JP2002276893A - フロート弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロートが弁孔を完全に閉じた位置でフロー
ト座によって安定に保持されるフロート弁を提供する。 【解決手段】 入口４と出口６を有する本体１と蓋部材
２からなるケーシング内に弁室５を形成し、弁室５と出
口６を連通する弁孔１４を有する弁座１６の弁室５側端
を弁室５に突出させて設け、弁孔１４の弁室５側端に接
する部分を球面状に形成した開放または密閉のフロート
１３を弁室５内に自由状態で配置してフロート１３の球
面状の外表面で弁孔１４を直接閉じるようにし、フロー
ト１３と同じか微少大きい半径の部分球面状のフロート
座１５を弁孔１４の中心軸Ａに対してフロート１３の球
心を通る概略直角方向の軸Ｂの周りに形成し、フロート
１３がフロート座１５に接した位置で弁孔１４を完全に
閉じるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、気体と液体の比重
差を利用して開放または密閉のフロートの外表面で弁孔
を直接開閉し、気液混合系から一方の流体を自動的に排
出するフロート弁に関する。このフロート弁は蒸気配管
系に発生する復水を自動的に排出するスチームトラッ
プ、圧縮空気配管系に発生する凝縮水を自動的に排出す
るエアートラップ、ガス配管系に発生する凝縮水を自動
的に排出するガストラップ、油配管系に混在する水を自
動的に排出するオイルトラップ、水配管系に混在する空
気を自動的に排出するエアーベントとして利用される。

【０００２】

【従来の技術】従来のフロート弁として実公昭６３−１
２３１８号公報に示されたものがある。ここに示された
ものは、入口と出口を有するケーシング内に弁室を形成
し、弁室と出口を連通する弁孔を有する弁座の弁室側端
を弁室に突出させて設け、弁孔の弁室側端に接する部分
を球面状に形成した開放または密閉のフロートを弁室内
に自由状態で配置してフロートの球面状の外表面で弁孔
を直接閉じるようにし、フロートよりも微少大きい半径
の部分円筒面状のフロート座を弁孔と同軸に形成し、フ
ロートがフロート座に接した位置で弁孔を完全に閉じる
ようにしたものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のもの
は、フロートよりも微少大きい半径の部分円筒面状のフ
ロート座を弁孔と同軸に形成したものであるので、フロ
ートが弁孔の軸方向に変位し易い。そのため、弁室内の
液面が動揺したり弁室内の流体の流動の影響を受ける
と、フロートが弁孔の軸方向に揺れて排出すべきでない
一方の流体を漏洩したり、また入口と出口の圧力が変動
して出入口の差圧が小さくなると、フロートが弁孔から
離れて出口から弁室への流体の逆流を生じる問題があっ
た。

【０００４】従って、本発明の技術的課題は、フロート
が弁孔を完全に閉じた位置でフロート座によって安定に
保持されるフロート弁を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために講じた本発明の技術的手段は、入口と出口を
有するケーシング内に弁室を形成し、弁室と出口を連通
する弁孔を有する弁座の弁室側端を弁室に突出させて設
け、弁孔の弁室側端に接する部分を球面状に形成した開
放または密閉のフロートを弁室内に自由状態で配置して
フロートの球面状の外表面で弁孔を直接閉じるように
し、フロートと同じか微少大きい半径の部分球面状のフ
ロート座を弁孔の中心軸に対してフロートの球心を通る
概略直角方向の軸の周りに形成し、フロートがフロート
座に接した位置で弁孔を完全に閉じるようにしたたこと
を特徴とするフロート弁にある。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明は、フロートと同じか微少
大きい半径の部分球面状のフロート座を弁孔の中心軸に
対してフロートの球心を通る概略直角方向の軸の周りに
形成したものであるので、フロートが弁孔を完全に閉じ
た位置で弁孔の軸に対して横方向だけでなく弁孔の軸方
向にも揺れ難くなる。そのため、液面の動揺や流体の流
動の影響を受けたり出入口の差圧が小さくなっても、フ
ロートが弁孔を完全に閉じた位置でフロート座によって
安定に保持され、流体の漏洩や逆流を防止できる。

【０００７】

【実施例】上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説
明する（図１参照）。本実施例はフリーフロート式スチ
ームトラップに適用したものである。本体１に蓋部材２
をボルトで締結してケーシングを形成する。ケーシング
の内部は仕切壁３で、入口４の連通する弁室５と出口６
の連通する出口通路７に隔てる。入口４は弁室５の上部
に開口し、スクリーン８及び通孔９を開けたフロートカ
バー１０を介して連通する。出口通路７の内周壁に出口
６に向けて開口する排出孔１１を有する管部材１２を取
り付ける。管部材１２は出口通路７が排出流体によって
浸食されることを防止するために耐浸食性を有するステ
ンレス鋼で作る。

