JP2002264282A - 多層フィルムおよび自己粘着性包装用フィルム - Google Patents

多層フィルムおよび自己粘着性包装用フィルム

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JP2002264282A
JP2002264282A JP2001071780A JP2001071780A JP2002264282A JP 2002264282 A JP2002264282 A JP 2002264282A JP 2001071780 A JP2001071780 A JP 2001071780A JP 2001071780 A JP2001071780 A JP 2001071780A JP 2002264282 A JP2002264282 A JP 2002264282A
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weight
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JP2001071780A
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Koichi Yanase
幸一 柳瀬
Yosuke Miyazaki
洋介 宮崎
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋸刃カット性により優れ、自己粘着性包装用
フィルムとして使用され得るフィルム、および、鋸刃カ
ット性により優れる自己粘着性包装用フィルムを提供す
ること。 【解決手段】 少なくとも層(X)と層(Y)とから構
成され、層(X)が(a)ダイスウェル比が1.8以上
のプロピレン系樹脂20重量%〜100重量%、および
(b)該(a)と異なるオレフィン系樹脂80重量%〜
0重量%を含有する樹脂組成物からなり、層(Y)が層
(X)の樹脂組成物と異なる熱可塑性樹脂からなる多層
フィルム、並びに、該多層フィルムからなる自己粘着性
包装用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己粘着性包装用
フィルムとして有用な多層フィルム、および自己粘着性
包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】自己粘着性を有するフィルムは、食品そ
れ自体または容器に入れた食品を密封するための包装用
フィルム(自己粘着性包装用フィルム)として多用され
ている(例えば、食品を冷蔵庫で保管する際や電子レン
ジで加熱処理する際など)。
【0003】このような自己粘着性包装用フィルムは、
一般に、厚さが8〜15μm程度で幅が20〜45cm
程度のフィルムを紙管等の芯材に重ね巻きしたものを、
コートボール紙製の紙箱等のケースに収納した形態で市
販されており、使用に際しては、ケースに取り付けられ
た鋸刃でフィルムを所望の長さに切断する。この鋸刃は
一般に、厚さが0.2mm程度の鉄板またはコートボー
ル紙を鋸刃型に打ち抜いただけの簡単な刃であり、また
通常は鋸刃を支えるケースの剛性は極めて低いため、鋸
刃カット性の悪いフィルムでは切断時にかかる力が大き
く、ケースが曲折したり、フィルムが変形することがあ
る。自己粘着性包装用フィルムとしては、良好な鋸刃カ
ット性、即ち鋸刃に沿って真っ直ぐに且つ切れ味良く切
断し得る性質を持つことが好ましい。
【0004】また自己粘着性包装用フィルムとしては、
電子レンジでの使用の際に熱収縮が小さく、且つ穴あ
き、熱溶融や白化現象を起こさない性質(以下「電子レ
ンジ適性」という)を有することが求められる。さら
に、自己粘着性包装用フィルムとしては、加熱処理に耐
える程度の耐熱性を有していることが好ましく、そし
て、昨今の環境意識の高まりの中、ポリ塩化ビニルやポ
リ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂を用いない自己粘着性
包装用フィルムが市場から求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−14889
8号公報、特開平9−1749号公報、特開平11−1
05214号公報には、電子レンジ適性他の諸特性に優
れ、塩素系樹脂を用いる必要の無い自己粘着性包装用フ
ィルムが記載されているが、鋸刃カット性において未だ
十分ではない。このような状況に鑑み本発明が解決しよ
うとする課題、即ち本発明の目的は、鋸刃カット性によ
り優れ、自己粘着性包装用フィルムとして使用され得る
フィルム、および、鋸刃カット性により優れる自己粘着
性包装用フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも層
(X)と層(Y)とから構成され、層(X)が(a)ダ
イスウェル比が1.8以上のプロピレン系樹脂20重量
%〜100重量%、および(b)該(a)と異なるオレ
フィン系樹脂80重量%〜0重量%を含有する樹脂組成
物からなり、層(Y)が層(X)の樹脂組成物と異なる
熱可塑性樹脂からなる多層フィルム、並びに、該多層フ
ィルムからなる自己粘着性包装用フィルムにより前記課
題を解決するものである。以下、本発明をさらに詳細に
説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の多層フィルムを構成する
層(X)は、(a)ダイスウェル比が1.8以上のプロ
ピレン系樹脂20〜100重量%、および、(b)該
(a)と異なるオレフィン系樹脂80〜0重量%からな
る。但し、該(a)と該(b)との合計が100重量%
である。また、該(b)が0重量%とは、層(X)が該
(b)を含まない場合である。
【0008】プロピレン系樹脂(a)のダイスウェル比
は1.8以上であり、好ましくは2〜4、さらに好まし
くは2〜3である。プロピレン系樹脂(a)のダイスウ
ェル比が過小であると、カット性が低下し好ましくな
い。ここでいうダイスウェル比は、JIS K7210
の条件14の方法に従うメルトフローレート(MFR)
測定時の押出物の断面の直径を測定し、次式から決定し
た値を採用する事とする。ダイスウェル比 = 押出物
の断面の直径/オリフィスの直径但し、押出物の断面と
