JP2002234454A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2002234454A
JP2002234454A JP2001029321A JP2001029321A JP2002234454A JP 2002234454 A JP2002234454 A JP 2002234454A JP 2001029321 A JP2001029321 A JP 2001029321A JP 2001029321 A JP2001029321 A JP 2001029321A JP 2002234454 A JP2002234454 A JP 2002234454A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵感を損なわずに、車室内の不快な異音や
振動を低減する。 【解決手段】 ゲイン演算部75aでは、車速の絶対値
|V|に基づいて、ゲインGを算出する。カットオフ周
波数演算部75bでは、操舵速度の絶対値|ω|に基づ
いて、カットオフ周波数の基準値fc1を算出する。減衰
処理部75cでは、微分演算Sを有するローパス・フィ
ルタ処理により、目標電流の暫定値IA ’から目標電流
の指令値IA を算出する。即ち、目標電流の暫定値
A ’は、この減衰手段2(75)により、前段の減衰
手段では十分に除去されなかった低周波ノイズをも除去
されて、目標電流の指令値IA として出力される。ま
た、ゲイン演算部75aやカットオフ周波数演算部75
bで使用される各グラフの形状は、モータのより具体的
な仕様や、モータの駆動方式、搭載車種、前提ユーザ層
等によりチューニングする余地を有し、経験的に決定す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の操舵を助け
る補助トルクを操舵機構に付与する電動パワーステアリ
ング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の電動パワーステアリング
装置の論理的な構成を例示する制御ブロックダイヤグラ
ムである。この従来装置における制御手順は概ね以下の
通りである。即ち、ステアリング系の操舵トルクτを検
出するトルクセンサ2からの操舵トルク信号(操舵トル
クτの大きさ及び向き)をコントローラ7に入力し、高
周波ノイズを減衰させる減衰手段で操舵トルク信号の高
周波ノイズを除去した後に、系の安定を目的とした位相
補償部に入力する。
【0003】そして、この様にして位相補償された操舵
トルク信号(操舵トルクτ)と、車速センサ6からの車
速信号(車速V)とを目標電流設定部に入力し、これら
の物理量(τ,V)に基づいて、電動モータ3に通電す
べき目標電流IA の値(アシスト電流の指令値)を決定
する。この様にして決定された目標電流IA の値は、電
動モータ3に実際に通電されている駆動電流を検出して
フィードバックするPI制御(比例・積分制御)部等か
ら成る制御手段により達成される。尚、図中のI/Fは
各検出手段(センサ)に関する入力インターフェイス部
を表しており、また、各A/Dはアナログ信号に対する
デジタル変換器(A/D変換器)を表している。
【0004】図8は、公知或いは一般の電動パワーステ
アリング装置の目標電流設定部で使用される、操舵トル
クτと目標電流IA との関係を例示するグラフである。
一般的には、例えば本図8の様に、上記の物理量(τ,
V)等を利用して、電動モータ3に通電すべき目標電流
A の値(電流指令値)を決定しており、従って、従来
装置においても、低速コーナーリング時や車庫入れ時等
には、操舵に対する十分な補助力が得られる様になって
いる。また、本図8の様な設定により、高速走行時には
適度な操舵感と走行安定性が確保される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8の
偏微分値∂IA /∂τが比較的大きくなっている部分で
は、即ち、例えば低速走行時に操舵トルクτの絶対値を
b付近にまで上昇させる場合等においては、検出された
操舵トルクτ(操舵トルク信号)が有するノイズ等の振
動成分も同時に大きく増幅されてしまうので、運転者に
とって不快な異音や振動が発生する結果となり望ましく
ない。また、低速走行時には、車室内の暗騒音や振動が
高速走行時よりも低い(小さい)という事情もあり、上
