JP2002249599A - セルロースエステルフィルム及びその製造方法 - Google Patents

セルロースエステルフィルム及びその製造方法

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JP2002249599A
JP2002249599A JP2001288943A JP2001288943A JP2002249599A JP 2002249599 A JP2002249599 A JP 2002249599A JP 2001288943 A JP2001288943 A JP 2001288943A JP 2001288943 A JP2001288943 A JP 2001288943A JP 2002249599 A JP2002249599 A JP 2002249599A
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film
cellulose ester
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mass
ester film
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JP2001288943A
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Takashi Murakami
隆 村上
Tadahiro Kaneko
忠浩 金子
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的等方性、特に膜厚方向の光学的等方性
に優れたセルロースエステルフィルム、その製造方法、
表示装置用偏光板及び表示装置を提供する 【解決手段】 下記式(I)で表される面配向度Sが
0.0004以下であることを特徴とするセルロースエ
ステルフィルム。 式(I) S=(Nx+Ny)/2−Nz 式中、Nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Ny
は遅相軸方向に対し直角な方向のフィルム面内の屈折
率、Nzはフィルムの厚み方向の屈折率を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースエステ
ルフィルム(以下、単にフィルムともいう)、その製造
方法、液晶表示用偏光板及び液晶表示装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、低電圧、低消費電力
で、IC回路への直結が可能であり、そして、特に、薄
型化が可能であることから、ワードプロセッサやパーソ
ナルコンピュータ等の表示装置として広く採用されてい
る。この液晶表示装置は、基本的な構成は、例えば液晶
セルの両側に偏光板を設けたものである。
【0003】このような液晶表示装置において、コント
ラスト等の観点から、ツイスト角が90度のツイステッ
ドネマティック(TN)を用いた液晶表示装置からツイ
スト角が160度以上のスーパーツイステッドネマティ
ック(STN)を用いた液晶表示装置などが提案されて
きている。
【0004】これらの液晶表示装置では視野角を拡大す
ることが重要な課題となっており、液晶セルの設計、駆
動方式あるいは様々な光学補償フィルムを用いた方法等
が提案されており、これらに用いられる光学フィルムへ
の要求はますます厳しくなってきている。
【0005】例えば、偏光板保護フィルムとしてセルロ
ースアセテートフィルムが、光学的等方性に優れており
広く用いられている。しかしながら、液晶セルを設計す
る上で、より光学的等方性に優れた光学フィルムが求め
られていた。特に面内方向だけでなく膜厚方向について
もより光学的等方性に優れた光学フィルムが求められて
いるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
的等方性、特に膜厚方向の光学的等方性に優れたセルロ
ースエステルフィルムを提供することであり、そのセル
ロースエステルフィルムの製造方法、表示装置用偏光板
及び表示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成された。
【0008】1.下記式(I)で表される面配向度Sが
0.0004以下であることを特徴とするセルロースエ
ステルフィルム。
【0009】式(I) S=(Nx+Ny)/2−Nz 式中、Nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Ny
は遅相軸方向に対し直角な方向のフィルム面内の屈折
率、Nzはフィルムの厚み方向の屈折率を表す。
【0010】2.上記式(I)で表されるSが0.00
001〜0.0004であり、かつR0とθが、下記式
(II)のPが0.9999の関係を満たすことを特徴と
する前記1記載のセルロースエステルフィルム。
【0011】式(II) P≦1−sin2(2θ)sin2(πR0/λ) R0=(Nx−Ny)×d 式中、Nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Ny
は遅相軸方向に対し直角な方向のフィルム面内の屈折率
であり、dはフィルムの膜厚(nm)である。θはフィ
ルム面内の遅相軸方向と製膜方向(フィルムの直尺方
向)とのなす角度(ラジアン)、λは上記Nx、Ny、
θを求める三次元屈折率測定の際の光の波長(nm)、
πは円周率である。
【0012】3.分子内に複数の環状構造を有する化合
物をセルロースエステルフィルムに対して5〜30質量
%含有することを特徴とする前記1又は2記載のセルロ
ースエステルフィルム。
【0013】4.セルロースエステルが総置換度2.8
5〜3.00のセルロースエステルであることを特徴と
する前記1〜3のいずれか1項記載のセルロースエステ
ルフィルム。
【0014】5.膜厚が10〜60μmであることを特
徴とする前記1〜4のいずれか1項記載のセルロースエ
ステルフィルム。
【0015】6.セルロースエステル溶液を支持体上に
流延し、剥離後のフィルムをさらに乾燥させるセルロー
スエステルフィルムの製造方法において、セルロースエ
ステル溶液を支持体上に流延した後の支持体上での乾燥
工程の際、支持体上のドープ膜の残留溶媒量が200質
量%から120質量%の範囲内にあるとき残留溶媒量減
少速度が4〜15質量%/秒となる乾燥を行うことを特
徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0016】7.セルロースエステル溶液を支持体上に
流延し、剥離後のフィルムをさらに乾燥させるセルロー
スエステルフィルムの製造方法において、セルロースエ
ステル溶液を支持体上に流延した後の支持体上での乾燥
工程の際、支持体上のドープ膜の残留溶媒量が200質
量%から120質量%の範囲にある時間が10秒以上2
0秒未満となる乾燥を行うことを特徴とするセルロース
エステルフィルムの製造方法。
【0017】8.セルロースエステル溶液を支持体上に
流延し、剥離後のフィルムをさらに乾燥させるセルロー
スエステルフィルムの製造方法において、セルロースエ
ステル溶液を支持体上に流延した後の支持体上での乾燥
工程の際、平均温度が41〜100℃に設定された雰囲
気内でウエブを乾燥させる乾燥工程を有し、かつ流延後
25〜90秒で剥離することを特徴とする前記6又は7
記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0018】9.セルロースエステル溶液を支持体上に
流延し、剥離後のフィルムを乾燥させるセルロースエス
テルフィルムの製造方法において、セルロースエステル
溶液を支持体上に流延した後の支持体上での乾燥工程の
際、平均温度が20〜50℃に設定された雰囲気内で支
持体上のウエブを乾燥させる低温乾燥工程の後、前記低
温乾燥工程の平均温度よりも+5〜70℃に設定された
雰囲気内で更に支持体上で乾燥させる高温乾燥工程で乾
燥を行い、かつ流延後25〜90秒で剥離することを特
徴とする前記6、7又は8記載のセルロースエステルフ
ィルムの製造方法。
【0019】10.前記支持体上での高温乾燥工程が4
1℃〜100℃に設定された雰囲気内で行われることを
特徴とする前記9記載のセルロースエステルフィルムの
製造方法。
【0020】11.剥離時の残留溶媒量が20〜120
質量%であることを特徴とする前記6〜10のいずれか
1項記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0021】12.セルロースエステル溶液の固形分濃
度(低沸点溶媒分濃度を除いた濃度)が17〜30質量
%であることを特徴とする前記6〜11のいずれか1項
記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0022】13.支持体から剥離されたフィルムの残
留溶媒量が0〜10質量%まで乾燥された後、該フィル
ムを115〜200℃で5〜60分間加熱処理すること
を特徴とする前記6〜12のいずれか1項記載のセルロ
ースエステルフィルムの製造方法。
【0023】14.溶液流延用支持体が金属製ベルトで
あることを特徴とする前記6〜13のいずれか1項記載
のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0024】15.前記1〜5のいずれか1項記載のセ
ルロースエステルフィルムが、前記6〜14のいずれか
1項記載の方法で製造されたことを特徴とするセルロー
スエステルフィルム。
【0025】16.前記1〜5又は前記15のいずれか
1項記載のセルロースエステルフィルムを少なくとも一
方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
【0026】17.前記1〜5又は前記15のいずれか
1項記載のセルロースエステルフィルムを用いたことを
特徴とする表示装置。
【0027】18.前記16記載の偏光板を用いたこと
を特徴とする表示装置。以下、本発明の面配向度Sが
0.0004以下、特に0.00001〜0.0004
であることを特徴とするセルロースエステルフィルムに
ついて詳細に説明する。
【0028】本発明では、セルロースエステルとして
は、低級脂肪酸エステルが好ましく、セルロースアセテ
ート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロー
スアセテートブチレート、またはセルロースアセテート
プロピオネートブチレート等が好ましく用いられる。本
発明で用いられるセルロースエステルは置換度が2.8
5〜3.00であることが面配向度がより低く維持でき
るため好ましく、特に2.92〜3.00であることが
好ましい。
【0029】アシル基の置換度の測定方法はASTM−
D817−96の規定に準じて測定することが出来る。
【0030】重合度は250〜400であるセルロース
エステルが好ましく用いられ、特にセルローストリアセ
テートが好ましく用いられる。本発明に係るセルロース
エステルの数平均分子量Mnは、70,000〜25
0,000が、機械的強度に優れ、且つ、適度なドープ
