の作製法としては、作花済夫
の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技
術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法や、杉本忠夫の
「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイ
ズ形態制御」、まてりあ, 第35巻, 第9号, 1012〜1018
頁(1996年)等に記載のゲル−ゾル法が好ましい。また
Degussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分
解により酸化物を作製する方法も好ましく使用できる。
【0034】半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾ
ル-ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高
温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の
「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)
に記載の硫酸法又は塩素法を用いることもできる。さら
にゾル−ゲル法として、Barbeらのジャーナル・オブ・
アメリカン・セラミック・ソサエティー, 第80巻, 第12
号, 3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、Burnside
らのケミストリー・オブ・マテリアルズ, 第10巻, 第9
号, 2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0035】(b)半導体微粒子層 半導体微粒子を導電性支持体上に塗布するには、半導体
微粒子の分散液又はコロイド溶液を導電性支持体上に塗
布する方法の他に、前述のゾル−ゲル法等を使用するこ
ともできる。光電変換素子の量産化、半導体微粒子液の
物性、導電性支持体の融通性等を考慮した場合、湿式の
製膜方法が比較的有利である。湿式の製膜方法として
は、塗布法、印刷法、電解析出法及び電着法が代表的で
ある。また、金属を酸化する方法、金属溶液から配位子
交換等で液相にて析出させる方法(LPD法)、スパッタ
等で蒸着する方法、CVD法、或いは加温した基板上に熱
分解する金属酸化物プレカーサーを吹き付けて金属酸化
物を形成するSPD法を利用することもできる。
【0036】半導体微粒子の分散液を作製する方法とし
ては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、半導体を
合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使
用する方法等が挙げられる。
【0037】分散媒としては、水及び各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、シトロネロール、ターピネオール、ジクロロメタ
ン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が使用
できる。分散の際、必要に応じてポリエチレングリコー
ル、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースのようなポリマー、界面活性剤、酸、キレート
剤等を分散助剤として用いてもよい。ポリエチレングリ
コールの分子量を変えることで分散液の粘度が調節可能
となり、さらに剥がれにくい半導体層を形成したり、半
導体層の空隙率をコントロールできるので、ポリエチレ
ングリコールを添加することは好ましい。
【0038】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエ
アーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションと
メータリングを同一部分にできるものとして特公昭58-4
589号に開示されているワイヤーバー法、米国特許26812
94号、同2761419号、同2761791号等に記載のスライドホ
ッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好ま
しい。また汎用機としてスピン法やスプレー法も好まし
い。湿式印刷方法としては、凸版、オフセット及びグラ
ビアの三大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン
印刷等が好ましい。これらの中から液粘度やウェット厚
さに応じて製膜方法を選択してよい。
【0039】半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の
違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が
異なる半導体微粒子(或いは異なるバインダー、添加
剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもでき
る。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効
である。
【0040】一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚
さと同じ)が厚くなるほど、単位投影面積当たりの担持
色素量が増えるため光の捕獲率が高くなるが、生成した
電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大き
くなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは
0.1〜100μmである。光電池に用いる場合、半導体微粒
子層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25μmがより好
ましい。半導体微粒子の支持体1m2当たりの塗布量は0.
5〜100gが好ましく、3〜50gがより好ましい。
【0041】半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した
後で半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、
塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるため
に、加熱処理するのが好ましい。好ましい加熱温度の範
囲は40℃以上700℃以下であり、より好ましくは100℃以
上600℃以下である。また加熱時間は10分〜10時間程度
である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い
支持体を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招くた
め好ましくない。またコストの観点からもできる限り低
温(例えば50℃〜350℃)であるのが好ましい。低温化
は5nm以下の小さい半導体微粒子や鉱酸、金属酸化物プ
レカーサーの存在下での加熱処理等により可能となり、
また、紫外線、赤外線、マイクロ波等の照射や電界、超
音波を印加することにより行うこともできる。同時に不
要な有機物等を除去する目的で、上記の照射や印加のほ
か加熱、減圧、酸素プラズマ処理、純水洗浄、溶剤洗
浄、ガス洗浄等を適宜組み合わせて併用することが好ま
しい。
【0042】加熱処理後、半導体微粒子の表面積を増大
させたり、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半
導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四
塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタ
ン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよ
い。また、半導体微粒子から電荷輸送層へ逆電流が流れ
るのを防止する目的で、粒子表面に色素以外の電子電導
性の低い有機物を吸着させることも有効である。吸着さ
せる有機物としては疎水性基を持つものが好ましい。
【0043】半導体微粒子層は、多くの色素を吸着する
ことができるように大きい表面積を有することが好まし