は押出物の押出方向に垂直な断面をいい、該断面が真円
形でない場合には、該断面の直径の最大値と最小値との
平均値を該押出物の断面の直径とする。
【0009】プロピレン系樹脂(a)の含有量は、20
〜100重量%、好ましくは、45〜100重量%であ
る。プロピレン系樹脂(a)の含有量が上記範囲内であ
ると、カット性が良好であり好ましい。
【0010】ここでいうプロピレン系樹脂とはアイソタ
クチックポリプロピレン結晶構造を有する樹脂であり、
プロピレンから誘導される繰り返し単位を50重量%以
上含有する熱可塑性のプロピレン重合体樹脂が好まし
く、プロピレンの単独重合体、プロピレンと炭素原子数
2〜10のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)
との共重合体、またはプロピレンと少なくとも1種の他
のモノマーとの共重合体がより好ましい。該α−オレフ
ィンとしてエチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンを例
示することができる。他のモノマーとして共役ジエン
(例えばブタジエンやイソプレン)を例示することがで
きる。
【0011】本発明のプロピレン系樹脂(a)は、下記
のプロピレン重合体(T)であると、透明性、耐熱性、
粘着性により優れ、好ましい。プロピレン重合体
(T):極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレン
重合体部分(A)を製造する工程および極限粘度が3d
l/g未満の結晶性プロピレン重合体部分(B)を製造
する工程を含む重合方法により得られるプロピレン重合
体(T)であって、該プロピレン重合体(T)中の結晶
性プロピレン重合体部分(A)の含有量が0.05重量
%以上35重量%未満であり、該プロピレン重合体
(T)の極限粘度が3dl/g未満かつ分子量分布が1
0未満であるプロピレン重合体(T)。
【0012】このようなプロピレン重合体(T)の具体
的な製造方法としては、例えば第一段階で(A)を重合
した後、引き続いて第二段階で(A)を重合したと同一
の重合槽で(B)を重合する回分式重合法や、2槽以上
の重合槽を直列に配置し、第一段階として(A)を重合
後生成物を次の重合槽へ移送し、その重合槽で第二段階
として(B)を重合する連続式重合法等が挙げられる。
なお、連続式重合法の場合は、第一段階および第二段階
それぞれの重合槽は1槽でも2槽以上でもよい。
【0013】該プロピレン重合体(T)の結晶性プロピ
レン重合体部分(A)の極限粘度は5dl/g以上であ
り、6dl/g以上がさらに好ましい。(A)の極限粘
度が上記範囲であると、カット性、耐熱性に優れる。該
(A)の極限粘度は高いほど好ましく特に上限に制限は
ないが、通常は15dl/g未満である。該(A)の極
限粘度としてより好ましくは6〜13dl/gであり、
特に好ましくは7〜11dl/gである。
【0014】結晶性プロピレン重合体部分(A)のプロ
ピレン重合体(T)中の含有量は0.05重量%以上が
好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。また結晶
性プロピレン重合体部分(A)の量は、通常は35重量
%未満が好ましく、25重量%以下がより好ましい。即
ち、該プロピレン重合体(T)中の結晶性プロピレン重
合体(A)の含有量は0.05重量%以上35重量%未
満が好ましく、より好ましくは0.1〜25重量%であ
り、さらに好ましくは0.3〜18重量%である。結晶
性プロピレン重合体部分(A)の量が上記範囲である
と、カット性、耐熱性に優れる。(A)の割合は重合時
に重合条件等で所定の量に調節してもよく、溶融工程ま
たは混練工程において(B)に相当する成分を追加して
(A)の量を調節してもよい。
【0015】前記結晶性プロピレン重合体部分(B)の
極限粘度は3dl/g未満であり、好ましくは2dl/
g以下である。この範囲にあると流動性や加工性に優
れ、好ましい。該(B)の極限粘度は低いほど好ましく
特に下限に制限はないが、通常は0.5dl/g以上で
ある。該(B)の極限粘度としてより好ましくは0.8
〜2dl/gであり、さらに好ましくは1〜1.8dl
/gである。
【0016】なお、前記結晶性プロピレン重合体部分
(B)の極限粘度は(B)の製造条件を適宜設定するこ
とにより上記範囲内とすることができる。また、前記結
晶性プロピレン重合体部分(B)の極限粘度の求め方
は、通常は極限粘度の加成性が成り立つとして、(A)
と(B)とからなるプロピレン重合体(T)の場合、最
終的に得られたプロピレン重合体(T)の極限粘度
[η]Tと(A)の極限粘度[η]A 並びに(A)およ
び(B)それぞれの(T)中の含有量(重量%)から下
記数式1により(B)の極限粘度を求める。 [η]B = ([η]T ×100−[η]A ×WA )÷WB [数式1] [η]T :プロピレン重合体(T)の極限粘度(dl/
g) [η]A :結晶性プロピレン重合体部分(A)の極限粘
度(dl/g) WA :結晶性プロピレン重合体部分(A)の含有量
(重量%) WB :結晶性プロピレン重合体部分(B)の含有量
(重量%)
【0017】前記プロピレン重合体(T)としては、前
記結晶性プロピレン重合体部分(A)の極限粘度[η]
A (dl/g)および含有量WA (重量%)が、下記数
式2を満たすことがさらに好ましい。 WA ≧400×EXP(−0.6×[η]A ) [数式2] WA が上記数式2の範囲内であると、カット性、耐熱性
の改善効果がより優れ好ましい。
【0018】前記プロピレン重合体(T)全体の極限粘
度は3dl/g未満である。この範囲にあると流動性や
加工性に優れ、好ましい。該(T)の極限粘度は低いほ
ど好ましく特に下限に制限はないが、通常は1.0dl
/g以上である。該(T)の極限粘度としてより好まし
くは1.0dl/g以上3.0dl/g未満であり、さ
らに好ましくは1.2dl/g以上2.8dl/g未満
である。
【0019】プロピレン重合体(T)全体の分子量分布
は10未満であり、4〜8が好ましい。プロピレン重合
体(T)全体の分子量分布が上記範囲であると、フィル
ムの加工性に優れる。ここでいう分子量分布は、G.
