JP2002299169A - 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ

Info

Publication number
JP2002299169A
JP2002299169A JP2001096597A JP2001096597A JP2002299169A JP 2002299169 A JP2002299169 A JP 2002299169A JP 2001096597 A JP2001096597 A JP 2001096597A JP 2001096597 A JP2001096597 A JP 2001096597A JP 2002299169 A JP2002299169 A JP 2002299169A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
separator
electric double
fibers
layer capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001096597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4585707B2 (ja
Inventor
Takeshi Kobayashi
剛 小林
Noritoshi Kimura
文紀 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP2001096597A priority Critical patent/JP4585707B2/ja
Publication of JP2002299169A publication Critical patent/JP2002299169A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4585707B2 publication Critical patent/JP4585707B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/52Separators
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短絡が発生しにくく、しかも、内部抵抗を低
くすることのできる電気二重層キャパシタ用セパレー
タ、及びこれを用いた電気二重層キャパシタを提供す
る。 【解決手段】 前記電気二重層キャパシタ用セパレータ
は、フィブリルを有する合成繊維と繊度が0.45dt
ex以下の繊維とを含む繊維層2層以上を含む繊維シー
トからなり、前記繊維層の内、少なくとも2層が、互い
に見掛密度の異なる繊維層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気二重層キャパ
シタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層キャパシタ(Electri
c Double Layer Capacitor;
EDLC)は、比較的大きな容量をもち、しかも、長寿
命且つ急速充放電が可能であることから、電源の平滑
化、又はノイズ吸収などの従来の用途以外に、パーソナ
ルコンピューターのメモリーバックアップ電源、あるい
は、二次電池の補助又は代替に用いられてきており、近
年においては電気自動車用の二次電池としての用途が期
待されている。電気二重層キャパシタは、分極性電極と
電解液界面に生じる電気二重層を利用したコンデンサで
ある。つまり、イオン性電解液中に一対の電極を浸漬
し、電解液の電気分解電圧より低い電圧を印加すると、
電極と反対符号のイオンが電極のごく近傍に分布してイ
オン層を形成する。一方、電極の内部には、イオン層と
反対符号の電荷が蓄積される。このイオン層と電荷層と
を電気二重層と呼ぶ。この電気二重層に蓄積された電荷
は、正負電極間に負荷をつなぐと、放電し、同時にイオ
ンは電極から離れ、電解液は中和状態に戻る。電気二重
層キャパシタの容量は電極の表面積によって決まるた
め、電極には表面積の大きい活性炭が使用され、イオン
性の電解液には、容量、耐電圧、及びエネルギー密度な
どの点で有利な有機系のものが使用されている。
【0003】このような電気二重層キャパシタにおい
て、1対の電極が接触してしまうと、電極と電解液との
界面においてイオン層及び電荷層を形成することが困難
になるため、通常、1対の電極間に、イオン透過性で電
気絶縁性を有するセパレータが配置されている。従来の
電気二重層キャパシタ用セパレータとして、抄造網によ
り形成された繊維シート2層以上からなる電解紙が公知
である。しかしながら、この電解紙によっては充分な短
絡防止性が得られない場合があった。この場合、この電
解紙を2枚以上重ねて使用すれば、前記問題点を低減す
ることができるが、内部抵抗が高くなるという問題点が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、従来技術の前記の欠点を解消し、短絡が発生しにく
く、しかも、内部抵抗を低くすることのできる電気二重
層キャパシタ用セパレータ、及びこれを用いた電気二重
層キャパシタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明によ
る、フィブリルを有する合成繊維と繊度が0.45dt
ex以下の繊維とを含む繊維層2層以上を含む繊維シー
トからなり、前記繊維層の内、少なくとも2層が、互い
に見掛密度の異なる繊維層であることを特徴とする、電
気二重層キャパシタ用セパレータにより解決することが
できる。また、本発明は、前記電気二重層キャパシタ用
セパレータを含む、電気二重層キャパシタに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の電気二重層キャパシタ用
セパレータ(以下、単にセパレータと称することがあ
る)は、フィブリルを有する合成繊維(以下、フィブリ
ル合成繊維と称する)と繊度が0.45dtex以下の
繊維とを含む繊維層2層以上を含む繊維シートからな
り、前記繊維層の内、少なくとも2層が、互いに見掛密
