JP2002272880A - 薄層被覆多層ゴルフボール - Google Patents

薄層被覆多層ゴルフボール

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JP2002272880A
JP2002272880A JP2002035088A JP2002035088A JP2002272880A JP 2002272880 A JP2002272880 A JP 2002272880A JP 2002035088 A JP2002035088 A JP 2002035088A JP 2002035088 A JP2002035088 A JP 2002035088A JP 2002272880 A JP2002272880 A JP 2002272880A
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golf ball
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center
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JP2002035088A
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Christopher Cavallaro
カヴァラロ クリストファー
Ryan B Bosanko
ビー ボサンコ ライヤン
Edmund A Hebert
エイ ヘバート エドマンド
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Acushnet Co
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 中心および外部コア層を含むコアと、内部カ
バー層および薄い外部カバー層を含むカバーとを持つ、
ゴルフボールを提供すること。 【解決手段】 コア12とその周りに設けられたカバー
14とを含み、該コアが中心と、少なくとも1層の、該
中心に隣接する外部コア層18とを含み、かつ該カバー
が、少なくとも1層の内部カバー層22および外部カバ
ー層20を含み、該中心16が、約0.953 cm〜約3.56 c
m(約0.375 in〜約1.4 in)なる範囲の外径および100 Kg
の荷重の下で約4.5 mmを越える撓みを有し、該外部コア
層が、約3.56 cm〜約4.11 cm (約1.4in〜約1.62 in)な
る範囲の外径を有し、該内部カバー層が、約4.01 cm
(約1.58in)を越える外径および約72ショアD未満の材料
硬さを有し、および該外部カバー層が、約50ショアDを
越える硬さを持つことを特徴とするゴルフボール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的にはゴルフ
ボールに関わり、またより詳しくは多層ゴルフボールに
関するものである。特に、本発明は中心および外部コア
層を含むコアと、内部カバー層および薄い外部カバー層
を含むカバーとを持つゴルフボールに関わる。該外部カ
バー層は、注型適性を持つ反応性の液体から製造した、
熱硬化性材料で作られている。該コアは、約40を越える
弾性指数および約200,000を越える分子量を持つ、ブタ
ジエンポリマーを含む、ポリブタジエン組成物で作られ
ている。
【0002】
【技術的背景】従来のゴルフボールは、幾つかの一般的
な組、即ち(a) 1以上の層を含む、中実ゴルフボール、
および(b) 糸巻きゴルフボールに分類できる。中実ゴル
フボールは、製造が容易で、かつ比較的安価であるが、
貧弱な競技特性を有し、そのために一般には練習用ボー
ルとしての用途に制限されている、ワンピースボールを
含む。ツーピースボールは、一般には中実のコアと、カ
バーとで構成され、また極めて耐久性が高くしかも最大
の飛距離を与えるために、娯楽的な競技者にとって最も
評判のよいゴルフボールである。典型的に、該コアは、
亜鉛ジアクリレートおよび/または他の同様な架橋剤に
よって、化学的に架橋されたポリブタジエンから作られ
ている。これらゴルフボールは、一般に製造が容易であ
るが、制限された競技特性を持つものと考えられてい
る。中実ゴルフボールは、また1以上の層を含む中実コ
アおよび/または1以上の層を含むカバーで構成され
る、多層ゴルフボールをも含む。これらのボールは、拡
張された範囲の競技特性を持つものとされている。
【0003】糸巻きボールは、一般にその高いスピン特
性並びにソフトな「感触」のために、多くの競技者に好ま
れている。糸巻きゴルフボールは、典型的に張力を掛け
た弾性材料で包囲された、中実、中空または流体充填中
心と、カバーとを含む。糸巻きボールは、一般に中実ツ
ーピースボールと比較して、製造が困難であり、かつ高
価である。様々なゴルフボールが、広範囲の競技特性、
例えば圧縮力、速度、「感触」およびスピン特性を与える
ように、製造業者等によって工夫されている。これら諸
特性は、様々な競技能力に対して最適化できる。例え
ば、製造業者が、該ゴルフボールの競技特性を変えるた
めに、通常変更する要素の一つは、ゴルフボールの中心
および/またはコアを製造するのに使用する、ポリマー
組成物である。使用される最も一般的なポリマーの一つ
は、ポリブタジエンであり、より具体的には、高いシス
-異性体濃度を持つポリブタジエンである。
【0004】高いシス-異性体濃度を持つポリブタジエ
ンの使用は、特に硬質のカバー材料と組み合わせた場合
に、極めて高弾性のかつ高剛性のゴルフボールを与え
る。これら高弾性のゴルフボールは、クラブでヒットし
た際に、比較的硬い「感触」を持つ。高シス-ポリブタジ
エンで製造したソフトな「感触」を持つゴルフボールは、
低い弾性を持つ。改良されたゴルフボールを製造する試
みにおいて、以下に論じるように、様々な他のポリブタ
ジエン処方物が製造されている。米国特許第3,239,228
号は、高い硫黄含有率を持つポリブタジエンゴムを成型
して得たコアと、カバーとを含む中実ゴルフボールを開
示している。このコアのポリブタジエン内容物は、25-1
00%のシスおよび0-65%のトランス1,4-ポリブタジエン
なる構成に、立体的に制御され、残部の全ては、ポリブ
タジエンのビニル構成を持つ。該ポリブタジエンゴルフ
ボールコアの好ましい態様は、35%のシス-異性体、52
%のトランス-異性体および13%のビニル-ポリブタジエ
ンを含む。該トランスおよびビニル構成の含有率は、こ
のポリマーブレンドの全体としての競技特性にとって、
重要ではないと記載されている。
【0005】英国特許第1,168,609号は、改善されたゴ
ルフボールコアを成型でき、また基本的なポリマー成分
としてシス-ポリブタジエンを含む、成型組成物を開示
している。このコア用ポリマー成分は、典型的に少なく
とも60%のシス-ポリブタジエンを含み、残部はトランス
-またはビニル-型のポリブタジエンである。好ましい態
様では、このコア用ポリブタジエン成分は、90%のシス-
構造を含み、その残りの10%はトランス-またはビニル-
形状の1,4-ポリブタジエンである。米国特許第3,572,72
1号および同第3,572,722号は、中実ワンピースまたはツ
ーピースゴルフボールを開示しており、このツーピース
ボールはコアとカバーとを含む。そのカバー材料は、例
えば少なくとも90%なる量で存在できるトランス-ポリブ
タジエン(ここでその残部は、シス-またはビニル-形状
のものである)を包含する、当業者には公知の多数の材
料またはそのブレンドの何れか含むことができる。
【0006】英国特許第1,209,032号は、コアとカバー
とを持つ、ツーピースまたはスリーピースゴルフボール
を開示している。そのコアまたはカバー材料は、架橋可
能な任意の材料であり得る。特に、この材料は、ブタジ
エンまたはイソプレンのポリマーまたはコポリマーであ
り得る。好ましくは、このポリマー成分は、50質量%を
越えるシス含有率のポリブタジエンである。米国特許第
3,992,014号は、ワンピースの中実ゴルフボールを開示
している。このゴルフボールの材料は、典型的にはポリ
ブタジエンであり、少なくとも60%のシス-ポリブタジエ
ンを含むように選択された立体構造をもち、その残部の
40%は、トランス-ポリブタジエンおよび/または1,2-ポ
リブタジエン(ビニル)異性体である。米国特許第4,692,
497号は、ゴルフボールと、ポリブタジエンおよびα,β
-エチレン性不飽和酸の金属塩とを含むジエンポリマー
を、少なくとも2種のラジカル開始剤を使用して硬化す
ることによって製造した、該ゴルフボール用材料を開示
している。
【0007】米国特許第4,931,376号は、ゴルフボール
カバー材料を含む、種々の用途において使用される、ブ
タジエンポリマーの製法を開示している。この発明の一
態様では、少なくとも30質量%のトランス-ポリブタジエ
ンポリマーを含有する、混合ポリマー樹脂材料を、ツー
ピースボール上のゴルフボールカバーとして使用してい
る。好ましい一態様では、このゴルフボールカバー材料
は、30〜90質量%のトランス-ポリブタジエンポリマーを
含有する、ブレンドを含む。米国特許第4,971,329号
は、シス-1,4-ポリブタジエンと1,2-ポリブタジエンと
の混合ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属塩、無
機フィラー、およびフリーラジカル開始剤から製造し
た、中実ゴルフボールを開示している。この混合物は、
約99.5質量%〜約95%質量%なる範囲内のシス-1,4-ポリ
ブタジエンと、約0.5質量%〜約5質量%なる範囲内の1,2-
ポリブタジエンとを含む。
【0008】米国特許第5,252,652号は、基本のゴム、
好ましくは少なくとも40モル%のシス-含有率を持つ1,4-
ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属塩、有機パー
オキシドおよび有機硫黄化合物および/またはその金属
塩を含むゴム組成物から製造した、改良された飛翔特性
を持つ、ワンピースまたは多層ゴルフボールコアを開示
している。該有機硫黄化合物および/またはその金属塩
は、典型的には約0.05〜2質量部なる量で存在し、該有
機パーオキシドは、典型的には該ポリマー成分全体を基
準として、約0.5〜3質量部なる量で存在する。欧州特許
第0,577,058号は、2つの別々の層として形成された、コ
アとカバーとを含むゴルフボールを開示している。この
カバーの内部層は、該コア上に成型され、かつイオノマ
ー樹脂で製造される。該カバーの外部層は、該内部層上
に形成され、かつ天然または合成バラタと架橋性のエラ
ストマー、例えばポリブタジエンとのブレンドで製造さ
れる。該カバーの該外部層の一態様では、該エラストマ
ーは、少なくとも40%のシス-構造をもつ1,4-ポリブタジ
エンであり、その残部の60%は、ポリブタジエンのトラ
ンス-異性体である。好ましい一態様は、少なくとも90%
のシス-構造およびより好ましくは少なくとも95%のシ
ス-構造を含む。
【0009】米国特許第5,421,580号は、センターバッ
グ内に収容された液状中心、該液状中心上に形成された
ゴム糸層および該糸巻き層および液状中心上のカバーを
含む糸巻きゴルフボールを開示している。このカバー材
料は、トランス-ポリブタジエンおよび/または1,2-ポリ
ブタジエン(ビニル)を包含する、当業者にとっては公知
の、数ある材料の任意の一つまたはそのブレンドを、該
カバーが70-85なるJIS-C硬度をもつように、含むことが
でき、好ましいトランス-異性体の割合は記載されてい
ない。米国特許第5,697,856号は、コアとカバーとを含
むゴルフボールを開示しており、ここで該コアは、加硫
前に90%未満のシス-ポリブタジエン構造の含有率をもつ
ブタジエンゴムを含む基本となるゴム組成物を加硫する
ことにより製造される。加硫後に存在するトランス-ポ
リブタジエン構造の量は、10〜30%である。というのは3
0%を越える量でのその存在は、有害なことに、柔らか過
ぎて低い弾性性能を持つコアをもたらし、かつゴルフボ
ール性能の低下をもたらすものとされている。このコア
は、加硫剤、フィラー、有機パーオキシドおよび有機硫
黄化合物を含む。
【0010】英国特許第2,321,021号は、コアおよび該
コア上に形成されたカバーを含み、かつ内部カバー層と
外部カバー層とを含む、2-層カバー構造をもつ、中実ゴ
ルフボールを開示している。該外部カバー層は、有機ス
ルフィド化合物を0.05〜5質量部含有するゴム複合体で
作られている。該コア用のゴム組成物は、基本となるゴ
ム、好ましくはシス-異性体含有率少なくとも40質量%の
1,4-ポリブタジエン、架橋剤、補助架橋剤、有機スルフ
ィドおよびフィラーを含む。該架橋剤は、典型的には0.
