JP2002264469A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2002264469A
JP2002264469A JP2001063619A JP2001063619A JP2002264469A JP 2002264469 A JP2002264469 A JP 2002264469A JP 2001063619 A JP2001063619 A JP 2001063619A JP 2001063619 A JP2001063619 A JP 2001063619A JP 2002264469 A JP2002264469 A JP 2002264469A
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ink
ink receiving
filler
jet recording
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JP2001063619A
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Hiromine Yamamoto
寛峰 山本
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸長等したときのインク受理層の割れや画像
濃度の低下が抑制され、伸長等した状態での使用に適す
るインクジェット記録用シートを提供すること。 【解決手段】 基材上にフィラーを含むインク受理層を
設けたインクジェット記録用シートにおいて、前記イン
ク受理層が、JIS K6301に基づき厚みを0.1〜0.2mmとし
て測定したときの伸びが1000〜2000%であり且つ100%
モジュラスが0.1〜1.0MPaであるバインダーを含有し、
前記シートを55%伸長したときの黒インクの画像濃度の
低下が15%以下であること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用シートに関し、さらに詳しくは、伸長等されたとき
のインク受理層の割れや画像濃度の低下が抑制され、伸
長等された状態での使用に適するインクジェット記録用
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】印画方式の一つとして、インクジェット
記録方式は、高画質のフルカラー画像が容易に得られる
こと、ランニングコストが低いこと等の利点により、用
途が広がりつつある。そのようなインクジェット記録方
式で印画した記録用シートの用途の中には、使用される
とき、シートが伸長等される場合がある。
【0003】代表的なものを挙げると、第一に、伸縮性
がある基材を用いてインクジェット記録用シートを製造
した上で粘着剤を塗布しておき、印画後に物品の表面に
沿って浮き上がりやシワなどがないように貼着する場合
である。例えば、インクジェット記録用シートが貼着さ
れる物品(以下、「被着体」という)の貼着面が平坦面
ではなく曲面や凹凸がある場合、浮き上がる部分やシワ
などが生じないように被着体の表面形状に沿って貼着す
るためには、インクジェット記録用シートを部分的に引
き伸ばす必要がある。そのような場合には、上記のよう
に伸縮性がある基材が用いられ、貼着後にはインクジェ
ット記録用シートの一部が伸長された状態となってい
る。
【0004】第二に、被着体が伸縮性を有する場合、例
えばゴムなどの物品の場合、被着体の伸縮に合わせてイ
ンクジェット記録用シートも伸縮しないと被着体からの
剥離が生じる。そのような場合にも、伸縮性がある基材
が用いられ、貼着後に被着体が伸縮したときには、イン
クジェット記録用シートも伸縮するようになっている。
【0005】第三に、インクジェット記録用シートが使
用されるときに伸長される場合としては、成形加工やエ
ンボス加工などの後加工が施され、インクジェット記録
用シートが変形し、その一部又は全部が伸長された状態
で使用される場合がある。
【0006】上記のような場合、従来は、基材に伸縮性
がある素材や後加工に適する素材などが選択されて用い
られてきたが、基材のみでは印画性能に劣るため、通常
はインク受理層が設けられている。しかし乍ら、インク
受理層は、伸縮したときに割れが生じることがある。割
れが生じると、インク受理層が基材から細かい破片状で