度の異なる繊維層である。繊維シートの態様は、特に限
定されるものではないが、例えば、織物、編物、若しく
は不織布、又はこれらの複合体であることができる。こ
れらの中でも、厚さを薄くすることのできる理由で、不
織布が好ましく、繊維の均一分散性に優れており、短絡
が発生しにくく、信頼性が高い理由で、湿式不織布がよ
り好ましい。
【0007】本発明のセパレータを調製する際に用いる
フィブリル合成繊維は、一本の繊維(すなわち、幹状繊
維)から、その一部が枝分かれすることにより無数の微
細繊維(すなわち、枝分かれ繊維)が発生した繊維であ
るか、あるいは、その全部が分割されることにより無数
の微細繊維が発生した繊維である限り、特に限定される
ものではなく、例えば、微細繊維のみから構成されてい
るフィブリル合成繊維、あるいは、微細繊維部分と幹状
繊維部分とを含むフィブリル合成繊維を挙げることがで
きる。なお、微細繊維部分と幹状繊維部分とを含むフィ
ブリル合成繊維においては、微細繊維部分が、フィブリ
ル合成繊維の端部(一端又は両端)及び/又は内部に位
置することができる。
【0008】本発明のセパレータで用いるフィブリル合
成繊維は、任意の樹脂からなることができるが、融解温
度又は炭化温度が300℃以上の樹脂から構成されてい
ると、以下に詳述するように、電気二重層キャパシタを
製造する上で好ましい。なお、本明細書における「融解
温度」とは、JIS K 7121に規定されている示
差熱分析により得られる示差熱分析曲線(DTA曲線)
から得られる温度を意味する。また、本明細書における
「炭化温度」とは、JIS K 7120に規定されて
いる熱重量測定により得られる温度を意味する。
【0009】例えば、有機電解液を使用する電気二重層
キャパシタでは、それを構成する個々の材料(例えば、
集電極、電極、又はセパレータ等)が水分を含んでいる
と、耐電圧の高い電気二重層キャパシタやエネルギー密
度の高い電気二重層キャパシタを製造することが困難で
あるため、個々の材料を充分に乾燥しておく必要があ
る。しかしながら、従来から使用されているようなポリ
プロピレン繊維からなるセパレータやセルロースパルプ
からなるセパレータは、集電極や電極等の材料と比較し
て耐熱温度が低いため、集電極、電極、及びセパレータ
を組み立てた後に150℃以上の温度で乾燥すると、セ
パレータが溶融したり、あるいは、炭化するなど、劣化
が著しく、これらの材料を組み立てた後に同時に乾燥す
ることは困難であった。一方、個々の材料をそれぞれ別
々に乾燥した後に組み立てればセパレータの劣化を防ぐ
ことができるが、手間がかかりすぎるという問題があっ
た。そこで、セパレータを構成するフィブリル合成繊維
として、前記のように、融解温度又は炭化温度が300
℃以上の樹脂からなるフィブリル合成繊維を使用する
と、集電極、電極、及びセパレータを組み立てた後、1
50℃以上の温度で同時に乾燥することができるため、
容易に耐電圧の高い電気二重層キャパシタやエネルギー
密度の高い電気二重層キャパシタを製造することができ
る。
【0010】融解温度が300℃以上の樹脂としては、
例えば、ポリテトラフルオロエチレン又はポリフェニレ
ンサルファイドなどを挙げることができる。また、炭化
温度が300℃以上の樹脂としては、例えば、メタ系全
芳香族ポリアミド、パラ系全芳香族ポリアミド、ポリア
ミドイミド、芳香族ポリエーテルアミド、ポリベンゾイ
ミダゾール、又は全芳香族ポリエステルなどを挙げるこ
とができる。これらの中でも、メタ系全芳香族ポリアミ
ド又はパラ系全芳香族ポリアミドが、電解液との親和性
にも優れているため、好ましく、また、炭化温度が高い
点で、パラ系全芳香族ポリアミドがより好ましい。
【0011】本発明のセパレータを調製する際に用いる
「繊度が0.45dtex以下の繊維」は、繊度が0.
45dtex以下の繊維である限り、特に限定されるも
のではない。なお、本明細書における「繊度」とは、J
IS L 1015に規定されているA法により得られ
る値を意味する。本発明のセパレータで用いる繊度0.
45dtex以下の繊維は、任意の樹脂からなることが
できるが、軟化温度が200℃以上の樹脂から構成され
ていると、フィブリル合成繊維を融解温度又は炭化温度
が300℃以上の樹脂から構成する場合と同様の理由に
より、電気二重層キャパシタを製造する上で、好まし
い。なお、本明細書における「軟化温度」とは、JIS
K 7121に規定されている熱流束示差走差熱量測
定(DSC,昇温温度=10℃/分)により得られるD
SC曲線における融解吸熱曲線の開始点を与える温度を
意味する。
【0012】繊度0.45dtex以下の繊維を構成す
る樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂(例えば、
66ナイロン)、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹
脂、又はポリビニルアルコールなどを挙げることができ
る。これらの中でも、電解液中での安定性に優れ、軟化
温度が200℃以上である点で、ポリエステル系樹脂が
好ましい。
【0013】本発明のセパレータを調製する際に用いる
繊度0.45dtex以下の繊維の繊維長は、特に限定
されるものではなく、繊維シートの態様によって変化す
る。例えば、繊維シートが湿式不織布からなる場合に
は、繊維長1〜25mmであることが好ましく、3〜2
0mmであることがより好ましい。本発明における「繊
維長」とは、JIS L 1015のB法(補正ステー
プルダイヤグラム法)により得られる長さを意味する。
また、繊度0.45dtex以下の繊維の断面形状は、
特に限定されるものではなく、例えば、円形であること
もできるし、あるいは、非円形、例えば、長円、楕円、
星型、各種のアルファベット文字型(例えば、Y字型又
はX字型など)、又はプラス(+)型などであることも
できる。
【0014】本発明のセパレータでは、繊維シートを構
成する複数の繊維層の内、少なくとも2層が、互いに見
掛密度の異なる繊維層である。本明細書において、繊維
層の「見掛密度」とは、面密度を厚さで割った値[すな
わち、(面密度)/(厚さ)]を意味する。なお、本明
細書における「面密度」とは、JIS P 8124
