JP2002266395A - 水栓器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 軽い操作力で、吐水体が旋回でき、水漏れの
ない、吐水流路を２つ備えた水栓器具を提供する。 【解決手段】 スリーブ２０内に少なくとも１つの環状
体が回動不能に配置され、該環状体が、スリーブ２０の
内壁と共同して上部環状流路３０と下部環状流路３１と
を形成し、該流路が、一方では、それぞれ吐水体２内の
吐出口２１，２２と接続され、他方では、上部環状流路
３０が、器具胴部１，１００のカットアウト１０内に設
けられた半径方向導通路３２を介して、スリーブ２０の
中心軸線２００上に配置された上向きの上部管状軸頚３
４と接続され、下部環状流路３１が、器具胴部のカット
アウト１０内に設けられた半径方向導通路３３を介し
て、スリーブ２０の中心軸線２００上に配置された下向
き下部管状軸頚３５と接続され、しかも、上部管状軸頚
３４が第１吐出流路１４により、また下部管状軸頚３５
が第２吐出流路１５により、回動可能に密封受容されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも各１つの給
水路と吐水路とを有する固定保持された器具胴部（Ａｒ
ｍａｔｕｒｅｎｋｏｅｒｐｅｒ）を有する水栓器具（Ｗ
ａｓｓｅｒｚａｐｆaｒｍａｔｕｒ）であって、器具胴
部を中心として旋回可能な吐水体（Ｗａｓｓｅｒａｕｓ
ｌａｓｓｋｏｅｐｅｒ）が備えられ、該吐水体が、２つ
の別個の吐出流路に接続され、吐出流路ごとに少なくと
も１つの吐出口を有し、かつまたスリーブにより器具胴
部を取り囲んでいる形式のものに関する。

【０００２】

【従来技術】この種の水栓器具は、米国特許第４０７７
５４５号により公知である。該水栓器具の場合、２つの
吐出流路の密封が、器具胴部の外被（ａｕｓｓｅｎｍａ
ｎｔｅｌ）に配置された動荷重を受ける３個のシールリ
ング（Ｄｉｃｈｔｒｉｎｇｅｎ）によって行われる。こ
れらのシールリングは、したがって比較的大きな直径を
有しており、密封するには、周部の全周にわたって弾性
的な押圧を要するため、吐水体の旋回には、製作公差等
が原因で、往々にしてさまざまな操作力が必要となる。
加えて、公知のシールリングは、比較的摩耗が早いの
で、往々にして望ましくない漏れが当該区域に生じる。
更に、ヨーロッパ特許出願公報ＥＰ ０３０４５２９
Ａ１により公知の、１つの吐出流路を有する別の水栓器
具では、動荷重を受けるシールが、器具胴部内の旋回吐
出管の、比較的小直径の中空軸頚（Ｈｏｈｌｚａｐｆｅ
ｎ）に配置されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の根底をなす課
題は、請求項１の前提部に記載された水栓器具を改良す
ることにある。

【課題を解決するための手段】この課題は、本発明によ
れば、次のようにすることにより解決された。すなわ
ち、スリーブ内に少なくとも１つの環状体が回動不能
（ｄｒｅｈｆｅｓｔ）に配置され、該環状体が、スリー
ブの内壁と共同して上部環状流路と下部環状流路とを形
成しており、これらの流路が、一方では、それぞれ吐水
体内の吐出口と接続され、他方では、上部環状流路が、
器具胴部のカットアウト内に設けられた半径方向導通路
を介して、スリーブの中心軸線上に位置する上向きの上
部管状軸頚（Ｒｏｈｒｚａｐｆｅｎ）と接続され、下部
環状流路が、器具胴部のカットアウト内に設けられた半
径方向導通路を介して、スリーブの中心軸線上に位置す
る下向き下部管状軸頚と接続されており、しかも、上部
管状軸頚が第１吐出流路により、また下部管状軸頚が第
２吐出流路により、回動可能に密封受容されるようにし
たものである。本発明のこのほかの構成は請求項２から
請求項１１までの各項に記載のとおりである。