剥離することが起こりやすく、このような割れや剥離は
印画されていない白紙部でも肉眼で見えやすく、外観を
損ねるという問題があった。
【0007】また、インクジェット記録用シートが伸長
されたときには、印画された部分も伸長されるが、その
部分の画像濃度が低下するため、画像の印象が貧弱にな
ったり画像にムラが発生したりするという問題もあっ
た。特に、黒色の印画部においてその現象が目立ってい
た。この画像濃度の低下は、単に伸ばされて単位面積当
たりのインクの量が相対的に減少したために発生する場
合もあり、また、よく観察すると、印画部に微細なひび
割れが多数発生していてそのために画像濃度の低下が助
長されている場合もある。なお、この微細なひび割れ
は、白紙の状態では肉眼で見つけにくい程度のものであ
る。
【0008】インク受理層の割れの問題に対しては、イ
ンク受理層に可塑剤を含有して柔軟化することなどの各
種の技術が提案されているが、必ずしも十分な効果が得
られていないのが現状である。また、シートが伸長等さ
れる用途において画像濃度の低下の問題も同時に解決し
たインクジェット記録用シートは、現時点では存在して
いなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な現状に鑑み、インクジェット記録用シートが伸長等さ
れたときのインク受理層の割れや画像濃度の低下が抑制
され、シートが伸長等された状態での画像品質に優れる
インクジェット記録用シートを提供することをその課題
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明の構成は、基材上にフィラ
ーを含むインク受理層を設けたインクジェット記録用シ
ートにおいて、前記インク受理層が、JIS K6301に基づ
き厚みを0.1〜0.2mmとして測定したときの伸びが1000〜
2000%であり且つ100%モジュラスが0.1〜1.0MPaである
バインダーを含有し、前記シートを55%伸長したときの
黒インクの画像濃度の低下が15%以下であることを特徴
とするものである。
【0011】而して、本発明の発明者は、インクジェッ
ト記録用シートが伸長等されたとき、インク受理層が割
れにくくなるようにするためには、インク受理層にある
程度の伸縮性を付与すればよいこと、具体的には、イン
ク受理層に、JIS K6301に基づいて厚みを0.1〜0.2mmと
して測定したときの伸びが1000〜2000%であり且つ100
%モジュラスが0.1〜1.0MPaであるバインダーを含有さ
せればよいことを知得し、本発明を完成するに至った。
このバインダーを含有させることにより、微細なひび割
れも抑制され、また、この微細なひび割れが抑制される
こと及びフィラーを適切に用いることにより、インク受
理層が伸長されたときの画像濃度の低下が抑制されるこ
とも見出した。また、インクジェット記録用シートが伸
長されたとき、具体的には55%伸長されたときの黒イン
クの画像濃度の低下が15%以下であるように調整する
と、実際に使用したときに、伸長された部分の画像が殆
ど見劣りせず、好適に使用できることを見出した。
【0012】本発明の構成は、上記の通りであるが、イ
ンク受理層中のバインダーの含有量をインク受理層の全
固形分中、20〜60重量%にすることができる。また、基
材には、伸縮性のあるものを使用することができ、伸縮
性のある基材としては、JISK6732に準拠した伸びが、縦
方向及び横方向に50〜300%であるのが好ましい。ま
た、本発明においては、フィラーの平均粒子径とインク
受理層の厚み、又は、フィラーのモード径とインク受理
層の厚みを調整することにより、画像濃度の低下を調整
することができる。更に、本発明においては、基材のイ
ンク受理層を設けない側に粘着剤層を設け、該粘着剤層
の上に離型紙を設けて粘着シートを製造することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明インクジェット記録
用シートの実施の形態例について説明する。本発明記録
用シートは、層構成としては、下記のような基材上にイ
ンク受理層を設けた構成であり、基材とインク受理層の
間に適宜アンカーコート層や中間層を設けることもでき
る。
【0014】本発明記録用シートにおける基材は、特に
限定されるものではなく、伸縮性を有するか、後加工な
