JP2002276301A - 溝付きブリスクおよびそれを作る方法 - Google Patents
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Abstract
の改良された輪郭を有するブリスクを提供する。 【解決手段】 ブリスク(10)が、リム(16a)を
有するディスク(16)を含む。ブレード(18)の列
が、一体状の構造でリブから外向きに延びる。ブレード
は、ブレードの間を軸方向に延びる溝付き内側流路チャ
ンネル(22)を定めるように、ディスク・リム内に間
隔を離して配置され、対応する流路(20)の境界をな
している。
Description
ービンエンジンに関し、より具体的には、該エンジンの
ブリスクに関する。
タービンに、種々の段のブレード付きディスクを含み、
該ブレード付きディスクは、圧縮機の場合には空気を加
圧し、タービンの場合には高温の燃焼ガスを膨張させ
る。圧縮機ブレード又はタービンブレードは、典型的に
は、ダブテール部によって支持ディスクに取り付けら
れ、該ダブテール部は、該ディスク・リムの対応するダ
ブテールスロット内で半径方向に保持される。
られる一体状、すなわち単一部品の構造で一体的に形成
することにより、性能上、製造上、及び重量上の利点を
得ることができる。1つの製造方法では、個々のブレー
ド及び支持ディスクの形態が、共通の金属素材片から機
械加工される。必要とされるブレード間の空気力学的な
流路を精密に得るために、複雑な3次元の機械加工が必
要とされる。
に、ガスタービンエンジンの作動の通常の過程において
損傷を受ける場合があるので、ブリスクを修理すること
が望ましい。しかしながら、ブレードはディスクと一体
的に形成されているので、ダブテール部を有するブレー
ド状ディスクのやり方で、該ブレードを容易に個別に取
り外すことができない。
の部分を機械加工によって取り除き、対応するブレード
部品と取り替えるか、或いは、損傷を受けたブレード全
体を取り外し、取り替えるかのいずれかとなる。いずれ
の例においても、修理されたブリスクを、望ましくない
早期の寿命終了に至ることなく本来の使用可能寿命を全
うするように、もとの強度にできる限り近く戻さなけれ
ばならない。
個々のブレードをディスクに一体的に溶接するために、
並進摩擦溶接を用いる。典型的には、ディスクには、最
初にディスク・リムから半径方向外向きに延びる一体の
スタブの列が形成される。各々のスタブは、摩擦溶接を
可能にするために、対応する平滑なブレード根元部を補
完する平滑な溶接面を有する。
近くに取付け用カラーを含んでおり、溶接工程において
ブレードが急速に反復動するとき、個々のブレードに押
圧力及び並進力が加えられ、溶接面で摩擦が発生する。
溶接面においてブレード及びスタブの材料は局部的に溶
融して、摩擦溶接結合を形成し、その後、結果物として
生じた溶接ばりと取付けカラーを通常の機械加工によっ
て取り除き、ブレード及びリムの表面を所望の空気力学
的輪郭にする。
接中におこるスタブとブレードの望ましくない塑性変形
を防ぐために、リムのスタブは、初めは余分の材料を用
いて大き目に形成される。そして、この余分な材料は、
摩擦溶接工程に続く機械加工によって取り除くことが可
能である。
ブレード全体を取り外さなければならない場合には、残
りのスタブはもはや最初の余分な材料を含まない。した
がって、対応するより小さなスタブは、ブレード交換の
摩擦溶接工程の間、望ましくない変形に曝され、よっ
て、ブリスクに損傷を与え、該ブリスクはエンジン内で
再び使用できないようになる可能性がある。
溶接中にブレードが反復動する間に、溶接面の縁部に沿
って環境に曝されることである。最初に大き目に形成さ
れたスタブ及び対応した大き目に形成されたブレードの
根元部は、付加的な表面面積を提供し、形成される溶接
部が環境からの汚染を受ける可能性を減少させる。摩擦
溶接の後、機械加工によって取り除かれる余分な材料
は、通常は、溶接面の周りの望ましくないあらゆる不純
物も一緒に除去する。修理作業においては、スタブは、
余分な材料をもはや含まないので、溶接面は環境からの
汚染に曝されやすい。
は、隣接するブレード間の流路の内側流路境界を定める
ディスク・リムの軸方向の輪郭によって、さらに倍加さ
れる。ファン又は圧縮機ブリスクの典型的な入口段構成
において、ブリスクリムは、前端部と後端部の間で直径
が増加し、また、典型的には、それらの間で、ほぼS字
形の弧状の輪郭を有する。したがって、スタブ溶接面
は、典型的には、溶接面を可能な限り大きく維持するた