(紙及び板紙−坪量測定法)に規定する方法に基づく坪
量を意味し、「厚さ」とは、JIS B 7502に規
定する方法による測定値、すなわち、5N荷重時の外側
マイクロメーターによる測定値を意味する。本発明のセ
パレータにおいては、繊維層の見掛密度が異なる限り、
見掛密度の差は特に限定されるものではないが、0.0
5〜0.3g/cm3であることが好ましい。
【0015】本発明のセパレータにおいて、繊維層の見
掛密度に差を生じさせる手段は、特に限定されるもので
はないが、例えば、線維径の異なる繊維を配合すること
により、対象繊維層に見掛密度差を与える方法、あるい
は、対象繊維層にかける圧着圧力の違いにより、対象繊
維層に見掛密度差を与える方法などを挙げることがで
き、更にこれらの方法を組み合わせて用いることもでき
る。
【0016】本発明のセパレータでは、繊維層の見掛密
度の差が、繊維径の異なる繊維を配合することに起因す
ることが好ましい。このような本発明のセパレータとし
ては、例えば、繊度0.45dtex以下の繊維とし
て、見掛密度が高い繊維層(以下、密繊維層と称するこ
とがある)では、相対的に繊度の小さい繊維を用い、見
掛密度が低い繊維層(以下、粗繊維層と称することがあ
る)では、前記密繊維層で用いる前記繊維(すなわち、
相対的に繊度の小さい繊維)よりも相対的に繊度の大き
い繊維を用いるセパレータを挙げることができる。この
場合、粗繊維層が、更に、密繊維層で用いる前記繊維
(すなわち、相対的に繊度の小さい繊維)を含むことも
できるし、あるいは、密繊維層が、更に、粗繊維層で用
いる前記繊維(すなわち、相対的に繊度の大きい繊維)
を含むこともできる。
【0017】より具体的には、例えば、(a)フィブリ
ル合成繊維、及び(b)繊度が0.2dtex以下の細
繊維(以下、単に「細繊維」と称することがある)から
実質的になる密繊維層少なくとも1層と、(a)フィブ
リル合成繊維、(b)繊度が0.2dtex以下の細繊
維、及び(c)繊度が0.2dtexを越え、且つ0.
45dtex以下の太繊維(以下、単に「太繊維」と称
することがある)から実質的になる粗繊維層少なくとも
1層とを含む繊維シートからなるセパレータを挙げるこ
とができる。以下、この特定の態様に基づいて、本発明
のセパレータを更に説明する。なお、本明細書におい
て、或る繊維層が特定の繊維から「実質的になる」と
は、前記繊維層が、前記の特定繊維以外の繊維を、実質
的な量で含まないことを意味し、例えば、前記繊維層に
おける前記の特定繊維の割合が95%以上であることを
意味する。
【0018】前記密繊維層及び粗繊維層を構成すること
のできる前記細繊維(すなわち、繊度が0.2dtex
以下の細繊維)は、繊度が0.2dtex以下であるこ
と以外は、「繊度が0.45dtex以下の繊維」に関
して先に述べた説明、すなわち、繊維を構成することの
できる樹脂の種類、繊維長、及び繊維の断面形状に関す
る各説明がそのまま当てはまる。また、前記粗繊維層を
構成することのできる前記太繊維(すなわち、繊度が
0.2dtexを越え、且つ0.45dtex以下の太
繊維)も、繊度が0.2dtexを越え、且つ0.45
dtex以下であること以外は、「繊度が0.45dt
ex以下の繊維」に関して先に述べた説明がそのまま当
てはまる。
【0019】すなわち、前記細繊維及び前記太繊維は、
それぞれ、任意の樹脂からなることができるが、軟化温
度が200℃以上の樹脂から構成されていると、フィブ
リル合成繊維を融解温度又は炭化温度が300℃以上の
樹脂から構成する場合と同様の理由により、電気二重層
キャパシタを製造する上で、好ましい。細繊維及び太繊
維を構成する樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂
(例えば、66ナイロン)、ポリエステル系樹脂、アク
リル系樹脂、又はポリビニルアルコールなどを挙げるこ
とができる。これらの中でも、電解液中での安定性に優
れ、軟化温度が200℃以上である点で、ポリエステル
系樹脂が好ましい。また、細繊維及び太繊維の繊維長
は、特に限定されるものではなく、繊維シートの態様に
よって変化する。例えば、繊維シートが湿式不織布から
なる場合には、繊維長1〜25mmであることが好まし
く、3〜20mmであることがより好ましい。更に、細
繊維及び太繊維の断面形状は、特に限定されるものでは
なく、例えば、円形であることもできるし、あるいは、
非円形、例えば、長円、楕円、星型、各種のアルファベ
ット文字型(例えば、Y字型又はX字型など)、又はプ
ラス(+)型などであることもできる。
【0020】本発明のセパレータにおける密繊維層が、
フィブリル合成繊維と0.2dtex以下の細繊維とか
ら実質的になると、電極構成物質の進入を阻止すること
ができるので好ましい。また、フィブリル合成繊維によ
る機械的な絡合によって形態を維持することができ、強
度的にすぐれているため、より短絡しにくい。また、フ
ィブリル合成繊維と0.2dtex以下の細繊維とから
実質的になると、厚さが薄い状態であることができ、一
定体積当たりのエネルギー密度を高くしやすい。更に、
細繊維の繊度が0.2dtex以下であると、よりピン
ホールの発生を防止することができる。
【0021】本発明のセパレータにおける密繊維層が、
フィブリル合成繊維と0.2dtex以下の細繊維とか
ら実質的になる場合には、フィブリル合成繊維と細繊維
との割合は、特に限定されるものではないが、35:6
5〜90:10であることが好ましい。また、密繊維層
の見掛密度は、特に限定されるものではないが、0.6
〜0.9g/m3であることが好ましい。更に、密繊維
層の面密度は、特に限定されるものではないが、10g
/m2以上であることが好ましい。
【0022】本発明のセパレータにおける密繊維層が、
フィブリル合成繊維と0.2dtex以下の細繊維とか
ら実質的になる場合には、フィブリル合成繊維1種類の
みを含むこともできるし、あるいは、繊維径及び/又は
樹脂構成の点で異なるフィブリル合成繊維2種類以上を
含むこともできる。また、前記密繊維層では、0.2d
tex以下の細繊維を1種類のみ含むこともできるし、
あるいは、繊維径及び/又は樹脂構成の点で異なる細繊
