JP2002256188A - インク組成物及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インク組成物及びインクジェット記録装置

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JP2002256188A
JP2002256188A JP2001059324A JP2001059324A JP2002256188A JP 2002256188 A JP2002256188 A JP 2002256188A JP 2001059324 A JP2001059324 A JP 2001059324A JP 2001059324 A JP2001059324 A JP 2001059324A JP 2002256188 A JP2002256188 A JP 2002256188A
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延崇 長田
Kiyofumi Nagai
希世文 永井
Kakuji Murakami
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 インクと接する部材の一部がガラス又は更に
シリコン、シリコン酸化物、或いはシリコン酸化膜、窒
化チタン膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シル
コン膜のいずれかで形成されるインクジェットプリンタ
において、上記材料の溶出を防止してインク滴の大きさ
や吐出速度の変化、吐出不良を防止し、かつ分散又は溶
解安定性の優れたインクジェット記録用インクを提供す
る。 【解決手段】 色材及び水を主成分とする水性インク組
成物であって、一般式1のスルホニウムイオン、一般式
2のアルソノウムイオン、 (Ra〜RdはC〜Cのアルキル基、ヒドロキシア
ルキル基、ハロゲン化アルキル基、置換または未置換の
フェニル基、X-は対イオン。)B化合物、Be2+
オン、Al3+イオン、Zn2+イオン、Ti4+イオ
ン、Zr4+イオン及び/又はSi2+イオンから成る
カチオン性イオン又はカチオン性物質の1種以上を含有
する水性インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録において、インクと接する部材の少なくとも一部が硼
珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結晶
シリコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、窒化チタン
膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜の
いずれかで形成されるインクジェットプリンタに用いる
インク及びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録方式は本体が
小型で価格が安く、低ランニングコスト、低騒音といっ
た利点から近年急速に普及しており、電子写真用転写
紙、印刷用紙、タイプライター用紙、ワイヤードットプ
リンター用紙、ワードプロセッサー用紙、レター用紙、
レポート用紙等種々のノンコートな普通紙に印字可能な
インクジェットプリンタが市場に投入されている。微細
加工のしやすさ、加工精度、プロセス等からガラス又は
更にシリコン、シリコン酸化物を使用したインクジェッ
トプリンタがある。
【0003】このようなインクジェットプリンタに用い
られるインクとしては、一般に溶媒に分散または溶解す
る着色剤および湿潤剤−多価アルコールまたはそのエー
テル類−と溶媒より構成され、必要に応じて浸透剤、防
カビ剤、防腐剤、分散剤等を含有するが、このインクを
上記のガラス又は更にシリコン、シリコン酸化物を使用
したインクジェットプリンタに充填し長時間使用あるい
は放置すると、インクに接しているガラス又は更にシリ
コン、シリコン酸化物が溶出する。そのため、インクジ
ェットプリンタの設計精度が落ちるため、インク滴の大
きさやインク滴の吐出速度が変化し画像品質を低下させ
たり、最悪の場合は吐出不良が発生する。また接合部で
のガラス又は更にシリコン、シリコン酸化物の溶出によ
り接合強度が低下するため、吐出不良や最悪の場合、接
合部が剥がれて故障する。
【0004】特に、液室部材がガラス又はシリコン、シ
リコン酸化物で構成されるインクジェットプリンタで
は、精密さが要求される液室の寸法精度が落ちるため、
上述した問題が顕著に発生する。流体抵抗がガラス又は
シリコン、シリコン酸化物で構成されるインクジェット
プリンタでは、ガラス又はシリコン、シリコン酸化物の
溶出により流体抵抗が変化してしまい、インク滴の大き
さやインク滴の吐出速度の変化が顕著に起こり画像品質
を低下させたり、最悪の場合は吐出不良が発生する。振
動板がガラス又はシリコン、シリコン酸化物で構成され
るインクジェットプリンタでは、振動板の厚さが減少す
るため、インク滴の大きさやインク滴の吐出速度が変化
したり、吐出不良が発生するため画像品質を低下させた
り、最終的には振動板が薄くなるため振動に耐えられず
破損する。ノズルがガラス又はシリコン、シリコン酸化
物で構成されるインクジェットプリンタでは、ノズルの
径が大きくなるため、インク滴の大きさやインク滴の吐
出速度が変化したり吐出不良が発生するため画像品質を
低下させる。
【0005】一方、ガラス又はシリコン、シリコン酸化
物が溶出してきたインクでは、着色剤の溶解あるいは分
散安定性が低下し着色剤が析出して目詰まり等を引き起
こす。また、溶出してきたガラス又はシリコン、シリコ
ン酸化物自体も水等の溶媒の蒸発によって過飽和状態と
なって、ノズル表面等で析出し目詰まりを引き起こす。
現状ではこれら問題が解決されていないため、例えば、
あらかじめ充填されているインクがなくなったときに一
緒にヘッドも交換するなど比較的短期間しか使用するこ
とができなかった。
【0006】これらを解決するため、インクジェットプ
リンタとしては、特開平5−155023号公報、WO
98−42513号公報等に記載されているようにガラ
ス、又は更にシリコン、シリコン酸化物の上にSiN、
TiN、TiO等の無機物や有機物の層を設けて防止す
る方法がある。これは、ガラス又はシリコン、シリコン
酸化物の溶出を防止する効果はあるものもあるが、製造
で工程が増えるため多大なコストがかかり、非常に高価
なインクジェットプリンタとなってしまう。また、これ
らの膜は、ピンホールが発生しやすく均一に形成するこ
とは困難であり、膜に欠陥が生じることが多い。またヘ
ッドの方式や構造によっては、膜の形成自体を工程に取
り入れることができない場合もある。更に、最近の実験
では、ブラック染料のある種の染料では、これらの層を
設けても溶出が防げないことが明らかとなってきてお
り、他の色材でも長期的には規格値を超える溶出に至る
場合も確認されている。
【0007】インクとしては、特開平9−123437
号公報でインク中に尿素を添加することで、ガラス又は
シリコン、シリコン酸化物が溶出してもインク中に安定
して溶解させ析出を防止する方法が提案されているが、
ガラス又はシリコン、シリコン酸化物の溶出そのものを
防止する効果はないため、ガラス又はシリコン、シリコ
ン酸化物を精度の求められる部分に使用することはでき
ない。そのため、ガラス又はシリコンあるいは熱酸化等
で比較的容易に膜を形成できるシリコン酸化物、更には
シリコン、シリコン酸化物の上にSiN、TiN、Ti
O等の無機物や有機物の層を設けて基板でも溶出しない
インクが要求される。特公平7−51687号公報で
は、ナトリウムイオンの含有量が規定されたインクが記
載されている。また、特開平5−331391号公報で
は、ナトリウム、カリウムの含有量が規定されたインク
が記載されており、同様に特開平8−333542号公
報、特開平9−25441号公報ではそれぞれナトリウ
ム、カリウムの含有量が規定されたインクが記載されて
いる。また、本出願人は、特許第1677642号公報
でインク中に特定の染料とそのカウンターイオンとして
第四級アンモニウムを含有するインクを提案しており、
特許2085163公報でインク中に染料と第四級ホス
ホニウムイオンを含有するインクを提案している。これ
らは目詰まりやコゲーション、保存安定性等の課題に対
し提案されているが、インクと接するガラス又はシリコ
ン、シリコン酸化物、更にはシリコン、シリコン酸化物
の上にSiN、TiN、TiO等の無機物や有機物の層
を設けて基板の溶出の防止について十分に検討されてい
なく、実際にこれらのインクを使用してもガラス又はシ
リコン、シリコン酸化物の溶出という課題を解決するこ
とはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みてなされたもので、インクと接する部材の少な
くとも一部がガラス又は更にシリコン、シリコン酸化物
のいずれかで形成されるインクジェットプリンタに用い
るインクジェット記録用インクとして、インクと接する
ガラス、シリコン、シリコン酸化物の溶出を防止するこ
とにより、インク滴の大きさやインク滴の吐出速度の変
化、吐出不良を防止し、かつインクの分散又は溶解安定
性の優れたインクジェット記録用インクを提供すること
を目的とする。また、別の目的は、インクと接する部材
の少なくとも一部が硼珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、
感光性ガラス、単結晶シリコン、ポリシリコン、シリコ
ン酸化膜、窒化チタン膜、ジルコニウム膜、酸化チタン
膜、窒化シリコン膜のいずれかで形成されるインクジェ
ットプリンタに用いるインクジェット記録用インクとし
て、インクと接する上記化合物の溶出を防止することに
より、インク滴の大きさやインク滴の吐出速度の変化、
吐出不良を防止し、かつインクの分散又は溶解安定性の
優れたインクジェット記録用インクを提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の
(1)「色材及び水を主成分とする水性インク組成物で
あって、下記(式1)のスルホニウムイオン、(式2)
のアルソノウムイオン、
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】 (但し、(式1)及び(式2)中、Ra、Rb、Rc、
Rdは炭素数1ないし4の直鎖状、分岐状、環状アルキ
ル基、ヒドロキシアルキル基、ハロゲン化アルキル基、
置換または未置換のフェニル基を表わし、X−は対イオ
ンを表わす)ホウ素化合物、Be2+イオン、Al3+イオ
ン、Zn2+イオン、Ti4+イオン、Zr4+イオン及び/
又はSi2+イオンから成るカチオン性イオン又はカチオ
ン性物質のうちの少なくとも1種以上を含有することを
特徴とする水性インク」、(2)「インクと接する部材
の少なくとも一部が硼珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、
感光性ガラス、単結晶シリコン、ポリシリコン、シリコ
ン酸化膜、窒化チタン膜、ジルコニウム膜、酸化チタン
膜、窒化シリコンのいずれかで形成されるインクジェッ
トプリンタに用いられることを特徴とする前記第(1)
項に記載の水性インク」、(3)「前記インク中のアル
カリ金属の含有量の合計が700ppm以下で、且つ該
インク中に含まれるアニオン性化合物の当量に対し、前
記カチオン性イオン又はカチオン性物質を合計で30%
以上含むことを特徴とする前記第(2)項に記載の水性
インク」により達成される。
【0012】また、上記課題は、本発明の(4)「イン
クのpHが7から10の範囲にあることを特徴とする前
記第(2)項または第(3)項に記載のインクジェット
記録用インク」、(5)「液室部材の部材の少なくとも
一部が硼珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラ
ス、単結晶シリコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、
窒化チタン膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シ
リコン膜のいずれかより形成されたインクジェットプリ
ンタに用いることを特徴とする前記第(2)項乃至第
(4)項の何れか1に記載のインクジェット用記録イン
ク」、(6)「流体抵抗部の部材の少なくとも一部が硼
珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結晶
シリコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、窒化チタン
膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜の
いずれかより形成されたインクジェットプリンタに用い
ることを特徴とする前記第(2)項乃至第(4)項の何
れか1に記載のインクジェット記録用インク」、(7)
「振動板の部材の少なくとも一部が硼珪酸ガラス、ソー
ダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結晶シリコン、ポリシ
リコン、シリコン酸化膜、窒化チタン膜、ジルコニウム
膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜のいずれかより形成
されたインクジェットプリンタに用いることを特徴とす
る前記第(2)項乃至第(4)項の何れか1に記載のイ
ンクジェット記録用インク」、(8)「ノズルの部材の
少なくとも一部が硼珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感
光性ガラス、単結晶シリコン、ポリシリコン、シリコン
酸化膜、窒化チタン膜、ジルコニウム膜、酸化チタン
膜、窒化シリコン膜のいずれかより形成されたインクジ
ェットプリンタに用いることを特徴とする前記第(2)
項乃至第(4)項の何れか1に記載のインクジェット記
録用インク」により達成される。
【0013】また、上記課題は、本発明の(9)「液室
部材の部材の少なくとも一部が硼珪酸ガラス、ソーダ石
灰ガラス、感光性ガラス、単結晶シリコン、ポリシリコ
ン、シリコン酸化膜、窒化チタン膜、ジルコニウム膜、
酸化チタン膜、窒化シリコン膜のいずれかより形成され
たインクジェットプリンタと、前記第(2)項乃至第
(8)項の何れか1に記載のインクジェット記録用イン
クを用いて記録を行なうことを特徴とするインクジェッ
ト記録方法」、(10)「流体抵抗部の部材の少なくと
も一部が硼珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラ
ス、単結晶シリコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、
窒化チタン膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シ
リコン膜のいずれかより形成されたインクジェットプリ
ンタと、前記第(2)項乃至第(8)項の何れか1に記
載のインクジェット記録用インクを用いて記録を行なう
ことを特徴とするインクジェット記録方法」、(11)
「振動板の部材の少なくとも一部が硼珪酸ガラス、ソー
ダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結晶シリコン、ポリシ
リコン、シリコン酸化膜、窒化チタン膜、ジルコニウム
膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜のいずれかより形成
されたインクジェットプリンタと、前記第(2)項乃至
第(8)項の何れか1に記載のインクジェット記録用イ
ンクを用いて記録を行なうことを特徴とするインクジェ
ット記録方法」、(12)「ノズルの部材の少なくとも
一部が硼珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラ
ス、単結晶シリコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、
窒化チタン膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シ
リコン膜のいずれかより形成されたインクジェットプリ
ンタと、前記第(2)項乃至第(8)項の何れか1に記
載のインクジェット記録用インクを用いて記録を行なう
ことを特徴とするインクジェット記録方法」、(13)
「液室部材、流体抵抗部、振動板、ノズルをエッチング
処理、サンドブラスト処理、エキシマレーザー加工、ド
リル加工することにより溝を形成することを特徴とする
前記第(5)項乃至第(12)項の何れか1に記載のイ
ンクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方
