JP2002254468A - ハーネスの取出し構造 - Google Patents

ハーネスの取出し構造

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JP2002254468A
JP2002254468A JP2001053000A JP2001053000A JP2002254468A JP 2002254468 A JP2002254468 A JP 2002254468A JP 2001053000 A JP2001053000 A JP 2001053000A JP 2001053000 A JP2001053000 A JP 2001053000A JP 2002254468 A JP2002254468 A JP 2002254468A
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Hiroshi Kobayashi
博 小林
Masakazu Nakamura
正和 中村
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実に気密性を確保できる構造とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂により成形された電子機器
5のハウジング1に対して、電子機器5に接続されたハ
ーネス2が、弾性ゴムから成るシール部材3を介してハ
ウジング1から延在する電子機器ハーネス10の取出し
構造において、シール部材3はハウジング1を成形する
熱可塑性樹脂の融点よりも低い熱可塑性樹脂から成るエ
ラストマーを含み、ハウジング1とシール部材3との接
触部7でエラストマーが溶融される。また、シール部材
3はハーネス2が挿通される内周3cにハーネス2を押
圧する円周上の凸部3dを有しており、ハーネス2とシ
ール部材3とをハウジング成形時の樹脂圧により凸部3
dがハーネス2を押圧してシールするようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器(例え
ば、半導体機器、電子スイッチ、電子アクチュエータ、
センサ等)のハーネス取出し構造に関し、特に、そのシ
ール性を向上をねらった構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】近年では電子機器の用途が増大し、半導
体機器、電子スイッチ、センサ等といった電子機器はさ
まざまな環境下に置かれることが多く、水や油等の液体
の中に置かれるものにあっては、外部からの水滴や油等
が電子機器の内部に浸入しなよう、シール性が重要とな
っている。このような電子機器ハーネスの取出し構造
は、例えば、特開平7−83944号公報に開示されて
いる。この公報に示される構造は図3に示されるよう、
ワイヤーハーネスの外側に同軸状にシール部材(グロメ
ット)が設けられ、このシール部材はワイヤハーネスの
シース材(表皮)よりも高い溶解点の合成樹脂材(例え
ば、ポリウレタン樹脂)から成り、且つ軸半径方向の外
形が少なくとも2通りに異なる段差を軸方向に沿って形
成し、ワイヤーハーネスのシース材と溶着させるように
している。具体的には、ワイヤハーネスにシール部材を
圧入し、その後、ワイヤハーネスのシース材とシール部
材との接触部を加熱処理し、ワイヤーハーネスのシース
材をシール部材の内面に溶着する方法を取っている。こ
れによって、両者の接触部における気密性をもたせてい
る。更に、この構造では、シール部材の軸半径方向の外
径が少なくとも2通りに異なる段差部を設け、この段差
部によって外部から浸入した水滴等の通る距離をかせ
ぎ、センサのハウジングとシール部材の気密性をもたせ
ている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】上記公報に示される
構造のものは、外部より加えられる散水試験程度の気密
性は確保できるが、高温(例えば、100℃以上)の雰
囲気から常温の水中に浸漬させ、これを複数回繰り返す
ような浸水試験では、十分な気密性の確保が困難であ