どにより伸長するものであれば、用いることが可能であ
る。例えば、プラスチックフィルム、ゴム、伸縮性があ
る布や紙などが挙げられる。伸縮性を有するものを用い
る場合、JIS K6732に準拠した伸びが、縦方向及び横方
向に50〜300%の範囲であることが好ましい。50%未満
のものでは、使用されるときの伸長が少なく、本発明を
用いる意義が乏しくなる。300%を越えるものは、僅か
な力が加えられただけで過大に伸長するので、本発明を
用いてもインク受理層の割れが発生する場合が多くな
る。より好ましくは180〜250%である。素材としては、
伸縮性、加工適性などの面から、塩化ビニル樹脂が特に
好適に用いられる。
【0015】後加工などにより伸長されるものも、種々
ある。例えば、ある種のプラスチックフィルムは、加熱
して軟化させた後に真空成形法を用いて成形加工するこ
とが可能である。このようなプラスチックフィルムとし
ては、塩化ビニルフィルムや無延伸タイプのポリスチレ
ンフィルムなどがある。また、プラスチックフィルムの
中には、エンボス加工が可能なものが多い。エンボス加
工は、一般的には、版の凹凸を、熱や圧力を加えること
によってシート状物へ転写するものである。凹凸の差が
大きい柄の場合や、印画後にエンボス加工をする場合な
どに、本発明を用いる意義が大きい。特に、エンボス柄
の再現性や隠蔽性の面から、発泡プラスチックフィルム
が好適に用いられる。ここで、発泡プラスチックフィル
ムとは、フィルムの表面や内部に形成される亀裂や欠
所、或いは、細かい気泡や空洞などを有するプラスチッ
クフィルムをいうが、これらの気泡や空洞などは炭酸カ
ルシウムなどの無機粉末を含有したフィルムを延伸して
無機粉末の周囲に空洞を発生させたり(ミクロボイドフ
ィルム)、発泡剤を含有させたフィルムにおいて発泡剤
を発泡させたりして形成したものなど、その名称や形成
方法或いは気泡や空洞の生成形態は問わない。
【0016】以上に代表的な例を挙げたが、本発明の基
材はこれらに限定されるものではなく、目的や方法は問
わず、加工や使用のいずれかの段階において伸長するも
のであれば、用いることが可能である。尚、以上の説明
におけるプラスチックフィルムには、素材の面からは、
塩化ビニル,ポリエチレンテレフタレート,ポリプロピ
レン,ポリスチレン,ポリカーボネート等の一般的な熱
可塑性樹脂フィルム、或いは、炭酸カルシウム等の無機
粉末を内添させたもの、有機ピグメントを内添させたも
のなどが含まれる。また、構造の面からは、多層構成に
したもの、発泡プラスチックフィルムなどが含まれる。
また、合成紙と称されるものも含まれる。
【0017】次に、本発明のインク受理層には、JIS K6
301に基づき、厚みを0.1〜0.2mmとして測定したとき
の伸びが1000〜2000%であり且つ100%モジュラスが0.1
〜1.0MPaであるバインダーを含有させる。これにより、
インクジェット記録用シートが伸長等されたときに、イ
ンク受理層の割れと微細なひび割れが生じにくくなる。
尚、伸びと100%モジュラスの値に関しては、JIS K6301
には複数の測定方法が記載されているが、本発明におい
ては、塗膜の厚みを0.1〜0.2mmとし、試験片形状をダ
ンベル状2号型にして測定したときの値によって規定す
る。
【0018】上記のバインダーの含有量は、インク受理
層の全固形分中、20〜60重量%の範囲であることが好ま
しい。20重量%未満では、インク受理層の割れと微細な
ひび割れが生じやすくなり、60重量%を越えると、フィ
ラーを含有させる余地が少なくなるためインク吸収性が
不足する。より好ましくは35〜45重量%である。物質の
種類としては、各種の公知のものを使用できる。ポリウ
レタンなどが挙げられるが、これに限定されるものでは
なく、前記の伸びと100%モジュラスの値を満たすタイ
プのものを選択して用いることができる。特に、耐光性
の面から、無黄変型エステル系ポリウレタン樹脂は、好
適に用いることができる。さらに、インク定着性の面か
ら、カチオン性のものが好ましい。
【0019】インク受理層には、フィラーを含有させ
る。ところで、本発明の発明者は、インク受理層の厚み
に対するフィラーの粒子径の比率が小さい方が、インク
受理層が伸長されたときの画像濃度の低下が小さいこと
を見出した。この現象は、印画部のインク受理層の表面
及び内部に多数存在するインク中の色素の塊の大きさと