めに、ディスク・リムの軸方向の輪郭に沿っている。
中間部において最大の厚さを有し、対応して前縁と後縁
は薄く、また、典型的には、根元部から先端部へ厚さが
減少する。したがって、リムのスタブとブレード根元部
は、典型的には、摩擦溶接工程中に表面積を最大にし、
変形を減少させるように、互いに補完し合う弧状の溶接
面を有している。
ブレードの根元部は、双方とも、完全な摩擦溶接を達成
するための、密接に適合する表面を生成できるように、
精密な3次元の機械加工が必要である。また、弧状の溶
接面は、ディスク・リムの周りで周方向に、軸対称の方
向に並進運動できるだけである。対応するスタブ上での
ブレードの、この周方向即ち横方向の摩擦による反復動
は、すでにスタブに溶接された2つの隣接するブレード
の間で行なわれるとき、一層困難になる。
造、ならびにその後の修理の間の両方における利点のた
め、溶接面の改良された輪郭を有するブリスクを提供す
ることが望まれる。
るディスクを含む。一体構造として、ブレードの列がリ
ムから外向きに延びる。ブレードは、ブレードの間を軸
方向に延びる溝付き内側流路チャンネルを定めるよう
に、ディスク・リム内に間隔を離して配置され、ブレー
ド間の対応する流路の境界をなしている。
好適かつ例示的な実施形態によって、さらなる目的及び
利点と共に、以下の詳細な説明においてより詳細に説明
される。
中心軸12まわりにほぼ軸対称である環状のブリスク1
0の一部である。このブリスクは、ガスタービンエンジ
ンにおいて使用される形状にされており、例示的な形態
では、作動中に空気14を加圧するための圧縮機又はフ
ァンのためのブリスクである。
ディスクは、一体構造として、軸方向に広いリム16a
と、より狭いウェブ16bと、より広いハブ16cとを
有する。
単一部品構造の、完成されたブリスクを形成するよう
に、圧縮機ロータブレード18の列がリム16aから半
径方向外向きに延びる。上述のように、ブレードはディ
スクと一体であり、別な方法でブレードの簡単な取り外
しと挿入が可能になる、従来のブレード状ディスクの形
態に典型的なダブテール部を含まない。
るための通常の空気力学的形状のどのような形状を有す
るものでもよく、周方向に隣接するブレードとともに、
作動中に空気14が流れる対応する流路20を定める。
ディスク・リム16aは、各隣接ブレード対の間に内側
流路チャンネル22を有し、この内側流路チャンネル
は、該ブレードに沿って、軸方向両側に位置するリムの
前端部と後端部の間を軸方向に延びる。
向内側の境界を定め、該流路の半径方向外側の境界は、
典型的には、周囲を取り巻く環状ケーシングすなわちシ
ュラウド24によって定められ、この環状ケーシングは
従来のどのような形状のものでもよい。このようにし
て、ブリスクが作動中に固定シュラウド24の内部で回
転するとき、対応する流路20が各々のブレードの対の
間に定められ、空気は該流路を通って流れ、加圧すなわ
ち圧縮される。
び後縁30、32の間を軸方向すなわち翼弦方向に、か
つ、根元部34から先端部36に、翼スパン軸に沿って
半径方向に延びるほぼ凸状の負圧側26及び周方向に相
対向するほぼ凹状の正圧側28とを含む。本発明による
と、内側流路チャンネル22は、製造、修理、及び空気
力学的性能における重要な利点を提供するために、溝付
けがなされる。
向中心軸の周りの回転面である、軸対称の内側流路を有
する。軸対称の表面は、対応して外向きに凸状であり、
製造工程中容易に機械加工される。
軸12に対する回転面ではなく、したがって非軸対称で
あるが、代わりに、隣接するブレードの間が周方向に弧
状であり、対応する弧状のフィレット38においてブレ
ードに接合する。さらに、各々の溝付きチャンネル22
は、溝に沿った、またディスク・リムの前端部と後端部
の間での空気の主要な軸流方向に対して隣接するブレー
ドの間で周方向に非対称であるのが好ましい。
2に向かって半径方向内向きに延びるほぼ凹状の形状す
なわち輪郭を有し、その輪郭は、ディスク・リムの前端
部と後端部の間で境界をなしているブレード18に沿っ
て軸方向に変化する。ブリスクの典型的な軸対称の内側
流路がほぼ凸状であるのに対し、溝付きチャンネルは、
ほぼ凹状であり、それと反対である。
リスクの最初の製造又は成形加工、及びその修理に関す
る対応する改良である。より具体的には、図1と図2に
示すディスク・リム16aは、一体の又は一体状の平坦
なスタブ40を含み、各々の該スタブは、同じく平坦
な、すなわち平らな対応するブレード根元部34を補完
する平坦な溶接面すなわち平らな面42を有している。
接されて溶融すなわち溶接結合された接合部を形成し、
