JP2002296280A - キャピラリアレイを用いた遺伝子発現頻度解析方法 - Google Patents

キャピラリアレイを用いた遺伝子発現頻度解析方法

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JP2002296280A
JP2002296280A JP2001101700A JP2001101700A JP2002296280A JP 2002296280 A JP2002296280 A JP 2002296280A JP 2001101700 A JP2001101700 A JP 2001101700A JP 2001101700 A JP2001101700 A JP 2001101700A JP 2002296280 A JP2002296280 A JP 2002296280A
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威夫 高橋
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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ないサンプル量であっても高精度で定量的
に検出することが可能であり、その上、再現性に優れ、
バックグラウンドの影響が少なく、単純な検出機器によ
り解析が行え、検出効率も良好な遺伝子発現頻度解析方
法を提供する。 【解決手段】 遺伝子発現頻度解析方法であって、
(1)特異配列を有した複数種類のターゲットを、種類
毎に独立して、キャピラリの内壁に固相化することと、
(2)プローブを標識することと、(3)前記標識した
プローブを前記キャピラリ内で、前記ターゲットに結合
させることと、(4)前記結合した核酸を解離すること
と、(5)液送によって解離された核酸を輸送すること
と、(6)順次、前記標識物質を検出することによって
前記特異配列を有した遺伝子の発現頻度を解析すること
と、を具備する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸の分析、特
に、DNAおよびRNA等の塩基配列の解析、遺伝子発
現頻度の解析、並びに遺伝子診断のための新規の核酸解
析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、遺伝子発現頻度解析は、主にDN
Aマイクロアレイを用いた二蛍光標識法によって行われ
ている。この解析方法は、ディファレンシャルな遺伝子
発現を見る系である。即ち、異なる条件の2群から得た
mRNAサンプル間での遺伝子発現の差を検出するもの
である。まず、夫々のmRNAサンプルに異なる蛍光標
識を施し、DNAマイクロアレイ上で競合的にハイブリ
ダイゼーションを行い、両方の蛍光を測定して比較す
る。同一スポット上で競合してハイブリダイズしたシグ
ナルを検出するので、この方法は相対的な変化を検討す
るためには極めて有効である。
【0003】しかしながら、DNAマイクロアレイを用
いた二蛍光標識法による遺伝子発現頻度解析は以下のよ
うな問題点がある。
【0004】第1の問題は、上述した通り、従来の二蛍
光標識法では相対的な変化しか検出できないということ
である。この方法は、ディファレンシャルな遺伝子発現
を見る系であり、その原理は、2つのmRNAサンプル
間での遺伝子発現の差を検出するために、サンプル毎に
異なる蛍光物質を標識し、アレイ上で競合的ハイブリダ
イゼーションを行い、両蛍光物質を検出して、その差を
比較するというものである。
【0005】第2の問題は十分な再現性が得られにくい
ことである。DNAマイクロアレイは、スポットのサイ
ズや形状が均一であることが要求される。しかしなが
ら、ピン先のロットの違いなどによって得られる均一性
には限界があり、その結果、試験結果の充分な再現性が
得られにくい。
【0006】第3の問題は無視できないバックグラウン
ドが生じることである。メンブレンと比較して、基板と
して主に使用されるガラスは、有効固相面積が小さく電
荷のチャージも少ない。従って、種々のコーティングが
必要であり、それによる非特異吸着などにより無視でき
ないバックグラウンドが生じる。