粘度となり好ましく、更に好ましくは、80,000〜
150,000である。又、重量平均分子量Mwとの比
Mw/Mnは1.0〜5.0のセルロースエステルが好
ましく用いられる。
【0031】セルロースエステルは綿花リンターから合
成されたセルロースエステルと木材パルプから合成され
たセルロースエステルのどちらかを単独あるいは混合し
て用いることができる。ベルトやドラムからの剥離性が
良い綿花リンターから合成されたセルロースエステルを
多く使用した方が生産性効率が高く好ましい。綿花リン
ターから合成されたセルロースエステルの比率が60質
量%以上が、剥離性の効果が顕著になるため好ましく、
より好ましくは85質量%以上、更には、単独で使用す
ることが最も好ましい。
【0032】本発明のフィルムの材料を溶解してドープ
を形成する溶媒としては、セルロースエステルを溶解で
き、かつ、適度な沸点であることが好ましく、例えばメ
チレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミ
ル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エ
チル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,
3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−
ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,
3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパ
ノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プ
ロパノール、ニトロエタン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン等を挙げることが出来るが、メチレンク
ロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導
体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有
機溶媒(即ち、良溶媒)として挙げられる。
【0033】また、下記の製膜工程に示すように、溶媒
蒸発工程において支持体上に形成されたウェブ(ドープ
膜)から溶媒を乾燥させるときに、ウェブ中の発泡を防
止する観点から、用いられる有機溶媒の沸点としては、
30〜80℃が好ましく、例えば、上記記載の良溶媒の
沸点は、メチレンクロライド(沸点40.4℃)、酢酸
メチル(沸点56.32℃)、アセトン(56.3
℃)、酢酸エチル(76.82℃)等である。
【0034】上記記載の良溶媒の中でも溶解性に優れる
メチレンクロライド、酢酸メチルが好ましく用いられ、
特にメチレンクロライドが全有機溶媒に対して50質量
%以上含まれていることが好ましい。
【0035】上記有機溶媒の他に、0.1〜30質量%
の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好
ましい。特に好ましくは5〜30質量%で前記アルコー
ルが含まれることが好ましい。
【0036】これらは上記記載のドープを流延用支持体
に流延後、溶媒が蒸発を始めアルコールの比率が多くな
るとウェブ(ドープ膜)がゲル化し、ウェブを丈夫にし
流延用支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒
として用いられたり、これらが割合が少ない時は非塩素
系有機溶媒のセルロースエステルの溶解を促進する役割
もある。
【0037】炭素原子数1〜4のアルコールとしては、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−
プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、
tert−ブタノール等を挙げることが出来る。
【0038】これらのうちドープの安定性、沸点も比較
的低く、乾燥性も良く、且つ毒性がないこと等からエタ
ノールが好ましい。更に、好ましくはメチレンクロライ
ド70〜95質量%に対してエタノール5〜30質量%
を含む溶媒を用いることである。メチレンクロライドの
代わりに酢酸メチルを用いることもできる。
【0039】ドープ中のセルロースエステルの濃度は1
7〜35質量%が好ましく、特に20〜30質量%が好
ましい。濃度が高すぎると得られるフィルムの表面の平
滑性が悪くなる傾向があり、濃度が薄すぎると面配向度
Sが高くなる傾向があり、0.00001〜0.000
4のフィルムを得ることが困難となる。
【0040】上記記載のセルロースエステルと有機溶媒
を用いて、次のように製膜を行う。なお、本発明におい
て、セルロースエステル溶液のことをセルロースエステ
ルドープまたは単にドープという。
【0041】本発明のセルロースエステルフィルムの製
造方法に用いられる製膜工程は、下記に示す溶解工程、
流延工程、溶媒蒸発工程、剥離工程、乾燥工程及び巻き
取り工程からなる。以下に各々の工程を説明する。
【0042】《溶解工程》セルロースエステルのフレー
クに、上記記載の良溶媒を主とする有機溶媒に溶解釜中
で該フレークを攪拌しながら溶解し、ドープを形成する
工程である。
【0043】本発明では、ドープ中の固形分濃度は17
質量%以上に調整することが好ましく、特に20質量%
以上であると得られるフィルムの面配向度をより低減で
きるため好ましい。尚、本発明でいうドープ中の固形分
とは、本発明のセルロースエステルフィルムを製造する
際、乾燥工程で除かれる低沸点溶媒成分を除くドープ中
の成分を言うので、ドープ中の固形分濃度とは、これら
乾燥工程後もフィルム中に残存する成分のドープ溶液全
体に対する質量%をさす。
【0044】ドープ中の固形分濃度が高すぎるとドープ
の粘度が高くなりすぎ、流延時にシャークスキンなどが
生じてフィルム平面性が劣化する場合があるので、35
質量%未満であることが望ましい。
【0045】ドープ粘度は5〜100Pa・sの範囲で
あることが好ましく、10〜50Pa・sの範囲に調整
されていることが好ましい。
【0046】溶解には、常圧で行う方法、上記記載のよ
うな好ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)の沸点以下で行
う方法、上記記載の良溶媒の沸点以上で加圧して行う方
法、冷却溶解法で行う方法、高圧で行う方法等種々の溶
解方法等がある。良溶媒の沸点以上の温度で、かつ沸騰
しない圧力をかけて溶解する方法としては、40.4〜
120℃で0.11〜1.50MPaに加圧することで
発泡を抑え、かつ、短時間に溶解することができる。
【0047】本発明に係る溶解工程において用いられる
溶媒としては、単独でも併用でもよいが、良溶剤と貧溶
剤を混合して使用することが、生産効率の点で好まし
く、更に好ましくは、良溶剤と貧溶剤の混合比率は良溶
剤が70〜95質量%であり、貧溶剤が30〜5質量%
である。
【0048】本発明に用いられる良溶剤、貧溶剤とは、
使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良
溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤
と定義している。そのため、セルロースエステルの結合
酢酸量によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばア
セトンを溶剤として用いるときには、セルロースエステ
ルの結合酢酸量55%では良溶剤になり、結合酢酸量6
0%では貧溶剤となってしまう。
【0049】また、セルロースエステルを溶解する際
に、まず、良溶剤と貧溶剤の一部を用いて、先にセルロ
ースエステルを溶解した後、後から残りの貧溶剤を添加
する事も出来る。本発明に用いられる貧溶剤としては、
例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シ
クロヘキサン等が好ましく用いられる。
【0050】冷却溶解方法としては、例えば特開平9−
95538号、同9−95544号、同9−95557
号に記載の方法を使用することが出来る。また、特開平
11−21379号に記載の高圧溶解方法も好ましく使
用出来る。
【0051】溶解後ドープを濾材で濾過し、脱泡してポ
ンプで次工程に送ることが好ましく、また、その際、ド
ープ中には、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染
料、マット剤、微粒子等も添加されることがある。
【0052】これらの化合物は、セルロースエステル溶
液の調製の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加
してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0053】本発明の面配向度Sが0.0004以下、
特に0.00001〜0.0004であるフィルムを得
るためには分子内に複数の環状構造を有する化合物をセ
ルロースエステルに対して10質量%以上含有させるこ
とが特に好ましい。好ましくは、15質量%以上含有さ
せることが好ましい。これらの化合物は単独で10質量
%以上含有させることが好ましいが、複数の化合物を添
加する場合は添加量全体として10質量%以上であって
もよい。
【0054】添加する化合物は分子量が3000以下の
化合物であることが好ましく、特に250〜2000以
下の化合物であることが好ましい。環状構造に関して、
環の大きさについて特に制限はないが、3〜8個の原子
から構成されていることが好ましく、特に6員環及び/
又は5員環であることが好ましい。これらが炭素、酸
素、窒素、珪素あるいは他の原子を含んでいてもよく、
環の結合の一部が不飽和結合であってもよく、例えば6
員環がベンゼン環、シクロヘキサン環でもよい。本発明
の化合物は、このような環状構造が複数含まれているも
のであり、例えば、ベンゼン環とシクロヘキサン環をど
ちらも分子内に有していたり、2個のシクロヘキサン環
を有していたり、ナフタレンの誘導体あるいはアントラ
セン等の誘導体であってもよい。より好ましくはこのよ
うな環状構造を分子内に3個以上含んでいる化合物であ
ることが好ましい。また、少なくとも環状構造の1つの
結合が不飽和結合を含まないものであることが好まし
い。
【0055】これらの化合物は、セルロースエステルに
対して10質量%添加した場合、未添加のセルロースエ
ステルに対してガラス転移点Tgの低下が25℃未満で
ある化合物であることが、面配向度の低減効果の点で好
ましく、更にTgの低下が20℃未満であることが好ま
しく、15℃未満であることが特に好ましい。10質量
%添加したときにTgの低下が20℃未満であると、製
膜工程で不要な延伸が抑制され、膜厚が60μm未満の
薄膜フィルムであっても面内のリタデーションが低くで
きるため、光学的等方性に優れたフィルムを得る上でも
特に好ましい。
【0056】又、これらの化合物を添加してもフィルム
のヘイズが膜厚60μm換算で1.0%未満、特に0.