全てのブレードをディスクに一体的に接合して、一体状
すなわち単一部品の構造を形成する。このように、溶接
されたブレードは、ディスクの一体の部分となり、機械
加工又は切断操作をすることなしには、容易に取り外す
ことができない。
は、溶接面42が、フィレットより半径方向外方に形成
されるブレード又はスタブのより薄い部分に位置させら
れるのではなく、フィレット38内に位置させられると
いうことである。上述のように、並進摩擦溶接は、ブレ
ードとリムのスタブの間に大きな摩擦力を必要とし、ス
タブが狭すぎたり、又は薄すぎたりする場合には、工程
中にブレードとスタブの望ましくない変形が起こる場合
があり、溶接されたブレードの最終構成に悪影響を及ぼ
すことがある。弱いスタブは変形しやすく、強いスタブ
が望まれる。
根元部を最初に適当に大き目に作って摩擦溶接工程に耐
えるための強度を高めることはできるが、このような過
大寸法を、スタブのその後の修理には利用できない。
0のフィレット内に位置させることにより、フィレット
におけるスタブの付加された幅が、その強度を大幅に高
め、大きな摩擦溶接の力に一層良好に耐えられるように
する。
ト内に位置させることは、ディスク・リム16aの典型
的な3次元構成を考慮すると、容易には達成されない。
もしリムの外面が純粋に円筒形であるならば、均等で小
さなフィレットを有する真っ直ぐなスタブを容易に使用
できる。
ク・リム16aは、代表的な圧縮機のブリスクを表わす
ものであり、そこではリムは直径が前端部と後端部の間
で増加し、単純に円筒形ではない。したがって、溝付き
チャンネル22は、対応するようにディスク・リムの前
端部と後端部の間で半径方向外向きに拡がり、対応し
て、ブリスクの中心軸からの半径が増加する。軸方向に
ディスク・リムの輪郭が変化するにもかかわらず、溶接
面42は、平らな、すなわち平坦なままであり、ブリス
クの中心軸、及びディスク・リムの両端の間に軸方向に
延びる対応する溝付きチャンネル22の双方からの半径
方向の距離を変化させるように適当に傾けられる。
端部の間で変化するので、所望の流路面積を維持しなが
ら流路の空力学的性能を最大限にするため、該ディスク
・リムに沿って相対的に小さく、かつ一定のフィレット
を維持するように、従来のスタブもまた輪郭が変化して
いる。しかしながら、その結果生じる輪郭が変化するス
タブは、上述のいくつかの理由により、望ましくないも
のである。
している平坦なスタブを単純に導入することは、同様に
望ましくなく、前縁又は後縁のいずれか、又は翼弦方向
に前縁と後縁の間において、スタブのフィレットより半
径方向外側の、相対的に薄いブレードの部分に、溶接面
を必然的に位置させることになる。異なる直径方向位置
にある溶接面に到達するように、フィレットの大きさを
単に増加させることは、フィレットが、必要とされる流
路面積を含む意味で、ブレードの空気力学的性能を直接
的に損なうことになるので、望ましくない。
代わりに、溝付きチャンネル22を導入することによっ
て、空気力学的性能を損なうことなく、溶接面を対応す
るフィレット内に位置させてスタブの構造的完全さ及び
摩擦溶接への耐性を維持しながら、溶接面42をブレー
ドの前縁と後縁の間の全体の範囲にわたって平らのまま
とすることができる。図1と図2に示すように、溝付き
チャンネル22は、ディスク・リムの前端と後端の間に
おいて、半径方向の深さが非線形に変化することが好ま
しく、また、溶接面42は、それに対応して、リムの軸
方向両端の間で、フィレット38より内側で半径方向の
位置が変化することが好ましい。
22は、周方向の形状すなわち輪郭が変化しており、ブ
レードの負圧側26に向かって、ディスク・リム16a
の前端部と後端部の間で軸方向に斜めにされ、又は、湾
曲させられた最大断面深さを有する。溝付きチャンネル
のこの全体的な輪郭は、平坦な溶接面を対応する小さな
フィレット内に置くことと、前端部と後端部との間でデ
ィスク・リムの直径及び軸方向の輪郭が変化すること、
という矛盾した目的に叶うように、最初にブリスクを形
成する方法から生じるものである。
施形態によるブリスク10の製造方法を概略的に示して
いる。ブレードを有しないディスク16は、最初に、鍛
造及び機械加工のような従来の方法のいずれかにより、
ディスク・リムから半径方向外向きに延びる所望の平坦
なスタブ40を有する形に製造されるが、この場合にお
いて、このスタブは、適度な大き目の寸法にすることが
好ましい。
のような従来の方法のいずれかにより、所望のように製
造される。このようにして、ブレードを個別に製造する
