JP2002275792A - 嵩高柔軟剤及びそれを含有する嵩高柔軟紙 - Google Patents

嵩高柔軟剤及びそれを含有する嵩高柔軟紙

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JP2002275792A
JP2002275792A JP2001075077A JP2001075077A JP2002275792A JP 2002275792 A JP2002275792 A JP 2002275792A JP 2001075077 A JP2001075077 A JP 2001075077A JP 2001075077 A JP2001075077 A JP 2001075077A JP 2002275792 A JP2002275792 A JP 2002275792A
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Reiji Ohashi
玲二 大橋
Yukiko Ryu
由紀子 龍
Mitsutoshi Nakamura
充利 中村
Masashi Ishida
昌史 石田
Yasutoku Nanri
泰徳 南里
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Jujo Paper Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な嵩高性を示し、かつ柔軟性に優れる印
刷用紙を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される嵩高柔軟剤
を紙料に添加して抄紙する。 RCOO(AO) (1) (式中、Rは水素、あるいは炭素数1、2、12〜22まで
の直鎖または分岐のアルキル基、若しくは直鎖または分
岐の不飽和炭化水素基。また、Rは芳香環で置換され
ていてもよい。AOはアルキレンオキサイド付加重合物
を示し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
ブチレンオキサイドから選択される少なくとも1種であ
る。nは0から50までの整数。Rは炭素数8〜22までの
直鎖または分岐のアルキル基、若しくは直鎖または分岐
の不飽和炭化水素基。また、Rは芳香環で置換されて
いてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は嵩高柔軟剤、及び嵩
高で、かつ柔軟性に優れる紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の活字離れを反映して、急激にコミ
ック本やペーパーバックが普及してきた。これに伴い、
紙にも軽量化や柔軟性付与が求められている。ここで、
紙の軽量化とは、紙の厚さは維持した上での軽量化、す
なわち嵩高化(低密度化)のことを指す。環境問題が叫
ばれている現在、森林資源から製造される製紙用パルプ
を有効に活用する上でも、紙の軽量化は避けて通れない
問題である。また、柔軟性付与とは、紙の厚さを維持し
た上で紙の曲げこわさ、すなわち本を開いた時に自然に
閉じることなく、開いた状態を充分に保つことのできる
紙のしなやかさのことを指す。
【0003】紙を嵩高にする方法としては架橋パルプを
用いる方法(特開平4-185792号公報等)や合成繊維との
混抄による方法(特開平3-269199号公報等)、パルプ間
に無機物等の充填物を満たす方法(特開平3-269199号公
報等)、発泡性粒子を用いる方法(特開平5-230798号公
報、特開平11-200282号公報等)などがある。しかしな
がら、架橋パルプや合成繊維等の使用は紙のリサイクル
を不可能にしてしまう。また、パルプ間に充填物を満た
す方法や発泡性粒子を用いる方法では紙力が著しく低下
する。また、界面活性剤を用いる方法(WO098/03730
号公報、特開平11-200283号公報、特開平11-200284号公
報、特開平11-200285号公報、特開平11-269799号公報、
特開平11-350380号公報等)も報告されている。
【0004】一方、紙の柔軟性は、繊維の種類、紙の密
度、紙の水分等多くの因子が繊維に関与して発現するも
のと考えられている。家庭用の紙製品、例えば、トイレ
ットペーパー、ティッシュペーパーなどは、その用途上
適度な柔らかさが要求されるため、これまでに多くの柔
軟剤が開発されており、グリセリン、ポリエチレングリ
コール、尿素、パラフィン乳化物、第4級アンモニウム
塩などが紙に柔軟性を発現させる効果を持つことが知ら
れている。また、ジ長鎖アルキル型第4級アンモニウム
塩を含有する柔軟剤(特開昭63-165597号公報、特開平8
-296197号公報等)、ジ長鎖アルキル型第4級アンモニウ
ム塩及びグリセリンと、水又は炭素数4以下の脂肪族ア
ルコールを含有する柔軟剤(特開平4-100995号公報)、
ラノリン及びラノリン誘導体を含有する柔軟剤(特開昭
53-147803号公報)、ウレタンアルコール又はその4級化