1%未満であることが好ましい。
【0057】このような面配向度を低減させるための化
合物としては、具体的には、アビエチン酸、デヒドロア
ビエチン酸、パラストリン酸、KE−604(荒川化学
製)、KE−85(荒川化学製)、アラルダイドEPN
1139(旭チバ(株)製)、アラルダイドGY260
(旭チバ(株)製)等の樹脂オリゴマー等が挙げられ
る。又、下記(化3)に示すケトン樹脂、ハイラック1
10H(日立化成(株)製)、ハイラック111(日立
化成(株)製)等も好ましく用いることが出来る。以下
にこれら化合物の化学式を示すが、添加により面配向度
が0.0002以上低下するものであれば、特にこれら
に限定されるものではない。
【0058】
【化1】
【0059】
【化2】
【0060】
【化3】
【0061】尚、KE−85は、アビエチン酸、デヒド
ロアビエチン酸、パラストリン酸の混合物である。
【0062】面配向度Sが低くなる理由は明確にはなっ
ていないが、これらの化合物が添加されることによっ
て、流延されたセルロースエステルの配向が妨害される
ため、面配向度Sを低くすることができるものと考えら
れる。
【0063】これらの化合物は、セルロースエステル溶
液の調製の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加
してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0064】また液晶表示装置用には耐熱耐湿性を付与
する可塑剤、或いは酸化防止剤や紫外線吸収剤、マット
剤などを添加することが好ましい。
【0065】上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェ
ノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テト
ラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコー
ル−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサ
ンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビ
ス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,
N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テ
トラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコ
ール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。ま
た例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラ
ジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系
加工安定剤を併用してもよい。
【0066】これらの化合物の添加量は、セルロースエ
ステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好まし
く、10〜1000ppmが更に好ましい。
【0067】また、この他、カオリン、タルク、ケイソ
ウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタ
ン、アルミナ等の無機微粒子、カルシウム、マグネシウ
ムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤を加えて
もよい。
【0068】更に帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤等も
加えることができる。 《流延工程》ドープを加圧型定量ギヤポンプを通して加
圧ダイに送液し、流延位置において、無限に移送する無
端の金属ベルトあるいは回転する金属ドラムの流延用支
持体(以降、単に支持体ということもある)上に加圧ダ
イからドープを流延する工程である。流延用支持体の表
面は鏡面となっている。
【0069】その他の流延する方法は流延されたドープ
膜をブレードで膜厚を調節するドクターブレード法、あ
るいは逆回転するロールで調節するリバースロールコー
ターによる方法等があるが、口金部分のスリット形状を
調製出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加
圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、
何れも好ましく用いられる。
【0070】製膜速度を上げるために加圧ダイを流延用
支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層して
もよい。
【0071】このように、得られたドープをベルト又は
ドラム等の支持体上に流延し、製膜するが、本発明は特
にベルトを用いた溶液流延法で特に有効である。これは
後述のように支持体上での乾燥条件を細かく調整するこ
とが容易であるからである。ベルトは1周40〜150
mの長さのものが好ましく用いられる。
【0072】《溶媒蒸発工程》ウェブ(本発明において
は、流延用支持体上にドープを流延し、形成されたドー
プ膜をウェブと呼ぶ)を流延用支持体上で加熱し溶媒を
蒸発させる工程である。溶媒を蒸発させるには、ウェブ
側から風を吹かせる方法及び/または支持体の裏面から
液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱
する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率が
好ましい。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。
【0073】本発明では、流延用支持体上で乾燥されて
いるウェブの残留溶媒量が200質量%から120質量
%の範囲にある時間は20秒未満であることが低い面配
向度のフィルムを得るために好ましい。さらに17秒以
下であることが好ましく、さらに15秒以下であること
が好ましい。10秒未満では溶媒の沸騰による気泡が増
加する危険があり、細心の注意が必要となるため、あま
り好ましくはない。そのため、特に、10〜15秒であ
ることが好ましい。流延用支持体上で乾燥されているウ
ェブの残留溶媒量が200質量%から120質量%の範
囲にある時間が短いほど低い面配向度のフィルムを得る
ことができる。ここでいう時間は流延用支持体上にウェ
ブがある時間であり、120質量%となる前に支持体か
らウェブを剥離する場合は200質量%から剥離するま
での時間を指す。
【0074】本発明のセルロースエステルフィルムの製
造方法では、流延後の支持体上で乾燥されているウェブ
(ドープ膜)中の残留溶媒量が200質量%から120
質量%の範囲内のときに残留溶媒量の減少速度が4〜1
5質量%/秒となるように乾燥することが特に面配向度
を低減できるため好ましい。さらに残留溶媒量の減少速
度が6質量%/秒以上であることが好ましく、特に6〜
8質量%/秒であることが好ましい。この乾燥速度が、
残留溶媒量200質量%から120質量%まで低下する
のに要する時間の50%以上の時間で維持されているこ
とが好ましく、特に60%以上の時間で維持されている
ことが好ましい。
【0075】所定の乾燥速度とするため、支持体上のウ
ェブは平均温度が41〜100℃に設定された雰囲気内
でウエブを乾燥させる乾燥工程を有し、かつ流延後25
〜90秒で剥離することが特に好ましい。特にウェブの
残留溶媒量が200質量%以下のときに平均温度が41
〜100℃に設定された雰囲気内でウエブを乾燥させる
ことが望ましい。
【0076】更に好ましくは流延から75秒以内に剥離
することであり、特に好ましくは60秒以内で剥離する
ことである。これによって、得られるフィルムの面配向
度を更に低くすることができる。41〜100℃の雰囲
気下に維持するにはこの温度の温風をウェブ上面にあて
るか赤外線等の手段により加熱することが好ましい。
【0077】支持体上での乾燥の課程で、支持体の温度
は30℃以上となるように支持体の裏面側より温風、温
水あるいは赤外線、ヒーター等によって加熱されること
が好ましい。ただし、ウエブ自身の温度は含まれる溶媒
の蒸発潜熱により、溶媒の沸点以下の温度に維持されて
いることが望ましい。
【0078】流延後の支持体上のウエブは流延直後は比
較的低温で乾燥させた後(低温乾燥工程)、5℃以上高
い雰囲気(高温乾燥工程)下で乾燥させることが面配向
度を低減させるために特に好ましく、高温乾燥工程は4
1〜100℃、より好ましくは45〜90℃、更に50
〜80℃で乾燥させることが好ましい。
【0079】又、支持体の温度分布は幅手方向で±3℃
以内であることが好ましく、±1℃以内であることがよ
り好ましく、±0.5℃以内が更に好ましく、±0.1
℃以内であることが、最も好ましい。特に残留溶媒量が
200質量%以下を高温乾燥工程として、所定の乾燥速
度とすることが望ましい。いずれにしてもウェブ中で溶
媒が沸騰することによる気泡等が発生しないことが望ま
しい。
【0080】《剥離工程》支持体上で溶媒が蒸発したウ
ェブを、剥離位置で支持体から剥離する工程である。剥
離されたウェブは次工程に送られる。
【0081】剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下
記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に支
持体上で充分に乾燥させてから剥離すると、途中でウェ
ブの一部が剥がれたりする。
【0082】支持体上のウエブは、少なくともウェブに
含まれる残留溶媒量が200質量%未満まで41〜10
0℃の雰囲気下で支持体上で乾燥されることがより好ま
しく、同雰囲気下で乾燥させた後、一度40℃未満の雰
囲気下にして剥離することがフィルムの面内リターデー
ションを低く維持し、面品質も向上するため好ましい。
【0083】支持体上の剥離位置における温度は、好ま
しくは10〜40℃であり、更に好ましくは11〜30
℃である。得られるフィルムの面配向度及び/又は面内
リターデーションR0を低く維持するため、該剥離位置
におけるウェブの残留溶媒量は20〜120質量%が好
ましく、更に好ましくは40〜100質量%であり、特
に70〜100質量であることが好ましい。
【0084】本発明に係るウェブの残留溶媒量は下記式
で定義される。 残留溶媒量=(ウェブの加熱処理前質量−ウェブの加熱
処理後質量)/(ウェブの加熱処理後質量)×100% 尚、残留溶媒量を測定する際の、加熱処理とは、115
℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
【0085】上記のように剥離時の残留溶媒量に調整す
るには、流延後の流延用支持体の表面温度を制御し、ウ
ェブからの有機溶媒の蒸発を効率的に行えるように、流
延用支持体上の剥離位置における温度を上記記載の温度
範囲に設定することが好ましい。支持体温度を制御する
には、伝熱効率のよい伝熱方法を使用するのがよく、例
えば、液体による裏面伝熱方法が好ましい。
【0086】輻射熱や熱風等による伝熱方法は支持体温
度のコントロールが難しいが、ベルト(支持体)マシン
において、移送するベルトが下側に来た所の温度制御に
は、緩やかな風でベルト温度を調節することが出来る。
【0087】支持体の温度は、加熱手段を分割すること
によって、部分的に支持体温度を変えることが出来、流
延用支持体の流延位置、乾燥部、剥離位置等異なる温度
とすることが出来る。
【0088】製膜速度を上げる方法(残留溶媒量が出来
るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが
出来る)として、残留溶媒が多くとも剥離出来るゲル流
延法(ゲルキャスティング)がある。
【0089】それは、ドープ中にセルロースエステルに
対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方
法、支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。ま
た、ドープ中に金属塩を加える方法もある。
【0090】支持体上でゲル化させ膜を強くすることに
よって、剥離を早め製膜速度を上げることも出来る。
【0091】残留溶媒量がより多い時点で剥離する場
合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時に平面性を損なった
り、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易く、経済速
度と品質との兼ね合いで剥離残留溶媒量を決められる。
支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常19
6〜245N/mで剥離が行われるが、セルロースエス
テルの単位質量あたりの紫外線吸収剤の含有量が多く、
且つ、従来よりも薄膜化されている本発明のセルロース
エステルフィルムは、剥離の際にシワが入りやすいた
め、190N/m以下で剥離することが好ましく、更に
は、剥離できる最低張力〜166.6N/m、次いで、
最低張力〜137.2N/mで剥離することが好ましい
が、特に好ましくは、最低張力〜100N/mで剥離す
ることである。剥離張力が低いほど面内リターデーショ
ンR0が低く保てるため好ましいだけでなく、面配向度
が低いフィルムを得るためにも好ましい。面内リターデ
ーションR0は20nm未満であることが好ましく、更
には、10nm未満、次いで、5nm未満であることが
好ましいが、最も好ましくは0〜1nmである。剥離張
力及び搬送張力、後述するテンターによる幅手方向の収
縮あるいは延伸倍率を調整することによって、R0を低
く維持することができる。
【0092】本発明において、面内リターデーションR
0は自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測
機器(株)製)を用いて、590nmの波長において、
三次元屈折率測定を行い、得られた屈折率Nx、Ny、
Nzから算出することができる。又、膜厚方向のリター
デーション値Rtは30nm未満のものが得られ、更に
20nm未満、10nm未満のものが好ましく得られ、
特に0〜8nmのセルロースエステルが好ましく得られ
る。
【0093】本発明のセルロースエステルフィルムは、
遅相軸方向と製膜方向とのなす角度θと面内方向のリタ
ーデーションR0が下記式(II)のPが0.9999を
満たす関係にあり、特に偏光板保護フィルム等の光学フ
ィルムとして好ましく用いられる。特に、Pが0.99
995でR0とθが下記式(II)を満たすことである。
【0094】式(II) P≦1−sin2(2θ)sin2(πR0/λ) R0=(Nx−Ny)×d 式中、Nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Ny
は遅相軸方向に対し直角な方向のフィルム面内の屈折率
であり、dはフィルムの膜厚(nm)である。θはフィ
ルム面内の遅相軸方向と製膜方向(フィルムの直尺方
向)とのなす角度(ラジアン)、λは上記Nx、Ny、
θを求める三次元屈折率測定の際の光の波長590n
m、πは円周率である。
【0095】《乾燥工程》ウェブを千鳥状に配置したロ
ールに交互に通して搬送する乾燥装置及び/またはクリ
ップまたはピンでウェブの両端を保持して搬送するテン
ター装置を用いて巾保持しながら、ウェブを乾燥する工
程である。乾燥工程における搬送張力も可能な範囲で低
めに維持することがR0が低く維持できるため好まし
く、190N/m以下であることが好ましい。更に好ま
しくは170N/m以下であることが好ましく、更に好
ましくは140N/m以下であることが好ましく100
〜130N/mであることが特に好ましい。特に、フィ
ルム中の残留溶媒量が少なくとも5質量%以下となるま
で上記搬送張力以下に維持することが効果的である。
【0096】乾燥の手段はウェブの両面に熱風を吹かせ
るのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウェーブ
を当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は出来
上がりのフィルムの平面性を損ね易い。高温による乾燥
は残留溶媒が8質量%以下くらいから行うのがよい。全
体を通し、乾燥温度は概ね40〜250℃で行われる。
特に本発明では残留溶媒が8質量%以下まで乾燥された
フィルムを115〜200℃で少なくとも5〜60分間
維持することが好ましく、これによって更に面配向度が
低減されるのである。より好ましくは120〜160℃
の範囲で5〜60分間維持されることであり、これは乾
燥工程の一部を兼ねてもよい。加熱温度はフィルムのT
g以下であることが望ましい。
【0097】流延用支持体面から剥離した後の乾燥工程
では、溶媒の蒸発によってウェブは巾方向に収縮しよう
とする。特に高温度で急激に乾燥するほど収縮が大きく
なる。この収縮を可能な限り抑制しながら乾燥すること
が、出来上がったフィルムの平面性を良好にする上では
好ましい。一方で、剥離後の乾燥工程である程度収縮さ
せるかあるいは延伸する場合は低い延伸倍率とすること
が面配向を低く維持できるため好ましい。
【0098】この観点から、例えば、特開昭62−46
625号に示されているような乾燥全工程あるいは一部
の工程を巾方向にクリップまたはピンでウェブの巾両端
を巾保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式と呼ばれ
る)、中でも、クリップを用いるテンター方式、ピンを
用いるピンテンター方式が好ましく用いられる。
【0099】尚、この様に幅把持しながら乾燥すること
で得られるフィルムの面内リターデーションを小さくで
きる。テンターを行う場合のウェブの残留溶媒量は、テ
ンター開始時に100質量%以下であるのが好ましく、
且つ、ウェブの残留溶媒量が10質量%以下になるまで
テンターをかけながら乾燥を行う事が好ましく、更に好
ましくは5質量%以下である。
【0100】また、セルロースエステルフィルムの乾燥
工程においては、支持体より剥離したフィルムを更に乾
燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好まし
く、更に好ましくは、0.5質量%以下である。
【0101】フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方
式か、上記記載のようなピンテンター方式でフィルムを
搬送しながら乾燥する方式が採られる。液晶表示部材用
としては、ピンテンター方式で幅を保持しながら乾燥さ
せることが、寸法安定性を向上させるために好ましい。
特に支持体より剥離した直後の残留溶剤量の多いところ
で幅保持を行うことが、寸法安定性向上効果をより発揮
するため特に好ましい。フィルムを乾燥させる手段は特
に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイ
クロ波等で行う。簡便さの点で熱風で行うのが好まし
い。
【0102】《巻き取り工程》ウェブ中の残留溶媒量が
2質量%以下となってからセルロースエステルフィルム
として巻き取る工程であり、残留溶媒量を0.4質量%
以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得
ることが出来る。
【0103】巻き取り方法は、一般に使用されているも
のを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テー
パーテンション法、内部応力一定のプログラムテンショ
ンコントロール法等があり、それらを使いわければよ
い。
【0104】セルロースエステルフィルムの膜厚は、使
用目的によって異なるが、仕上がりフィルムとして、通
常5〜500μmの範囲にあり、更に10〜250μm
の範囲が好ましく、特に液晶画像表示装置用フィルムと
しては10〜120μmの範囲が用いられる。本発明で
は特に、10〜60μmの膜厚の薄いフィルムであって
も、光学的等方性に優れ、特に面配向度が低いフィルム
を得ることができるのである。
【0105】膜厚の調節には、所望の厚さになるよう
に、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のスリッ
ト間隙、ダイの押し出し圧力、流延用支持体の速度等を
コントロールするのがよい。
【0106】また、膜厚を均一にする手段として、膜厚
検出手段を用いて、プログラムされたフィードバック情
報を上記各装置にフィードバックさせて調節するのが好
ましい。溶液流延製膜法を通しての流延直後から乾燥ま
での工程において、乾燥装置内の雰囲気を、空気とする
のもよいが、窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気
で行ってもよい。
【0107】ただ、乾燥雰囲気中の蒸発溶媒の爆発限界
の危険性は常に考慮されなければならないことは勿論の
ことである。
【0108】本発明のセルロースエステルフィルムは可
塑剤を含有することができる。本発明に係る可塑剤とし
ては、特に限定はないが、リン酸エステル系可塑剤、カ
ルボン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル、クエン
酸エステル、グリコレート系可塑剤等の可塑剤が好まし
く用いられるが、特にこれらのみに限定されるわけでは
ない。
【0109】リン酸エステル系可塑剤としては、トリフ
ェニルホスフェート(TPP)およびトリクレジルホス
フェート(TCP)、ビフェニル−ジフェニルホスフェ
ート、ジメチルエチルホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジ
フェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフ
ェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。
【0110】カルボン酸エステル系可塑剤としては、フ
タル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的なもの
である。フタル酸エステルの例としては、ジメチルフタ
レート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジ
ブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート
(DOP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEH
P)、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタ
リルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコ
レート等が用いられる。
【0111】クエン酸エステル系可塑剤としては、クエ
ン酸アセチルトリエチル(OACTE)およびクエン酸
アセチルトリブチル(OACTB)が用いられる。
【0112】その他のカルボン酸エステルの例には、オ
レイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシ
ン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれ
る。トリアセチン、トリブチリン等を用いることもでき
る。これらの可塑剤は単独で使用しても2種以上を適宜
組み合わせて使用してもよい。
【0113】これらの可塑剤の使用量は、フィルム性
能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜
35質量%が好ましく、特に好ましくは、5〜30質量
%である。
【0114】加工性とはベースフィルムや液晶表示部材
をスリット加工や打ち抜き加工する際のことで、加工性
が悪いと切断面がノコギリ状になり切り屑が発生し、製
品に付着して欠陥となるため好ましくない。
【0115】本発明のセルロースエステルフィルムに係
る紫外線吸収剤について説明する。本発明のセルロース
エステルフィルムは、その高い寸法安定性から、偏光板
または液晶表示用部材等に使用されるが、偏光板または
液晶等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤が好ましく
用いられる。
【0116】紫外線吸収剤としては、波長370nm以
下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観
点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないも
のが好ましく用いられる。具体的には380nmの透過
率が10%未満であることが好ましく、特に5%未満で
あることがより好ましい。
【0117】本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤
の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル
系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレー
ト系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。
又、特開平6−148430号記載の高分子紫外線吸収
剤も好ましく用いられる。
【0118】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は下記一般式〔1〕で示される化合物が好ましく用いら
れる。
【0119】
【化4】
【0120】式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同じ
か又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニト
ロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、ア
リール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ又はジ
アルキルアミノ基、アシルアミノ基又は5〜6員の複素
環基を表し、R4はR5と共に5〜6員の炭素環を形成し
てもよい。
【0121】また、上記記載のこれらの基は、任意の置
換基を有していて良い。以下に本発明に係る紫外線吸収
剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されな
い。
【0122】UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−
tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−
ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−
tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,
4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)
−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)フェノール) UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−
ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェ
ノール(TINUVIN171、Ciba製) UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチル
ヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2
−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINU
VIN109、Ciba製) また本発明に係る紫外線吸収剤のひとつであるベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤としては下記一般式〔2〕で表さ
れる化合物が好ましく用いられる。
【0123】
【化5】
【0124】式中、Yは水素原子、ハロゲン原子または
アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、及びフェ
ニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及び
フェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原
子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロア
ルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル
基、又は−CO(NH)n-1−D基を表し、Dはアルキ
ル基、アルケニル基又は置換基を有していてもよいフェ
ニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
【0125】上記において、アルキル基としては、例え
ば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表
し、アルコキシル基としては例えば、炭素数18までの
アルコキシル基で、アルケニル基としては例えば、炭素
数16までのアルケニル基で例えばアリル基、2−ブテ
ニル基などを表す。又、アルキル基、アルケニル基、フ
ェニル基への置換分としてはハロゲン原子、例えば、塩
素原子、臭素原子、フッ素原子など、ヒドロキシル基、
フェニル基、(このフェニル基にはアルキル基またはハ
ロゲン原子などを置換していてもよい)などが挙げられ
る。
【0126】以下に一般式〔2〕で表されるベンゾフェ
ノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定
されない。
【0127】UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スル
ホベンゾフェノン UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5
−ベンゾイルフェニルメタン) 本発明で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤
は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果
に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少
ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく
用いられる。
【0128】本発明に係る紫外線吸収剤添加液の添加方
法としては、下記に記載の方法が挙げられる。
【0129】《添加方法A》紫外線吸収剤添加液の調製
方法としては、アルコールやメチレンクロライド、ジオ
キソランなどの有機溶剤に紫外線吸収剤を溶解してから
直接ドープ組成中に添加する。
【0130】《添加方法B》紫外線吸収剤添加液の調製
方法としては、アルコールやメチレンクロライド、ジオ
キソランなどの有機溶剤に紫外線吸収剤と少量のセルロ
ースエステルを溶解してからインラインミキサーでドー
プに添加する。
【0131】本発明においては、添加方法Bの方が、紫
外線吸収剤の添加量を容易に調整できるため、生産性に
優れていて好ましい。
【0132】紫外線吸収剤の使用量は化合物の種類、使
用条件などにより一様ではないが、通常はセルロースエ
ステルフィルム1m2当り、0.2〜2.0gが好まし
く、0.4〜1.5gがさらに好ましく、0.6〜1.