維2種類以上を含むこともできる。
【0023】一方、本発明のセパレータにおける粗繊維
層が、フィブリル合成繊維と、0.2dtex以下の細
繊維と、0.2dtexを越え、且つ0.45dtex
以下の太繊維とから実質的になると、太繊維の繊度が
0.2dtexを越え、且つ0.45dtex以下であ
るため、ピンホールを発生させることなく、内部抵抗を
下げることができる。
【0024】本発明のセパレータにおける粗繊維層が、
フィブリル合成繊維と、0.2dtex以下の細繊維
と、0.2dtexを越え、且つ0.45dtex以下
の太繊維とから実質的になる場合には、粗繊維層に含ま
れる太繊維の割合は、短絡を防止することができる割合
である限り、特に限定されるものではないが、粗繊維層
を構成する全繊維(すなわち、フィブリル合成繊維、細
繊維、及び太繊維)の5〜40mass%であることが
好ましい。また、粗繊維層に含まれるフィブリル合成繊
維の割合は、特に限定されるものではないが、粗繊維層
を構成する全繊維の35〜70mass%であることが
好ましい。更に、粗繊維層に含まれる細繊維の割合は、
特に限定されるものではないが、粗繊維層を構成する全
繊維の25〜60mass%であることが好ましい。粗
繊維層の見掛密度は、特に限定されるものではないが、
0.55〜0.7g/m3であることが好ましい。ま
た、密繊維層の見掛密度と粗繊維層の見掛密度との差
は、特に限定されるものではないが、0.05〜0.3
g/m3であることが好ましい。更に、本発明のセパレ
ータにおける粗繊維層の面密度は、特に限定されるもの
ではないが、10g/m2以上であることが好ましい。
【0025】本発明のセパレータにおける粗繊維層が、
フィブリル合成繊維と、0.2dtex以下の細繊維
と、0.2dtexを越え、且つ0.45dtex以下
の太繊維とから実質的になる場合には、フィブリル合成
繊維を1種類のみ含むこともできるし、あるいは、繊維
径及び/又は樹脂構成の点で異なるフィブリル合成繊維
2種類以上を含むこともできる。また、前記粗繊維層で
は、0.2dtex以下の細繊維を1種類のみ含むこと
もできるし、あるいは、繊維径及び/又は樹脂構成の点
で異なる細繊維2種類以上を含むこともできる。更に、
前記粗繊維層では、0.2dtexを越え、且つ0.4
5dtex以下の太繊維を1種類のみ含むこともできる
し、あるいは、繊維径及び/又は樹脂構成の点で異なる
太繊維2種類以上を含むこともできる。
【0026】本発明のセパレータでは、前記各繊維層を
構成する各繊維同士が圧着した状態にあることが好まし
い。本明細書において「圧着」とは、加熱しない状態
で、あるいは、構成繊維の全繊維が軟化温度未満で加熱
した状態で、圧力を加えることにより、各繊維を相互に
密着させることを意味する。構成繊維の全繊維が軟化し
ない前記温度としては、構成繊維を構成する樹脂のう
ち、最も低い軟化温度を有する樹脂の軟化温度よりも1
0℃以上低い温度であることが好ましく、20℃以上低
い温度であることがより好ましい。また、圧着処理にお
いて加える圧力は、特に限定されるものではないが、繊
維同士が圧着し、強度を保持することができるように、
線圧50N/cm以上であることが好ましい。本発明の
セパレータが、前記各繊維層を構成する各繊維を相互に
圧着した状態にあると、強度の高い状態であることがで
き、従って、厚さの薄い状態にすることができる。ま
た、各繊維を相互に融着させた場合のように、フィルム
化してイオンの透過性を妨げることがない。更には、内
部抵抗が低く、一定体積当たりのエネルギー密度を高く
することもできる。
【0027】本発明のセパレータは、密繊維層少なくと
も1層と、粗繊維層少なくとも1層とを含む限り、密繊
維層及び粗繊維層の数は特に限定されるものではない。
また、本発明のセパレータにおいて密繊維層及び粗繊維
層を配置する順序も特に限定されるものではないが、本
発明のセパレータ2枚を積層した状態で配置する電気二
重層キャパシタを製造する場合には、各セパレータにお
ける密繊維層及び粗繊維層の配置順序としては、一方の
表面繊維層から他方の表面繊維層に向かって、見掛密度
が、段階的に増加するように、あるいは、段階的に減少
するように配置することが好ましい。
【0028】本発明のセパレータの面密度は、特に限定
されるものではないが、例えば、20〜40g/m2
あることが好ましい。また、本発明のセパレータの厚さ
は、特に限定されるものではないが、例えば、30〜5
0μmであることが好ましい。更に、本発明のセパレー
タの見掛密度は、特に限定されるものではないが、例え
ば、0.5〜0.8g/cm3であることが好ましい。
面密度、厚さ、及び見掛密度が前記の好適範囲内にある
と、強度的に優れ、一定体積当たりのエネルギー密度が
高く、内部抵抗が低いセパレータであることができる。
【0029】本発明の電気二重層キャパシタは、本発明
の電気二重層キャパシタ用セパレータを含み、好ましく
は、前記セパレータ2枚以上を含む。セパレータを2枚
以上重ねて用いることにより、更に確実に短絡を防止す
ることができる。本発明の電気二重層キャパシタは、セ
パレータとして、本発明のセパレータを含むこと以外
は、従来公知の電気二重層キャパシタと同様の構成をと
ることができる。例えば、本発明のセパレータを、一対
の電極間に配置させることにより、本発明の電気二重層
キャパシタを構成することができる。より具体的には、
例えば、後述する実施例に示すように、それぞれがシー
ト状の集電極(例えば、アルミニウム薄板)、電極(例
えば、粒状活性炭、カーボンブラック、及びポリテトラ
フルオロエチレンを混ぜて練り上げた電極)、セパレー
タ、電極、及び集電極をこの順で積み重ねた最上層及び
/又は最下層に絶縁シートを重ねてから、この電極群を
捲回形に加工することにより、本発明の電気二重層キャ
パシタを構成することができる。
【0030】本発明の電気二重層キャパシタでは、セパ
レータと電極との配置方法は特に限定されるものではな
いが、セパレータの密繊維層が電極と接触するように、
セパレータと電極とを配置することが好ましい。このよ
うな配置にすると、電極構成物質の進入を確実に防止す
ることができ、粗繊維層が内部抵抗を下げるのに寄与す
ることができる。
