JP2002250130A - 多層コンクリート構造物の構築方法 - Google Patents

多層コンクリート構造物の構築方法

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JP2002250130A
JP2002250130A JP2001051654A JP2001051654A JP2002250130A JP 2002250130 A JP2002250130 A JP 2002250130A JP 2001051654 A JP2001051654 A JP 2001051654A JP 2001051654 A JP2001051654 A JP 2001051654A JP 2002250130 A JP2002250130 A JP 2002250130A
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film curing
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Izumi Kawamoto
泉 川本
Sadanori Matsuyama
禎憲 松山
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Haseko Corp
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Haseko Corp
Hasegawa Komuten Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリートの養生を確実に実施しコンクリ
ートの高品質を確保しながら、少ない型枠で、鉄筋コン
クリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造などの多層コンク
リート構造物を効率良く構築できる多層コンクリート構
造物の構築方法を提供する。 【解決手段】 複数階のコンクリート建造物を構築する
方法であって、コンクリート打設部分を、コンクリート
打設時からそのコンクリートが型枠解体可能強度に達す
るまでの間、型枠又は膜養生剤によってコンクリートを
覆って養生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
造、鉄骨鉄筋コンクリート造などの多層コンクリート構
造物の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリ
ート造などの多層コンクリート構造物(例えば、マンシ
ョン)は、下層階の鉄筋などを配筋し、その周囲に型枠
を構築し、型枠内にコンクリートを打設した後、コンク
リートの固化を確認して型枠を解体し、この各工程を順
次上層階に繰り返すことで複数階のコンクリート構造物
が構築される。
【0003】コンクリート構造物を構成するコンクリー
トは、セメントと水との化学反応によって固化するもの
であり、コンクリートの打設後、コンクリートが所定の
強度になるまで型枠を存置して水分の蒸発を防ぐととも
に、コンクリートスラブ面など型枠に覆われていない部
分は、散水などにより水分を補給するなど、いわゆるコ
ンクリート湿潤養生を行なうことが不可欠となる。
【0004】しかし、上述した多層コンクリート構造物
の構築において、所定階のコンクリートを打設後、その
型枠を存置し、コンクリートが所定の強度を発現し、品
質上支障がない期間を経過した後に型枠を解体して、そ
れを上層階に転用する場合、型枠が多数必要になる問題
点がある。すなわち、解体した型枠を直ぐ上の階の型枠
として使用できれば型枠数が少なくできるが、工期短縮
は生産上不可欠の要素であり、下階に型枠を存置したま
ま、上階に新たな型枠を用いてコンクリート打設を行な
う場合、存置する型枠が多くなり、例えば、通常、2〜
3階分の型枠を準備しておく必要があった。
【0005】コンクリート型枠は、図6に例示するよう
に、例えば、スラブ型枠は、支保工aで大引きbを支
え、大引きbの上に多数の根太cを置き、その上にスラ
ブの下面を形成するせき板dを載置することで形成され
る。また、梁型枠は、梁の下面(梁底)のせき板dを同
じく支保工a、大引きb、根太cで支え、さらに、梁の
側面の対面するせき板dを横根太e、締付け金具fで固
定することで形成され、壁は、基本的には、梁の側面の
型枠と同様にせき板d、横根太e、締付け金具fで形成
される。さらには、型枠の転倒防止用チェーンgや支保
工の転倒防止用の控え部材h、など多数の資材を用いて
コンクリート型枠が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