P.C.(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)に
より測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)を採用する。
【0020】前記結晶性プロピレン重合体部分(A)お
よび前記結晶性プロピレン重合体部分(B)は、それぞ
れポリプロピレン結晶構造を有する結晶性プロピレン重
合体部分であり、プロピレンの単独重合体、またはプロ
ピレンと、結晶性を失わない程度の量のエチレンおよび
/またはα−オレフィン等のコモノマーとの共重合体が
好ましい。α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ヘ
キセン等が挙げられる。結晶性を失わない程度の量とは
コモノマーの種類により異なるが、例えばエチレンの場
合、共重合体中のエチレン単位の量は通常10重量%以
下、1−ブテン等の他のα−オレフィンの場合、共重合
体中のα−オレフィン単位の量は通常30重量%以下で
ある。(A)と(B)とは同一組成であっても異なって
いてもよい。また(A)と(B)とはブロック的に結合
しているものがあってもよい。さらには(A)と(B)
がブロック的に結合したものとそれ以外の(A)および
(B)とが共存していてもよい。
【0021】また前記結晶性プロピレン重合体部分
(B)としては上記以外に結晶性のプロピレン重合体
(T)中に非晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体
が分散している重合体も例示することができる。
【0022】上記プロピレン重合体(T)は、公知の種
々の触媒を使用して製造されるが、かかる触媒としては
チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含
有する固体触媒成分を用いて得られるマルチサイト触
媒、またはメタロセン錯体等を用いて得られるシングル
サイト触媒等が挙げられる。上記プロピレン重合体
(T)は好ましくはチタン原子、マグネシウム原子およ
びハロゲン原子を含有する固体触媒成分を用いて得られ
るマルチサイト触媒を使用して製造され、更に好ましく
は、特開平11−228629号公報記載の方法で製造
される。
【0023】本発明の多層フィルムを構成する層(X)
の(b)は、層(X)に含まれるプロピレン系樹脂
(a)とは異なるオレフィン系樹脂である。ここでいう
オレフィン系樹脂とは、オレフィンを単独重合して得ら
れる熱可塑性樹脂または異なるオレフィンを共重合もし
くはオレフィンと他のモノマーとを共重合して得られる
熱可塑性樹脂である。該オレフィンとしてエチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンを例示すること
ができる。他のモノマーとして共役ジエン(例えばブタ
ジエンやイソプレン)を例示することができる。オレフ
ィン系樹脂として、例えば、エチレン系樹脂、プロピレ
ン系樹脂、ブテン系樹脂、ポリ(4−メチル−1−ペン
テン)樹脂、これら樹脂の混合物、およびそれらのリサ
イクル樹脂を挙げることができる。
【0024】エチレン系樹脂とは、ポリエチレン結晶構
造を有する熱可塑性樹脂であり、エチレンから誘導され
る繰り返し単位を50重量%以上含有する熱可塑性のエ
チレン重合体樹脂が好ましく、エチレンの単独重合体、
エチレンと炭素原子数3〜10のα−オレフィンとの共
重合体、またはエチレンと少なくとも1種の他のモノマ
ーとの共重合体がより好ましい。該オレフィンとしてプ
ロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンを例示すること
ができる。他のモノマーとして共役ジエン(例えばブタ
ジエンやイソプレン)、非共役ジエン(例えば1,4−
ペンタジエン)、アクリル酸、アクリル酸エステル(例
えばアクリル酸メチルやアクリル酸エチル)、メタクリ
ル酸、メタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチ
ルやメタクリル酸エチル)および酢酸ビニルを例示する
ことができる。
【0025】エチレン系樹脂として例えば、低密度ポリ
エチレン;中密度ポリエチレン;高密度ポリエチレン;
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン
共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合
体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−
オクテン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体など
のエチレンと炭素原子数3〜10のα−オレフィンとの
共重合体;エチレンと共役ジエン(例えばブタジエンや
イソプレン)との共重合体;エチレンと非共役ジエン
(例えば1,4−ペンタジエン)との共重合体;エチレ