3〜5.0質量部なる量で存在する有機パーオキシドであ
り、また該補助架橋剤は、典型的には10〜40質量部なる
量で存在する不飽和脂肪酸の金属塩である。該有機スル
フィド化合物は、典型的には0.05〜5質量部なる量で存
在する。米国特許第5,816,944号は、コアとカバーとを
持つ中実ゴルフボールを開示しており、ここで該コアは
50〜80なるJIS-C硬さを有し、また該カバーは50〜60な
るショアD硬さを持つ。該コア材料は、加硫ゴム、例え
ば架橋剤を含むシス-ポリブタジエン、有機パーオキシ
ド、有機硫黄化合物および/または金属-含有有機硫黄化
合物、およびフィラーを含む。
【0011】更に、トランス-ポリブタジエン構造を高
率で含む従来のポリマー、例えばファイアストン社(Fir
estone Corp.)から入手できる、40%のシス-異性体およ
び50%のトランス-ポリブタジエン異性体を含むジエン(D
IENE) 35NFおよび高シス-および高トランス-ポリブタジ
エン異性体の混合物、例えばシェル社(Shell Corporati
on)から入手できるカリフレックス(CARIFLEX) BR1220お
よびアサヒケミカル社(Asahi Chemical Co.)から入手で
きるフレン(FUREN) 88は、夫々典型的には高い弾性値を
与えず、従って望ましいものではない。ゴルフボールの
性能特性に影響を与える、充填中心またはコア成分に加
えて、多くの特許が発行されており、これらは、種々の
ゴルフボール、例えば糸巻きボール、従来の中実ボー
ル、二重カバー層、二重コア層を持つ多層ボール、およ
び/または該コアとカバーとの間に設けられたマントル
層を含むボール等の製造において使用される、層および
カバーの諸特性の改善を目的としている。ゴルフボール
の層およびカバーにおいて製造業者によって使用されて
いる、最も一般的なポリマーは、イオノマー、例えばDE
ウイルミントンのE.I.デュポンドゥネモアーズ社(E.I.
DuPont de Nemours and Co.)から市販品として入手でき
るサーリン(SURLYN)等である。しかし、最近製造業者等
は、ポリウレタン等の代替ポリマーの使用を検討してい
る。例えば、米国特許第3,147,324号は、ポリウレタン
製カバーを持つゴルフボールの製法を目的としている。
【0012】ほぼ1960年以来、ポリウレタンは、ゴルフ
ボールカバー用の、有用な材料として認識されている。
ポリウレタンは、ポリウレタンプレポリマーと硬化剤と
の反応生成物である。該ポリウレタンプレポリマーは、
ポリオールとジイソシアネートとの反応により形成され
る生成物である。以前使用された該硬化剤は、典型的に
はジアミンまたはグリコールである。しばしば、触媒を
使用して、該硬化剤と該ポリウレタンプレポリマーとの
反応を促進する。1960年以来、様々な会社が、ゴルフボ
ールカバー材料としての、ポリウレタンの有用性を検討
してきた。米国特許第4,123,061号は、ポリエーテルの
ポリウレタンプレポリマーと、3官能性ポリオール、4官
能性ポリオールまたはジアミン等の硬化剤とから製造し
た、ゴルフボールを教示している。米国特許第5,334,67
3号は、市場から入手できる2つのカテゴリーのポリウレ
タン、即ち熱硬化性および熱可塑性ポリウレタンの、ゴ
ルフボールカバー製造のための利用、および特にポリウ
レタンプレポリマーおよび徐々に反応するアミン硬化
剤、および/または2官能性のグリコールを含む組成物か
ら製造した、熱硬化性ポリウレタンでカバーしたゴルフ
ボールを開示している。この最初の工業的に成功した、
ポリウレタン被覆ゴルフボールは、1993年に初めて市販
された、タイトリストプロフェッショナル(TitleistTM
Professional)ボールであった。
【0013】サーリン(SURLYNTM)またはイオノマー被覆
ゴルフボールとは異なり、ポリウレタン製ゴルフボール
カバーは、バラタ被覆ゴルフボールのソフトな「感触」を
持つように処方できる。しかし、ポリウレタン製ゴルフ
ボールカバーは、これまで、弾性またはゴルフクラブに
よるインパクト後の初期速度の関数である、リバウンド
に関して、サーリンで被覆したゴルフボールに十分対抗
できるものではなかった。米国特許第3,989,568号は、
何れか1種または2種のポリウレタンプレポリマーおよび
1種または2種のポリオールまたは迅速反応性のジアミン
硬化剤を用いた、3成分系を開示している。この系に対
して選択されたこれら試薬は、2またはそれ以上の競合
反応において、異なる反応速度を持つ必要がある。米国
特許第4,123,061号は、ポリエーテルのポリウレタンプ
レポリマーと、3官能性ポリオール、4官能性ポリオール
または迅速反応性ジアミン等の硬化剤とから製造した、
ゴルフボールを開示している。
【0014】米国特許第5,334,673号は、ポリウレタン
プレポリマーと、徐々に反応するポリアミン硬化剤およ
び/または2官能性のグリコールとを含む組成物から製造
したゴルフボールカバーを開示している。得られたゴル
フボールは、バラタまたはサーリンから製造したカバー
と比較して、改善された耐剪断性および耐切断性を持つ
ことが分かっている。米国特許第5,692,974号は、ゴル
フボールカバー組成物における、カチオン性イオノマー
の使用法を開示している。更に、この特許は、ウレタン
イオノマーを配合したコアおよびカバーを持つゴルフボ
ールにも関連する。改善されたレジリエンスおよび初期
速度は、該ポリウレタン中でイオン性相互作用を誘発し
て、カチオン性のイオノマーを生成する、t-ブチルクロ
リド等のアルキル化剤を添加することによって達成され
る。国際特許出願WO 98/37929は、ゴルフボールカバー
用の組成物を開示しており、これはジイソシアネート/
ポリオールプレポリマーおよび徐々に反応するジアミン
と迅速反応性のジアミンとのブレンドを含む硬化剤を包
含する、ブレンドを含む。改善された「感触」、競技特性
および耐久性を示す。
【0015】従来のポリウレタンプレポリマーは、サー
リンおよび他のイオノマー樹脂よりも低いレジリエンス
を持つことが知られている。今回、ゴルフボールコア、
中間層およびマントル層、および/またはカバーの製造
における、本発明のポリウレタン組成物の使用により、
この組成物で製造したゴルフボールの速度を、(1) サー
リン被覆ゴルフボールについて観測される速度に近く、
かつ(2) 別のウレタン組成物を使用した場合に見られる
速度よりも高い値に高めることができることを見出し
た。更に、ポリウレタンカバー組成物と、ポリブタジエ
ンコア材料、特に約40を越える弾性指数を持つものと組
み合わせることが望ましい。これら材料から作成したコ
アは、性能特性(即ち、低い圧縮率)の喪失を伴うことな
しに、例外的に高い弾性特性を与えることが分かってい
る。
【0016】多層コア構造は、各独立したコア層の比重
の調節を通して、ボールの慣性モーメントを容易に調節
することを可能とする。多層コア構造を使用することに
より、ボールの設計者は、フルショットによりヒットし
た際のボールスピン性能を調節できる。フルショットに
より、該ボールの内部構造は、該ボールのスピン速度に
大きな影響を与える。従って、ドライバーおよびロング
アイアンショットのスピン速度は、多層コア技術の利用
を通して、より正確に調節することができる。更に、該
ボールの感触は、個々の層の硬さおよび圧縮性を変更す
ることによって、単一の中実コア構造により達成される
よりも、より高い制御性で、変更できる。従って、低い
圧縮率を有し、かつ従来のボールと同等またはこれより
も高いレジリエンスを持つ、多層ゴルフボールを製造す
ることが望ましい。また、速度を不当に減じることなし
に、同一または低い圧縮率を達成し、かつより高いレジ
リエンスを達成することが望ましい。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、一般的にはゴルフボールを提供することにあり、ま
たより詳しくは多層ゴルフボールを提供することにあ
る。本発明の目的は、特に中心および外部コア層を含む
コアと、内部カバー層および薄い外部カバー層を含むカ
バーとを持つゴルフボールを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、コア
とその周りに設けられたカバーとを含み、該コアは中心
と、少なくとも1層の、該中心に隣接する外部コア層と
を含み、かつ該カバーは、少なくとも1層の内部カバー
層および外部カバー層を含み、該中心は、約0.953 cm〜
約3.56 cm (約0.375 in〜約1.4 in)なる範囲の外径およ
び100 Kgの負荷の下で約4.5 mmを越える撓みを有し、該
外部コア層は、約3.56 cm〜約4.11 cm (約1.4 in〜約1.
62 in)なる範囲の外径を有し、該内部カバー層は、約4.
01 cm (約1.58 in)を越える外径および約72ショアD未満
の材料硬さを有し、および該外部カバー層は、約50ショ
アDを越える硬さを持つことを特徴とするゴルフボール
に関する。一態様において、該外部カバー層は、約55シ
ョアD未満の材料硬さを有し、および該外部カバー層
は、好ましくは約50ショアD未満の材料硬さをもつ。該
内部カバー層は、約60〜約70ショアDなる範囲、より好
ましくは約60〜約65ショアDなる範囲の材料硬さをもつ
べきである。
【0019】もう一つの態様において、該内部カバー層
の外径は、約4.04 cm〜約4.22 cm (約1.59 in〜約1.66
in) なる範囲内にあり、またより好ましくは約4.06 cm
〜約4.17 cm (約1.6 in〜約1.64 in) なる範囲内にあ
る。該中心の外径は、約1.27 cm〜約3.18 cm (約0.5 in
〜約1.25 in) なる範囲内にあるべきであり、またより
好ましくは約2.29 cm〜約3.05 cm (約0.9 in〜約1.2 i
n) なる範囲内にある。該外部コア層の外径は、約3.86
cm〜約4.04 cm (約1.52 in〜約1.59 in) なる範囲内に
あるべきであり、またより好ましくは約3.90 cm〜約4.0
1 cm (約1.535 in〜約1.58 in) なる範囲内にある。更
に別の態様では、該ゴルフボールは、約83 g・cm2未満の
慣性モーメントを持つ。更に、該中心は、好ましくは第
一の硬さを持ち、該外部コア層は該第一の硬さよりも大
きな第二の硬さを持ち、かつ該内部カバー層は該第二の
硬さよりも大きな第三の硬さを持つ。好ましい一態様に
おいて、該外部カバー層は、該第三の硬さに満たない第
四の硬さを持つ。
【0020】一態様において、該中心は第一の比重を持
ち、かつ該外部コア層は約0.1未満だけ異なる第二の比
重を持つ。好ましい一態様において、該中心は中実であ
る。また、該中心は液状、中空または空気で満たされて
いてもよい。本発明は、またコアとその周りに設けられ
たカバーとを含み、該コアは中実中心と、該中心に隣接
する外部コア層とを含み、かつ該カバーは、内部カバー
層および外部カバー層を含み、該中心は、約0.953 cm〜
約3.56 cm (約0.375 in〜約1.4 in)なる範囲の外径およ
び100 Kgの負荷の下で約4.5 mmを越える撓みを有し、該
外部コア層は、約3.56 cm〜約4.11 cm (約1.4 in〜約1.
62 in)なる範囲の外径を有し、該内部カバー層は、約4.
