JP2002264199A - 高表面硬度フイルムの製造方法 - Google Patents

高表面硬度フイルムの製造方法

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JP2002264199A
JP2002264199A JP2001070478A JP2001070478A JP2002264199A JP 2002264199 A JP2002264199 A JP 2002264199A JP 2001070478 A JP2001070478 A JP 2001070478A JP 2001070478 A JP2001070478 A JP 2001070478A JP 2002264199 A JP2002264199 A JP 2002264199A
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resin
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Makoto Tanaka
田中  誠
Akihiro Matsufuji
明博 松藤
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
    • B29C48/395Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders
    • B29C48/40Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders using two or more parallel screws or at least two parallel non-intermeshing screws, e.g. twin screw extruders

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂と充填材の混練において、充填材料の高
充填化での高剪断混練を実現し、良好な充填剤の均一性
を得ること、また結果として高硬度で透明性を有する高
硬度樹脂を得ること。 【解決手段】 充填材と樹脂を熔融混練、押出し成型で
作製される高表面硬度フイルムにおいて、熔融混練に二
軸スクリュー式混練押出し機を用いることを特徴とする
高表面硬度フイルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂中に充填材を
含有させることにより弾性率を向上させた高表面硬度フ
イルムに関するものであり、充填剤と樹脂とを熔融混練
する工程及びその後に押出し成形する工程を含んで作製
される高表面硬度フイルムに関するものである。さらに
詳しくは優れた耐擦傷性、表面硬度を有するハードコー
トフイルムや光学機能フイルム等に使用される、透明基
材の製造方法に関するものである。本発明により作成さ
れたフイルムは、CRT、LCD、PDP、FEDなど
のディスプレイ、タッチパネル、ガラス等の光学機能を
有する表面保護フイルムに使用することがある。
【0002】
【従来の技術】樹脂中に充填材を充填させると高硬度に
なることは、一般に広く知られているが、高粘度の樹脂
中へ充填材を導入することは困難であり、より良好な混
練性を得る為、鋭意研究がなされている。混練、押出し
方法としては、一軸スクリュー式混練押出し機が知られ
ており、広く一般に使用されている。さらに高充填化に
よる硬度のみではなく、樹脂の透明性も付与するため、
充填材の微粒子化及び高分散化が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】樹脂と充填材の混練及
び押出し成形において、所望の充填材濃度、均一性を得
ようとする際、前出の一軸スクリュー式混練押出し機に
おいては剪断力が小さく十分な混練性、均一性を得るの
が困難である。本発明は、樹脂と充填材の混練におい
て、充填材料の高充填化での高剪断混練を実現し、良好
な充填剤の均一性を得ること、また結果として高硬度で