い。半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表
面積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好まし
く、さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限は
特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0044】(c)色素 感光層に用いる色素は可視域や近赤外域に吸収を有し、
半導体を増感しうる化合物であれば任意に用いることが
でき、金属錯体色素、メチン色素、ポルフィリン系色素
又はフタロシアニン系色素が好ましい。光電変換の波長
域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるために
は、二種類以上の色素を併用又は混合して使用するのが
好ましい。この場合、目的とする光源の波長域と強度分
布に合わせるように、併用又は混合する色素とその割合
を選ぶことができる。
【0045】こうした色素は半導体微粒子の表面に対し
て吸着能力の有る適当な結合基(interlocking group)
を有しているのが好ましい。好ましい結合基としては、
-COOH基、-OH基、-SO3H基、-P(O)(OH)2基及び-OP(O)(O
H)2基のような酸性基、並びにオキシム、ジオキシム、
ヒドロキシキノリン、サリチレート及びα-ケトエノレ
ートのようなπ伝導性を有するキレート化基が挙げられ
る。中でも-COOH基、-P(O)(OH)2基及び-OP(O)(OH)2基が
特に好ましい。これらの基はアルカリ金属等と塩を形成
していてもよく、また分子内塩を形成していてもよい。
またポリメチン色素の場合、メチン鎖がスクアリリウム
環やクロコニウム環を形成する場合のように酸性基を含
有するなら、この部分を結合基としてもよい。
【0046】以下、感光層に用いる好ましい増感色素を
具体的に説明する。
【0047】(i)金属錯体色素 色素が金属錯体色素である場合、金属フタロシアニン色
素、金属ポルフィリン色素又はルテニウム錯体色素が好
ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。ルテニウ
ム錯体色素としては、例えば米国特許4927721号、同468
4537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5
525440号、特開平7-249790号、特表平10-504512号、WO9
8/50393号、特開2000-26487号等に記載のものが挙げら
れる。
【0048】さらに本発明で用いるルテニウム錯体色素
は下記一般式(I): (A1)pRu(B-a)(B-b)(B-c) ・・・(I) により表されるのが好ましい。一般式(I)中、A1は1又
は2座の配位子を表し、好ましくはCl、SCN、H2O、Br、
I、CN、NCO、SeCN、β-ジケトン誘導体、シュウ酸誘導
体及びジチオカルバミン酸誘導体からなる群から選ばれ
た配位子である。pは0〜3の整数である。B-a、B-b及
びB-cはそれぞれ独立に下記式B-1〜B-10のいずれかによ
り表される有機配位子を表す。
【0049】
【化1】
【0050】式B-1〜B-10中、R11は水素原子又は置換基
を表し、該置換基の例としてはハロゲン原子、炭素原子
数1〜12の置換又は無置換のアルキル基、炭素原子数7
〜12の置換又は無置換のアラルキル基、炭素原子数6〜
12の置換又は無置換のアリール基、前述の酸性基(これ
らの酸性基は塩を形成していてもよい)及びキレート化
基が挙げられる。ここで、アルキル基及びアラルキル基
のアルキル部分は直鎖状でも分岐状でもよく、またアリ
ール基及びアラルキル基のアリール部分は単環でも多環
(縮合環、環集合)でもよい。B-a、B-b及びB-cは同一
でも異なっていてもよく、いずれか1つ又は2つでもよ
い。
【0051】金属錯体色素の好ましい具体例を以下に示
すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
【化2】
【0053】
【化3】
【0054】(ii)メチン色素 本発明に使用する色素の好ましいメチン色素は、シアニ
ン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等のポ
リメチン色素である。本発明で好ましく用いられるポリ
メチン色素の例としては、特開平11-35836号、特開平11
-67285号、特開平11-86916号、特開平11-97725号、特開
平11-158395号、特開平11-163378号、特開平11-214730
号、特開平11-214731号、特開平11-238905号、特開2000
-26487号、欧州特許892411号、同911841号及び同991092
号の各明細書に記載の色素が挙げられる。好ましいメチ
ン色素の具体例を下に示す。
【0055】
【化4】
【0056】
【化5】
【0057】(d)半導体微粒子への色素の吸着 半導体微粒子膜への色素の吸着は、色素の溶液中によく
乾燥した半導体微粒子層を有する導電性支持体を浸漬す
るか、色素の溶液を半導体微粒子層に塗布する方法を用
いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ法、
ローラ法、エアーナイフ法等が使用可能である。浸漬法
の場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開平7-
249790号に記載されているように加熱還流して行っても
よい。また後者の塗布方法としては、ワイヤーバー法、
スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン
法、スピン法、スプレー法等がある。また、インクジェ
ット法等によって色素を画像状に塗布し、この画像その
ものを光電変換素子とすることもできる。
【0058】上記色素の溶液に用いる好ましい溶媒の例
としては、アルコール類(メタノール、エタノール、t-
ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(ア
セトニトリル、プロピオニトリル、3-メトキシプロピオ
ニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジ
クロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロ
ベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミド類
(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタミド
等)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジ
ノン、3-メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸エ
チル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチ
ル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(ア
セトン、2-ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素
(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)及
びこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0059】未吸着の色素は、吸着後速やかに洗浄によ
り除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽を使い、ア
セトニトリル等の極性溶剤、アルコール系溶剤のような
有機溶媒等で行うのが好ましい。
【0060】色素の全吸着量は、多孔質作用極基板の単
位面積(1m2)当たり0.01〜100mmolとするのが好まし
い。また色素の半導体微粒子に対する吸着量は、半導体
微粒子1g当たり0.01〜1mmolの範囲であるのが好まし
い。このような色素の吸着量とすることにより半導体に
おける増感効果が十分に得られる。これに対し、色素が
少なすぎると増感効果が不十分となり、また色素が多す
ぎると半導体に付着していない色素が浮遊し、増感効果
を低減させる原因となる。色素の吸着量を増大させるた
