JP2002292363A - 廃棄物処理設備の排水中のダイオキシン類処理方法及びその処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は今後の規制強化に対応できる放流水
濃度が確保でき、設置費用、維持・交換費用、運転費用
等の負担を低減できる廃棄物処理設備の排水中のダイオ
キシン類（ＤＸＮ）処理方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 ＤＸＮ含有排水処理装置２０は各処理工
程でゴミ焼却物と接触し及び接触した物体を洗浄して生
じるＤＸＮ含有排水を集めるＤＸＮ含有排水系統Ｍと、
集めた該排水を受け入れる集水槽２８と、集水槽２８か
ら前記ゴミ焼却処理工程に該排水を戻す排水戻し手段Ｎ
とを組合わせた装置で、切替装置３５によって該排水を
ゴミピット２２又は炉焼却炉２３に戻して燃焼処理工程
で処理し、又は該排水を減温塔２５に戻して冷却工程で
処理し、無害化を排ガス処理工程で行う。更にはゴミピ
ット２２、炉焼却炉２３、減温塔に同時に戻して処理し
無害化できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は産業廃棄物（可燃
物）、一般廃棄物を処理するストーカ、流動床、キルン
等の焼却処理施設、ガス化溶融処理施設等の廃棄物処理
設備による排水中のダイオキシン類処理方法及びその装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、廃棄物処理設備の廃棄物処理工程
即ち燃焼処理工程、ガス冷却処理工程、排ガス処理工程
で発生する排水処理は一般的に凝集沈殿法で処理され、
その処理水を更に砂濾過処理法で処理している。

【０００３】図２は上記排水処理を行うための排水処理
設備の一例を示す概略図である。排水処理設備１は凝集
沈殿槽２と下流側に中和槽３を介して砂濾過塔４を配置
している。

【０００４】排水処理の対象は一般にプラットホーム洗
浄水、洗車排水、灰溶融設備排水、純水装置排水、灰汚
水槽排水等である。

【０００５】プラットホーム洗浄水、洗車排水は有機排
水槽５に送られ、そこでポンプＰ１により有機系調整槽
６に圧送され、有機系調整槽６を経て生物処理槽７で曝
気されて無機排水槽８に送られる。

【０００６】一方灰溶融設備９、純水装置１０、灰汚水
槽１１の各排水は無機排水槽８に送られる。また、ゴミ
ピットに設けたドレンピット１２のドレン、汚泥濃縮槽
１７の処理水も無機排水槽８に送られる。Ｐ２はドレン
を無機排水槽８に圧送するためのポンプである。

【０００７】これらの排水は無機排水槽８からポンプＰ
３により無機系調整槽１３に圧送され、無機系調整槽１
３を経て反応槽１４で苛性ソーダによる中和処理，凝集
槽１５で凝集剤による凝集処理が施される。

【０００８】中和処理、凝集処理が施された排水は凝集
沈殿槽２に送られる。該排水は撹拌機１６で攪拌された
後、凝集された汚泥がポンプＰ４により汚泥濃縮槽１７
に圧送される。汚泥濃縮槽１７で濃縮された汚泥はゴミ
ピット等に圧送される。

【０００９】一方、凝集沈殿槽２で凝集汚泥を分離した
処理液は濾過水槽１８に送られ、ポンプＰ５により砂濾
過塔４に圧送され、砂濾過塔４を通された後、放流槽に
蓄えられ、必要に応じて系外へ放流されるか、または再
利用に共される。

【００１０】図２による排水処理設備１では元来排水中
の重金属と有機物の除去を目的としているが、浮遊物質
に吸着しているダイオキシン類も同時に除去される。

【００１１】ダイオキシン類の除去はダイオキシン類特
別処置法により排出基準が定められたことで、排水処理
設備１についても見直しが行われ、凝集沈殿槽と砂濾過
塔の後段に高度処理装置として紫外線照射、オゾン、水
酸化イオン等による促進酸化処理設備、膜分離設備を設
置することも提案されている。

【００１２】

【発明が解決する課題】図２による排水処理設備１は、
凝集沈殿と砂濾過処理により高いダイオキシン類の除去
率が得られる。排水処理設備１で扱う排水は前述したよ
うにプラットホーム洗浄水、洗車排水、灰溶融設備排
水、純水装置排水、灰汚水等である。

【００１３】しかしながら、凝集沈殿と砂濾過処理によ
るダイオキシン類の除去は既に限界に達しており、現在
以上の除去率向上は期待できないことから、規制強化に
よって更に厳しい排出基準が定められた場合には対応で
きない。また、前述の排水処理設備で扱う排水の内、プ
ラットホーム洗浄水、洗車排水、灰溶融設備排水、純水
装置排水はダイオキシン類を含有しないので、従来の凝
集沈殿と砂濾過処理及びその後段に設置される高度処理
はダイオキシン類除去設備としては希釈による濃度低下
で負荷を下げる一方で処理量を肥大化させている。

【００１４】一方、凝集沈殿槽と砂濾過処理塔の後段に
紫外線照射、酸素、オゾン供給設備、循環ポンプ等を有
する促進酸化処理設備、膜分離設備を設置する提案の場
合は、今後予想される規制強化等によるより厳しい水質
基準に対応できると考えられるが、従来の排水処理設備
に加えて促進酸化処理設備、膜分離設備の設置面積を必
要とし、また、特殊な機器、装置を用いるために設置費
用、維持・交換費用等の負担が大きい。

【００１５】特に、促進酸化処理設備は、紫外線照射、
酸素、オゾン供給設備、循環ポンプ等の電力消費が大き
いので、運転費用の負担も大きい。

【００１６】本発明は上記のような問題点の解決を図っ
たものであり、今後の規制強化に対応できる放流水濃度
が確保でき、設置費用、維持・交換費用、運転費用等の
負担を低減できる廃棄物処理設備の排水中のダイオキシ
ン類処理方法及びその装置を提供することを目的とす
る。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本発明者等は上述した排
水処理設備の課題を解決するために各課題を整理し、検
討を行った。まず、目標としてダイオキシン類に対し
て高い分解・除去能力をもつこと、または排水処理設備
にダイオキシン類含有排水を流入させないこと、小型
で安価なダイオキシン類処理装置とすることを掲げ、
の対策としてダイオキシン類含有排水のみを独立した系
統とする。の対策として主灰、飛灰、排ガスと接触す
る物体を洗浄した排水を独立した系統とする。それによ
って下記のような発明に到達したものである。

【００１８】請求項１に係る発明は、廃棄物処理設備に
よる廃棄物の燃焼処理、排ガスの冷却処理、排ガス処理
の工程からなる廃棄物処理工程により廃棄物を処理する
際に、該廃棄物処理物と接触して及び／または接触した
物体を洗浄して生じるダイオキシン類含有排水を集め、
該ダイオキシン類含有排水を前記処理工程に戻して処理
し無害化することを特徴とする廃棄物処理設備の排水中
のダイオキシン類処理方法である。

【００１９】請求項２に係る発明は、請求項１に係る発
明において、ダイオキシン類含有排水を廃棄物に含有さ
せて燃焼処理工程で処理し、排ガス処理工程で無害化す
ることを特徴とする。

【００２０】請求項３に係る発明は、請求項１又は請求
項２に係る発明において、ダイオキシン類含有排水を燃
焼処理工程に設置された炉の内部に噴霧して該燃焼処理
工程で処理し、排ガス処理工程で無害化することを特徴
とする。

【００２１】請求項４に係る発明は、請求項１、請求項
２又は請求項３に係る発明において、ダイオキシン類含
有排水を冷却処理工程に設置された減温塔に戻して冷却
処理工程で蒸発させ、排ガス処理工程で無害化すること
を特徴とする。

【００２２】請求項５に係る発明は、廃棄物供給手段を
有する廃棄物処理設備の燃焼処理、冷却処理、排ガス処
理の工程からなる廃棄物処理工程で発生する排水中のダ
イオキシン類を処理する処理装置であって、前記廃棄物
処理工程で発生するダイオキシン類含有排水を集めるダ
イオキシン類含有排水系統と、集めた該排水を受け入れ
る集水槽と、該集水槽から前記廃棄物処理工程に該排水
を戻す排水戻し手段とを組合わせて設置したことを特徴
とする廃棄物処理設備の排水中のダイオキシン類処理装
置である。

【００２３】請求項６に係る発明は、請求項５に係る発
明において、ダイオキシン類含有排水を廃棄物供給施設
に戻すための排水戻し手段を設置したことを特徴とす
る。

【００２４】請求項７に係る発明は、請求項５又は請求
項６に係る発明において、ダイオキシン類含有排水を燃
焼処理工程に設置された炉の内部に戻す排水戻し手段を
設置したことを特徴とする。

【００２５】請求項８に係る発明は、請求項５、請求項
６又は請求項７に係る発明において、ダイオキシン類含
有排水を冷却処理工程に設置された減温塔に戻す排水戻
し手段を設置したことを特徴とする。

【００２６】本発明で対象とする廃棄物はゴミ等の一般
廃棄物、可燃物による産業廃棄物であり、それを処理す
る廃棄物処理設備はストーカ、流動床、キルン等の焼却
処理施設、ガス化溶融処理施設等を含むものである。

【００２７】また、一般に廃棄物処理設備は廃棄物を例
えばゴミをゴミ焼却炉に供給するホッパー、シユート等
の供給手段を有するが、その場合ゴミをホッパーに円滑
に供給するために、敷地内にゴミを仮置するゴミ置場
（ピツト）が設けられている。

【００２８】しかし、廃棄物処理設備が小規模等の場合
には直接運搬してきた廃棄物が廃棄物置場（ピツト）を
使用しないでホッパー等に供給される場合があるので、
請求項６では廃棄物ピットを含めた廃棄物供給手段を規
定した。

【００２９】本発明によれば、ダイオキシン類含有排水
を集めて受け入れる集水槽と該集水槽からダイオキシン
類含有排水のみを廃棄物処理工程に戻す手段とを設置す
ることにより、廃棄物焼却物と接触して及び／または接
触した物体を洗浄して生じるダイオキシン類含有排水の
みを集めて、それを前記処理工程に戻して処理し、排ガ
ス処理工程で無害化することができる。従って、ダイオ
キシン類含有排水は通常と同じく廃棄物処理工程で処理
され、排ガス処理工程で無害化される。

【００３０】

【発明の実施の形態】以下に、本発明による廃棄物処理
設備の実施形態の一例としてゴミ焼却設備を図によって
詳述する。図１は本発明による実施形態の一例のゴミ焼
却設備を示す概略図である。ゴミ焼却設備２１はゴミ焼
却処理工程を燃焼処理工程、ガス冷却処理工程、排ガス
処理工程に大別し、下記に述べるように各処理工程に設
置される装置等の代表例を示す。

【００３１】燃焼処理工程にはゴミ投入ホッパに付設さ
れたゴミピット２２、火格子等を設けた燃焼室とボイラ
等を備えた焼却炉２３が設置され、ガス冷却処理工程に
はエコノマイザ２４と減温塔２５が設置されて、そして
排ガス処理工程にはバグフィルタ等の集じん機２６、煙
突２７が設置されている。

【００３２】上記ゴミ焼却処理工程によれば、ゴミはゴ
ミピット２２で受けて、そこからゴミ投入ホッパに投入
されて焼却炉２３で燃焼され燃焼ガスと主灰に分離され
る。燃焼ガスは８００℃以上（好ましくは８５０℃以
上）に維持されて完全燃焼されて次工程に排ガスとして
排出される。排ガスはエコノマイザ２４と減温塔２５で
２００℃以下に冷却されて集じん機（バグフイルタ）２
６で集塵され、浄化された排ガスは誘引通風機を介して
煙突２７から大気中に放散される。

【００３３】本発明ではダイオキシン類含有排水処理装
置２０として上記各処理工程でゴミ焼却物と接触して及
び／又は接触した物体を洗浄して生じるダイオキシン類
含有排水を集めるダイオキシン類含有排水系統Ｍと、集
めたダイオキシン類含有排水を受け入れる集水槽２８
と、該集水槽２８から前記ゴミ焼却処理工程に該排水を
戻す排水戻し手段Ｎとを組合わせて設置した装置であ
る。

【００３４】ゴミ焼却物は主灰、飛灰、排ガスであり、
接触した物体は各工程に設置され該ゴミ焼却物と接触し
た装置と、主灰、飛灰を処理し系外に積み出すまでの工
程で主灰、飛灰と接触した搬送コンベヤ、混練機、処理
物バンカ、それらの設置された床面等の全てを対象とす
る。ダイオキシン類含有排水を全て集めるためである。

【００３５】図１の実施形態ではダイオキシン類含有排
水系統Ｍ（以下ＤＸＮ含有排水系統Ｍと云う）は大別し
て焼却炉２３で分離された主灰に接触して及び／又は接
触した物体を洗浄して生じるＤＸＮ含有排水系統Ｍ１、
Ｍ２とエコノマイザ２４と減温塔２５と集じん機（バグ
フイルタ）２６で捕集された飛灰に接触して及び／又は
接触した物体を洗浄して生じるＤＸＮ含有排水系統Ｍ
３、Ｍ４で構成している。

【００３６】上記主灰は一般に灰溶融装置３２で１２０
０〜１６００℃でスラグ化して、ダイオキシン類濃度の
削減と減容化が図られている。しかしその一部は灰沈殿
槽３３で沈静され、灰沈殿物は系外に積み出される。灰
沈殿槽３３での処理水（便宜上灰泥水と云う）はＤＸＮ
含有排水系統Ｍ１で集水槽２８に送られる。また、灰沈
殿槽３３から灰沈殿物を積み出す際に生じるＤＸＮ含有
洗浄水（便宜上床洗浄水と云う）はＤＸＮ含有排水系統
Ｍ２で集水槽２８に送られる。

【００３７】一方、飛灰は捕集された後、埋立地等への
利用のために、減容化、含有重金属の流出防止等の処理
をするために飛灰処理装置３４に送られ、そこで溶融固
化、セメント固化、薬剤処理、酸及びその他の溶媒によ
る安定化処理等が施される。

【００３８】その際に飛灰と接触した搬送コンベヤ、混
練機、処理物バンカ、それらの設置された床面等のＤＸ
Ｎ含有洗浄水（便宜上床洗浄水と云う）はＤＸＮ含有排
水系統Ｍ３、Ｍ４で集水槽２８に送られる。

【００３９】集水槽２８は従来の灰汚水槽と異なり、集
水槽２８からゴミ焼却設備に隣接した排水処理設備への
排水系統を無くし、ＤＸＮ含有排水系統Ｍから集められ
たＤＸＮ含有排水を受け入れて、そこからゴミ焼却処理
工程にＤＸＮ含有排水を戻す拠点としたものである。又
前述の通り、ＤＸＮ含有排水はゴミ焼却物と接触して及
び／又は接触した物体を洗浄して生じることから、主灰
及び飛灰の処理・搬出設備の床洗浄水、床沈殿槽のオー
バーフロー水等として現れ、発生量が時間的に大きく変
化する性質を持つ。従って、集水槽２８は流量変動を吸
収するバッファタンクとして、処理工程の安定化に貢献
する。集水槽２８は一個に限定されるものではなく、必
要に応じて適宜設けることができる。従って、従来の灰
汚水槽も一部改良して本発明の集水槽２８として利用す
ることもできる。

【００４０】集水槽２８からゴミ焼却処理工程に戻す排
水戻し手段Ｎは、排水供給系統２９と供給装置３０と吹
込み装置３１から構成され、一般には排水供給系統２９
に排水管、供給装置３０にポンプＰ、吹込み装置３１に
ノズルが用いられている。排水戻し手段Ｎは排水供給系
統２９に切替装置３５を設けて、好ましい例としてゴミ
ピット２２と焼却炉２３と減温塔２５に分岐排水供給系
統２９ａ、２９ｂ、２９ｃを設けている。

【００４１】切替装置３５によってＤＸＮ含有排水をゴ
ミピット２２に戻して燃焼処理工程で処理し、ＤＸＮ含
有排水を焼却炉２３に戻して燃焼処理工程で処理し、ま
た、ＤＸＮ含有排水を減温塔に戻して冷却工程で蒸発さ
せ、無害化を排ガス処理工程で行うことができ、更には
それらを互いに組み合わせて例えばＤＸＮ含有排水をゴ
ミピット２２と焼却炉２３と減温塔２５に同時に戻して
ゴミ焼却処理工程の各処理工程で処理し、排ガス処理工
程で無害化することができる。

【００４２】図１による実施形態で廃棄物処理設備の一
例としてゴミ焼却設備を取り上げ、ゴミピット２２と焼
却炉２３と減温塔２５について説明したが、返送先はこ
れに限定されるものではなく上記した廃棄物処理工程内
に設置された装置等において、ＤＸＮ含有排水を戻すこ
とのできる箇所にＤＸＮ含有排水を例えば吹き込むこと
ができる。

【００４３】図１のＤＸＮ含有排水処理装置２０によれ
ば、ゴミ焼却設備２１による燃焼処理、冷却処理、排ガ
ス処理の工程からなるゴミ焼却処理工程によりゴミ焼却
物を処理する際に、該ゴミ焼却物と接触して及び／また
は接触した物体を洗浄して生じるＤＸＮ含有排水を集
め、該ＤＸＮ含有排水を各焼却処理工程の少なくとも一
つの処理工程に戻して焼却処理工程内において処理し無
害化することができる。

【００４４】特に好ましい例では切替装置３５によって
ダイオキシン類含有排水をゴミピット２２に戻して燃焼
処理工程で処理し、ダイオキシン類含有排水を焼却炉２
３に戻して燃焼処理工程で処理し、ＤＸＮ含有排水を減
温塔に戻して冷却工程で蒸発させ、無害化を排ガス処理
工程で行う。更にはそれら互いに組み合わせて同時にダ
イオキシン類含有排水をゴミ焼却処理工程の各処理工程
で処理して、排ガス処理工程で無害化することができ
る。

【００４５】以上のように、図１による実施形態ではゴ
ミ焼却設備によるゴミ焼却処理工程で発生するＤＸＮ含
有排水は隣接する排水処理設備に送らないので、排水処
理設備で扱う排水のダイオキシン類の濃度を低減するこ
とができる。従って、規制強化等によって更に排出基準
が改正された場合でも対応できる。また、排水処理設備
はＤＸＮ含有排水の処理を含まないので、その分だけコ
ンパクトにできる。

【００４６】また、凝集沈殿槽と砂濾過塔の後段に高度
処理装置として紫外線照射等による促進酸化処理設備、
膜分離設備を設置しなくてもダイオキシン類の濃度を低
減することができる。

【００４７】なお、本発明では前記ゴミ焼却処理工程に
戻すダイオキシン類含有排水量はゴミ焼却設備における
焼却炉の各処理工程で扱う単位当たりのゴミ焼却処理能
力により定まる投入水量より下回るようにする。一例と
してゴミ焼却設備では一般にゴミ焼却設備での廃熱ボイ
ラ等の効率を満足させるためにゴミカロリー計算による
処理可能な排水量を規定される。検討例として焼却能力
１００ｔ／日、ゴミカロリー２４００ｋｃａｌ／ｋｇ、
ゴミカロリー低下の許容範囲を１０００ｋｃａｌ／ｋｇ
とすると、一般に知られている三成分値によるゴミカロ
リー推定式による処理可能な排水量は１４．３ｔ／日で
ある。

【００４８】現在、殆どのゴミ焼却設備では上記したダ
イオキシン類含有排水量は数ｔ／ｋｇであり、それらを
本発明により全量処理してもゴミ焼却設備での排水処理
能力を上回ることはない。

【００４９】以上は実施形態の一例としてゴミ焼却処理
設備について述べたが、ゴミ以外の廃棄物例えば可燃物
の産業廃棄物についても同様な効果が得られることはい
うまでもない。また、ゴミ焼却処理設備にストーカー焼
却炉を用いたがこれに限定されるものではなく、流動
床、キルン等の焼却処理施設、ガス化溶融処理施設等も
用いることができる。

【００５０】

【発明の効果】以上のように、本発明は廃棄物処理工程
で発生するダイオキシン類含有排水を集めるダイオキシ
ン類含有排水系統と、集めた該排水を受け入れる集水槽
と、該集水槽から前記廃棄物処理工程に該排水を戻す排
水戻し手段とを組合わせて設置した簡単な排水中のダイ
オキシン類処理装置によって、今後の規制強化に対応で
きる放流水濃度が確保でき、設置費用、維持・交換費
用、運転費用等の負担を軽くできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による実施形態の一例を示す概略図であ
る。

【図２】従来のゴミ焼却設備における排水中のダイオキ
シン類処理設備の一例を示す図である。

【符号の説明】

２０ ダイオキシン類含有排水処理装置 ２１ ゴミ焼却設備 ２２ ゴミピット ２３ 焼却炉 ２４ エコノマイザ ２５ 減温塔 ２６ 集じん機 ２７ 煙突 ２８ 集水槽 ２９ 排水供給系統 ２９ａ、２９ｂ、２９ｃ 分岐排水供給系統 ３０ 供給装置 ３１ 吹込み装置 ３２ 灰溶融装置 ３３ 灰沈殿槽 ３４ 飛灰処理装置 ３５ 切替装置 Ｍ、Ｍ１、Ｍ２、Ｍ３、Ｍ４ ダイオキシン類含有排水
系統 Ｎ 排水戻し手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ０７Ｂ 35/06 Ｆ２３Ｇ 7/04 ６０１Ｚ 37/06 Ｂ０１Ｄ 53/34 １３４Ｅ Ｃ０７Ｄ 319/24 Ｂ０９Ｂ 3/00 ３０３Ｊ Ｆ２３Ｇ 7/04 ６０１ ＺＡＢ (72)発明者 伊藤 純一 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 Ｆターム(参考） 3B201 AA46 BB21 BB82 BB88 BC00 CC00 4D002 AA21 AC04 BA05 BA12 BA13 CA01 EA02 4D004 AA46 AB07 CA24 CC03 DA02 DA06 4D034 AA26 CA04 CA13 CA19 DA05 4H006 AA05 AC13 AC26 BD41 BD52 BD84

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 廃棄物処理設備による廃棄物の燃焼処
   理、排ガスの冷却処理、排ガス処理の工程からなる廃棄
   物処理工程により廃棄物を処理する際に、該廃棄物処理
   物と接触して及び／または接触した物体を洗浄して生じ
   るダイオキシン類含有排水を集め、該ダイオキシン類含
   有排水を前記処理工程に戻して処理し無害化することを
   特徴とする廃棄物処理設備の排水中のダイオキシン類処
   理方法。
2. 【請求項２】 ダイオキシン類含有排水を廃棄物に含有
   させて燃焼処理工程で処理し、排ガス処理工程で無害化
   することを特徴とする請求項１記載による廃棄物処理設
   備の排水中のダイオキシン類処理方法。
3. 【請求項３】 ダイオキシン類含有排水を燃焼処理工程
   に設置された炉の内部に噴霧して該燃焼処理工程で処理
   し、排ガス処理工程で無害化することを特徴とする請求
   項１又は請求項２記載による廃棄物処理設備の排水中の
   ダイオキシン類処理方法。
4. 【請求項４】 ダイオキシン類含有排水を冷却処理工程
   に設置された減温塔に戻して冷却処理工程で蒸発させ、
   排ガス処理工程で無害化することを特徴とする請求項
   １、請求項２または請求項３記載による廃棄物処理設備
   の排水中のダイオキシン類処理方法。
5. 【請求項５】 廃棄物供給施設を有する廃棄物処理設備
   の燃焼処理、冷却処理、排ガス処理の工程からなる廃棄
   物処理工程で発生する排水中のダイオキシン類を処理す
   る処理装置であって、前記廃棄物処理工程で発生するダ
   イオキシン類含有排水を集めるダイオキシン類含有排水
   系統と、集めた該排水を受け入れる集水槽と、該集水槽
   から前記廃棄物処理工程に該排水を戻す排水戻し手段と
   を組合わせて設置したことを特徴とする廃棄物処理設備
   の排水中のダイオキシン類処理装置。
6. 【請求項６】 ダイオキシン類含有排水を廃棄物供給施
   設に戻すための排水戻し手段を設置したことを特徴とす
   る請求項５記載による廃棄物処理設備の排水中のダイオ
   キシン類処理装置。
7. 【請求項７】 ダイオキシン類含有排水を燃焼処理工程
   に設置された炉の内部に戻す排水戻し手段を設置したこ
   とを特徴とする請求項５又は請求項６記載による廃棄物
   処理設備の排水中のダイオキシン類処理装置。
8. 【請求項８】 ダイオキシン類含有排水を冷却処理工程
   に設置された減温塔に戻す排水戻し手段を設置したこと
   を特徴とする請求項５、請求項６又は請求項７記載によ
   る廃棄物処理設備の排水中のダイオキシン類処理装置。