【０００８】弁室５内に中空球形のフロート１３を自由
状態で配置する。フロート１３は弁室５の液位に従って
浮上降下し、その外表面で下記の弁孔１４の弁室５側端
を開閉する。本体１の底壁にフロート座１５を形成す
る。フロート座１５は、弁孔１４の中心軸Ａに対してフ
ロート１３の球心を通る概略直角方向の軸Ｂの周りに、
フロート１３の半径と同じあるいはフロート１３の半径
よりも微少大きい半径の部分球面状に形成する。フロー
ト座１５は、紙面の手前側から向う側に渡って一条に形
成したり、紙面の手前側と向う側の二条に形成すること
ができる。フロート１３はフロート座１５に接した位置
で弁孔１４を完全に閉じる。

【０００９】本体１の側壁開口から出口通路７及び仕切
壁３を貫通して先端が弁室５に突出する弁座１６を挿入
し、本体１にねじ結合する弁座保持部材１７で弁座１６
を保持する。弁座１６は軸方向の中心に貫通した弁孔１
４と通孔１８を有する。弁座１６と本体１の仕切壁３の
間に気密保持用のＯリング１９を設ける。弁座１６は外
面に一体に突出した凸部２０を有し、本体１は弁座１６
の凸部２０が嵌る凹部２１を有する。弁座１６の凸部２
０を本体１の凹部２１に嵌め合わせることにより、通孔
１８を出口通路７に向ける。

【００１０】蓋部材２に排気弁孔２２を開けた排気弁座
２３を間に保持ガイド２４を挟んでねじ結合する。保持
ガイド２４に係止するバネ２５で温度応動素子２６を保
持ガイド２４に係止する。温度応動素子２６はほぼ円板
状の密閉体カプセルで図示はしていないが内部に薄板ダ
イヤフラムと熱膨張収縮液を充填して形成する。排気弁
孔２２は蓋部材に形成した排気通路２７から管部材１２
の排出孔１１を通して出口６に連通する。

【００１１】上記フリーフロート式スチームトラップの
作動は次の通りである。蒸気と復水及び空気が入口４か
ら弁室５に流入し、蒸気と空気が上部に復水が下部に分
離して溜まる。弁室５内の温度が高い場合、温度応動素
子２６は膨張して排気弁孔２２を閉じる。弁室５内の温
度が低くなると、温度応動素子２６は収縮して排気弁孔
２２を開き、弁室５内の復水や空気を排気弁孔２２から
出口６へ排出する。弁室５内の液位が上昇すると、フロ
ート１３は浮上して弁孔１４を開き、弁室５内の復水を
主弁口１８から出口６へ排出する。復水の排出によって
弁室５内の液位が低下すると、フロート１３は降下して
外表面で弁孔１４を直接閉じる。

【００１２】フロート１３は弁孔１４を完全に閉じた位
置で、フロート１３と同じか微少大きい半径の部分球面
状で弁孔１４の中心軸Ａに対してフロート１３の球心を
通る概略直角方向の軸Ｂの周りに形成されたフロート１
３に接するので、弁孔１４の軸に対して横方向だけでな
く弁孔１４の軸方向にも揺れ難くなる。

【００１３】

【発明の効果】上記のように本発明は、フロートが弁孔
を完全に閉じた位置で弁孔の軸に対して横方向だけでな
く弁孔の軸方向にも揺れ難くなるので、液面の動揺や流
体の流動の影響を受けたり出入口の差圧が小さくなって
も、フロートが弁孔を完全に閉じた位置でフロート座に
よって安定に保持される。そのため、流体の漏洩や逆流
を防止できるという優れた効果を生じる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のフリーフロート式スチームト
ラップの断面図。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 蓋部材 ４ 入口 ５ 弁室 ６ 出口 ７ 出口通路 １３ フロート １４ 弁孔 １５ フロート座 １６ 弁座 ２２ 排気弁口 ２３ 排気弁座 ２６ 温度応動素子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入口と出口を有するケーシング内に弁室
   を形成し、弁室と出口を連通する弁孔を有する弁座の弁
   室側端を弁室に突出させて設け、弁孔の弁室側端に接す
   る部分を球面状に形成した開放または密閉のフロートを
   弁室内に自由状態で配置してフロートの球面状の外表面
   で弁孔を直接閉じるようにし、フロートと同じか微少大
   きい半径の部分球面状のフロート座を弁孔の中心軸に対
   してフロートの球心を通る概略直角方向の軸の周りに形
   成し、フロートがフロート座に接した位置で弁孔を完全
   に閉じるようにしたたことを特徴とするフロート弁。