JP2002294100A - 帯電防止ハードコート樹脂組成物およびその形成品 - Google Patents
帯電防止ハードコート樹脂組成物およびその形成品Info
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Abstract
コート膜を形成できる帯電防止ハードコート樹脂組成物
と、表面硬度が高く、基材との密着性に優れたハードコ
ート膜を形成できる帯電防止ハードコート樹脂組成物を
提供することを課題とする。 【解決手段】少なくとも、(メタ)アクリロイル基を分
子中に有する化合物からなる化合物(A)と、芳香環及
び(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物から
なる化合物(B)と、金属酸化物粒子(C)からなり、
前記化合物(A)50〜90重量部に対して、前記化合
物(B)の配合量が10〜50重量部、金属酸化物粒子
(C)の配合量が20〜100重量部であることを特徴
とする帯電防止ハードコート樹脂組成物を提供する。
Description
有し、かつ透明性、表面硬度、密着性などに優れたハー
ドーコート膜を得ることが出来る帯電防止ハードコート
樹脂組成物、およびこの樹脂組成物を用いた形成品に関
する。
な高分子材料やガラスは、絶縁特性に優れる一方、帯電
しやすいという特性を有する。その為、これらの材料を
用いた製品は、表面に埃等の付着による汚れが目立つ場
合があった。また、これらの材料を使用した精密機械に
おいては、この材料に起因する帯電により、障害が発生
するという問題があった。
ガラスが用いられた製品には(メタ)アクリル系樹脂に
帯電防止剤を混合したハードコート層を設けることによ
り、帯電防止性を付与させる手法がなされてきた。帯電
防止剤として、イオン伝導型帯電防止剤と、電子伝導型
帯電防止剤が挙げられる。
依存する為、特に帯電防止機能を必要とする乾燥時期に
はその能力が発揮されない問題があり、用途も限られて
いる。これに対し、精密機器分野には後者の電子伝導型
帯電防止剤が用いられる場合が多い。通常、電子伝導型
帯電防止剤としては金属、金属酸化物、カーボンブラッ
ク等が用いられる。これらは極めて高価である。また、
ハードコート層の帯電防止機能を発揮するには、使用す
る(メタ)アクリル樹脂に対して相当量を配合する必要
があり、その為、透明性、表面硬度、基材との密着性と
いった(メタ)アクリル樹脂特有の性能を低下させるこ
とが新たに問題となる。
着目してなされたものであり、帯電防止性と透明性の両
方を兼ね備えたハードコート膜を形成できる帯電防止ハ
ードコート樹脂組成物を提供することを課題とする。更
に、表面硬度が高く、基材との密着性に優れたハードコ
ート膜を形成できる帯電防止ハードコート樹脂組成物を
提供することを課題とする。
は、 少なくとも、(メタ)アクリロイル基を分子中に
有する化合物からなる化合物(A)と、芳香環及び(メ
タ)アクリロイル基を分子中に有する化合物からなる化
合物(B)と、金属酸化物粒子(C)からなり、前記化
合物(A)50〜90重量部に対して、前記化合物
(B)の配合量が10〜50重量部、金属酸化物粒子
(C)の配合量が20〜100重量部であることを特徴
とする帯電防止ハードコート樹脂組成物である。
(A)が、3官能以上の(メタ)アクリロイル基を有す
ることを特徴とする、請求項1に記載の帯電防止ハード
コート樹脂組成物である。
(B)が、芳香環を4個以上有することを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載の帯電防止ハードコート
樹脂組成物である。
粒子(C)の平均粒径が、20〜100nmであること
を特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記
載の帯電防止ハードコート樹脂組成物である。
請求項4のいずれかの樹脂組成物に、光開始剤(D)を
添加したことを特徴とする、請求項1ないし請求項4の
いずれかに記載の帯電防止ハードコート樹脂組成物であ
る。
求項1ないし5のいずれかの樹脂組成物からなるハード
コート膜が設けられていることを特徴とするハードコー
ト膜形成品である。
て詳細に説明する。本発明は、基本的に(メタ)アクリ
ロイル基を分子中に有する化合物(A)と、芳香環及び
(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B)と金属酸
化物(C)からなり、前記化合物(A)50〜90重量
部に対して化合物(B)の配合量が10〜50重量部、
金属酸化物(C)配合量が20〜100重量部とした樹
脂組成物である。
製造過程で重合して(メタ)アクリル系樹脂となり、ハ
ードコート膜のベースを形成するものである。化合物
(A)としては、3官能以上の(メタ)アクリロイル基
を有するものを用いることができるが、実質的には3〜
20有するものが好適である。
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることが出来
る。また、基材との密着や、ハードコート膜の可撓性等
を得る為に、単官能あるいは二官能の(メタ)アクリロ
イル基を有する化合物を用いることもできるが、この時
ハードコート膜の表面硬度を低下させることがある。
ート膜の表面抵抗の低下に寄与する、いわゆる帯電防止
剤である。金属酸化物粒子(C)は、例えば酸化スズ、
酸化インジウム等が挙げれられる。この金属酸化物粒子
(C)の平均粒径は20〜100nmであると好まし
い。20nm未満であると充分な帯電防止効果が得られ
ず、100nmを越えると透明性が低下する為である。
好ましくは金属酸化物粒子の平均粒径は30〜70nm
であり、この時透明性を損なうことなく、高い帯電防止
性が得られる。
防止剤の電子移動効果を相乗する、いわゆる帯電防止助
剤である。化合物(B)は、分子内に芳香環を4個以上
及び(メタ)アクリロイル基を一個以上有するものを用
いることができるが、実質的には芳香環を4〜10個、
及び(メタ)アクリロイル基を2〜6個有する物が好適
である。
エタノールフルオレンジアクリレート、2−プロペノイ
ックアシッド[5,5’−(9−フルオレン−9−イリ
デン)ビス(1,1’−ビフェニル)−2−(ポリオキ
シエチレン)エステル]、2−プロペノイックアシッド
[5,5’−4−(1,1’ビフェニリル)メチレンビ
ス(1,1’−ビフェニル)−2−(ポリオキシエチレ
ン)エステル]等が挙げられる。