ンとアクリル酸、メタクリル酸または酢酸ビニルなどと
の共重合体;および、これらの樹脂を、例えばα、β−
不飽和カルボン酸やその誘導体(例えばアクリル酸やア
クリル酸メチル)、または脂環族カルボン酸やその誘導
体(例えば無水マレイン酸)で変性(例えばグラフト変
性)した樹脂を挙げることができる。
【0026】プロピレン系樹脂とはアイソタクチックポ
リプロピレン結晶構造を有する樹脂であり、プロピレン
から誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する
熱可塑性のプロピレン重合体樹脂が好ましく、プロピレ
ンの単独重合体、プロピレンと炭素原子数2〜10のα
−オレフィン(但し、プロピレンを除く)との共重合
体、またはプロピレンと少なくとも1種の他のモノマー
との共重合体がより好ましい。該α−オレフィンとして
エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンを例示すること
ができる。他のモノマーとして共役ジエン(例えばブタ
ジエンやイソプレン)を例示することができる。
【0027】ブテン系樹脂とは、1−ブテンから誘導さ
れる繰り返し単位を50重量%以上含有する熱可塑性の
1−ブテン重合体樹脂であり、1−ブテンの単独重合体
または1−ブテンと少なくとも1種の他のモノマーとの
共重合体が好ましい。他のモノマーとして炭素原子数2
〜10のオレフィン(但し、ブテンを除く)を例示する
ことができ、該オレフィンとしてエチレン、プロピレ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセンを例示することができる。オレフィ
ン以外の他のモノマーとして共役ジエン(例えばブタジ
エンやイソプレン)を例示することができる。ブテン系
樹脂として例えば、ポリ−1−ブテンを例示することが
できる。
【0028】ポリ(4−メチル−1−ペンテン)樹脂と
は、4−メチル−1−ペンテンから誘導される繰り返し
単位を50重量%以上含有する熱可塑性の4−メチル−
1−ペンテン重合体であり、4−メチル−1−ペンテン
の単独重合体または4−メチル−1−ペンテンと少なく
とも1種の他のモノマーとの共重合体が好ましい。他の
モノマーとして炭素原子数2〜10のオレフィン(但
し、4−メチル−1−ペンテンを除く)を例示すること
ができ、該オレフィンとしてエチレン、プロピレン、1
−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンを
例示することができる。オレフィン以外の他のモノマー
として共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)を
例示することができる。
【0029】オレフィン系樹脂(b)としては、柔軟
性、透明性、加工性、耐熱性の観点から、プロピレン系
樹脂が好ましく、示差走査熱量測定による最高融解ピー
ク温度が150℃以上のプロピレン系樹脂がより好まし
く、155〜170℃のプロピレン系樹脂がさらに好ま
しい。該最高融解ピーク温度がこの範囲にあると、耐熱
性により優れ、好ましい。該最高融解ピーク温度は、示
差走査熱量計(DSC)を用いて実施例に記載の方法で
測定される。オレフィン系樹脂(b)として使用するプ
ロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体が耐熱
性、透明性に優れ好ましく、そのMFRは2〜20g/
10分が好ましく、8〜14g/10分がさらに好まし
い。MFRがこの範囲にあるとフィルムの加工性により
優れ、好ましい。MFRは、JIS K6758に規定
された方法により測定される。
【0030】本発明の多層フィルムを構成する層(Y)
は、層(X)の樹脂組成物と異なる熱可塑性樹脂からな
り、例えばオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹
脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリカーボネート系樹脂、メタクリル樹脂等が
挙げられる。本発明の層(Y)に用いる場合のオレフィ
ン系樹脂として、前記のオレフィン系樹脂が挙げられ
る。
【0031】前記熱可塑性ポリエステル樹脂は、公知の
二塩基酸と多価アルコールとを重縮合して製造されるも
のであれば、特に限定されるものではない。前記熱可塑
性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、エチレングリコール・1,4−シクロヘキサンジ
メタノール・テレフタル酸重縮合物、および1,4−シ
クロヘキサンジメタノール・テレフタル酸・イソフタル
酸重縮合物から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性ポリ
エステル樹脂がカット性、透明性、耐熱性の点で好まし
い。これらは例えば、イーストマンケミカル社製EAS
TAPAK PET7352、EASTAPAK PE