【０００４】

【発明の効果】本発明により達成可能な利点は、特に次
の点にある。すなわち必要とされるシールリングが、動
荷重を受ける２個のシールリングのみである点、また、
これらの２個のシールリングが、導通路横断面によって
規定される出来るだけ小さい直径に縮小されることで、
シールリングの比較的強い弾性的押圧時にも、吐水体の
旋回に比較的小さい力を要するのみである点にある。加
えて、旋回時のシールリングの滑り区間が縮小されるこ
とで、摩耗も著しく低減できる。本発明の別の構成で
は、制動リング（Ｂｒｅｍｓｒｉｎｇ）を器具胴部と吐
水体のスリーブとの間に配置するのが好ましい。該制動
リングによって、長い使用期間にわたり旋回時に一定不
変の摩擦モーメントが発生可能になり、それによって、
一方では、器具胴部を中心とする吐水体の旋回が比較的
容易になり、他方では、意図しない旋回が確実に防止さ
れる。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下で、本発明の実施例を図面に
つき詳しく説明する。図示の水栓器具は、洗面台および
／または流し台７（図では一部を示すのみ）に公知の取
付け具１６により固定されている。洗面台および／また
は流し台７の開口７０を通して取付け具１６と器具胴部
１とが結合される。加えて、冷水供給管系（Ｋａｌｔｗ
ａｓｓｅｒｖｅｒｓｏｒｇｕｎｇｓｌｅｉｔｕｎｇｓｎ
ｅｔｚ）の接続管１１０と、温水供給管系（Ｗａｒｍｗ
ａｓｓｅｒｖｅｒｓｏｒｇｕｎｇｓｌｅｉｔｕｎｇｓｎ
ｅｔｚ）の接続管１２０と、非飲料水源（Ｂｒａｕｃｈ
ｗａｓｓｅｒｑｕｅｌｌｅ）の接続管１３０とが、開口
７０を貫通案内されている。接続管１１０は、器具胴部
内の冷水用の流入路１１に接続され、接続管１２０は、
器具胴部内の温水用の流入路１２に接続されている。流
入路１１，１２は、カートリッジハウジング（Ｋａｕｔ
ｕｓｃｈｅｎｇｅｈａｅｕｓｅ）内に配置された周知の
湯水混合弁４と接続されている。湯水混合弁４により、
ハンドル４０を介して、第１自由度では、全流量を調節
でき、第２自由度では、流入する湯水の割合または混合
水温度が調節できる。湯水混合弁４内に発生する混合水
は、器具胴部１の上部１００の第１吐出流路１４へ放出
される。接続管１３０は、器具胴部１内の非飲料水の流
入路１３に接続されており、該流入路は、流量調整兼遮
断弁（Ｍｅｎｇｅｎｒｅｇｕｌｉｅｒ− ｕｎｄ Ａｂ
ｓｐｅｒｒｖｅｎｔｉｌ）５を介して、器具胴部１内の
第２吐出流路１５に接続されている。流量調整兼遮断弁
５は、器具胴部１の横から突出している旋回つまみ５０
を有している。この旋回つまみによって、非飲料水の流
量を制御することができる。２つの吐出流路１４，１５
は、器具胴部１の中心軸線２００上に設けられ、それぞ
れ反対側で器具胴部１のカットアウト１０に開口してい
る。

【０００６】器具胴部１には、中心軸線２００と同軸線
的に、スリーブ２０を有する吐水体２が旋回可能に配置
されている。この場合、スリーブ２０にはアーム２５が
設けられ、アーム内には、第１吐水口２１への流路２１
０と、第２吐水口２２への別の流路２２０とが設けられ
ている。この場合、吐水口２１は、湯水混合弁４からの
混合水用であり、吐水口２２は、流量調整兼遮断弁５に
より調量された非飲料水用である。２つの吐水口２１，
２２は互いに間隔２３をおいてアーム２５に設けられて
いる。