めには、吸着前に加熱処理を行うのが好ましい。加熱処
理後、半導体微粒子表面に水が吸着するのを避けるた
め、常温に戻さずに、作用極基板の温度が60〜150℃の
間で素早く色素の吸着操作を行うのが好ましい。
【0061】上記色素の溶液には、色素間の凝集等の相
互作用を低減するために、界面活性な性質を持つ無色の
化合物を添加し、半導体微粒子に共吸着させてよい。こ
のような無色の化合物の例としては、カルボキシル基や
スルホン酸基を有するステロイド化合物(ケノデオキシ
コール酸、タウロデオキシコール酸等)や、下記のよう
なスルホン酸塩類等が挙げられる。また該溶液には紫外
線吸収剤、界面活性剤等を添加してもよい。
【0062】
【化6】
【0063】色素吸着後にアミン類や4級アンモニウム
塩等の化合物を用いて半導体微粒子の表面を処理しても
よい。該アミン類は好ましくはピリジン、4-t-ブチルピ
リジン、ポリビニルピリジン等であり、4級アンモニウ
ム塩は好ましくはテトロブチルアンモニウムヨージド、
テトラヘキシルアンモニウムヨージド等である。これら
は有機溶媒に溶解して用いてよく、これらが液体の場合
はそのまま用いてもよい。
【0064】(3)下塗り層 対極と導電性支持体の短絡を防止するため、導電性支持
体と感光層の間には、緻密な半導体の薄膜層を下塗り層
として予め塗設しておくことが好ましい。この下塗り層
により短絡を防止する方法は、電荷輸送層に電子輸送材
料や正孔輸送材料を用いる場合は特に有効である。下塗
り層は好ましくはTiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO又はNb2
O5からなり、さらに好ましくはTiO2からなる。下塗り層
は、例えばElectrochim. Acta, 40, 643-652 (1995)に
記載されているスプレーパイロリシス法や、スパッタ法
等により塗設することができる。下塗り層の好ましい膜
厚は5〜1000nmであり、10〜500nmがさらに好ましい。
【0065】(B)電荷輸送層 電荷輸送層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有す
る電荷輸送材料を含有する層である。本発明の受光素子
がA型受光素子である場合、電荷輸送材料は(i)イオンが
関わる電荷輸送材料(イオン伝導材料)であっても、(i
i)固体中のキャリアー移動が関わる電荷輸送材料であっ
てもよい。(i)イオンが関わる電荷輸送材料としては、
酸化還元対を含有する溶融塩電解質組成物、酸化還元対
のイオンが溶解した溶液(電解液)、酸化還元対の溶液
をポリマーマトリクスのゲルに含浸したいわゆるゲル電
解質組成物、固体電解質組成物等が挙げられ、(ii)固体
中のキャリアー移動が関わる電荷輸送材料としては、電
子輸送材料や正孔(ホール)輸送材料等が挙げられる。
A型受光素子の電荷輸送層は酸化還元種を含むイオン伝
導材料又はホール輸送材料により形成するのが好まし
い。一方、本発明の受光素子がB型受光素子である場
合、電荷輸送材料は、色素酸化体に電子を補充できな
い、及び/又は対極から電子を受容しないものであるの
が好ましい。B型受光素子の電荷輸送層は酸化還元種を
含まないイオン伝導材料により形成するのが好ましい。
以下、本発明で使用できる電荷輸送材料について詳述す
る。なお、以下に説明する電荷輸送材料は複数併用する
ことができる。
【0066】(1)溶融塩電解質組成物 <A型受光素子の場合>A型受光素子において、溶融塩電
解質組成物は、光電変換効率と耐久性の両立という観点
から、電荷輸送材料として好ましく使用される。溶融塩
電解質とは、室温において液状であるか、又は低融点の
電解質であり、例えばWO95/18456号、特開平8-259543
号、電気化学, 第65巻, 11号, 923頁 (1997年)等に記載
されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリア
ゾリウム塩等を挙げることができる。溶融塩の融点は10
0℃以下であるのが好ましく、室温付近において液状で
あるのが特に好ましい。
【0067】本発明では、下記一般式(Y-a)、(Y-b)及び
(Y-c)のいずれかにより表される溶融塩が好ましく使用
できる。
【0068】
【化7】
【0069】一般式(Y-a)中のQy1は窒素原子と共に5又
は6員環の芳香族カチオンを形成する原子団を表す。Q
y1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄
原子からなる群から選ばれる原子により構成されるのが
好ましい。Qy1が形成する5員環はオキサゾール環、チ
アゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イソオキ
サゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、
トリアゾール環、インドール環又はピロール環であるの
が好ましく、オキサゾール環、チアゾール環又はイミダ
ゾール環であるのがより好ましく、オキサゾール環又は
イミダゾール環であるのが特に好ましい。Qy1が形成す
る6員環はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、
ピラジン環又はトリアジン環であるのが好ましく、ピリ
ジン環であるのが特に好ましい。
【0070】一般式(Y-b)中のAy1は窒素原子又はリン原
子を表す。
【0071】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のRy1〜R
y11はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基(好
ましくは炭素原子数1〜24であり、直鎖状であっても分
岐状であっても、また環式であってもよく、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、
t-オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル
基、2-ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘキ
シル基、シクロペンチル基等)、或いは置換又は無置換
のアルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24であり、
直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えばビニル
基、アリル基等)を表す。Ry1〜Ry11はそれぞれ独立
に、より好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基又は
炭素原子数2〜18のアルケニル基であり、特に好ましく
は炭素原子数2〜6のアルキル基である。
【0072】一般式(Y-b)中のRy2〜Ry5のうち2つ以上
が互いに連結してAy1を含む非芳香族環を形成してもよ
く、一般式(Y-c)中のRy6〜Ry11のうち2つ以上が互いに
連結して環を形成してもよい。
【0073】上記Qy1及びRy1〜Ry11は置換基を有してい
てもよい。好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子
(F、Cl、Br、I等)、シアノ基、アルコキシ基(メトキ
シ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシエト
キシエトキシ基等)、アリーロキシ基(フェノキシ基
等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基
等)、アルコキシカルボニル基(エトキシカルボニル基
等)、炭酸エステル基(エトキシカルボニルオキシ基
等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ベンゾ
イル基等)、スルホニル基(メタンスルホニル基、ベン
ゼンスルホニル基等)、アシルオキシ基(アセトキシ
基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホニルオキシ基(メ
タンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基
等)、ホスホニル基(ジエチルホスホニル基等)、アミ
ド基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カ