る。これは、ワイヤーハーネスとシール部材との溶着部
が径方向の全周にわたり所定の距離分、溶着部の分子組
成を均一に形成するのが難しいためである。また、シー
ル部材に段差部を設け、ハウジングを成形する樹脂圧に
より押圧して両者のシールを行うでは、ハウジングとシ
ール部材との間に、一旦入り込んだ水はその表面張力
で、繰り返しの浸水試験における膨張収縮のくり返し回
数に応じてセンサの内部の奥の方に移動し、やがては、
センサ内部に水が浸入し、気密性が保たれなくなってし
まう。
【0004】よって、本発明は上記の問題点に鑑みてな
されたものであり、気密性を確実に確保できる構造とす
ることを技術的課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに講じた第1の技術的手段は、熱可塑性樹脂により射
出成形された電子機器のハウジングに対し、該電子機器
に接続されたハーネスが、シール部材を介して前記ハウ
ジングから延在するハーネスの取出し構造において、前
記シール部材は前記ハウジングを成形する熱可塑性樹脂
の融点よりも低い融点を持つ熱可塑性樹脂から成るエラ
ストマーを含み、ハウジングの射出成形時に、前記ハウ
ジングと前記シール部材との接触部で前記エラストマー
が溶融され、前記ハーネスと前記シール部材とをハウジ
ング成形時の樹脂圧により密着させてシールしたことで
ある。
【0006】これによれば、シール部材はハウジングを
成形する熱可塑性樹脂の融点よりも低い熱可塑性樹脂か
ら成るエラストマーを含み、例えば、ハウジング成形時
にハウジングとシール部材との接触部でシール部材の中
に含まれるエラストマーが溶融され、ハウジングとシー
ル部材の接触部はエラストマーの溶融によりシールされ
る。このため、ハウジングとシール部材との間に外部応
力が作用した場合でも両者間に隙間が形成されず、確実
なシールを行うことが可能となる。また、ハーネスとシ
ール部材とをハウジング成形時の樹脂圧により密着させ
てシールすることにより、ハーネスとシール部材はハウ
ジング成形時にハウジングとシール部材およびシール部
材とハーネスとの間でシールを同時に行うことが可能と
なる。よって、ハウジング成形時に確実に2個所のシー
ルを一緒に行うことが可能となる。
【0007】また、上記の課題を解決するために講じた
第2の技術的手段は、熱可塑性樹脂により成形された電
子機器のハウジングに対し、該電子機器に接続されたハ
ーネスが、シール部材を介して前記ハウジングから延在
するハーネスの取出し構造において、前記シール部材は
前記ハウジングを成形する熱可塑性樹脂の融点よりも低
い融点を持つ熱可塑性樹脂から成るエラストマーを含む
と共に前記ハーネスが挿通される内周に前記ハーネスを
押圧する円周状の押圧部を有し、ハウジングの射出成形
時に、前記ハウジングと前記シール部材との接触部で前
記エラストマーが溶融され、前記ハーネスと前記シール
部材とをハウジング成形時の樹脂圧により前記押圧部が
前記ハーネスを押圧してシールしたことである。
【0008】これによれば、シール部材はハウジングを
成形する熱可塑性樹脂の融点よりも低い熱可塑性樹脂か
ら成るエラストマーを含み、例えば、ハウジング成形時
にハウジングとシール部材との接触部でシール部材の中
に含まれるエラストマーが溶融され、ハウジングとシー
ル部材の接触部はエラストマーの溶融によりシールされ
る。このため、ハウジングとシール部材との間に外部応
力が作用した場合でも両者間に隙間が形成されず、確実
なシールを行うことが可能となる。また、シール部材は
ハーネスが挿通される内周にハーネスを押圧する円周状
の押圧部を有し、ハーネスとシール部材とをハウジング
成形時の樹脂圧により押圧部でハーネスを押圧してシー
ルする。これにより、円周状のシール部材に押圧部を持
たせることで、ハウジング成形時にハーネスとの間でも
シールを同時に行うことが可能となる。
【0009】この場合、ハーネスが挿通される前記シー
ル部材の挿通部に、凹部を有したので、凹部に樹脂が入
りハーネス側に押圧することにより、シール性が向上す
る。
【0010】また、ハウジング成形時に前記凹部に樹脂