T9921、EASTAR PETG6763、EAS
TER A150のグレード名等で入手できる。
【0032】前記エチレン−ビニルアルコール共重合体
樹脂は、特に限定されるものではない。好ましくは、エ
チレンから誘導される繰り返し単位の含有率が20〜6
0モル%、より好ましくは25〜50モル%であること
が望ましい。含有率がこの範囲にあると、耐水性、押し
出し性、および酸素ガスバリア性、透明性のバランスに
優れ好ましい。かかるエチレン−ビニルアルコール共重
合樹脂は例えば、(株)クラレより“エバール”(商品
名)シリーズのEP−F 101、EP−H101、E
P−E 105のグレード名等で、日本合成化学工業
(株)より“ソアノール”(商品名)シリーズのD29
08、A4412のグレード名等で市販されている。
【0033】前記ポリアミド樹脂としては、特に限定さ
れるものではない。前記ポリアミド樹脂としては、芳香
族ポリアミド樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、およびそれ
らの混合物が挙げられ、成形性の観点から、融点が17
0〜280℃、より好ましくは200〜240℃のもの
が好適である。本発明においては、特に、ナイロン−6
またはナイロン−66が好適である。
【0034】前記ポリカーボネート系樹脂は、特に限定
されるものではない。芳香族ジヒドロキシ化合物または
これと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲンと反応
させることによって、あるいは、芳香族ジヒドロキシ化
合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、炭酸
ジエステルと反応(エステル交換反応)させることによ
って製造される。前記ポリカーボネート系樹脂として
は、住友ダウ(株)よりカリバーの商品名で、200−
13、200−30のグレード名等で入手できる。
【0035】前記メタクリル樹脂は、特に限定されるも
のではない。メタクリル樹脂は、例えば公知のメタクリ
ル酸メチルの懸濁重合法、連続塊状重合法、連続溶液重
合法等によって製造される。さらにアクリル酸、メタク
リル酸、アクリル酸エステル等を一部共重合成分として
用いても良い。具体的には、住友化学工業(株)社製ス
ミペックスの商品名で、TR、HT52X等のグレード
名で入手できる。
【0036】本発明の多層フィルムを自己粘着性包装用
フィルムとして使用する場合、層(Y)の熱可塑性樹脂
としては、粘着性、柔軟性、加工性の観点から、オレフ
ィン系樹脂が好ましく、エチレン系樹脂がより好まし
い。エチレン系樹脂としては、高圧ラジカル重合法で得
られ、密度が0.920〜0.935g/cm3、メル
トフローレート(MFR)が2〜10g/10分の低密
度ポリエチレンが好ましい。該密度がこの範囲にある
と、鋸刃カット性や粘着性の点でより優れ、好ましい。
密度は、JIS K6760に規定された方法により測
定される。また、該MFRがこの範囲にあるとフィルム
の加工性により優れ、好ましい。MFRは、JIS K
6760に規定された方法により測定される。
【0037】本発明において用いるそれぞれの樹脂は、
必要に応じて、種々の添加剤と組み合わせて用いてもよ
く、添加剤として酸化防止剤、安定剤、帯電防止剤、造
核剤、粘着剤、防曇剤を例示することができる。
【0038】本発明の多層フィルムの層構成は特に制限
れさないが、層(Y)/層(X)/層(Y)なる3層構
成であると表面粘着性に優れ好ましい。
【0039】本発明の多層フィルムの厚みは通常5〜1
00μm、好ましくは7〜50μm、より好ましくは、
7〜20μmであり、層(X)の厚みは好ましくは多層
フィルムの厚みの10〜90%、より好ましくは12〜
80%、さらに好ましくは14〜50%である。
【0040】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明するが、本発
明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。実施
例における物性値は以下の方法で求めた。
【0041】1.重合体の極限粘度(単位:dl/
g):ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン
中で測定を行った。なお、下記参考例1における結晶性
プロピレン重合体部分(B)の極限粘度は結晶性プロピ
レン重合体部分(A)および重合体全体の極限粘度等よ
り明細書中に記載の計算式を用いて求めた。
【0042】2.メルトフローレート(MFR):JI
S K7210の条件14(Condition Number 14)の
方法に従って230℃で測定した。(単位:g/10
分)
【0043】3.ダイスウェル比(SR):JIS K
7210の条件14の方法に従うメルトフローレート
(MFR)測定時の押出物の断面の直径を測定し、次式
から決定した。 ダイスウェル比 = 押出物の断面の直径/オリフィス