ルバモイル基(N,N-ジメチルカルバモイル基等)、アル
キル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、シクロプロピル基、ブチル基、2-カルボキシエチ
ル基、ベンジル基等)、アリール基(フェニル基、トル
イル基等)、複素環基(ピリジル基、イミダゾリル基、
フラニル基等)、アルケニル基(ビニル基、1-プロペニ
ル基等)、シリル基、シリルオキシ基等が挙げられる。
【0074】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)のいずれか
により表される溶融塩は、Qy1及びRy 1〜Ry11のいずれか
を介して多量体を形成してもよい。
【0075】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中、X-はア
ニオンを表す。X-の好ましい例としてはハロゲン化物イ
オン(I-、Cl-、Br-等)、SCN-、BF4 -、PF6 -、ClO4 -
(CF3SO2)2N-、(CF3CF2SO2)2N-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CF3
COO-、Ph4B-、(CF3SO2)3C-、等が挙げられる。X-はI-
SCN-、CF3SO3 -、CF3COO-、(CF3SO2)2N-又はBF4 -である
のがより好ましい。
【0076】本発明で好ましく用いられる溶融塩の具体
例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけ
ではない。
【0077】
【化8】
【0078】
【化9】
【0079】
【化10】
【0080】
【化11】
【0081】
【化12】
【0082】
【化13】
【0083】溶融塩は単独で使用しても2種以上混合し
て使用してもよい。また、LiI等のヨウ素塩やCF3COOL
i、CF3COONa、LiSCN、NaSCN等のアルカリ金属塩を併用
することもできる。アルカリ金属塩の添加量は、組成物
全体に対して0.02〜2質量%であるのが好ましく、0.1
〜1質量%がさらに好ましい。
【0084】溶融塩電解質は常温で溶融状態であるのが
好ましく、これを含有する組成物には溶媒を用いない方
が好ましい。後述する溶媒を添加しても構わないが、溶
融塩の含有量は組成物全体に対して50質量%以上である
のが好ましく、90質量%以上であるのが特に好ましい。
また、組成物が含む塩のうち50質量%以上がヨウ素塩で
あることが好ましい。
【0085】溶融塩電解質組成物にはヨウ素を添加する
のが好ましく、この場合、ヨウ素の含有量は、組成物全
体に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5
質量%であるのがより好ましい。
【0086】<B型受光素子の場合>B型受光素子におい
ては、上記A型受光素子の場合に使用できる溶融塩のう
ち、ヨウ素イオン及び/又はヨウ素を含まないものが好
ましく使用できる。
【0087】(2)電解液 <A型受光素子の場合>A型受光素子に電解液を用いる場
合、電解液は電解質、溶媒及び添加物から構成されるこ
とが好ましい。電解液には、電解質としてI2とヨウ化物
(LiI、NaI、KI、CsI、CaI2等の金属ヨウ化物、テトラ
アルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダ
イド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム
化合物ヨウ素塩等)の組み合わせ、Br2と臭化物(LiB
r、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2等の金属臭化物、テトラア
ルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイ
ド等の4級アンモニウム化合物臭素塩等)の組み合わせ
のほか、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロ
セン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナ
トリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等
のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノ
ン等を用いることができる。この中でもI2とLiI又はピ
リジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の
4級アンモニウム化合物ヨウ素塩を組み合わせた電解質
が好ましい。上述した電解質は混合して用いてもよい。
【0088】電解液中の電解質濃度は好ましくは0.1〜1
0Mであり、より好ましくは0.2〜4Mである。また、電解
液にヨウ素を添加する場合の好ましいヨウ素の添加濃度
は0.01〜0.5Mである。
【0089】電解液に使用する溶媒は、粘度が低くイオ
ン移動度を向上したり、若しくは誘電率が高く有効キャ
リアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発
現できる化合物であることが望ましい。このような溶媒
としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート等のカーボネート化合物、3-メチル-2-オキサゾリ
ジノン等の複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテ
ル等のエーテル化合物、エチレングリコールジアルキル
エーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、
ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロ
ピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル
類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノ
アルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキル
エーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等
のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトニト
リル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、
プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合
物、ジメチルスルフォキシド、スルフォラン等の非プロ
トン極性物質、水等が挙げられ、これらを混合して用い
ることもできる。
【0090】また、J. Am. Ceram. Soc., 80 (12) 3157
-3171 (1997)に記載されているようなtert-ブチルピリ
ジンや、2-ピコリン、2,6-ルチジン等の塩基性化合物を
前述の溶融塩電解質組成物や電解液に添加することが好
ましい。塩基性化合物を添加する場合の好ましい濃度範
囲は0.05〜2Mである。
【0091】<B型受光素子の場合>B型受光素子に用い
る電解液は、上記A型受光素子の場合と同様に、電解質
塩、溶媒及び添加物から構成されることが好ましい。電
解質塩は溶媒に溶解し電離するものであれば特に限定さ
れない。好ましい電解質塩の具体例としては、上記溶融
塩中の有機カチオン又はLi+、K+、Na+、Ce2+等の金属カ
チオンと、上記一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のアニ
オンX-とを組み合わせてなる塩が挙げられる。溶媒は上
記A型受光素子の場合と同様のものが使用できる。
【0092】(3)ゲル電解質組成物 A型受光素子及びB型受光素子においては、ポリマー添
加、オイルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重
合、ポリマーの架橋反応等の手法により、前述の溶融塩
電解質組成物や電解液をゲル化(固体化)させて使用す
ることもできる。ポリマー添加によりゲル化させる場合
は、“Polymer Electrolyte Reviews-1及び2”(J. R.