が入り、樹脂圧によりシール部材が変形してハーネス側
に押圧することにより、シール性がより向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。
【0012】図1は電子機器ハーネス10の取出し構造
を示す要所部分断面図であり、図2は図1の発明要所の
部分拡大図である。以下、本実施形態においては、電子
機器をセンサ5として説明を行うが、これに限定される
ものではなく、電子機器は半導体機器、電子スイッチ、
電子アクチュエータ等であっても良い。
【0013】センサ5はハウジング1に固定されてお
り、センサ5から出力される信号線およびセンサ5に供
給する電源線はセンサ5に電気的に接続され、ワイヤー
ハーネス(以下、ハーネスと称する)2を介して図示し
ない外部機器に接続されるようになっている。センサ5
からの信号線および電源線は、夫々、ハウジング1にイ
ンサート成形された信号線および電源線に夫々対応した
ターミナル6に電気的に接続される。この場合、センサ
5が電磁ピックアップ型の場合には信号線が2本、半導
体型センサの場合には電源線(+側電源線、−側接地
線)が2本と信号線が1本、または、電源線が1本と信
号線が1本出ており、夫々のターミナル6に接続されて
いる。一方、夫々のターミナル6に接続される線は1本
のハーネス内に存在する夫々に対応したワイヤー導体4
が半田付け等の固定手段により接続される。ハーネス2
はハウジング1に一体で成形されたシール部材(グロメ
ット)3を介してハウジング1から延在するようにして
いる。
【0014】この場合、グロメット3はハウジング1の
開口から突出する突出部3hと薄肉となった凹部3aお
よび凸部3bと厚肉となった凹部3gおよび凸部3fを
有している。また、グロメット3は中央にハーネス2が
貫通するよう貫通孔があいており、長手方向において薄
肉の凹部3aが設けられる位置において、ハーネス2が
挿通される内周3cにハーネス2の表皮2aを押圧する
円周状の凸部3dが複数箇所で設けられている。
【0015】ハウジング1は熱可塑性樹脂で構成され、
射出成形により成形される。また、グロメット3は弾性
ゴム(加硫ゴム)を主成分とする熱可塑性樹脂のエラス
トマーの混合物から成り立っている。
【0016】ハウジング1とグロメット3との凹凸形状
となった接触部7の気密性は、ハウジング1を構成する
熱可塑性樹脂の融点が、グロメット3のエラストマーを
構成する熱可塑性樹脂の融点より高い温度の融点となる
ように、ハウジング1とグロメット3の材質を異なる熱
可塑性樹脂となるようにしている。
【0017】一方、ハーネス2とグロメット3との間の
接触部7の気密性は、ハウジング1が樹脂により成形さ
れる際の樹脂圧力(樹脂圧)がグロメット3の外周から
に徐々に伝達され、この伝達された樹脂圧がグロメット
全体を内側に圧縮させ、且つ、このような圧縮状態でグ
ロメット3の中の熱可塑性樹脂が固化する構成によって
実現される。
【0018】例えば、本実施形態に示すセンサ5が車両
で使用される回転センサである場合について説明する
と、車両においてこのような回転センサは、例えば、内
燃エンジンのクランク軸の回転速度を検出する。このよ
うなセンサでは、通常、130℃の耐熱性、塩水に対す
る耐食性、塩化カルシュウムに対する耐食性や自動車の
各種オイルに対する腐食性等が要求される。これらの要
件を満たすように、ハウジング1を構成する熱可塑性樹
脂は、ナイロン66(溶融温度:280℃近傍)が使用
される。
【0019】もう一方のグロメット3に関して言えば、
車両の内燃エンジンのクランク軸の回転を検出するセン
サ5の上記した要件を満たすゴム材料には、例えば、E
PDMゴムがある。このEPDMゴムの加硫温度は、3
60℃近傍でであり、上記したナイロン66の溶融温度
より高温度である。従って、ナイロン66から成る樹脂
によりハウジングを形成し、EPDMゴムから成るグロ
メット3を構成し、ハーネス2をグロメット3を介して
ハウジング1から延在するようにして、ハウンミング成
形時にグロメット3を一体で成形したとしても、グロメ