関係があると推測される。インク受理層が引き伸ばされ
ることにより、表面、言い換えれば目に触れる部分にお
いて色素の塊の隙間が増加すると、画像濃度が低下する
と思われる。色素の塊は立体的に分布しており、伸長さ
れる過程で目に触れるのは、当初から最表面に存在する
色素の塊のみではない。そのため、複雑な現象となる
が、インク受理層の厚みに対して小さい色素の塊で構成
されている方が、隙間が増加しにくいと推測される。フ
ィラーの粒子径が小さいと、フィラー間の空隙やフィラ
ーが持つ孔が小さい傾向があり、従って色素の塊が小さ
くなると推測される。
【0020】このインク受理層の厚みに対するフィラー
の粒子径の比率の点や、前記のバインダーを用いて、本
発明においては、インクジェット記録用シートを伸長し
たとき、具体的には55%伸長したときの黒インクの画像
濃度の低下が15%以下であるように、インク受理層を調
整する。この水準に達すると、伸長したときにも画像の
印象があまり悪化せず、また、本発明を用いれば、この
水準に達することは可能である。そのようにインク受理
層を調整する方法は、以下に述べる通りである。すなわ
ち、まず、前述したとおり、JIS K6301に基づき、厚み
を0.1〜0.2mmとして測定したときの伸びが1000〜2000
%であり且つ100%モジュラスが0.1〜1.0MPaであるバイ
ンダーを、インク受理層に含有させることで、微細なひ
び割れを減少させ、画像濃度の低下を抑制する。その上
で、インク受理層の厚みに対するフィラーの粒子径の比
率と関連する調整手段を用いて、前記の水準に達するよ
うに調整する。その調整手段としては、下記の2つの方
法が挙げられる。
【0021】第一は、フィラーのコールターカウンター
法による平均粒子径及び含有量に注目して調整する方法
である。例えば、通常、下記の条件を同時に満たす構成
にすると、インクジェット記録用シートを55%伸長した
ときの黒インクの画像濃度の低下が15%以下となる。す
なわち、 (1)インク受理層の厚みが25〜35μmである。 (2)インク受理層が、コールターカウンター法による平
均粒子径が2〜6μmであるフィラーを、インク受理層
の全固形分中、25〜35重量%含有する。 (3)インク受理層が、コールターカウンター法による平
均粒子径が10〜15μmであるフィラーを、インク受理層
の全固形分中、0〜15重量%含有する。という条件であ
る。
【0022】第二は、レーザー法によって測定したフィ
ラーのモード径とインク受理層の厚みに注目する方法で
ある。インク受理層を形成するための塗液中のフィラー
の、レーザー法によって測定したモード径に注目し、こ
の値をrとする。インク受理層の厚みをtとすると、0.
1t≦r≦0.3tの関係式を満たすと、55%伸長したとき
の黒インクの画像濃度の低下が15%以下になりやすい。
【0023】本発明に用いるフィラーは、各種の公知の
ものから選択して使用できる。例えば、シリカ,炭酸カ
ルシウム,炭酸マグネシウム,珪藻土,タルク,酸化チ
タン,アルミナゾルなどが挙げられ、これらは単独又
は、混合して使用できる。特に、インク吸収能力の面か
ら、合成シリカが好ましく、中でも吸油度が200〜230m
l/100gであるものが好ましい。
【0024】ここで、インクジェット記録用シートにお
いて比較的実用性が高い30μm前後の厚みのインク受理
層を設ける場合、該受理層に含有させるフィラーの選択
に関して説明する。30μm前後の厚みのインク受理層を
設ける場合は、コールターカウンター法による平均粒子
径が2〜6μmであるフィラーを、インク受理層に含有
させるのが好ましい。2μm未満では、インク受理層の
割れが生じやすくなる。6μmを越えると、インク受理
層が伸長されたときの、微細なひび割れに起因しない画
像濃度の低下を抑制する効果が不十分となる。より好ま
しくは3.0〜4.0μmである。このコールターカウンター
法による平均粒子径が2〜6μmであるフィラーの含有
量は、インク受理層の全固形分中、20〜70重量%である
ことが好ましい。20重量%未満では、インク受理層が伸
長されたときの画像濃度の低下を抑制する効果が不十分
であり、70重量%を越えると、インク受理層の耐擦過性
が低下する。より好ましくは30〜50%である。
【0025】更に、上記の30μm前後の厚みのインク受
理層を設けるとき、該受理層にコールターカウンター法