01 cm (約1.58 in)を越える外径および約72ショアD未満
の材料硬さを有し、および該外部カバー層は、約50ショ
アDを越える硬さを持つことを特徴とするゴルフボール
にも関する。
【0021】一態様において、該外部カバー層は、約50
未満の材料硬さおよび約0.89 mm (約0.035 in)未満の厚
みを持つ。好ましい一態様において、該中心は第一の硬
さを持ち、該外部コア層は該第一の硬さを越える第二の
硬さを持ち、かつ該内部カバー層は該第二の硬さを越え
る第三の硬さを持つ。更に、該外部カバー層は、該第三
の硬さ未満の、第四の硬さを持つ。もう一つの態様にお
いて、該内部カバー層の外径は、約4.04 cm〜約4.22 cm
(約1.59 in〜約1.66 in) なる範囲内にあり、またより
好ましくは約4.06 cm〜約4.17 cm (約1.6 in〜約1.64 i
n) なる範囲内にある。該中心の外径は、約1.27 cm〜約
3.18 cm (約0.5 in〜約1.25 in) なる範囲内にあるべき
であり、また好ましくは約2.29 cm〜約3.05 cm (約0.9
in〜約1.2 in) なる範囲内にある。更に別の態様におい
て、該外部コア層の外径は、約3.86 cm〜約4.04 cm (約
1.52 in〜約1.59 in) なる範囲内にある。また、該ボー
ルは、約83 g・cm2未満の慣性モーメントを持つ。もう一
つの態様において、該中心は第一の比重を持ち、かつ該
外部コア層は約0.1未満だけ異なる第二の比重を持つ。
【0022】定義1以上の数値または数値範囲に関連し
て、本明細書で使用する「約」なる用語は、ある範囲内の
数値全てを含む、このような数値全てを意味するものと
理解すべきである。本明細書で使用する用語「シス-トラ
ンス触媒」とは、与えられた温度において、シス-ポリブ
タジエン異性体の少なくとも一部を、トランス-ポリブ
タジエン異性体に転化するであろう、任意の成分または
その組み合わせを意味する。任意の所定の時点において
測定した、該シス-異性体、トランス-異性体および任意
のビニル-異性体を含む組み合わせは、該ポリブタジエ
ンの100%を構成するものと理解すべきである。ここで
使用する用語「活性成分」とは、該当する化学反応にとっ
て必須の、ある混合物またはブレンドの、特定の成分と
して定義される。ここで使用する置換および無置換「ア
リール」基なる用語は、共役二重結合系を持つ、典型的
には4n + 2π環状電子系(ここでnは整数である)を含
む、炭化水素リングを意味する。アリール基の例は、フ
ェニル、ナフチル、アニシル、トリル、キシリル等を含
むが、これらに制限されない。本発明によれば、アリー
ルは、またピリミジンまたはチオフェン等のヘテロアリ
ール基をも含む。これらアリール基は、また任意の数
の、様々な官能基で置換されていてもよい。炭素環式基
に関連してここに記載する官能基に加えて、該アリール
基上の官能基は、ヒドロキシおよびその金属塩、メルカ
プトおよびその金属塩、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シ
アノおよびアミド、エステル、酸およびその金属塩を含
むカルボキシル、シリル、アクリレートおよびその金属
塩、スルホニルまたはスルホンアミド、およびホスフェ
ート並びにホスフィット、およびこれらの組み合わせを
含むことができる。
【0023】ここで使用する用語「アッチ(Atti)圧縮率」
とは、NJユニオンシティーのアッチエンジニアリング社
(Atti Engineering Corp.)から市販品として入手でき
る、アッチ圧縮率ゲージ(Atti Compression Gauge)を用
いて測定した、較正されたバネの撓みに相対的な、物体
または材料の撓みとして定義される。アッチ圧縮率は、
典型的にはゴルフボールの圧縮率を測定するのに使用さ
れる。このアッチゲージを使用して、約4.27 cm (1.680
in)未満の径を持つコアを測定する場合、金属または他
の適当なシムを使用して、測定すべき物体の径を約4.27
cm (1.680 in)としていることを理解すべきである。こ
こで使用する置換および無置換「炭素環」とは、環状の炭
素含有化合物を意味し、その例はシクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル等を包含す
るが、これらに制限されない。このような環式基は、ま
た種々の置換基を含むことができ、そこでは1以上の水
素原子が、官能基によって置換されている。このような
官能基は、上記のものおよび1-28個の炭素原子を持つ低
級アルキル基を包含する。本発明のこれら環式基は、更
にヘテロ原子を含むことができる。
【0024】ゴルフボールについて、ここで使用する用
語「反発係数」とは、ボールを剛性の板にぶつけた際の、
リバウンド速度対インバウンド(inbound)速度の比とし
て定義される。このインバウンド速度は、約38.13 m/秒
(125 ft/s)であるものと理解されている。ここで使用す
る「第VIA族成分」または「第VIA族元素」とは、硫黄成分、
セレン成分またはテルル成分もしくはこれらの組み合わ
せを包含する成分を意味する。ここで使用する用語「硫
黄成分」とは、元素硫黄、ポリマー硫黄またはこれらの
組み合わせである成分を意味する。更に、「元素硫黄」と
は、S8の環状構造を意味し、また「ポリマー硫黄」とは、
該元素硫黄に対して少なくとも一つの付随的な硫黄を含
む構造を意味するものと理解すべきである。ここで使用
する用語「流体」とは、液体、ペースト、ゲル、ガス、ま
たはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0025】ここで使用する用語「分子量」とは、絶対質
量平均分子量として定義される。この分子量は、以下の
方法によって測定される:約20 mgのポリマーを、10 mL
のテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。この溶解は、
該ポリマーの分子量および分布に依存して、室温にて数
日を要する可能性がある。1 LのTHFを、高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)の容器に入れる前に、濾過しかつ脱
気する。このHPLCの流量は、ビスコゲル(Viscogel)カラ
ムを通して、1 mL/minに設定する。ID 7.8 mmおよび長
さ300 mmを有する、この非流動性混床型カラムモデルGM
HHR-Hは、TXヒューストンのビスコテック社(Viscotek C
orp.)から入手できる。該THFの流量を、サンプルの分析
を開始する前に、または安定な検出器のベースラインが
達成されるまで、少なくとも1時間、1 mL/minに設定す
る。このカラムおよび検出器のパージング中ビスコテッ
ク(Viscotek) TDAモデル300三重検出器は、40℃に設定
すべきである。この検出器もビスコテック社から入手で
きる。これら3つの検出器(即ち、屈折率、差圧および光
散乱)および該カラムは、熱平衡状態に置くべきであ
り、またこれら検出器は、パージングし、ゼロ調節し
て、この装置に与えられた指示に従って、較正するため
の系を調製すべきである。
【0026】次に、100μLのサンプル溶液のアリコート
を、該装置に注入することができ、また各サンプルの分
子量は、ビスコテック社の三重検出器ソフトを用いて、
算出できる。該ポリブタジエン材料の分子量を測定する
場合、常に0.130なるdn/dcを使用すべきである。この装
置およびこれら方法は、ここに記載し、かつ特許請求し
た分子量値を与え、また他の装置または方法は、ここで
使用する値と等価な値を必ずしも与えない、であろうこ
とを理解すべきである。ここで使用する用語「多層」と
は、少なくとも2層を意味し、また液状中心を持つボー
ル、糸巻きボール、中空中心を持つボール、および少な
くとも2層の中間層および/または内部または外部カバ
ーを持つボールを包含する。ここで使用する用語「熱硬
化性」とは、2種以上のプレポリマー先駆体材料の反応
による生成物である、不可逆的固体ポリマーを意味す
る。
【0027】ここで使用する、「phr」としても知られる
用語「質量部」とは、全ポリマー成分100質量部当たり
の、混合物中に存在する特定の成分の質量部数として定
義される。数学的には、これは、ある成分の質量を該ポ
リマー全質量で割って、係数100を乗じたものとして表
すことができる。ここで使用する用語「実質的に含まな
い」とは、約5質量%未満、好ましくは約3質量%未満、よ
り好ましくは約1質量%未満および最も好ましくは約0.01
質量%未満を意味する。ここで使用する用語「弾性指数」
とは、10 cpmおよび1000 cpmにおいて測定した損失正接
における差を、990 (頻度範囲(frequency span))で割
り、100,000 (規格化のため、便宜的単位)を乗じたもの
として定義される。この損失正接は、OHアクロンのアル
ファテクノロジーズ(Alpha Technologies)によって製造
されている、RPA 2000を用いて測定される。このRPA 20
00は、0.5度の弧(arc)を用いて、100℃なる温度にて、
2.5〜1000 cpmなる範囲に設定する。6回に渡る損失正接
測定の平均を、各頻度において得、この平均値を使用し
て、弾性指数を算出する。弾性指数の計算は、以下の通
りである:弾性指数 = 100,000・[(10 cpmにおける損失
正接) - (1000 cpmにおける損失正接)]/990
【0028】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、本発明のゴル
フボール10は、コア12およびこのコア12を取り巻くカバ
ー14を含む。好ましくは、このコア12は、中心16および
外部コア層18を含み、また該カバー14は、外部カバー層
20と内部カバー層22とを含む。本発明のゴルフボールコ
アは、様々な構成の何れをとることもできる。例えば、
このゴルフボールの該コアは、公知の中心を含み、この
中心と該内部カバー層との間に設けられた、中間のマン
トルまたは外部コア層で包囲された構成をとることがで
きる。このコアは、単一の層であり得、あるいは複数の
層を含むことができる。このコアの最も内側の部分は、
中実であるか、あるいは液体で満たされた球であり得
る。コアと同様に、この中間のマントルまたは外部コア
層も、複数の層を含むことができる。該コアは、また中
実のまたは液体で満たされた中心を含むことができ、そ
の周りには張力を掛けた弾性材料の多数の糸が巻き付け
られている。
【0029】中実コア用の材料は、基本となるゴム、架
橋剤、フィラーおよび補助架橋剤または開始剤を含む組
成物を包含する。該基本となるゴム(ベースゴム)は、典
型的には天然または合成ゴムを含む。好ましいベースゴ
ムは、少なくとも40%のシス-構造をもつ1,4-ポリブタジ
エンである。最も好ましくは、このベースゴムは、高ム
ーニー粘度ゴムを含む。望ましくは、このポリブタジエ
ンも、該コアの諸特性を改善するために、当分野で公知
の他のエラストマー、例えば天然ゴム、ポリイソプレン
ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエンゴムとの混合物
であり得る。該架橋剤は、不飽和脂肪酸の金属塩、例え
ばアクリル酸またはメタクリル酸等の、炭素原子数3〜8
をもつ不飽和脂肪酸の亜鉛またはマグネシウム塩等を含
む。適当な架橋剤は、ジアクリレート、ジメタクリレー
トおよびモノメタクリレート金属塩を含み、ここで該金
属はマグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、
ナトリウム、リチウムまたはニッケルである。
【0030】本発明の一態様は、少なくとも1層の付随
的な中実外部コア層によって取り巻かれた、中実中心を
含む多層ゴルフボールに関する。少なくとも1層の該外
部コア層は、高ムーニー粘度ゴムおよび約20〜約40 ph
r、好ましくは約30〜約38 phrおよび最も好ましくは約3
7 phrなる量で存在する架橋剤を含む、弾性ゴムを主成
分とする組成物から製造する。ここで使用した用語「ph
r」は、質量で表したゴムに対する値であると理解すべき
である。このボールの該中心は、弾性高ムーニー粘度ゴ
ム成分、およびゴム100部当たりの架橋剤として、約15
〜約30 phr、好ましくは約19〜約25 phrおよび最も好ま
しくは約20〜24 phrなる量で存在する架橋剤を含む固体
である。
【0031】該開始剤は、硬化サイクル中に分解する、
あらゆる公知の重合開始剤であり得る。適当な開始剤
は、パーオキシド化合物、例えばジクミルパーオキシ
ド、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシ
クロヘキサン、a-a ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプ
ロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオ
キシ)ヘキサンまたはジ-t-ブチルパーオキシドおよびこ
れらの混合物を包含する。ここで使用する用語「フィラ
ー」とは、該コアの密度および他の特性を変えるのに使
用できる、任意の化合物または組成物を含む。フィラー
は、典型的にはタングステン、酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛リグラインド(3
0メッシュ粒子まで粉砕した再生コア材料)、高ムーニー
粘度ゴムリグラインド等の材料を含む。本発明は、また