物を含有する柔軟剤(特開昭60-139897号公報)、カチ
オン性オリゴマーを含有する柔軟剤(特開昭63-251049
号公報)、ポリアミド誘導体を含有する柔軟剤(特開昭
51-38600号公報)、ピロリドンカルボン酸もしくはその
塩(特開平7-189170号公報)なども報告されている。
【0005】また、最近では環境問題と高まりと古紙の
リサイクル率の向上に伴って、上質紙等に古紙パルプを
積極的に配合する傾向が進んでおり、機械パルプと同
様、古紙パルプの配合量が増加しつつある。しかしなが
ら、配合量が多すぎると白色度や不透明度が低下するな
どの問題が発生してしまい、これらを解決する必要に迫
られている。古紙を含む紙を嵩高にする方法としては、
界面活性剤を用いる方法(特開2000-282398号公報等)
が報告されている。
【0006】しかしながら、これらの嵩高剤や柔軟剤を
実際の抄紙工程で使用しても嵩高化や柔軟化の効果が十
分に発揮されないことがあり、あるいは嵩高化の効果は
あるものの柔軟化の効果が不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、十分
な嵩高性を示し、かつ柔軟性に優れる印刷用紙を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、下記一般式(1)
で表わされる嵩高柔軟剤を用いることにより、十分な嵩
高性を示し、かつ柔軟性に優れた紙が得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】RCOO(AO) (1)
【0010】(Rは水素、あるいは炭素数1、2、12〜
22の直鎖または分岐のアルキル基、若しくは不飽和炭化
水素。また、Rは芳香環で置換されていてもよい。A
Oはアルキレンオキサイド付加重合物を示し、エチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ドから選択された少なくとも1種である。nは0から50ま
での整数。Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐のアル
キル基、若しくは不飽和炭化水素。また、R2はアルキ
ル基は芳香環で置換されていてもよい。)
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】嵩高柔軟剤の発現機構ははっきりと明らか
になっていないが、嵩高柔軟剤は抄紙時にパルプ繊維に
定着し、極めて親水性が高いパルプ繊維表面を疎水化し
て、乾燥後には単繊維同士を反発させて繊維間結合距離
を増加させることで嵩高柔軟性を発現させていると考え
られる。嵩高柔軟剤が効率的にパルプ繊維表面に定着す
るためには、極めて親水性が高いパルプ繊維と親和性が
高い親水基が嵩高柔軟剤に必要である。また、極めて親
水性が高いパルプ繊維表面を疎水化させるためには、か
なり疎水性が高い構造を有することが必要不可欠であ
る。以上のことから、嵩高柔軟剤は分子内に親水性基と
疎水性基を同時に有する化合物、すなわち界面活性剤が
その候補化合物の一つに挙げられる。
【0013】その代表的な例として、高級アルコール及
び高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物などのノニ
オン性の界面活性剤を挙げることができる。具体的に
は、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物とし
て花王(株)のエマルゲン109P(商品名)、三洋化
成工業(株)のエマルミン(商品名)、日本乳化剤
(株)のニューコール704(商品名)等が挙げられ、
高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物として三洋化
成工業(株)のイオネットMS−1000(商品名)、
日本乳化剤(株)のニューコール170(商品名)等が
挙げられる。
【0014】しかしながら、これらの界面活性剤は、高
級アルコールあるいは高級脂肪酸にエチレンオキサイド
を付加したものであり、他のアルキレンオキサイドに比
べて価格または反応性の点で有利ではあるが、得られた
化合物は原料である高級アルコール及び高級脂肪酸より
も親水性が高くなってしまう。そのため、パルプ繊維に
対する親和性よりも水に対する親和性が高くなってしま
い、カチオン性の定着剤等を用いてもパルプ繊維への歩
留りが悪く、期待される嵩高柔軟性が発現し難くかっ
た。
【0015】本発明者らは、嵩高柔軟剤として十分な効
果を示さない高級アルコール及び高級脂肪酸のエチレン
オキサイド付加物の水酸基(OH)残基をエステル化し
た、上述の一般式(1)に示されるような化合物が顕著
な嵩高柔軟効果を示すことを見出した。一般式(1)中
のRは水素、あるいは炭素数1、2、12〜22の直鎖ま
たは分岐のアルキル基、若しくは不飽和の炭化水素であ
り、好ましくは炭素数12〜22の直鎖アルキル基である。
また、Rは芳香環で置換されていてもよく、置換基を