0gが特に好ましい。
【0133】本発明のセルロースエステルフィルムには
滑り性を付与するために微粒子を添加することができ
る。微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化
合物の微粒子が挙げられる。
【0134】無機化合物としては、珪素を含む化合物、
二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭
酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケ
イ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が
好ましく、更に好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や
酸化ジルコニウムであるが、セルロースエステル積層フ
ィルムの濁度を低減できるので、二酸化珪素が特に好ま
しく用いられる。
【0135】二酸化珪素の微粒子としては、例えば、ア
エロジルR972、R972V、R974、R812、
200、200V、300、R202、OX50、TT
600(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使
用できる。
【0136】酸化ジルコニウムの微粒子としては、例え
ば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロ
ジル(株)製)等の市販品が使用できる。
【0137】有機化合物としては、例えば、シリコーン
樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好まし
く、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
【0138】上記記載のシリコーン樹脂の中でも、特に
三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、ト
スパール103、同105、同108、同120、同1
45、同3120及び同240(以上東芝シリコーン
(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
【0139】本発明のセルロースエステルフィルムに添
加される微粒子の1次平均粒子径としては、ヘイズを低
く抑えるという観点から、20nm以下が好ましく、更
に好ましくは、5〜16nmであり、特に好ましくは、
5〜12nmである。これらの微粒子は0.1〜5μm
の粒径の2次粒子を形成してセルロースエステルフィル
ムに含まれることが好ましく、好ましい平均粒径は0.
1〜2μmであり、更に好ましくは0.2〜0.6μm
である。これにより、フィルム表面に高さ0.1〜1.
0μm程度の凹凸を形成し、これによってフィルム表面
に適切な滑り性を与えることが出来る。
【0140】本発明に係る微粒子の1次平均粒子径の測
定は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で
粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、その平均値
をもって、1次平均粒子径とした。
【0141】微粒子の、見掛比重としては、70g/リ
ットル以上が好ましく、更に好ましくは、90〜200
g/リットルであり、特に好ましくは、100〜200
g/リットルである。見掛比重が大きい程、高濃度の分
散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化す
るため好ましく、また、本発明のように固形分濃度の高
いドープを調製する際には、特に好ましく用いられる。
【0142】1次粒子の平均径が20nm以下、見掛比
重が70g/リットル以上の二酸化珪素微粒子は、例え
ば、気化させた四塩化珪素と水素を混合させたものを1
000〜1200℃にて空気中で燃焼させることで得る
ことができる。また例えばアエロジル200V、アエロ
ジルR972V(以上日本アエロジル(株)製)の商品
名で市販されており、それらを使用することができる。
【0143】上記記載の見掛比重は二酸化珪素微粒子を
一定量メスシリンダーに採り、この時の重さを測定し、
下記式で算出したものである。
【0144】見掛比重(g/リットル)=二酸化珪素質
量(g)÷二酸化珪素の容積(リットル) 本発明に係る微粒子の分散液を調製する方法としては、
例えば以下に示すような3種類が挙げられる。
【0145】《調製方法A》溶剤と微粒子を撹拌混合し
た後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とす
る。微粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
【0146】《調製方法B》溶剤と微粒子を撹拌混合し
た後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とす
る。別に溶剤に少量のセルローストリアセテートを加
え、撹拌溶解する。これに前記微粒子分散液を加えて撹
拌する。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をイ
ンラインミキサーでドープ液と十分混合する。
【0147】《調製方法C》溶剤に少量のセルロースト
リアセテートを加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加
えて分散機で分散を行う。これを微粒子添加液とする。
微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混
合する。
【0148】調製方法Aは二酸化珪素微粒子の分散性に
優れ、調製方法Cは二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい
点で優れている。中でも、上記記載の調製方法Bは二酸
化珪素微粒子の分散性と、二酸化珪素微粒子が再凝集し
にくい等、両方に優れている好ましい調製方法である。
【0149】《分散方法》二酸化珪素微粒子を溶剤など
と混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30
質量%が好ましく、10〜25質量%がさらに好まし
く、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度は高い
方が、添加量に対する液濁度は低くなる傾向があり、ヘ
イズ、凝集物が良化するため好ましい。
【0150】使用される溶剤は低級アルコール類として
は、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチル
アルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒
としては特に限定されないが、セルロースエステルの製
膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
【0151】セルロースエステルに対する二酸化珪素微
粒子の添加量はセルロースエステル100質量部に対し
て、二酸化珪素微粒子は0.01〜0.3質量部が好ま
しく、0.05〜0.2質量部がさらに好ましく、0.
08〜0.12質量部が最も好ましい。添加量は多い方
が、動摩擦係数に優れ、添加量が少ない方がヘイズが低
く、凝集物も少ない点が優れている。
【0152】分散機は通常の分散機が使用できる。分散
機は大きく分けてメディア分散機とメディアレス分散機
に分けられる。二酸化珪素微粒子の分散にはメディアレ
ス分散機がヘイズが低く好ましい。
【0153】メディア分散機としてはボールミル、サン
ドミル、ダイノミルなどがあげられる。
【0154】メディアレス分散機としては超音波型、遠
心型、高圧型などがあるが、本発明においては高圧分散
装置が好ましい。高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合
した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断
や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。高圧
分散装置で処理する場合、例えば、管径1〜2000μ
mの細管中で装置内部の最大圧力条件が9.807MP
a以上であることが好ましい。更に好ましくは19.6
13MPa以上である。またその際、最高到達速度が1
00m/秒以上に達するもの、伝熱速度が420kJ/
時間以上に達するものが好ましい。
【0155】上記のような高圧分散装置にはMicro
fluidics Corporation社製超高圧
ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)あるいは
ナノマイザ社製ナノマイザがあり、他にもマントンゴー
リン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホ
モジナイザ、三和機械(株)社製UHN−01等が挙げ
られる。
【0156】また、微粒子を含むドープを流延支持体に
直接接するように流延することが、滑り性が高く、ヘイ
ズが低いフィルムが得られるので好ましい。
【0157】本発明のフィルム製膜時において、巻き取
り後のブロッキング防止等のためには、上記マット剤の
添加の他に、フィルムの両サイドにエンボス加工を施す
ことができる。エンボス加工は目的に応じて任意の高さ
に加工する事ができるが、本発明においては、巻き取り
後の不要な残留溶媒を揮発させるために、高さ5μm以
上とすることが好ましく、より好ましくは10μm以上
である。
【0158】又、ロール状に巻き取られた後、出荷され
るまでの間、汚れや静電気によるゴミ付着等から製品を
保護するために通常、包装加工がなされる。この包装材
料については、上記目的が果たせれば特に限定されない
が、フィルムからの残留溶媒の揮発を妨げないものが好
ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、紙、各種不織
布等が挙げられる。繊維がメッシュクロス状になったも
のは、より好ましく用いられる。
【0159】本発明のセルロースエステルフィルムは複
数のドープを用いた共流延法等による多層構成を有する
ものであってもよい。
【0160】共流延とは、異なったダイを通じて2層ま
たは3層構成にする逐次多層流延方法、2つまたは3つ
のスリットを有するダイ内で合流させ2層または3層構
成にする同時多層流延方法、逐次多層流延と同時多層流
延を組み合わせた多層流延方法のいずれであっても良
い。
【0161】本発明のセルロースエステルフィルムの作
製について、製造装置の模式図の1例を図1を用いて説
明する。図1において、エンドレスステンレスベルト1
は、低温乾燥ゾーン3と高温乾燥ゾーン4の間を循環し
ている。ドープ組成物は、ダイ2から流延部5でエンド
レスステンレスベルト1の上に流延され、矢印方向に運
ばれ、低温乾燥ゾーン3と高温乾燥ゾーン4で、乾燥さ
れ、剥離部6で剥離ロール7によりエンドレスステンレ
スベルトから剥離されてセルロースエステルフィルムと
なる。セルロースエステルフィルムは、更に第1乾燥ゾ
ーン8を通り、第2乾燥ゾーン10から、第3乾燥ゾー
ン11へ運ばれ、製品として巻き取り部12で巻き取ら
れる。尚、第1乾燥ゾーン8と第3乾燥ゾーン11は、
パスを長くとるため、搬送ロール9により搬送される。
【0162】又、本発明で用いられるセルロースエステ
ルはフィルムにしたときの輝点異物が少ないものが、特
に偏光板保護フィルムあるいは光学補償フィルムの支持
体として好ましく用いられる。本発明において、輝点異
物とは、2枚の偏光板を直交に配置し(クロスニコ
ル)、この間にセルロースエステルフィルムを配置し
て、一方の面から光源の光を当てて、もう一方の面から
セルロースエステルフィルムを観察したときに、光源の
光がもれて見える点のことである。
【0163】このとき評価に用いる偏光板は輝点異物が
ない保護フィルムで構成されたものであることが望まし
く、偏光子の保護にガラス板を使用したものが好ましく
用いられる。輝点異物の発生は、セルロースエステルに
含まれる未酢化のセルロースがその原因の1つと考えら
れ、対策としては、未酢化のセルロース量の少ないセル
ロースエステルを用いることや、また、セルロースエス
テルを溶解したドープ液の濾過等により、除去、低減が
可能である。又、フィルム膜厚が薄くなるほど単位面積
当たりの輝点異物数は少なくなり、フィルムに含まれる
セルロースエステルの含有量が少なくなるほど輝点異物
は少なくなる傾向がある。
【0164】輝点異物は、輝点の直径0.01mm以上
のものが200個/cm2以下であることが好ましく、
更に好ましくは、100個/cm2以下、50個/cm2
以下、30個/cm2以下、10個/cm2以下であるこ
とが好ましいが、特に好ましくは、0であることであ
る。
【0165】又、0.005〜0.01mm以下の輝点
についても200個/cm2以下であることが好まし
く、更に好ましくは、100個/cm2以下、50個/
cm2以下、30個/cm2以下、10個/cm2以下で
あることが好ましいが、特に好ましいのは、輝点が0の
場合である。0.005mm以下の輝点についても少な
いものが好ましい。
【0166】輝点異物を濾過によって除去する場合、セ
ルロースエステルを単独で溶解させたものを濾過するよ
りも可塑剤を添加混合した組成物を濾過することが輝点
異物の除去効率が高く好ましい。濾材としては、ガラス
繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ化エチレン樹脂な
どのフッ素樹脂等の従来公知のものが好ましく用いられ
るが、セラミックス、金属等も好ましく用いられる。絶
対濾過精度としては50μm以下のものが好ましく、更
に好ましくは、30μm以下、10μm以下であるが、
特に好ましくは、5μm以下のものである。
【0167】これらは、適宜組み合わせて使用すること
もできる。濾材はサーフェースタイプでもデプスタイプ
でも用いることができるが、デプスタイプの方が比較的
目詰まりしにくく好ましく用いられる。
【0168】また、本発明の光学フィルムは、その厚さ
が10〜60μmのものが好ましい。膜厚が薄くなると
面配向度が高くなる傾向を有するが、本発明のセルロー
スエステルフィルムの製造方法により、薄膜でありなが
ら面配向度が低く維持できるのである。膜厚方向のリタ
ーデーションRtは下式に示すように面配向度と膜厚d
(nm)の積で表されるが、本発明によれば単に膜厚が
薄いことによってRtが低く維持できるというだけでな
く、面配向度を小さくできることによって、極めて低い
Rtを有するセルロースエステルフィルムを提供するこ
とができたのである。
【0169】Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d 本発明において、面配向度、リターデーション値の測定
は、35mm四方にカットした試料を23℃、55%R
H条件下に8時間放置した後、同条件下にて自動複屈折
率計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)
を用いて、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測
定を行い、屈折率Nx、Ny、Nzを求めることにより
得られる。
【0170】本発明に係る偏光板について説明する。本
発明に係る偏光板は、一般的な方法で作製することがで
きる。例えば、本発明のセルロースエステルフィルムを
アルカリ処理し、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏
光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶
液を用いて貼り合わせる方法がある。上記記載のアルカ
リケン化処理とは、このときの水系接着剤の濡れを良く
し、接着性を向上させるために、セルロースエステルフ
ィルムを高温の強アルカリ液中に浸ける処理を示す。
【0171】偏光板の主たる構成要素である偏光膜と
は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在
知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール
系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィ
ルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させ
たものがある。これらは、ポリビニルアルコール水溶液
を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した
後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性
処理を行ったものが用いられている。該偏光膜の面上に
本発明のセルロースエステルフィルムによる偏光板用保
護フィルムである透明なプラスチックフィルムが張り合
わされて偏光板を形成する。
【0172】以上のようにして得られるセルロースエス
テルフィルムは、透明性に優れ、光学的に等方性であ
り、引き裂き強度に代表される機械的強度も十分あり、
しかもカールが小さいので光学用フィルム、特に偏光板
用保護フィルムとして有用であり、更に、反射防止加
工、帯電防止加工、クリアハードコート加工、防眩加工
を適宜行うことも出来る。又、プラズマCVDあるいは
大気圧プラズマ処理によって、金属酸化物層をはじめと
する各種機能層を形成することもできる。
【0173】面配向度0.00001〜0.0004の
本発明のセルロースエステルフィルムあるいはこれを用
いた偏光板を用いることによって、これまで以上に液晶
表示装置の設計に合わせた光学フィルムを提供すること
ができ、液晶表示装置の表示性能(コントラスト、黒の
しまり具合等)を更に向上させることができ、必要に応
じて位相差フィルムあるいは光学補償フィルムと自在に
組み合わせることができるようになった。
【0174】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるも
のではない。
【0175】 実施例1 〈試料1の作製〉 (ドープ組成物1) 綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92 70kg 木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92 30kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1) 0.5kg チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2) 0.5kg トリフェニルフォスフェート 8kg エチルフタリルエチルグリコレート 3kg アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg メチレンクロライド 391kg エタノール 34kg 上記組成物を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温
・攪拌しながら完全に溶解させた。アエロジルR972
V(日本アエロジル社製)はあらかじめ添加するエタノ
ールの一部と混合して分散し、これを密閉容器に投入し
た。これを、流延する温度まで冷却した後、静置して脱
泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙
No.244を使用して濾過し、ドープ1を得た。
【0176】ドープ組成物をドープ組成物2〜12に変
更した以外は同様にして、各々の組成物から溶液を調製
し、ドープ2〜12を調製した。