【0031】本発明のセパレータを製造する方法は、特
に限定されるものではないが、例えば、常法により粗密
差のある繊維シートを製造し、その繊維シートを積層一
体化してセパレータとして使用することにより、本発明
のセパレータを製造することができる。例えば、密繊維
層及び粗繊維層を含む好適な湿式不織布は次のようにし
て製造することができる。まず、フィブリル合成繊維、
0.2dtex以下の細繊維、及び0.2dtexを越
え、且つ0.45dtex以下の太繊維を、それぞれ用
意する。これらのフィブリル合成繊維、細繊維、及び太
繊維は、いずれも市販されているため、容易に入手する
ことができる。次いで、フィブリル合成繊維及び細繊維
を使用して、常法の湿式法(例えば、水平長網方式、傾
斜ワイヤー型短網方式、円網方式、短網・円網コンビネ
ーション方式、又は長網・円網コンビネーション方式な
ど)により密繊維層用の湿潤繊維ウエブを形成する。一
方、フィブリル合成繊維、細繊維、及び太繊維を使用し
て、常法の湿式法(例えば、水平長網方式、傾斜ワイヤ
ー型短網方式、円網方式、短網・円網コンビネーション
方式、又は長網・円網コンビネーション方式など)によ
り粗繊維層用の湿潤繊維ウエブを形成する。これらの各
繊維ウエブを形成する際、繊維の均一な分散状態を維持
するために増粘剤を加えたり、水と繊維との親和性を高
めるために界面活性剤を加えたり、攪拌等によって生じ
る気泡を取り除くために消泡剤を加えることができる。
【0032】次いで、これらの湿潤繊維ウエブを、湿潤
状態で積層した後に乾燥することにより、あるいは、個
々のウェブ毎に別々に乾燥して水分を除去した後に積層
することにより、乾燥湿式不織布を得ることができる。
なお、前記乾燥は、繊維ウエブを構成する繊維が融解し
ない温度で実施する。得られた乾燥湿式不織布を、所望
により、例えば、カレンダーなどを用いて圧力を加える
ことによって、各繊維を相互に圧着することができる。
このように圧力を加えることによって、例えば、厚さを
調整したり、厚さを薄くしたり、厚さを均一化したり、
フィブリル合成繊維のフィブリル化を進行させてより緻
密なものとしたり、フィブリル合成繊維の微細繊維を密
着させることにより強度を向上させることができる。な
お、圧力を加える際には、加熱した状態で実施すること
もできるし、あるいは、加熱しない状態で実施すること
もできるが、加熱すると前記の厚さ調整効果及び強度向
上効果を発揮しやすい。但し、構成繊維が溶融する程度
に加熱すると、皮膜が形成されてイオン透過性が悪くな
るため、加熱する場合には構成繊維を構成する樹脂のう
ち、最も低い軟化温度を有する樹脂の軟化温度よりも1
0℃以上低い温度で加熱することが好ましく、20℃以
上低い温度で加熱することがより好ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【実施例1】パラ系全芳香族ポリアミドからなるフィブ
リル合成繊維[ケブラー(登録商標);デュポン製,炭
化温度=500℃以上]と、ポリエチレンテレフタレー
トからなる細繊維(繊度=0.11dtex,繊維長=
3mm,融解温度=260℃,軟化温度=253℃,断
面=円形)と、ポリエチレンテレフタレートからなる太
繊維(繊度=0.3dtex,繊維長=3mm,融解温
度=260℃,軟化温度=253℃,断面=円形)とを
用意した。前記フィブリル合成繊維と前記細繊維とを、
50:50の質量比率で混合した第1のスラリーと、前
記フィブリル合成繊維と前記細繊維と前記太繊維とを、
50:10:40の質量比率で混合した第2のスラリー
とを、それぞれ調製した。次いで、傾斜ワイヤー型短
網、順流円網、及びヤンキードライヤーを備えた抄紙機
において、前記の第1スラリーを前記短網に送り、前記
の第2スラリーを前記円網に送り、それぞれの湿潤シー
トを積層した湿潤シートを形成し、続いて、この積層湿
潤シートを温度120℃に設定したヤンキードライヤー
により乾燥した。得られた乾燥したシートを温度220
℃に設定された一対の熱カレンダーにより押圧(線圧力
=500N/cm)して、湿式不織布、すなわち、本発
明のセパレータ(面密度=30g/m2,厚さ=43μ
m,見掛密度=0.7g/cm3)を製造した。このセ
パレータを構成するフィブリル合成繊維は、微細繊維部
分と幹状繊維部分とを含む繊維であった。また、細繊維
及び太繊維は、多少圧着されているものの、熱融着して
いないため、皮膜は形成されていなかった。また、この
セパレータは、第1スラリーに由来する繊維層が密面
(面密度=15g/m2,見掛密度=0.83g/c
3)を構成し、第2スラリーに由来する繊維層が粗面
(面密度=15g/m2,見掛密度=0.6g/cm3
を構成していた。
【0034】
【実施例2】傾斜ワイヤー型短網及びヤンキードライヤ
ーの第1の組み合わせと、順流円網及びヤンキードライ
ヤーの第2の組み合わせとを両方備えた抄紙機におい
て、前記実施例1と同様の第1スラリーを前記傾斜ワイ
ヤー型短網に供給し、前記実施例1と同様の第2スラリ
ーを前記順流円網に供給することにより、各々湿潤シー
トを形成した。これらの各湿潤シートを温度120℃に
設定したヤンキードライヤーにより乾燥した。得られた
各乾燥シートは、短網及び円網双方とも、面密度15g
/m2のシートであった。この乾燥した短網シートと乾
燥した円網シートとを重ね、温度220℃に設定された
一対の熱カレンダーにより押圧(線圧力=500N/c
m)して、湿式不織布、すなわち、本発明のセパレータ
(面密度=30g/m2,厚さ=43μm,見掛密度=
0.7g/cm3)を製造した。このセパレータを構成
するフィブリル合成繊維は、微細繊維部分と幹状繊維部
分とを含む繊維であった。また、細繊維及び太繊維は、
多少圧着されているものの、熱融着していないため、皮
膜は形成されていなかった。また、このセパレータは、
第1スラリーに由来する繊維層が密面(面密度=15g
/m2,見掛密度=0.83g/cm3)を構成し、第2
スラリーに由来する繊維層が粗面(面密度=15g/m
2,見掛密度=0.6g/cm3)を構成していた。
【0035】
【実施例3】第2スラリーとして、フィブリル合成繊維
と細繊維と太繊維とを、50:40:10の質量比率で