2種類以上混合して使用しても良い。AOはアルキレン
オキサイド付加重合物を示し、エチレンオキサイド、プ
ロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドから選択され
た少なくとも1種で、エチレンオキサイド、プロピレン
オキサイドであることが好ましい。nは0から50までの
整数を示す。また、2種以上のアルキレンオキサイドを
使用する際の重合方式はブロック重合、ランダム重合の
いずれでもよい。Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐
のアルキル基、若しくは不飽和の炭化水素で、好ましく
は炭素数12〜22の直鎖アルキル基である。また、R
芳香環で置換されていてもよい。
【0016】本発明の嵩高柔軟剤は、末端のOH残基が
エステル化されているが、完全に疎水性になるわけでは
なく、分子中央部に存在するアルキレンオキサイド部分
により、界面活性剤としての性質をある程度維持してい
る。そのため、親水性と疎水性のバランスがより疎水性
側に傾くだけに留まり、水との親和性よりもパルプ繊維
への吸着が高くなり、嵩高柔軟効果が効率的に発現する
ものと考えられる。また、アルキレンオキサイド部分の
酸素原子はアルミニウムイオンとキレーションを形成す
ると考えられ、そのキレート複合体はパルプ繊維と極め
て強い結合力を示す。
【0017】本発明の嵩高柔軟剤は通常常温で液体であ
るが、R、Rの炭素数が多い場合は、固体またはゲ
ル状になる傾向があり、液体であっても粘度が高いもの
が得られる。また、R、Rに不飽和結合や分岐構造
を有する場合は、液体の性状を示しやすくなる。また、
アルキレンオキサイド部分の繰り返し単位については、
エチレンオキサイド単位が多くなると固体になりやす
く、プロピレンオキサイド単位が多くなると液体になり
やすい傾向が見られる。
【0018】本発明の嵩高柔軟剤の具体例として表1に
示すような化合物が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0019】
【表1】 本発明の嵩高柔軟剤の製造方法は特に限定されるもので
はないが、(A)アルコール化合物にアルキレンオキサ
イドを反応させた後に、カルボン酸、カルボン酸塩化物
またはカルボン酸無水物を反応させる、(B)カルボン
酸にアルキレンオキサイドを反応させた後に、アルキル
エーテル化反応を行う、(C)ポリアルキレングリコー
ル化合物の片方の水酸基にアルキルエーテル化反応を行
った後に、もう一方の水酸基にカルボン酸、カルボン酸
塩化物またはカルボン酸無水物を反応させる、(D)ポ
リアルキレングリコール化合物の片方の水酸基をカルボ
ン酸、カルボン酸塩化物またはカルボン酸無水物を用い
てエステル化反応を行った後に、もう一方の水酸基に対
してエーテル化反応を行う、などの4種類の方法が好ま
しく、特に、(A)の方法が収率・操作性の面で好まし
い。
【0020】アルコールとアルキレンオキサイドとの反
応は、溶媒中または無溶媒で、加熱還流またはオートク
レーブ中で加熱して行う。高い重合度の化合物を得るた
めに触媒を添加しても良い。
【0021】前述の(A)、(C)、(D)の方法にお
けるエステル化反応は特に限定されるものではないが、
(E)触媒として鉱酸・有機酸・Lewis酸・酸性イオン
交換樹脂・DCC等を用いて、アルコール化合物またはポ
リアルキレングリコール化合物とカルボン酸とを脱水縮
合させる反応、(F)塩基としてピリジン系化合物・芳
香族及び脂肪族アミン化合物・尿素化合物・金属マグネ
シウムあるいはアルカリ水溶液(Schotten-Baumann法)等
を用いて、アルコール化合物またはポリアルキレングリ
コール化合物とカルボン酸塩化物とを縮合させる反応、
(G)触媒として鉱酸・有機酸・Lewis酸・ピリジン系
化合物・芳香族及び脂肪族アミン化合物・炭化カルシウ
ム等を用いて、アルコール化合物またはポリアルキレン
グリコール化合物とカルボン酸無水物とを縮合させる反
応、(H)触媒として鉱酸・有機酸・カリウムアルコキ
サイド・シアン化カリウム等を用いて、アルコール化合
物またはポリアルキレングリコール化合物とカルボン酸
エステルとを縮合させる反応(カルボン酸エステルがメ
チルエステルの場合は反応系内にモレキュラーシーブス
5Aを共存させると、更に反応が促進される)、など4
種類の方法が好ましく、特に、(E)及び(F)の方法
が収率・操作性の面で好ましい。
【0022】HLB価が高く十分な疎水性を持たない嵩
高柔軟剤は繊維を疎水化することができないため目的と
する嵩高柔軟効果を示さない場合がある。従って、繊維
に十分な疎水性を付与するためには、HLB価が10以下
であることが好ましく、6以下であることが特に好まし
い。
【0023】一方、あまり疎水性が高すぎると、水に効
率的に乳化することが難しく、繊維に均一に吸着できな
くなり、結果的には十分な嵩高柔軟性が得られない。そ
こで、疎水性が高い嵩高柔軟剤を使用する際には、水に
十分に乳化させるために乳化能力に優れた界面活性剤を