ことは、ブリスクとブレードを共通の素材から機械加工
するときに典型的に生じることになる、他のいずれかの
ブレード又はディスクが邪魔になるということなしに、
該ブレードの種々の寸法の精密な制御を可能にする。
根元部34の半径方向の直ぐ上方に一体に取付けカラー
44を有するように製造することが好ましい。次に、従
来の構成のいずれかの形態による並進摩擦溶接装置46
を用いて、カラー44を軸方向すなわち翼弦方向に並進
運動及び往復運動させ、平坦な根元部34を、各々のブ
レードに対応する平坦なスタブ40に摩擦溶接する。概
略が図1及び図2に示し、詳細を図3に示すように、溶
接装置は、カラー44が並進力Tのもとで速い動きで反
復動させられるとき大きな摩擦力を生じるように、カラ
ー44によって半径方向内向きの押圧力すなわち据え付
け力Fを生成し、ブレードの根元部をリムのスタブとの
間で局部的に溶融させ、溶接面に沿って溶接接合部を形
成する。
中のブレード18の並進運動は、大幅に狭い周方向の幅
ではなく、スタブ40の極大長さに沿って翼弦方向に生
じさせることが好ましい。このようにすれば、図3に示
すように、摩擦溶接中にブレードが反復動していると
き、根元部34におけるブレードの相対向する前縁と後
縁のわずかな部分のみが、周囲環境に曝され、実質的に
溶接面の周囲環境による汚染を減少させる。ブレード根
元部34の両側は、溶接工程中、スタブ40の両側に直
接接触したままに維持されるので、それに対応して、そ
こでの環境による汚染の危険がほとんどなくない。
元部とスタブの金属表面が、互いに溶融し、平坦な溶接
面の全範囲にわたって強固な溶接部を形成し、その結
果、マッシュルーム状の溶接ばり48が溶接接合部の全
周まわりに横方向外向きに突き出るように形成され、摩
擦溶接工程によってもたらされる環境によるあらゆる汚
染を除去することができる。
又は研削工具50を用いて、溶接面42においてカラー
44及び溶接ばり48を機械加工により取り除き、ブレ
ード根元部及びフィレット38を完成させ又は最終的な
機械加工をすることができる。
き輪郭22の例示的な切断面と、その好ましい製造工程
をより詳細に示す。また、ブレード根元部34の両側に
局部的に付加された余分な材料52と、所望ならば最初
の製造において使用される対応形状のスタブ40が、図
5に示され、この余分な材料は、溝付き輪郭22とフィ
レット38の所望の最終的な寸法を達成するため、溶接
工程の後に最終的に機械加工される。余分な材料52
を、スタブとブレード根元部の所望の場所に局部的に使
用することができ、また、所望ならばディスク・リムの
全体に設けてもよく、設けなくてもよい。
溶接面42を位置させるようにディスクを製造する好ま
しい方法、及び、その結果物である、隣接するブレード
及びスタブの間の内側流路チャンネルの溝付き輪郭を概
略的に示す。
側流路チャンネル22は、大部分がそれらの間に位置す
る流路20を定めており、作動中、空気は該流路を通っ
て流れる。流路の形状は、ブレードと内側チャンネル2
2の輪郭によって定められるものであり、ファン又は圧
縮機の各々の段における最適な空気力学的性能を適切に
達成する流路の形状を定めるための種々の解析手段が普
通に利用可能である。
必要条件及び性能に従った流路の構成及びブレードの形
状を定めるための、2次元の空気力学的計算コード又は
ソフトウェアを含んでいる。
ウェアもまた、所望の空気力学的性能の必要条件に従っ
た流路の構成を求めるために、普通に利用可能である。
しかしながら、3次元の計算は、実質的に2次元の計算
よりもより複雑であり、それゆえ、計算により多くの労
力と時間、及びそれに関連した費用を必要とする。
の種類にかかわらず、ディスク16は、最初に、ブリス
クが必要とするブレード間の流路20の対応する流路面
積及び表面の曲面すなわち輪郭を含む、所望の又は最適
な空気力学的性能を達成するための、ディスク・リムの
スタブ40の間に定められる内側流路チャンネル22の
所望の溝付き輪郭を解析的に定めることによって、評価
される。デジタル方式でプログラム可能な、コンピュー
タにおける3次元の計算コードを使用して、必要とされ
るチャンネル22の溝付き輪郭と、溶接面42がフィレ
ット38内に位置する条件とを同時に求めることができ
る。
によって、溶接面42をフィレット38内に位置させる
ため解析的に求められた溝付き輪郭に対応するスタブ4
0及びチャンネル22をもった状態で、従来の方法のい
ずれによってでもディスク16を製造することができ
る。図2と図4に示すように、溝付きチャンネル22
は、ディスク・リムの前端部と後端部の間で軸方向に延