の直径 但し、押出物の断面とは押出物の押出方向に垂直な断面
をいい、該断面が真円形でない場合には、該断面の直径
の最大値と最小値の平均値を該押出物の断面の直径とし
た。
【0044】4.分子量分布:G.P.C.(ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィ)により、下記条件で測
定した。なお分子量分布は重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で評価した。 機種:150CV型(ミリポアウォーターズ社製) カラム:Shodex M/S 80 測定温度:145℃ 溶媒:オルトジクロロベンゼン サンプル濃度:5mg/8mL
【0045】5.最高融解ピーク温度(Tm):パーキ
ンエルマー社製の示差走査熱量計を用いて、試料10m
gを入れた容器を窒素雰囲気下で220℃で5分間保持
し、試料を溶融させた。次いで、220℃から40℃ま
で、5℃/分の降温速度で降温させた。その後、40℃
から180℃まで、5℃/分の昇温速度で昇温させて融
解吸熱カーブを得た。得られた融解吸熱カーブの最高ピ
ーク高さのピーク温度を、該試料の最高融解ピーク温度
(Tm)とした。なお、該示差走査熱量計を用いて5℃
/分の昇温速度で測定したインジウム(In)の融点は
156.6℃であった。
【0046】6.耐熱性(耐熱温度):東京都告示第1
027号「ラップフィルムの品質表示」を参考にして、
以下の手順で耐熱温度を測定した。 (1)幅3cm、長さ14cmの短冊状のフィルム試験
片と、幅3cm、長さ2.5cmの板目紙2枚を用意す
る。 (2)該試験片の長さ方向の上部2.5cmおよび下部
2.5cmのそれぞれの部分と、板目紙とを重ねて、両
者を粘着テープで固定する。 (3)試験片の上部の板目紙と重なった部分を治具に固
定し、試験片の下部の板目紙と重なった部分に10gの
荷重をかける。 (4)それを、一定試験温度に調整したエアーオーブン
中に迅速に入れ、1時間加熱し、加熱後の試験片の切断
の有無を調べる。 (5)1時間経過後、試験片が切断しなかった場合は、
試験温度を10℃だけ上げ(東京都告示第1027号
「ラップフィルムの品質表示」に記載された刻み温度は
5℃である)、別の新しい短冊状のフィルム試験片を使
って前記の操作を繰り返す。なお、1時間経過後、試験
片が切断した場合は、試験温度を10℃だけ下げ、別の
新しい短冊状のフィルム試験片を使って前記の操作を繰
り返す。 (6)試験片が切断しない最高温度を、該試験片の「耐
熱温度」とする。
【0047】7.電子レンジ適性:幅10cm、長さ1
5cmのフィルム試料片で、からあげ(鶏肉、冷凍品)
を包み込み、これを出力500Wの電子レンジで90秒
間加熱した後、フィルムの状態を評価した。評価の基準
は次の通りである。 ◎:穴あき、融着ともにみられない。 ○:穴あきはみられない。一部にフィルム同志の融着が
みられるが実用上問題ない程度である。 △:小さな穴あきがみられる。 ×:フィルムが溶けて大きな穴あきが生じる。
【0048】8.引張り破断伸び:JIS P8116
に規定された方法に従って、フィルムのMD方向につい
て測定した。この値が小さいほど鋸刃カット性がよく、
0〜400%が好ましい。この値が過大であるとと、カ
ットしようとしてもフィルムが伸びてカットしづらいな
ど、鋸刃カット性が不良となるため好ましくない。
【0049】9.鋸刃カット性:フィルムを芯管に巻
き、「鋸刃」つきケース(0.2mm厚のこぎり型打ち
抜き鉄板型「鋸刃」を、コートボール紙製ケースに貼り
付けたもの)に収納し、「鋸刃」によるカット性を評価
した。評価の基準は次の通りである。 ◎:「鋸刃」にあてて軽く引張るだけでなめらかに、ス
トレートに切れる。 ○:「鋸刃」にあてて引張るだけで、ストレートに切れ
る。 △:カット可能であるもののフィルムが伸びやすく、こ
つを必要とする。 ×:フィルムが伸びてカットできず実用性がない。
【0050】10.粘着性(90°剥離力):幅10c
m、長さ15cmのフィルム試料片を10cm×10c
mのガラス板に密着させ、23℃、50%RHの雰囲気
下で4.9Nの荷重を1分間かけた後、フィルム長手方
向の一端を治具に固定し、ガラス板に垂直な方向に20
0mm/分の速度で引き上げた。この際、引き上げに要
する力を測定し粘着力N/mとした。粘着力は0.29
〜0.98N/mが好ましい。90°剥離力が過小であ
ると、食品や容器を包装する際の密着性が悪化するため
好ましくなく、過大であると、フィルム巻からの繰出し
が困難となるため好ましくない。
【0051】11.全ヘイズ(透明性):JIS K7
105に従い測定した。この値が小さいほど透明性が高
く、2.0%以下が好ましく、1.5%以下が特に好ま
しい。
【0052】[参考例1](プロピレン重合体(T)の
一例の製造) [1](固体触媒成分の合成) 攪拌機付きの200リットルSUS製反応容器を窒素で
置換したのち、ヘキサン 80リットル、テトラブトキ
シチタン 6.55モル、フタル酸ジイソブチル 2.