混合したスラリーを用いたこと、そして、抄紙機とし
て、順流円網2台とヤンキードライヤーとを備えた抄紙
機を用いたこと以外は、前記実施例1の操作を繰り返す
ことにより、湿式不織布、すなわち、本発明のセパレー
タ(面密度=30g/m2,厚さ=43μm,見掛密度
=0.7g/cm3)を製造した。このセパレータを構
成するフィブリル合成繊維は、微細繊維部分と幹状繊維
部分とを含む繊維であった。また、細繊維及び太繊維
は、多少圧着されているものの、熱融着していないた
め、皮膜は形成されていなかった。また、このセパレー
タは、第1スラリーに由来する繊維層が密面(面密度=
15g/m2,見掛密度=0.75g/cm3)を構成
し、第2スラリーに由来する繊維層が粗面(面密度=1
5g/m2,見掛密度=0.65g/cm3)を構成して
いた。
【0036】
【実施例4】前記実施例1と同様の第1スラリーを、傾
斜ワイヤー型短網とヤンキードライヤーとを備えた抄紙
機に供給することにより、湿潤シートを形成し、この湿
潤シートを温度120℃に設定したヤンキードライヤー
により乾燥した。また、これとは別に、前記実施例1と
同様の第2スラリーを、傾斜ワイヤー型短網とヤンキー
ドライヤーとを備えた抄紙機に供給することにより、湿
潤シートを形成し、この湿潤シートを温度120℃に設
定したヤンキードライヤーにより乾燥した。得られた各
乾燥シートは、いずれも面密度15g/m2のシートで
あった。これらの乾燥シート2枚を重ね、温度220℃
に設定された一対の熱カレンダーにより押圧(線圧力=
500N/cm)して、湿式不織布、すなわち、本発明
のセパレータ(面密度=30g/m2,厚さ=43μ
m,見掛密度=0.7g/cm3)を製造した。このセ
パレータを構成するフィブリル合成繊維は、微細繊維部
分と幹状繊維部分とを含む繊維であった。また、細繊維
及び太繊維は、多少圧着されているものの、熱融着して
いないため、皮膜は形成されていなかった。また、この
セパレータは、第1スラリーに由来する繊維層が密面
(面密度=15g/m2,見掛密度=0.81g/c
3)を構成し、第2スラリーに由来する繊維層が粗面
(面密度=15g/m2,見掛密度=0.61g/c
3)を構成していた。
【0037】
【比較例1】前記実施例1と同様の第1スラリーを、順
流円網2台とヤンキードライヤーとを備えた抄紙機に供
給して、各円網のそれぞれの湿潤シートを積層した積層
湿潤シートを形成した。この積層湿潤シートを温度12
0℃に設定したヤンキードライヤーにより乾燥した。得
られた乾燥シートを、温度220℃に設定された一対の
熱カレンダーにより押圧(線圧力=500N/cm)し
て、湿式不織布、すなわち、比較用セパレータ(面密度
=30g/m2,厚さ=43μm,見掛密度=0.7g
/cm3)を製造した。このセパレータを構成するフィ
ブリル合成繊維は、微細繊維部分と幹状繊維部分とを含
む繊維であった。また、セパレータを構成する細繊維
は、多少圧着されているものの、熱融着していないた
め、皮膜は形成されていなかった。更に、このセパレー
タは、見掛密度差のない一層構造を有するものであっ
た。
【0038】
【物性評価】(1)キャパシタの製造 集電極としてアルミニウム薄板を用意した。また、電極
として、粒状活性炭、カーボンブラック、及びポリテト
ラフルオロエチレンを混ぜて練り上げた電極(圧延法に
より作製)を用意した。更に、セパレータとして、前記
実施例1〜4で製造した本発明のセパレータ、並びに前
記比較例1で製造した比較用セパレータに加え、市販の
キャパシタ用セルロース製セパレータ(比較例2;面密
度=20g/m2,厚さ=48μm,見掛密度=0.4
g/cm3)を用意した。これらの集電極、電極、及び
セパレータを、それぞれ100℃で5時間、180℃で
5時間、及び100℃で5時間乾燥した。次に、グロー
ボックス内で集電極、電極、セパレータ2枚、電極、及
び集電極と積み重ねた最下層に絶縁シートを重ねてか
ら、この電極群を、500g荷重で捲回形に加工した。
電解液としてテトラエチルアンモニウム・テトラフルオ
ロボーレイトをプロピレンカーボネートに溶解させた溶
液を減圧含浸した後、封緘して本発明のキャパシタ4種
及び比較用キャパシタ2種を製造した。実施例1〜4で
製造した本発明のセパレータについては、2枚のセパレ
ータの密層が、それぞれ外側に配置され、両側の電極と
接触するように挿入した。
【0039】(2)キャパシタの性能評価 以下の各測定は、以下に示す充放電条件で、充放電試験
機により測定した充放電カーブから求めた。すなわち、
内部抵抗は、1Aの定電流で2分間、2.5Vまで充電
した後、2分間で放電する操作により得られた充放電カ
ーブから求めた。静電容量は、0.02Aの定電流で1
0分間、2.5Vまで充電した後、10分間で放電する
操作により得られた充放電カーブから求めた。また、漏
れ電流は、0.9Vに印加したキャパシタの72時間後
における電圧の降下量を基に、式(1): i=C×(dV/dt) (1) [式中、iは漏れ電流を意味し、Cは静電容量を意味
し、dVは電圧降下量を意味し、dtは時間を意味す
る]から算出した。結果を表1に示す。
【0040】 《表1》 セパレータ 静電容量 内部抵抗 漏れ電流 使用枚数 (F) (Ω) (mA) 実施例1 2 820 0.040 0.13 実施例2 2 822 0.041 0.12 実施例3 2 817 0.039 0.15 実施例4 2 820 0.048 0.17 比較例1 2 798 0.028 0.45比較例2 4 685 0.037 0.10
【0041】表1から明らかなように、本発明のセパレ
ータは、内部抵抗に関して、従来のセルロース製セパレ
ータ(比較例2)と比べても遜色のない値を示した。ま
た、従来のセルロース製セパレータは、使用枚数が3枚
以下では、巻回加工の際に、部分的な破断等の発生によ
り安定して製作することができなかった。このため、セ
パレータの占める体積が多くなるので、キャパシタの体
積中の電極材料が減少し、静電容量が低下した。比較例
1との比較から明らかなように、本発明のセパレータ
は、微小短絡も発生しにくく、電気絶縁性に優れたもの
であった。本発明のセパレータは薄く、2枚を前述のよ