法」により達成される。
【0014】また、上記課題は、本発明の(14)「記
録液を収容した記録液収容部を備えた記録液カートリッ
ジにおいて、前記記録液が前記第(2)項乃至第(8)
項のいずれか1に記載のインクジェット用インクである
ことを特徴とする記録液カートリッジ」、(15)「記
録液を収容した記録液収容部と、記録液滴を吐出させる
ためのヘッド部を備えた記録液カートリッジにおいて、
前記記録液が前記第(2)項乃至第(8)項のいずれか
1に記載のインクジェット用インクであることを特徴と
する記録液カートリッジ」、(16)「記録液を収容し
た記録液収容部と、記録液滴を吐出させるための記録ヘ
ッドとを有する記録液カートリッジを備えたインクジェ
ット記録装置において、前記記録液が前記第(2)項乃
至第(8)項のいずれか1に記載のインクジェット用イ
ンクであることを特徴とするインクジェット記録装置」
により達成される。
【0015】本発明者等は鋭意研究の結果、ナトリウム
やカリウム等、特定の元素の含有量を減らしただけで
は、目詰まりやコゲーション等に効果がある場合はあっ
ても、インクと接するガラス、シリコン、シリコン酸化
物等の溶出を防止することはできず、一般式(式1)に
示すホスホニウムイオン等の腐食防止剤を添加すること
で、それが可能となることを見出した。すなわち、イン
ク中に含有される全てのアルカリ金属の含有量の合計
は、ICPの測定結果からするとおよそ800ppmで
あるが、トータルのインクに対し0.05%〜5.0
%、好ましくは0.1%〜2.0%、より好ましくは
0.2〜0.8%の腐食防止剤を含むことで、インクと
接するガラス、シリコン、シリコン酸化物等の溶出を防
止することができるとの知見を得、上記の問題点をすべ
て解決できることを見出した。ここでいう腐食防止剤と
は、スルホニウムイオン、アンモニウムイオン、オニウ
ムイオン、アルソニウムイオン、ベリリウムイオン(B
2+)、アルミニウムイオン(Al 3+)、亜鉛イオン
(Zn2+)、チタニウムイオン(Ti4+)、ジルコニウ
ムイオン(Zr4+)、シリケートイオン(Si2+)等を
いう。また、ここでいうアルカリ金属とは周期表1族の
金属で、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、
ルビジウム、セシウム、フランシウムであるが、実際の
インク中にはナトリウムが一番多い。また、フランシウ
ムは、計算上では地球上の地殻20kmに全体として数
百グラム存在するだけであり、地球上に極く僅かしか存
在しないため、ほとんどゼロと考えてよいので、実際は
フランシウムを除いたアルカリ金属の合計の含有量を管
理すればよい。
【0016】本発明で用いられるガラスは、通常のいか
なるガラスを用いてもよいが、硼珪酸系ガラス、石英ガ
ラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、軟質ガラ
ス(青板ガラス)が好ましい。他の材料とで構成される
ヘッドに用いる場合は、線膨張係数が近似するガラスを
用いることが好ましく、例えば、シリコンと構成される
ヘッドであれば、パイレックス(登録商標)ガラス#7
740、コーニングコート7913、コーニングコート
7052、コーニングコート7056等が挙げられる。
陽極接合に最も好ましいガラスとして、無アルカリガラ
ス基板OA−2、OA−10、低アルカリガラス基板B
LC(日本電気硝子(株))、青板ガラス(軟質ガラ
ス)SL、NA(HOYA)等が挙げられる。これらの
ガラスは、シリコンとの接続も可能である。また、感光
性ガラスも用いることができる。異方性エッチングが可
能な感光性ガラスはより好ましい。具体的には、HOY
A(株)や日本電気硝子(株)製の異方性エッチングが
可能な感光性ガラスがある。
【0017】インク中のアルカリ金属は、インクと接す
るガラス、シリコン、シリコン酸化物等の中に進入し拡
散するため、ガラス、シリコン等を溶出させ続けてしま
う働きがあると考えられる。このようなシリコン、シリ
コン酸化物の溶出は、インク中のアルカリ金属の含有量
の合計を700ppm以下、好ましくは150ppm以
下、更に好ましくは50ppm以下にすることでも抑制
することができるが、一般式(式1)で示されるホスホ
ニウムイオン等の腐食防止剤を含むことで、アルカリ金
属の含有量を減らさなくても問題とならないレベルまで
抑制できる。その理由として、腐食防止剤は、インクと
接するガラス、シリコン、シリコン酸化物等の表面に吸
着し留まるため、継続したガラスやシリコンの溶出は行
なわれず、たとえアルカリ金属の含有量が多くてもガラ
スやシリコンの溶出を防止する働きがあると考えられ
る。このことは、腐食防止剤を添加した場合の電気二重
層を調べてみると、添加していない場合と比べてゼータ
電位に違いが確認でき、ガラスやシリコン表面に吸着し
留まっていることが確認できる。
【0018】なお、本発明においてイオンがすべて一種
類の化合物である必要はなく、他のイオンや化合物と混
合して用いることもできる。イオンとして、スルホニウ
ムイオン、アンモニウムイオン、オニウムイオン、アル
ソニウムイオン、ベリリウムイオン(Be2+)、アルミ
ニウムイオン(Al3+)、亜鉛イオン(Zn2+)、チタ
ニウムイオン(Ti4+)、ジルコニウムイオン(Z
4+)、シリケートイオン(Si2+)等が挙げられ、化
合物として、カチオン性樹脂、ホウ素化合物、オレフィ
ン系化合物等が挙げられる。一般式(式1)で示される
スルホニウムイオンのなかでも(化1)、(化2)、
(化3)、(化4)で示される化合物はガラス、シリコ
ン、シリコン酸化物等の溶出防止効果が特に高く、着色
剤の分散又は溶解安定性に優れ、インクジェット記録用
インクに求められる他の品質も満足するため、更に好ま
しい。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】 上記式(化1)、(化2)、(化3)、(化4)で示さ
れる化合物以外にも一般式(式1)で示されるホスホニ
ウムイオンとして、具体的には下記に示す式(化5)〜
(化24)に示すものをあげることができる。
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】
【化15】
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】
【化20】
【0035】
【化21】
【0036】
【化22】
【0037】
【化23】
【0038】
【化24】
【0039】
【化25】
【0040】
【化26】
【0041】
【化27】
【0042】
【化28】 また、一般式(式2)で示されるアルソニウムイオンの
なかでも式(化31)、(化32)、(化33)、(化
34)で示される化合物はシリコン、シリコン酸化物の
溶出防止効果が特に高く、着色剤の分散又は溶解安定性
に優れ、インクジェット記録用インクに求められる他の
品質も満足するため、更に好ましい。
【0043】
【化29】
【0044】
【化30】
【0045】
【化31】
【0046】
【化32】 上記式(化31)、(化32)、(化33)、(化3
4)で示される化合物以外にも一般式(式2)で示され
るアルソニウムイオンとして、具体的には下記に示す式
(化35)〜(化56)に示すものをあげることができ
る。
【0047】
【化33】
【0048】
【化34】
【0049】
【化35】
【0050】
【化36】
【0051】
【化37】
【0052】
【化38】
【0053】
【化39】
【0054】
【化40】
【0055】
【化41】
【0056】
【化42】
【0057】
【化43】
【0058】
【化44】
【0059】
【化45】
【0060】
【化46】
【0061】
【化47】
【0062】
【化48】
【0063】
【化49】
【0064】
【化50】
【0065】
【化51】
【0066】
【化52】
【0067】
【化53】
【0068】
【化54】
【0069】もちろんこれらに限定されるものではな
い。これらの中から、インクジェット記録用インクに求
められる他の品質を満足し、毒性等の副作用のない範囲
であれば、一種又は複数を添加することができる。中で
も1分子イオン中の炭素数が4〜12であることが好ま
しい。炭素数が12より大きくなると、水などの溶媒に
対する溶解性が低下し、印字休止中や連続印字中に目詰
まりを生じたり、インクの保存中にインクの分離、沈殿
発生を生じる傾向が強くなるといった副作用が生じる傾
向が強くなる。
【0070】本発明は、上述したようにアルカリ金属の
含有量が多くても腐食を防止するものであるが、インク
に添加する着色剤や浸透剤、分散剤、界面活性剤等のア
ニオン性化合物がナトリウム塩やカリウム塩等のアルカ
リ金属塩の型で入手される場合、添加量によってはその
まま使用するとアルカリ金属の含有量が800ppmを
超えかなりの量になってしまう場合がある。この場合、
アニオン性化合物のカウンターイオンをアルカリ金属塩
以外のイオンに少なくとも一部を替えることでアルカリ
金属の含有量を低減してもよい。その方法としては、イ
オン交換樹脂による方法、ナトリウムなどのアルカリ金
属塩の溶液に所望のイオン、好ましくは一般式(式1)
や一般式(式2)で示されるオニウムイオンを含有する
塩を加えて析出させる塩析法が直接イオンを交換する方
法としてあげられる。一旦、ナトリウムなどのアルカリ
金属の塩を遊離酸とする方法は、イオン交換樹脂で処理
する方法の他に、アニオン性化合物又はその溶液に強酸
を加えて、溶媒抽出、残留、ろ過などにより分離する方
法が挙げられる。
【0071】アニオン性化合物がアルカリ金属以外の型
で得られる場合には、そのまま使用してもよい。また、
前述した方法でイオンの少なくとも一部を一般式(式
1)で示されるオニウムイオンに替えて使用することも
よい。また、アニオン性化合物が遊離酸の型で得られる
場合には、遊離酸のアニオン性化合物又はその溶液の少
なくとも一部をアルカリ金属以外のイオン、好ましくは
一般式(式1)で示されるオニウムイオンを添加するこ
とにより本発明のインクを得ることもできる。
【0072】具体的に、オニウムイオンをインク組成物
に添加するには、下記のような方法がある。 (i)pH調整剤として添加する方法 pH値の調整剤として水酸化オニウム、炭酸オニウム等
として添加することによってオニウムイオンをインク組
成物に添加することができる。すなわち、水酸化オニウ
ム、炭酸オニウム等は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム等とおよそ同等の酸塩基解離定数を有しており、従
来、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を用いてイン
クのpHを調整していたのと同様にオニウムを用いて行
なうことができる。
【0073】(ii)染料のカウンターイオンとして添
加する方法 −SO3H、−COOH、−OH等の酸性基を有する染
料のカウンターイオンとして添加する方法には次のよう
な方法がある。
【0074】(a)酸析法 染料がその溶液のpH値を下げたときに沈澱する場合に
用いることができる。オニウム以外の陽イオン(一般に
はNa+)の塩となつている染料〔DM〕を溶媒に溶解
し、塩酸、硫酸、酢酸、硝酸等の酸を加え、遊離酸型の
染料を沈澱させる。
【0075】
【数1】D-++H+-→DH↓+M+- (D…染料イオン、M…Na,NH4,K等の陽イオ
ン、X-…Cl-、NO3 -,SO2- 4,CH3COO-等の
陰イオン) 沈澱をロ過、洗浄し、不純物としてのM+-を除く。こ
のようにして得られた染料を水酸化オニウムで溶解して
インクに用いる。
【0076】
【数2】DH+〔R1234P〕+OH-→D-〔R12
34P〕++H20
【0077】(b)塩析法 染料を水、水−エタノール混合溶媒、水−メタノール混
合溶媒、水−アセトン混合溶媒に溶解しておき、塩化オ
ニウム、酢酸オニウム、硫酸オニウム等のオニウム塩を
添加していき、染料をオニウム塩として沈澱させる。
【0078】
【数3】D-++〔R1234P〕+-→D〔R12
34P〕↓+M+- 得られた沈澱をロ過し、前記の溶媒等で洗浄し、M+-
を除く。この染料はそのままインクに用いることができ
る。
【0079】(c)イオン交換法 陽イオン交換能のある樹脂または膜を用い、染料溶液を
樹脂または膜を通過させて直接にオニウム塩にしたり、
一旦、(a)の酸析法のように遊離酸型にした後、水酸
化オニウムで染料のオニウム塩を得る。 イ)イオン交換基のイオンをオニウム型にして染料溶液
を通過させる。
【0080】
【数4】R-〔R1234P〕++D-+→R-++D
-〔R1234P〕+ (R-はイオン交換樹脂又は膜のイオン交換基) ロ)イオン交換基をH+型にして染料溶液を通過させ
る。この場合、遊離酸型の染料の溶解性が高い酸性染料
のイオン交換に特に適する。
【0081】
【数5】R-++D-+→D-++R-+
【0082】(d)合成段階でのオニウム塩添加法 染料を合成するときの材料にオニウム塩を用いる。例え
ば、原料中の酸性化合物を溶解し添加する際に、従来は
NaOHを使用して溶解しているところを、水酸化オニ
ウムを用いて溶解する方法である。ジアゾ化に用いるN
aNO2のかわりに〔R1234P〕+NO2を用い
る。アルカリカップリングを行なうために従来反応液中
にNaOH,Na2CO3を加えていたが、これに替えて
オニウム塩を添加する方法等が挙げられる。
【0083】(e)抽出法 D-+とD-〔R1234P〕+又はD-+の特定溶媒
に対する溶解度の差を利用して得られるD-〔R123
4P〕+をインクに利用する方法である。例えば、D-
+の染料を溶解した後、オニウム塩を添加し、溶液中
の溶媒を蒸発乾固して、染料のオニウム塩とM+塩との
混合物を得た後、メタノール等の有機溶媒でソックスレ
ー抽出を行ない、メタノールに溶解性の高い染料のオニ
ウム塩を得る方法が挙げられる。
【0084】(iii)染料以外のインクへの添加物のカ
ウンターイオンとして添加する方法 電気伝導性調整剤…従来、NaCl,LiCl,Na2
SO4,NaNO3等が用いられているが、これらに替え
てオニウム塩を用いることができる。 防腐剤…デヒドロ酢酸ソーダ、安息香酸ソーダ、2−ピ
リジンチオールオキサイド・ナトリウム塩、1,2−ベ
ンズイソチアザリン−3−オン・ナトリウム塩等が用い
られているが、これらのナトリウム塩に替えてオニウム
塩を用いる。 界面活性剤…ドデシルベンゼンスルフオン酸・ナトリウ
ム塩等アニオン界面活性剤のナトリウムの替りにオニウ
ムを用いる。 キレート剤…EDTA三ナトリウム塩の替りにオニウム
塩を用いる。 オニウムイオンをインク組成物に添加するには、pH値
の調整剤として水酸化オニウムまたは炭酸オニウムとし
て添加するか、あるいはスルホン酸、カルボン酸等の酸
性基を含む染料のカウンターイオンとして添加するのが
最も好ましい。pH調整剤として用いても、他の染料等
のインク原料のカウンターイオンとして用いても、オニ
ウムイオンのほとんどはインク中で解離して〔R12
34P〕 +として存在することには変わりなく、ただ、
量的な点で通常インク中の陽イオンは染料のカウンター
イオンとして存在するものが最も多い。インク中に含ま
れるオニウム以外のNa+,K+,NH4 +等のイオンはで
きる限り少ない方が本発明の効果は大きいので、目的に
応じて上記のいずれか、又は他の方法により染料のカウ
ンターイオン(陽イオン)をオニウム塩に替えて使用す
ることが好ましい。
【0085】このようにアニオン性化合物が遊離酸の型
で入手できる場合には、インク調合時に遊離酸型の化合
物をアルカリ金属以外の塩に替える必要がなく、アニオ
ン性化合物の当量に対して30%以上、より好ましくは
50%以上の一般式(式1)で示されるオニウムイオン
を加え、インクのpH値を6.0以上に調整することに
より、上記カウンターカチオンを持つアニオン性化合物
がインクに含有されるので、特に、インクを製造するま
でに要する作業が簡略となり、得られるインクを安価な
ものとすることができ、しかも極めて容易にガラス、シ
リコン、シリコン酸化物等の溶出を防止することができ
るので好ましい。カウンターイオンが一般式(式1)で
示されるオニウムイオンである場合には、置換または置
換されたアルキル基を有し、1分子イオン中の炭素数が
4〜12であることが好ましい。炭素数が12より大き
くなると、水などの溶媒に対する溶解性が低下し、印字
休止中や連続印字中に目詰まりを生じたり、インクの保
存中にインクの分離、沈殿発生を生じる傾向が強くなる
といった副作用が生じる傾向が強くなる。
【0086】オニウム塩の対イオン:X-は、ハロゲン
イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、酢酸イオン、燐酸
イオン、硫酸イオン等の無機系陰イオンならびに蟻酸、
酢酸、プロピオン酸、絡酸、吉草酸、グリコール酸、グ