MacCallumとC. A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLIED
SCIENCE)に記載された化合物を使用することができる
が、特にポリアクリロニトリル及びポリフッ化ビニリデ
ンが好ましく使用できる。オイルゲル化剤添加によりゲ
ル化させる場合は工業科学雑誌(J. Chem. Soc. Japan,
Ind. Chem. Sec.), 46, 779 (1943)、J. Am. Chem. S
oc., 111, 5542 (1989)、J. Chem. Soc., Chem. Commu
n.,1993, 390、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 35, 194
9 (1996)、Chem. Lett., 1996, 885、及びJ. Chem. So
c., Chem. Commun., 1997, 545に記載されている化合物
を使用することができるが、好ましい化合物は分子構造
中にアミド構造を有する化合物である。電解液をゲル化
した例は特開平11-185863号に、溶融塩電解質をゲル化
した例は特開2000-58140号にも記載されており、これら
も本発明に適用できる。
【0093】また、ポリマーの架橋反応によりゲル化さ
せる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリマー及び
架橋剤を併用することが望ましい。この場合、好ましい
架橋可能な反応性基は、アミノ基、含窒素複素環(ピリ
ジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール
環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリジン環、ピ
ペラジン環等)であり、好ましい架橋剤は、窒素原子に
対して求電子反応可能な2官能以上の試薬(ハロゲン化
アルキル類、ハロゲン化アラルキル類、スルホン酸エス
テル類、酸無水物、酸クロライド類、イソシアネート化
合物、α,β-不飽和スルホニル化合物、α,β-不飽和カ
ルボニル化合物、α,β-不飽和ニトリル化合物等)であ
り、特開2000-17076号及び同2000-86724号に記載されて
いる架橋技術も適用できる。
【0094】(4)高分子電解質組成物 A型受光素子及びB型受光素子においては、電解質塩を高
分子化合物に溶解してなる高分子電解質組成物を使用す
ることもできる。該高分子化合物としては、それ自体が
電解質塩を溶解してイオン伝導性を示すもの、或いはそ
れ自体は電解質塩を溶解できないが、溶媒を用いて電解
質塩を溶解することによって高分子化合物がイオン伝導
性を示すものを用いることができる。
【0095】それ自体が電解質塩を溶解してイオン伝導
性を示す高分子化合物の例としては、ポリエチレングリ
コールや、側鎖にポリオキシエチレン構造を有するポリ
アクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレンオキシ
ド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニルアルコール、
ポリフォスファゼン、ポリシラン又はそれらの共重合体
等が挙げられる。これらは架橋構造を有するものであっ
てもよい。このような電解質塩を溶解することができる
高分子化合物を用いる場合も、溶媒を併用してもよい。
【0096】それ自体は電解質塩を溶解できないが、溶
媒を用いて電解質塩を溶解することによってイオン伝導
性を示す高分子化合物の例としては、ポリ塩化ビニル、
ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリアクリレート、それらの共重合
体等が挙げられる。これらは架橋構造を有するものであ
ってもよい。
【0097】(5)正孔輸送材料 本発明では、溶融塩等のイオン伝導性電解質のかわり
に、有機又は無機或いはこの両者を組み合わせた固体の
正孔輸送材料を使用することができる。
【0098】(a)有機正孔輸送材料 本発明に適用可能な有機正孔輸送材料としては、J. Hag
en, et al., Synthetic Metal, 89, 215-220 (1997)、N
ature, Vol.395, 8 Oct., p583-585 (1998)及びWO97/10
617、特開昭59-194393号、特開平5-234681号、米国特許
第4,923,774号、特開平4-308688号、米国特許第4,764,6
25号、特開平3-269084号、特開平4-129271号、特開平4-
175395号、特開平4-264189号、特開平4-290851号、特開
平4-364153号、特開平5-25473号、特開平5-239455号、
特開平5-320634号、特開平6-1972号、特開平7-138562
号、特開平7-252474号、特開平11-144773号等に示され
る芳香族アミン類や、特開平11-149821号、特開平11-14
8067号、特開平11-176489号等に記載のトリフェニレン
誘導体類を好ましく用いることができる。また、Adv.Ma
ter., 9, No.7, p557 (1997)、Angew. Chem. Int. Ed.
Engl., 34, No.3, p303-307 (1995)、JACS, Vol.120, N
o.4, p664-672 (1998)等に記載されているオリゴチオフ
ェン化合物、K. Murakoshi, et al., Chem. Lett. p471
(1997)に記載のポリピロール、“Handbook of Organic
Conductive Molecules and Polymers, Vol. 1,2,3,4”
(NALWA著、WILEY出版)に記載されているポリアセチレ
ン及びその誘導体、ポリ(p-フェニレン)及びその誘導
体、ポリ(p-フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリ
チエニレンビニレン及びその誘導体、ポリチオフェン及
びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリトル
イジン及びその誘導体等の導電性高分子を好ましく使用
することができる。
【0099】正孔輸送材料にはNature, Vol.395, 8 Oc
t., p583-585 (1998)に記載されているようにドーパン
トレベルをコントロールするためにトリス(4-ブロモフ
ェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのよう
なカチオンラジカルを含有する化合物を添加したり、酸
化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補
償)を行うためにLi[(CF3SO2)2N]のような塩を添加して
も構わない。
【0100】(b)無機正孔輸送材料 無機正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体を用
いることができる。この目的のp型無機化合物半導体
は、バンドギャップが2eV以上であることが好ましく、
2.5eV以上であることがより好ましい。また、p型無機化
合物半導体のイオン化ポテンシャルは色素の正孔を還元
できる条件から、色素吸着電極のイオン化ポテンシャル
より小さいことが必要である。使用する色素によってp
型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい
範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下であ
ることが好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下であるこ
とが好ましい。好ましいp型無機化合物半導体は1価の
銅を含む化合物半導体であり、1価の銅を含む化合物半
導体の例としてはCuI、CuSCN、CuInSe2、Cu(In,Ga)S
e 2、CuGaSe2、Cu2O、CuS、CuGaS2、CuInS2、CuAlSe2
が挙げられる。この中でもCuI及びCuSCNが好ましく、Cu
Iが最も好ましい。このほかのp型無機化合物半導体とし
ては、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi2O3、MoO2、Cr2O3等を用
いることができる。
【0101】(6)電荷輸送層の形成 電荷輸送層の形成方法に関しては2通りの方法が可能で
ある。1つは感光層の上に先に対極を貼り合わせてお
き、その間隙に液状の電荷輸送層を挟み込む方法であ
る。もう1つは感光層上に直接、電荷輸送層を付与する
方法で、対極はその後付与することになる。
【0102】前者の方法の場合、電荷輸送層の挟み込み
方法として、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロ
セス、又は常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に
置換する真空プロセスを利用できる。
【0103】後者の方法の場合、湿式の電荷輸送層にお
いては未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防
止措置を施すことになる。またゲル電解質の場合には湿
式で塗布して重合等の方法により固体化する方法があ
り、その場合には乾燥、固定化した後に対極を付与する
こともできる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲ
ル電解質を付与する方法としては、前述の半導体微粒子
層や色素の付与と同様の方法を利用できる。
【0104】固体電解質や固体の正孔輸送材料の場合に
は真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷輸送層
を形成し、その後対極を付与することもできる。有機正
孔輸送材料は真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピン
コート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等の手法
により電極内部に導入することができる。無機固体化合
物の場合も、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸
漬法、電解析出法、無電解メッキ法等の手法により電極
内部に導入することができる。
【0105】(C)対極 対極は前記の導電性支持体と同様に、導電性材料からな
る対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と支持
基板から構成されていてもよい。対極導電層に用いる導
電材としては、金属(白金、金、銀、銅、アルミニウ
ム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、及び導電性
金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、フッ素ドー
プ酸化スズ等)が挙げられる。この中でも白金、金、
銀、銅、アルミニウム及びマグネシウムが好ましく使用
することができる。対極に用いる支持基板は、好ましく
はガラス基板又はプラスチック基板であり、これに上記
の導電材を塗布又は蒸着して用いる。対極導電層の厚さ
は特に制限されないが、3nm〜10μmが好ましい。対極
導電層の表面抵抗は低い程よい。好ましい表面抵抗の範
囲は50Ω/□以下であり、さらに好ましくは20Ω/□以
下である。
【0106】導電性支持体と対極のいずれか一方又は両
方から光を照射してよいので、感光層に光が到達するた
めには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質的
に透明であればよい。発電効率の向上の観点からは、導
電性支持体を透明にして光を導電性支持体側から入射さ
せるのが好ましい。この場合、対極は光を反射する性質
を有するのが好ましい。このような対極としては、金属
又は導電性酸化物を蒸着したガラス又はプラスチック、
或いは金属薄膜を使用できる。
【0107】対極は電荷輸送層上に直接導電剤を塗布、
メッキ又は蒸着(PVD、CVD)するか、導電層を有する基
板の導電層側を貼り付ければよい。また、導電性支持体
の場合と同様に、特に対極が透明の場合には対極の抵抗
を下げる目的で金属リードを用いるのが好ましい。な
お、好ましい金属リードの材質及び設置方法、金属リー
ド設置による入射光量の低下等は導電性支持体の場合と
同じである。
【0108】(D)その他 導電性支持体と対極の一方又は両方の外側表面、導電層
と基板の間又は基板の中間に、保護層、反射防止層等の
機能性層を設けてもよい。これらの機能性層の形成に
は、その材質に応じて塗布法、蒸着法、貼り付け法等を
用いることができる。
【0109】[2]積層型受光素子 複数の作用極を電荷輸送層及び/又は対極を介して積層
することにより積層型受光素子が得られる。この積層型
受光素子は複数の作用極、少なくとも1つの対極、及び
少なくとも1層の電荷輸送層とを有する。通常、複数の
作用極及び対極を相互に間隙を設けて積層し、各間隙に
電荷移動材料を充填する。それぞれの層の境界では各層
の構成成分同士が相互に拡散混合していてもよい。
【0110】対極は各作用極に対して複数設けてもよい
し、複数の作用極に対する共通対極を1層のみ設けても
よい。後者の場合、複数の作用極の全てが電荷輸送層を
介して対極と電気的に接触している必要があるため、作
用極及び/又は対極に電荷移動用リーク孔を設ける。
【0111】積層型受光素子には、機械的強度を付与す
るために支持体を設けてもよい。支持体は複数設けてよ
く、また支持体の片面のみに作用極又は対極を設けても
よいし、支持体の両面に作用極及び対極、2層の作用極
又は2層の対極を設けてもよい。
【0112】本発明の積層型受光素子では、複数の作用
極の全てに光を到達させるために、複数の作用極及び対
極のうち、最下層の作用極よりも入射光側に設置された
ものは光学的に実質透明であるのが好ましい。
【0113】上記積層型受光素子においては、各作用極
でその感光波長領域の光の強度に応じた光電流が発生す
る。この光電流を外部回路によって検知することによ
り、入射光の色(波長)とその強度をセンシングするこ
とができる。複数の作用極は好ましくはそれぞれ異なる
感光波長を示し、この場合、それぞれ異なる波長の光に
対して上記の光電流を観測できるので、積層型受光素子
は光電変換型カラー光センサーとして利用できる。
【0114】積層型受光素子において、複数の作用極は
その感光波長が短い順に入射光側から積層するのが好ま
しい。例えば青色感光層(B層)を有する作用極、緑色
感光層(G層)を有する作用極、及び赤色感光層(R層)
を有する作用極の3層を積層する場合、光入射側からB
層、G層、R層の順で設置するのが好ましい。
【0115】積層型受光素子をカラー光センサーとして
使用する場合、その分光性を向上するためには、各作用
極がシャープな分光波長特性を有することが好ましく、
作用極のうち少なくとも1層は色素を吸着した半導体を
感光層に含有することが好ましい。更に、青色(B)、緑