【０００７】吐水体２のスリーブ２０は、器具胴部１お
よび上方部分１００の縮径部に配置されている。上方部
分１００は、この場合、器具胴部１に取外し可能に固定
されている。スリーブ２０内には、スリーブ２０の内壁
に環状体を回動不能に密着させた成形片３が配置されて
いる。環状体には、軸線方向に互いにずらされて上部環
状流路３０と下部環状流路３１とが形成されている。双
方の環状流路３０，３１は、外部に対し、かつまた互い
に対して、３個の、動荷重を負荷されない、スリーブ２
０の内壁に対し密着するシールリングによって分離され
ている。上部環状流路３０は、中心軸線２００上に設け
られた上向きの管状軸頚３４に半径方向導通路３２を介
して接続されている。下部環状流路３１は、中心軸線２
００上に設けられた下向き管状軸頚３５に半径方向導通
路３３を介して接続されている。環状体と半径方向導通
路３２，３３と管状軸頚３４，３５とから成る成形片
は、主として射出成形プラスチックから製造される。管
状軸頚３４，３５を有する半径方向導通路３２，３３
は、器具胴部１のカットアウト１０内に配置されて、カ
ットアウト１０の範囲内で自由旋回が可能になってい
る。この場合、上部管状軸頚３４は、吐出流路１４に接
続され、Ｏリング３４０により壁部に対し回動可能に密
封されている。また管状軸頚３５は、吐出流路１５に接
続され、Ｏリング３５０により壁部に対し回動可能に密
封されている。

【０００８】環状流路３０は、下流で開口２１１を介し
て流路２１０と接続され、他方、環状流路３１は、下流
で開口２２１を介してアーム２５内の流路２２０と接続
されている。既述の水栓器具の場合、ハンドル４０によ
り湯水混合弁４を開いた場合、混合弁４内に生じる混合
水は、吐出流路１４内へ流入し、そこから管状軸頚３４
と半径方向導通路３２とを経て環状流路３０へ流入す
る。次いで、混合水は、開口２１１を経てアーム２５の
流路２１０へ流入した後、第１吐水口２１を経て自由噴
流として吐出される。これに替えて、またはこれと同時
に、旋回つまみ５０を用いて流量調節兼遮断弁５を開い
た場合、非飲料水が、吐出流路１５を経て下方管状軸頚
３５に流入し、ここから半径方向導通路３３を経て管状
流路３１に流入する。非飲料水は、次いで開口２２１か
らアーム２５の流路２２０に流入した後、第２吐水口２
２から自由噴流として吐出される。吐水体２を器具胴部
１を中心として旋回させると、スリーブ２０が成形片３
と一緒にカットアウト１０内で回動され、この結果、管
状軸頚３４，３５上に配置されたＯリング３４０，３５
０だけが動荷重を受け、極めて円滑な旋回が可能であ
る。

【０００９】吐水体２の、意図しない旋回を防止するた
めに、加えて、スリーブ２０が下方区域で器具胴部１の
円筒形部分にかぶさるようにされ、しかも、器具胴部１
の円筒形部分を取り巻く環状溝が設けられ、この溝内に
制動リング６が配置されている。制動リング６は、この
場合、好ましくは弾性的なＯリングとして構成され、環
状溝底部に配置されているばね６０により、半径方向で
スリーブ２０の内壁に押圧される。この結果、一定の摩
擦が発生し、この摩擦によって、意図しない旋回は確実
に防止される一方、吐水体２は円滑に旋回可能である。

【００１０】吐水体の組立ては、次のように行われる。
まず、スリーブ２０内へシールリングと共に成形片３が
軸線方向に挿入される。これと平行して、上方部分１０
０を器具胴部１から取外し、ばね６０と制動リング６と
を、器具胴部１の円筒形部分の環状溝内へはめ込む。次
いで、吐水体２を成形片３と一緒に、器具胴部１に軸線
方向で接触するまで軸線方向に挿入する。その後で、上
方部分１００を器具胴部１に固定し、次いで混合弁４を
ハンドル４０と従来式に結合する。

【図面の簡単な説明】

【図１】水栓器具の縦断面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿って截断した水栓器具
の断面図である。

【符号の説明】

１ 器具胴部 ２ 吐水体 ３ 成形片 ４ 湯水混合弁 ５ 流量調節兼遮断弁 ６ 制動リング ７ 洗面台および／または流し台 １０ カットアウト １１ 冷水流入路 １２ 温水流入路 １４ 第１吐出流路 １５ 第２吐出流路 １６ 取付け具 ２０ スリーブ ２１ 混合水の吐水口 ２２ 非飲料水（雑用水、工業用水等）の吐水口 ３０，３１ 上下の環状流路 ３２，３３ 半径方向導通路 ３４，３５ 上下の管状軸頚 ４０ ハンドル ５０ 雑用水の流量調節兼遮断弁操作用旋回つまみ ６０ ばね １１０ 冷水用接続管 １２０ 温水用接続管 １３０ 雑用水接続管 ３４０，３５０ Ｏリング