コアとカバー、例えば中実、中空または流体充填中心、
外部コア層、およびこの中心の周りに配置された、内部
および外部カバー層とを含む、多層ゴルフボールにも関
わる。該中心または中間層の少なくとも一つは、反応生
成物を含み、これはシス-トランス触媒、ポリブタジエ
ンを含む弾性ポリマー成分、フリーラジカル源、および
随意の架橋剤、フィラーまたはその両者を含む。
【0032】本発明は、また成型サイクル中に、該ポリ
ブタジエン弾性ポリマー成分のシス-異性体を、そのト
ランス-異性体に転化し、またゴルフボールを製造する
方法にも関する。ポリマー、シス-トランス触媒、フィ
ラー、架橋剤およびフリーラジカル源の様々な組み合わ
せを使用できる。高弾性かつ低圧縮率の中心または中間
層を得るために、好ましくは約90%を越えるシス-異性
体含有率を持つ高分子量のポリブタジエンを、該成型サ
イクル中に、該ゴルフボール中のあらゆる点またはその
一部における、トランス-異性体含有率を高め、好まし
くは該ゴルフボールの実質的全体に渡るまたはその一部
の、該トランス-異性体含有率を高めるように転化す
る。より好ましくは、該シス-ポリブタジエン異性体
は、全ポリブタジエン異性体含有率の約95%を越える量
で存在する。如何なる特定の理論にも拘泥するつもりは
ないが、該初期ポリブタジエンおよび該反応生成物にお
いては、少量の1,2-ポリブタジエン異性体(ビニル-ポリ
ブタジエン)の存在が望ましい。典型的には、該ビニル-
ポリブタジエン異性体含有率は、約7%未満である。好
ましくは、該ビニル-ポリブタジエン異性体含有率は、
約4%未満である。より好ましくは、該ビニル-ポリブタ
ジエン異性体含有率は、約2%未満である。如何なる特
定の理論にも拘泥するつもりはないが、この組み合わさ
れたシス-およびトランス-ポリブタジエン骨格の結果的
な運動性が、該反応生成物およびこれを含有するゴルフ
ボールの、低い弾性率および高いレジリエンスを与える
ものと考えられる。
【0033】ゴルフボールの競技特性にとって望まし
く、かつ有利である、上記の高いレジリエンスおよび低
い弾性率(低圧縮率)特性を示す、ポリマー反応生成物を
得るためには、高分子量のシス-1,4-ポリブタジエン
を、その成型サイクル中に、そのトランス-異性体に転
化できることが好ましい。このポリブタジエン材料は、
典型的に約200,000を越える分子量を持つ。好ましく
は、このポリブタジエンの分子量は、約250,000を越
え、より好ましくは約300,000〜500,000なる範囲内にあ
る。如何なる特定の理論にも拘泥するつもりはないが、
該フリーラジカル源と組み合わせた、該シス-トランス
触媒成分は、ある割合の該ポリブタジエンポリマー成分
を、そのシス-形状からトランス-形状に転化するように
作用するものと考えられる。このシス-トランス転化
は、有機硫黄または金属-含有有機硫黄化合物、硫黄ま
たは金属を含まない、置換または無置換の芳香族有機化
合物、無機スルフィド化合物、芳香族有機金属化合物、
またはこれらの混合物等といった、シス-トランス転化
触媒の存在を必要とする。このシス-トランス転化触媒
成分は、1種以上のここに記載する他のシス-トランス転
化触媒を含むことができる。
【0034】一態様において、該少なくとも1種の有機
硫黄化合物は、実質的に金属を含まない。これは、典型
的には金属含有率が、約10質量%未満、好ましくは約3
質量%未満、より好ましくは約1質量%未満および最も
好ましくは痕跡量のみ、例えば約0.01質量%未満である
ことを意味する。本発明に言及する際にここで使用する
用語「有機硫黄化合物」または「有機硫黄成分」とは、少な
くとも1種の以下の化合物を意味する:4,4'-ジフェニル
ジスルフィド、4,4'-ジトリルジスルフィド、2,2'-ベン
ズアミドジフェニルジスルフィド、ビス(2-アミノフェ
ニル)ジスルフィド、ビス(4-アミノフェニル)ジスルフ
ィド、ビス(3-アミノフェニル)ジスルフィド、2,2'-ビ
ス(3-アミノナフチル)ジスルフィド、2,2'-ビス(4-アミ
ノナフチル)ジスルフィド、2,2'-ビス(5-アミノナフチ
ル)ジスルフィド、2,2'-ビス(6-アミノナフチル)ジスル
フィド、2,2'-ビス(7-アミノナフチル)ジスルフィド、
2,2'-ビス(8-アミノナフチル)ジスルフィド、1,1-ビス
(3-アミノナフチル)ジスルフィド、1,1-ビス(4-アミノ
ナフチル)ジスルフィド、1,1-ビス(5-アミノナフチル)
ジスルフィド、1,1-ビス(6-アミノナフチル)ジスルフィ
ド、1,1-ビス(7-アミノナフチル)ジスルフィド、1,1-ビ
ス(8-アミノナフチル)ジスルフィド、1,2'-ジアミノ-1,
2'-ジチオジナフタレン、2,3'-ジアミノ-1,2'-ジチオジ
ナフタレン、ビス(4-クロロフェニル)ジスルフィド、ビ
ス(2-クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3-クロロフ
ェニル)ジスルフィド、ビス(4-ブロモフェニル)ジスル
フィド、ビス(2-ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3
-ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4-フルオロフェ
ニル)ジスルフィド、ビス(4-ヨードフェニル)ジスルフ
ィド、ビス(2,5-ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス
(3,5-ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4-ジク
ロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6-ジクロロフェニ
ル)ジスルフィド、ビス(2,5-ジブロモフェニル)ジスル
フィド、ビス(3,5-ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビ
ス(2-クロロ-5-ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,
4,6-トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,
6-ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4-シアノ
フェニル)ジスルフィド、ビス(2-シアノフェニル)ジス
ルフィド、ビス(4-ニトロフェニル)ジスルフィド、ビス
(2-ニトロフェニル)ジスルフィド、2,2'-ジチオ安息香
酸エチルエステル、2,2'-ジチオ安息香酸メチルエステ
ル、2,2'-ジチオ安息香酸、4,4'-ジチオ安息香酸エチル
エステル、ビス(4-アセチルフェニル)ジスルフィド、ビ
ス(2-アセチルフェニル)ジスルフィド、ビス(4-ホルミ
ルフェニル)ジスルフィド、ビス(4-カルバモイルフェニ
ル)ジスルフィド、1,1'-ジナフチルジスルフィド、2,2'
-ジナフチルジスルフィド、1,2'-ジナフチルジスルフィ
ド、2,2'-ビス(1-クロロジナフチル)ジスルフィド、2,
2'-ビス(1-ブロモジナフチル)ジスルフィド、1,1'-ビス
(2-クロロナフチル)ジスルフィド、2,2'-ビス(1-シアノ
ジナフチル)ジスルフィド、2,2'-ビス(1-アセチルジナ
フチル)ジスルフィド等またはこれらの混合物。
【0035】好ましい有機硫黄成分は、4,4'-ジフェニ
ルジスルフィド、4,4'-ジトリルジスルフィド、2,2'-ベ
ンズアミドジフェニルジスルフィドまたはこれらの混合
物を含む。より好ましい有機硫黄成分は4,4'-ジトリル
ジスルフィドを含む。この有機硫黄シス-トランス触媒
が存在する場合、これは、全弾性ポリマー成分を基準と
して、少なくとも約12%のトランス-ポリブタジエン異
性体、典型的には約32%を越えるトランス-ポリブタジ
エン異性体を含むように、該反応生成物を製造するのに
十分な量で存在することが好ましい。適当な金属-含有
有機硫黄成分は、ジエチルジチオカルバメート、ジアミ
ルジチオカルバメート、およびジメチルジチオカルバメ
ートまたはその混合物の、カドミウム、銅、鉛およびテ
ルル同族体を含むが、これらに制限されない。硫黄また
は金属を含まない、適当な置換または無置換の芳香族有
機成分は、4,4'-ジフェニルアセチレン、アゾベンゼン
またはその混合物を含むが、これらに制限されない。該
芳香族有機基は、好ましくはC6〜C20、およびより好ま
しくはC6〜C10なる範囲内のものである。適当な無機ス
ルフィド成分は、硫化チタン、硫化マンガン、および
鉄、カルシウム、コバルト、モリブデン、タングステ
ン、銅、セレン、イットリウム、亜鉛、錫およびビスマ
スの同様なスルフィドを含むが、これらに制限されな
い。該シス-トランス転化触媒は、また有機硫黄成分と
無機スルフィド成分との混合物であってもよい。
【0036】該シス-トランス転化触媒は、また本明細
書に定義するような、第VIA族の元素を含むことができ
る。元素硫黄およびポリマー硫黄は、例えばOHチャード
ンのエラストケム社(Elastochem, Inc.)から市販品とし
て入手できる。硫黄触媒化合物の例は、夫々エラストケ
ム社から入手できる、PB(RM-S)-80元素硫黄およびPB(CR
ST)-65ポリマー硫黄を含む。商品名テロイ(TELLOY)なる
テルル触媒および商品名バンデックス(VANDEX)なるセレ
ン触媒は、夫々RTバンダービルト(Vanderbilt)社から市
販品として入手できる。該シス-トランス転化触媒は、
好ましくは全弾性ポリマー成分100部当たり約0.1〜10部
なる量で存在する。より好ましくは、該シス-トランス
転化触媒は、全弾性ポリマー成分100部当たり約0.1〜5
部なる量で存在する。最も好ましくは、該シス-トラン
ス転化触媒は、全弾性ポリマー成分100部当たり約0.1〜
8部なる量で存在する。このシス-トランス転化触媒は、
典型的には含まれるトランス-ポリブタジエン異性体含
有率を高め、全弾性ポリマー成分を基準として、約5〜7
0%のトランス-ポリブタジエンを含むように、該反応生
成物を製造するのに十分な量で存在する。
【0037】ここで言うポリブタジエンのトランス-異
性体含有率の測定は、以下のようにして達成することが
できる。キャリブレーション用の基準を、既知のトラン
ス-異性体含有率を持つ、少なくとも2種のポリブタジ
エンゴムサンプル、例えば高および低含有率のサンプル
を用いて調製する。得られる検量線が少なくとも約13個
の等間隔の点を含むように、これらサンプルを単独で、
または少なくとも約1.5%〜50%のトランス-ポリブタジ
エン含有率を持つ段階的なサンプルを作成するように、
あるいは未知の量の範囲を確定するように、一緒に混合
して使用する。市販品として入手できる、フォトアクー
スティック(Photoacoustic (PAS))セルを備えた、フー
リエ変換型赤外(FTIR)分光器を使用して、各標準物質の
PASスペクトル得た。ここでは、以下の装置パラメータ
を使用した。2.5 KHzにて走査(0.16 cm/秒なる光学的速
度) 、1.2 KHzの電子フィルタを使用、アンダーサンプ
リング(undersampling)比を2に設定(サンプル捕集前
に、レーザーシグナル数を零に合わせる)、感度を1に設
定して、375~4000 cm-1の範囲に渡り、4 cm-1なる分解
能にて、最低128回の走査を行う(co-add)。
【0038】該シス-、トランス-およびビニル-ポリブ
タジエンピークは、典型的に該PASスペクトルにおい
て、600〜1100 cm-1の範囲内に見出される。各トランス
-ポリブタジエンピーク下方の面積を、積分することが
できる。該3つの異性体の全面積に対する、各ピーク面
積の割合を決定することによって、該トランス-ポリブ
タジエン面積の分率対実際のトランス-ポリブタジエン
含有率を示す、検量線を得ることが可能となる。得られ
たこの検量線の相関係数(R2)は、最低でも0.95である必
要がある。該PASセルに、新たに切り取った、離型剤等
の外来物質を含まない、汚染されていない表面を含むサ
ンプルを満たすことにより、上記のパラメータを用い
て、興味のある点(例えば、コアの表面または中心)にお
ける、該未知のコア材料に関する、PASスペクトルを得
る。この未知のトランス-ポリブタジエン面積分率を解
析して、該検量線から実際のトランス-異性体含有率を
決定する。
【0039】既知の一つの状況において、硫酸バリウム
を含む場合、トランス-異性体含有率をテストするため
の上記方法は、精度が劣る可能性がある。従って、ポリ
ブタジエンのトランス-異性体含有率をテストするため
の、付随的なまたは別の方法は、以下の通りである。キ
ャリブレーション用の標準物質を、既知のトランス-異
性体含有率を持つ、少なくとも2種のポリブタジエン
(例えば、高および低トランス-ポリブタジエン含有率
の)を用いて調製する。得られる検量線が少なくとも約1
3個の等間隔の点を含むように、これらサンプルを単独
で、または少なくとも約1.5%〜50%のトランス-ポリブ
タジエン含有率を持つ段階的なサンプルを作成するよう
に、あるいは未知の量の範囲を確定するように、一緒に
混合して使用する。近赤外レーザーを備えた、フーリエ
変換型ラマン(FT-ラマン)分光器を用いて、以下の装置
パラメータを使用して、各標準物質のストークスラマン
スペクトルを得る:過度の加熱または蛍光の発生をもた
らすことのない、良好なシグナル-ノイズ比(S/N)を得る
のに十分なレーザー出力(典型的には、約400〜800 mWが
適当である);解像度:2 cm-1;ラマンシフトスペクト