透明性を有する高硬度樹脂を得るが課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明における課題解決
の為の具体的手段は、樹脂と充填材の熔融混練を行う際
に、二軸スクリュー式混練押出し機を用いることであ
る。二軸スクリュー式混練押出し機を用いることによ
り、従来の方法では不十分であった充填材の均一分散性
を向上させることが可能になった。その結果、高表面高
度と光学特性とを満足する樹脂を得ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に記述
する。まず、本発明に用いられる樹脂としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレート
共重合物、ポリブチレンテレフタレート、これらの混合
物などのポリエステル、ポリカーボネート、ノルボルネ
ン系樹脂(環状オレフィン共重合体)、トリアセチルセ
ルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂
等、ポリアリレート、ポリメタクリル酸メチルエステル
などが好ましい。これらの中では、ポリエチレンテレフ
タレートがフイルムとして使用するには好ましい。
【0006】本発明に用いる充填材としては、シリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア、雲母、タルク、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、硫酸カルシウム、カオリンおよびクレイのような無
機微粒子、架橋ポリスチレン、架橋ポリアクリレートエ
ステル樹脂のような有機微粒子が挙げられる。より好ま
しくはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、雲
母、タルク、クレイである。形状は、不定形、板状、球
状、針状のいずれでもよく、また、2種類以上の微粒子
を混合使用してもよい。これらの中では、シリカ、アル
ミナ、チタニア、ジルコニアなどのモース硬度6以上の
無機微粒子が好ましい。
【0007】本発明では、極めて小さな充填材を高濃度
で均一に分散することを目的としており、充填材の粒径
としては、1nm以上400nm以下が好ましい。より
好ましくは5nm以上200nm以下、さらに好ましく
は5nm以上100nm以下が好ましい。粒径は充填材
の種類にもよるが、1nm以下では分散が難しく凝集粒
子ができやすく、400nm以上ではヘイズが大きくな
りやすく、どちらも透明性を落としてしまう場合が多
く、前記範囲が好ましい。
【0008】充填材の添加量としては、5質量%以上5
0質量%以下が好ましい。7質量%以上40質量%以
下、より好ましくは10質量%以上30質量%以下がよ
り好ましい。充填材の添加体積は、充填材の密度(真比
重)により変化するが、充填材の占有体積としては、2
体積%以上50体積%以下が好ましく、さらに3体積%
以上30体積%以下が好ましい。
【0009】また本発明では、充填材と樹脂の屈折率差
がより小さいことが望ましく、充填剤の屈折率が樹脂と
同じか、樹脂の屈折率の差が0.5以下、より好ましく
は0.3以下であることが望ましい。
【0010】樹脂中に充填材を均一に分散させるには、
樹脂との濡れ性が良好であることが好ましく、表面修飾
されていることが好ましい。
【0011】一般に無機微粒子はバインダーポリマーと
の親和性が悪いため単に両者を混合するだけでは界面が
破壊しやすく、破断強度を向上させることは困難であ
る。無機微粒子とポリマーバインダーとの親和性を改良
するため、表面修飾剤は、一方で無機微粒子と結合を形
成し、他方で樹脂と高い親和性を有することが好まし
い。
【0012】これら表面修飾剤の代表例を以下に列挙す
る。 シランカップリング剤 HC=C(CH)COOCSi(OCH
C=CHCOOCSi(OCH CH−CHCHOCSi(OCH \O/(グリシジル基) ClCHCHSi(OCH ClCHCHCHSi(OCH R(OCHCHOCSi(OCH R(OCHCH(CH))OCSi(OC
ROCO(CHSi(OCH (Rは炭素数1から18のアルキル基、アルケニル基、