ルコン酸、乳酸等の有機酸由来の有機系陰イオンなど任
意のものでよいが、インク中で高い割合でイオン的に解
離していることが好ましく、よって、ハロゲンイオン、
硝酸イオン、亜硝酸イオン、酢酸イオンから選ばれる一
価の陰イオンが好ましく、特に、ヒドロキシルイオンが
好ましい。
【0087】スルホニウム塩の合成方法は、下記反応式
に示すように、硫黄化合物とハロゲン化アルキル化合物
を溶剤中で加熱しながら反応させると、スルホニウム塩
が合成でき、その後、希望する対イオンに塩交換反応さ
せることで合成できる。例えば、ジメチルスルフィドと
クロロベンゼンとをアセトニトリル中で反応させると、
式(化24)が合成でき、その後、水酸化ナトリウムで
塩交換させるとヒドロキシルイオンのスルホニウム塩が
できる。
【0088】
【化55】
【0089】
【化56】
【0090】
【化57】
【0091】
【化58】
【0092】また、Xは左に行くほど電子吸引性基の影
響が高く、カチオン性がより強くなりシリコン基板への
付着力が増し、腐食効果が大きくなると予想される。
【0093】スルホニウムイオンやアルソニウムイオン
の他に、ポリアリルアミンやポリエチレンイミン等の通
常のカチオン性樹脂もほぼ1%の添加で同様の効果が見
られる。また、三重結合の円筒状電子雲(パイ電子)及
び隣接OH基の活性水素原子を持つアセチレン系界面活
性剤のオルフィンB、Pやサーフィノール61等は、ガ
ラスやシリコン表面に配向や錯体形成を容易に生成し、
オニウムイオンと同様な効果を示す。また、カチオン性
の色材であるカチオン性染料、カチオン性カーボンブラ
ック、カチオン性顔料やホウ素化合物もガラスやシリコ
ン表面に配向し、オニウムイオンと同様な効果を示す。
【0094】具体的に、カチオン性化合物の種類とし
て、ジシアンジアミド・ホルマリン重縮物、ジシアンジ
アミド・ジエチレントリアミン重縮物、エピクロルヒド
リン・ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルア
ンモニウムクローライド・SO 2共重合物、ジメチルジ
アリルアンモニウムクローライド重合物、アリルアミン
塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクルレ
ート4級塩重合物、ポリアリルアミン、カチオンエポキ
シ樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポ
リ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルホルムアミ
ド、アミノアセタール化ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピリジン、ポリビニルベンジルホスホニウム、カチ
オンエマルジョン等が挙げられる。
【0095】これらカチオン性樹脂は市販のものを用い
ることが可能で、具体的には、サンスタットE−81
8、サンフィックス70、サンフィックス555C、サ
ンフィックスLC−55、サンフックスPAC−700
コンク、サンヨウエリオンA−3、サンフィックス41
4、サンフィックス555、サンフィックスPRO−1
00、サンフィックス555US、セロポールYM−5
00(以上三洋化成工業株式会社製)、#675、#F
R−2P、#1001(以上住友化学工業株式会社
製)、LUPASOL SC61B(BASF社製)等
が挙げられる。また、ZP−700(ビニルホルムアミ
ド系)、MP−184(ポリアクリル酸エステル系)、
MP−173H(ポリメタクリル酸エステル系)、MP
−180(ポリメタクリル酸エステル系)、MX−02
10(ポリメタクリル酸エステル系)、MX−8130
(ポリアクリル酸エステル系)、E−395(ポリアク
リル酸エステル系)、E−305(ポリアクリル酸エス
テル系)、 Q−105H(ジシアンジアミド系)、N
eo−600(ポリアクリルアミド系)、(以上ハイモ
株式会社製)、スーパーフロック2490(ポリアクリ
ル酸塩系)、スーパーフロック3180、3380、3
580、3880、3390、3590、3500、S
D2081(ポリアクリルアミド)、アコフロックC4
98T、C498Y(ポリアクリル酸エステル系)、ス
ーパーフロック1500、1600、アコフロックC4
81、C483、C485、C488、C480 (ポ
リメタアクリル酸エステル)、(以上三井サイテック株
式会社製)、 PAS−A−1、PAS−A−5、PA
S−A−120L、PAS−A−120S、PSA−J
−81、PAS−880、PAS−92(ジアリルジメ
チルアンモニウム塩系共重合物)、PAS−H−5L、
PAS−H−10L、PAS−M−1(ジアリルジメ
チルアンモニウム塩系重合物)、(以上日東紡績製)、
PAA−HCl−3L、PAA−HCl−10L(ポリ
アリルアミン塩酸塩)、PAA−10C(ポリアリルア
ミン)(以上日東紡績製) Q−101(ポリアミン
系)、Q−311(ポリアミン系)、Q−501(ポリ
アミン系)、(以上ハイモ株式会社製)、アコフロック
C567、C573、C577、C581(ポリアミン
系)、(以上三井サイテック株式会社製)等が挙げられ
る。
【0096】また、カチオン性エマルジョンとして、ア
クリットUW319−SX、アクリットRKW−46
0、アクリットRKW−400SX、アクリットRKW
−450SX、アクリットRKW−450(以上大成化
工株式会社製)等が挙げられる。これらのカチオン樹脂
は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても構わ
ない。
【0097】また、具体的に、アセチレン系化合物の種
類として、日信化学工業(株)製のサーフィノール10
4E、サーフィノール104H、サーフィノール104
A、サーフィノール104BC、サーフィノール104
PA、サーフィノール104S、サーフィノール42
0、サーフィノール440、サーフィノール465、サ
ーフィノール485、サーフィノールSE、サーフィノ
ールSE−F、サーフィノール504、サーフィノール
DF110D、サーフィノールDF110L、サーフィ
ノールDF37、サーフィノールDF58、サーフィノ
ールDF75、サーフィノールDF210、サーフィノ
ールCT111、サーフィノールCT121、サーフィ
ノールCT131、サーフィノールCT151、サーフ
ィノールTG、サーフィノールGA、サーフィノール6
1、オルフィンB、オルフィンP、オルフィンY、オル
フィンA、オルフィンSTG、オルフィンSPC、オル
フィンE1004、オルフィンE1010、オルフィン
AK−02等が挙げられる。
【0098】また、ホウ素化合物の種類として、具体的
に、トリイソプロピルボラート、トリエチルオキソニウ
ムテトラフルオロボラート、トリエチルボラート、トリ
ブチルボラート、トリ−tert−ブチルボラート、ト
リ−iso−プロピルボラート、トリメチルボラート等
がある。界面活性剤では、ホウ素系界面活性剤エマルボ
ン(東邦化学工業(株)社)、ジグリセリンボラート
(ボロンインターナショナル社製)、(各々下記式(化
57)、(化58))等が挙げられる。
【0099】これらの半極性ホウ素化合物は、有機ホウ
素化合物において、分子内でプラス(+)とマイナス
(−)の極性を持つ化合物である。B−O結合を持つ有
機ホウ素化合物は、通常ならばホウ素は配位数3である
ため結合角120度の平面結合を形づくるが、上記半極
性ホウ素化合物は、電子供与性基がホウ素結合へ引きつ
けられ4面体構造をとる。ガラスやシリコン基板の表面
はマイナス(−)電荷で、ホウ素化合物はこれに対して
マイナス(−)の反発する層を形成し、ガラスやシリコ
ンの溶出を防いでいると考えられる。
【0100】
【化59】
【0101】
【化60】
【0102】ベリリウムイオン(Be2+)、アルミニウ
ムイオン(Al3+)、亜鉛イオン(Zn2+)、チタニウ
ムイオン(Ti4+)、ジルコニウムイオン(Zr4+)、
シリケートイオン(Si2+)については、下記に示す通
りである。 (a)ベリリウムイオン 酸化ベリリウム、水酸化ベリリウム、硫酸ベリリウム四
水和物等が挙げられる。 (b)アルミニウムイオン アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムイソプ
ロピラート、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニ
ウムエチラート、アルミニウムエトキシド、アルミニウ
ムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシ
ド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウム
トリ−sec−ブトキシド、アルミニウムトリ−ter
t−ブトキシド、アルミニウムトリメトキシド、アルミ
ニウムn−ブチラート、アルミニウムsec−ブチラー
ト、アルミニウム−n−ブトキシド、アルミニウム−s
ec−ブトキシド、アルミニウム−tert−ブトキシ
ド、アルミニウム−iso−プロピラート、アルミニウ
ム−iso−プロポキシド、アルミニウムメチラート、
アルミニウムエトキシド等が挙げられる。 (c)亜鉛イオン 塩化亜鉛、塩化亜鉛アンモニウム、塩化亜鉛ジエチルエ
ーテル錯体、塩化アンモニウム亜鉛、オレイン酸亜鉛、
ギ酸亜鉛二水和物、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛二水和物、
サリチル酸亜鉛三水和物、シュウ酸亜鉛二水和物、酒石
酸亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、トリフルオロメタンスルホ
ン酸亜鉛等が挙げられる。 (d)チタニウムイオンについて 三塩化シクロペンタジエチルチタニウム、ジシクロペン
タジエチルチタニウム、チタニウムイソプロピラート、
チタニウムイソプロポキシド、チタニウムエチラート、
チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラ
エトキシド、チタニウムテトラ−n−ブトキシド、チタ
ニウムテトラプロポキシド、チタニウムn−ブチラー
ト、チタニウムn−ブトキシド、チタニウムiso−プ
ロピラート、チタニウムiso−プロポキシド等が挙げ
られる。 (e)ジルコニウムイオンについて ジルコニウムアセチルアセテート、ジルコニウムイソプ
ロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジ
ルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムプロ
ピラート、ジルコニウムiso−プロピラート、ジルコ
ニウムiso−プロポキシド等が挙げられる。 (f)シリケートイオンについて テトラメチルアンモニウムシリケート、エチルシリケー
ト、テトラエチルオルソシリケート、テトラエチルシリ
ケート、アンモニウムヘキサフルオロシリケート等があ
るが、これらに限定されるものではなくこれ以外のもの
でも効果のあるものは広く用いることができる。
【0103】これらの添加剤の加えられたインクのpH
は、7〜10が好ましく、この範囲内にあるとガラスや
シリコン基板を溶出させることはない。ガラスやシリコ
ン基板の溶出にはpHが低いほど好ましく、7〜9がよ
り好ましく、7〜8が最も好ましい。
【0104】本発明のインク記録液の溶媒としては、水
が主成分として使用されることが多いが、インクを所望
の物性にするため、インクの乾燥を防止するため、ま
た、インクの溶解安定性を向上させるため、等の目的で
水溶性有機溶媒を使用することができる。
【0105】すなわち、水溶性有機溶媒としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコーノール、ポリプロピ
レングリコール、1,5ペンタンジオール、1,6へキ
サンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリ
オール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−
ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール
類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコール
アルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニル
エーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等
の多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2
−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリド
ン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノ
ン、ε−カプローラクタム等の含窒素複素環化合物、ホ
ルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミ
ン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタ
ノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、
炭酸エチレン、γ−ブチローラクトン等を用いることが
できる。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは、複
数混合して使用することができる。
【0106】これらの中で特に好ましいものは、ジエチ
レングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリ
コール200〜600、トリエチレングリコール、グリ
セリン、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4
−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタン
ジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキ
シエチルピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチ
ルイミダゾリジノンであり、これらを用いることにより
インクの乾燥による目詰まり、すなわち水分蒸発による
噴射特性不良の防止、及び本発明のインクの溶解安定性
を向上する上で優れた効果が得られる。
【0107】本発明に用いられる着色材としては、その
ままあるいは上述した方法などで、アルカリ金属を減ら
して本発明で示すインク中のアルカリ金属の含有量を満
たすものであればいずれも使用することができる。水溶
性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染
料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に
分類される染料で、好ましくは耐水、耐光性が優れたも
のが用いられる。
【0108】これら染料を具体的に挙げれば、酸性染料
および食用染料として、 C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,
79,142 C.I.アシッドレッド 1,8,13,14,18,
26,27,35,37,42,52,82,87,8
9,92,97,106,111,114,115,1
34,186,249,254,289 C.I.アシッドブルー 9,29,45,92,24
9 C.I.アシッドブラック 1,2,7,24,26,
94 C.I.フードイエロー 3,4 C.I.フードレッド 7,9,14 C.I.フードブラック 1,2 等が使用できる。
【0109】また、直接性染料として、 C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,26,
33,44,50,86,120,132,142,1
44 C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,13,17,
20,28,31,39,80,81,83,89,2
25,227 C.I.ダイレクトオレンジ 26,29,62,10
2 C.I.ダイレクトブルー 1,2,6,15,22,
25,71,76,79,86,87,90,98,1
63,165,199,202 C.I.ダイレクトブラック 19,22,32,3
8,51,56,71,74,75,77,154,1
68,171 等が使用できる。
【0110】更に、塩基性染料として、 C.I.べーシックイエロー 1,2,11,13,1
