JP2002263859A - 拡散接合機械部品製造用押さえ治具 - Google Patents
拡散接合機械部品製造用押さえ治具Info
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Abstract
用の管路を有する機械部品の組み立て時の液相拡散接合
による金属製精密機械部品の製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも2つ以上に分割された面を有
する機械部品を液相拡散接合により接合して組み立てる
に際し、該部品を酸化物、窒化物またはそれらの複合材
料からなり、被接合材料の接合面全体の30%以上の相
当面積に、少なくとも一方の外面から1000〜130
0℃で10MPa 以上の圧縮耐力を有する非金属材料から
なる治具で押さえる拡散接合機械部品製造用押さえ治
具。
Description
いて製造した各種機械部品に関し、特に、従来、素材か
ら切削、削りだし、穿孔、型抜き等の機械加工、或いは
直接溶融金属から鋳造、または鍛造等で環状ないし中空
形状を有する機械部品の加工に代わる液相拡散接合によ
り製造した機械部品に関するものである。
特に耐磨耗性、耐食性、耐疲労性の諸特性を個々に、或
いは同時に、かつ長時間にわたって要求される機械部
品、例えば、回転部品の軸受け、ベアリング、シリンダ
ーの摺動管などは、要求品質を満足するために、比較的
合金比率が高い、例えば、JIS−SUJに代表される
軸受け鋼ではC:1%,Cr:1%に加え、更にMn,
Moを含有した鋼材を使用しているが、部品同士を溶接
等により組み立てることは困難である場合が多い。その
ために、複雑な形状を有する機械部品については塊状の
鋼塊から削りだし、或いは熱間鍛造や穿孔によって概略
成形し、更に仕上げ加工を施した後、要求仕様に応じて
球状化処理、浸炭処理を行なって製造している。従っ
て、原材料の鋼塊価格よりも寧ろ製造工程における各種
加工工程コストが製品価格の大半を占めている。一方
で、自動車をはじめとする信頼性の要求される精密機械
部品では、同時に長時間の耐久性が要求され、長期間で
の仕様コスト低減を指向している。従って、例え高価で
あっても塊状金属から従来の製造方法で製造したこれら
精密機械部品が多用され、多くの部品価格、牽いては最
終製品価格の上昇を引き起こしている。
とする方法のうち、最も量産性が高く、低コストの方法
として熱間圧延、プレス成型が採用されているが、これ
らの技術は単一の形状、多くの場合は板などの簡単な形
状を有しており大量生産に好適であるも、中空形状の機
械部品、環状部品を上述の圧延やプレス成型で歩留まり
よく直接製造することはその形状の制約から難しく、現
在では全く工業化されていない実情にある。従って、環
状或いは中空形状を有する複雑な精密機械部品を効率よ
く大量生産する技術は工業的に確率されている状況にな
く、一方コスト低減の観点からも従来とは全く異なる製
造プロセスの開発が切望されている。
が脚光を浴びている。この液相拡散接合技術は、接合し
ようとする材料の接合面、すなわち開先間に、被接合材
料に比較して低い融点を有する合金、例えば、結晶構造
の50%以上が実質的に非晶質であり、かつ拡散律速の
等温凝固過程を経て継ぎ手を形成能を有する元素、例え
ばB,P,Ni,Feなどの多元合金を介在させ、継ぎ
手を挿入した低融点合金の融点以上の温度に加熱保持
し、等温凝固過程で継ぎ手を形成する技術である。
と異なり、溶接残留応力が殆どないこと、或いは溶接の
ような余盛りを発生しない平滑かつ精密な継ぎ手を形成
できるなどの特徴を有している。しかもこの技術は面接
合であるため接合面の面積によらず接合時間が一定で、
かつ比較的短時間で接合が完了する利点を有し、従来の
溶接とは全く異なる接合技術である。従って、開先さえ
挿入して低融点金属以上の温度に所定時間保持できれ
ば、開先形状を選ばず面同士の接合を実現できる。ま
た、一方では、従来の非酸化性雰囲気でのみ実現可能な
液相拡散接合について、酸化性雰囲気下でも適用可能な
液相拡散接合用合金箔が知られている。(特許第189
1618号、同第1891619号、同第183757
2号公報)。しかしながら、現状では、この液相拡散接
合技術は、接合面の面積が比較的大きい部材の接合にの
み適用され精密機械部品等の接合には用いられていな
い。
中空形状を有する耐磨耗性、耐食性、耐疲労性の諸特性
を同時に満足する複雑な精密機械部品を高効率で、かつ
低コストで大量生産可能な拡散接合機械部品を提供する
ことを目的とする。
決するためになされたものであって、その要旨は、少な
くとも2つ以上に分割された面を有する機械部品を液相
拡散接合により接合して組み立てるに際し、該部品を酸
化物、窒化物またはそれらの複合材料からなり、100
0〜1300℃で10MPa 以上の圧縮耐力を有する非金
属材料からなる治具で押さえることを特徴とする拡散接
合機械部品製造用押さえ治具、であり、また本発明は、
上記接合において、被接合材料の接合面全体の30%以
上の相当面積に、少なくとも一方の外面から1000〜