【0007】第4の問題は、十分な精度の検出系が要求
されることである。DNAマイクロアレイを用いる場合
に、検出時に使用する検出用スキャナーの位置精度は重
要である。検出用スキャナーは蛍光顕微鏡と可動ステー
ジを組み合わせたものであるので、正確なデータを得る
ためには十分な位置精度が要求される。
【0008】第5の問題は、従来のDNAチップによる
検出工程は乾燥状態下で行われるため、蛍光シグナルの
検出効率が低いということである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上の事情に鑑み、本
発明は、少ないサンプル量であっても高精度で定量的に
検出することが可能であり、その上、再現性に優れ、バ
ックグラウンドの影響が少なく、単純な検出機器により
解析が行え、検出効率も良好な遺伝子発現頻度解析方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者等の鋭意研究の結
果、上記目的を達成するために以下の手段が見出され
た。即ち、遺伝子発現頻度解析方法であって、(1)特
異配列を有した複数種類のターゲットを、種類毎に独立
して、キャピラリの内壁に固相化することと、(2)プ
ローブを標識することと、(3)前記標識したプローブ
を前記キャピラリ内で、前記ターゲットに結合させるこ
とと、(4)前記結合した核酸を解離することと、
(5)液送によって解離された核酸を輸送することと、
(6)順次、前記標識物質を検出することによって前記
特異配列を有した遺伝子の発現頻度を解析することと、
を具備する方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の態様に従うと、キャピラ
リアレイを用いた遺伝子の発現頻度解析方法が提供され
る。ここでいう「キャピラリアレイ」とは、少なくとも
1の流路と、前記流路の内壁に固相化されたターゲット
を具備する装置をいう。
【0012】本発明の態様に従うと、該キャピラリアレ
イは、基本的に、例えば、ガラス、プラスチック、石英
およびシリコン等から形成され得る。該流路は、凹凸に
より形成された溝状、凹部により構成される容器状およ
び管状等であってよい。例えば、スライド板等の基板に
溝を形成しカバーガラス等で覆い、これらを接合するこ
とにより流路を形成してもよく、またガラス細工によっ
てキャピラリを引いて流路を形成してもよい。しかしな
がらこれに限られるものではない。
【0013】1キャピラリの大きさは、長さ約1cm〜
約5cm、幅約20μm〜500μmでよく、好ましく
は、長さ約2cm〜約4cm、幅約50μm〜100μ
mである。また、本発明の1側面において該キャピラリ
アレイは複数のキャピラリを具備してもよい。
【0014】本発明の態様に従うと、該流路は、その中
へ試薬等の流体を添加できるような開口部を少なくとも
1つ有する。また、該流路は、その内部に含まれる液体
を少なくとも一方向に輸送することが可能なフロー手段
を有していることが望ましい。即ち、本発明の態様にお
いては、全ての検出対象が同一の部位において測定され
る。言い換えると、1キャピラリに含まれる全ての検出
物質についての検出は、予め決められた、共通する検出
位置を用いて行われる。検出対象物質はフロー手段によ
る輸送によって該検出位置に運ばれる。
【0015】少なくとも当該検出位置に当たる一部分の
部材は、光透過性であることが望ましい。また、当該検
出位置におけるキャピラリの断面が矩形である場合、幅
及び高さは、約10μm〜100μm×約10μm〜1
00μmでよく、約20μm×約20μmが好ましい。
該断面が円または楕円である場合、直径約20μm〜約
20μmが好ましい。また、光学的に観察するため、キ
ャピラリの少なくとも当該検出位置は、平面により構成
されることがより好ましい。
【0016】ここで使用される「ターゲット」の語は、
検出しようとする被検物質に高親和性に結合することが
可能な物質である。該ターゲットは、被検核酸の配列に
ほぼ相補的な配列を有する核酸であってよい。該ターゲ
ットは、所望する核酸配列を有する任意の単純ヌクレオ
チド及び/又は修飾ヌクレオチドからなるポリヌクレオ
チドであってよい。また、ここで「被検核酸」は、任意