【0177】 (ドープ組成物2) 綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.96 85kg 木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.96 15kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1) 0.5kg チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2) 0.5kg KE−604 (荒川化学(株)製) 7.5kg KE−85 (荒川化学(株)製) 7.5kg アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg メチレンクロライド 412kg エタノール 39.5kg (ドープ組成物3) 綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.88 80kg 木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.88 20kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤) 0.4kg チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤) 0.3kg チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤) 0.3kg アラルダイドGY260 (旭チバ(株)製) 11kg アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg メチレンクロライド 391kg エタノール 34kg (ドープ組成物4) 綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92 90kg 木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92 10kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1) 0.5kg チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2) 0.5kg KE−604 (荒川化学(株)製) 10kg KE−85 (荒川化学(株)製) 10kg アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg メチレンクロライド 392kg エタノール 26kg (ドープ組成物5) 綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92 70kg 木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92 30kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1) 0.5kg チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2) 1kg チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2) 1kg トリフェニルフォスフェート 8kg エチルフタリルエチルグリコレート 3kg アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg メチレンクロライド 368kg エタノール 24.5kg (ドープ組成物6) 綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.94 81kg 木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.94 19kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤) 0.5kg チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤) 1.0kg チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤) 1.0kg アラルダイドGY260 (旭チバ(株)製) 19kg アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg メチレンクロライド 387kg エタノール 25.5kg (ドープ組成物7) 綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92 85kg 木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92 15kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤) 0.5kg チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤) 1.0kg チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤) 1.0kg KE−604 (荒川化学(株)製) 10kg KE−85 (荒川化学(株)製) 9kg アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg メチレンクロライド 419kg エタノール 36kg (ドープ組成物8) 木材パルプから合成されたセルロースアセテートプロピオネート アセチル基置換度2.0 プロピオニル基置換度0.9 100kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1) 0.5kg チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2) 0.5kg KE−604 (荒川化学(株)製) 10kg KE−85 (荒川化学(株)製) 10kg アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg 酢酸メチル 319kg エタノール 136kg (ドープ組成物9) 木材パルプから合成されたセルロースアセテートプロピオネート アセチル基置換度2.0 プロピオニル基置換度0.9 100kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1) 0.5kg チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2) 0.5kg アラルダイドGY260 (旭チバ(株)製) 20kg アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg メチレンクロライド 419kg エタノール 36kg (ドープ組成物10) 綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.92 100kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1) 0.5kg チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1) 1.0kg チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1) 1.0kg トリフェニルフォスフェート 8kg エチルフタリルエチルグリコレート 3kg アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg メチレンクロライド 415kg エタノール 26.5kg (ドープ組成物11) 綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.88 60kg 木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.88 40kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1) 0.5kg チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2) 0.5kg トリフェニルフォスフェート 13kg アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg メチレンクロライド 460kg エタノール 40kg (ドープ組成物12) 綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.82 50kg 木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 置換度2.84 50kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤1) 0.5kg チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製紫外線吸収剤2) 0.5kg トリフェニルフォスフェート 8kg エチルフタリルエチルグリコレート 3kg アエロジルR972V(日本アエロジル社製) 0.2kg メチレンクロライド 437kg エタノール 38kg 次にセルロースエステルフィルムの作製について述べる
が、作製はいずれも図1に示す装置を用いた。
【0178】 本発明のセルロースエステルフィルム1の作製 30℃に温度調整されたドープ1を用いて、裏面から3
0℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベ
ルト(支持体)上に均一に流延した。流延後、ただちに
ベルト上のドープ膜(ウエブ)に25℃(T1)の温風
をあてて乾燥させた後、流延から45秒後にベルトの裏
面から55℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ
表面に55℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延か
ら90秒後に、剥離張力180N/mで剥離し、多数の
ロールで搬送張力150N/mで搬送させながら乾燥さ
せた。剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は1
2℃とした。剥離時の残留溶媒量は26質量%であっ
た。又、支持体上で乾燥中のウエブをサンプリングして
流延後の時間経過と残留溶媒量を求めたところ、流延後
18秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥していた。剥
離されたフィルムは、50℃に設定された第1乾燥ゾー
ンを1分間搬送させた後、90℃に設定された第2乾燥
ゾーンを30秒間搬送させ、さらに115℃に設定され
た第3乾燥ゾーンで10分間搬送させて、乾燥を行っ
た。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2000
m、膜厚47μmの本発明のセルロースエステルフィル
ム1を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.3%であっ
た。
【0179】 本発明のセルロースエステルフィルム2の作製 30℃に温度調整されたドープ1を用いて、裏面から3
0℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベ
ルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上の
ドープ膜(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾
燥させた後、流延から35秒後にベルトの裏面から45
℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に45
℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から75秒後
に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬
送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離
部のエンドレスステンレスベルトの温度は12℃とし
た。剥離時の残留溶媒量は40質量%であった。又、支
持体上で乾燥中のウエブは、流延後19秒で剥離残溶量
が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルム
は、50℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送さ
せた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間
搬送させ、さらに115℃に設定された第3乾燥ゾーン
で10分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン
内ではテンターにて幅手方向に1.05倍に延伸した。
乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜
厚40μmの本発明のセルロースエステルフィルム2を
得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.2%であった。
【0180】 本発明のセルロースエステルフィルム3の作製 30℃に温度調整されたドープ2を用いて、裏面から2
0℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベ
ルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上の
ドープ膜(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾
燥させた後、流延から35秒後にベルトの裏面から45
℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に45
℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から75秒後
に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬
送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離
部のエンドレスステンレスベルトの温度は12℃とし
た。剥離時の残留溶媒量は28質量%であった。又、支
持体上で乾燥中のウエブは、流延後10秒で剥離残溶量
が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルム
は、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送さ
せた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間
搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーン
で15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン
内ではテンターにて幅手方向に1.05倍に延伸した。
乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜
厚40μmの本発明のセルロースエステルフィルム3を
得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であっ
た。
【0181】 本発明のセルロースエステルフィルム4の作製 30℃に温度調整されたドープ3を用いて、裏面から2
0℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベ
ルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上の
ドープ膜(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾
燥させた後、流延から20秒後にベルトの裏面から45
℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に45
℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から40秒後
に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬
送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離
部のエンドレスステンレスベルトの温度は12℃とし
た。剥離時の残留溶媒量は80質量%であった。又、支
持体上で乾燥中のウエブは、流延後19秒で剥離残溶量
が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルム
は、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送さ
せた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間
搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーン
で15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン
内ではテンターにて幅手方向に1.05倍に延伸した。
乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜
厚40μmの本発明のセルロースエステルフィルム4を
得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であっ
た。
【0182】 本発明のセルロースエステルフィルム5の作製 30℃に温度調整されたドープ4を用いて、裏面から2
0℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベ
ルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上の
ドープ膜(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾
燥させた後、流延から20秒後にベルトの裏面から41
℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に41
℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から40秒後
に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬
送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離
部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とし
た。剥離時の残留溶媒量は76質量%であった。又、支
持体上で乾燥中のウエブは、流延後16秒で剥離残溶量
が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルム
は、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送さ
せた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間
搬送させ、さらに127℃に設定された第3乾燥ゾーン
で15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン
内ではテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。
乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜
厚40μmの本発明のセルロースエステルフィルム5を
得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であっ
た。
【0183】 本発明のセルロースエステルフィルム6の作製 30℃に温度調整されたドープ5を用いて、裏面から2
0℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベ
ルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上の
ドープ膜(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾
燥させた後、流延から20秒後にベルトの裏面から41
℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に41
℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から40秒後
に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬
送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離
部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とし