びており、したがって、該チャンネルの解析的定義は、
ブレード及びスタブの双方が、空気力学的性能を損なわ
ずに対応するフィレット内に平らなすなわち平坦な溶接
面を維持できるように、該ブレードと該スタブの軸方向
の全範囲にわたる全ての部分を含んでいなければならな
い。
の必要とされる輪郭を相互関連的に予測することは、通
常は3次元の計算コードを使用し、相当な計算上の労力
を必要とする。
れた手順を用いることができる。先ず、図5に示すよう
に、溶接面42の配置を考慮せずに、最適な又は所望の
空気力学的性能、及び、流路20の相対応する表面輪郭
と流路面積を達成する空気力学的輪郭54を定めるため
に、最初に空気力学的解析を実施することができる。
可能なコンピュータにおいて2次元のコンピュータコー
ドを使用することが普通に可能であり、流路における所
望の静圧分布を含む対応する空気力学的性能のための流
路の内側境界を含む流路の空気力学的輪郭54を定める
形で、ブリスクの空気力学的性能を2次元で表わすこと
ができる。所望ならば、最初の空気力学的輪郭54を改
良するために、3Dの空気力学的コードを使用すること
ができる。
20の内側流れ経路については回転面として定められ、
ブリスクの中心軸のまわりに軸対称である。この空気力
学的輪郭はまた、隣接するブレードの対応する正圧側と
負圧側によっても定められる。
郭54は、ディスク・リムの前端部と後端部の間での直
径の増加に必然的に沿わなければならないので、結果と
して生じる軸方向の形状は、ほぼS字形であり、それに
対応して、所望の真っ直ぐな又は平らな溶接面42まで
の半径方向の距離に変化が生じることになる。
路の比較的近くに溶接面を位置させるという試みにおい
て、解析的に生成された空気力学的輪郭54に対し、試
行錯誤又は堅実な機械工学的判断に基づく最適適合手法
により、溶接面42の位置を選択することができる。
のために従来の構成の適当なフィレット38内に位置さ
せられるが、基準輪郭56は、フィレットによって与え
られるものを除いて、いかなる空気力学的有用性も持た
ない。フィレットは、通常、構造的要素の接合部におけ
る応力集中を減少させるために使用される。典型的なフ
ィレットは、単一の半径又は多数の漸次移り変わる半径
を有することができ、或いは、構造的要素の間の特定の
接合部に対して望まれるように、無段階に変化する半径
を有することができる。
クのリムは、ブレードの間では共通の直径の回転面をも
った軸対称であり、半径方向外向きに延びるブレードに
おいて急激に変化する。この変化の急激さは、構造的及
び空気力学的性能のために適当なフィレットを使用する
ことによって改善される。
なわち回転面であり、図5、図6、及び図7に例示的な
断面によって表わされるように、ディスク・リムの前端
部と後端部の間のスタブの全ての軸方向の断面におい
て、対応するフィレット内に溶接面42を位置させるこ
とによって大部分が制御される。このようにして、溶接
面42は、機械工学的判断又は試行錯誤に従って、リム
の両端の間にあるスタブの各々の部分において、対応す
るフィレット38内に最良適合される。
置の各々において、基準輪郭56によって定められる流
路面積と、空気力学的輪郭54によって定められる、空
気力学的性能のために必要とされる面積との間に差異が
生じる。
輪郭54の流路面積と適合するように、基準輪郭56の
フィレット38の間に定められる。図5に示すように、
基準輪郭のフィレット38は、空気力学的輪郭に対し
て、局部的な流路面積を減少させ(−)、溝付きの輪郭
は、半径方向内向きに延びる凹状の溝又は凹所を有する
ような形状にされ、局地的に付加的な流路面積を提供し
(+)、所望のフィレットの形状による流路面積の減少
を補う。
基準輪郭56は、従来の手法により決定され、対応する
半径A、Bによって表わされるように、フィレットの間
で軸対称すなわち回転面である。流路の軸方向の各々の
断面についての実際の半径A、Bが、各々の具体的な構
成に対して求められ、一方が他方より大きく、かつ、デ
ィスク・リムの前端部と後端部の間で配向が変わるであ
ろうが、非常に似たものとすることができる。図5から
図7は、これらの2つの輪郭54及び56を、説明の目
的だけのために、大いに誇張して表わしたものである。
56は、上述した設計上の実務により本来的に軸対称で
あり、一方、溝付き輪郭22は、本来的に、2つの輪郭
54及び56のように回転面でも軸対称でもなく、むし
ろ対照的に、典型的には2つの軸対称の輪郭に対し、か
つ、溝付きチャンネル22の軸流方向に沿って、非対称
である。