による平均粒子径が2〜6μmであるフィラーを含有さ
せる場合、該フィラーのみを用いるのではなく、これよ
りも平均粒子径が大きいフィラーを混合して用いること
も、好ましい形態の一つである。平均粒子径が小さいフ
ィラーはインク受理層が伸長したときの画像濃度の低下
を抑制するが、インク受理層の強度や伸長したときの割
れにくさの面では、平均粒子径が大きいものの方が有効
である。この平均粒子径が大きいフィラーのコールター
カウンター法による平均粒子径は10〜15μmの範囲が好
ましい。また、コールターカウンター法による平均粒子
径が2〜6μmであるフィラーと、10〜15μmであるフ
ィラーの含有量の比率は、重量比で100:0〜50:50の
範囲が好ましい。この平均粒子径が大きいフィラーにつ
いても、特に、インク吸収能力の面から、合成シリカが
好ましく、中でも吸油度が200〜230ml/100gである
ものが好ましい。平均粒子径が大きいフィラーをこのよ
うに混合すると、インク吸収性が適度に向上する。
【0026】インク受理層には、バインダーとフィラー
の他にも、種々の目的に応じて他の物質を含有させても
よい。例えば、インクの定着性向上の目的で、4級アン
モニウム塩,ジシアンジアミド系,ポリアミン系,アル
キルアミン系などのカチオン性物質を用いてもよい。ま
た、界面活性剤,帯電防止剤,紫外線吸収剤等の各種の
添加剤を含有させることも可能である。
【0027】インク受理層の形成は、塗工,散布,浸漬
等、従来公知の種々の方法が可能である。特に、リバー
スロールコート,エアナイフコート,グラビアコート,
ブレードコート等による塗工が望ましい。塗工後には、
無風乾燥,オーブン等の方法を用いて乾燥させることが
望ましい。また、密着性を向上させる目的で、基材とイ
ンク受理層の間にアンカー層を設けてもよい。更に、本
発明のインクジェット記録用シートは、基材のインク受
理層を設けない側に、粘着剤層を設け、その上に、離型
紙を設けた構成にしてもよく、粘着シートとして使用で
きる。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上の通りであって、本発明イ
ンクジェット記録用シートによれば、インク受理層に伸
縮性を付与したので、製造過程においても、また、イン
クジェット記録用シートが用途により伸長等される場合
においても、インク受理層にひび割れや基材からの剥離
が生じることはおよそなく、また、画像濃度の低下を効
果的に抑制することができる。また、55%伸長されたと
きの黒インクの画像濃度の低下が15%以下に抑制されて
いるので、使用されるときに伸長されても、見劣りがし
ない。
【0029】従って、本発明インクジェット記録用シー
トは、弯曲した面や凹凸面を有する被着体の表面に貼着
して使用する用途、また、被着体がゴム等のように伸縮
性があるものである用途、成形などの後加工をするよう
な用途などに非常に好適である。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明は、これらの実施例によってなんら限定され
るものではない。
【0031】(実施例1)基材として、粘着塩化ビニル
フィルム(Fc1312/PSA(38)、理研ビニル工業社製)
で、JIS K-6732に準拠する伸びが縦182%以上,横190%
以上のものを使用した。なお、これは、厚さ80μmの塩
化ビニルフィルムに、粘着剤が塗布され、離型紙が設け
られたものである。この基材上に下記組成のアンカー層
の塗液を塗工した後、下記の表1に示す組成のインク受
理層の塗液を、該受理層の厚みが30μmになるように塗
工して、本発明の一例のインクジェット記録用シートを
得た。 〔アンカー層の組成〕 アクリル系樹脂 30重量部 炭酸カルシウム 10重量部 水 60重量部
【0032】
【表1】
【0033】(比較例1)上記実施例1においては、イ
ンク受理層の塗液におけるフィラーは、サイリシア440
を11.0g,ミズカシルP78Fを5.0g使用し合計16.0gで
あったが、比較例1では、フィラーとしてサイリシア44
0を用いず、ミズカシルP78F単独で16.0gとした。それ
以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シ
ートを得た。
【0034】(比較例2)実施例1におけるのと同様の
基材を使用し、この基材上に上記組成のアンカー層の塗