た。剥離時の残留溶媒量は74質量%であった。又、支
持体上で乾燥中のウエブは、流延後15秒で剥離残溶量
が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルム
は、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送さ
せた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間
搬送させ、さらに127℃に設定された第3乾燥ゾーン
で15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン
内ではテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。
乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜
厚40μmの本発明のセルロースエステルフィルム6を
得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であっ
た。
【0184】 本発明のセルロースエステルフィルム7の作製 30℃に温度調整されたドープ6を用いて、裏面から2
0℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベ
ルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上の
ドープ膜(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾
燥させた後、流延から22秒後にベルトの裏面から41
℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に41
℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から45秒後
に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬
送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離
部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とし
た。剥離時の残留溶媒量は78質量%であった。又、支
持体上で乾燥中のウエブは、流延後15秒で剥離残溶量
が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルム
は、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送さ
せた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間
搬送させ、さらに127℃に設定された第3乾燥ゾーン
で15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン
内ではテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。
乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜
厚40μmの本発明のセルロースエステルフィルム7を
得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であっ
た。
【0185】 本発明のセルロースエステルフィルム8の作製 35℃に温度調整されたドープ7を用いて、裏面から4
5℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベ
ルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上の
ドープ膜(ウエブ)に45℃(T1)の温風をあてて乾
燥させた後、流延から25秒後にベルトの裏面から60
℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に60
℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から50秒後
に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬
送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離
部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とし
た。剥離時の残留溶媒量は40質量%であった。又、支
持体上で乾燥中のウエブは、流延後18秒で剥離残溶量
が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルム
は、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送さ
せた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間
搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーン
で15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン
内ではテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。
乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜
厚40μmの本発明のセルロースエステルフィルム8を
得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であっ
た。
【0186】 本発明のセルロースエステルフィルム9の作製 30℃に温度調整されたドープ8を用いて、裏面から3
5℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベ
ルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上の
ドープ膜(ウエブ)に35℃(T1)の温風をあてて乾
燥させた後、流延から30秒後にベルトの裏面から57
℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に57
℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から60秒後
に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬
送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離
部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とし
た。剥離時の残留溶媒量は70質量%であった。又、支
持体上で乾燥中のウエブは、流延後15秒で剥離残溶量
が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルム
は、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送さ
せた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間
搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーン
で15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン
内ではテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。
乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜
厚40μmの本発明のセルロースエステルフィルム9を
得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であっ
た。
【0187】 本発明のセルロースエステルフィルム10の作製 35℃に温度調整されたドープ9を用いて、裏面から4
5℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベ
ルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上の
ドープ膜(ウエブ)に45℃(T1)の温風をあてて乾
燥させた後、流延から25秒後にベルトの裏面から60
℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に60
℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から50秒後
に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで搬
送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥離
部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とし
た。剥離時の残留溶媒量は40質量%であった。又、支
持体上で乾燥中のウエブは、流延後15秒で剥離残溶量
が200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルム
は、55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送さ
せた後、90℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間
搬送させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーン
で15分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン
内ではテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。
乾燥後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜
厚40μmの本発明のセルロースエステルフィルム10
を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.1%未満であっ
た。
【0188】 本発明のセルロースエステルフィルム11の作製 35℃に温度調整されたドープ10を用いて、裏面から
30℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレス
ベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上
のドープ膜(ウエブ)に30℃(T1)の温風をあてて
乾燥させた後、流延から18秒後にベルトの裏面から4
5℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に4
5℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から36秒
後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで
搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥
離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とし
た。剥離時の残留溶媒量は63質量%であった。又、支
持体上で乾燥中のウエブは、流延後9秒で剥離残溶量が
200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルムは、
55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた
後、95℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間搬送
させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで1
5分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内で
はテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。乾燥
後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚4
0μmの本発明のセルロースエステルフィルム11を得
た。巻き取り時の残留溶媒量は0.2%未満であった。
【0189】 本発明のセルロースエステルフィルム12の作製 35℃に温度調整されたドープ10を用いて、裏面から
35℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレス
ベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上
のドープ膜(ウエブ)に35℃(T1)の温風をあてて
乾燥させた後、流延から15秒後にベルトの裏面から4
5℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に4
5℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から30秒
後に、剥離張力170N/mで剥離し、多数のロールで
搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥させた。剥
離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とし
た。剥離時の残留溶媒量は76質量%であった。又、支
持体上で乾燥中のウエブは、流延後9秒で剥離残溶量が
200質量まで乾燥していた。剥離されたフィルムは、
55℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた
後、95℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間搬送
させ、さらに125℃に設定された第3乾燥ゾーンで1
5分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内で
はテンターにて幅手方向に1.07倍に延伸した。乾燥
後、ロール状に巻き取る事で、巻長2600m、膜厚4
0μmの本発明のセルロースエステルフィルム12を得
た。巻き取り時の残留溶媒量は0.2%未満であった。
【0190】 比較のセルロースエステルフィルム1の作製 30℃に温度調整されたドープ11を用いて、裏面から
20℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレス
ベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上
のドープ膜(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて
乾燥させた後、流延から150秒後に、剥離張力180
N/mで剥離し、多数のロールで搬送張力150N/m
で搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステ
ンレスベルトの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒
量は20質量%であった又、支持体上で乾燥中のウエブ
は、流延後32秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥し
ていた。剥離されたフィルムは、50℃に設定された第
1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定され
た第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに115℃
に設定された第3乾燥ゾーンで15分間搬送させて、乾
燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方
向に1.05倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取
る事で、巻長2600m、膜厚40μmの比較のセルロ
ースエステルフィルム1を得た。巻き取り時の残留溶媒
量は0.1%未満であった。
【0191】 比較のセルロースエステルフィルム2の作製 30℃に温度調整されたドープ12を用いて、裏面から
20℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレス
ベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上
のドープ膜(ウエブ)に25℃(T1)の温風をあてて
乾燥させ、流延から120秒後に、剥離張力180N/
mで剥離し、多数のロールで搬送張力150N/mで搬
送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレ
スベルトの温度は11℃とした。剥離時の残留溶媒量は
26質量%であった。又、支持体上で乾燥中のウエブ
は、流延後30秒で剥離残溶量が200質量まで乾燥し
ていた。剥離されたフィルムは、50℃に設定された第
1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、90℃に設定され
た第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに115℃
に設定された第3乾燥ゾーンで15分間搬送させて、乾
燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方
向に1.05倍に延伸した。乾燥後、ロール状に巻き取
る事で、巻長2600m、膜厚40μmの比較のセルロ
ースエステルフィルム2を得た。巻き取り時の残留溶媒
量は0.1%未満であった。
【0192】得られた本発明のセルロースエステルフィ
ルム1〜12及び比較のセルロースエステルフィルム1
及び2について、面配向度S、面内リターデーションR
0、遅相軸方向とフィルムの製膜方向とのなす角度θ
(゜)を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0193】〈支持体上ドープ膜の残留溶媒量の測定
乾燥速度、時間の算出〉流延後の支持体上のドープ膜
を、一定時間毎にサンプリングし、流延から剥離までの
残留溶媒量の変化をグラフにプロットした。そして、グ
ラフより流延後残留溶媒量200質量%に達する時間T
200と流延後残留溶媒量120質量%に達する時間T120
を求め、その差を求めた。又、その時間から乾燥速度を
求めた。
【0194】 乾燥速度S200(質量%/秒)= (残留溶媒量200質量%−残留溶媒量120質量%)/(T200−T120) S200200−T120 (質量%/秒) (秒) 本発明のセルロースエステルフィルム1 5.2 15.5 本発明のセルロースエステルフィルム2 5.0 16 本発明のセルロースエステルフィルム3 4.8 16.7 本発明のセルロースエステルフィルム4 7.0 11.5 本発明のセルロースエステルフィルム5 6.7 12.0 本発明のセルロースエステルフィルム6 6.4 12.5 本発明のセルロースエステルフィルム7 6.4 12.5 本発明のセルロースエステルフィルム8 6.8 11.7 本発明のセルロースエステルフィルム9 5.0 16 本発明のセルロースエステルフィルム10 7.5 10.6 本発明のセルロースエステルフィルム11 6.8 11.8 本発明のセルロースエステルフィルム12 7.2 11.1 比較のセルロースエステルフィルム1 3.9 20.5 比較のセルロースエステルフィルム2 3.8 21 〈面配向度の測定〉自動複屈折率計KOBRA−21A
DH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55
%RHの環境下で、590nmの波長において、3次元
屈折率測定を行い、屈折率Nx、Ny、Nzを求めた。
請求項1の式(I)に従って、面配向度Sと、請求項2
の式(II)に従って、R0を算出した。
【0195】
【表1】
【0196】このように、本発明のセルロースエステル
フィルムは面配向度が低く、光学的等方性に優れること
がわかる。
【0197】実施例2 本発明のセルロースエステルフィルム1を40℃の2.