8モル、およびテトラエトキシシラン 98.9モルを
投入し均一溶液とした。次に濃度2.1モル/リットル
のブチルマグネシウムクロリドのジイソブチルエーテル
溶液 51リットルを、反応容器内の温度を5℃に保ち
ながら5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後室温で
さらに1時間攪拌し、その後室温で固液分離し、トルエ
ン 70リットルでの洗浄を3回繰り返した。次いで、
スラリー濃度が0.6Kg/リットルになるようにトル
エンを加えた後、n−ブチルエーテル 8.9モルと四
塩化チタン 274モルとの混合液を加え、さらにフタ
ル酸クロライドを20.8モル加えて110℃で3時間
攪拌を行った。その後固液分離し、95℃でトルエン
90リットルでの洗浄を2回行った。次いで、スラリー
濃度を0.6Kg/リットルに調整した後、フタル酸ジ
イソブチル 3.13モル、n−ブチルエーテル 8.
9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、105℃
で1時間攪拌を行った。その後同温度で固液分離した
後、95℃でトルエン 90リットルでの洗浄を2回行
った。次いで、スラリー濃度を0.6Kg/リットルに
調整した後、n−ブチルエーテル 8.9モルおよび四
塩化チタン 137モルを加え、95℃で1時間攪拌を
行った。その後、同温度で固液分離し同温度でトルエン
90リットルでの洗浄を3回行った。次いで、スラリ
ー濃度を0.6Kg/リットルに調整した後、n−ブチ
ルエーテル 8.9モルおよび四塩化チタン 137モ
ルを加え、95℃で1時間攪拌を行った。その後、同温
度で固液分離し同温度でトルエン 90リットルでの洗
浄を3回行った後、さらにヘキサン 90リットルでの
洗浄を3回した後減圧乾燥して固体触媒成分 11.0
Kgを得た。固体触媒成分はチタン原子 1.9重量
%、マグネシウム原子 20重量%、フタル酸エステル
8.6重量%、エトキシ基 0.05重量%、ブトキ
シ基0.21重量%を含有し、微粉のない良好な粒子性
状を有していた。
【0053】[2](固体触媒成分の予備活性化) 内容積3リットルのSUS製、攪拌機付きオートクレー
ブに十分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン 1.5リ
ットル、トリエチルアルミニウム 37.5ミリモル、
t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン 3.75
ミリモル、上記[1]で得られた固体触媒成分 15g
を添加し、槽内温度を5〜15℃に保ちながらプロピレ
ン 15gを30分かけて連続的に供給して予備活性化
を行った。
【0054】[3](結晶性プロピレン重合体部分
(a)の重合) SUS製の内容積300リットルの重合槽において、重
合温度 60℃、重合圧力 27kg/cm2 Gを保持
するように液状プロピレンを57kg/hで供給しなが
ら、トリエチルアルミニウム 1.3ミリモル/h、t
−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン 0.13ミ
リモル/hおよび上記[2]と同様にして予備活性化さ
れた固体触媒成分 0.51g/hを連続的に供給し、
水素の実質的非存在下でプロピレン重合を行い、2.0
kg/hの重合体が得られた。この時の重合体生成量は
固体触媒成分 1g当たり3920gであり、その一部
をサンプリングして分析した結果、極限粘度は7.7d
l/gであった。得られた重合体はそのまま第二槽目に
連続的に移送した。
【0055】[4](結晶性プロピレン重合体部分
(b)の重合) 内容積1m3 の攪拌機付き流動床反応器(第二槽目)に
おいて、重合温度 80℃、重合圧力 18Kg/cm
2 G、気相部の水素濃度 8vol%を保持するように
プロピレンおよび水素を供給しながら、第一槽目より移
送された触媒含有重合体およびトリエチルアルミニウム
60ミリモル/h、t−ブチル−n−プロピルジメト
キシシラン 6ミリモル/hを供給しながらプロピレン
重合を連続的に継続することにより18.2kg/hの
重合体が得られた。この重合体の極限粘度は1.9dl
/gであった。以上の結果から(b)の重合時の重合体
生成量は固体触媒成分 1gあたり31760gであ
り、第一槽目と第二槽目の重合重量比は11:89であ
り、(b)の極限粘度は1.2dl/gと求められた。
【0056】[5](重合体のペレット化) この重合体粉末 100重量部に対して、ステアリン酸
カルシウム 0.1重量部、商品名イルガノックス10
10(チバガイギー社製)0.05重量部、商品名スミ
ライザーBHT(住友化学工業社製)0.2重量部を加
えて、230℃で溶融混練し、重量平均分子量(Mw)
が3.4×105 、分子量分布(Mw/Mn)が8.