置換アルキル基など、n=1〜12) CHCOCHCOOCSi(OCH HSCHCHCHSi(OCH (CHCHO)POCSi(OCHCH
など チタネート系カップリング剤 C1735COOTi(OCH(CHなど 具体的には味の素(株)製プレンアクト(KRTTS,
KR46B,KR55,KR41B,KR38S,KR
138S,KR238S,338X,KR44,KR9
SA)) アルミニウム系カップリング剤 具体的にはプレンアクトAL−M(味の素(株)製)な
ど 飽和カルボン酸 C2n+1COOH(n=1〜1
0) CHCOOH CCOOHなど 不飽和カルボン酸 オレイン酸など ヒドロキシカルボン酸 クエン酸 酒石酸など 二塩基酸 シュウ酸 マロン酸 コハク酸など 芳香族カルボン酸 安息香酸など 末端カルボン酸エステル化合物 RCOO(C10COO)H HC=CHCOO(C10COO)H (Rは炭素数1から18のアルキル基、アルケニル基、
置換アルキル基など、n=1,2,3)など リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、及びホスホン
酸 RCOOCOCOC10OPO(OH) (RCOOCOCOC10O)POOH (Rは炭素数1から18のアルキル基、アルケニル基、
置換アルキル基など) CPO(OH) など 硫酸モノエステル、スルホン酸、及びスルホン酸塩 CHCOOCOSOH ベンゼンスルホン酸 ドデシルベンゼンスルホン酸 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ トリ(イソプロピル)ナフタレンスルホン酸ソーダなど ポリオキシエチレンアルキルエーテル C1225(OCHCH10OH C19‐C‐(OCHCH12OH ポリ(重合度20)オキシエチレンソルビタンモノラウ
リン酸エステルなど ポリオキシエチレン誘導体 ポリオキシエチレンアルキルエーテル ポリオキシエチレンアリールエステル ポリオキシエチレンアルキルエステルなど
【0013】これらの微粒子の表面修飾は、溶液中でな
されることが好ましい。表面修飾剤を溶解した溶液に微
粒子を添加し、超音波、スターラー、ホモジナイザー、
ディゾルバー、プレネタリーミキサー、ペイントシェー
カー、サンドグラインダー、ニーダーなどを用いて、撹
拌、分散しながら処理することが好ましい。
【0014】これらの無機微粒子の表面修飾は、液層あ
るいは固層でなされることが好ましい。液層で表面修飾
する場合は、表面修飾剤を溶解した溶液に無機微粒子を
添加し、超音波、スターラー、ホモジナイザー、ディゾ
ルバー、アジテーター、プレネタリーミキサー、ペイン
トシェーカー、サンドグラインダー、ニーダー、コロイ
ドミルなどを用いて、撹拌あるいは分散することが好ま
しい。表面修飾剤を溶解する溶液としては、極性の大き
な有機溶剤が好ましく、具体的には、アルコール、ケト
ン、エステル等の公知の溶剤が挙げられる。表面修飾し
た後、有機溶剤はろ別あるいは溜去、スプレイドライヤ
ーや真空乾燥により乾燥することが好ましい。
【0015】固層で表面修飾する場合は、無機微粒子を
ヘンシェルミキサー、パドルミキサー、V型混合機、W
型混合機、シェーカーミキサーなどで攪拌しながら、表
面修飾剤を添加しながら処理する方法で行うことができ
る。表面修飾した後、必要に応じて加熱処理し、無機表
面との反応を進めることができる。
【0016】表面処理した微粒子は、二次凝集している
場合があり解砕するため、ジェットミルなどの気流式粉
砕機、ボールミルなど方法で粉砕することが好ましい。
【0017】樹脂と充填材の熔融混練を行う際、2本の
スクリューシャフトおよびスクリューシャフトとバレル
間のクリアランス部分を樹脂と充填材が通過すること
で、強力なずり剪断を発生させ良好な混練状態を実現さ
せる二軸スクリュー式混練押出し機を使用することによ
り、充填材の高充填化で良好な混練性を達成できた。さ
らに具体的には、ベルストルフ社製ZE40A、栗本鐵工
所(株)製 KEX30、KEXP50二軸連続混練
機、神戸製鋼所(株)製 HYPERKTX 46,5
9二軸連続混練機等が挙げられる。
【0018】樹脂と充填材の混合は、事前に混合してお