ト内に位置させて摩擦溶接に対するスタブの強度を最大
限にするために、フィレット38を基準輪郭56と関連
して定めることができる。上述のように、厚さが対応し
て薄くなるため、スタブが摩擦溶接工程中に望ましくな
い変形をもたらす可能性があることを考慮すると、個々
のスタブ40の軸方向の範囲に沿ったいずれの場所にお
いても、溶接面42をフィレットより半径方向外側に位
置させることは望ましくない。
ィレット38と対応するものではあるが、各流路20に
おける両側のフィレットの間にある該基準輪郭の残りの
部分は、流路の最適な空力的性能を満たしておらず、典
型的には、最適な流路面積とは異なる流路面積を含むも
のとなる。
溝付き輪郭22までフィレット38の間の内部流れ経路
を局所的に変え、解析的に求められた空気力学的輪郭5
4と同じ流路面積を溝付きチャンネル22について最初
に得るようにすることによって、溝付きチャンネル22
の所望の輪郭を得ることができる。
3Dの空気力学的解析が実行され、ブレード間の流路に
対して、その空気力学的性能が求められる。次に、空気
力学的性能を最適化するために、フィレット38間の溝
付き輪郭22の形状を、流路面積にかかわりなく、ブレ
ードの形状と共に、相互関連的に変更することができ
る。
所望のようにフィレット38内に維持し、かつ、対応す
る流路面積をもって最適の空気力学的性能を達成するの
に内側流路内で必要とされる変更を決定するために用い
られる。その結果物としての溝付きチャンネル22は、
典型的には、2つの輪郭54と56と比較して周方向の
輪郭が異なる。
ル22の左側と右側のフィレット38は、空気力学的輪
郭54の対応するする部分よりも、半径方向に高く、そ
の結果、流路面積の局部的減少(−)が生じる。したが
って、溝付きチャンネル22の中央部分は、左側と右側
のフィレットの下の流路面積の減少を補うように流路面
積を局部的に増加(+)させるために、空気力学的輪郭
54の対応する部分よりも多く半径方向内向きに延びて
いる。このようにして、空気力学的輪郭54に対して予
測された全流路面積を維持するように、2つのフィレッ
ト38の所望の輪郭の間にある内側流路の輪郭を調整す
ることによって、流路面積を先ず維持することができ
る。その後、溝付きチャンネル22の輪郭を、流路面積
に制約されることなしに、さらに最適化することができ
る。
ほぼ周方向中間に最大の深さを有するチャンネル22を
有する、ディスク・リムの前端部にあるブレード前縁付
近の溝付きチャンネル22の輪郭を示す。ディスク・リ
ムの前端部が円形であり、溝付きチャンネル22は、該
リムから始まって、隣接するブレード間の流路の空気力
学的性能を最適化するため必要とされるように下流方向
に深さが増加することが好ましい。
の間において、ブレードの翼弦方向中間部付近の、溝付
きチャンネル22の異なる輪郭を示しており、該溝付き
チャンネルの最大深さは、隣接するブレードの正圧側2
8に対し、ブレードの負圧側26寄りに斜めになってい
る。左側の負圧側のフィレットの近くよりも、右側の正
圧側のフィレットの近くの方が、流路流域の減少(−)
が大きいことに注意されたい。また、空気力学的性能を
増加させる局部的に高い流れ速度を有するブレードの負
圧側と協働する、負圧側のフィレットの近くに局部的に
付加された流路面積にも注意されたい。
ブレード後縁付近の、溝付きチャンネル22のさらに異
なる輪郭を示す。溝付きチャンネルの最大深さは、ディ
スク・リムの円形の後端部と融合して大きさが減少し、
隣接するブレードの正圧側のフィレット寄りに斜めにな
っている。右側の正圧側のフィレットの近くの流路面積
におけるの増加(+)を相殺している左側の負圧側のフ
ィレットの近くの流路面積の減少(−)に注意された
い。
・リムの前端部と後端部の間で溝付きチャンネルの直径
が増加するように変化するにもかかわらず、個々のスタ
ブの全長に沿って各々のスタブ40の境界を定めている
フィレット内に、溶接面42を位置させることができる
ことを示す。溶接面42は、溝付きチャンネルの半径が
変化するにもかかわらず、スタブの軸方向の全長に対し
て、平らなままで、かつフィレット内に留まっており、
該溝付きチャンネルの周方向の輪郭は、対応するフィレ
ット38を滑らかに融合させ、スタブを個々のブレード
の対応する根元端部に移行させながら、ディスク・リム
の軸方向の各部分における所望の最適な空気力学的性能
を達成するために必要なように変化する。
の種々の輪郭において、フィレット38の特定の形状
は、溶接面42の近くにおいて、少なくとも基準輪郭5
6と同じ大きさであり、その後、流路の所望の空気力学