0、MFRが12g/10分、ダイスウェル比(SR)
が2.4のプロピレン単独重合体のペレットを得た。
【0057】[実施例1]層(X)の樹脂として参考例
1のプロピレン単独重合体を用い、層(Y)の樹脂とし
て、密度が0.931g/cm3 、MFRが5g/10
分のエチレン系樹脂(住友化学工業(株)製:商品名ス
ミカセンCE3506;高圧ラジカル重合法で得られた
低密度ポリエチレン)を用い、CBCテック(株)社製
の3種3層共押出Tダイフィルム成形機にて製膜するこ
とにより、層(Y)/層(X)/層(Y)なる2種3層
構成の多層フィルムを得た。
【0058】製膜に関し、層(Y)の樹脂については、
径が40mm、L/Dが32(Lは押出機のシリンダー
の長さ、Dは押出機のシリンダーの直径)の押出機2台
を用いて275℃にて該樹脂を溶融混練した後、フィー
ドブロックの両表面層側に導いた。層(X)の樹脂につ
いては、径が50mm、L/Dが32の押出機1台を用
いて250℃にて該樹脂を溶融混練した後、フィードブ
ロックの内層側に導いた。フィードブロックを経由した
これらの樹脂を、275℃に温調したTダイ(600m
m幅)から押し出したあと20℃のチルロールで引き取
ることによって冷却固化し、総厚み12μmの未延伸多
層フィルムを50m/分のライン速度で紙管に巻き取っ
た。多層フィルムの各層の厚み比は、層(Y)/層
(X)/層(Y)=1/1/1であった。フィルム物性
を表1に示す。
【0059】[実施例2]層(X)の樹脂として参考例
1のプロピレン単独重合体を50重量部、および他のプ
ロピレン単独重合体(住友化学工業(株)製:商品名ノ
ーブレンY501N;ダイスウェル比=1.4)50重
量部を用いた以外は、実施例1と同様にして多層フィル
ムを得た。フィルム物性を表1に示す。
【0060】[実施例3]層(X)の樹脂として、モン
テル・ジェーピーオー社製プロピレン単独重合体(PF
814;ダイスウェル比=2.4)50重量部、および
他のプロピレン単独重合体(住友化学工業(株)製:商
品名ノーブレンY501N)50重量部を用い、各層の
厚み比を、層(Y)/層(X)/層(Y)=2.5/1
/2.5とした以外は、実施例1と同様にして多層フィ
ルムを得た。フィルム物性を表1に示す。
【0061】[比較例1]実施例1における層(X)の
樹脂を、プロピレン単独重合体(住友化学工業(株)製:
商品名ノーブレンY501N;ダイスウェル比=1.
4)に変更した以外は、実施例1と同様に多層フィルム
を得た。フィルム物性を表1に示す。
【0062】[実施例4]実施例1における層(X)の
樹脂を、モンテル・ジェーピーオー社製プロピレン単独
重合体(PF814;ダイスウェル比=2.4)に変更
した以外は、実施例1と同様に多層フィルムを得た。フ
ィルム物性を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、カット性に優れた多層
フィルムが提供される。本発明の多層フィルムとして
は、耐熱温度が高く、粘着性、透明性に優れた多層フィ
ルムも提供され、家庭用や業務用のラップフィルム等の
自己粘着性包装用フィルムとして好ましく用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01B AK01C AK03B AK03C AK04A AK04B AK04C AK06 AK07 AK07A AL05A BA03 BA06 BA10B EH20 GB15 JA04A JA06A JA06B JA06C JA07A JB16B JB16C JL05 JL11 JN01 4J002 BB03X BB05X BB06X BB07X BB08X BB12W BB12X BB14W BB14X BB17X GG02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも層(X)と層(Y)とから構成
    され、層(X)が(a)ダイスウェル比が1.8以上の
    プロピレン系樹脂20重量%〜100重量%、および
    (b)該(a)と異なるオレフィン系樹脂80重量%〜
    0重量%を含有する樹脂組成物からなり、層(Y)が層
    (X)の樹脂組成物と異なる熱可塑性樹脂からなる多層
    フィルム。
  2. 【請求項2】プロピレン系樹脂(a)が、極限粘度が5
    dl/g以上の結晶性プロピレン重合体部分(A)を製
    造する工程および極限粘度が3dl/g未満の結晶性プ
    ロピレン重合体部分(B)を製造する工程を含む重合方
    法により得られるプロピレン重合体(T)であって、該
    プロピレン重合体(T)中の結晶性プロピレン重合体部
    分(A)の含有量が0.05重量%以上35重量%未満
    であり、該プロピレン重合体(T)の極限粘度が3dl
    /g未満かつ分子量分布が10未満であるプロピレン重
    合体(T)であることを特徴とする請求項1記載の多層
    フィルム。
  3. 【請求項3】オレフィン系樹脂(b)が、示差走査熱量
    測定による最高融解ピーク温度が150℃以上のプロピ
    レン系樹脂であることを特徴とする請求項1または2記
    載の多層フィルム。
  4. 【請求項4】層(Y)が、オレフィン系樹脂からなるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多層フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】層(Y)が、密度が0.920〜0.93
    5g/cm3、メルトフローレートが2〜10g/10
    分のエチレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の多層フィルム。
  6. 【請求項6】多層フィルムが、層(Y)/層(X)/層
    (Y)なる3層構成である請求項1〜5のいずれかに記
    載の多層フィルム。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の多層フィ
    ルムからなることを特徴とする自己粘着性包装用フィル
    ム。
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