の単純ヌクレオチド及び/又は修飾ヌクレオチドからな
るポリヌクレオチドであってよい。ここで使用される
「特異配列」の語は、検出することを目的として任意に
設計された配列をいう。
【0017】上記キャピラリの内壁へのターゲットの固
相は、核酸をキャピラリ内壁に固相する場合に一般的に
使用される何れの手段を用いて行ってもよい。また、固
相されるターゲットの数は、一般的な大きさのキャピラ
リにおいて、通常、約600から1000種類とするこ
とが可能である。この数は、一般的な遺伝子発現頻度解
析で必要とされる核酸の種類を十分に満たすものであろ
う。
【0018】本発明の態様に従うと、上述のようなキャ
ピラリを用いての遺伝子の発現頻度解析方法が提供され
る。以下に概要を説明する。ここで使用される「プロー
ブ」の語は試料中に含まれる被検核酸を示す。
【0019】まず、検出しようとする核酸の配列に相補
的な配列を有するターゲットと、指標ターゲットとを設
計する。前記ターゲットの種類毎に指標ターゲットを混
合し、該ターゲットの種類毎に当該キャピラリの壁面に
固相する。
【0020】試料に含まれるプローブを第1の標識物質
で標識する。指標プローブに第2の標識物質で標識し、
前記試料に混合する。
【0021】前記キャピラリに試料を添加する。適切な
条件で該プローブと該ターゲットを反応させる。反応
後、該キャピラリの内部を洗浄する。
【0022】続いて、結合した前記標識および標識指標
プローブをターゲットから解離させる。該キャピラリ内
の液体をフローすることにより、該標識および標識指標
プローブを検出部に輸送する。フローしながら当該検出
部において標識物質から生じる信号を検出する。
【0023】最後に、標識指標プローブの検出状況を考
慮しながら、得られたデータから目的とする遺伝子の発
現頻度を解析する。
【0024】「標識プローブ」の語は標識された被検核
酸を示す。被検核酸は、典型的には、cDNA、ゲノム
DNA、及び合成DNA等のDNA、並びにmRNA、
全RNA、hnRNA、及び合成RNA等のRNAであ
る。
【0025】このような生化学分析方法に供される「試
料」は、生物から採取した未処置の試料、例えば、ゲノ
ムDNA、mRNA若しくはプラスミドを含む生物試料
であってもよい。また、被検核酸を含む試料であっても
よく、その場合、前記未処置の試料に対して様々な操作
又は処理を行った試料であってもよい。このような操作
又は処理は、核酸抽出操作、増幅操作、制限酵素、リガ
ーゼ、ポリメラーゼ、ヌクレアーゼを含む酵素による処
理、及び遺伝子工学の領域において周知であるその他の
処理、並びにこれらの組み合わせであってもよい。
【0026】本発明の態様に従うと、使用される標識物
質は、一般的には蛍光物質である。蛍光物質を使用する
ことにより、安全に且つ微量な検出が簡単な装置によっ
て容易に行うことが可能である。しかしながら、一般的
に使用される標識物質、例えば、化学発光物質および色
素等も標識物質として使用してもよい。
【0027】各プローブへの標識は、被検核酸に応じて
一般的に使用されるそれ自身公知の方法により行ってよ
い。例えば、発現頻度解析するプローブがRNAであれ
ば、試料を逆転写反応により蛍光ラベルした基質または
蛍光ラベルしたプライマーで標識することが可能であ
る。
【0028】ここで使用される「指標ターゲット」は、
試料に存在しえない配列からなる遺伝子、例えば、哺乳
類に対するGFP遺伝子等または人為的に合成した核酸
等に相補的な配列からなる。指標ターゲットは、固相化
されたターゲットの量、固相化率、固相化されたターゲ
ットの種類および位置、並びにその他のアーチファクト
を把握するための指標として使用することが可能であ
る。指標ターゲットは、前記ターゲットに混合して使用
することが好ましい。即ち、発現頻度を検出するための
多種類ターゲットをスポットして固相化するときに、そ
れぞれのスポットに指標ターゲットを同時に固相化する
ことが好ましい。指標ターゲットへの標識は、ターゲッ
トと異なる標識物質、例えば、異なる蛍光波長を有する
蛍光物質等、を使用してよい。
【0029】本発明の態様において使用されるフロー手
段は、一般的にフロー系において使用される輸送または