的輪郭に対して流路面積を局部的に増加又は減少するよ
うに、周方向に滑らかに変化し、最適な空気力学的性能
を達成する。
再構成するための第一の理由は、並進摩擦溶接工程を使
用して個々のブレードの交換をすることにより、ブリス
クのその後の修理を可能にすることである。図8に概略
的に示すように、ブリスクは、1つ又はそれ以上の損傷
を受けたブレード18dのいずれをも、最初の溶接面4
2における又はその近くのディスク・リムから取り外す
ことによって修理することができる。横方向に過大寸法
にされていないことを除いては、平坦なスタブ40が最
初のスタブとほぼ同じ構成のままにされているために、
損傷を受けたブレードをリムから適当に切り離し、溶接
面42において、例えば従来のミリング工具50を使用
して精密にミル加工することができる。
ほぼ同一であり、その根元端部の近くに取り付けカラー
44を含み、この取り付けカラー44を並進摩擦溶接機
械46に適切に取り付け、該機械を用いて、図1に関し
て上で説明したのと同じ方法で、該カラーを翼弦方向に
並進運動させることにより、交換用ブレードをスタブに
摩擦溶接する。
レット38内に位置させられているので、スタブ40は
相対的に剛性があり、大きな据え付け荷重が加えられる
もとでも、望ましくない変形を生じることなく摩擦溶接
を可能にする。
械加工で取り除き、溶接面から溶接ばり48を機械加工
で取り除き、ブレード根元部を元のフィレット38とほ
ぼ同一の輪郭、或いは修理に必要とされるようにわずか
に小さい輪郭に戻すことによって、個々のブレードの修
理が完了する。
境界を定める溝付きチャンネル22を単に導入すること
により、溶接面42を、軸方向の全長にわたって平ら又
は平面とすることができ、また、構造的補強となってい
る両側のフィレット38内に留めることができる。個々
のブレードの、対応するスタブへの並進摩擦溶接は、上
述の利点と共に容易に達成され、一方、結果物としての
ブリスクは、最適な空気力学的性能を維持する。
加的な利点は、典型的なブリスクにおける従来の軸対称
な内側流路から得られる可能性以上にブリスクの空気力
学的性能を増加させるように、その3次元輪郭を有利に
使用できることである。
な自由度を用い、最適化された流路面積及び表面湾曲分
布によって、ハブ付近のより良い流れの制御を行って空
気力学的性能を向上させることができる。溶接部に対す
るフィレットの配置を維持するという重要な付加的な制
約のもとで、この向上された性能を得ることができる。
そして、ディスク・リムの最高定常フープ応力に対する
溶接部の配置を注意深く制御することにより、主要な流
れ方向に対して垂直な断面に沿った流路の形状を、フィ
レット内における最大フープ応力を減少させるのに有効
なものとすることができる。
例示的な実施形態であると考えられるものについて説明
してきたが、本発明の他の変更が、当業者には、本明細
書中の教示から明らかであり、それゆえ、本発明の技術
思想及び技術的範囲に含まれるような全てのそのような
変更が、添付の特許請求の範囲において保護されること
が望まれる。
とを望むものは、冒頭の特許請求の範囲に記載し特定し
た発明である。なお、特許請求の範囲に記載された符号
は、理解容易のためであってなんら発明の技術的範囲を
実施例に限縮するものではない。
クの一部及びその概略的な製造方法の斜視図。
半径方向の断面図。
す、ブレードとディスクの間の溶接接合部の一部の拡大
正面図。
で周方向に延びている対応する溝付き内側流路チャンネ
ルを有する状態を示す、図2に示すブリスクの一部の平
面図。
沿って切り取った例示的な溝付き流路チャンネルの半径
方向の断面図。
6に沿って切り取った溝付きチャンネルの半径方向の断
面図。
7に沿って切り取った溝付きチャンネルの半径方向の断
面図。
ているところを示す、図1と同様な斜視図。
Claims (16)
- 【請求項1】 リム16aを含むディスク16と、 前記リムから一体構造として半径方向外向きに延び、対
応する流路20を間に定めるブレード18の列と、を含
み、 前記ディスク・リムが、前記流路20の境界をなすよう
に、前記ブレードの間で軸方向に延びる溝付き内側流路
チャンネル22を含む、ことを特徴とするブリスク1
0。 - 【請求項2】 各々の前記溝付きチャンネル22が、前
記ブレードの間で周方向に弧状であり、対応する弧状の
フィレット38において前記ブレードを接合することを
特徴とする、請求項1に記載のブリスク。 - 【請求項3】 各々の前記溝付きチャンネル22が、前
記ブレード18の間で周方向に非対称であることを特徴