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも各１つの給水路と吐水路とを
   有する固定保持された器具胴部を有する水栓器具であっ
   て、該器具胴部を中心として旋回可能な吐水体が備えら
   れ、該吐水体が、２つの別個の吐出流路と接続され、該
   吐出流路ごとに少なくとも１つの吐水口を有し、かつま
   たスリーブにより器具胴部を取り囲んでいる形式のもの
   において、 前記スリーブ（２０）内に少なくとも１つの環状体が回
   動不能に配置され、該環状体が、スリーブ（２０）の内
   壁と共同して上部環状流路（３０）と下部環状流路（３
   １）とを形成しており、これらの流路が、一方では、そ
   れぞれ吐水体（２）の吐水口（２１，２２）と接続され
   ており、他方では、上部環状流路（３０）が、器具胴部
   （１，１００）のカットアウト（１０）内に設けられた
   半径方向導通路（３２）を介して、スリーブ（２０）の
   中心軸線（２００）上に設けられた上向きの上部管状軸
   頚（３４）と接続され、下部環状流路（３１）が、器具
   胴部のカットアウト（１０）内に設けられた半径方向導
   路（３３）を介して、スリーブ（２０）の中心軸線（２
   ００）上に設けられた下向き下部管状軸頚（３５）と接
   続されており、しかも、上部管状軸頚（３４）が第１吐
   出流路（１４）により、また下部管状軸頚（３５）が第
   ２吐出流路（１５）により、回動可能に密封受容されて
   いることを特徴とする、水栓器具。
2. 【請求項２】 ２つの半径方向導通路（３２，３３）と
   前記２つの管状軸頚（３４，３５）とを有する前記環状
   体が、主としてプラスチック製の一体的な成形片（３）
   として製造されていることを特徴とする、請求項１に記
   載された水栓器具。
3. 【請求項３】 ２つの吐水口（２１，２２）が、互いに
   間隔（２３）をおいて吐水体（２）のアーム（２５）に
   設けられていることを特徴とする、請求項１または請求
   項２に記載された水栓器具。
4. 【請求項４】 前記第１吐出流路（１４）が、混合弁
   （４）から給水されることを特徴とする、請求項１から
   請求項３までのいずれか１項に記載された水栓器具。
5. 【請求項５】 前記混合弁（４）が、単一ハンドル湯水
   混合弁（Ｅｉｎｇｒｉｆｆｍｉｓｃｈｖｅｎｔｉｌ）と
   して構成されていることを特徴とする、請求項４に記載
   された水栓器具。
6. 【請求項６】 前記第２吐出流路（１５）が、別個の液
   体源から液体を供給されることを特徴とする、請求項１
   から請求項５までのいずれか１項に記載された水栓器
   具。
7. 【請求項７】 前記液体が、流量調整兼遮断弁（５）を
   介して吐出流路（１５）内へ放出されることを特徴とす
   る、請求項６に記載された水栓器具。
8. 【請求項８】 前記流量調整兼遮断弁（５）が、器具胴
   部（１）内に配置され、器具胴部（１）から突出する旋
   回つまみ（５０）により操作可能であることを特徴とす
   る、請求項７に記載された水栓器具。
9. 【請求項９】 前記液体として、非飲料水が用意されて
   いることを特徴とする、請求項６から請求項８までのい
   ずれか１項に記載された水栓器具。
10. 【請求項１０】 スリーブ（２０）の１つの部分区域
    が、器具胴部（１）の円筒形区域を取り囲み、かつスリ
    ーブ（２０）の内壁と前記円筒形区域との間に制動リン
    グ（６）が配置され、これによって吐水体（２）の旋回
    時に、意図しない旋回を防止する一定の摩擦モーメント
    が発生させられることを特徴とする、請求項１から請求
    項９までのいずれか１項に記載された水栓器具。
11. 【請求項１１】 前記制動リング（６）が、器具胴部
    （１）の環状溝内に配置され、該環状溝の底部には、ば
    ね（６０）が配置されており、該ばねが、制動リング
    （６）を内壁に押圧することを特徴とする、請求項１０
    に記載された水栓器具。