ル範囲:約400〜4000 cm-1;および少なくとも300回の
走査を行う。
【0040】検量線は、ケモメトリック法およびソフ
ト、例えばNHサレムのギャラクチックインダストリーズ
社(Galactic Industries Corp.)から入手できるPLSプラ
ス/IQを使用して、上で得たデータから作成できる。利
用可能な検量線は、SNV(デトレンド(detrend))光路長補
正、平均中心データ調製(mean center data preparatio
n)、および約1600〜1700cm-1なるスペクトル範囲に渡
る、5-点SG二次微分係数を利用して、得られたPLS-1曲
線を使用して、このソフトにより得た。この得られた検
量線の補正係数(R2)は最低でも0.95でなければならな
い。このコア材料のラマンスペクトルは、該サンプルの
興味のある点(例えば、該ゴルフボールコアの表面また
は中心)において、この装置を使用して得られる。この
サンプルは、離型剤等の外来物質を含まないものである
必要がある。このPLS検量線を使用して、該サンプルの
スペクトルを分析して、このサンプルのトランス-ポリ
ブタジエン異性体含有率を決定する。
【0041】しばしばフリーラジカル開始剤とも呼ばれ
る、フリーラジカル源が、本発明の組成物および方法に
おいて必要とされる。このフリーラジカル源は、典型的
にはパーオキシド、好ましくは有機パーオキシドであ
る。適当なフリーラジカル源は、ジ-t-アミルパーオキ
シド、ジ(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン
パーオキシド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-
トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキシド、ジ
-t-ブチルパーオキシド、2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)
-2,5-ジメチルヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチル
パーオキシ)バレレート、ラウリルパーオキシド、ベン
ゾイルパーオキシド、t-ブチルヒドロキシパーオキシド
等、および任意のこれらの混合物を含む。このパーオキ
シドは、典型的に全弾性ポリマー成分100部当たり約0.1
部を越える量、好ましくは全弾性ポリマー成分100部当
たり約0.1〜15部、およびより好ましくは全弾性ポリマ
ー成分100部当たり約0.2〜5部なる量で存在する。本発
明による幾つかのシス-トランス転化触媒の存在は、従
来の架橋反応と比較して、多量の、例えばここに記載し
たような量のフリーラジカル源を必要とする可能性があ
ることが、当業者には理解されるはずである。これらの
代わりにまたは付随的に、該フリーラジカル源は、フリ
ーラジカルを発生し得る、1種以上の電子ビーム、UVま
たはガンマ線、X-線または任意の他の高エネルギー輻射
源であり得る。更に、加熱はフリーラジカル発生の開始
を容易にするものと、理解されるはずである。
【0042】該反応生成物の硬さを増すために、架橋剤
が添加される。適当な架橋剤は、1種以上の不飽和脂肪
酸またはモノカルボン酸の金属塩、例えば亜鉛、カルシ
ウムまたはマグネシウムアクリレート塩等およびその混
合物を包含する。好ましいアクリレートは、亜鉛アクリ
レート、亜鉛ジアクリレート、亜鉛メタクリレート、お
よび亜鉛ジメタクリレート並びにこれらの混合物を含
む。この架橋剤は、該弾性ポリマー成分中のポリマー鎖
の一部を架橋するのに十分な量で存在する必要がある。
例えば、所定の組成物は、架橋剤の量を調節することに
よって得ることができる。これは、例えば架橋剤の型お
よび量を変えることにより、当業者には周知の方法で達
成できる。架橋剤は、典型的には該弾性ポリマー成分の
約0.1%を越える量、好ましくは該弾性ポリマー成分の
約10〜40%、より好ましくは該弾性ポリマー成分の約10
〜30%なる量で存在する。有機硫黄を該シス-トランス
転化触媒として選択した場合、亜鉛ジアクリレートをこ
の架橋剤として選択し、かつ約25 phr未満の量で存在さ
せる。
【0043】ゴルフボールの1以上の部分に添加される
フィラーは、典型的にレオロジーおよび混合特性、比重
(例えば、密度調節フィラー)、弾性率、引裂き強さ、強
化特性等に影響を与える、加工助剤または化合物を含
む。これらフィラーは、一般に無機物であり、また適当
なフィラーは多数の金属または金属酸化物、例えば酸化
亜鉛および酸化錫、並びに硫酸バリウム、硫酸亜鉛、炭
酸カルシウム、炭酸バリウム、クレー、タングステン、
炭化タングステン、一連のシリカおよびこれらの混合物
を含む。フィラーは、また種々の発泡剤をも含むことが
でき、当業者は容易にこれらを選択することができる。
ポリマー、セラミック、金属およびガラス微小球は、中
実、中空、および充填または未充填のものであり得る。
また典型的には、フィラーを本発明によるゴルフボール
の1以上の部分に添加して、均一なゴルフボールの基準
に合うように、その密度を調節する。フィラーを使用し
て、該中心のまたは特殊なボール用の、少なくとも1層
の付随的な層の質量を変えることができる。これは、例
えば低スイングスピードの競技者にとっては、低質量の
ボールが好まれるからである。
【0044】本発明に従って、該ゴルフボール中心また
は該コアの任意の部分を形成する際に使用する、これら
ポリマー、フリーラジカル開始剤、フィラーおよび任意
の他の材料を組み合わせて、当業者には公知の、任意の
型の混合によって、混合物を得ることができる。適当な
型の混合は、1回パスおよび多数回パス混合等を含む。
該ゴルフボール中心または追加の層の諸特性を改善する
ために使用する、該架橋剤および任意の他の随意添加剤
も、同様に任意の混合法により配合できる。成分を順次
添加する1回パス混合法が好ましい。というのは、この
型の混合法は、該方法の効率を高め、かつそのコストを
節減するからである。好ましい混合サイクルは、該ポリ
マー、シス-トランス転化触媒、フィラー、亜鉛ジアク
リレートおよびパーオキシドを順次添加する、単一の工
程である。適当な混合装置は、当業者には周知であり、
このような装置はバンバリーミキサ、二本ロールミルま
たは二軸スクリュー押出機であり得る。典型的には、ポ
リマーを配合するための従来の混合速度を使用するが、
この速度は、これら成分の実質的に均一な分散を保証す
るのに十分に高いものである必要がある。
【0045】他方、この速度は高すぎてはならない。と
いうのは、高い混合速度は、混合すべきポリマーを切断
する傾向があり、また特に該弾性ポリマー成分の分子量
を不当に低下する可能性があるからである。従って、こ
の速度は、該ポリマー成分の与えられた高分子量部分を
喪失する可能性のある、高い剪断を回避するのに十分に
低いものである必要がある。また、高すぎる混合速度
は、望ましくないことに、該プレフォームを成型しかつ
コアの回りに取り付ける前に、架橋を開始するのに十分
な熱の発生をもたらす恐れがある。混合温度は、ポリマ
ー成分の型およびより重要なことにフリーラジカル開始
剤の型に依存する。例えば、ジ(2-t-ブチル-パーオキシ
イソプロピル)ベンゼンを、このフリーラジカル開始剤
として使用する場合、これら成分を安全に混合するため
には、約80〜125℃、好ましくは約88〜110℃およびより
好ましくは約90〜100℃なる混合温度が適当である。更
に、混合温度を該パーオキシドの分解温度以下に維持す
ることが重要である。例えば、ジクミルパーオキシドを
該パーオキシドとして選択した場合、該温度は約93.3℃
(200°F)を越えてはならない。適当な混合速度および温
度は、当業者には周知であるか、あるいは不当な実験を
行うことなしに、容易に決定できる。
【0046】該混合物を、例えば圧縮または射出成型に
供して、該中心用の中実球または中間層を形成するため
の半球型のシェルを得ることができる。該ポリマー混合
物を成型サイクルに供し、そこで熱および圧力をかけ、
一方該混合物を金型内に閉じ込める。金型キャビティー
の形状は、成型すべき該ゴルフボール部分に依存する。
この圧縮および熱は、1以上のパーオキシドを分解する
ことによりフリーラジカルを遊離し、これが該シス-ト
ランス転化および架橋を同時に開始させる。この成型サ
イクルの温度および時間は、選択された該パーオキシド
およびシス-トランス転化触媒の型に基づいて選択され
る。この成型サイクルは、単一の温度にて、一定時間、
該混合物を成型する単一の工程を含むことができる。ジ
クミルパーオキシドを含む混合物に対する、単一工程の
成型サイクルの例は、15分間に渡り、該ポリマー混合物
を約171℃ (340°F)に維持することであろう。この成型
サイクルは、また2段階の工程を含み、そこで該ポリマ
ー混合物は、第一の温度にて第一の期間、金型内に維持
され、次いで第二の、典型的にはより高い温度にて、第
二の期間維持される。2段階成型サイクルの例は、該金
型を約143℃ (290°F)にて40分間維持し、次いで該金型
を約171℃ (340°F)まで高め、この温度で20分間維持す
るものである。本発明の好ましい態様では、1段階硬化
サイクルを使用する。1段階法は効果的かつ効率的であ
り、2段階法の時間およびコストを減じる。本発明に従
って、本発明のゴルフボール中心または該コアの任意部
分を製造する際に使用する、該弾性ポリマー成分、即ち
ポリブタジエン、シス-トランス転化触媒、追加のポリ
マー、フリーラジカル開始剤、フィラーおよび任意の他
の材料を併合して、射出成型法でゴルフボールを製造す
るが、この方法も当業者には周知である。該硬化時間は
選択された種々の材料に依存するが、特に適当な硬化時
間は、約5〜18分、好ましくは約8〜15分間およびより好
ましくは約10〜12分間である。当業者は、使用する特定
の材料および本明細書における議論に基づいて、該硬化
時間を上下に容易に調節できる。
【0047】未硬化の弾性ポリマー成分よりも多量のト
ランス-ポリブタジエンを含む、この硬化された弾性ポ
リマー成分は、ある物品に成型されるが、その内部の点
は第一の硬さを持ち、また表面は第二の硬さを持ち、該
第二の硬さは該第一の硬さとは異なり、該第一の硬さよ
りも10%高い。好ましくは、この物品は球であり、また
該点は該物品の中央点である。もう一つの態様におい
て、該第二の硬さは該第一の硬さとは異なり、該第一の
硬さよりも20%高い。該硬化物品は、内部位置における
第一の量のトランス-ポリブタジエン、および表面位置
における第二の量のトランス-ポリブタジエンを含み、
ここで該第一の量は、該第二の量よりも少なくとも約6%
小さく、好ましくは該第二の量よりも少なくとも約10%
小さく、またより好ましくは該第二の量よりも少なくと
も約20%小さい。該内部位置は、好ましくは中央位置で
あり、また該物品は球であることが好ましい。本発明に
従って調製されるゴルフボールコアの、あるいは該コア
の一部の圧縮率は、約50以下であることが好ましく、ま
たより好ましくは約25以下である。
【0048】該カバーは、該ボールとクラブとの間の界
面を与える。このカバーにとって望ましい特性は、とり
わけ良好な成型適正、高い耐磨耗性、高い引裂き強さ、
高いレジリエンス、および良好な離型性である。このカ
バーは、典型的に十分な強度、良好な性能特性および耐
久性を与える厚みを持つ。好ましくは、このカバーは約
0.254 cm (約0.1 in)未満、より好ましくは約0.127 cm
(約0.05 in)未満および最も好ましくは約0.051〜約0.10
2 cm (約0.02〜約0.04 in)なる範囲の厚みを持つ。本発
明は、特に多層ゴルフボールを目的とし、これはコア
と、内部カバー層と、外部カバー層とを含む。この態様
において、好ましくは、該内部カバー層および外部カバ
ー層の少なくとも一方は、約0.127 cm (約0.05 in)未
満、より好ましくは約0.051〜約0.102 cm (約0.02〜約
0.04 in)なる範囲の厚みを持つ。最も好ましくは、何れ
かの層のこの厚みは、約0.076 cm (約0.03 in)である。
【0049】本発明のゴルフボールが、中間層、例えば
内部カバー層を含む場合、この層は熱可塑性および熱硬
化性材料を含む、当業者にとって公知の任意の材料を含
むことができるが、この中間層は任意の適当な材料、例
えばDEウイルミントンのE.I.デュポンドゥネモアーズ社
から、商標サーリンの下で、あるいはエクソン(Exxon)
社からイオテック(IOTEK)またはエスコール(ESCOR)とし
て入手できる、エチレンと不飽和モノカルボン酸とのイ
オン性コポリマー等を含むことができる。これらは、エ
チレンとメタクリル酸またはアクリル酸とのコポリマー
またはターポリマーであり、部分的に亜鉛、ナトリウ
ム、リチウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、
マンガン、ニッケル等の塩で中和されており、ここでこ
れら塩は、炭素原子数2〜8のオレフィンと、炭素原子数
3〜8の不飽和モノカルボン酸との反応生成物である。該
コポリマーのカルボン酸基は、完全にまたは部分的に中
和されており、またメタクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、フマール酸またはイタコン酸を含むこともでき
る。このゴルフボールは、同様に以下に列挙するよう
な、1種以上のホモポリマーまたはコポリマー製の内部
カバー層材料を含むことができる:
【0050】(1) ビニル樹脂、例えば塩化ビニルの重合