4,15,19,21,23,24,25,28,2
9,32,36,40,41,45,49,51,5
3,63,64,65,67,70,73,77,8
7,91 C.I.ベーシックレッド 2,12,13,14,1
5,18,22,23,24,27,29,35,3
6,38,39,46,49,51,52,54,5
9,68,69,70,73,78,82,102,1
04,109,112 C.I.べーシックブルー 1,3,5,7,9,2
1,22,26,35,41,45,47,54,6
2,65,66,67,69,75,77,78,8
9,92,93,105,117,120,122,1
24,129,137,141,147,155 C.I.ベーシックブラック 2,8等が使用できる。
【0111】更にまた、反応性染料として、 C.I.リアクティブブラック 3,4,7,11,1
2,17 C.I.リアクティブイエロー 1,5,11,13,
14,20,21,22,25,40,47,51,5
5,65,67 C.I.リアクティブレッド 1,14,17,25,
26,32,37,44,46,55,60,66,7
4,79,96,97 C.I.リアクティブブルー 1,2,7,14,1
5,23,32,35,38,41,63,80,95 等が使用できる。特に、酸性染料および直接性染料が好
ましく用いることができる。
【0112】また、インクジェット用で新たに開発され
た染料ももちろん用いることができる。例えば、アビシ
ア製のProjet Fast B1ack2,Pro
jet Fast Magenta2,Projet
Fast Yel1ow2,Projet Fast
Cyan2(登録商品名)が挙げられる。
【0113】顔料としては、無機顔料として、酸化チタ
ン及び酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化
アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、
クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、
サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボ
ンブラックを使用することができる。また、有機顔料と
しては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合
アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料
(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノ
ン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオ
キサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソ
インドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレ
ート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレ
ートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラ
ックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親
和性のよいものが好ましく用いられる。インク組成物中
の着色剤としての顔料の添加量は、0.5〜25重量%
程度が好ましく、より好ましくは2〜15重量%程度で
ある。
【0114】本発明において好ましく用いられる顔料の
具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、
ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラ
ック等のカーボンブラック(C.Iピグメントブラック
7)類、または銅、鉄(C.Iピグメントブラック1
1)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.
I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられ
る。さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイ
エロー1,3,12,13,14,17,24,34,
35,37,42(黄色酸化鉄),53,55,81,
83,95,97,98,100,101,104,4
08,109,110,117,120,138,15
0,153、C.I.ピグメントオレンジ5,13,1
6,17,36,43,51、C.I.ピグメントレッ
ド1,2,3,5,17,22,23,31,38,4
8:2,48:2(パーマネントレッド2B(C
a)),48:3,48:4,49:1,52:2,5
3:1,57:1(ブリリアントカーミン6B),6
0:1,63:1,63:2,64:1,81,83,
88,101(べんがら),104,105,106,
108(カドミウムレッド),112,114,122
(キナクリドンマゼンタ),123,146,149,
166,168,170,172,177,178,1
79,185,190,193,209,219、C.
I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ),
3,5:1,16,19,23,38、C.I.ピグメ
ントブルー1,2,15(フタロシアニンブルー),1
5:1,15:2,15:3(フタロシアニンブル
ー),16,17:1,56,60,63、C.I.ピ
グメントグリーン1,4,7,8,10,17,18,
36等がある。
【0115】その他、顔料(例えばカーボン)の表面を
樹脂等で処理し、水中に分散可能としたグラフト顔料
や、顔料(例えばカーボン)の表面にスルホン基やカル
ボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした加
工顔料等が使用できる。また、顔料をマイクロカプセル
に包含させ、該顔料を水中に分散可能なものとしたもの
であってもよい。本発明の好ましい態様によれば、イン
ク中の顔料は平均粒径が50nm〜200nmの範囲で
あることが好ましい。ここでいう平均粒径とは、体積累
積パーセント50%の値を指す。体積累積パーセント5
0%の値を測定するには、例えば、インク中のブラウン
運動を行なっている粒子にレーザー光を照射し、粒子か
ら戻ってくる光(後方散乱光)の振動数(光の周波数)
の変化量から粒子径を求める動的光散乱法(ドップラー
散乱光解析)といわれる方法を用いることができる。
【0116】顔料分散剤としては、そのまま又は上述し
た方法などで、アルカリ金属を減らすことで本発明で示
すインク中のアルカリ金属の含有量を満たすものであれ
ばいずれも使用することができる。
【0117】顔料は、分散剤で水性媒体中に分散させて
得られた顔料分散液として記録液に添加されるのが好ま
しい。好ましい分散剤としては、従来公知の顔料分散液
を調整するのに用いられる公知の分散剤を使用すること
ができる。
【0118】高分子分散剤として、例えば以下のものが
挙げられる。親水性高分子として、天然系ではアラビア
ガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカ
ストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クイ
ンスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カ
ラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイ
ン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサン
テンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系
ではメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプ
ングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナ
トリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウ
ム、アルギン酸ブロピレングリコールエステル等の海藻
系高分子、純合成系ではポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アク
リル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル
酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレ
ン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合
体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエス
テル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリ
ル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリ
ル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体、
スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マ
レイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢
酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル
−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン
酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等が挙げ
られる。これらの共重合体は重量平均分子量が3,00
0〜50,000であるのが好ましく、より好ましくは
5,000〜30,000、最も好ましくは7,000
〜15,000である。高分子分散剤の添加量は、顔料
を安定に分散させ、本発明の他の効果を失わせない範囲
で単独または二種以上を適宣添加させてよい。顔料と分
散剤との比としては1:0.06〜1:3の範囲が好ま
しく、より好ましくは1:0.125〜1:3の範囲で
ある。
【0119】また、水溶性界面活性剤を顔料分散剤とし
て使用することも可能である。この場合、この使用量に
対するインク粘度の上昇が高分子分散剤を使用した場合
よりも小さく、インクジェット記録法に用いたときに良
好な吐出特性の顔料インクを得やすい。
【0120】顔料分散剤として使用する水溶性界面活性
剤の具体例として、例えば、アニオン界面活性剤として
は、アルキルアリル、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸
塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、
アルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルアリ
ールエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテルエステ
ル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンオレフィ
ンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
リン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩、エーテルカルボキシレート、スルホコハク酸
塩、α−スルホ脂肪酸エステル、脂肪酸塩、高級脂肪酸
とアミノ酸の縮合物、ナフテン酸塩等がある。
【0121】カチオン界面活性剤としては、アルキルア
ミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザ
ルコニウム塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジ
ニウム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ホス
ホニウム塩等がある。
【0122】ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレングリコールエステ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタン
エステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリ
オキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオ
キシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオ
キシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ア
ミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グ
リセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、アルキル
(ポリ)グリコキシド等がある。
【0123】両性界面活性剤としては、イミダゾリニウ
ムベタイン等のイミダゾリン誘導体、ジメチルアルキル
ラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(ア
ミノエチル)グリシン等がある。分散剤としての界面活
性剤の添加量は、顔料を安定に分散させ、本発明の他の
効果を失わせない範囲で単独または二種以上を適宣添加
させてよい。
【0124】本発明のインクには上記着色剤、溶媒の他
に従来知られている添加剤を加えることができる。これ
らもそのままあるいは上述した方法などで、アルカリ金
属を減らして本発明で示すインク中のアルカリ金属の含
有量を満たすものであればいずれも使用することができ
る。
【0125】例えば、インクの表面張力を調整する目的
で浸透剤を添加することができ、このような浸透剤とし
ては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどの
多価アルコール類、ジエチレングリコールモノフェニル
エーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、
エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレング
リコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチル
エーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエ
ーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエー
テル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロ
ック共重合体、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−
プロパノール等の低級アルコール類が挙げられる。
【0126】さらに、インクには記録液の表面張力を調
整して被記録材に対する浸透性を改良し、また、インク
ジェットプリンタのヘッド部材に対する記録液の濡れ性
を向上させることにより、記録液の吐出安定性を改良す
る等の目的で界面活性剤を添加することができる。
【0127】例えば、アニオン界面活性剤としては、ア
ルキルアリル、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸塩、ア
ルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキ
ルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、
アルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルアリール
エーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテルエステル硫
酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンオレフィンス
ルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩、エーテルカルボキシレート、スルホコハク酸塩、
α−スルホ脂肪酸エステル、脂肪酸塩、高級脂肪酸とア
ミノ酸の縮合物、ナフテン酸塩等がある。
【0128】カチオン界面活性剤としては、アルキルア
ミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザ
ルコニウム塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジ
ニウム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、オニ
ウム塩等がある。
【0129】ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレングリコールエステ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタン
エステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリ
オキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオ
キシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオ
キシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ア
ミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グ
リセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、アルキル
(ポリ)グリコキシド等がある。
【0130】両性界面活性剤としては、イミダゾリニウ
ムベタイン等のイミダゾリン誘導体、ジメチルアルキル
ラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(ア
ミノエチル)グリシン等がある。インク組成物中でのこ
れら界面活性剤の添加量は0.01重量%〜5.0重量
%であり、好ましくは0.5重量%〜3重量%である。
0.01重量%未満では添加した効果はなく、5.0重
量%より多い添加では記録媒体への浸透性が必要以上に
高くなり、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった問題
がある。前記界面活性剤は、単独または二種以上を混合
して用いることができる。
【0131】防腐防黴剤としては安息香酸ナトリウム、
ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオ
ール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウ
ム、デヒドロ酢酸ナトリウム等があり、なかでも本発明
のアルカリ金属の含有量を達成するためには1,2−ジ
ベンジイソチアゾリン−3−オン(アビシア社のプロキ
セルCRL,プロキセルLV,プロキセルBDN,プロ
キセルGXL,三愛石油社のサンパックAP)を使用す
ることが特に好ましい。
【0132】pH調整剤としては、調合されるインクに
悪影響をおよぼさずにpHを所望の値に調整できるもの
であれば、任意の物質を使用することができる。その例
として、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、炭酸リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の
炭酸塩等が挙げられる。なかでも本発明のアルカリ金属
の含有量を達成するためには、ジエタノールアミン、ト
リエタノ−ルアミン等のアミン、水酸化アンモニウム、
第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸
化物等を使用することが特に好ましい。その他、目的に
応じて防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収
剤等を添加することもできる。
【0133】
【発明の実施の形態】本発明の記録液を収容した記録液
収容部と、記録液滴を吐出させるための記録ヘッドを有
する記録ユニットを備えたインクジェット記録装置を図
面を参照して説明するが、以下は構成例のひとつに過ぎ
ず、本発明になんら限定を加えるものではない。図1は
本発明の記録液を収容した記録液収容部を備えたインク
カートリッジを搭載するシリアル型インクジェット記録
装置の機構部の概略正面図である。このインクジェット
記録装置の機構部は、両側の側板(1),(2)間に主
支持ガイドロッド(3)及び従支持ガイドロッド(4)
を略水平な位置関係で横架し、これらの主支持ガイドロ
ッド(3)及び従支持ガイドロッド(4)でキャリッジ
ユニット(5)を主走査方向に摺動自在に支持してい
る。キャリッジユニット(5)には、それぞれイエロー
(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)イ
ンク、ブラック(Bk)インクをそれぞれ吐出する4個
のヘッド(6)を、その吐出面(ノズル面)(6a)を
下方に向けて搭載し、またキャリッジユニット(5)の
ヘッド(6)の上側には4個のヘッド(6)に各々イン
クを供給するための各色のインク供給体である4個のイ
ンクカートリッジ(7y),(7m),(7c),(7
k)を交換可能に搭載している。
【0134】そして、キャリッジユニット(5)は主走
査モータ(8)で回転される駆動プーリ(駆動タイミン
グプーリ)(9)と従動プーリ(アイドラプーリ)(1
0)との間に張装したタイミングベルト(11)に連結
して、主走査モータ(8)を駆動制御することによって
キャリッジ(5)、即ち4個のヘッド(6)を主走査方
向に移動するようにしている。また、側板(1),
(2)をつなぐ底板(12)上にサブフレーム(1
3),(14)を立設し、このサブフレーム(13),
(14)間に用紙(16)を主走査方向と直交する副走
査方向に送るための搬送ローラ(15)を回転自在に保
持している。そして、サブフレーム(14)側方に副走
査モータ(17)を配設し、この副走査モータ(17)
の回転を搬送ローラ(15)に伝達するために、副走査
モータ(17)の回転軸に固定したギヤ(18)と搬送
ローラ(15)の軸に固定したギヤ(19)とを備えて
いる。
【0135】さらに、側板(1)とサブフレーム(1
3)との間には、ヘッド(6)の信頼性維持回復機構
(以下、「サブシステム」という。)(21)を配置し
ている。サブシステム(21)は、各ヘッド(6)の吐
出面をキャッピングする4個のキャップ手段(22)を
ホルダ(23)で保持し、このホルダ(23)をリンク
部材(24)で揺動可能に保持して、キャリッジユニッ
ト(5)の主走査方向の移動でホルダ(23)に設けた
係合部(25)にキャリッジユニット(5)が当接する
ことで、キャリッジユニット(5)の移動に従ってホル
ダ(23)がリフトアップしてキャップ手段(22)で
インクジェットヘッド(6)の吐出面(6a)をキャッ
ピングし、キャリッジユニット(5)が印写領域側へ移
動することで、キャリッジユニット(5)の移動に従っ
てホルダ(23)がリフトダウンしてキャップ手段(2
2)がインクジェットヘッド(6)の吐出面(6a)か
ら離れるようにしている。
【0136】なお、キャップ手段(22)は、それぞれ
吸引チューブ(26)を介して吸引ポンプ(27)に接
続すると共に、大気開放口を形成して、大気開放チュー
ブ(26)及び大気開放バルブを介して大気に連通して
いる。また、吸引ポンプ(27)は吸引した廃液をドレ
インチューブ等を介して図示しない廃液貯留槽に排出す
る。さらに、ホルダ(23)の側方には、インクジェッ
トヘッド(6)の吐出面(6a)をワイピングする繊維
部材、発泡部材或いはゴム等の弾性部材からなるワイピ
ング手段であるワイパブレード(28)をブレードアー
ム(29)に取付け、このブレードアーム(29)は揺
動可能に軸支し、図示しない駆動手段で回動されるカム
の回転によって揺動させるようにしている。
【0137】次に、インクカートリッジ(7)について
図2、図3を参照して説明する。ここで、図2は記録装
置に装填する前のインクカートリッジの外観斜視図、図
3はインクカートリッジの正断面図である。インクカー
トリッジ(7)は、図3に示すように、カートリッジ本
体(41)内に所要の色のインクを吸収させたインク吸
収体(42)を収容してなる。カートリッジ本体(4
1)は、上部に広い開口を有するケース(43)の上部
開口に上蓋部材(44)を接着又は溶着して形成したも
のであり、例えば樹脂成型品からなる。また、インク吸
収体(42)は、ウレタンフォーム体等の多孔質体から
なり、カートリッジ本体(41)内に圧縮して挿入した
後、インクを吸収させている。カートリッジ本体(4
1)のケース(43)底部には記録ヘッド(6)へイン
クを供給するためのインク供給口(45)を形成し、こ
のインク供給口(45)内周面にはシールリング(4
6)を嵌着している。また、上蓋部材(44)には大気
開放口(47)を形成している。そして、カートリッジ
本体(41)には、装填前の状態で、インク供給口(4
5)を塞ぐと共に装填時や輸送時などのカートリッジ取
扱い時、或いは真空包装時による幅広側壁に係る圧力で
ケース(43)が圧縮変形されて内部のインクが漏洩す
ることを防止するため、キャップ部材(50)を装着し
ている。
【0138】また、大気開放口(47)は、図2に示す
ように、酸素透過率が100ml/m2以上のフィルム
状シール部材(55)を上蓋部材(44)に貼着してシ
ールしている。このシール部材(55)は大気開放口
(47)と共にその周囲に形成した複数本の溝(48)
をもシールする大きさにしている。このように大気開放
口(47)を酸素透過率が100ml/m2以上のシー
ル部材(55)でシールすることで、インクカートリッ
ジ(7)を透気性のないアルミラミネートフィルム等の
包装部材を用いて減圧状態で包装することにより、イン
ク充填時やインク吸収体(42)とカートリッジ本体
(41)との間に生じる空間(A)(図3参照)にある
大気のためにインク中に気体が溶存したときでも、シー
ル部材(55)を介してインク中の空気が真空度の高い
カートリッジ本体(41)外の包装部材との間の空間に
排出され、インクの脱気度が向上する。
【0139】また、図4には、本発明の記録液を収容し
た記録液収容部と、記録液滴を吐出させるためのヘッド
部を備えた記録ユニットの構成例を示し、説明する。す
なわち、記録ユニット(30)は、シリアルタイプのも
のであり、インクジェットヘッド(33)と、このイン
クジェットヘッド(33)に供給される記録液を収容す
るインクタンク(49)と、このインクタンク(49)
内を密閉する蓋部材(44)とで主要部が構成される。
インクジェットヘッド(33)には、記録液を吐出する
ための多数のノズル(32)が形成されている。記録液
はインクタンク(49)から、図示しないインク供給管
を介して、やはり図示しない共通液室へと導かれ、電極
(31)より入力される記録装置本体からの電気信号に
応じて、ノズル(32)より吐出される。このようなタ
イプの記録ユニットは、構成上、安価に製造できるタイ
プのヘッド、いわゆるサーマル方式、バブル方式と呼ば
れる、熱エネルギーを駆動の動力源とするヘッドによく
用いられる構造である。
【0140】インク滴を吐出させるためのヘッド部につ
いて、図5に構成例を示し説明する。図5は静電方式の
ヘッド部全体の断面側面図である。この構成例のヘッド
は3枚のシリコンの単結晶基板(101),(102
((102a)及び(102b))),(103)を重
ねて接合した積層構造のものである。シリコンの単結晶
基板の使用は、インクを吐出させるための薄い振動板
(数μm程度の厚さ)をエッチングで作製する際に加工
上好適であり、また、数μm程度のギャップを高精度に
後述する陽極接合で形成する際にも好都合な材料であ
る。さらにまた、静電気力を働かせて振動板を振動させ
る際には、電極に電圧を印加して静電気力を発生させる
必要性があるが、シリコンは半導体であり、低抵抗とす
ることができるため、振動板側の電極の代用をすること
ができ、振動板側に個別に電極を設ける必要性がない等
の利点を有する。
【0141】その中間の第1基板(101)は、底壁を
振動板(105)とする液室(106)を構成する凹部
と、凹部の後部に設けられた流体抵抗部(107)を構
成するインク流入口のための細溝と、液室(106)に
インクを供給するための共通のインクキャビティ(10
8)を構成する凹部を有する。次に、第1基板(10
1)の下面に接合される下側の第2基板(102)は
(102b)の単結晶シリコン基板上に(102a)の
シリコン酸化膜を設けたものである。前記第1基板(1
02a)には振動板(105)とほぼ同じ形状の電極
(121)が形成される。電極(121)は(電極)端
子部(123)を有し、電極の(電極)端子部(12
3)を除き、電極(121)及び電極のリード部全体を
絶縁膜(122)で被覆している。第2基板(102)
はシリコン以外にも例えばパイレックスガラス等を使用
したものも知られている。
【0142】次に、第1基板(101)の上面に接合さ
れる上側の第3基板(103)によって、ノズル孔(1
04),液室(106),流体抵抗部(107)及びイ
ンクキャビティ(108)が構成される。そして第3基
板(103)にはインクキャビティ(108)に連通す
るインク供給口(131)を穿設する。インク供給口
(131)は図示しない接続パイプ及びチューブを介し
て図示しないインクカートリッジに接続される。第3基
板(103)はシリコン以外にも、例えばガラス、ニッ
ケル、プラスチック、ステンレス等を使用したものも知
られている。
【0143】上記のようにして構成された静電気力を利
用する構成例のインクジェットヘッドでは、電極(12
1)に発振回路(142)より正のパルス電圧を印加す
ると、電極(121)の表面がプラス電位に帯電し、対
応する振動板(105)の下面がマイナス電位に帯電し
て、振動板(105)が静電気の吸引作用により下方へ
撓む。次に、電極(121)へのパルス電圧の印加をO
FFすると、撓んだ振動板(105)が復元するため、
液室(106)内の圧力が急激に上昇し、ノズル孔(1
04)よりインク液滴(141)が形成され、図示しな
い受像体に向けてインク吐出が行なわれる。そして、さ
らに、振動板(105)が再び下方へ撓むことにより、
インクがインクキャビティ(108)より流体抵抗部
(107)を通じて液室(106)内に補給される。発
振回路(142)には、上記のようにパルス電圧をON
/OFFさせるものや交流電源等が用いられる。記録に
あたっては、それぞれのノズル孔(104)の電極(1
21)に印加すべき電気パルスを制御して行なう。
【0144】本発明のインクは、上記の構成例のような
プリンタに使用されるシリコン及びシリコン酸化物の溶
出を抑制でき、プリンタの設計精度の低下によるインク
滴の大きさや吐出速度の変化による画像品質の低下、吐
出不良の発生、結合部の接合強度の低下による故障とい
った問題を防止し、またインクへのシリコン溶出による
目詰まりを防止することができる。
【0145】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す。
なお、特に記載のない限り添加比率は有効成分の重量%
を指す。 スルホニウム塩の合成方法 スルホニウム塩の合成撹拌装置、還流冷却器、温度計を
備え付けた1リットル容量の4首フラスコを窒素置換し
た後、これにジメチルスルフィド12.4g(0.2モ
ル)およびアセトニトリル200mlを加えて混合溶解
し、撹拌しながら加熱還流条件下で100mlのアセト
ニトリルに溶解したクロロベンゼン22.5g(0.2
モル)を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌しなが
ら加熱還流条件下で反応を続けたところ、白色の結晶が
析出した。続いて室温まで冷却し、析出した結晶を濾別
し、乾燥したところ、フェニルジメチルスルホニウムク
ロライド30.2g(収率86.7%)が得られた。
(反応式1) このようにして得られたフェニルジメチルスルホニウム
クロライド8.7g(0.05モル)をメタノール−水
(1/1(容積比))200mlに溶解して同容量のフ
ラスコに入れ、得られた溶液に300mlの水に溶解さ
れた水酸化ナトリウム2.0g(0.05モル)を撹拌
しながら滴下したところ、沈殿が生じて白濁しスラリー
状となった。(反応式2) 滴下終了後、室温で1時間撹拌を続け、次いで結晶を濾
別した後、メタノールで再結晶したところ、フェニルジ
メチルスルホニウムヒドロキシド6.5g(収率83.