組成物に、光開始剤(D)を配合すると好ましい。光開
始剤(D)は紫外線などの活性エネルギー線の照射に
て、樹脂成分の重合を促進するものであれば特に限定す
ることはない。例えば紫外線を照射した際に、ラジカル
を発生する化合物などを用いることが出来る。
キシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン
ー1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル
エタン−1−オン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2
−メチル1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−
ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブ
タン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオ
キサイド等を挙げることができる。
量は、(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物
(A)50〜90重量部に対して10〜50重量部の範
囲とするのが好ましい。前記の配合量が、10重量部よ
り少ないと十分な帯電防止効果が得られず、50重量部
を越えると成形体の硬度を低下させる為好ましくない。
特に好ましくは、化合物(B)の配合量は、化合物
(A)60〜80重量部に対して、20〜40重量部の
範囲とすることにより、この時成形体の硬度を低下する
ことなく高い帯電防止能を得ることができる。
は、化合物(A)50〜90重量部に対して、20〜1
00重量部とするのが好ましい。前記の配合量が、20
重量部より少ないと十分な帯電防止効果が得られず、1
00を越えると成形体の硬度および透明性を低下させる
為好ましくない。特に好ましくは金属酸化物粒子(C)
の配合量は、化合物(A)60〜80に対して40〜8
0重量部であり、この時成形体の硬度及び透明性を低下
することなく高い帯電防止能を得ることができる。
合量は、(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合
物(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部と
すると良く、0.1重量部未満であると、十分な硬度が
得られず、また10重量部を越えると、クラックが入り
やすくなる。好ましくは、光開始剤(D)の配合量は、
(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(A)
50〜90重量部に対して、1〜7重量部であり、この
時効率よく硬化することによりクラックの発生を防ぐこ
とができる。
の製造は、例えばこれらの化合物(A)、化合物
(B)、金属酸化物粒子(C)、光開始剤(D)の各成
分を、適当な混合装置、例えばホモミキサーなどを用い
て、適当な溶媒に溶解すると共に、混合することによっ
て調整することが出来る。溶媒は特に限定することはな
いが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、
アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢
酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、トルエン、キ
シレンなどの芳香族化合物、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル類などを挙げることが出来
る。また濃度は、例えば化合物(A)、化合物(B)、
金属酸化物(C)及び光開始剤(D)の固形分に対し
て、10〜80%程度とされる。
成物を基材の表面に塗工し、好ましくは加熱して溶媒を
除去した後、紫外線などの光開始剤(D)の活性エネル
ギー線を照射することによってハードコート膜を形成す
ることが出来る。
タ、スピンコータ、ロールコータ、カーテンコータ、ス
クリーン印刷等の従来の方式を挙げることができる。溶
媒を除去する為の加熱温度や各工程の処理時間などは材
料、溶媒の種類やハードコート膜の厚さなどによって適
宣設定する、
0μm程度、好ましくは5〜30μmである。0.1μm
未満では十分な鉛筆硬度は得られず、また50μmより
厚い場合にはクラックが入りやすくなる。
品(基材)は、特に限定せず、プラスティック、ガラ
ス、金属等からなるものが挙げられる。また本発明にお
いては、帯電防止性能と透明性の両方を備えたハードコ
ート膜を提供できる為、光学部品やディスプレイなどに
適用すると好適である
グル、窓ガラスや、液晶表示装置、CRT表示装置、プ
ラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置、発光
ダイオード表示装置、EL表示装置などの各種ディスプ
レイの下面保護などに適用すると好ましい。
は、帯電防止性能の向上に寄与する化合物(B)及び金
属酸化物粒子(C)を適当な配合量で化合物(A)に添
加することにより、(メタ)アクリル系樹脂が本来備え
ている性能、例えば高い表面硬度、透明性を維持、発揮
させ、かつ基材との密着性を低下させること無く、帯電
防止性能を持つハードコート膜を得ることが出来る。
に説明するが、本発明はこれら実施例により限定される
ものではない。
てジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化
薬製、KAYARAD−DPHA)75重量部と、帯電
防止剤として粒子径30nmの酸化インジウム85重量
部と、帯電防止助剤としてビスフェノキシエタノールフ
ルオレンジアクリレート25重量部と、光開始剤として
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガ
イギー製、イルガキュア184)5重量部をメタノール
中にホモミキサーを用いて混合溶解し、ロールコータに
てPETフィルム上に厚さ20μm塗布し、オーブンに
て溶媒除去後紫外線照射にて硬化させ、ハードコート膜
を得た。得られたハードコート膜は、鉛筆硬度、表面抵
抗を測定した。
てペンタエリスリトールテトラアクリレート(共栄社化
学製、PE−4A)90重量部と、帯電防止剤として粒
径80nmの酸化スズ50重量部と、帯電防止助剤とし
て2−プロペノイックアシッド[5,5‘−(9−フル
オレン−9−イリデン)]ビス[(1,1’−ビフェニ
ル)−2−(ポリオキシエチレン)エステル](新中村
化学社製、A−BisOpp FL2E)10重量部
と、光開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー製、ダロキ
ュア1173)8重量部とした以外は実施例1と同様に
してハードコート膜を得た。
てペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学
製、PE−3A)20重量部とジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート30重量部と、帯電防止剤として粒
径55nmの酸化インジウム25重量部と、帯電防止助
剤として2−プロペノイックアシッド[5,5‘−4−
(1,1’ビフェニリル)メチレン]ビス[(1,1’
−ビフェニル)−2−(ポリオキシエチレン)エステ
ル](新中村化学社製、A−BisOPP BP2E)
50重量部と光開始剤として2−メチル−1[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1
−オン(チバガイギー社製、イルガキュア907)とし
た以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
てジペンタエリスリトールヘキサアクリレート75重量
部と、帯電防止助剤としてビスフェノキシエタノールフ
ルオレンジアクリレート25重量部と、光開始剤として
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5重量部
とし、帯電防止剤を除いた以外は実施例1と同様にして
ハードコート膜を得た。
てペンタエリスリトールトリアクリレート100重量部
と、帯電防止剤として粒子径43nm酸化スズ25重量
部と、光開始剤として2−メチル−1[4−(メチルチ
オ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン
を1重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコ
ート膜を得た。
てペンタエリスリトールテトラアクリレート20重量部
と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート60重
量部と、帯電防止剤として平均粒径2μmの酸化スズ3
5重量部と、帯電防止助剤としてビスフェノキシエタノ
ールフルオレンジアクリレート50重量部と、光開始剤
として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5
重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート
膜を得た。
てペンタエリスリトールトリアクリレート20重量部
と、ペンタエリスリトールテトラアクリレート20重量
部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート25
重量部と、帯電防止剤として平均粒径30nmの酸化イ
ンジウム10重量部と、帯電防止助剤としてビスフェノ
キシエタノールフルオレンジアクリレート35重量部
と、光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン3重量部とした以外は実施例1と同様にして
ハードコート膜を得た。
度、表面抵抗は以下の方法で測定した。 鉛筆硬度−−−JIS K5400に準拠して行った。 表面抵抗−−−JIS K6911に準拠して行った。 透過率−−−−ASTM D 1003−61に準拠し
て行った。
基を分子中に有する化合物と、芳香環及び(メタ)アク
リロイル基を有する化合物と金属酸化物粒子を混合し紫
外線照射することにより形成されるハードコート層は、
帯電防止能を有し、透明性、基材との密着性に優れ、特
に高い透明性と帯電防止性を示す。またこのハードコー
ト樹脂組成物はプラスティック、ガラスの表面に塗工す
ることにより保護層として各種製品に用いることができ
るが、特にディスプレイ製品の保護層として好適に使用
することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】少なくとも、(メタ)アクリロイル基を分
子中に有する化合物からなる化合物(A)と、芳香環及
び(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物から
なる化合物(B)と、金属酸化物粒子(C)からなり、
前記化合物(A)50〜90重量部に対して、前記化合
物(B)の配合量が10〜50重量部、金属酸化物粒子
(C)の配合量が20〜100重量部であることを特徴
とする帯電防止ハードコート樹脂組成物。 - 【請求項2】前記化合物(A)が、3官能以上の(メ
タ)アクリロイル基を有することを特徴とする、請求項
1に記載の帯電防止ハードコート樹脂組成物。 - 【請求項3】前記化合物(B)が、芳香環を4個以上有
することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載
の帯電防止ハードコート樹脂組成物。 - 【請求項4】前記金属酸化物粒子(C)の平均粒径が、
20〜100nmであることを特徴とする、請求項1な
いし請求項3のいずれかに記載の帯電防止ハードコート
樹脂組成物。 - 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかの樹脂
組成物に、光開始剤(D)を添加したことを特徴とす
る、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の帯電防
止ハードコート樹脂組成物。 - 【請求項6】物品の表面に請求項1ないし5のいずれか
の樹脂組成物からなるハードコート膜が設けられている
ことを特徴とするハードコート膜形成品。
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- 2001-03-29 JP JP2001095198A patent/JP4783993B2/ja not_active Expired - Fee Related
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