多層コンクリート構造物の構築方法において、特に、マ
ンションなどの集合住宅では、複雑な形状の外壁や各住
戸の戸境壁がある関係で、同じ延べ床面積であっても、
事務所ビルなどと比較すると型枠の量が圧倒的に多いと
いう問題がある。
【0007】そのため型枠の必要量が多く建設コストが
高くなるばかりでなく、型枠は使用後には残材として処
分されるため、環境面への影響も少なくない問題点もあ
った。
【0008】一方、コンクリートの湿潤養生方法として
は、型枠をそのまま存置する手段の他に、コンクリート
が所定の強度を発現した段階で型枠を解体し、その後、
水分の蒸発を防ぐために、そのコンクリート面をシート
で覆うシート養生がある。この養生を行なうことで、コ
ンクリートの品質を確保しつつ、型枠の解体時期を早く
して、その型枠を上階に転用し、なるべく型枠の必要量
を少なくすることができるが、シートによるコンクリー
トの湿潤養生はシートによりコンクリート面を確実に覆
う必要があり、非常に手間が掛かる問題を有している。
【0009】更に型枠を存置するその他の手段として、
コンクリート面に膜養生剤を塗布して養生を行なう膜養
生手段というものがある。しかし、この膜養生手段は、
従来建築物のコンクリート構築にはコンクリートの湿潤
養生を除くとほとんど使用されておらず、特に多層コン
クリート構造物の構築への適用方法が確立されていなか
った。
【0010】本発明は、上述した種々の問題点を解決す
るために創案されたものである。すなわち、本発明の目
的は、コンクリートの湿潤養生を確実に実施しコンクリ
ートの高品質を確保しながら、少ない型枠で、鉄筋コン
クリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造などの多層コンク
リート構造物を効率良く構築できる多層コンクリート構
造物の構築方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数階
のコンクリート建造物を構築する方法であって、コンク
リート打設部分を、コンクリート打設時からそのコンク
リートが型枠解体可能強度に達するまでの間、型枠又は
膜養生剤によってコンクリートを覆って養生する、こと
を特徴とする多層コンクリート構造物の構築方法が提供
される。
【0012】本発明の方法によれば、型枠と膜養生剤の
少なくとも一方によってコンクリートを常に覆うので、
コンクリート打設時からそのコンクリートが型枠解体可
能強度に達するまでコンクリートの湿潤養生を確実に実
施しコンクリートの高品質を確保することができる。
【0013】本発明の好ましい実施形態によれば、所定
階の鉄筋配筋工事及び型枠工事の後に該所定階のコンク
リート打設を行う打設工程と、該打設工程後に、型枠で
被覆されないコンクリート上面を膜養生剤で膜養生する
上面養生工程と、前記型枠内のコンクリート強度が確保
された段階で、柱、梁、壁などの側型枠を解体する側型
枠解体工程と、該側型枠解体工程で解体したコンクリー
ト部分を膜養生剤で膜養生する側面養生工程と、該解体
した側型枠を上層階で再使用する側型枠再使用工程と、
からなる。
【0014】この方法により、上面養生工程で打設工程
後の型枠で被覆されないコンクリート上面を膜養生剤で
膜養生することができる。また、側面養生工程で側型枠
解体工程で解体したコンクリート部分を膜養生剤で膜養
生することができる。更に、側型枠再使用工程で解体し
た側型枠を上層階で再使用することができる。従って、
少なくとも側型枠を早期に再利用でき、少ない型枠で、
多層コンクリート構造物を効率良く構築できる。
【0015】本発明の別の好ましい実施形態によれば、
所定階の鉄筋配筋工事及び型枠工事の後に、型枠内面に
膜養生剤を塗布した後に所定階のコンクリート打設を行
う打設工程と、該打設工程後に、型枠で被覆されないコ
ンクリート上面を膜養生剤で膜養生する上面養生工程
と、前記型枠内のコンクリート強度が確保された段階
で、柱、梁、壁などの側型枠を解体する側型枠解体工程
と、該側型枠解体工程で解体した側型枠を上層階で再使
用する側型枠再使用工程と、からなる。
【0016】この方法により、打設工程において、型枠
内面に膜養生剤を塗布しておくので、側型枠解体工程後
の膜養生工程が不要となる。従って、この方法によっ
て、より工程が少なくでき、かつコンクリートの養生を
確実に実施しコンクリートの高品質を確保しながら、少
ない型枠で、多層コンクリート構造物を効率良く構築で
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。
【0018】図1は、本発明の方法の第1ステップを示
す図であり、基準階であるn階の型枠の建て込み状況を
現している。図1(A)は、梁下に壁が形成される場合