くことが好ましい。混合の具体的な方法としては、ヘン
シェルミキサー、リボンミキサー、パドルミキサー、V
型混合機、W型混合機、シェーカーミキサーなどの乾式
混合できるものなら何でも構わない。樹脂がポリエチレ
ンテレフタレートの場合はペレットを100℃以上25
0℃以下、より好ましくは130℃以上200℃以下
で、5分以上5時間以下、より好ましくは10分以上1
時間以下乾燥させておくことが好ましい。
【0019】混練温度としては、樹脂が軟化熔融する温
度の範囲であることが好ましい。温度があまり高すぎる
と樹脂や充填材の表面修飾剤が熱分解をすることがあり
好ましくない。たとえばポリエチレンテレフタレートの
場合は200℃以上350℃以下、より好ましくは23
0℃以上320℃以下、さらに好ましくは260℃以上
300℃以下が好ましい。
【0020】混練時間としては1分以上100分以下、
より好ましくは2分以上50分以下、さらに好ましくは
3分以上30分以下が好ましい。二軸スクリュー式混練
押出し機で混練するときは、樹脂や充填剤の表面処理剤
などが酸化や熱分解することを防ぐため、不活性ガス雰
囲気で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素
ガスが好ましい。
【0021】樹脂と高濃度の充填材の混合を行い、さら
に樹脂を加えながら所定の充填材濃度まで希釈すること
もできる。希釈方法としては、一軸押出し機、二軸押出
し機、二軸混練押出し機、バンバリーミキサーなどがあ
る。希釈と追加の混練を兼ねることも好ましい。
【0022】充填材を混練混合した複合樹脂は、押出し
機を用いて射出成形したり、ダイを通してシート状にし
たり、さらに延伸してフイルムにしたりすることができ
る。
【0023】本発明の充填材を含む樹脂はシート状ある
いはフイルム状で使用される。これらは、単層で形成し
ても良いが、積層形成体で使用することも可能である。
このような積層体を作る場合は積層構造を有するTダイ
(マルチマニホールドダイなど)を用いて各成分を押し
出す。これを40℃〜100℃キャスティングドラムの
上で固化させ未延伸フイルムを作成することができる。
充填材を含む樹脂層(B層)を、B層より充填材含量の
少ない樹脂層(A層)の片面に積層(B/A)してもよ
く、B層より充填材含量の少ない樹脂層(B’層)をB層
の反対側のA層に積層(B/A/B’)しても良い。
【0024】ポリエステルテレフタレートの場合は未延
伸フイルムを作製した後さらに延伸することが好まし
い。静電印加法、水膜形成法(水等の流体をキャスティ
ングドラム上に塗布しメルトとドラムの密着をよくす
る)などを用い、キャスティングドラムへの密着を上げ
ることで、フイルムの平面性を改良でき好ましい。これ
を剥取り未延伸シートを形成する。次いで、未延伸シー
トを長手方向(MD)に延伸する。好ましい延伸倍率は
2.5倍以上4倍以下、より好ましくは3倍以上4倍以
下である。延伸温度は70℃以上160℃以下が好まし
く、より好ましくは80℃以上150℃以下、より好ま
しくは80℃以上140℃以下である。好ましい延伸速
度は10%/秒以上300%/秒以下、より好ましくは
30%/秒以上250%/秒、さらに好ましくは50%
/秒以上200%/秒以下である。このようなMD延伸
は周速の異なる一対のロール間を搬送することで実施で
きる。長手方向の延伸の後、巾方向(TD)に延伸す
る。巾方向の延伸倍率は2.5倍以上5倍以下が好まし
く、より好ましくは3倍以上4.5倍以下、さらに好ま
しくは3.3倍以上4.3倍以下である。延伸温度は7
5℃以上165℃以下が好ましく、より好ましくは80
℃以上160℃以下、より好ましくは85℃以上155
℃以下である。好ましい延伸速度は10%/秒以上30
0%/秒以下、より好ましくは30%/秒以上250%
/秒、さらに好ましくは50%/秒以上200%/秒以
下である。TD延伸は、フイルム両端をチャックしテン
ター内に搬送し、この幅を広げることで達成できる。ま
た、延伸後フイルムは熱固定をすることが好ましい。熱
固定温度は190℃以上275℃以下、より好ましくは
210℃以上270℃以下、さらに好ましくは230℃