ット3を構成するEPDMゴムの熱的な物性変化は極め
て小さい。
【0020】このため、主として弾性ゴムから成るグロ
メット3を構成するために混入されるエラストマーとし
ての熱可塑性樹脂は、ハウジング1とグロメット3との
気密性をもたせるために、溶融温度がハウジング1を構
成するナイロン66の溶融温度より低いことが必要にな
る。従って、ハウジング1を構成するナリロン66の溶
融温度である280℃より低く、且つ、主成分である弾
性ゴム(加硫ゴム)との混合において馴染みが良い、オ
レフィン系エラストマーがあり、このオレフィン系エラ
ストマーを加硫ゴムの中に混入することで、グロメット
3を構成している。
【0021】次に、発明要所に係わる製造方法につい
て、以下、簡単に説明する。
【0022】最初、ハーネス2の端部の所定位置にくる
ようにしてグロメット3を予め圧入し、ハウジング1を
成形する射出成形の金型に、加硫ゴムを主成分として熱
可塑性のエラストマー(エレフィン系エラストマー)を
含むグロメット3を所定の位置に固定して配置し、射出
成形器より射出成形を行う。この場合、ハウジング1を
成形する熱可塑性樹脂(ナイロン66)の溶融樹脂が射
出された際に、溶融樹脂がグロメット3の外周表面に接
し、溶融樹脂の熱によってグロメット3の外周表面に存
在するエラストマーの成分が溶解する。その後、ハウジ
ング1の熱可塑性樹脂の溶融した温度が急激に低下する
と、ハウジング1の熱可塑性樹脂が固化する。グロメッ
ト3のエラストマーが溶融後固化することによって、ハ
ウジング1の溶融した樹脂が、グロメット3の凸部3
b,3e,3fから凹部3a,3gへと廻り込んで入り
込むことにより、ハウジング1を構成する熱可塑性樹脂
とグロメット3との接触部7にエラストマーが混合され
る領域(混合領域)が形成され、この混合領域の生成に
よって、ハウジング1とグロメット3との接触部7の気
密性をもたせることができる。
【0023】更に、ハウジング1が射出成形される際、
発生する溶融樹脂の樹脂圧力(樹脂圧)がグロメット3
に伝わる。この樹脂圧はグロメット3の外周の表面か
ら、ハーネス2と接する内周3cに伝達され、内周3c
に伝達された圧力はグロメット3を介してハーネス2の
表皮2aを締め付ける力5として作用する。この場合、
長手方向、即ち、凹部3aが設けられる位置において、
円周状の凸部3dが複数箇所で設けられているので、こ
の凸部3dによりハーネス2の表示を締め付けるよう機
能する。これによって、ハーネス2とグロメット3との
接触部9との気密性をもたせることができる。その後、
ターミナル6とハーネス2の中に存在する複数のワイヤ
ー導体4をそれぞれ半田付け等により固定することによ
り、センサ5が付いた電子機器ハーネス10となる。
【0024】上記した2個所の接触部7,9について、
気密性の作用について以下に説明する。
【0025】・ハウジング1とグロメット3との接触部
7の気密性 この部位の気密性は、ハウジング1を形成する溶解樹脂
の樹脂温度を利用してグロメット3の一成分であるオレ
フィン系のエラストマーを溶解させることにより実現で
きる。この溶解したオレフィン系エラストマーの溶融温
度がハウジング1を形成する熱可塑性樹脂の溶融温度よ
り低いことを利用して、ハウジング1を成形する熱可塑
性樹脂をグロメット3の凸部3b,3e,3fから凹部
3a,3gに入り込ませる。また、グロメット3のエラ
ストマーの溶融温度がハウジング1の熱可塑性樹脂の溶
解温度より低いことを利用して、グロメット層に入り込
んだ熱可塑性樹脂が固化してからグロメットのエラスト
マーが固化させる。これらの作用によって、ハウジング
1とグロメット3との接触部7においてはハウジング1
の熱可塑性樹脂がグロメット3の外周表面の表層部に入
り込み、この状態で固化するので、両者の接触部7は確
実に溶着される。これによって、接触部7は高温に放置
した後、浸水させる試験(浸水試験)でも、確実に水蒸
気、或いは、水滴が入り込むことができなくなる。
【0026】・グロメット3とハーネス2の表皮2aと
の接触部9の気密性この部位の気密性は、ハウジング1
を形成する溶融樹脂の射出圧とグロメット3に含まれる