の型枠の建て込み状況であり、1はスラブ底型枠、2は
梁側型枠、3は梁底型枠、4は壁側型枠で、5はスラブ
底型枠を支える大引き、6は大引き5を支える支保工、
9は梁底型枠3を支えるアングル材である。なお、図6
に示したスラブ底型枠1と大引き5の間に設けられる根
太や、梁側型枠2、壁側型枠4を支える横根太、型枠の
締付け金具ほか、支保工6や壁側型枠4の転倒を防止す
る転倒防止部材などは図面上省略してある。また、同様
に型枠内に配筋された鉄筋なども図面上省略してある。
【0019】図1(B)は、片持ちスラブが形成される
場合の建て込み状況であり、1はスラブ底型枠、1aは
片持ちスラブ底型枠、2、2aは梁側型枠、3aは梁底
型枠、8、8aは手すり側型枠で、5はスラブ底型枠を
支える大引き、5aは片持ちスラブ底型枠を支える大引
き、6は大引き5を支える支保工、6aは大引き5aを
支える支保工、7aは梁底型枠3aを支える支保工であ
る。なお、図1(A)と同様に根太、横根太、型枠の締
付け金具、転倒防止部材、型枠内に配筋された鉄筋など
は図面上省略されている。ただし、片持ちスラブ底型枠
の先端を支える支保工7b、7cは、片持ちスラブ底型
枠を直接支持している。
【0020】型枠の建て込み手順は、以下のとおりとな
る。まず、基準階であるn階のスラブ上面に、柱、壁の
構築位置を示す墨出しを行なった後、柱、壁の鉄筋の配
筋が行なわれる。このとき梁の鉄筋も配筋してもよい。
配筋が終わると建物の内側に位置する壁型枠4、柱型枠
(図示せず)の他、梁底型枠3、梁側型枠2が順次構築
され、その梁側型枠3に掛け渡す形でスラブ型枠1が構
築されるとともに、壁部分の窓枠など開口部の型枠が構
築され、次に建物の外側に位置する壁側型枠4、柱型枠
(図示せず)、梁側型枠2の他、片持ちスラブ底型枠1
a、手すり側型枠8が構築される。上記型枠の構築が終
わると梁鉄筋(予め配筋された場合を除く)、スラブ鉄
筋、手すり鉄筋の配筋が行なわれ、その他貫通孔部分の
型枠が組まれ、コンクリート打設となる。
【0021】図2は、本発明の方法の第2ステップを示
す図であり、コンクリート打設が終了した状況を示す。
この図において、Sはスラブ、S1は片持ちスラブ、H
は梁、Wは壁、Tは手すりである。コンクリート打設の
手順は、以下のとおりとなる。コンクリート打設時に
は、n階の上階であるn+1階のスラブSおよび片持ち
スラブS1のコンクリート上面の水平レベルを均一にな
らし、コンクリートがある程度凝固した段階で、コンク
リートスラブS、S1の上面及び手すりTの上端面を鏝
(コテ)でならし、浮き水の乾燥とコンクリートの凝固
状況を見ながら、再度鏝で押さえる。
【0022】次いで、コンクリート上を人が歩いても沈
み込みがない状態となった段階で、スラブS、片持ちス
ラブS1の上面及び手すりTの上端面に膜養生剤を散布
する。なお、コンクリート打設当日の膜養生剤散布が困
難な場合は、翌日早朝でもよい。また手すりTをプレキ
ャスト部材とした場合は、型枠8と養生は不要である。
この場合に用いる膜養生剤としては、合成樹脂を主成分
としたエマルジョン、あるいはシリカ系無機質材を主成
分としたエマルジョンなどを用いる。なお、コンクリー
ト面に仕上げ材を貼る場合は、パラフィン系の合成樹脂
や顔料を含むものよりも、エチレン系、酢酸ビニル系の
合成樹脂を主成分とするエマルジョンを散布するのが良
い。これにより、打設されたコンクリートが型枠あるい
は膜養生剤によってすべて覆われた状態を維持すること
ができる。なお、顔料を含まないエマルジョンは、散布
後に乾燥と同時に無色となるため、塗り残し等の確認が
難しいので、2〜3日で退色する色素を混入させるのも
良い。
【0023】図3は、本発明の方法の第3ステップを示
す図であり、梁側型枠、壁側型枠など垂直部分のせき板
を解体した状況を示す。梁側型枠、壁側型枠など垂直部
分のせき板の解体の手順は以下のとおりとなる。コンク
リートの圧縮強度(供試体で強度を確認)が5N/mm
2以上になった段階で柱、梁、壁の垂直部分型枠の締付
け金具、横根太などのほか、柱、梁、壁の形成する側型
枠を解体する。次いで、柱、梁、壁などの側型枠を解体
した部分のコンクリート面に上述の膜養生剤を吹き付け
る。これにより、打設されたコンクリートが型枠あるい
は膜養生剤によってすべて覆われた状態を維持する。
【0024】なお、図3(A)のとおり、梁Hの中心下
に壁Wがある場合は、柱、梁、壁などの側型枠と同時に
梁底型枠3も解体し、膜養生剤を吹き付けるが、壁Wに
窓などの開口部がある場合、壁Wが梁Hの中心から偏芯
して位置する場合などで、偏芯荷重によるコンクリート
へのひび割れが生じるおそれがある場合は、型枠構築時
に、梁底型枠を支える支保工を独立して設け、この段階
での梁底型枠の解体をしないようにする必要がある。