色(G)及び赤色(R)の3色の波長領域にそれぞれ強い吸収
を持った作用極を設けることが好ましい。なお、作用極
に色素を用いない場合は、半導体層には可視光波長領域
に光学吸収を持つ半導体、例えばCdS、CdSe、GaAs、Ga
P、Si等を用いるのが好ましい。
【0116】図4〜6はそれぞれ積層型受光素子の好ま
しい実施形態を示す部分断面図である。以下、図面を用
いて本発明の積層型受光素子の構造について詳述する
が、本発明はそれらにより限定されるものではなく、目
的に合わせて様々な形態が可能である。
【0117】図4は、3層の作用極701、702及び703と
1層の共通対極801を用いた積層型受光素子を示す。こ
の積層型受光素子は、透明な支持体901、902及び903を
用い、支持体901の下面に透明な青色作用極701を設け、
支持体902の上面に透明な緑色作用極702を設けるととも
に下面に赤色作用極703を設け、支持体903の上面に対極
801を設け、青色作用極701と緑色作用極702との間、並
びに赤色作用極703と対極801との間にそれぞれ電荷輸送
層301及び302を設置した構造を有する。また緑色作用極
702、支持体902及び赤色作用極703を貫通する電荷移動
用のリーク孔Lにより、青色作用極701、緑色作用極70
2、赤色作用極703及び対極801は、それぞれ電荷輸送層
を介して接している。光は青色作用極701側から入射し
て、青色作用極701を一部透過して緑色作用極702へ、次
いで赤色作用極703へと到達する。なお、青色作用極701
は導電層101及び感光層201からなり、緑色作用極702は
導電層102及び感光層202からなり、赤色作用極703は導
電層103及び感光層203からなる。
【0118】図5は、3層の作用極704、705及び706と
2層の対極802及び803を用いた積層型受光素子を示す。
この積層型受光素子は、透明な支持体904、905及び906
を用い、支持体904の下面に透明な青色作用極704、電荷
輸送層303、透明な対極802及び電荷輸送層304をこの順
に積層し、支持体905の上面に透明な緑色作用極705を設
けるとともに下面に赤色作用極706を設け、支持体906の
上面に対極803、電荷輸送層305をこの順に積層し、支持
体904、905及び906を密着固定した構造を有する。
【0119】図6は、3層の作用極707、708及び709そ
れぞれに対応する3層の対極804、805及び806を用いた
積層型受光素子を示す。この積層型受光素子は、透明な
支持体907、908、909及び910を用い、支持体907の下面
に透明な青色作用極707を設け、支持体908の上面に透明
な対極804を設けるとともに下面に透明な緑色作用極708
を設け、支持体909の上面に透明な対極805を設けるとと
もに下面に赤色作用極709を設け、支持体910の上面に対
極806を設け、各作用極と対極の間に電荷輸送層306、30
7及び308を設置した構造を有する。
【0120】積層型受光素子の内部構造は上記図4〜6
に示すものに限定されず、例えば積層順序を入れ替えた
り、2層又は4層以上の作用極を用いることもできる。
【0121】上記カラー光センサーを1つの画素として
用い、これを二次元的に複数個配列することにより、二
次元の画像情報を電気信号として得るためのカラーイメ
ージセンサーを作製することができる。イメージセンサ
ーを構成する画素、即ち単位となるカラー光センサーを
小さくし、その数を多くすることにより、該イメージセ
ンサーの画像の空間分解能を改善することができ、大面
積化を実現できる。イメージセンサーにおいては、全て
の画素の対極を1つの共通対極とすることもできる。
【0122】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0123】実施例1 1-1.二酸化チタン分散液の調製 内側をテフロン(登録商標)コーティングした内容積20
0mlのステンレス製ベッセルに二酸化チタン(日本アエ
ロジル社 Degussa P-25)15g、水45g、分散剤(アル
ドリッチ社製、Triton X-100)1g、直径0.5mmのジル
コニアビーズ(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグ
ラインダーミル(アイメックス社製)を用いて1500rpm
にて2時間分散した。分散物からジルコニアビーズをろ
過して除いた。この場合の二酸化チタンの平均粒径は2.
5μmであった。このときの粒径はMALVERN社製マスター
サイザーにて測定したものである。
【0124】1-2.色素を吸着したTiO2電極(作用極)
の作製 フッ素をドープした酸化スズをコーティングした導電性
ガラス(旭硝子製TCOガラス-Uを30mm×40mmの大きさに
切断加工したもの)の導電面側にガラス棒を用いて上記
の分散液を長さ方向に塗布した。この際、導電面側の一
部(端から3mm)に粘着テープを張ってスペーサーと
し、粘着テープが両端に来るようにガラスを並べて一度
に8枚ずつ塗布した。塗布後、粘着テープを剥離し、室
温で1日間風乾した。次に、このガラスを電気炉(ヤマ
ト科学製マッフル炉FP-32型)に入れ、450℃にて30分間
焼成し、TiO2電極を得た。この電極を取り出し冷却した
後、図7(a)に示すように、TiO2層を20mm×20mm残して周
囲を削り落とし、ダイヤモンドナイフで破線に沿って約
0.5mm幅で傷を入れ、TiO2層及び導電面を削り落とし
た。このようにして分割した各列間の抵抗値は無限大を
示し、完全に絶縁されていることを確認した。
【0125】上記のように6列に加工したTiO2電極を色
素R-1のエタノール溶液(3×10-4mol/L)に3時間浸漬
した。色素の染着したTiO2電極を4-tert-ブチルピリジ
ンに15分間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥さ
せた。このようにして得られた感光層の厚さは10μmで
あり、半導体微粒子の塗布量は20g/m2とした。なお、同
一列内の導電性ガラスの表面抵抗は約30Ω/□であっ
た。
【0126】1-3.対極の作製 上記TiO2電極に用いたものと同じ導電性ガラス(30mm×
40mm)の導電面を、図7(b)に示すように破線に沿って幅
約0.5mmで削り落とし、6列に絶縁した。次に、スペー
サーとしてサーリーン(デュポン社製、厚さ25μm)を
導電面に熱融着し、その2箇所に電解液を注入するため
の隙間を作って対極を得た。
【0127】1-4.受光素子の作製 図7(c)に示すように、上述のようにして作製した色素増
感TiO2電極基板(30mm×40mm)に、上記対極を各列が直
交するように重ね合わせ、熱融着した。次にスペーサー
の隙間から下記表1に示す電荷輸送材料E-101〜E-104を
染み込ませ、該隙間をエポキシ樹脂で封止した。更に図
7(d)に示すように黒色テープでマスクを施し、16画素
(4×4画素)の受光素子P-101〜P-104をそれぞれ作製
した。受光素子P-101及びP-102はA型受光素子であり、
受光素子P-103及びP-104はB型受光素子である。表1中
に記載の電解質塩ImI-1、ImI-2及びImBFの構造を以下に
示す。
【0128】
【表1】
【0129】
【化14】
【0130】1-5.光−電流応答測定 上述のようにして作成した各受光素子P-101〜P-104を図
3のように配線した。更に各受光素子上に図8に示すマ
スクを設け、受光素子とXeランプ(92mW/cm2)との間に
図9に示す回転円盤スリットを配置した。この円盤スリ
ットを3000rpmで回転させながらXeランプにより光照射
を行い、各画素に対応する端子からの電流応答を測定し