うな配置で装填することによって短絡防止効果もあり、
内部抵抗も低減する。この結果、エネルギー密度を向上
させることができ、電気二重層キャパシタを作製する際
に最適なセパレータである。
【0042】
【発明の効果】本発明のセパレータによれば、密繊維層
を有するため、電極構成物質の進入を阻止することがで
き、粗繊維層を有するため、内部抵抗を低くすることが
できる。また、密繊維層少なくとも1層及び粗繊維層少
なくとも1層を含み、2層以上であるため、ピンホール
の発生を防止することができ、短絡を防止することがで
きる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィブリルを有する合成繊維と繊度が
    0.45dtex以下の繊維とを含む繊維層2層以上を
    含む繊維シートからなり、前記繊維層の内、少なくとも
    2層が、互いに見掛密度の異なる繊維層であることを特
    徴とする、電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  2. 【請求項2】 繊維層の見掛密度の差が、繊維径の異な
    る繊維を配合することに起因する、請求項1に記載の電
    気二重層キャパシタ用セパレータ。
  3. 【請求項3】 見掛密度の高い繊維層が、フィブリルを
    有する合成繊維と、繊度が0.2dtex以下の細繊維
    とから実質的になる密繊維層であり、そして、見掛密度
    の低い繊維層が、フィブリルを有する合成繊維と、繊度
    が0.2dtex以下の細繊維と、繊度が0.2dte
    xを越え、且つ0.45dtex以下の太繊維とから実
    質的になる粗繊維層である、請求項1又は2に記載の電
    気二重層キャパシタ用セパレータ。
  4. 【請求項4】 各繊維層を構成する繊維が圧着されてい
    る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気二重層キ
    ャパシタ用セパレータ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電
    気二重層キャパシタ用セパレータを含む、電気二重層キ
    ャパシタ。
  6. 【請求項6】 一対の電極間に、電気二重層キャパシタ
    用セパレータ2枚以上が配置されている、請求項5に記
    載の電気二重層キャパシタ。
  7. 【請求項7】 電極との接触面が、いずれも、見掛密度
    の高い繊維層である、前記請求項6に記載の電気二重層
    キャパシタ。
JP2001096597A 2001-03-29 2001-03-29 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ Expired - Fee Related JP4585707B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001096597A JP4585707B2 (ja) 2001-03-29 2001-03-29 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001096597A JP4585707B2 (ja) 2001-03-29 2001-03-29 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002299169A true JP2002299169A (ja) 2002-10-11
JP4585707B2 JP4585707B2 (ja) 2010-11-24

Family

ID=18950497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001096597A Expired - Fee Related JP4585707B2 (ja) 2001-03-29 2001-03-29 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4585707B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010067509A1 (ja) * 2008-12-08 2010-06-17 パナソニック株式会社 電気二重層キャパシタ及びその製造方法
CN112349519A (zh) * 2019-08-08 2021-02-09 株式会社东芝 铝电解电容器、电气设备以及铝电解电容器的制造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06168848A (ja) * 1992-11-27 1994-06-14 Nippon Koudoshi Kogyo Kk 電解コンデンサ
JPH0927311A (ja) * 1995-05-09 1997-01-28 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電池セパレーター用不織布
JPH11135369A (ja) * 1997-10-28 1999-05-21 Nec Corp 電気二重層コンデンサ
JPH11233093A (ja) * 1998-02-13 1999-08-27 Fuji Elelctrochem Co Ltd アルカリ乾電池
WO2001093350A1 (fr) * 2000-05-29 2001-12-06 Mitsubishi Paper Mills Limited Separateur pour dispositif electrochimique, procede de production de ce dernier et dispositif electrochimique

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06168848A (ja) * 1992-11-27 1994-06-14 Nippon Koudoshi Kogyo Kk 電解コンデンサ