記の問題は低速走行時に、より顕著に表面化する。
【0006】この問題に対する対策として、例えば、カ
ットオフ周波数(除去すべきノイズの周波数帯域の下限
値)を画一的に下げてしまうと、ノイズの除去処理は一
応徹底されるものの、操舵トルク信号に含まれている必
要な信号成分まで減衰させてしまう場合が生じる。従っ
て、この様な場合には、電動パワーステアリング装置と
しての応答性等が劣化してしまい、これにより操舵感が
悪化してしまう。
【0007】また、図8のグラフの偏微分値∂IA /∂
τが比較的大きくなる部分を無くす様に、図8の関係
(グラフ形状)を変形すると、低速走行時に|τ|=b
付近で十分なアシスト電流(IA )が得られなくなった
り、或いは、図8のグラフの原点付近においてもアシス
ト電流(IA )が現れるグラフ形状と成ってしまう。こ
のため、低速走行時に|τ|=b付近で十分な補助力が
得られなくなったり、直進走行時に十分な中立感が得ら
れなくなる等し、やはり操舵感が悪化してしまう。
【0008】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的は、所望の操舵感を損なう
ことなく、操舵トルク信号等が有するノイズ等に起因す
る車室内の不快な異音や振動を低減することである。
【0009】
【課題を解決するための手段、並びに、作用及び発明の
効果】上記の課題を解決するためには、以下の手段が有
効である。即ち、第1の手段は、車両の操舵を助ける補
助トルクを操舵機構に付与するモータと、運転者がステ
アリングホイールに付与する操舵トルクτの大きさ及び
向きを検出するトルクセンサと、モータを駆動制御する
モータ制御装置とを有する電動パワーステアリング装置
において、操舵トルクτの検出値又は関連値が有するノ
イズ等の特定周波数成分を除去する減衰手段と、この除
去すべき特定周波数成分の周波数帯域の定義領域を、運
転者の操舵状態又は車両の走行状態に基づいて、動的に
変更する減衰特性可変手段とを設けることである。
【0010】所望の操舵感を実現するために電動パワー
ステアリング装置に要求される応答性能のレベルは、操
舵や走行に関する個々の状況によって動的に変化し、必
ずしも高い程良いと言うものではない。即ち、運転者の
操舵状態や或いは車両の走行状態によっては高い応答性
が要求されないケースもあり、この様な場合には、装置
の応答性をある程度下げても、所望の操舵感を実現する
上で差し支えない場合が少なくない。また、この様な状
況下では、車速Vが小さい等の理由から、車室内の暗騒
音が低い場合が多く、よって、操舵トルク信号等が有す
るノイズ等に起因する車室内の不快な異音や振動の問題
が表面化し易い場合が少なくない。
【0011】本発明の第1の手段によれば、上記の減衰
特性可変手段により、除去すべき特定周波数成分の周波
数帯域の定義領域を運転者の操舵状態又は車両の走行状
態に基づいて動的に変更できるので、高い応答性が要求
されないと判断される場合には、上記のカットオフ周波
数を下げることにより、特に問題とならない範囲内にお
いて応答性は若干下がるものの、所望の操舵感を損なう
ことなく、車室内に発生若しくは伝達される異音や振動
を低減することができる。
【0012】即ち、検出された各種の物理量に基づい
て、高い応答性が要求されているかどうかを定量的に推
定することができ、よって、これらの場合には、前記の
カットオフ周波数をある程度下げても良く、これによ
り、所望の操舵感を損なうことなく、車室内に発生若し
くは伝達される異音や振動を低減することができる。
【0013】また、第2の手段は、上記の第1の手段の
減衰特性可変手段において、ステアリングホイールの角
速度ωに応じて上記の周波数帯域の定義領域を変更する
ことである。
【0014】ハンドル(ステアリングホイール)の据え
切り時や、車速Vが極低速で操舵角θがある程度大きな
場合や、或いはこれらの操舵に伴ってハンドルを保舵し
ている場合等では、通常ステアリングホイールの角速度
ωの値は小さい。また、これらの場合には、補助力(モ
ータの出力トルク)の値を急激に変動させるべき必要性
もまた小さいと考えられる。更に、これらの場合には、
車室内の暗騒音が低い場合が多い。
【0015】そこで、上記の第2の手段により、ステア
リングホイールの角速度ωに応じて上記の周波数帯域の
定義領域を変更することにより、即ち、ステアリングホ