併用して均一な乳化液を作ることが重要である。一部の
嵩高柔軟剤の中には自己乳化性を有するものもあるが、
疎水性が高い嵩高柔軟剤を使用する際には、乳化剤を嵩
高柔軟剤に対して0.1重量%以上30重量%以下の範囲で
添加することが好ましく、紙質をあまり変化させずに嵩
高柔軟性にするには0.5重量%以上10重量%以下の範囲
で添加することがより好ましい。
【0024】乳化剤としてはアニオン性、カチオン性、
ノニオン性、両性などの様々な界面活性剤が用いられる
が、特にカチオン化澱粉や4級アンモニウム塩の様なカ
チオン性の乳化剤を1種類以上使用することにより泡の
発生が低減し、作業性が極めて優れている。特に、4級
アンモニウム塩の中でも、長鎖アルキル基を少なくとも
1個有する4級アンモニウム塩を用いると、嵩高柔軟効果
が促進される。また、カチオン化澱粉は非イオン性化合
物である本発明の嵩高柔軟剤の乳化安定性を高め、かつ
パルプ繊維への歩留りを高める働きを有している。さら
に、繊維用柔軟剤である長鎖アルキル4級アンモニウム
塩は、それ自身嵩高柔軟作用を有しているが、本発明の
嵩高柔軟剤の乳化安定性及び歩留りを高める作用を有し
ており、僅かな添加量でも十分な効果を示す。
【0025】本発明の嵩高柔軟剤を乳化するために用い
られる界面活性剤の具体例としては以下の化合物が挙げ
られる。すなわち、ぺレックスOT−P(花王(株)
製)、デモールEP(花王(株)製)、ディスパーTL
(明成化学(株)製)、ゴーセランL−3266(日本
合成化学(株)製)、アロンT−40(東亜合成化学
(株)製)などのアニオン性界面活性剤、エマルゲン
(花王(株)製)、エマルミン(三洋化成製)、Span#2
0,40,60,80,83,85並びにTween20,40,60,80,85などのノ
ニオン性界面活性剤、カチオンDS(三洋化成(株)
製)、コータミン86W(花王(株)製)、コータミン
D86P(花王(株)製)などのカチオン性界面活性剤
などを挙げることができるがこれらに限定されるもので
はない。
【0026】嵩高柔軟剤はパルプ繊維間の結合の阻害要
因となるため、一般に紙の強度が低下し、紙の嵩高柔軟
性が発現する。しかし、ある一定以上に添加量を増やし
てもその効果が頭打ちになってしまう。通常、原料パル
プに対して嵩高柔軟剤を0.1重量%以上20重量%以下の
範囲で添加することが好ましい。しかしながら、添加量
が多すぎると紙の摩擦係数が極端に変化してしまうなど
一般紙質への影響が出る場合もある。一方、少なすぎる
と嵩高柔軟剤やパルプの種類によっては嵩高柔軟効果が
十分に発現しない場合があるので、原料パルプに対して
0.2重量%以上5重量%以下の範囲で添加することがより
好ましい。
【0027】本発明の嵩高柔軟紙は、各種パルプから通
常の製紙工程によって製造される。原料パルプには、化
学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉
樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グ
ランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメ
カニカルパルプ等)、脱墨パルプなどを単独または任意
の割合で混合して使用することができる。なお、紙の原
料に用いるパルプに機械パルプまたは古紙が含まれた場
合でも、本発明の嵩高柔軟剤は良好な嵩高柔軟性を示
す。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれ
でも良い。
【0028】本発明の嵩高柔軟紙は填料を含有してもよ
い。填料としては一般に使用されているものが使用で
き、特に限定されるものではないが、例えば、クレー、
焼成クレー、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオ
リン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化
チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、非晶質シリカ、水酸化
アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホルマリン樹
脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子
などの有機填料が、単独または適宜2種類以上を組み合
わせて使用される。
【0029】本発明の嵩高柔軟剤を含有する紙を製造す
るには、通常の抄紙工程において、嵩高柔軟剤をそのま
ま若しくは嵩高柔軟剤の乳化液をパルプスラリーに添加
(いわゆる内添)すればよい。添加する場所は、パルプ
スラリーと均一に混合できるところであれば特に限定さ
れるものではない。
【0030】本発明の嵩高柔軟紙を製造する際におい
て、従来から使用されている各種のノニオン性、カチオ
ン性の歩留まり剤、濾水度向上剤、紙力向上剤、内添サ