【0025】図4は、本発明の方法の第4ステップを示
す図であり、n+1階の型枠建て込み状況を示す。n+
1階の型枠建て込みは、図1(A)、図1(B)におけ
るn階の型枠建て込み手順と同様だが、n階で使用し、
解体した柱側型枠のほか、梁側型枠2、2a、梁底型枠
3、壁側型枠4、手すり側型枠8、8aは、n+1階の
型枠に転用される。ただし、スラブ底型枠1、片持ちス
ラブ底型枠1a、梁底型枠3aとその支保工などは、n
階で使用しているので、新たな型枠および支保工などを
使用する。
【0026】図5は、本発明の方法の第5ステップを示
す図であり、n+2階の型枠建て込み状況を示すが、n
+1階については、n階と同様に、コンクリート打設後
にスラブ上面に膜養生を行い、コンクリート圧縮強度5
N/mm2以上を確認した後、柱、梁、壁の側型枠を解
体し、型枠解体部分について同じく膜養生をした状態に
してある。そして、n+2階の型枠建て込みも、n階、
n+1階の型枠建て込み手順と同様に行なわれるが、n
+1階で使用し解体された柱側型枠、梁側型枠2、2
a、梁底型枠3、壁側型枠4、手すり側型枠8、8aな
どのほか、n階で使用していたスラブ底型枠1、片持ち
スラブ型枠底1a、梁底型枠3aとその支保工などを解
体し、n+2階の型枠に転用している点が異なる。
【0027】ただし、n階の片持ちスラブ底型枠1aの
先端部分については施工時の荷重条件によっては、一部
型枠を残存させ、支保工で支持するので、常にn階の型
枠を完全にすべて転用するわけではないが、基本的には
n階の型枠はすべてn+2階に転用されることとなる。
なお、n階におけるスラブ底型枠1、片持ちスラブ型枠
底1a、梁底型枠3aの型枠解体に当たっては、コンク
リートの圧縮強度が設計基準強度以上(建物の設計上必
要とされるコンクリートの強度=供試体で確認)である
こと、あるいは計算値(材齢7日の供試体の圧縮強度を
もとに型枠解体可能強度以上となる日を割出すが、供試
体の養生方法などによって算定式が異なる)によって型
枠解体可能強度以上であることを確認した上で型枠解体
を行なう。
【0028】一般に、設計基準強度の発現時期は、普通
コンクリートであれば、コンクリート打設の日から28
日(材齢)前後で設計基準強度が発現するといわれ、場
合によっては、n階の型枠をn+2階に転用できず、n
+3階に転用する場合も有り得る。しかしながら、普通
コンクリートであっても材齢20日程度で設計基準強度
が発現するようにコンクリートの調合を調整することは
可能であり、材齢22〜23日で設計基準強度を発現で
きれば、サイクル工程(所定階における柱、壁の鉄筋配
筋、型枠の構築、梁、スラブの鉄筋配筋、コンクリート
打設などの作業の繰り返しサイクル)が仮に15日前後
であっても、n階の型枠をn+2階に転用することが可
能になる。
【0029】また、n階の型枠をn+2階に転用するに
は、建物をいくつかの工区に分割する方法もある。仮
に、図5(A)をA工区、図5(B)をB工区とし、サ
イクルを15日とした場合、A工区におけるn階の柱、
壁の鉄筋配筋、型枠の構築、梁、スラブの鉄筋配筋、コ
ンクリート打設などの作業を行い、次にB工区における
n階で同様の作業を行い、さらに、n+1階のA工区、
B工区と作業を行なうと、n+2階のA工区の作業は、
n階におけるA工区のコンクリート打設の日から30日
目の開始となるので、n階のスラブ型枠、等をn+2階
に転用可能となる。何れにしても、現場における施工条
件を勘案しながら、上記の方法を随時取り入れると、コ
ンクリートの品質を維持しながら、n階の型枠をn+2
階に転用することが可能になり、型枠の量を削減するこ
とができる。
【0030】以上のように、本発明によれば、コンクリ
ートの圧縮強度が型枠解体可能強度以上であることが確
認されるまで、打設されたコンクリートが常に型枠ある
いは膜養生剤によってすべて覆われた状態を維持するこ
とができるので、コンクリートのひび割れなども防止で
き、かつ充分な化学反応によって密実なコンクリートを
生成できコンクリートの中性化にも強い品質の優れたコ
ンクリート構造物を構築できる。
【0031】さらに、膜養生剤として、疎水性合成樹脂
を主成分としたエマルジョンを吹き付けるようにしたの
で、特に複雑な形状を有する外壁部分のコンクリートが
確実に湿潤養生され、劣化しにくいコンクリートを生成
するとともに、タイルなどの接着強度を向上できる。
また、順次型枠を上階に転用していくので、型枠の必要
量を低減できる。特に集合住宅で多い壁側型枠は、常に
直上階へ転用されるので、型枠の必要量低減効果が大き
い。
【0032】上述したように本発明の方法によれば、型
枠と膜養生剤の少なくとも一方によってコンクリートを