5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で60秒間アル
カリ処理し、3分間水洗して鹸化処理層を形成し、アル
カリ処理フィルムを得た。
【0198】次に、厚さ120μmのポリビニルアルコ
ールフィルムを沃素1kg、ホウ酸4kgを含む水溶液
100kgに浸漬し、50℃で4倍に延伸して偏光膜を
作った。この偏光膜の両面に前記アルカリ処理フィルム
を完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤
として各々貼り合わせ本発明の偏光板1を作製した。
【0199】同様に、セルロースエステルフィルム2〜
12又は比較のセルロースエステルフィルム1〜2を用
いてそれぞれ本発明の偏光板2〜12及び比較の偏光板
1〜2を得た。
【0200】偏光板の評価 得られた偏光板の偏光度を、400〜700nmの光線
領域にて、50nmごとに2枚の偏光板を平行に配置し
た場合と直交に配置した場合の光透過率を求め、その平
均値から下式に従って求めた。
【0201】偏光度={(H0−H90)/(H0+H
90)}1/2×100 ただし、式中H0は平均平行透過率、H90は平均直交
透過率である。
【0202】80℃、90%RHで500時間処理した
前後での偏光度の変化も調べた。その結果、本発明の偏
光板1〜12はいずれも初期の偏光度が88〜90であ
り、80℃、90%RHで500時間処理した後の偏光
度は86以上であったが、比較の偏光板1〜2は初期の
偏光度が88であり、80℃、90%RHで500時間
処理した後の偏光度は85未満であり、本発明の偏光板
が優れていることが確認された。
【0203】
【発明の効果】本発明により、光学的等方性、特に膜厚
方向の光学的等方性に優れたセルロースエステルフィル
ム、その製造方法、表示装置用偏光板及び表示装置を提
供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセルロースエステルフィルムを製造す
る装置の模式図である。
【符号の説明】
1 エンドレスステンレスベルト 2 ダイ 3 低温乾燥ゾーン 4 高温乾燥ゾーン 5 流延部 6 剥離部 7 剥離ロール 8 第1乾燥ゾーン 9 搬送ロール 10 第2乾燥ゾーン 11 第3乾燥ゾーン 12 巻き取り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63/00 C08L 63/00 A G02B 5/30 G02B 5/30 G02F 1/1335 510 G02F 1/1335 510 // B29K 1:00 B29K 1:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA27 BB18 BB33 BB43 BB51 BC22 2H091 FA08X FA08Z FB02 KA10 LA16 4F071 AA09 AE19 AF29 AF35 BA02 BB02 BC01 4F205 AA01 AC05 AH73 AR06 AR08 AR11 GA07 GB02 GC07 GN22 GN24 GW06 4J002 AB021 CD022 EF086 GP00

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)で表される面配向度Sが
    0.0004以下であることを特徴とするセルロースエ
    ステルフィルム。 式(I) S=(Nx+Ny)/2−Nz 式中、Nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Ny
    は遅相軸方向に対し直角な方向のフィルム面内の屈折
    率、Nzはフィルムの厚み方向の屈折率を表す。
  2. 【請求項2】 上記式(I)で表されるSが0.000
    01〜0.0004であり、かつR0とθが、下記式(I
    I)のPが0.9999の関係を満たすことを特徴とす
    る請求項1記載のセルロースエステルフィルム。 式(II) P≦1−sin2(2θ)sin2(πR0/λ) R0=(Nx−Ny)×d 式中、Nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Ny
    は遅相軸方向に対し直角な方向のフィルム面内の屈折率
    であり、dはフィルムの膜厚(nm)である。θはフィ
    ルム面内の遅相軸方向と製膜方向(フィルムの直尺方
    向)とのなす角度(ラジアン)、λは上記Nx、Ny、
    θを求める三次元屈折率測定の際の光の波長(nm)、
    πは円周率である。
  3. 【請求項3】 分子内に複数の環状構造を有する化合物
    をセルロースエステルフィルムに対して5〜30質量%
    含有することを特徴とする請求項1又は2記載のセルロ
    ースエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 セルロースエステルが総置換度2.85
    〜3.00のセルロースエステルであることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項記載のセルロースエステ
    ルフィルム。
  5. 【請求項5】 膜厚が10〜60μmであることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項記載のセルロースエ
    ステルフィルム。
  6. 【請求項6】 セルロースエステル溶液を支持体上に流
    延し、剥離後のフィルムをさらに乾燥させるセルロース
    エステルフィルムの製造方法において、セルロースエス
    テル溶液を支持体上に流延した後の支持体上での乾燥工
    程の際、支持体上のドープ膜の残留溶媒量が200質量
    %から120質量%の範囲内にあるとき残留溶媒量減少
    速度が4〜15質量%/秒となる乾燥を行うことを特徴
    とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 セルロースエステル溶液を支持体上に流
    延し、剥離後のフィルムをさらに乾燥させるセルロース
    エステルフィルムの製造方法において、セルロースエス
    テル溶液を支持体上に流延した後の支持体上での乾燥工
    程の際、支持体上のドープ膜の残留溶媒量が200質量
    %から120質量%の範囲にある時間が10秒以上20
    秒未満となる乾燥を行うことを特徴とするセルロースエ
    ステルフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 セルロースエステル溶液を支持体上に流
    延し、剥離後のフィルムをさらに乾燥させるセルロース
    エステルフィルムの製造方法において、セルロースエス
    テル溶液を支持体上に流延した後の支持体上での乾燥工
    程の際、平均温度が41〜100℃に設定された雰囲気
    内でウエブを乾燥させる乾燥工程を有し、かつ流延後2
    5〜90秒で剥離することを特徴とする請求項6又は7
    記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 セルロースエステル溶液を支持体上に流
    延し、剥離後のフィルムを乾燥させるセルロースエステ
    ルフィルムの製造方法において、セルロースエステル溶
    液を支持体上に流延した後の支持体上での乾燥工程の
    際、平均温度が20〜50℃に設定された雰囲気内で支
    持体上のウエブを乾燥させる低温乾燥工程の後、前記低
    温乾燥工程の平均温度よりも+5〜70℃に設定された
    雰囲気内で更に支持体上で乾燥させる高温乾燥工程で乾
    燥を行い、かつ流延後25〜90秒で剥離することを特
    徴とする請求項6、7又は8記載のセルロースエステル
    フィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記支持体上での高温乾燥工程が41
    ℃〜100℃に設定された雰囲気内で行われることを特
    徴とする請求項9記載のセルロースエステルフィルムの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 剥離時の残留溶媒量が20〜120質
    量%であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか
    1項記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 セルロースエステル溶液の固形分濃度
    (低沸点溶媒分濃度を除いた濃度)が17〜30質量%
    であることを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項
    記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  13. 【請求項13】 支持体から剥離されたフィルムの残留
    溶媒量が0〜10質量%まで乾燥された後、該フィルム
    を115〜200℃で5〜60分間加熱処理することを
    特徴とする請求項6〜12のいずれか1項記載のセルロ
    ースエステルフィルムの製造方法。
  14. 【請求項14】 溶液流延用支持体が金属製ベルトであ
    ることを特徴とする請求項6〜13のいずれか1項記載
    のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜5のいずれか1項記載のセ
    ルロースエステルフィルムが、請求項6〜14のいずれ
    か1項記載の方法で製造されたことを特徴とするセルロ
    ースエステルフィルム。
  16. 【請求項16】 請求項1〜5又は請求項15のいずれ
    か1項記載のセルロースエステルフィルムを少なくとも
    一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
  17. 【請求項17】 請求項1〜5又は請求項15のいずれ
    か1項記載のセルロースエステルフィルムを用いたこと
    を特徴とする表示装置。
  18. 【請求項18】 請求項16記載の偏光板を用いたこと
    を特徴とする表示装置。
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