イズ剤等の抄紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して
使用される。
【0031】製紙用内添助剤としては、例えば、硫酸バ
ンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性塩
化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩
基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナゾ
ル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第
二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等が挙げられる。
【0032】次にサイズ剤としては、アルキルケテンダ
イマー系化合物、アルケニル無水コハク酸系化合物、ス
チレン−アクリル系化合物、高級脂肪酸系化合物、石油
樹脂系サイズ剤やロジン系サイズ剤が挙げられる。
【0033】その他製紙用助剤として澱粉類、ポリアク
リルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリア
ミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニルアル
コール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性
架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変
成物等の各種化合物が例示できる。
【0034】更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消
泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤
等の抄紙用内添剤を用途に応じて適宜添加することもで
きる。なお、本発明の嵩高柔軟紙の製造方法は、抄紙p
Hが4.5付近である酸性抄紙によるものか、あるいは炭
酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み、
抄紙pHが約6の弱酸性〜約9の弱アルカリ性で行う、い
わゆる中性抄紙によるものか等については特に限定され
ず、全ての抄紙方法によって得られる紙を対象とする。
また、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー機、ヤンキ
ー抄紙機等を適宜使用できる。
【0035】本発明の嵩高柔軟紙は、例えばオフセット
印刷用紙として好適である。その他にも凸版印刷用紙、
電子写真用紙、あるいはインクジェット記録用紙、感熱
記録紙、感圧記録紙、PPC用紙、フォーム用紙などの
情報記録用紙の原紙にも使用することができる。また、
塗工紙用原紙としての使用も好ましい態様である。最近
では、環境問題の高まりに伴い、古紙パルプを高配合す
る傾向が随所に見られてきている。本発明の嵩高柔軟材
は古紙パルプの量にかかわらず、著しい嵩高柔軟性を示
す。そのため、新聞紙はもちろんのこと、板紙・白板紙
でも効果を発揮する。
【0036】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例
及び比較例にて製造した手抄き紙について下記の項目に
ついて測定し、評価した。結果を表2に示した。 ・密度:JIS P 8118に準拠した。 ・クラーク剛度:JIS P 8143に準拠した。
【0037】[実施例1]嵩高柔軟剤として、表1に示
した化合物6 10.0gと、乳化剤としてエマルゲン90
5(花王(株)製)0.1gとを良く混合し、それを100gの
水に添加して、乳化機を用いて回転数10,000rpmにて10
分間攪拌を行ない嵩高柔軟剤の乳化液を調製した。
【0038】パルプ分としてLBKP(ろ水度 CSF
350ml)を使用した。これに前述の嵩高柔軟剤の乳化
液を対パルプ当たり1.0重量%となるように添加して紙
料を調製した。そして丸型手すき機を用いて坪量60g/
2となるように抄紙し、4.18kg/cm2の有効プレス
圧にてプレスし、環境試験機(紙面温度70℃、加熱温度
105℃)を用い、1時間乾燥して手抄き紙を得た。
【0039】[実施例2]嵩高柔軟剤として、表1に示
した化合物7 10.0gと、乳化剤としてエマルゲン90
5(花王(株)製)0.15gとを使用して嵩高柔軟剤の乳化
液を調製した以外は実施例1と同様にして手抄き紙を得
た。
【0040】[実施例3]嵩高柔軟剤として、表1に示
した化合物9 10.0gと、乳化剤としてぺレックスOT
−P(花王(株)製)0.15gとを使用して嵩高柔軟剤の乳
化液を調製した以外は実施例1と同様にして手抄き紙を
得た。
【0041】[実施例4]嵩高柔軟剤として、表1に示
した化合物13 10.0gと、乳化剤としてカチオンDS
(三洋化成(株)製)0.1gとを使用して嵩高柔軟剤の乳
化液を調製した以外は実施例1と同様にして手抄き紙を