以上270℃以下であり、好ましい処理時間は5秒以上
180秒以下、より好ましくは10秒以上120秒以
下、さらに好ましくは15秒以上60秒以下である。熱
固定中に幅方向に0%以上10%以下弛緩させるのが好
ましい。より好ましくは0%以上8%以下、さらに好ま
しくは0%以上6%以下である。このような熱固定およ
び弛緩は、フイルムの両端をチャックし熱固定ゾーンに
搬送し、この幅を狭めることで達成できる。またフイル
ム端部のトリミングも合わせて実施する。
【0025】好ましい使用形態としては、フイルム状が
好ましい。フイルムの厚みとしては、50μm以上30
0μm以下が好ましく、80μm以上260μm以下が
より好ましい。積層フイルムの場合は、B層、B’層の
厚みは5μm以上100μm以下が好ましく、より好ま
しくは15μm以上80μm以下、さらに好ましくは2
0μm以上60μm以下である。
【0026】本発明のフイルムは、機能層を付与するに
当たり密着力を向上させるため表面処理をすることが好
ましい。表面処理としては、紫外線処理、コロナ放電処
理、グロー放電処理、火焔処理、高周波処理、活性プラ
ズマ処理、レーザー処理、機械的処理、混酸処理、オゾ
ン酸化処理などの表面活性化処理があり、これらの表面
処理の中でも好ましいのは、紫外線照射処理、コロナ処
理、グロー処理、火焔処理である。
【0027】充填材を含む樹脂を用いたフイルムには少
なくとも一層の下塗り層を設けることもできる。本発明
で用いられる下塗り層の構成は、種々の工夫が行なわれ
ており、単層として基体によく接着する層を設けるのみ
でもよく、その上にさらに2層以上の構成層を設けてよ
く接着する樹脂層を塗布する所謂重層法がある。単層法
や重層法では、疎水性基と親水性基との両方を含有する
樹脂層を塗布することもよい。
【0028】下塗り層に利用できる素材は特に限定され
ないが、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエ
ン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アク
リル酸エステル、スチレンなどの中から選ばれた単量体
を出発原料とする共重合体、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラールなどの水酸基含有樹脂、塩素化ポリ
エチレンなどのハロゲン化合成樹脂などがある。
【0029】本発明のフイルムは、ハードコート層、反
射防止層、防眩性層、選択吸収層、紫外線吸収層、赤外
線吸収層、導電性層及び粘着層など公知の機能を付与す
ることができ、表面の硬度が硬い特徴を有する機能性フ
イルムとして使用することが可能である。特にハードコ
ート層を有し更にその上層に反射防止層などの光学機能
性薄膜を有する高硬度機能性フイルムとしての使用に適
している。
【0030】(実施例1)以下に樹脂がポリエチレンテ
レフタレートの実施例を挙げて本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 (1)ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂の作
成 テレフタル酸ジメチルエステル80部、エチレングリコ
−ル58部、酢酸マンガン4水和物0.029部、三酸
化アンチモン0.028部を加え、撹拌しながら200
℃に加熱した。副生するメタノ−ルを除去しつつ235
℃まで昇温した。メタノ−ルの副生が終了後トリメチル
リン酸0.03部を添加し、285℃に昇温しながら
0.3Torrに減圧し固有粘度0.62のPETを重
合した。その後、ヌードル状に熔融押出しし、カッター
で切断し、ペレット状のポリエチレンテレフタレートを
得、さらに微粉砕した(R−1)。作製したポリエチレ
ンテレフタレートは130℃で1時間真空乾燥を行っ
た。PETの屈折率は1.66でった。なお、固有粘度
は以下の方法で測定した。 フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混
合溶媒(重量比:60/40)にポリエチレンテレフタレ
ートを溶解し、0.2g/dl、0.6g/dl、1.