0%)が得られた。このフェニルジメチルスルホニウム
ヒドロキシドの元素分析を行なった。結果を表1に示
す。また、反応式1および2を下記に示す。
【0146】
【化61】
【0147】
【表1】 表2に示す化合物1から23のスルホニウム塩を上記と
同様の方法で合成した。但し、常温で気体の化合物を反
応させるときは、液体窒素等で冷却して液化させるか、
または加圧してオートクレイブ中で反応させた。
【0148】
【表2】
【0149】 [実施例1] 下記式のブラック染料 3重量%
【0150】
【化62】 グリセリン 5重量% エチレングリコール 20重量% ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム (日光ケミカルズ社製アニオン系界面活性剤) 1.0重量% サンパックAP(三愛石油製防かび剤) 0.4重量% トリブチルスルホニウムヒドロキシド((化3)腐食防止剤) 1.0重量% イオン交換水 残量 上記処方の混合物を50℃にて4時間の撹拌を続け、冷
却後、孔径0.1μmのフィルターで瀘過を行なった。
このインクをプラズマ発光分光分析により分析したとこ
ろ、インク中のアルカリ金属の含有量は814ppmと
なっていた。また、pH値は9.5であった。
【0151】振動板が(110)面の上に熱酸化処理に
よりシリコン酸化物の膜を1000Å設けた面からな
り、パイレックスガラス#7740、(100)面及び
(110)面、(111)面のシリコンからなる液室、
(100)面及び(111)面からなるノズル、流体抵
抗からなる静電気力により振動板を変形させ吐出せしめ
る方式のインクジェット・プリンターに充填し、以下の
条件で以下に述べる印字試験、信頼性試験を行なった。 駆動周波数:12KHz 駆動電圧:23v ノズル直径:30μm 液滴体積:30pl/dot ノズル数:48ノズル ドット密度:600dpi
【0152】試験 1(T1)初期印字試験 市販のコピー用紙3種、ボンド紙3種上に印字を行な
い、画像の特性を調べた。
【0153】試験 2(T2)信頼性試験(印字休止後
印字試験、接液性) 上記プリンタにインクを充填したまま50℃、60%R
Hの環境下に1か月間プリンターを放置した後、印字を
行ない正常な印字が可能か否かを試験した。また、ガラ
ス及びシリコンの厚さ変化量及び酸化膜の膜厚変化量を
測定した。なお、ガラス及びシリコンの厚さ変化量は、
接液した後のインクをプラズマ発光分光分析により分析
し、インク中のシリコン濃度とそれぞれの材料の密度か
ら換算して求めた。
【0154】初期印字試験では、いずれの紙上において
も画像濃度1.3以上の鮮明な画像が得られた。印字休
止後の印字でもなんらの回復手段を用いることなく正常
な印字が可能であった。接液性では、パイレックスガラ
ス#7740の厚さ変化は0.18μm、シリコンの厚
さ変化量は(100)面が約0.16μm、(110)
面が約0.06μm、(111)面が約0.04μmで
あり、液室、流体抵抗、ノズルとして問題のない厚さの
変化量であった。また、(110)面のシリコン酸化膜
の膜厚変化量は約3Åであり、振動板として問題のない
膜厚変化量であった。
【0155】[比較例1]実施例1のインク処方におい
て、腐食防止剤の代わりに水酸化リチウムを添加してp
H調整をした。50℃にて4時間の撹拌を続けた後、孔
径0.1μmのフィルターで瀘過を行なった。このイン
クをプラズマ発光分光分析により分析したところ、イン
ク中のアルカリ金属の含有量は940ppmとなってい
た。また、pH値は9.8であった。このインクを実施
例1と同様にプリンタに充填して、印字、保存試験を行
なった。このインクでは、実施例1と同等の初期画像が
得られたが、印字休止後、噴射応答性試験では、インク
へのシリコンの溶出により染料の溶解安定性が悪くなっ
たために8/48ノズルに吐出不良が発生した。接液性
では、パイレックスガラス#7740の厚さ変化は1
1.2μm、シリコンの厚さ変化量は(100)面が約
6.0μm、(110)面が約3.5μm、(111)
面が約0.60μmであり、液室、流体抵抗部、ノズル
として精度の問題が発生する変化量であり、また(11
0)面のシリコン酸化膜は全て溶出しており、振動板と
して問題となる変化量であった。
【0156】 [実施例2] 下記式のシアン染料 3重量%
【0157】
【化63】 グリセリン 10重量% ジエチレングリコール 10重量% サーフィノール465 (アセチレンアルコールのエチレンオキサイド添加物; Air Products and Chemicals Inc.製ノニオン界面活性剤) 1.0重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 3重量% プロキセルCRL(アビシア社製防かび剤) 0.4重量% テトラブチルアルソニウムヒドロキシド((化33)腐食防止剤) 1.5重量% イオン交換水 残量 上記処方の混合物を50℃にて撹拌しながら、4時間の
撹拌を続け、冷却後、孔径0.1μmのフィルターで瀘
過を行なった。このインクをプラズマ発光分光分析によ
り分析したところ、インク中のアルカリ金属の含有量は
913ppmとなっていた。また、pH値は9.2であ
った。
【0158】このインクを前記した図5に示す構成のヘ
ッドを搭載したプリンタを用いて印字試験を実施し、信
頼性試験を行なった。なお、図5の構成のヘッドは、下
記の条件で作成したものを用いた。第1基板(101)
は両面研磨された(110)面方位のp型単結晶シリコ
ンウェハ、第2基板(102)は両面研磨された(10
0)面方位のp型単結晶シリコンウェハ(102b)と
熱酸化膜(102a)からなり、これら基板をマスク及
びアルカリ液による異方性エッチングを施すことによ
り、図5に示したように液室(106)、流体抵抗部
(107)及びインクキャビティ(108)等に相当す
る各凹部を形成し、更に電極(121)、電極リード
部、電極端子(123)、絶縁膜(122)を形成し
た。振動板(105)の厚さは20μmで、熱酸化処理
によりシリコン酸化物の膜を1000Å設けた。
【0159】さらに、図5のように第1基板(101)
の上側に、両面研磨された(100)面方位のn型単結
晶シリコンウェハに異方性のドライエッチングによりノ
ズル孔(104)、インク供給口(131)等を形成
し、第3基板(103)を接合し、発振回路(142)
等を図5のように接続して電極端子(123)に正のパ
ルス電圧を印加して印字した。
【0160】よってインクと接する面は、振動板が(1
10)面の上に熱酸化処理によりシリコン酸化物の膜を
1000Å設けた面、液室が(100)面、(110)
面及び(111)面のシリコン、ノズルが(100)面
及び異方性のドライエッチの面のシリコン、流体抵抗部
が(100)面、(110)面のシリコンからなる。
【0161】また、プリンタの印字条件は下記の通りで
行なった。 駆動周波数:12KHz 駆動電圧:23v ノズル直径:30μm 液滴体積:30pl/dot ノズル数:48ノズル ドット密度:600dpi
【0162】試験 1(T1)初期印字試験 市販のコピー用紙3種、ボンド紙3種上に印字を行な
い、画像の特性を調べた。
【0163】試験 2(T2)印字休止後印字試験、シ
リコン接液性 上記プリンタにインクを充填したまま50℃、60%R
Hの環境下に1か月間プリンターを放置した後、印字を
行ない正常な印字が可能か否かを試験した。また、シリ
コンの厚さ変化量及び酸化膜の膜厚変化量を測定した。
【0164】初期印字試験では、いずれの紙上において
も画像濃度1.3以上の鮮明な画像が得られた。印字休
止後の印字でもなんらの回復手段を用いることなく正常
な印字が可能であった。シリコン接液性では、シリコン
の厚さ変化量は(100)面が約0.15μm、(11
0)面が約0.06μm、(111)面が約0.04μ
mであり、液室、流体抵抗部、ノズルとして問題のない
厚さの変化量であった。また、(110)面のシリコン
酸化膜の膜厚変化量は約3Åであり、振動板として問題
のない膜厚変化量であった。
【0165】[比較例2]実施例2のインク処方におい
て、腐食防止剤の代わりに水酸化ナトリウムを添加しp
H調整をした。50℃にて4時間の撹拌を続けた後、冷
却後、孔径0.1μmのフィルターで瀘過を行なった。
このインクをプラズマ発光分光分析により分析したとこ
ろ、インク中のアルカリ金属の含有量は1280ppm
となっていた。また、pH値は10.3であった。この
インクを実施例2と同様にプリンタに充填して、印字、
保存試験を行なった。このインクでは、実施例2と同等
の初期画像が得られたが、印字休止後、噴射応答性試験
では、インクへのシリコンの溶出により染料の溶解安定
性が悪くなったために28/48ノズルに吐出不良が発
生した。シリコン接液性では、シリコンの厚さ変化量は
(100)面が約8.2μm、(110)面が約4.7
μm、(111)面が約0.80μmであり、液室、流
体抵抗部、ノズルとして精度の問題が発生する変化量で
あり、また、(110)面のシリコン酸化膜は全て溶出
しており、8/48の振動板が、薄くなったために振動
に耐えられず破損していた。
【0166】 [実施例3] 下記式のイエロー染料 2重量%
【0167】
【化64】 グリセリン 3重量% トリエチレングリコール 10重量% 下記式のジアルキルスルホ琥珀酸塩 1.0重量% (アニオン界面活性剤)
【0168】
【化65】 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2重量% プロキセルBND(アビシア社製防かび剤) 0.4重量% イオン交換水 残量 上記処方の混合物を50℃にて撹拌しながら、前記一般
式(化1)のスルホニウム化合物の水酸化物をインク中
のアニオン性化合物の当量に対し40%、前記一般式
(化4)のスルホニウム化合物の水酸化物をインク中の
アニオン性化合物の当量に対し40%添加した。そのま
ま4時間の撹拌を続け、冷却後、孔径0.1μmのフィ
ルターで瀘過を行なった。このインクをプラズマ発光分
光分析により分析したところ、インク中のアルカリ金属
の含有量は29ppmとなっていた。また、pH値は
9.7であった。
【0169】上記のインクを実施例1と同様に(パイレ
ックスガラス#7740の代わりに無アルカリガラス基
板を用いた)試験を行なったところ、初期印字試験で
は、いずれの紙上においても画像濃度0.9以上の鮮明
な画像が得られた。印字休止後の印字でもなんらの回復
手段を用いることなく正常な印字が可能であった。接液
性では、無アルカリガラス基板(OA−2日本電気硝子
(株)製)の厚さ変化は0.19μm、シリコンの厚さ
変化量は(100)面が約0.15μm、(110)面
が約0.07μm、(111)面が約0.05μmであ
り、液室、流体抵抗部、ノズルとして問題のない厚さの
変化量であった。また、(110)面のシリコン酸化膜
の膜厚変化量は約3Åであり、振動板として問題のない
膜厚変化量であった。
【0170】[比較例3]実施例3のインク処方におい
て、前記一般式(化1)、(化4)の化合物の代わりに
水酸化カリウムをインク中のアニオン性化合物の当量に
対し40%、水酸化リチウムをインク中のアニオン性化
合物の当量に対し40%添加した。そのまま4時間の撹
拌を続け、冷却後、孔径0.1μmのフィルターで瀘過
を行なった。このインクをプラズマ発光分光分析により
分析したところ、インク中のアルカリ金属の含有量は9
70ppmとなっていた。また、pH値は9.6であっ
た。このインクを実施例3と同様にプリンタに充填し
て、印字、保存試験を行なった。このインクでは、実施
例3と同等の初期画像が得られたが、印字休止後、噴射
応答性試験では、インクへのシリコンの溶出により染料
の溶解安定性が悪くなったために12/48ノズルに吐
出不良が発生した。接液性では、無アルカリガラス基板
(OA−2日本電気硝子(株)製)の厚さ変化は13.