得た。
【0042】[実施例5]嵩高柔軟剤として、表1に示
した化合物14 10.0gと、乳化剤としてSpan#20 0.1
gとを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製した以外は実
施例1と同様にして手抄き紙を得た。
【0043】[実施例6]嵩高柔軟剤として、表1に示
した化合物15 10.0gと、乳化剤としてエマルミン5
0(三洋化成(株)製)0.15gとを使用して嵩高柔軟剤の
乳化液を調製した以外は実施例1と同様にして手抄き紙
を得た。
【0044】[実施例7]嵩高柔軟剤として、表1に示
した化合物16 10.0gと、乳化剤としてぺレックスT
R(花王(株)製)0.15gとを使用して嵩高柔軟剤の乳化
液を調製した以外は実施例1と同様にして手抄き紙を得
た。
【0045】[実施例8]嵩高柔軟剤として、表1に示
した化合物17 10.0gと、乳化剤としてエマルゲンA
−60(花王(株)製)0.15gとを使用して嵩高柔軟剤の
乳化液を調製した以外は実施例1と同様にして手抄き紙
を得た。
【0046】[実施例9]嵩高柔軟剤として、表1に示
した化合物14 7.0gと化合物15 3.0gの混合物
と、乳化剤としてぺレックスCS(花王(株)製)0.1g
とを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製した以外は実施
例1と同様にして手抄き紙を得た。
【0047】[実施例10]嵩高柔軟剤として、表1に
示した化合物14 3.0gと化合物15 7.0gの混合物
と、乳化剤としてニューコール170(日本乳化剤(株)
製)0.2gとを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製した
以外は実施例1と同様にして手抄き紙を得た。
【0048】[比較例1]表1に示した化合物6の代わ
りにエマルゲン109P(花王(株)製)10.0gを添加した
以外は実施例1と同様にして手抄き紙を得た。
【0049】[比較例2]表1に示した化合物6の代わ
りにニューコール704(日本乳化剤(株)製)10.0gを
添加した以外は実施例1と同様にして手抄き紙を得た。
【0050】[比較例3]表1に示した化合物6の代わ
りにイオネットMS−1000(三洋化成(株)製)10.0g
を添加した以外は実施例1と同様にして手抄き紙を得
た。
【0051】[比較例4]表1に示した化合物6の代わ
りにニューコール170(日本乳化剤(株)製)10.0gを
添加した以外は実施例1と同様にして手抄き紙を得た。
【0052】[比較例5]表1に示した化合物6を添加
しない以外は実施例1と同様にして手抄き紙を得た。
【0053】
【表2】 表2に示す様に実施例1〜10と比較例5とを比べる
と、嵩高柔軟剤として一般式(1)で表される化合物を
用いることにより、嵩高でしかも柔軟性が向上すること
がわかった。また、比較例1〜4の分子内に水酸基を持
つ化合物は疎水性が低いため十分に紙に疎水性を付与す
ることができなかった。その結果、嵩高柔軟効果は実施
例1〜10に比べて低くなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 充利 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 (72)発明者 石田 昌史 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 (72)発明者 南里 泰徳 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4L055 AC06 AG34 AH50 EA30 EA32 FA16 GA08 GA15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされる嵩高柔軟
    剤。 RCOO(AO) (1) (式中、Rは水素、あるいは炭素数1、2、12〜22まで
    の直鎖または分岐のアルキル基、若しくは直鎖または分
    岐の不飽和炭化水素基。また、Rは芳香環で置換され
    ていてもよい。AOはアルキレンオキサイド付加重合物
    を示し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
    ブチレンオキサイドから選択される少なくとも1種であ
    る。nは0から50までの整数。Rは炭素数8〜22までの
    直鎖または分岐のアルキル基、若しくは直鎖または分岐
    の不飽和炭化水素基。また、Rは芳香環で置換されて
    いてもよい。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の嵩高柔軟剤をパルプ絶乾
    重量当たり0.1重量%以上20重量%以下添加することを
    特徴とする嵩高柔軟紙。
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