フロー手段の何れかを使用してよく、例えば、ポンプ、
高低差、電気浸透流、エレクトリックオスミックフロー
等が使用し得る。また、該キャピラリ内の液体に含まれ
る解離された全ての標識および標識指標プローブを該検
出位置までフローする場合、そのフローは、全プローブ
間の互いの位置関係を反映したままで行われることが望
ましい。また、当該キャピラリ内を流動させる液体の粘
性を変更することにより、当該液体において、解離させ
たプローブが不必要に拡散したり、互いの位置関係が乱
れたりするのを防止してもよい。
【0030】また、蛍光検出手段は、一般的に使用され
る蛍光強度を測定できる蛍光測定装置であればよく、例
えば、微粒子共焦点蛍光検出系等を用い得る。また、自
己相関蛍光分光法(Fluoresence Correlation Spectros
copy、以下、FCSと略する)を利用してもよい。FC
Sを利用することにより、1分子単位で標識(または標
識指標)プローブを検出することが可能である。これに
よって、精度よい検出が可能になる。更に、通常よりも
少量の試薬および試料で解析を行うことが可能になる。
【0031】本発明の態様において結合した核酸を解離
させるのに使用できる手段は、核酸を解離させることが
可能な一般的な何れの処理手段を用いてもよい。例え
ば、解離温度への温度の上昇、アルカリ処理、並びに尿
素およびホルムアミド等の水素結合を弱める物質での処
理等である。
【0032】また、本発明の態様に従うと、該流路の内
部において、ターゲットとプローブとの間でハイブリダ
イゼーションおよび解離等の反応が行われる。従って、
該流路内の温度は、制御できることが望ましい。そのた
めに、当該キャピラリは、加温するためのヒーター等の
加温手段、温度を感知するためのセンサ等の感知手段、
を更に具備してもよい。また更に、温度を下げるための
冷却手段を具備してもよい。或いは、当該キャピラリに
それらの手段を具備させるのではなく、他の温度を制御
できる手段により温度制御を行ってもよい。
【0033】このような方法は、疾患関連遺伝子の解
析、1塩基置換(即ち、SNP)の解析、医薬品開発等
における薬物モニタリンクおよび毒性試験、並びに遺伝
子治療等において都合良く利用されるであろう。
【0034】以下に、本発明の好ましい態様の例を示
す。
【0035】
【実施例】本発明の態様に従うと、図1Aから図1Cに
示すようなキャピラリアレイ1が提供される。キャピラ
リアレイ1は中空であり、その内腔は流路3として機能
する。流路3には、ターゲット領域4が配置される。タ
ーゲット領域4は、ターゲットを固相化するための領域
である。本態様では、各領域毎に異なる種類のターゲッ
トが固相化される(即ち、他の態様ではこの限りではな
い)。ターゲットは、上述した通り検出しようとする遺
伝子に相補的な配列を有するヌクレオチドである。
【0036】流路3を限定する1要素である底部には、
反応に必要な温度条件を制御するために、ヒーター6と
温度センサ7が配置される。ここでは、ヒーター6の上
層に絶縁層5がポリイミド薄膜により形成されている。
また、基板2aは検出に都合がよいように光透過性の部
材が使用されている。
【0037】この態様におけるキャピラリアレイは、ガ
ラス製の基板2bに溝を形成し、その溝の底部に、ヒー
タ6、センサ7および絶縁層5を形成した後で、ターゲ
ットを固相化し、基板2aを接合して製造される。ター
ゲットの固相化は以下の通りに行える。
【0038】まず、検出に使用する核酸に相補的な配列
を有するターゲットと指標ターゲットとを準備する。次
に、ターゲットを種類毎に指標ターゲットと混合する。
混合したターゲットを、点着(または、スポッティング
ともいう)によって種類毎に独立して流路3のターゲッ
ト領域4に固相化する。
【0039】このような装置を用いて遺伝子発現頻度解
析を行う方法を、図2を用いて説明する。図2aに示す
例では、3種類のターゲットを使用している。白丸は第
1のターゲット8、白四角は、第2のターゲット9、白
三角は第3のターゲット10を示し、白星は、指標ター
ゲット11を示す。
【0040】一方、試料中の各プローブと指標プローブ
には、異なる波長の蛍光物質を夫々に標識する。
【0041】続いて、当該キャピラリアレイ1の流路3