または塩化ビニルと酢酸ビニル、アクリル酸エステルま
たは塩化ビニリデンの共重合によって製造されるもの、
(2) ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブチレンおよびコポリマー、例えばエチレン
-メタクリレート、エチレン-エチルアクリレート、エチ
レン-酢酸ビニル、エチレン-メタクリル酸またはエチレ
ン-アクリル酸またはプロピレン-アクリル酸および単一
サイト触媒またはメタロセン触媒を使用して製造される
コポリマーおよびホモポリマー、(3) ポリウレタン、例
えばポリオールとジイソシアネートまたはポリイソシア
ネートとから調製されるものおよび米国特許第5,334,67
3号に記載されているもの、(4) ポリウレア、例えば米
国特許第5,484,870号に記載されているもの、(5) ポリ
アミド、例えばジアミンと2塩基酸とから調製されるポ
リ(ヘキサメチレンアジパミド)およびその他のポリアミ
ド、並びにアミノ酸から調製される、例えばポリ(カプ
ロラクタム)等、およびポリアミドとサーリン、ポリエ
チレン、エチレンコポリマー、エチル-プロピレン-非共
役ジエンターポリマーとのブレンド等、(6) アクリル樹
脂およびこれら樹脂とポリ塩化ビニル、エラストマー等
とのブレンド等、
【0051】(7) 熱可塑性樹脂、例えばウレタン;オレ
フィン系熱可塑性ゴム、例えばポリオレフィンとエチレ
ン-プロピレン-非共役ジエンターポリマーとのブレン
ド;スチレンとブタジエン、イソプレンまたはエチレン
-ブチレンゴムとのブロックコポリマー;またはコポリ
(エーテル-アミド)、例えばPAフィラデルフィアのELFア
トケム(Atochem)により市販されている、ペバックス(PE
BAX)、(8) ポリフェニレンオキシド樹脂またはMAピッツ
フィールドのジェネラルエレクトリック社(General Ele
ctric Company)によって、商標ノリル(NORYL)の下で市
販されているような、ポリフェニレンオキシドと耐衝撃
性ポリスチレンとのブレンド、(9) 熱可塑性ポリエステ
ル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/変性グ
リコールおよびDEウイルミントンのE.I.デュポンドゥネ
モアーズ社から、商標ハイトレル(HYTREL)の下で、およ
びMAピッツフィールドのジェネラルエレクトリック社に
よって、商標ロモド(LOMOD)の下で市販されているエラ
ストマー、(10) ポリカーボネートと、アクリロニトリ
ル-ブタジエン-スチレン、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-無水マレ
イン酸、ポリエチレン、エラストマー等との、およびポ
リ塩化ビニルと、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレ
ン、またはエチレン-酢酸ビニルまたは他のエラストマ
ーとのブレンドおよびアロイ、および(11) 熱可塑性ゴ
ムと、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセター
ル、ナイロン、ポリエステル、セルロースエステル等と
のブレンド。
【0052】好ましくは、該随意の中間層はポリマーを
含み、該ポリマーは、例えばエチレン、プロピレン、ブ
テン-1またはヘキセン-1を主成分とし、アクリル酸およ
びメタクリル酸等の官能基を含むホモポリマーまたはコ
ポリマーおよび完全にまたは部分的に中和されたイオノ
マー樹脂およびそのブレンド、メチルアクリレート、メ
チルメタクリレートホモポリマーおよびコポリマー、イ
ミド化された、アミノ基含有ポリマー、ポリカーボネー
ト、強化ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、耐衝撃
性ポリスチレン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、
ポリ(フェニレンスルフィド)、アクリロニトリル-ブタ
ジエン、アクリル酸-スチレン-アクリロニトリル、ポリ
(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレ
ート)、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリ(テトラ
フルオロエチレン) および官能性コモノマーを含むその
コポリマー、およびこれらのブレンド等である。適当な
カバー組成物は、またポリエーテルまたはポリエステル
熱可塑性ウレタン、熱硬化性ポリウレタン、低弾性率イ
オノマー、例えばE/X/Yターポリマー(ここで、Eはエチ
レン、Xは約0〜50質量%の量で存在するアクリレートま
たはメタクリレートを主成分とする柔軟化コモノマー、
およびYは約5〜35質量%の量で存在するアクリル酸また
はメタクリル酸である)を包含する、酸-含有エチレンコ
ポリマーイオノマーを含む。より好ましくは、最大飛距
離を達成するように設計された、低スピン速度の態様で
は、該アクリル酸またはメタクリル酸は、約16〜35質量
%の量で存在し、該イオノマーを高弾性率イオノマーと
する。高スピン態様において、この内部カバー層は、酸
が約10〜15質量%の量で存在し、また柔軟化コモノマー
を含むイオノマーを含有する。好ましくは、このカバー
は、少なくとも1種のポリイソシアネート、ポリオール
および少なくとも1種の硬化剤の反応生成物を含有す
る、ポリウレタン組成物を含む。
【0053】当業者が入手できる任意のポリイソシアネ
ートが、本発明で使用するのに適している。ポリイソシ
アネートの例は、4,4'-ジフェニルメタンジイソシア
ネート(MDI)、重合体MDI、カルボジイミド-変性液状MD
I、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12
MDI)、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、トルエン
ジイソシアネート(TDI)、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニ
レンジイソシアネート(TODI)、イソホロンジイソシアネ
ート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、
ナフタレンジイソシアネート(NDI)、キシレンジイソシ
アネート(XDI)、p-テトラメチルキシレンジイソシアネ
ート(p-TMXDI)、m-テトラメチルキシレンジイソシアネ
ート(m-TMXDI)、エチレンジイソシアネート、プロピレ
ン-1,2-ジイソシアネート、テトラメチレン-1,4-ジイソ
シアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、1,6-ヘ
キサメチレン-ジイソシアネート(HDI)、ドデカン-1,12-
ジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネー
ト、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘ
キサン-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-
トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン、メ
チルシクロへキシレンジイソシアネート、HDIのトリイ
ソシアネート、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソ
シアネート(TMDI)、テトラセンジイソシアネート、ナフ
タレンジイソシアネート、アンスラセンジイソシアネー
ト、およびこれらの混合物を含むが、これらに制限され
ない。ポリイソシアネートは、1以上のイソシアネート
基、例えばジ-、トリ-およびテトラ-イソシアネート等
として、当業者に知られている。好ましくは、ポリイソ
シアネートはMDI、PPDI、TDIまたはこれらの混合物を含
み、また該ポリイソシアネートはMDIを含むことがより
好ましい。本明細書で使用する用語「MDI」とは、4,4'-ジ
フェニルメタンジイソシアネート、重合体MDI、カルボ
ジイミド-変性液状MDI、およびこれらの混合物を含むも
のであり、更にまた使用する該ジイソシアネートは、当
業者には理解されているように、「低遊離モノマー」であ
り得、低レベルの「遊離」モノマーイソシアネート基、典
型的には約0.1%未満の遊離モノマー基をもつものであ
ると理解すべきである。「低遊離モノマー」の例は、低遊
離モノマーMDI、低遊離モノマーTDIおよび低遊離モノマ
ーPPDIを含むが、これらに制限されない。
【0054】該少なくとも1種のポリイソシアネート
は、約14%未満の、未反応のNCO基を持つべきである。
好ましくは、該少なくとも1種のポリイソシアネート
は、約7.5%を越えないNCO基を持ち、またより好ましく
は、約7.0%未満のNCO基を持つべきである。当業者の入
手できるあらゆるポリオールが、本発明で使用するのに
適している。ポリオールの例は、ポリエーテルポリオー
ル、ヒドロキシ末端を持つポリブタジエン(部分的に/完
全に水素化された誘導体を含む)、ポリエステルポリオ
ール、ポリカプロラクトンポリオール、およびポリカー
ボネートポリオールを含むが、これらに制限されない。
好ましい一態様では、このポリオールはポリエーテルポ
リオールを含む。その例はポリテトラメチレンエーテル
グリコール(PTMEG)、ポリエチレンプロピレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコール、およびこれらの
混合物を含むが、これらに制限されない。その炭化水素
鎖は、飽和または不飽和結合および置換または無置換芳
香族および環式基を持つことができる。好ましくは、本
発明で使用するポリオールは、PTMEGを含む。
【0055】もう一つの態様において、ポリエステルポ
リオールは、本発明のポリウレタン材料に含まれる。適
当なポリエステルポリオールは、ポリエチレンアジペー
トグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポ
リエチレンプロピレンアジペートグリコール、o-フタレ
ート-1,6-ヘキサンジオール、およびこれらの混合物を
含むが、これらに制限されない。その炭化水素鎖は、飽
和または不飽和結合、または置換または無置換芳香族お
よび環式基を持つことができる。もう一つの態様におい
て、ポリカプロラクトンポリオールは、本発明の材料中
に含まれる。適当なポリカプロラクトンポリオールは、
1,6-ヘキサンジオール-開始ポリカプロラクトン、ジエ
チレングリコール-開始ポリカプロラクトン、トリメチ
ロールプロパン-開始ポリカプロラクトン、ネオペンチ
ルグリコール-開始ポリカプロラクトン、1,4-ブタンジ
オール-開始ポリカプロラクトンおよびこれらの混合物
を含むが、これらに制限されない。その炭化水素鎖は、
飽和または不飽和結合、または置換または無置換芳香族
および環式基を持つことができる。更に別の態様におい
て、該ポリカーボネートポリオールは、本発明のポリウ
レタン材料に含まれる。適当なポリカーボネートは、ポ
リフタレートカーボネートを含むが、これに限定されな
い。その炭化水素鎖は、飽和または不飽和結合、または
置換または無置換芳香族および環式基を持つことができ
る。一態様において、このポリオールの分子量は約200
〜約4000の範囲内にある。
【0056】ポリアミン硬化剤も、本発明のポリウレタ
ン組成物において使用するのに適しており、またこれは
得られるボールの耐切断性、耐剪断性および耐衝撃性を
改善することが分かっている。好ましいポリアミン硬化
剤は、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミンおよび
その異性体;3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミンおよ
びその異性体、例えば3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジア
ミン;4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタ
ン;1,4-ビス(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、4,4'-メチ
レン-ビス(2-クロロアニリン);4,4'-メチレン-ビス(3-
クロロ-2,6-ジエチルアニリン);ポリテトラメチレンオ
キシド-ジ-p-アミノベンゾエート;N,N'-ジアルキルジ
アミノジフェニルメタン;p,p'-メチレンジアニリン(MD
A)、m-フェニレンジアミン(MPDA);4,4'-メチレンビス
(2-クロロアニリン)(MOCA);4,4'-メチレンビス(2,6-ジ
エチルアニリン);4,4'-ジアミノ-3,3'-ジエチル-5,5'-
ジメチルジフェニルメタン;2,2',3,3'-テトラクロロジ
アミノジフェニルメタン;4,4'-メチレンビス(3-クロロ
-2,6-ジエチルアニリン);トリメチレングリコールジ-p
-アミノベンゾエート;およびこれらの混合物を含む
が、これらに制限されない。好ましくは、本発明の硬化
剤は3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミンおよびそ
の異性体、例えばLAバトンルージュのアルバーマール社
(Albermarle Corporation)から市販品として入手でき