9μm、シリコン接液性では、シリコンの厚さ変化量は
(100)面が約6.2μm、(110)面が約3.6
μm、(111)面が約0.60μmであり、液室、流
体抵抗部、ノズルとして精度の問題が発生する変化量で
あり、また、(110)面のシリコン酸化膜は全て溶出
しており、振動板として問題となる変化量であった。
【0171】 [実施例4] 下記式のマゼンタ染料 2.5重量%
【0172】
【化66】 ジエチレングリコール 20重量% ポリオキシエチレン(6)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム (日光ケミカルズ社製アニオン系界面活性剤) 0.3重量% 2−ピロリドン 2重量% プロキセルGXL(アビシア社製防かび剤) 0.4重量% 水酸化ベリリウム(腐食防止剤) 0.9重量% イオン交換水 残量 上記処方の混合物を50℃にて、4時間の撹拌を続け、
冷却後、孔径0.1μmのフィルターで瀘過を行なっ
た。このインクをプラズマ発光分光分析により分析した
ところ、インク中のアルカリ金属の含有量は460pp
mとなっていた。また、pH値は10.1であった。
【0173】上記のインクを実施例2と同様に試験を行
なったところ、初期印字試験では、いずれの紙上におい
ても画像濃度1.1以上の鮮明な画像が得られた。印字
休止後の印字でもなんらの回復手段を用いることなく正
常な印字が可能であった。シリコン接液性では、シリコ
ンの厚さ変化量は(100)面が約0.32μm、(1
10)面が約0.10μm、(111)面が約0.08
μmであり、液室、流体抵抗部、ノズルとして問題のな
い厚さの変化量であった。また、(110)面のシリコ
ン酸化膜の膜厚変化量は約5Åであり、振動板として問
題のない膜厚変化量であった。
【0174】[比較例4]実施例4のインク処方におい
て、腐食防止剤の代わりに水酸化ナトリウムを添加して
pH調整をした。50℃にて4時間の撹拌を続け、冷却
後、孔径0.1μmのフィルターで瀘過を行なった。こ
のインクをプラズマ発光分光分析により分析したとこ
ろ、インク中のアルカリ金属の含有量は810ppmと
なっていた。また、pH値は10.1であった。このイ
ンクを実施例4と同様にプリンタに充填して、印字、保
存試験を行なった。このインクでは、実施例4と同等の
初期画像が得られたが、印字休止後、噴射応答性試験で
は、インクへのシリコンの溶出により染料の溶解安定性
が悪くなったために4/48ノズルに吐出不良が発生し
た。シリコン接液性では、シリコンの厚さ変化量は(1
00)面が約5.3μm、(110)面が約3.1μ
m、(111)面が約0.50μmであり、液室、流体
抵抗部、ノズルとして精度の問題が発生する変化量であ
り、また、(110)面のシリコン酸化膜は全て溶出し
ており、振動板として問題となる変化量であった。
【0175】 [実施例5] カルボキシル基結合型カーボンブラック分散液 (平均粒径128nm) 5重量% グリセリン 10重量% ジエチレングリコール 10重量% ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム (日光ケミカルズ社製アニオン系界面活性剤) 1.0重量% 2−ピロリドン 2重量% 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2重量% サンパックAP(三愛石油製防かび剤) 0.4重量% アルミニウムエチラート(腐食防止剤) 0.5重量% イオン交換水 残量 上記処方の混合物を50℃にて撹拌しながら、4時間の
撹拌を続け、冷却後、孔径0.8μmのフィルターで瀘
過を行なった。このインクをプラズマ発光分光分析によ
り分析したところ、インク中のアルカリ金属の含有量は
1020ppmとなっていた。また、pH値は8.3で
あった。
【0176】上記のインクを実施例2と同様に試験を行
なったところ、初期印字試験では、いずれの紙上におい
ても画像濃度1.4以上の鮮明な画像が得られた。印字
休止後の印字でもなんらの回復手段を用いることなく正
常な印字が可能であった。シリコン接液性では、シリコ
ンの厚さ変化量は(100)面が約0.20μm、(1
10)面が約0.07μm、(111)面が約0.04
μmであり、液室、流体抵抗部、ノズルとして問題のな
い厚さの変化量であった。また、(110)面のシリコ
ン酸化膜の膜厚変化量は約3Åであり、振動板として問
題のない膜厚変化量であった。
【0177】[比較例5]実施例4のインク処方におい
て、腐食防止剤の代わりに水酸化ナトリウムを添加して
pH調整をした。50℃にて4時間の撹拌を続けた後、
冷却後、孔径0.1μmのフィルターで瀘過を行なっ
た。このインクをプラズマ発光分光分析により分析した
ところ、インク中のアルカリ金属の含有量は870pp
mとなっていた。また、pH値は8.3であった。この
インクを実施例5と同様にプリンタに充填して、印字、
保存試験を行なった。このインクでは、実施例5と同等
の初期画像が得られたが、印字休止後、噴射応答性試験
では、インクへのシリコンの溶出により染料の溶解安定
性が悪くなったために7/48ノズルに吐出不良が発生
した。シリコン接液性では、シリコンの厚さ変化量は
(100)面が約5.8μm、(110)面が約3.4
μm、(111)面が約0.60μmであり、液室、流
体抵抗部、ノズルとして精度の問題が発生する変化量で
あり、また、(110)面のシリコン酸化膜は全て溶出
しており、振動板として問題となる変化量であった。
【0178】[実施例6]実施例1のブラック染料の代
わりにシアン顔料として下記の分散液を15%加え、腐
食防止剤として下記の化合物を用いた以外は、実施例1
と同じ処方の混合物を50℃にて4時間の撹拌を続け、
冷却後、孔径0.8μmのフィルターで瀘過を行なっ
た。 <分散液> C.I.ピグメントブルー15:3(フタロシアニンブルー) (平均粒径123nm) 20% 分散剤(スチレン−アクリレート− メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体) 4.5% エチレングリコール 30% 水 残量 <腐食防止剤> トリブチルボラート(関東化学株式会社製試薬) 0.1%
【0179】このインクをプラズマ発光分光分析により
分析したところ、インク中のアルカリ金属の含有量は9
32ppmとなっていた。またpH値は9.8であっ
た。上記のインクを実施例1と同様に(パイレックスガ
ラス#7740の代わりに無アルカリガラス基板を用い
た)試験を行なったところ、初期印字試験では、いずれ
の紙上においても画像濃度1.2以上の鮮明な画像が得
られた。印字休止後の印字でもなんらの回復手段を用い
ることなく正常な印字が可能であった。接液性では、無
アルカリガラス基板(OA−10日本電気硝子(株)
製)の厚さ変化0.31μm、シリコンの厚さ変化量は
(100)面が約0.18μm、(110)面が約0.
08μm、(111)面が約0.05μmであり、液
室、流体抵抗部、ノズルとして問題のない厚さの変化量
であった。また、(110)面のシリコン酸化膜の膜厚
変化量は約4Åであり、振動板として問題のない膜厚変
化量であった。
【0180】[実施例7]実施例2のシアン染料の代わ
りにイエロー顔料として下記の分散液を20%加え、腐
食防止剤として下記の化合物を用いた以外は、実施例2
と同じ処方の混合物を50℃にて4時間の撹拌を続け、
冷却後、孔径0.8μmのフィルターで瀘過を行なっ
た。 <分散液> C.I.ピグメントイエロー138(平均粒径96nm) 25% 分散剤(ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物) 8% アンモニア水 1.3% エチレングリコール 25% 水 残量 <腐食防止剤> 塩化亜鉛 1.0%
【0181】このインクをプラズマ発光分光分析により
分析したところ、インク中のアルカリ金属の含有量は8
86ppmとなっていた。また、pH値は9.1であっ
た。上記のインクを実施例1と同様に試験を行なったと
ころ、初期印字試験では、いずれの紙上においても画像
濃度0.9以上の鮮明な画像が得られた。印字休止後の
印字でもなんらの回復手段を用いることなく正常な印字
が可能であった。シリコン接液性では、シリコンの厚さ
変化量は(100)面が約0.29μm、(110)面
が約0.13μm、(111)面が約0.10μmであ
り、液室、流体抵抗部、ノズルとして問題のない厚さの
変化量であった。また、(110)面のシリコン酸化膜
の膜厚変化量は約5Åであり、振動板として問題のない
膜厚変化量であった。
【0182】[実施例8]実施例2のシアン染料の代わ
りにイエロー顔料として下記の分散液を20%加え、腐
食防止剤として下記の化合物を用いた以外は、実施例2
と同じ処方の混合物を50℃にて4時間の撹拌を続け、
冷却後、孔径0.8μmのフィルターで瀘過を行なっ
た。 <分散液> C.I.ピグメントイエロー138(平均粒径96nm) 25% 分散剤(ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物) 8% アンモニア水 1.3% エチレングリコール 25% 水 残量 <腐食防止剤> チタニウムエチラート 1.0% このインクをプラズマ発光分光分析により分析したとこ
ろ、インク中のアルカリ金属の含有量は886ppmと
なっていた。また、pH値は9.1であった。上記のイ
ンクを実施例1と同様に試験を行なったところ、初期印
字試験では、いずれの紙上においても画像濃度1.2以
上の鮮明な画像が得られた。印字休止後の印字でもなん
らの回復手段を用いることなく正常な印字が可能であっ
た。シリコン接液性では、シリコンの厚さ変化量は(1
00)面が約0.19μm、(110)面が約0.11
μm、(111)面が約0.12μmであり、液室、流
体抵抗部、ノズルとして問題のない厚さの変化量であっ
た。また、(110)面のシリコン酸化膜の膜厚変化量
は約5Åであり、振動板として問題のない膜厚変化量で
あった。
【0183】[実施例9]実施例3のイエロー染料の代
わりにマゼンタ顔料として下記の分散液を12%加え、
腐食防止剤として下記の化合物を用いた以外は、実施例
3と同じ処方の混合物を50℃にて4時間の撹拌を続
け、冷却後、孔径0.8μmのフィルターで瀘過を行な
った。 <分散液> C.I.ピグメントレッド122(平均粒径120nm) 33% 分散剤(ジポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸)17.5% アンモニア水 1.5% エチレングリコール 25% 水 残量 <腐食防止剤> ジルコニウムイソプロポキシド 1.0%
【0184】このインクをプラズマ発光分光分析により
分析したところ、インク中のアルカリ金属の含有量は9
58ppmとなっていた。また、pH値は9.7であっ
た。上記のインクを実施例1と同様に(パイレックスガ
ラス#7740の代わりに青板ガラスを用いた)試験を
行なったところ、初期印字試験では、いずれの紙上にお
いても画像濃度1.1以上の鮮明な画像が得られた。印
字休止後の印字でもなんらの回復手段を用いることなく
正常な印字が可能であった。接液性では、青板ガラス
(軟質ガラスHOYA(株)製)の厚さ変化は0.21
μm、シリコンの厚さ変化量は(100)面が約0.2
5μm、(110)面が約0.11μm、(111)面
が約0.08μmであり、液室、流体抵抗部、ノズルと
して問題のない厚さの変化量であった。また、(11
0)面のシリコン酸化膜の膜厚変化量は約5Åであり、
振動板として問題のない膜厚変化量であった。
【0185】[実施例10]実施例3のイエロー染料の
代わりにマゼンタ顔料として下記の分散液を12%加
え、腐食防止剤として下記の化合物を用いた以外は実施
例3と同じ処方の混合物を50℃にて4時間の撹拌を続
け、冷却後、孔径0.8μmのフィルターで瀘過を行な
った。 <分散液> C.I.ピグメントレッド122(平均粒径120nm) 33% 分散剤(ジポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸) 17.5% アンモニア水 1.5% エチレングリコール 25% 水 残量 <腐食防止剤> テトラメチルアンモニウムシリケート 1.0% このインクをプラズマ発光分光分析により分析したとこ
ろ、インク中のアルカリ金属の含有量は958ppmと
なっていた。また、pH値は9.7であった。
【0186】上記のインクを実施例1と同様に(パイレ
ックスガラス#7740の代わりに感光性ガラス(HO
YA(株)製)を用いた)試験を行なったところ、初期
印字試験では、いずれの紙上においても画像濃度1.1
以上の鮮明な画像が得られた。印字休止後の印字でもな
んらの回復手段を用いることなく正常な印字が可能であ
った。接液性では、感光性ガラス(HOYA(株)製)
の厚さ変化は0.21μm、シリコンの厚さ変化量は
(100)面が約0.25μm、(110)面が約0.