1300℃で10MPa 以上の圧縮耐力を有する非金属材
料からなる治具で押さえることを特徴とする拡散接合機
械部品製造用押さえ治具、である。また、本発明におけ
る上記液相拡散接合は酸化性雰囲気中で行われる。
とする機械部品の材質は特に限定しない。液相拡散接合
ができると考えられる金属材料は全て本発明の技術を適
用することができる。例えば、通常の炭素鋼、高炭素
鋼、低炭素鋼など通常の溶接が適用困難な材質であって
も液相拡散接合は接合継ぎ手を実現可能である。また、
Cr或いはNiを種々の割合で含有するステンレス鋼、
高耐食合金鋼、Niを基材とするNi基合金やその他の
合金および非鉄材料であるAl,Ti,Znおよびその
他の実用金属などもそれらに適した接合用合金を用いれ
ば全て液相拡散接合が可能となる。また、液相拡散接合
を実現する非晶質合金組成としてもとくだんの制限がな
く、米国特許第4,144,058号公報に記載の合金
を始め、特開昭49−91014号公報に記載のP,
B,C等を拡散原子として含有する液相拡散接合用合金
を使用することができる。
液相拡散接合用合金を用いて、内部に流体搬送用、重量
軽減用、或いは摺動部品通過のため等の目的を有する管
路を備えた、元来一体成型で製造していた精密機械部品
を、最初に管路を含む面で複数に分割した部品毎に、例
えば、プレス成形或いは圧延、研削、研磨など従来の一
体成型と機械加工の組み合わせに対して安価な製造工程
を経て製造し、それらを液相拡散接合用合金を介して組
み立て、液相拡散接合によって一体化する工程を経るこ
とが必要である。
の対比で、内部に存在する管路を通過する面で分割して
あることが必要で、これによって各部品をプレス成形な
どの安価でかつ簡便な方法で製造可能ならしめる。ま
た、この分割は2以上であれば幾つでも可能であって、
製造が簡易化し、かつ製造工程な煩雑或いは多数となる
結果、従来製造工程に対して高価とならない範囲で適宜
選択すればよい。また、分割面は平面でも曲面でも、連
続或いは不連続の多面ないしは曲面であってもよく、そ
の形状は分割することで各部品の製造が容易になるよう
に適宜選択すればよい。なお、最終形状の部品が内部に
有する管路は連続した一つの経路でも、複数の独立した
経路でもよく、管路自体の形状は自由で、単に組み立て
時に接合する面が対応すればよく、特に制限はない。管
路は外表面に対して開口していても、いなくても組み立
ては可能である。なお、被接合材料と液相拡散接合用合
金の組み合わせで接合部の特性は種々に変化する。
管路を有する複数に分割された精密機械部品、例えば、
図1に示すようなCr:1.0%,Mo:0.5%を含
有する高炭素鋼からなる自動車燃料噴射弁の管路に平行
な面で2分割した分割面にNi基の液相拡散接合用合金
を介して組み立て、液相拡散接合するに際し、分割され
た被接合材料(被接合部材)を拡散接合効率および必要
接合強度を得るために、被接合材料を外面から押さえ治
具で所望の応力を負荷して押さえる必要がある。この押
さえ治具は液相拡散処理温度に十分耐え得る材料でなけ
ればならない。即ち、液相拡散処理温度は1000〜1
300℃の高温に達し、しかも被接合材料に10MPa 以
上という大きな応力負荷を与えながら処理するために、
耐熱性および高温強度に優れた材料である必要がある。
本発明者らは、この要請に応えることが可能な材料を探
索し、通常のCr−Mo系耐熱性合金鋼を試験的に使用
してみたが上記液相拡散処理温度で10MPa の応力負荷
で座屈現象が見られたため、酸化物、窒化物またはそれ
らの複合材料からなるセラミックスである窒化珪素を使
用したところ何ら座屈現象が見られず、このセラミック
ス材が最適であることを知見した。
なる治具で押さえるに際し、被接合材料の接合面全体の
30%以上の相当面積に、少なくとも一方の外面を上記
非金属材料の治具で押さえることで強固な接合強度を有
する拡散接合機械部品が製造できることを見い出したも
のである。なお、この押さえ治具での押さえ面積は10
0%であることが理想的であるが、非金属材料の外部表
面は複雑な形状をしている場合が多く、そのため一部分
での押さえでは非金属材料の接合面同士の接合面積が少
なくなり過ぎて拡散接合が不均一になるためできるだけ
接合面積を多くとる必要があり、非金属材料の外部形状
にも依存するがほぼ30%が確保できれば必要な接合強
度が得られると言える。
被接合材料の組織は低温変態生成組織に分類される、マ
ルテンサイトあるいはベイナイトであり、かつ接合金属
内に前記接合金属と被接合材料金属との融合によって生
成された合金化により、被接合材料と同一の低温変態生
成組織を一部または全部に有する組織が得られれば同様
に強固な接合面が得られることになる。なお、本発明に
おいて、液相拡散接合は、酸素0.01質量%以上を含
む酸化性雰囲気、好ましくは大気中で、N2 或いはAr
を被接合材料の内外面表面に吹きつけて接合作業を行う
ことが好ましい。
品の仕様によって接合面の特性を自由に変えることがで
き、接合継ぎ手としての特性は特に制限がない。継ぎ手
効率は1である必要はなく、かつ組織的にも完全に均質
化している必要もない。勿論、継ぎ手効率が1で完全均