オレフィン系樹脂の溶融温度が、ハウジング1を形成す
る熱可塑性樹脂の溶解温度より低いことを利用してい
る。
【0027】ハウジング1を構成する熱可塑性樹脂の溶
融樹脂の樹脂圧は、グロメット3の外周表面からグロメ
ット全体をハーネス2に対して、内側に縮小させる応力
として機能する。この時、ハウジング1の溶融樹脂の樹
脂温度はグロメット3の中に含まれるエラストマーの溶
解温度より高い。このため、例えば、グロメット3に加
硫ゴムに対して10%のエラストマーが含まれる場合に
は、グロメット3の所定の体積分、その体積を占めるエ
ラストマーが溶解した状態で射出圧を受ける。この場
合、エラストマーが溶解した状態で射出圧が作用するの
で、グロメット3の外周表面に溶解したエラストマーが
ハウジング1を形成する溶融樹脂が凹部3a,3gの中
に確実に入り込む。残りの90%の体積を占めるEPD
Mゴムは、溶融樹脂温の高温状態でグロメット3の全体
が内側に縮小するように射出圧が作用する。例えば、溶
融樹脂は、0.2秒から0.3秒という時間で固化する
ので、射出圧はこの時間内作用する。その結果、高温状
態での射出圧がグロメット3に確実に作用し、グロメッ
ト3の体積が縮小されて、薄肉となった凹部3aが変形
してハーネス側に押圧され、グロメット3の内側にある
ハーネス2の表皮2aが締め付けられる。その後、ハウ
ジング1およびグロメット3は所定の金型温度に近づ
く。この固化時の温度と金型温度との温度差によって両
者の体積は縮小し、更に、ハーネスを締め付ける応力は
増大するものとなる。
【0028】この場合、ハーネス2への締め付け力を効
果的にする為、グロメット3とハーネス2の接触部9に
おいて、円周上軸方向に波状や複数の山状の突起を設け
ることにより、上記した温度差による締め付け力は更に
増大する。
【0029】本実施形態では、ハウジング1を熱可塑性
樹脂の射出成形法によって形成し、さらにハウジング1
と接する部位を持つグロメット3を弾性ゴムと前記熱可
塑性樹脂の溶解点より低い溶解点を持つエラストマー材
から構成することで、射出成形時の溶融樹脂温でグロメ
ットの表層部のエラストマーを確実に溶解させ、このエ
ラストマーの溶解部には射出圧によって確実に溶融樹脂
が入り込み、これによって、ハウジング1とグロメット
3との接触部7が確実に溶融し、高温状態から水没させ
るような厳しい気密性に対しても必要となる溶着部を形
成することができる。
【0030】更に、溶融樹脂の射出圧をグロメット3の
体積を縮小させる応力として確実に作用させ、ハーネス
2の表皮2aを圧縮させる応力として作用させること
で、ハーネス2の表皮2aとグロメット3との接触部9
に対し、高温状態から水没させるような厳しい条件下で
も気密性を確実に確保することができる。
【0031】また、このような方法を取れば、従来の如
く、気密性をもたせるために新たな熱処理が不要とな
り、コスト面でも有利になる。従来の熱可塑性樹脂の射
出成形法を利用し、更に、グロメット3も安価なEPD
Mゴムと安価なオレフィン系エラストマーを混合させれ
ば、ゴム材料としてコストが大幅に上がることもなく、
従来の加硫成形法が利用できる。このように、気密性を
向上させる目的で新たなグロメットの材質を使用する
が、これによるコストアップは小さい。
【0032】尚、本実施形態ではハウジング1にナイロ
ン66、グロメット3のエラストマーとしてオレフィン
系の熱可塑性樹脂を使用したが、これに限定されるもの
ではなく、両者の夫々の材質はこれ以外に、ポリプロピ
レン(PP)を使用する場合にはオレフィン系の熱可塑
性樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を使用
する場合にはポリエステル系の熱可塑性樹脂を使用する
ことも可能である。
【0033】
【効果】本発明によれば、ハウジング成形時にハウジン
グとシール部材との接触部でシール部材の中に含まれる
エラストマーが溶融され、ハウジングとシール部材の接
触部はエラストマーの溶融によりシールされるため、ハ
ウジングとシール部材との間に外部応力が作用した場合