る、エタキュア(ETHACURE) 300を含む。適当なポリアミ
ン硬化剤は、第一および第二アミンを包含し、好ましく
は約64〜約2000なる範囲内の分子量を持つ。
【0057】ジオール、トリオール、テトラオールまた
はヒドロキシ末端を持つ硬化剤の少なくとも1種を、上
記のポリウレタン組成物に添加することができる。適当
なジオール、トリオールおよびテトラオール基は、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレング
リコール、低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコ
ール、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3-
ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン、1,
3-ビス{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキ
シ}ベンゼン、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオ
ール、1,6-ヘキサンジオール、レゾルシノール-ジ-(β-
ヒドロキシエチル)エーテル、ヒドロキノン-ジ-(β-ヒ
ドロキシエチル)エーテル、およびこれらの混合物を含
む。好ましいヒドロキシ末端を持つ硬化剤はエチレング
リコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオー
ル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ト
リメチロールプロパン、およびこれらの混合物を含む。
好ましくは、該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、約48〜
2000なる範囲内の分子量を持つ。ここで使用する分子量
とは、絶対質量平均分子量であるものと理解すべきであ
り、それ自体当業者には理解されるであろう。
【0058】該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤およびアミ
ン硬化剤両者は、1以上の飽和または不飽和の芳香族お
よび環状の基を含むことができる。更に、これらヒドロ
キシ末端を持つ硬化剤およびアミン硬化剤は、1以上の
ハロゲン原子を含むことができる。本発明のポリウレタ
ン組成物は、硬化剤のブレンドまたは混合物を使用して
製造できる。しかし、所望により、本発明のポリウレタ
ン組成物は、単一の硬化剤によって製造することも可能
である。当業者にとって公知のあらゆる方法を利用し
て、本発明のポリイソシアネート、ポリオールおよび硬
化剤を併合することができる。当分野においてワンショ
ット法として知られている、一般的に使用されている方
法の一つは、該ポリイソシアネート、ポリオールおよび
硬化剤を同時に混合する工程を含む。この方法は、不均
一な(よりランダムな)混合物を与え、また製造業者にと
って、得られる組成物の分子構造の制御性は低い。好ま
しい混合方法は、プレポリマー法として知られている。
この方法では、該ポリイソシアネートと該ポリオールと
を、該硬化剤の添加前に、別途混合しておく。この方法
は、より均質な混合物を与え、結果としてより一貫した
ポリマー組成物を与える。
【0059】随意のフィラー成分は、上記成分のブレン
ドに付随的な密度を付与するように選択することができ
る。このようなフィラーの選択は、所定のゴルフボール
の型(即ち、ワンピース、ツーピース多成分、または糸
巻き)に依存する。有用なフィラーの例は、酸化亜鉛、
硫酸バリウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび
シリカ、並びにこれらの、その他周知の対応する塩およ
び酸化物を含む。ナノ粒子、ガラス球、およびチタンお
よびタングステン等の種々の金属を含む添加剤は、その
周知の目的にとって必要な量で、本発明のポリウレタン
組成物に添加できる。本発明のポリウレタン組成物に添
加できる付随的な成分は、UV安定化剤、およびその他の
染料、並びに光学的光沢剤および蛍光顔料および染料を
含む。このような付随的な成分は、その所定の目的を達
成するであろう如何なる量で添加してもよい。極めて薄
い特徴のために、流体として適用される、注型性かつ反
応性材料の使用は、ゴルフボール上に、極めて薄い外部
カバー層を形成し得ることが、本発明によって見出され
た。具体的には、反応してウレタンエラストマー材料を
形成する、注型性かつ反応性の液体が、望ましい極めて
薄い外部カバー層を与えることが分かった。
【0060】該ウレタンエラストマー材料を形成するの
に使用する、該注型性かつ反応性の液体は、当分野で周
知の、噴霧、浸漬、スピン塗布または流し塗り等の種々
の塗布技術を利用して、該内部コア層上に塗布できる。
適当な塗布技術の一例は、「ゴルフボール上にポリウレ
タンカバーを形成するための方法並びに装置(Methodand
Apparatus For Forming Polyurethane Cover On A Gol
f Ball)」と題する、1995年5月2日付けで出願された米国
特許第5,733,428号に記載されているものであり、この
特許出願の内容全体を、本発明の参考とする。このカバ
ーは、好ましくはこの材料を混合し、金型部分内に導入
することにより、該内部カバー層の周りに形成する。そ
の粘度を経時と共に追跡して、各金型部分を満たし、一
方の金型部分に該コアを導入し、および該金型を閉じる
後の工程を、溶融した該コアカバー部分の芯出しを行
い、かつ全体的な均一性を確保するのに適した時間を定
めることができるようにすることは、重要である。該金
型部分にコアを導入するのに適した、該硬化中のウレタ
ンミックスの粘度範囲を決定したところ、凡そのとこ
ろ、約2000 cP〜約30,000 cPなる範囲内にあり、その好
ましい範囲は、約8000 cP〜約15,000 cPなる範囲内にあ
る。
【0061】該カバーの製造を開始するために、該プレ
ポリマーと硬化剤との混合を、秤量した硬化剤およびプ
レポリマーをラインに沿って供給することによって、混
合ヘッドを含む駆動中のミキサ内で行う。上部を予備加
熱した金型部分を満たし、各金型内の穴を移動するピン
を用いて、固定装置内に配置する。約40〜約80秒間、該
反応材料を上部金型部分に滞留させた後、制御された速
度にて、コアをゲル化反応混合物中に投入する。後の時
点において、下部金型部分または一連の下部金型部分
は、そのキャビティー内に導入された同様な量の混合物
を含む。ボールカップは、ホース内の減圧(部分的な真
空)により、該ボールコアを保持する。約40〜約80秒間
ゲル化した後、該金型部分内の該被覆されたコアの位置
において、真空を解除して、該コアを取り出す。コアお
よび固化されたカバー部分を有するこれら金型部分を、
該芯出し固定装置から取り出し、反転させ、適当な早い
時点に、反応性のポリウレタンプレポリマーおよび硬化
剤を、ゲル化を開始するように選択された量で含む、他
の金型部分と合わせる。同様に、またブラウン(Brown)
等の米国特許第5,006,297号およびウー(Wu)の米国特許
第5,334,673号両者は、本発明で使用する注型性かつ反
応性の液体に対して利用できる、適当な成型技術を開示
している。更に、米国特許第6,180,040号および同第6,1
80,722号は、二重コアゴルフボールの製法を開示してい
る。これら特許の開示事項全体を、本発明の参考とす
る。しかし、本発明の方法は、これら技術の利用に制限
されない。
【0062】所望の特性に依存して、本発明により製造
されるボールは、従来の構造をもつボールと比較して、
実質的に同一のまたは高いレジリエンスまたは反発係数
(COR)を示し、また圧縮率または弾性率における減少を
示す。更に、本発明により製造されるボールは、従来の
構造をもつボールと比較して、圧縮率を高めることなし
に、実質的に高いレジリエンスまたはCORを示す。この
レジリエンスの別の尺度は、「損失正接」またはtanδで
あり、これはある物体の動的な剛性を測定することによ
り得られる。損失正接およびこのような動的性質に関連
する学術用語は、典型的にはASTM D4092-90に説明され
ている。従って、低い損失正接は、高いレジリエンスを
示し、従って高い反発能力を意味する。低い損失正接
は、ゴルフクラブからゴルフボールに付与されたエネル
ギーの殆どが、力学的エネルギー、即ち発射速度に転化
され、結果として高い飛距離をもたらす。ゴルフボール
の剛性または圧縮剛性は、例えば動的剛性により測定で
きる。より高い動的剛性は、より高い圧縮剛性を示す。
所定の圧縮剛性を持つゴルフボールを製造するために
は、該架橋された反応生成物の動的剛性は、-50℃にお
いて約50,000 N/m未満でなければならない。好ましく
は、この動的剛性は、-50℃において約10,000〜40,000
N/mの範囲にあり、より好ましくはこの動的剛性は、-50
℃において約20,000〜30,000 N/mの範囲にある。
【0063】得られるゴルフボールは、典型的に約0.7
を越える、好ましくは約0.75を越えるおよびより好まし
くは約0.78を越える反発係数を持つ。このゴルフボール
は、また典型的に少なくとも約40、好ましくは約50〜12
0、およびより好ましくは約60〜100のアッチ圧縮率を持
つ。本発明のゴルフボール用ポリブタジエン材料は、典
型的に約3.445〜2067 MPa (約500〜300,000 psi)、好ま
しくは約13.78〜1378MPa (約2000〜200,000 psi)なる範
囲の曲げ弾性率をもつ。このゴルフボール用ポリブタジ
エン材料は、典型的に少なくとも約15ショアA、好まし
くは約30〜80ショアA、より好ましくは約50〜60ショアA
なる硬さを持つ。該中心組成物の比重は、典型的に約0.
7を越えおよび好ましくは約1.0を越える。該中心および
該外部コア層は、同一のまたは異なる比重の値を持つこ
とができる。一態様において、該中心および該外部コア
層は、異なる比重の値を持つ。しかし、該外部コア層お
よび該中心の比重は、0.1未満だけ異なることが好まし
い。
【0064】該中心用の組成物は、少なくとも約40の弾
性指数を持つ、少なくとも1種のゴム材料を含むべきで
ある。好ましくは、該弾性指数は少なくとも約50であ
る。弾性ゴルフボールを生成し、結果として本発明に適
しているポリマーは、CB23、CB22、BR60および1207Gを
含むが、これらに制限されない。弾性指数の計算法を明
らかにするために、例えばCB23に関する弾性指数は、以
下のようにして算出される: CB23の弾性指数 = 100,000・[(0.954) (0.407)]/990;C
B23の弾性指数 = 55 上記ゴルフボール部分の成型法および組成物は、典型的
に材料特性の勾配をもたらす。公知技術において使用す
る方法は、一般に硬さを利用して、これら勾配を量化し
ている。硬さは、静的弾性率の定性的な尺度であり、ゴ
ルフボール用途、即ちクラブによる衝撃に関わる、変形
率における該材料の弾性率を表すものではない。ポリマ
ー科学の当業者には周知の如く、時間-温度重ね合わせ
の原理を利用して、別の変形率を評価することができ
る。ポリブタジエンを含むゴルフボール部分に対して、
0℃〜-50℃なる範囲の温度における1-Hzの振れは、ゴル
フボールの衝撃率と、定性的に等価であると考えられて
いる。従って、0℃〜-50℃における損失正接および動的
剛性を利用して、好ましくは-20℃〜-50℃なる温度にお
けるゴルフボールの性能を予想することができる。
【0065】更に、本発明に従って調製したゴルフボー
ルにおける、ポリブタジエン等の加硫ゴムは、典型的に
は約40〜約80、より好ましくは約45〜約60および最も好
ましくは約45〜約55なる範囲のムーニー粘度を有する。
ムーニー粘度は、典型的にASTM D-1646に従って測定す
る。本発明に従ってゴルフボールを製造する場合、これ
らは典型的に約60%を越える、好ましくは約65%を越え
る、および最も好ましくは約75%を越えるディンプル被
覆率を持つであろう。ASTM法D6272-98、手順Bにより測
定した、該ゴルフボールカバーの曲げ弾性率は、典型的
に約3.445 MPa (約500 psi)を越え、また好ましくは約
3.445〜1033 MPa (約500〜150,000 psi)なる範囲内にあ
る。本明細書で論じる如く、該外部カバー層は、好まし
くは比較的柔軟なポリウレタン材料で作られる。特に、
この外部カバー層用の材料は、ASTM-2240によって測定
した、好ましくは約60ショアD未満、より好ましくは約5
5ショアD未満および最も好ましくは約50ショアD未満の
材料硬度を持つべきである。該ゴルフボール上で測定し
た、該外部カバー層の硬さは、好ましくは約50を越え
る。該内部カバー層は、好ましくは72ショアD未満、よ
り好ましくは約70ショアD未満および最も好ましくは約6
8ショアD未満の材料硬度を持つ。該中心、外部コア層お
よび内部カバー層各々は、異なる硬さを持つことが好ま
しく、またより好ましくはこの硬さは、該中心から該外
部カバー層に達するまで、段階的に増大する、即ち該外
部コア層が該中心よりも硬く、かつ該内部カバー層が該
外部コア層よりも硬い。
【0066】該中心の全体としての外径(OD)は、好まし
くは約0.953 cm〜約3.56 cm (約0.375 in〜約1.4 in)、
より好ましくは約1.27 cm〜約3.18 cm (約0.5 in〜約1.