た。その結果、A型受光素子P-101の光照射された各画素
からは図10(a)に示す電流応答が得られ、マスクした各
画素からは図10(b)に示すように電流応答が得られなか
った。A型受光素子P-102の場合も素子P-101と同様の結
果が得られた。また、B型受光素子P-103の光照射された
各画素からは図11(a)に示す電流応答が得られ、マスク
した各画素からは図11(b)に示すように電流応答が得ら
れなかった。B型受光素子P-104の場合も素子P-103と同
様の結果が得られた。以上の結果から、本発明によれ
ば、簡便な方法で画素分割が可能な高感度受光素子が容
易に得られることが判る。
【0131】実施例2 2-1.二酸化チタン分散液の調製 上記実施例1と同様の方法により、二酸化チタン分散液
を調製した。
【0132】2-2.色素を吸着したTiO2電極(作用極)
の作製 色素R-1に替えて下記に示す青色吸収ポリメチン系色素
(DB-1)、緑色吸収色素(DG-2)、及びRuナフタロシア
ニン色素(DR-2)を用いたこと以外は上記実施例1と同
様の方法により、それぞれ青色感光層(B層)、緑色感
光層(G層)又は赤色感光層(R層)を有する3枚の色素
増感TiO2電極を作製した。
【0133】
【化15】
【0134】2-3.積層型カラーセンサーの作製 上記のように作製した各色素増感TiO2電極を用いて、実
施例1と同様の手法により青色感光層、緑色感光層又は
赤色感光層を有する3つの受光素子をそれぞれ作製し
た。なお対極としては上記実施例1と同じものを用い、
電荷輸送材料としては上記E-103を用いた。得られた青
色感光層を有する受光素子、緑色感光層を有する受光素
子、及び赤色感光層を有する受光素子を、この順に各画
素が重なるように重ね合わせ、積層型カラーセンサーを
作製した。
【0135】2-4.光電流の測定とカラー画像情報のセ
ンシング 得られた積層型カラーセンサーについて、各画素から生
じる短絡光電流を上記実施例1と同様に測定した。ここ
では、Xeランプとフィルターを組み合わせることで得ら
れた青色光、緑色光及び赤色光を、図12(a)〜(c)に示す
マスクを施した積層型カラーセンサーにそれぞれ照射
し、B層、G層及びR層の2次元画素マトリクス内で光が
入射した瞬間に発生する光電流の強度分布をもとに、個
々のパターンの検出を行った。積層型カラーセンサーに
青色光、緑色光及び赤色光をそれぞれ単独に入射した際
のB層、G層及びR層における各画素の光電流最大値を図1
2中の(a)〜(c)に示す。図12より、各感光層で3色の画
像情報がイメージワイズに(すなわち信号の強度分布が
画像の光量分布を反映する形で)、電気信号として検出
されていることが分かる。
【0136】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の受光素子
は、光パターン認識のための画素分割が簡便にでき、更
に光強度変化を微分応答電流として検出することができ
るため、光の動的センシングや輪郭抽出も容易である。
また、感光波長の異なる作用極を積層することにより平
面方向でのパターン認識に加え、厚み方向での色識別も
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の受光素子の一実施形態を示す部分断
面図である。
【図2】 n×m個の画素を有する本発明の受光素子を作
製する様子を示す概略図である。
【図3】 本発明の受光素子による電気信号を並列に取
り出すための配線の一例を示す概略図である。
【図4】 本発明の積層型受光素子の一実施形態を示す
部分断面図である。
【図5】 本発明の積層型受光素子の他の実施形態を示
す部分断面図である。
【図6】 本発明の積層型受光素子の他の実施形態を示
す部分断面図である。
【図7】 実施例1の受光素子を作製する様子を示す概
略図である。
【図8】 実施例1で用いたマスクを示す概略図であ
る。
【図9】 実施例1で用いた回転円盤スリットを示す概
略図である。
【図10】 実施例1で得られたA型受光素子P-101の電流
応答を示すグラフである。
【図11】 実施例1において得られたB型受光素子P-103
の電流応答を示すグラフである。
【図12】 実施例2において得られた積層型カラーセン
サーの各画素の光電流最大値を示す図である。
【符号の説明】
10、101〜103・・・導電層 10a・・・透明導電層 20、201〜203・・・感光層 21・・・半導体 22・・・色素 23・・・電荷輸送材料 30、301〜308・・・電荷輸送層 40・・・対極導電層 40a・・・透明対極導電層 50・・・基板 50a・・・透明基板 60・・・下塗り層 701〜709・・・作用極 801〜806・・・対極 901〜910・・・支持体
フロントページの続き Fターム(参考) 5F049 MA20 NA01 NA10 NB05 QA20 5F051 AA14 CB13 DA20 FA04 FA06 GA03 5H032 AA07 AS01 AS05 AS06 AS09 AS10 AS16 AS17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的に絶縁された複数列の作用極、電
    荷輸送層及び電気的に絶縁された複数列の対極を有し、
    前記作用極が色素で増感した半導体を含有する感光層を
    含むとともに、前記作用極の各列が前記対極の各列と所
    定の角度をなすように前記作用極と前記対極とが対向し
    ていることを特徴とする受光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の受光素子において、前
    記半導体が金属カルコゲニドであることを特徴とする受
    光素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の受光素子において、前
    記半導体がTiO2、ZnO、SnO2及びWO3から選択される少な
    くとも一種の金属酸化物であることを特徴とする受光素
    子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の受光素
    子において、前記電荷輸送層が酸化還元種を含むイオン
    伝導材料又はホール輸送材料からなることを特徴とする
    受光素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の受光素
    子において、前記電荷輸送層が酸化還元種を含まないイ
    オン伝導材料からなることを特徴とする受光素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の受光素
    子において、複数の前記作用極が、前記電荷輸送層及び
    /又は前記対極を介して積層されていることを特徴とす
    る受光素子。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の受光素子において、前
    記複数の作用極の感光波長がそれぞれ異なることを特徴
    とする受光素子。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載の受光素子におい
    て、前記複数の作用極が、その感光波長が短い順に入射
    光側から積層されていることを特徴とする受光素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の受光素
    子を用いた光センサー。
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