質体であることは機械部品の特性上好ましいが、部品の
製造コストに応じて決定することができる。また、組み
立て終了後に機械部品に対して種々の熱処理、化成処
理、加工を施すことが可能であり、例えば、鋼材であれ
ば焼き入れ、焼き戻し、焼準、焼鈍などの熱処理工程を
単独で、或いは複合で、場合によっては繰り返し施すこ
とも、部品としての特性を向上させるのに有効であっ
て、本発明の効果を何ら妨げない。また、浸炭処理、窒
化処理、メッキ、或いは塗装、粉末などの吹きつけ処
理、ショットブラストなどの表面加工も有効である。
供給用管路を有す自動車燃料噴射弁の製造について述べ
る。この自動車燃料噴射弁は、図1に示すようなCr:
1.0%,Mo:0.5%を含有する高炭素鋼からなる
鍛造にて管路に平行な面で2分割した半割り部品の分割
面1,2の間に厚さ30μmのB,Pを少量含むNi基
の非晶質合金からなる液相拡散接合用合金を挟み、前記
部品を突合せ、前記部品を外部上下面から窒化珪素から
なる押さえ治具で押さえ、次いで、部品全体を高周波誘
導加熱コイルを有する雰囲気制御可能な高周波誘導加熱
炉中で液相拡散接合温度:1100℃から加熱を開始
し、1150℃に到達した時点で90〜120秒の間、
接合面に押さえ治具で2MPa 以上の負荷応力を負荷し続
け、その後負荷応力を減じて低応力ないし無負荷として
5分保持し、その後、被接合材料の組織がマルテンサイ
ト変態或いはベイナイト変態などの無拡散変態温度以上
の温度まで焼き割れを防止するために5℃/sec 以上の
冷却速度で急冷し、続いて放冷して変態が終了するまで
この放冷を維持した後、室温まで1℃/sec 以上の冷却
速度で急冷した。このような処理を行うことによって、
被接合材料の組織が低温変態生成組織に分類される、ベ
イナイトであり、かつ接合金属内に前記接合金属と被接
合材料金属との融合によって拡散接合された部位におい
ては、被接合材料と同一の低温変態生成組織を一部また
は全部に有していた。その後、最終の外形に仕上げて自
動車用燃料噴射弁の製品とした。これを実際の自動車部
品として組み込んで使用したところ、従来の機械加工し
た自動車用燃料噴射弁と同一の使用性能が得られ、高温
耐酸化特性、耐磨耗性、流体圧力に対する接合面強度に
おいて何ら遜色のない値が得られた。
成型によって製造する、内部に複雑かつ精密な管路を有
する自動車用燃料噴射弁のような精密機械部品の製造
を、簡易に製造可能な分割部品から、それらを液相拡散
接合技術によって貼り合わせる工程を採用することで、
金属製精密機械部品を安価かつ効率的に製造することを
可能にしうるものである。
部に有する管路を通過する面で分割した場合の分割部品
形状を示す図で、特に流体噴射弁の例を示す図。
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくとも2つ以上に分割された面を有
する機械部品を液相拡散接合により接合して組み立てる
に際し、該部品を酸化物、窒化物またはそれらの複合材
料からなり、1000〜1300℃で10MPa 以上の圧
縮耐力を有する非金属材料からなる治具で押さえること
を特徴とする拡散接合機械部品製造用押さえ治具。 - 【請求項2】 前記接合において、被接合材料の接合面
全体の30%以上の相当面積に、少なくとも一方の外面
から1000〜1300℃で10MPa 以上の圧縮耐力を
有する非金属材料からなる治具で押さえることを特徴と
する請求項1記載の拡散接合機械部品製造用押さえ治
具。 - 【請求項3】 前記液相拡散接合が酸化性雰囲気中で行
われることを特徴とする請求項1または2記載の拡散接
合機械部品製造用押さえ治具。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001065499A JP2002263859A (ja) | 2001-03-08 | 2001-03-08 | 拡散接合機械部品製造用押さえ治具 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002263859A true JP2002263859A (ja) | 2002-09-17 |
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Family Applications (1)
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JP2001065499A Pending JP2002263859A (ja) | 2001-03-08 | 2001-03-08 | 拡散接合機械部品製造用押さえ治具 |
Country Status (1)
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2001
- 2001-03-08 JP JP2001065499A patent/JP2002263859A/ja active Pending
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