とする、請求項2に記載のブリスク。 - 【請求項4】 各々の前記溝付きチャンネル22が、前
記ブレード18に沿って軸方向に変化する凹状の輪郭を
有することを特徴とする、請求項2に記載のブリスク。 - 【請求項5】 前記ディスク・リム16aが一体のスタ
ブ40を含み、該スタブの各々が、対応するブレード1
8の平坦な根元部34に溶接された溶接面42を有し、
該溶接面が前記フィレット38内に配置されていること
を特徴とする、請求項2に記載のブリスク。 - 【請求項6】 前記ディスク・リム16aは、軸方向に
相対向する前端部と後端部を含み、前記溝付きチャンネ
ル22は、両端部の間で半径方向外向きに拡がり、前記
溶接面42は、前記リムの前端部と後端部の間で、前記
溝付きチャンネルからの半径方向の距離が軸方向に変化
することを特徴とする、請求項5に記載のブリスク。 - 【請求項7】 前記溝付きチャンネル22は、前記リム
の前端部と後端部の間で非線形に深さが変化し、前記溶
接面42は、前記リムの前端部と後端部の間で前記フィ
レット38内における半径方向の位置が変化することを
特徴とする、請求項6に記載のブリスク。 - 【請求項8】 前記溝付きチャンネル22は、対応する
軸対称の基準輪郭56に対して周方向の輪郭が変化し、
そのオフセットにより流路面積部分が増加及び減少させ
られたことを特徴とする、請求項6に記載のブリスク。 - 【請求項9】 前記ブレード18が、相対向する負圧側
26と正圧側28を含み、前記溝付きチャンネル22
が、前記リムの前端部と後端部の間で、軸方向に前記ブ
レードの負圧側に向かって斜めになっている最大の深さ
を有する、ことを特徴とする、請求項6に記載のブリス
ク。 - 【請求項10】 請求項5に記載のブリスク10を作る
方法であって、 前記ディスク16に前記リム16aから外向きに延びる
平坦なスタブ40を形成し、 前記ブレード18の各々に一体に、前記平坦な根元部3
4の上方に位置する取付けカラー44を形成し、 各々の前記ブレードについて、前記カラー44を翼弦方
向に並進運動させることによって、前記平坦な根元部3
4を前記平坦なスタブ40に摩擦溶接し、 前記溶接面42において前記カラーと溶接ばり48を機
械加工して、前記フィレット38を完成させる、ことを
特徴とする方法。 - 【請求項11】 前記ディスク16が、 前記ブリスクによって必要とされる空気力学的性能を達
成するために、前記スタブ40の間の前記溝付きチャン
ネル22の輪郭を、前記ブレード間の前記流路の対応す
る流路面積と表面輪郭を含めて解析的に定め、 前記溶接面を前記フィレット38内に位置させるため
に、前記ディスク16に前記溝付き輪郭に対応する前記
スタブ40とチャンネル22を形成する、ことにより形
成されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。 - 【請求項12】 最初に前記解析が、前記溶接面の位置
を考慮せずに、前記空気力学的性能と流路面積を達成す
るための空気力学的輪郭54を定めるように実行され、 前記溶接面が前記フィレット38内に最良適合するよう
に前記基準輪郭56が定められ、 前記フィレットの間の前記チャンネル22の前記基準輪
郭が、前記空気力学的輪郭54の対応する流路面積に合
うように変えられ、それによって前記溝付きチャンネル
22を定める、ことを特徴とする、請求項11に記載の
方法。 - 【請求項13】 前記空気力学的輪郭54と前記基準輪
郭56が、前記フィレット38の間で軸対称であり、前
記溝付きチャンネル22が、それらに対して非対称であ
ることを特徴とする、請求項12に記載の方法。 - 【請求項14】 前記最初の解析が、前記空気力学的性
能の2次元表示であり、前記溝付きチャンネル22の前
記空気力学的性能が、3次元解析を使用して求められる
ことを特徴とする、請求項12に記載の方法。 - 【請求項15】 請求項5に記載のブリスクを修理する
方法であって、 前記溶接面42において、前記ブレード18dの1つを
前記ディスク・リムから取り外して平坦なスタブを残
し、 平坦な根元部34の上方で交換用ブレード18rに一体
に接合されたカラー44を翼弦方向に並進運動させるこ
とにより、該交換用ブレードを前記スタブに摩擦溶接す
る、ことを特徴とする方法。 - 【請求項16】 前記交換用ブレードから前記カラー4
4を機械加工することと、前記溶接面から溶接ばり48
を機械加工することを更に含むことを特徴とする、請求
項15に記載の方法。
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