液を塗工した後、下記の表2に示す組成のインク受理層
の塗液を、該受理層の厚み30μmになるように塗工し
て、インクジェット記録用シートを得た。
【0035】
【表2】
【0036】(比較例3)実施例1におけるのと同様の
基材を使用し、この基材上に上記組成のアンカー層の塗
液を塗工した後、下記の表3に示す組成のインク受理層
の塗液を、該受理層の厚み30μmになるように塗工し
て、インクジェット記録用シートを得た。
【0037】
【表3】
【0038】(比較例4)インク受理層中のバインダー
をアデカ ボンタイターHUX-240(旭電化工業社製、伸び
70%、100%モジュラス測定不能、エステル系ポリウレタ
ン樹脂)に代えた他は、比較例3と同様にしてインクジ
ェット記録用シートを得た。
【0039】(比較例5)実施例1におけるのと同様の
基材を使用し、この基材上に上記組成のアンカー層の塗
液を塗工した後、下記の表4に示す組成のインク受理層
の塗液を、該受理層の厚み30μmになるように塗工し
て、インクジェット記録用シートを得た。
【0040】
【表4】
【0041】以上、実施例1及び比較例1〜5で得られ
たインクジェット記録用シートについて、下記の表5に
示した「評価項目」についてそれぞれ評価を行った。
【0042】
【表5】
【0043】評価結果を表6に示す。
【0044】
【表6】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上にフィラーを含むインク受理層を
    設けたインクジェット記録用シートにおいて、前記イン
    ク受理層が、JIS K6301に基づき厚みを0.1〜0.2mmとし
    て測定したときの伸びが1000〜2000%であり且つ100%
    モジュラスが0.1〜1.0MPaであるバインダーを含有し、
    前記シートを55%伸長したときの黒インクの画像濃度の
    低下が15%以下であることを特徴とするインクジェット
    記録用シート。
  2. 【請求項2】 バインダーをインク受理層の全固形分
    中、20〜60重量%含有する請求項1のインクジェット記
    録用シート。
  3. 【請求項3】 フィラーの平均粒子径とインク受理層の
    厚みを下記(1)〜(3)のように調整することにより、画像
    濃度の低下が15%以下になるようにした請求項1又は2
    のインクジェット記録用シート。 (1)インク受理層の厚みが25〜35μm (2)インク受理層が、コールターカウンター法による平
    均粒子径が2〜6μmであるフィラーを、インク受理層
    の全固形分中、25〜35重量%含有する (3)インク受理層が、コールターカウンター法による平
    均粒子径が10〜15μmであるフィラーを、インク受理層
    の全固形分中、0〜15重量%含有する
  4. 【請求項4】 フィラーのレーザー法によって測定した
    モード径rとインク受理層の厚みtが下記の関係式を満
    たすようにした請求項1〜3のいずれかのインクジェッ
    ト記録用シート。 0.1t≦r≦0.3t
  5. 【請求項5】 基材のインク受理層を設けない側に粘着
    剤層を設け、該粘着剤層の上に離型紙を設けた請求項1
    〜4のいずれかのインクジェット記録用シート。
JP2001063619A 2001-03-07 2001-03-07 インクジェット記録用シート Pending JP2002264469A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004045860A1 (ja) * 2002-11-20 2004-06-03 Daicel Chemical Industries, Ltd. 記録用シート
JP2004291568A (ja) * 2003-03-28 2004-10-21 Nisshinbo Ind Inc インクジェット記録部材
JP2006082453A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Chugai Photo Chemical Co Ltd インクジェット受容層用組成物及びインクジェット用メディア並びに画像形成方法

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