0g/dlの溶液を作成する。 これを20℃において、ウベローデ粘度計を用いて測
定する。 濃度に対し粘度をプロットし、濃度=0に外挿した粘
度を固有粘度とする。
【0031】2.充填材の表面処理 CHCOO(C10COO)H0.4kgをメ
チルエチルケトン5kgに溶解し、アルミナ(酸化アル
ミニウムC、日本アエロジル(株)製)2kgをプラネ
タリーミキサーで撹拌混合し、その後、横型のサンドミ
ル(メディアは1mmφのジルコニアビーズ)を用いて
分散した。分散液を、スプレイドライヤーで乾燥し、表
面修飾充填材(P−1)を作製した。アルミナの屈折率
は1.67であった。
【0032】3.充填材とポリエチレンテレフタレート
の混練 上記乾燥したポリエチレンテレフタレートペレット(R
−1)8kgと表面処理充填材(P−1)2kgとをヘ
ンシェルミキサーで混合した後、二軸スクリュー式混練
押出し機ベルストルフ社製ZE40Aを用いて混練混合を
行った(R−2)。尚、混練は、スクリュー回転数 2
00rpm、各ゾーンの設定温度 270℃処理速度;
15kg/hrの条件で行った。
【0033】4.高表面硬度フイルムの製膜 上記方法で調製した充填材含有樹脂ペレットを130℃
減圧下1時間乾燥した樹脂(R−2)および充填材を含
まない樹脂(R−1)を、それぞれ別の押出し機を用い
300℃で熔融し、5μmのメッシュフィルタ−で濾過
した後、積層構造を有するTダイ(マルチマニホールド
ダイ)から50℃の静電印加したキャスティングドラム
上にR−2(充填材含有樹脂)側が当たるように押し出
し、フイルムを調製した。
【0034】これを、MD延伸(倍率3.5倍、105
℃)、TD延伸(4.0倍、110℃)、熱固定(24
5℃)、熱緩和を行い、フイルム(F−1)を作製し
た。フイルム総厚は175μm、R−1とR−2層はそ
れぞれ125μm(A)、50μm(B)である。
【0035】5.コロナ処理 コロナ放電処理はピラー社製ソリッドステートコロナ処
理機6KVAモデルを用い、高表面硬度フイルム(F−
1)を20m/分で処理した。このとき処理は、0.3
75KV・A・分/mの処理とした。処理時の放電周
波数は、9.6KHz、電極と誘電体ロールのギャップ
クリアランスは、1.6mmで行った。
【0036】6.下塗り液の調製および塗布 下記素材を使用し、コロナ処理された高表面硬度フイル
ムとハードコート層の密着性を付与させる為の下塗り液
を調製し、塗布を実施した。 UV3300B(日本合成化学(株)製末端アクリル変性ウレタンオリゴマー) 5質量部 C919−C64−(OCH2CH212OH 0.05質量部 トルエン/酢酸メチル(1/1) 94.95質量部 これらの下塗り液を、バーコ−ターを用いて7ml/m
になるようにR−2(充填材含有層)側に塗布し、搬
送しつつ加熱ゾーンにて160℃で5分間加熱乾燥し
た。巻き取り直前で冷却ローラーにて30℃以下に冷却
し、作成した下塗り付き高表面硬度フイルムを巻き取っ
た。
【0037】7.ハードコート層塗布液の調製およびハ
ードコート層の作製 下記の通り、無機粒子含有のハードコート層塗布液の調
製し、塗布・乾燥・紫外線硬化処理を行い、R−2(充
填材含有層)側にハードコート層を形成した。 7−1 無機粒子分散液(M−1)の調製 メチルイソブチルケトン 234g アロニックスM5300(東亜合成(株)製オリゴエステルアクリレートポリマ ー) 36g AKP−G015(住友化学工業(株)製アルミナ) 180g 上記混合液をセラミックコートしたサンドミル(1/4
Gのサンドミル、メディアは1mmφのジルコニアビー
ズ)にて1600rpm、10時間微分散した。
【0038】7−2 ハードコート層用塗布液の調製 アルミナ微粒子を40質量%含有する、M−1分散液3
00gに、メタノール63g、イソプロパノール124
gおよび酢酸ブチル113gを加えた混合液に、ジペン
タエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリス
リトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本
化薬(株)製)280gを加えて溶解した。さらに、得
られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア184、チ
バガイギー社製)16.8gおよびメチルイソブチルケ
トン300gを添加した。混合物を30分間攪拌した
後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過し
てハードコート層用塗布液を調製した。
【0039】7−3 ハードコートフイルムの作製 下塗り層を設けた高硬度樹脂フイルム(F−1)に、そ
の面の上にバーコーターを用いて7−2で作成したハー
ドコート塗布液を層厚12μmになるように塗布・乾燥
し紫外線照射してハードコート層を作製した。
【0040】(実施例2〜6、及び比較例1)表1に記
載の充填材を使用し、実施例と同じ操作を行い、フイル
ムを作成した。尚、アエロジルの屈折率は1.44であ
った。 (比較例2)二軸スクリュー式混練押出し機の代わり