25 in)および最も好ましくは約2.29 cm〜約3.05 cm (約
0.9 in〜約1.2 in)の範囲内にある。該外部コア層のOD
は、約3.56 cm〜約4.11 cm (約1.4 in〜約1.62 in)、よ
り好ましくは約3.86 cm〜約4.04 cm (約1.52 in〜約1.5
9 in)および最も好ましくは約3.90 cm〜約4.01 cm (約
1.535 in〜約1.58 in) の範囲内にある。本発明による
ゴルフボールの該内部カバー層のODは、約4.01 cm (約
1.58 in)より大きく、より好ましくは約4.04 cm〜約4.2
2 cm (約1.59 in〜約1.66 in)および最も好ましくは約
4.06 cm〜約4.17 cm (約1.6 in〜約1.64 in) の範囲内
にある。本発明の多層ゴルフボールは、任意サイズの全
体としての径(全径)を持つことができる。しかし、米国
ゴルフ協会(the United States Golf Association; USG
A)の規格書は、競技用ゴルフボールの最低サイズを、約
4.267 cm (1.680 in)に制限している。最大径について
は何の規定もない。しかし、娯楽的競技については、如
何なるサイズのゴルフボールも使用できる。現在のゴル
フボールの好ましい径は、約4.267 cm〜約4.572 cm (約
1.680 in〜約1.800 in)である。そのより好ましい径
は、約4.267 cm〜約4.470 cm (約1.680 in〜約1.760 i
n)である。その最も好ましい径は、約4.267 cm〜約4.42
0 cm (約1.680 in〜約1.740 in)である。
【0067】本発明のゴルフボールは、約83未満および
好ましくは約82未満の慣性モーメント(MOI)を持つべき
である。このMOIは、典型的にCTコリンズビルのイナー
シアダイナミックス(Inertia Dynamics)社により製造さ
れている、モデルNo. MOI-005-104モーメントオブイナ
ーシアインスツルメント(Moment of Inertia Instrumen
t)で測定する。この装置を、COMMポートを介して、接続
用のPCに組み込み、MOIインスツルメントソフトウエア
(MOI Instrument Software) バージョン#1.2を用いて動
作させる。本発明のゴルフボールは、負荷100 Kgの下で
約4.5 mmを越える中心部変形を持つべきである。好まし
くは、この中心部変形は、負荷100 Kgの下で約4.8 mmを
越え、またより好ましくは約5.0 mmを越える。この変形
のデータは、モノリサーチラボラトリーズ(Mono Resear
ch Labs.)から市販品として入手できる、ステーブルミ
クロシステムズ、マテリアルズマスター(Stable Micro
Systems, MaterialsMaster) (No. MT-LQ)装置を用いて
測定する。このMT-LQは500 Kg負荷セルを備えており、
変形の測定は、該装置に60 g の負荷が置かれた際に開
始する。変形測定に先立って、該定盤の較正を行う。較
正後、オペレータは測定すべき球を、底部定盤の表面上
に置く。該装置の上部定盤を、約2.54 cm/min (1 in/mi
n)なるクロスヘッド速度で、下方に移動する。該上部定
盤の表面が該球と接し、かつ圧縮力が60 g (始動力)に
達した際に、変移を力の関数として測定するが、ここで
力はx軸上の独立変数である。この装置は、所定数のデ
ータ点/分を決定し、これは変移対力のプロットを与
え、これから負荷100 Kgにおける該球の変移を決定す
る。
【0068】
【実施例】本発明に従って、2種のゴルフボールを製造
したが、夫々は以下の表1において、VDC45およびVDC48
と命名した。これらVDCゴルフボールはコアを含み、こ
のコアは、約2.54 cm (1.0 in)径の中実中心および厚み
約0.699 cm (0.275 in)を持つ外部コア層で構成され、
このコアの外径は、約3.94 cm (1.55 in)であった。こ
のコアを、厚み約0.889 mm (0.035 in)の内部カバー層
および厚み約0.762 mm (0.030 in)の外部カバー層で覆
い、外径約4.27 cm (1.68 in)を持つゴルフボールを製
造した。対照用のゴルフボールを、従来の技術に従って
製造した。この対照用ゴルフボールは、径約3.94 cm
(1.550 in)の中実コア、厚み約0.889 mm (0.035 in)の
内部カバー層および厚み約0.762 mm (0.030 in)の外部
カバー層から製造し、得られたゴルフボールの外径は、
約4.27 cm (1.68 in)であった。これら両ゴルフボール
の中心部の組成を、以下の表1に示す。
【0069】
【表1】 1:DCP-70は、ペレット状のバインダ上のジクミルパー
オキシドであり、OHシャルドンのエラストケム社(Elast
ochem, Inc.)から市販品として入手できる。 2:ILシカゴのアクゾノーベルケミカルズ社(Akzo Nobel
Chemicals Inc.)から市販品として入手できる、フィラ
ー上のパーオキシド混合物である。
【0070】これらVDCボール2つの該外部コア層の組成
は、高ムーニー粘度CB23ポリブタジエン、亜鉛ジアクリ
レート、酸化亜鉛、DCP-70、クラリー(Kurary) TP 25
1、バロックス(Varox) 231XLおよび着色分散物を含む。
該内部カバー層は、これらVDCボール両者および該対照
ボールと同一の構成であった。該内部カバー層は、サー
リン(登録商標) 8945およびサーリン7940の50/50 Na/Li
ブレンドであった。該VDC45ボールの外部カバー層は、
アルバマール社(Albemarle Corp.)から市販品として入
手できるエタキュア(Ethacure) 300 (18.7%)で硬化し
た、ポリウレタンスペシャルティー社(Polyurethane Sp
ecialties Co.)から市販品として入手できるPMS1088プ
レポリマー(77.8%)、およびハービックケミカル(Harwi
ch Chemical)から市販品として入手できる、白色分散物
(3.5%)を含む。該VDC48ボールの外部カバー層は、アル
バマール社から市販品として入手できるエタキュア 300
(16%)で硬化した、ユニロイヤル(Uniroyal)社から市販
品として入手した、ビブラタン(Vibrathane) B-625プレ
ポリマー(80.5%; NCO: 6.1-6.6%)、およびハービックケ
ミカルから市販品として入手できる、白色分散物(3.5
%)を含む。これらVDCボールは、異なる2つの構成で製
造し、その一つは材料ショアD硬さ約45を有する外部カ
バー層を有し、第二のものは、材料ショアD硬さ約48を
有する外部カバー層を有していた。これらVDCボール
を、種々のゴルフボール特性、例えばボール圧縮率、中
心の硬さ(内部および表面)、コア層の硬さ、内部カバー
層の硬さ、カバーの硬さについてテストし、同一の特性
についてテストした対照ボールと比較した。
【0071】
【表2】 1:硬さは、該ゴルフボールについて直接測定した(材料
硬さと比較して)。
【0072】飛び出し(発射)角度およびスピンを、該VD
Cボールおよび該対照ボールに関して、種々のゴルフク
ラブについて測定した。各クラブの型毎に区分して、各
ボールに関するデータを、以下の表3に示した。
【0073】
【表3】 (1):ボール速度:167 mph;飛び出し角:9°;スピン
速度:3500 rpm;クラブ:ドライバー;クラブヘッド:
975D;ロフト:7.5°;シャフト:グラファイトデザイ
ンYS9-X (2):ボール速度:160 mph;飛び出し角:9.5°;スピ
ン速度:3000 rpm;クラブ:ドライバー;クラブヘッ
ド:975D;ロフト:8.5°;シャフト:X100 (3):ボール速度:115 mph;飛び出し角:18.5°;スピ
ン速度:9000 rpm;クラブ:8番アイアン;クラブヘッ
ド:DCIブラック;ロフト:40°;シャフト:X100 (4):ボール速度:95 mph;飛び出し角:24°;スピン
速度:10400 rpm;クラブ:ウエッジ;クラブヘッド:D
CIブラック;ロフト:46°;シャフト:X100
【0074】表3に示したデータから、本発明のゴルフ
ボールが、プロドライバーおよび標準ドライバー両者に
対して、ドライバースピンを減じることは明らかであ
る。当業者は、飛びを最適化するためのドライバースピ
ンの減少が、ティーからの飛距離を増大することに、十
分に気付くはずである。この減少が大きすぎると、8番
アイアンのスピンは、グリーンへのアプローチショット
の制御性を難しくし、一方ウエッジのスピンは、アプロ
ーチショットをグリーン上の所定の位置に止める上で、
特に競技者が、グリーンにピッチングまたはチップショ
ットする場合には、重要である。ここに説明し、かつ特
許請求した本発明は、ここに記載した特定の態様によっ
て、その範囲は制限されない。というのは、これら態様
は、本発明の幾つかの局面を例示するものであるからで
ある。あらゆる等価な態様は、本発明の範囲内に入るも
のとする。事実、本明細書に記載しかつ示されたものに
加えて、本発明の種々の変更が、上記記載から当業者に
は明らかになるであろう。このような変更も、上記特許
請求の範囲内に入るものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、二重カバーおよび二重コアを持
つゴルフボールの、断面図である。
【符号の説明】
10・…ゴルフボール;12・…コア;14・…カバー;
16・…中心;18・…外部コア層;20・…外部カバー
層;22・…内部カバー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ライヤン ビー ボサンコ アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02739 マタポイセット オーシャン ド ライヴ 3 (72)発明者 エドマンド エイ ヘバート アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02719 フェアヘイヴン アイヴィー レ ーン 7

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアとその周りに設けられたカバーとを
    含み、該コアが中心と、少なくとも1層の、該中心に隣
    接する外部コア層とを含み、かつ該カバーが、少なくと
    も1層の内部カバー層および外部カバー層を含み、 (a) 該中心が、約0.953 cm〜約3.56 cm (約0.375 in〜
    約1.4 in)なる範囲の外径および100 Kgの負荷の下で約
    4.5 mmを越える撓みを有し、 (b) 該外部コア層が、約3.56 cm〜約4.11 cm (約1.4 in
    〜約1.62 in)なる範囲の外径を有し、 (c) 該内部カバー層が、約4.01 cm (約1.58 in)を越え
    る外径および約72ショアD未満の材料硬さを有し、およ
    び (d) 該外部カバー層が、約50ショアDを越える硬さを持
    つ、ことを特徴とするゴルフボール。
  2. 【請求項2】 該外部カバー層が、約55ショアD未満の
    材料硬さを持つ、請求項1記載のゴルフボール。
  3. 【請求項3】 該外部カバー層が、約50ショアD未満の
    材料硬さを持つ、請求項2記載のゴルフボール。
  4. 【請求項4】 該内部カバー層の材料硬さが、約60〜約
    70ショアDなる範囲内にある、請求項1記載のゴルフボー
    ル。
  5. 【請求項5】 該内部カバー層の材料硬さが、約60〜約
    65ショアDなる範囲内にある、請求項4記載のゴルフボー
    ル。
  6. 【請求項6】 該内部カバー層の外径が、約4.04 cm〜
    約4.22 cm (約1.59 in〜約1.66 in) なる範囲内にあ
    る、請求項1記載のゴルフボール。
  7. 【請求項7】 該内部カバー層の外径が、約4.06 cm〜
    約4.17 cm (約1.6 in〜約1.64 in) なる範囲内にある、
    請求項6記載のゴルフボール。
  8. 【請求項8】 該中心の外径が、約1.27 cm〜約3.18 cm
    (約0.5 in〜約1.25in) なる範囲内にある、請求項1記
    載のゴルフボール。
  9. 【請求項9】 該中心の外径が、約2.29 cm〜約3.05 cm
    (約0.9 in〜約1.2in) なる範囲内にある、請求項8記載
    のゴルフボール。
  10. 【請求項10】 該外部コア層の外径が、約3.86 cm〜
    約4.04 cm (約1.52 in〜約1.59 in) なる範囲内にあ
    る、請求項1記載のゴルフボール。
  11. 【請求項11】 該外部コア層の外径が、約3.90 cm〜
    約4.01 cm (約1.535in〜約1.58 in) なる範囲内にあ
    る、請求項10記載のゴルフボール。
  12. 【請求項12】 該ゴルフボールが、約83 g・cm2未満の
    慣性モーメントを持つ、請求項1記載のゴルフボール。
  13. 【請求項13】 該中心が第一の硬さを持ち、該外部コ
    ア層が該第一の硬さを越える第二の硬さを持ち、かつ該
    内部カバー層が該第二の硬さを越える第三の硬さを持
    つ、請求項1記載のゴルフボール。
  14. 【請求項14】 該外部カバー層が該第三の硬さに満た
    ない第四の硬さを持つ、請求項13記載のゴルフボール。
  15. 【請求項15】 該中心が第一の比重を有し、かつ該外
    部コア層が約0.1未満だけ異なる第二の比重を持つ、請
    求項1記載のゴルフボール。
  16. 【請求項16】 該中心が中実である、請求項1記載の
    ゴルフボール。
  17. 【請求項17】 該中心が液状、中空または空気で満た
    されている、請求項1記載のゴルフボール。
  18. 【請求項18】 コアとその周りに設けられたカバーと
    を含み、該コアが中実中心と、該中心に隣接する外部コ
    ア層とを含み、かつ該カバーが、内部カバー層および外
    部カバー層を含み、 (a) 該中心が、約0.953 cm〜約3.56 cm (約0.375 in〜
    約1.4 in)なる範囲の外径および100 Kgの負荷の下で約
    4.5 mmを越える撓みを有し、 (b) 該外部コア層が、約3.56 cm〜約4.11 cm (約1.4 in
    〜約1.62 in)なる範囲の外径を有し、 (c) 該内部カバー層が、約4.01 cm (約1.58 in)を越え
    る外径および約72ショアD未満の材料硬さを有し、およ
    び (d) 該外部カバー層が、約50ショアDを越える硬さを持
    つ、ことを特徴とするゴルフボール。
  19. 【請求項19】 該外部カバー層が、約50未満の材料硬
    さおよび約0.89 mm(約0.035 in)未満の厚みを持つ、請
    求項18記載のゴルフボール。
  20. 【請求項20】 該中心が第一の硬さを持ち、該外部コ
    ア層が該第一の硬さを越える第二の硬さを持ち、かつ該
    内部カバー層が該第二の硬さを越える第三の硬さを持
    つ、請求項18記載のゴルフボール。
  21. 【請求項21】 該外部カバー層が、該第三の硬さ未満
    の、第四の硬さを持つ、請求項20記載のゴルフボール。
  22. 【請求項22】 該内部カバー層の外径が、約4.04 cm
    〜約4.22 cm (約1.59in〜約1.66 in) なる範囲内にあ
    る、請求項18記載のゴルフボール。
  23. 【請求項23】 該内部カバー層の外径が、約4.06 cm
    〜約4.17 cm (約1.6in〜約1.64 in) なる範囲内にあ
    る、請求項22記載のゴルフボール。
  24. 【請求項24】 該中心の外径が、約1.27 cm〜約3.18
    cm (約0.5 in〜約1.25 in) なる範囲内にある、請求項1
    8記載のゴルフボール。
  25. 【請求項25】 該中心の外径が、約2.29 cm〜約3.05
    cm (約0.9 in〜約1.2 in) なる範囲内にある、請求項24
    記載のゴルフボール。
  26. 【請求項26】 該外部コア層の外径が、約3.86 cm〜
    約4.04 cm (約1.52 in〜約1.59 in) なる範囲内にあ
    る、請求項18記載のゴルフボール。
  27. 【請求項27】 該ゴルフボールが、約83 g・cm2未満の
    慣性モーメントを持つ、請求項18記載のゴルフボール。
  28. 【請求項28】 該中心が第一の比重を有し、かつ該外
    部コア層が約0.1未満だけ異なる第二の比重を持つ、請
    求項18記載のゴルフボール。
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