11μm、(111)面が約0.08μmであり、液
室、流体抵抗部、ノズルとして問題のない厚さの変化量
であった。また、(110)面のシリコン酸化膜の膜厚
変化量は約5Åであり、振動板として問題のない膜厚変
化量であった。
【0187】[実施例11]実施例1のブラック染料の
代わりにイエロー染料として、Projet Fast
Yellow2(アビシア製)をイオン交換樹脂により
アルカリ金属の一部を一旦遊離酸とした後、一般式(化
3)のスルホニウム化合物の水酸化物に一部置換した染
料を3%加えた以外は実施例1と同じ処方の混合物を5
0℃にて4時間の撹拌を続け、冷却後、孔径0.8μm
のフィルターで瀘過を行なった。このインクをプラズマ
発光分光分析により分析したところ、インク中のアルカ
リ金属の含有量は630ppmとなっていた。また、p
H値は9.6であった。上記のインクを実施例1と同様
に(パイレックスガラス#7740の代わりに低アルカ
リガラス基板を用いた)試験を行なったところ、初期印
字試験では、いずれの紙上においても画像濃度0.9以
上の鮮明な画像が得られた。印字休止後の印字でもなん
らの回復手段を用いることなく正常な印字が可能であっ
た。接液性では、低アルカリガラス基板(BLC日本電
気硝子(株)製)の厚さ変化は0.21μm、シリコン
の厚さ変化量は(100)面が約0.40μm、(11
0)面が約0.15μm、(111)面が約0.13μ
mであり、液室、流体抵抗部、ノズルとして問題のない
厚さの変化量であった。また、(110)面のシリコン
酸化膜の膜厚変化量は約6Åであり、振動板として問題
のない膜厚変化量であった。
【0188】[比較例6]実施例9のインク処方におい
て、イエロー染料として一般式(化3)のスルホニウム
化合物に置換しないProjet Fast Yello
w2(アビシア製)を添加した以外は、実施例10と同
様に作成し試験を行なった。このインクをプラズマ発光
分光分析により分析したところ、インク中のアルカリ金
属の含有量は1150ppmとなっていた。また、pH
値は9.6であった。このインクを実施例1と同様にプ
リンタに充填して、印字、保存試験を行なった。このイ
ンクでは、実施例1と同等の初期画像が得られたが、印
字休止後、噴射応答性試験では、インクへのシリコンの
溶出により染料の溶解安定性が悪くなったために19/
48ノズルに吐出不良が発生した。接液性では、低アル
カリガラス基板(BLC日本電気硝子(株)製)の厚さ
変化は13.9μm、シリコンの厚さ変化量は(10
0)面が約10.2μm、(110)面が約5.1μ
m、(111)面が約0.90μmであり、液室、流体
抵抗部、ノズルとして精度の問題が発生する変化量であ
り、また(110)面のシリコン酸化膜は全て溶出して
おり、3/48の振動板が、薄くなったために振動に耐
えられず破損していた。
【0189】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明は、請求項1から9に記載した構成に
よれば、インク中にスルホニウムイオン、アルソニウム
イオン、ホウ素化合物、ベリリウムイオン(Be2+)、
アルミニウムイオン(Al3+)、亜鉛イオン(Z
2+)、チタニウムイオン(Ti4+)、ジルコニウムイ
オン(Zr4+)、シリケートイオン(Si2+)等を含む
新規のインク組成物である。請求項10から19に記載
した構成によれば、インク中のアルカリ金属の含有量が
800ppm以上であっても、カチオン性物質、スルホ
ニウムイオン、アルソニウムイオン、ホウ素化合物、ベ
リリウムイオン(Be2+)、アルミニウムイオン(Al
3+)、亜鉛イオン(Zn2+)、チタニウムイオン(Ti
4+)、ジルコニウムイオン(Zr4+)、シリケートイオ
ン(Si2+)等を含むことで、プリンタに使用される硼
珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結晶
シリコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、窒化チタン
膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜の
表面に吸着し留まるため、継続したガラスやシリコンの
溶出を防止でき、プリンタの設計精度の低下によるイン
ク滴の大きさや吐出速度の変化による画像品質の低下、
吐出不良の発生、結合部の接合強度の低下による故障と
いった問題を防止し、またインクへのガラスやシリコン
溶出による目詰まりを防止するインクを提供することが
できる。請求項20から29に記載した構成によれば、
インク中のアルカリ金属の含有量を700ppm以下で
かつ、スルホニウムイオン、アルソニウムイオン、ホウ
素化合物、ベリリウムイオン(Be2+)、アルミニウム
イオン(Al3+)、亜鉛イオン(Zn2+)、チタニウム
イオン(Ti4+)、ジルコニウムイオン(Zr4+)、シ
リケートイオン(Si2+)等を規定量以上含むことで、
プリンタに使用されるガラス、シリコン及びシリコン酸
化物等の溶出を抑制でき、プリンタの設計精度の低下に
よるインク滴の大きさや吐出速度の変化による画像品質
の低下、吐出不良の発生、結合部の接合強度の低下によ
る故障といった問題を防止し、またインクへのガラスや
シリコン溶出による目詰まりを防止するインクジェット
記録方法を提供することができる。請求項30に記載し
た構成によれば、精密さが要求される液室部材のガラス
やシリコン溶出を抑制できるので、液室容積が大きくな
ることなく所望の液室容積を維持することができるた
め、インク滴の大きさや吐出速度の変化による画像品質
の低下、吐出不良の発生を防止するインクを提供するこ
とができる。請求項31に記載した構成によれば、精密
さが要求される流体抵抗部のガラスやシリコン溶出を抑
制できるので、流体抵抗が変化することなく所望の流体
抵抗を維持することできるため、インク滴の大きさや吐
出速度の変化による画像品質の低下や吐出不良の発生を
防止するインクを提供することができる。請求項32に
記載した構成によれば、精密さが要求される振動板のガ
ラスやシリコン溶出を抑制できるので、振動板の厚さが
減少することなく所望の振動板の厚さを維持することで
きるため、インク滴の大きさや吐出速度の変化による画
像品質の低下や吐出不良の発生、振動板の破損を防止す
るインクを提供することができる。請求項33に記載し
た構成によれば、精密さが要求されるノズルのガラスや
シリコン溶出を抑制できるので、ノズルの径が拡大する
ことなく所望のノズル径を維持することできるため、イ
ンク滴の大きさや吐出速度の変化による画像品質の低下
や吐出不良の発生を防止するインクを提供することがで
きる。請求項34に記載した構成によれば、精密さが要
求される液室部材のガラスやシリコン溶出を抑制できる
ので、液室容積が大きくなることなく所望の液室容積を
維持することできるため、インク滴の大きさや吐出速度
の変化による画像品質の低下、吐出不良の発生を防止す
るインクジェット記録方法を提供することができる。請
求項35に記載した構成によれば、精密さが要求される
流体抵抗部のガラスやシリコン溶出を抑制できるので、
流体抵抗が変化することなく所望の流体抵抗を維持する
ことできるため、インク滴の大きさや吐出速度の変化に
よる画像品質の低下や吐出不良の発生を防止するインク
ジェット記録方法を提供することができる。請求項36
に記載した構成によれば、精密さが要求される振動板の
ガラスやシリコン溶出を抑制できるので、振動板の厚さ
が減少することなく所望の振動板の厚さを維持すること
できるため、インク滴の大きさや吐出速度の変化による
画像品質の低下や吐出不良の発生、振動板の破損を防止
するインクジェット記録方法を提供することができる。
請求項37に記載した構成によれば、精密さが要求され
るノズルのガラスやシリコン溶出を抑制できるので、ノ
ズルの径が拡大することなく所望のノズル径を維持する
ことできるため、インク滴の大きさや吐出速度の変化に
よる画像品質の低下や吐出不良の発生を防止するインク
ジェット記録方法を提供することができる。請求項38
に記載した方法によれば、エッチング処理、サンドブラ
スト処理、エキシマレーザー加工、ドリル加工方法によ
り、精密さが要求される液室部材、流体抵抗部、振動
板、ノズルを加工することができるので、画像品質の低
下、吐出不良の発生のないインクジェット記録方法を提
供することができる。請求項39〜41に記載した構成
によれば、このようにプリンタに使用されるガラスやシ
リコン及びシリコン酸化物の溶出を抑制でき、プリンタ
の設計精度の低下によるインク滴の大きさや吐出速度の
変化による画像品質の低下、吐出不良の発生、結合部の
接合強度の低下による故障といった問題を防止し、また
インクへのシリコン溶出による目詰まりを防止するイン
クを収容した記録液カートリッジ、記録ユニット、記録
装置が提供できるという極めて優れた効果を奏するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録液を収容するインクカートリッジ
を搭載するシリアル型インクジェット記録装置の構成例
を示す概略正面図。
【図2】本発明における記録装置に装填する前のインク
カートリッジの外観斜視図。
【図3】本発明におけるインクカートリッジの正断面
図。
【図4】本発明の記録ヘッドと一体化された記録ユニッ
トの外観斜視図。
【図5】本発明のヘッド部全体の断面側面図。
【符号の説明】
1 側板 2 側板 3 主支持ガイドロッド 4 従支持ガイドロッド 5 キャリッジユニット 6 ヘッド 6a 吐出面(ノズル面) 7 インクカートリッジ 7c シアン色のインクカートリッジ 7k ブラック色のインクカートリッジ 7m マゼンタ色のインクカートリッジ 7y イエロー色のインクカートリッジ 8 主走査モータ 9 駆動プーリ(駆動タイミングプーリ) 10 従動プーリ(アイドラプーリ) 11 タイミングベルト 12 底板 13 サブフレーム 14 サブフレーム 15 搬送ローラ 16 用紙 17 副走査モータ 18 ギヤ 19 ギヤ 21 信頼性維持回復機構(サブシステム) 22 キャップ手段 23 ホルダ 24 リング部材 25 係合部 26 吸引チューブ 27 吸引ポンプ 28 ワイパブレード 29 ブレードアーム 30 記録ユニット 31 電極 32 ノズル 33 ヘッド 41 カートリッジ本体 42 インク吸収体 43 ケース 44 上蓋部材 45 インク供給口 46 シールリング 47 大気開放口 48 溝 49 インクタンク 50 キャップ部材 55 シール部材 101 第1基板 102 第2基板 102a 酸化膜 102b 単結晶シリコン基板(ウェハ) 103 第3基板 104 ノズル孔 105 振動板 106 液室 107 流体抵抗部 108 インクキャビティ 121 電極 122 絶縁膜 123 端子部 131 インク供給口 141 インク液滴 142 発振回路 A 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 希世文 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 村上 格二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C056 EA04 FA07 FC01 FC02 HA16 HA17 2C057 AF65 AG12 AG54 AG55 AP56 2H086 BA59 BA60 BA62 4J039 BC54 BE01 BE02 BE24 BE30 CA03 CA06 EA41 EA44 GA24

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材及び水を主成分とする水性インク組
    成物であって、下記(式1)のスルホニウムイオン、
    (式2)のアルソノウムイオン、 【化1】 【化2】 (但し、(式1)及び(式2)中、Ra、Rb、Rc、
    Rdは炭素数1ないし4の直鎖状、分岐状、環状アルキ
    ル基、ヒドロキシアルキル基、ハロゲン化アルキル基、
    置換または未置換のフェニル基を表わし、X−は対イオ
    ンを表わす)ホウ素化合物、Be2+イオン、Al3+イオ
    ン、Zn2+イオン、Ti4+イオン、Zr4+イオン及び/
    又はSi2+イオンから成るカチオン性イオン又はカチオ
    ン性物質のうちの少なくとも1種以上を含有することを
    特徴とする水性インク。
  2. 【請求項2】 インクと接する部材の少なくとも一部が
    硼珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結
    晶シリコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、窒化チタ
    ン膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコンの
    いずれかで形成されるインクジェットプリンタに用いら
    れることを特徴とする請求項1に記載の水性インク。
  3. 【請求項3】 前記インク中のアルカリ金属の含有量の
    合計が700ppm以下で、且つ該インク中に含まれる
    アニオン性化合物の当量に対し、前記カチオン性イオン
    又はカチオン性物質を合計で30%以上含むことを特徴
    とする請求項2に記載の水性インク。
  4. 【請求項4】 インクのpHが7から10の範囲にある
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェ
    ット記録用インク。
  5. 【請求項5】 液室部材の部材の少なくとも一部が硼珪
    酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結晶シ
    リコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、窒化チタン
    膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜の
    いずれかより形成されたインクジェットプリンタに用い
    ることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1に記載の
    インクジェット用記録インク。
  6. 【請求項6】 流体抵抗部の部材の少なくとも一部が硼
    珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結晶
    シリコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、窒化チタン
    膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜の
    いずれかより形成されたインクジェットプリンタに用い
    ることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1に記載の
    インクジェット記録用インク。
  7. 【請求項7】 振動板の部材の少なくとも一部が硼珪酸
    ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結晶シリ
    コン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、窒化チタン膜、
    ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜のいず
    れかより形成されたインクジェットプリンタに用いるこ
    とを特徴とする請求項2乃至4の何れか1に記載のイン
    クジェット記録用インク。
  8. 【請求項8】 ノズルの部材の少なくとも一部が硼珪酸
    ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結晶シリ
    コン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、窒化チタン膜、
    ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜のいず
    れかより形成されたインクジェットプリンタに用いるこ
    とを特徴とする請求項2乃至4の何れか1に記載のイン
    クジェット記録用インク。
  9. 【請求項9】 液室部材の部材の少なくとも一部が硼珪
    酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結晶シ
    リコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、窒化チタン
    膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜の
    いずれかより形成されたインクジェットプリンタと、請
    求項2乃至8の何れか1に記載のインクジェット記録用
    インクを用いて記録を行なうことを特徴とするインクジ
    ェット記録方法。
  10. 【請求項10】 流体抵抗部の部材の少なくとも一部が
    硼珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結
    晶シリコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、窒化チタ
    ン膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜
    のいずれかより形成されたインクジェットプリンタと、
    請求項2乃至8の何れか1に記載のインクジェット記録
    用インクを用いて記録を行なうことを特徴とするインク
    ジェット記録方法。
  11. 【請求項11】 振動板の部材の少なくとも一部が硼珪
    酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結晶シ
    リコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、窒化チタン
    膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜の
    いずれかより形成されたインクジェットプリンタと、請
    求項2乃至8の何れか1に記載のインクジェット記録用
    インクを用いて記録を行なうことを特徴とするインクジ
    ェット記録方法。
  12. 【請求項12】 ノズルの部材の少なくとも一部が硼珪
    酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、感光性ガラス、単結晶シ
    リコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜、窒化チタン
    膜、ジルコニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜の
    いずれかより形成されたインクジェットプリンタと、請
    求項2乃至8の何れか1に記載のインクジェット記録用
    インクを用いて記録を行なうことを特徴とするインクジ
    ェット記録方法。
  13. 【請求項13】 液室部材、流体抵抗部、振動板、ノズ
    ルをエッチング処理、サンドブラスト処理、エキシマレ
    ーザー加工、ドリル加工することにより溝を形成するこ
    とを特徴とする請求項5乃至12の何れか1に記載のイ
    ンクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方
    法。
  14. 【請求項14】 記録液を収容した記録液収容部を備え
    た記録液カートリッジにおいて、前記記録液が請求項2
    乃至8のいずれか1に記載のインクジェット用インクで
    あることを特徴とする記録液カートリッジ。
  15. 【請求項15】 記録液を収容した記録液収容部と、記
    録液滴を吐出させるためのヘッド部を備えた記録液カー
    トリッジにおいて、前記記録液が請求項2乃至8のいず
    れか1に記載のインクジェット用インクであることを特
    徴とする記録液カートリッジ。
  16. 【請求項16】 記録液を収容した記録液収容部と、記
    録液滴を吐出させるための記録ヘッドとを有する記録液
    カートリッジを備えたインクジェット記録装置におい
    て、前記記録液が請求項2乃至8のいずれか1に記載の
    インクジェット用インクであることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
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