に、一軸混練押出し機を用いた以外は実施例1と同様の
操作を行い、フイルムを作成した。
【0041】
【表1】微粒子の分散、使用混練機および微粒子含量
【0042】各実施例において、作製したフイルムおよ
びハードコートフイルムの特性評価は以下のように行っ
た。
【0043】(1)フイルムの表面弾性率の測定 本発明における表面弾性率は微小表面硬度計((株)フ
ィッシャー・インスツルメンツ社製:フィッシャースコ
ープH100VP−HCU)を用いて求めた弾性率の値
である。具体的には、ダイヤモンド製の四角錐圧子(先
端対面角度;136°)を使用し、試験荷重下での押し
込み深さを測定し、試験荷重をその試験荷重で生じた圧
子の幾何学的形状から計算される圧痕の表面積で割った
ユニバーサル硬度から求められる値であり、押し込み深
さ1μmでの値である。
【0044】(2)フイルムの透過率、ヘイズ ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を
用いて測定した。
【0045】(3)フイルムの鉛筆硬度試験 鉛筆引っ掻き試験の硬度は、作製したハードコートフイ
ルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿
した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆を
用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆硬度評価
方法に従い、1kgの加重にて傷が認められない鉛筆の
硬度の値である。
【0046】
【発明の効果】表1から解る様に、本発明の二軸スクリ
ュー式混練押出し機にて充填材料を混練した充填材含有
樹脂を用いて作成したフイルムは透過率等の光学特性を
落とさず、表面の硬度が大きく、さらにハードコート層
を設けたものは優れた表面硬度を有していることが明ら
かである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高表面硬度フイルム及び機能性フイル
ムの好ましい構成の例である。
【符号の説明】
1 機能性層 2 ハードコート層 3 充填材含有層 4 充填材非含有層 5 粘着材層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 // B29K 67:00 B29K 67:00 105:16 105:16 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F070 AA47 AA71 AB09 AC11 AC71 AD04 AE01 FA03 FB06 FC06 4F071 AA02 AA43 AB00 AD02 AD06 AE17 AF25 AF30 AF30Y AH19 BB06 BC01 4F207 AA24 AB11 AC01 AF16 AG01 AG03 AH73 KA01 KK13 KK66 4J002 AB021 BC022 BG042 BG061 CE001 CF061 CF071 CF081 CF161 CG001 DE076 DE096 DE106 DE136 DE146 DE236 DG046 DG056 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 FA012 FA016 FA072 FA076 FA082 FA086 FD012 FD016 GF00 GH00 GP00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充填材と樹脂を熔融混練した後、押出し
    成形して作製される高表面硬度フイルムにおいて、熔融
    混練に二軸スクリュー式混練押出し機を用いることを特
    徴とする高表面硬度フイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 該樹脂が、ポリエステル系樹脂である請
    求項1に記載の高表面硬度フイルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 該充填材が無機または有機の微粒子であ
    る請求項1又は2に記載の高表面硬度フイルムの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 該充填材の粒径が、1nm以上400n
    m以下である請求項1ないし3いずれか1つに記載の高
    表面硬度フイルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 該充填材の屈折率が該樹脂と同じか、屈
    折率の差が0.5以下である請求項1ないし4いずれか
    1つに記載の高表面硬度フイルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 該樹脂が充填材を5質量%以上50質量
    %以下含有する請求項1ないし5のいずれか1つに記載
    の高表面硬度フイルムの製造方法。
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