JPH0927311A (ja) * 1995-05-09 1997-01-28 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電池セパレーター用不織布
JPH11135369A (ja) * 1997-10-28 1999-05-21 Nec Corp 電気二重層コンデンサ
JPH11233093A (ja) * 1998-02-13 1999-08-27 Fuji Elelctrochem Co Ltd アルカリ乾電池
WO2001093350A1 (fr) * 2000-05-29 2001-12-06 Mitsubishi Paper Mills Limited Separateur pour dispositif electrochimique, procede de production de ce dernier et dispositif electrochimique

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010067509A1 (ja) * 2008-12-08 2010-06-17 パナソニック株式会社 電気二重層キャパシタ及びその製造方法
JP5281100B2 (ja) * 2008-12-08 2013-09-04 パナソニック株式会社 電気二重層キャパシタ及びその製造方法
US8531818B2 (en) 2008-12-08 2013-09-10 Panasonic Corporation Electric double layer capacitor and method for manufacturing the same
CN102177563B (zh) * 2008-12-08 2013-10-09 松下电器产业株式会社 双电层电容器及其制造方法
CN112349519A (zh) * 2019-08-08 2021-02-09 株式会社东芝 铝电解电容器、电气设备以及铝电解电容器的制造方法
CN112349519B (zh) * 2019-08-08 2022-12-23 株式会社东芝 铝电解电容器、电气设备以及铝电解电容器的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4585707B2 (ja) 2010-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10283283B2 (en) Separator for power storage device, and power storage device using same
US6424517B1 (en) Electric double layer capacitor
JP2000003834A (ja) 電気二重層コンデンサ
JP4577819B2 (ja) 湿式不織布、湿式不織布の製造方法、及び電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、並びに電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池
WO2016143378A1 (ja) 蓄電デバイス用セパレータ及び該セパレータを用いた蓄電デバイス
JP2009076486A (ja) 電気化学素子用セパレータ
US6411497B2 (en) Separator for electric double-layer capacitor
JP3845536B2 (ja) 電気二重層キャパシタの製造方法
JP2010239028A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
JP2010129308A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
US6898067B1 (en) Electric double-layer capacitor
JP4740062B2 (ja) 電気化学素子用セパレータおよびその製造装置と製造方法
JP4584485B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ
JP4585707B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ
CN111357068A (zh) 电化学元件用分隔件和电化学元件
JP4726027B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ
JP4377553B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用セパレータ
WO2017170065A1 (ja) 電気化学素子用セパレータ及び電気化学素子
JP2010239061A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
JP2004146137A (ja) 電気化学素子用セパレーター
JP2008028095A (ja) 電気化学素子用セパレータおよびその製造方法
JP2003217976A (ja) 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ
JP2003229328A (ja) 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ
JP2004172372A (ja) 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ
JP2006135243A (ja) キャパシタ用セパレータ

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060322

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100831

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4585707

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees