JP2002280243A - 電気機器の乾燥方法および乾燥装置 - Google Patents

電気機器の乾燥方法および乾燥装置

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JP2002280243A JP2001079783A JP2001079783A JP2002280243A JP 2002280243 A JP2002280243 A JP 2002280243A JP 2001079783 A JP2001079783 A JP 2001079783A JP 2001079783 A JP2001079783 A JP 2001079783A JP 2002280243 A JP2002280243 A JP 2002280243A
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vacuum
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Shigetaka Kasai
重孝 笠井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気機器を加熱しなくても済む乾燥方法を提供
する。 【解決手段】水分を含有し得る絶縁物を備えた電気機器
1を密封容器2内に収納し、密封容器2内を真空排気す
ることによって絶縁物を乾燥させる方法において、初期
工程で密封容器2内からのガスを排気し、次工程で密封
容器2内からのガスを冷却しながら排気する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水分を含有し得
る絶縁物を備えた電気機器、例えば、油入変圧器などの
乾燥方法に関し、特に、加熱する必要のない電気機器の
乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、油入変圧器などの電気機器は、
絶縁や機械的支持のために内部に絶縁物が使用されてい
るが、水分を含有し得る絶縁物は、その含有水分が多い
状態のまま使用すると絶縁耐力が低くなるとともに機械
的強度も弱くなる。そのために、水分を含有し得る絶縁
物が使用されている電気機器は予め乾燥され、絶縁物に
含まれている水分の除去が行われる。一般に、水分を含
有した絶縁物の周囲の平衡水蒸気圧は、その絶縁物の温
度が高い程、或いは、その絶縁物の含有水分量が多い
程、高くなる。
【0003】図4は、クラフト紙の場合の平衡水蒸気圧
線図であり、出所は、J.D.Piper著,Tran
saction Paper,A.J.E.E.Dec
ember 1946,65.pp.791−797で
ある。図4の横軸はクラフト紙の温度、縦軸は平衡水蒸
気圧である。平衡水蒸気圧の単位はmmHgで示されて
いるが、1mmHgは0.133kPa・absであ
る。実線が、各含有水分量W(重量%)の場合のクラフ
ト紙の平衡水蒸気圧特性曲線である。一点鎖線は、水の
場合の平衡水蒸気圧特性曲線であり、比較のために添え
られている。縦軸の平衡水蒸気圧をLog目盛り、横軸
の温度を平等目盛とすることによって、クラフト紙の平
衡水蒸気圧特性が直線となり、クラフト紙の平衡水蒸気
圧は、温度が高い程、或いは、含有水分量Wが多い程、
高くなる。この平衡水蒸気圧特性に基づくようにすれ
ば、クラフト紙を乾燥させることができる。図4によれ
ば、例えば、クラフト紙を含有水分量Wが0.51%に
なるまで乾燥させる場合、クラフト紙の温度が20℃で
あれば、クラフト紙周囲の圧力が0.05mmHgにな
るまで真空引きする必要がある。ところが、電気機器を
0.05mmHgと言う高真空にすることは困難であ
る。すなわち、電気機器を0.05mmHgの真空度に
するには、電気機器から真空ポンプまでの配管抵抗があ
るために、真空ポンプ側を少なくとも0.005mmH
gまで真空引きする必要があるが、例えば、油回転ポン
プのような真空ポンプ単体で限られた時間内にこのよう
な高真空を実現させることは不可能である。しかし、図
4によれば、クラフト紙を60℃に加熱しておけば、真
空度が1mmHg程度でもクラフト紙を含有水分量W
0.51%まで乾燥させることができる。したがって、
従来、例えば油入変圧器などの電気機器を乾燥させる場
合は、初めに電気機器を加熱し、その後真空引きするよ
うにしていた。
【0004】図3は、従来の電気機器の乾燥装置の構成
を示す側面図である。密閉容器2の内部に電気機器1お
よびヒータ8が収納されている。密閉容器2には開閉弁
9Aを介して配管9が接続され、その配管9の右端部が
真空ポンプ4に接続されている。従来の電気機器1の乾
燥方法は、図3において、初めヒータ8でもって電気機
器1が加熱される。その後、真空ポンプ4を動作させ、
密閉容器2内のガスが排気される。そのガスは、元々密
閉容器2内にあった空気と電気機器1の絶縁物から発生
する水蒸気である。前述されたように、加熱温度は、高
い方が低真空度でもって乾燥することができるので、電
気機器1をその絶縁物の耐熱温度まで上昇させる。例え
ば、絶縁物がクラフト紙の場合、100℃程度まで加熱
される。
【0005】なお、絶縁物としてクラフト紙などが使用
された油入変圧器の乾燥処理では、その油タンク内の中
身本体,すなわち,鉄心および巻線などからなる変圧器
本体だけが図3における電気機器1として密閉容器2内
に収納され乾燥される。乾燥後、密閉容器2内に油が注
入され、油入変圧器の中身本体が油含浸される。油入変
圧器の中身本体を油タンク内に収めるのは、密閉容器2
の外部で行われる。また、図3における電気機器1の構
成として油タンクに中身本体が収納された状態の場合も
ある。その場合は、配管9が電気機器1の油タンクに接
続され、その油タンク内部が真空引きされる。乾燥後、
電気機器1の油タンク内に油が注入され中身本体が油含
浸される。
【0006】また、油入変圧器やガス絶縁変圧器などの
電気機器の乾燥方法には、油タンクやガスタンクなどの
電気機器タンク内に電気機器の中身本体が収納されたま
まの状態で電気機器タンク自体を密閉容器として乾燥処
理を行う方法があり、このような乾燥方法は、特に、乾
燥設備が用意されていない据付現地で乾燥を行う場合に
は好適な乾燥方法である。このような,電気機器タンク
自体を密閉容器として乾燥処理を行う方法の場合には、
図3のようなヒータ8による加熱の代わりに、図5に示
されるような,熱油(ガス)循環,すなわち,絶縁油や
絶縁ガスを加熱して循環させて中身本体を加熱する方法
がよく用いられる。
【0007】図5は、図3の電気機器の乾燥装置におけ
る加熱方法とは異なる加熱方法を示す側面図であり、油
入変圧器やガス絶縁変圧器などの電気機器21の乾燥処
理において、油タンクやガスタンクなどの電気機器タン
ク23内に電気機器の中身本体22が収納されたままの
状態で電気機器タンク23自体を密閉容器として乾燥処
理を行うための加熱方法を示している。図5において、
電気機器タンク23に、例えば脱気装置などの,ヒータ
を備えた循環装置25をバルブ26,27および配管を
介して接続して、絶縁油や絶縁ガスなどの絶縁媒体24
を加熱して循環させることにより、電気機器の中身本体
22を加熱する。電気機器の中身本体22が充分に加熱
されたら、絶縁油や絶縁ガスなどの絶縁媒体24を電気
機器タンク23から抜いて、図3と同様に真空ポンプに
より真空引きすることによって乾燥を行う。なお、油入
変圧器やガス絶縁変圧器などの電気機器21では、その
絶縁媒体24を電気機器タンク23内に封入するための
バルブが付属しているが、この付属のバルブを図5のバ
ルブ26として用いることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の電気機器の乾燥方法は、加熱するのに多
大なエネルギーを必要とするという問題があった。すな
わち、電気機器を予めヒータでもって加熱するので多大
なエネルギーを消費する。そのエネルギーは、電気機器
が大きくなるにつれて増加するとともに、コスト高とな
る。
【0009】また、電気機器タンク内に電気機器の中身
本体が収納されたままの状態で電気機器タンク自体を密
閉容器として乾燥処理を行う場合に、真空引き前の加熱
方法として、上述のような,熱油(ガス)循環,すなわ
ち,絶縁油や絶縁ガスを加熱して循環させることにより
電気機器の中身本体を加熱する方法が従来用いられてい
た。しかしながら、このような熱油(ガス)循環による
加熱を行う方法においては、真空ポンプなどの真空引き
のための装置に加えて、ヒータを備えた循環装置を用意
する必要があるとともに、特に加熱媒体として絶縁油を
用いる場合には、その絶縁油が不燃性のものでなければ
その取り扱いにおいて防災上の管理が必要であり、ま
た、真空引き前に電気機器タンクから絶縁油を引き抜く
作業もそのための設備が用意されていない据付現地の場
合、煩雑なものになるなどの問題もあった。
【0010】この発明の目的は、電気機器を加熱しなく
ても済む乾燥方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の方法によれば、水分を含有し得る絶縁物
を備えた電気機器を密封容器内に収納し、前記密封容器
内を真空排気することによって前記絶縁物を乾燥させる
方法において、初期工程で前記密封容器内からのガスを
排気し、次工程で前記密封容器内からのガスを冷却しな
がら排気するようにするとよい。それによって、初期工
程では、主として密封容器内の空気が排気され、次工程
で水蒸気が除去される。すなわち、次工程では、排気さ
れるガスが冷却されるので、そのガスに含まれる水蒸気
が凝縮される。そのために、排気側に高い真空状態が形
成され、密封容器内のガスが排気側に引っ張られる。そ
れによって、水分が引き出され、電気機器が乾燥され
る。したがって、電気機器を予め加熱しなくても済み、
常温で電気機器を乾燥することができる。
【0012】また、かかる電気機器の乾燥方法を実施す
る装置を、前記密封容器の排気口に冷凍トラップを介し
て真空ポンプが接続され、初期工程で前記真空ポンプを
動作させることによって前記密封容器内からのガスを排
気し、次工程で前記真空ポンプと前記冷凍トラップとを
ともに動作させることによって前記密封容器内からのガ
スを冷却しながら排気するように構成するとよい。それ
によって、初期工程では真空ポンプでもって主として密
封容器内の空気が排気され、次工程では冷凍トラップで
もって排気の途中で水蒸気が除去される。そのために、
加熱装置が無くても電気機器を乾燥させることができ
る。
【0013】また、かかる構成において、前記真空ポン
プ内の潤滑油に含まれる水分を除去する油水分離フイル
タが設けられてなるようにしてもよい。それによって、
真空ポンプまで到達した水蒸気が例え潤滑油に混ざって
も、油水分離フイルタでもってその水分が除去される。
したがって、密封容器から真空ポンプへの排気系の水蒸
気圧が高まるのを防ぐことができる。
【0014】また、かかる構成において、前記冷凍トラ
ップが、蓋を有する真空容器からなり、前記蓋に前記真
空容器の内側に突出するポケット部が設けられるととも
に前記真空容器の両側にそれぞれ前記密封容器内からの
ガス流入口と、前記真空ポンプ側へのガス流出口が設け
られ、前記真空容器の外側から前記ポケット部に冷却剤
を挿入することによって前記冷凍トラップを動作させて
なるようにしてもよい。それによって、冷凍トラップに
入った水蒸気がポケット部の外周に霜となって凝縮付着
する。乾燥中にときどき蓋を明けてその霜を削り取り、
霜の量を計測すれば、その時点での電気機器の乾燥状態
を知ることができる。
【0015】また、かかる構成において、前記密封容器
側から前記ガス流入口へ繋ぐ配管の口径が、前記ガス流
出口から前記真空ポンプ側へ繋ぐ配管の口径より大きい
ようにしてもよい。密封容器から真空ポンプへの排気系
において、密封容器から冷凍トラップへの排気系は、冷
凍トラップから真空ポンプへの排気系と比べて水蒸気が
多く流れるが、上記のように、密封容器側からガス流入
口へ繋ぐ配管の口径を大きくすることによって、水蒸気
の流れる部分の配管抵抗が減るので、密封容器からの水
蒸気が排出されやすくなる。
【0016】また、かかる構成において、前記真空容器
の内部空間における前記ガス流入口と前記ポケット部と
の間隙が、前記ガス流出口と前記ポケット部との間隙よ
り大きいようにしてもよい。ガス流入口と前記ポケット
部との間隙には水蒸気が存在するので、この隙間を大き
くすることによって、冷凍トラップ内部における水蒸気
の流れの抵抗が減り、密封容器からの水蒸気がさらに排
出されやすくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明を実施例に基づい
て説明する。図1は、この発明の実施例にかかる電気機
器の乾燥装置の構成を示す側面図である。電気機器1が
収納された密閉容器2には配管7が接続され、その配管
7が開閉弁7A,7Bを介して冷凍トラップ3に接続さ
れている。さらに、冷凍トラップ3には配管6が接続さ
れ、その配管6が開閉弁6Aを介して真空ポンプ4に接
続されている。また、真空ポンプ4内部の潤滑油と連通
する配管5A,5Bが設けられ、配管5A,5Bの左端
部は油水分離フイルタ5が接続されている。
【0018】図1において、初期工程では、開閉弁6
A,7A,7Bはいずれも開成状態にしたままで、か
つ、冷凍トラップ3は動作させずに真空ポンプでもって
密封容器2内からのガスを排気し、密封容器2内の真空
度が数100mmHg程度になるまで続ける。それによ
って、密封容器2内の空気を除去する。次工程では、冷
凍トラップ3を動作させ、密封容器2から来る水蒸気を
冷凍トラップ3でもって凝縮させながら、真空ポンプ4
でもって排気させる。水蒸気が凝縮されることにより、
排気側に高い真空状態が形成されるので、密封容器2内
のガスが排気側に引っ張られ、電気機器の水分が引き出
される。したがって、電気機器1を従来のように予め加
熱しなくてもよく、常温で電気機器1を乾燥することが
できる。ヒータが不要なのでエネルギーの消費が減るよ
うになり、エネルギー代が節約されるので低コストでも
ある。
【0019】また、図1において、真空ポンプ4の動作
中に油水分離フイルタ5を働かせておけば、真空ポンプ
4の排気能力を維持することができる。すなわち、真空
ポンプ4中の潤滑油を配管5A,5B、油水分離フイル
タ5でもって循環させる。それによって、油水分離フイ
ルタ5でもって潤滑油に含まれる水分が除去される。そ
のために、配管6を介して真空ポンプ4まで到達した水
蒸気が例え潤滑油に混ざっても、油水分離フイルタ5で
もってその水分が除去されるので、密封容器2から真空
ポンプ4への排気系の水蒸気圧が高まるのを防ぐことが
でき、水蒸気による真空ポンプ4の排気能力の低下を抑
えることができる。
【0020】なお、図1において、油入変圧器を乾燥す
る場合は、密封容器2として油タンクをそのまま用いる
ことができる。その場合の電気機器1としては変圧器の
中身本体となる。したがって、乾燥後はその状態で油を
密封容器2内に満たすことができ、工程の簡素化にもな
る。この点は、ガス絶縁変圧器を乾燥する場合も同様で
あり、密封容器2としてガスタンクをそのまま用いて、
電気機器1としての変圧器の中身本体が密封容器2とし
てのガスタンク内に収納されたままで乾燥処理を行い、
乾燥後はそのままの状態で絶縁ガスを密封容器2として
のガスタンク内に満たすようにすることができる。
【0021】なお、特に据付現地などで従来よく行われ
ていた油入変圧器,ガス絶縁変圧器などの電気機器の乾
燥方法,すなわち,電気機器タンク内に電気機器の中身
本体が収納されたままの状態で電気機器タンク自体を密
閉容器として絶縁油や絶縁ガスなどを加熱して循環さ
せ,その後この絶縁油や絶縁ガスなどを抜いて,真空引
きする方法では、前述のように、真空ポンプなどの真空
引きのための装置に加えて、ヒータを備えた循環装置を
用意する必要があるとともに、特に加熱媒体として絶縁
油を用いる場合には、その絶縁油が不燃性のものでなけ
ればその取り扱いにおいて防災上の管理が必要であり、
また、真空引き前に電気機器タンクから絶縁油を引き抜
く作業もそのための設備が用意されていない据付現地の
場合煩雑なものになるなどの問題があったが、この発明
によれば、真空引きの前の加熱処理自体が不要となるの
で、従来のような問題は解消されるまた、初期工程で冷
凍トラップ3を動作させても一向に構わない。初期工程
での排気ガスの殆どは空気なので、初期工程で冷凍トラ
ップ3を動作させないのは、冷凍トラップ3に使用され
る後述の冷却剤を節約するためだけの理由からである。
さらに、図1において、密封容器2と冷凍トラップ3と
の間の配管7の口径を6Bとし、開閉弁7A,7Bを口
径6B用のものとしている。一方、真空ポンプ4と冷凍
トラップ3との間の配管6の口径を4Bとし、開閉弁6
Aを口径4B用のものとしている。口径の呼び名はJI
S G 3452により、配管の外径をインチ単位の数
字でもってBの前に付けて呼ばれる。すなわち、6Bと
は外径が6インチの口径を指し、4Bとは外径が4イン
チの口径を指している。したがって、密封容器2側から
冷凍トラップ3のガス流入口3Aへ繋ぐ配管7の口径
が、冷凍トラップ3のガス流出口3Bから真空ポンプ4
側へ繋ぐ配管6の口径より大きくなっている。密封容器
2から真空ポンプ4への排気系において、密封容器2か
ら冷凍トラップ3への排気系は、冷凍トラップ3から真
空ポンプ4への排気系と比べて水蒸気が多く流れるが、
密封容器2側からガス流入口3Aへ繋ぐ配管7の口径を
大きくすることによって、水蒸気の流れる部分の配管抵
抗が減るので、密封容器2からの水蒸気が排出されやす
くなる。それによって、電気機器1の乾燥時間が短縮さ
れる。
【0022】図2は、図1の冷凍トラップ3の構成を示
す一部破砕斜視図である。冷凍トラップ3が、蓋3Dを
有する真空容器3Eからなる。蓋3Dには真空容器3E
の内側下方へ突出するポケット部3Cが設けられ,真空
容器3Eの左側には図示されていない密封容器側からの
ガス流入口3Aが、真空容器3Eの右側には図示されて
いない真空ポンプ側へのガス流出口3Bが設けられてあ
る。
【0023】図2の冷凍トラップ3を動作させるには、
真空容器3Eの外側上部からポケット部3Cに冷却剤が
挿入される。冷却剤は、例えば、ドライアイスとアルコ
ールなど低融点液体が用いられる。冷凍トラップ3を動
作させると、真空容器3Eのガス流入口3Aから入った
水蒸気が霜3Fとなってポケット部3Cの外周に凝縮付
着する。一方、空気はガス流出口3Bから真空ポンプ側
へ流れて行く。それによって、密封容器側からのガスの
水分を捕獲することができる。乾燥中にときどき蓋3D
を明けてポケット部3Cに付いた霜3Fをへらなどで削
り取る。その霜3Fを水にしてメスシリンダーなどでそ
の量を計測すれば、その時点での電気機器の乾燥状態を
知ることができる。計測毎の霜3Fの量が一定値以下に
なれば、乾燥終了であることを知ることができる。それ
によって、正確に電気機器の乾燥終了時期を判定するこ
とができる。
【0024】なお、図2の冷凍トラップ3は、ポケット
部3Cが真空容器3Eに対して偏心している。それによ
って、真空容器3Eの内部空間におけるガス流入口3A
とポケット部3Cとの間隙Xが、ガス流出口3Bとポケ
ット部3Cとの間隙Yより大きくなっている。間隙X
は、水蒸気が存在する場所なので大きくすることによっ
て、水蒸気の流れの抵抗が減り、密封容器からの水蒸気
を引き出しやすくなり、電気機器の乾燥時間がさらに短
縮される。
【0025】
【発明の効果】この発明の方法は、前述のように、初期
工程で密封容器内からのガスを排気し、次工程で密封容
器内からのガスを冷却しながら排気するようにすること
によって、常温で電気機器を乾燥することができるよう
になり、省エネルギー化と低コスト化を図ることができ
る。
【0026】また、かかる電気機器の乾燥方法を実施す
る装置において、真空ポンプ内の潤滑油に含まれる水分
を除去する油水分離フイルタが設けられてなるようにす
ることによって、真空ポンプの能力低下を防ぐことがで
きる。また、かかる構成において、冷凍トラップが、蓋
を有する真空容器からなり、蓋に真空容器の内側に突出
するポケット部が設けられるとともに真空容器の両側に
それぞれ密封容器内からのガス流入口と、真空ポンプ側
へのガス流出口が設けられ、真空容器の外側からポケッ
ト部に冷却剤を挿入し冷凍トラップを動作させるように
することによって、その時点での電気機器の乾燥状態を
知ることができ、正確に電気機器の乾燥終了時期を判定
することができる。
【0027】また、かかる構成において、密封容器側か
らガス流入口へ繋ぐ配管の口径が、ガス流出口から真空
ポンプ側へ繋ぐ配管の口径より大きいようにすることに
よって、水蒸気の流通する部分の配管抵抗が減り、乾燥
時間を短縮することができる。また、かかる構成におい
て、真空容器の内部空間におけるガス流入口とポケット
部との間隙が、ガス流出口とポケット部との間隙より大
きいようにすることによって、冷凍トラップ内部におけ
る水蒸気の流れの抵抗が減り、乾燥時間をさらに短縮す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかる電気機器の乾燥装置
の構成を示す側面図
【図2】図1の冷凍トラップの構成を示す一部破砕斜視
【図3】従来の電気機器の乾燥装置の構成を示す側面図
【図4】クラフト紙の場合の平衡水蒸気圧線図
【図5】図3の電気機器の乾燥装置における加熱方法と
は異なる加熱方法を示す側面図
【符号の説明】
1:電気機器、2:密封容器、3:冷凍トラップ、3
A:ガス流入口、3B:ガス流出口、3C:ポケット
部、3D:蓋、3E:真空容器、4:真空ポンプ、5:
油水分離フイルタ、6,7:配管、6A,7A,7B:
開閉弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水分を含有し得る絶縁物を備えた電気機器
    を密封容器内に収納し、前記密封容器内を真空排気する
    ことによって前記絶縁物を乾燥させる方法において、初
    期工程で前記密封容器内からのガスを排気し、次工程で
    前記密封容器内からのガスを冷却しながら排気すること
    を特徴とする電気機器の乾燥方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電気機器の乾燥方法を実
    施する装置であって、前記密封容器の排気口に冷凍トラ
    ップを介して真空ポンプが接続され、初期工程で前記真
    空ポンプを動作させることによって前記密封容器内から
    のガスを排気し、次工程で前記真空ポンプと前記冷凍ト
    ラップとをともに動作させることによって前記密封容器
    内からのガスを冷却しながら排気することを特徴とする
    電気機器の乾燥装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の電気機器の乾燥装置にお
    いて、前記真空ポンプ内の潤滑油に含まれる水分を除去
    する油水分離フイルタが設けられてなることを特徴とす
    る電気機器の乾燥装置。
  4. 【請求項4】請求項2または3に記載の電気機器の乾燥
    装置において、前記冷凍トラップが、蓋を有する真空容
    器からなり、前記蓋に前記真空容器の内側に突出するポ
    ケット部が設けられるとともに前記真空容器の両側にそ
    れぞれ前記密封容器内からのガス流入口と、前記真空ポ
    ンプ側へのガス流出口が設けられ、前記真空容器の外側
    から前記ポケット部に冷却剤を挿入することによって前
    記冷凍トラップを動作させてなることを特徴とする電気
    機器の乾燥装置。
  5. 【請求項5】請求項2ないし4のいずれかに記載の電気
    機器の乾燥装置において、前記密封容器側から前記ガス
    流入口へ繋ぐ配管の口径が、前記ガス流出口から前記真
    空ポンプ側へ繋ぐ配管の口径より大きいことを特徴とす
    る電気機器の乾燥装置。
  6. 【請求項6】請求項4または5に記載の電気機器の乾燥
    装置において、前記真空容器の内部空間における前記ガ
    ス流入口と前記ポケット部との間隙が、前記ガス流出口
    と前記ポケット部との間隙より大きいことを特徴とする
    電気機器の乾燥装置。
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