に、未知の蛍光標識プローブを含む試料と、蛍光標識指
標ターゲット14を同時に導入する(図2b)。適切な
反応条件下で、ターゲット8、9および10と、試料中
の蛍光標識プローブとをハイブリダイゼーションさせる
(図2b)。この例では、試料中に第1のターゲット8
に相補的な配列を有する蛍光標識プローブ12と、第3
のターゲット10に相補的な配列を有する蛍光標識プロ
ーブ13が含まれると仮定してシュミレートする。
【0042】該ハイブリダイゼーション反応の後に充分
な洗浄を行い、当該流路3の内部の温度を一気に解離温
度まで上昇させる。これによって、結合していた蛍光標
識プローブ12および13、並びに蛍光標識指標プロー
ブ14が、夫々のターゲットから解離する(図2c)。
【0043】次に、解離した蛍光標識プローブ12およ
び13、並びに蛍光標識指標プローブ14を、互いの位
置関係は維持したまま、フロー手段によって蛍光検出位
置まで移動する(図2e)。前記蛍光検出位置では、一
般的に使用される蛍光検出系を用いての蛍光強度の測定
が行われる。即ち、フロー手段によって輸送される蛍光
標識プローブおよび蛍光標識指標プローブを、蛍光強度
を指標として逐次的に検出する。ここで、前述の通り、
蛍光標識プローブと蛍光標識指標プローブに具備される
蛍光物質は異なる波長を有する物質を使用している。従
って、二波長について同時に蛍光強度の測定を行うこと
が好ましい。
【0044】このようなフロー系により得られる蛍光強
度のチャートを図3に示す。ここで、蛍光1は蛍光標識
指標プローブ14で得られるピークであり、蛍光2は蛍
光標識プローブ12および13から得られるピークであ
る。チャートの下方に示した番号は、検出された蛍光標
識プローブが結合していたターゲット領域の番号を示
す。即ち、向かって左から、第1のターゲット領域15
a、第2のターゲット領域15bおよび第3のターゲッ
ト領域15cである。
【0045】図3のチャートから分かるように、蛍光標
識指標プローブによる蛍光1は、3つのターゲット領域
15aから15cについて、ほぼ等しい強度の蛍光が得
られている(図3a)。それに対して、蛍光標識プロー
ブによる蛍光2は、第1のターゲット領域15aと、第
3のターゲット領域15cの位置にのみ蛍光を検出して
おり、検出された蛍光強度も互いに異なる(図3b)。
【0046】このようなデータを解析すると、全てのタ
ーゲット領域における蛍光標識指標プローブによる蛍光
1にバラツキがないため、固相化操作にバラツキがなか
ったことが分かる。また、フロー系による輸送にも問題
はなかったことも同様に確認できる。従って、図3のチ
ャートに示された結果から、試料中に含まれる遺伝子の
種類と含まれる量が明らかにできる。
【0047】以上、本発明の態様について記載したが、
これらの例は例示の目的で開示するのであり、本発明を
何ら制限するものではない。また、本発明の構成は、本
発明の範囲を超えない限り、どのように変更してもよ
い。
【0048】
【発明の効果】上述した本発明により、定量性に優れた
遺伝子発現頻度解析方法が提供される。指標ターゲット
を使用することにより、固相される各スポット毎に、デ
ータの校正が可能であるので、高精度の解析が可能であ
る。
【0049】また、本発明により提供される遺伝子発現
頻度解析方法においては、標識物質の検出が予め決定さ
れた特定の検出ポイントにおいて行われる。従って、全
ての検出対象の検出は、同じ条件の下で行われる。これ
によりバックグラウンドによるデータのバラツキが少な
くなる。また、従来の方法の検出に必要とされた走査機
能が不要であるので、単純な検出系で検出を行うことが
可能である。また更に、液体中で検出するので蛍光シグ
ナルの検出効率もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の態様に従うキャピラリアレイを示す図
であり、図1Aは平面図、図1Bは線1B−1Bに沿っ
た断面図、図1Cは線1C−1Cに沿った断面図。
【図2】本発明の態様に従う遺伝子発現頻度解析方法を
示すフローチャート。
【図3】図2に示す方法により得られる結果を示すチャ
ート。
【符号の説明】
1.キャピラリアレイ 2.壁 3.流路 4.