常に覆うので、コンクリート打設時からそのコンクリー
トが設計基準強度に達するまでコンクリートの養生を確
実に実施しコンクリートの高品質を確保することができ
る。
【0033】また、所定階の鉄筋配筋工事及び型枠工事
の後に該所定階のコンクリート打設を行う打設工程と、
該打設工程後に、型枠で被覆されないコンクリート上面
を膜養生剤で膜養生する上面養生工程と、前記型枠内の
コンクリート強度が確保された段階で、柱、梁、壁など
の側型枠を解体する側型枠解体工程と、該側型枠解体工
程で解体したコンクリート部分を膜養生剤で膜養生する
側面養生工程と、該解体した側型枠を上層階で再使用す
る側型枠再使用工程とを備えることにより、上面養生工
程で打設工程後の型枠で被覆されないコンクリート上面
を膜養生剤で膜養生することができる。また、側面養生
工程で側型枠解体工程で解体したコンクリート部分を膜
養生剤で膜養生することができる。更に、側型枠再使用
工程で解体した側型枠を上層階で再使用することができ
る。従って、少なくとも側型枠を早期に再利用でき、少
ない型枠で、多層コンクリート構造物を効率良く構築で
きる。
【0034】更に、打設工程において、所定階の鉄筋配
筋工事及び型枠工事の後に、型枠内面に膜養生剤を塗布
した後に所定階のコンクリート打設を行うことにより、
打設工程において、型枠内面に膜養生剤を塗布しておく
ので、側型枠解体工程後の膜養生工程が不要となる。従
って、この方法によって、より工程が少なくでき、かつ
コンクリートの養生を確実に実施しコンクリートの高品
質を確保しながら、少ない型枠で、多層コンクリート構
造物を効率良く構築できる。
【0035】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない限りで種々に変更でき
ることは勿論である。
【0036】
【発明の効果】上述したように、本発明の多層コンクリ
ート構造物の構築方法は、コンクリートの養生を確実に
実施しコンクリートの高品質を確保しながら、少ない型
枠で、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造な
どの多層コンクリート構造物を効率良く構築できる等の
優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の第1ステップを示す図である。
【図2】本発明の方法の第2ステップを示す図である。
【図3】本発明の方法の第3ステップを示す図である。
【図4】本発明の方法の第4ステップを示す図である。
【図5】本発明の方法の第5ステップを示す図である。
【図6】従来のコンクリート構造物用の型枠の構成図で
ある。
【符号の説明】
1 スラブ底型枠、1a 片持ちスラブ底型枠、2,2
a 梁側型枠、3,3a 梁底型枠、4 壁側型枠、
5,5a 大引き、6,6a,7a,7b,7c 支保
工、8、8a 手すり側型枠、9 アングル材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数階のコンクリート建造物を構築する
    方法であって、 コンクリート打設部分を、コンクリート打設時からその
    コンクリートが型枠解体可能強度に達するまでの間、型
    枠又は膜養生剤によってコンクリートを覆って養生す
    る、ことを特徴とする多層コンクリート構造物の構築方
    法。
  2. 【請求項2】 所定階の鉄筋配筋工事及び型枠工事の後
    に該所定階のコンクリート打設を行う打設工程と、 該打設工程後に、型枠で被覆されないコンクリート上面
    を膜養生剤で膜養生する上面養生工程と、 前記型枠内のコンクリート強度が確保された段階で、
    柱、梁、壁などの側型枠を解体する側型枠解体工程と、 該側型枠解体工程で解体したコンクリート部分を膜養生
    剤で膜養生する側面養生工程と、該解体した側型枠を上
    層階で再使用する側型枠再使用工程と、からなることを
    特徴とする請求項1に記載の多層コンクリート構造物の
    構築方法。
  3. 【請求項3】 所定階の鉄筋配筋工事及び型枠工事の後
    に、型枠内面に膜養生剤を塗布した後に所定階のコンク
    リート打設を行う打設工程と、 該打設工程後に、型枠で被覆されないコンクリート上面
    を膜養生剤で膜養生する上面養生工程と、 前記型枠内のコンクリート強度が確保された段階で、
    柱、梁、壁などの側型枠を解体する側型枠解体工程と、 該側型枠解体工程で解体した側型枠を上層階で再使用す
    る側型枠再使用工程と、からなることを特徴とする請求
    項1に記載の多層コンクリート構造物の構築方法。
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