でも両者間に隙間が形成されず、確実なシールを行うこ
とができる。また、ハーネスとシール部材とをハウジン
グ成形時の樹脂圧により密着させてシールすることによ
り、ハーネスとシール部材はハウジング成形時にハウジ
ングとシール部材およびシール部材とハーネスとの間で
シールを同時に行うことができる。
【0034】また、本発明によれば、シール部材はハー
ネスが挿通される内周にハーネスを押圧する円周状の押
圧部を有し、ハーネスとシール部材とをハウジング成形
時の樹脂圧により押圧部でハーネスを押圧してシールす
ることにより、円周状のシール部材に押圧部を持たせる
ことで、シール部材に押圧部を有するよう形状を変化さ
せるだけで、確実なシールを行うことができる。
【0035】この場合、ハーネスが挿通されるシール部
材の挿通部に、凹部を有したので、凹部に樹脂が入りハ
ーネス側に押圧することにより、凹部を有するよう形状
を変化させるだけで、シール性が向上する。
【0036】また、ハウジング成形時に凹部に樹脂が入
り、樹脂圧によりシール部材が変形してハーネス側に押
圧することにより、成形時の樹脂圧を利用し、シール性
がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態におけるハーネスの取出
し構造の要所部分断面図である。
【図2】 図1における発明要所の部分拡大図である。
【図3】 従来におけるハーネスの取出し構造を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 ハーネス 2a 表皮 3 グロメット(シール部材) 3a 凹部 3b 凸部 3c 内周 3d 押圧部 5 センサ(電子機器) 7,9 接触部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂により射出成形された電子
    機器のハウジングに対し、該電子機器に接続されたハー
    ネスが、シール部材を介して前記ハウジングから延在す
    るハーネスの取出し構造において、 前記シール部材は前記ハウジングを成形する熱可塑性樹
    脂の融点よりも低い融点を持つ熱可塑性樹脂から成るエ
    ラストマーを含み、 前記ハウジングの射出成形時に、前記ハウジングと前記
    シール部材との接触部で前記エラストマーが溶融され、
    前記ハーネスと前記シール部材とを前記ハウジングの樹
    脂圧により密着させてシールしたことを特徴とするハー
    ネスの取出し構造。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂により射出成形された電子
    機器のハウジングに対し、該電子機器に接続されたハー
    ネスが、シール部材を介して前記ハウジングから延在す
    るハーネスの取出し構造において、 前記シール部材は前記ハウジングを成形する熱可塑性樹
    脂の融点よりも低い融点を持つ熱可塑性樹脂から成るエ
    ラストマーを含むと共に前記ハーネスが挿通される内周
    に前記ハーネスを押圧する円周状の押圧部を有し、 前記ハウジングの射出成形時に、前記ハウジングと前記
    シール部材との接触部で前記エラストマーが溶融され、
    前記ハーネスと前記シール部材とを射出成形時の樹脂圧
    により前記押圧部が前記ハーネスを押圧してシールした
    ことを特徴とするハーネスの取出し構造。
  3. 【請求項3】 前記ハーネスが挿通される前記シール部
    材の挿通部の外周に、凹部を有したことを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載のハーネスの取出し構造。
  4. 【請求項4】 前記凹部に樹脂が入り、樹脂圧により前
    記押圧部が前記ハーネスを押圧することを特徴とする請
    求項3に記載のハーネスの取出し構造。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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