ターゲット領域 5.絶縁層 6.ヒーター
7.センサ 8.第1のターゲット 9.第2のタ
ーゲット、 10.第3のターゲット 11.指標
ターゲット 12.蛍光標識プローブ 13.蛍光
標識プローブ 14.蛍光標識指標プローブ 1
5.ターゲット領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12M 1/00 C12M 1/00 A 1/40 1/40 B Fターム(参考) 2G043 AA03 BA16 DA02 DA05 DA08 EA01 FA02 GA07 GB19 JA01 LA01 MA01 NA02 4B029 AA07 AA21 FA12 4B063 QA01 QA08 QA13 QA18 QQ42 QQ52 QQ53 QR32 QR56 QR82 QS34 QS39 QX02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遺伝子発現頻度解析方法であって、 (1)特異配列を有した複数種類のターゲットを、種類
    毎に独立して、キャピラリの内壁に固相化することと、 (2)プローブを標識することと、 (3)前記標識したプローブを前記キャピラリ内で、前
    記ターゲットに結合させることと、 (4)前記結合した核酸を解離することと、 (5)液送によって解離された核酸を輸送することと、 (6)順次、前記標識物質を検出することによって前記
    特異配列を有した遺伝子の発現頻度を解析することと、
    を具備する方法。
  2. 【請求項2】 遺伝子発現頻度解析方法であって、 (1)特異配列を有した複数種類のターゲットを、種類
    毎に指標ターゲットと混合することと、 (2)(1)で得られたターゲットを、種類毎に独立し
    て、キャピラリの内壁に固相化することと、 (3)プローブおよび指標プローブを異なる標識物質に
    より標識することと、 (4)前記標識されたプローブおよび指標プローブを、
    夫々、前記ターゲットおよび指標ターゲットに結合する
    ことと、 (5)前記結合した標識および標識指標プローブを解離
    することと、 (6)液送によって解離された標識および標識指標プロ
    ーブを輸送することと、 (7)輸送された前記標識物質を順次検出することによ
    って、前記特異配列を有した遺伝子の発現頻度を解析す
    ることと、を具備する方法。
  3. 【請求項3】 前記標識物質の検出が同一の検出位置に
    おいて検出されることを特徴とする請求項1または2の
    何れかに記載の遺伝子発現頻度解析方法。
  4. 【請求項4】 前記標識物質が蛍光物質であることを特
    徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の遺伝子発
    現頻度解析方法。
  5. 【請求項5】 前記解離の工程が、解離温度にまで温度
    を上昇させることによって行われることを特徴とする請
    求項1から4の何れか1項に記載の遺伝子発現頻度解析
    方法。
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JP2001101700A Withdrawn JP2002296280A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 キャピラリアレイを用いた遺伝子発現頻度解析方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004061100A1 (ja) * 2002-12-10 2004-07-22 Olympus Corporation 核酸の変異解析方法および遺伝子の発現解析方法
WO2005024424A1 (ja) * 2003-08-29 2005-03-17 Olympus Corporation 遺伝子検査装置およびそれを用いた検出方法
JP2006098169A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Fujitsu Ltd 被検体定量デバイスおよび被検体定量方法

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