イールの角速度ωの変動に対して単調に略比例する様
に、前記のカットオフ周波数を変化させることにより、
所望の操舵感を損なうことなく、車室内に発生若しくは
伝達される異音や振動を低減することができる。
【0016】また、第3の手段は、上記の第1又は第2
の手段において、上記の操舵トルクτの上記の関連値と
して、モータに通電させるモータ駆動電流に関する指令
値を選択することである。上記の様な減衰特性可変手段
は、操舵トルクτを検出してから、この値に基づいて決
定すべき目標電流(電流指令)の値IA を算出するまで
の任意の中間段階において有効である。したがって、上
記の第3の手段によっても上記の作用・効果を得ること
ができる。また、この様な第3の手段を用いれば、操舵
トルク信号が有する振動成分の他にも、その他の各セン
サ等から入力された制御信号等に含まれた振動成分をも
同時に除去することができるため、多数のセンサを用い
てより複雑な電流制御を実施した場合にも、より幅広い
制御範囲において上記と同様の作用・効果が得られる。
【0017】また、第4の手段は、上記の第1乃至第3
の何れか1つの手段の減衰特性可変手段において、車両
の速度Vに応じて上記の周波数帯域の定義領域を変更す
ることである。車速Vが小さい場合には、車室内の暗騒
音も低く、更に、補助力(モータの出力トルク)の値を
急激に変動させるべき必要性もまた比較的に小さいもの
と考えられる。
【0018】そこで、上記の第4の手段により、車速V
に応じて上記の周波数帯域の定義領域を変更することに
より、即ち、車速Vの変動に対して単調に略比例する様
に、前記のカットオフ周波数を変化させることにより、
所望の操舵感を損なうことなく、車室内に発生若しくは
伝達される異音や振動を低減することができる。
【0019】また、第5の手段は、上記の第1乃至第4
の何れか1つの手段の減衰特性可変手段において、操舵
トルクτ、車両のトランスミッションの変速ギヤの状態
S、ステアリングホイールの操舵角θ、ステアリングホ
イールの角加速度α、或いは、これらの物理量τ,S,
θ、又はα等に関する関連値に応じて、上記の周波数帯
域の定義領域を変更することである。
【0020】例えば、車両が後方へ後退中(変速ギヤの
状態S=リバース状態R)で、図8において「2b/3
≦|τ|≦b」なる場合や、或いは更に|θ|>400
°なる場合等には、例えば車庫入れ中に保舵している状
況等が、その際の状況の1例として考えられる。また、
これらの諸条件が満たされている場合等では、電動パワ
ーステアリング装置に対して高い応答性が要求されてい
る状況は考え難い。また、これらの諸条件が満たされて
いる場合には、車室内の暗騒音が低い場合が多いものと
推定される。
【0021】例えばこの様に、検出された各種の物理量
に基づいて、高い応答性が要求されている状態かどう
か、或いは、車室内の暗騒音が低い状態かどうか等を定
性的或いは定量的に推定することができる。したがっ
て、これらの条件判定が可能な場合には、その時点で要
求されている応答性のレベルに応じて前記のカットオフ
周波数をある程度下げても良く、これにより、所望の操
舵感を損なうことなく、車室内に発生若しくは伝達され
る異音や振動を低減することができる。
【0022】また、トランスミッションの変速ギヤの段
数等から車速Vの概略値を推定したり、ステアリングホ
イールの角加速度α等から操舵トルクτの概略値を推定
したりして、これらの推定値を上記の状況判断に利用す
ることもできる。
【0023】尚、上記の第1乃至第5の各手段の間には
特段の背反関係は無く、よって、上記の各手段は、それ
ぞれ任意或いは適当に組み合わせて上記と同様の作用・
効果をより効果的に引き出すことができるものである。
以上の手段により、前記の課題を効果的に解決すること
ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例
に限定されるものではない。
【0025】(第1実施例)図1は、本発明の各実施例
に係わる電動パワーステアリング装置100の基本的な
論理構成を例示する模式的なハードウェア構成図であ
る。モータ制御装置として作動するコントローラ7は、
車速センサ6から車速信号を入力し、また、トルクセン
サ2からは運転者がステアリングホイール1に及ぼした
操舵トルクτに関するトルク信号を入力して、これらの
検出値に見合った補助トルクがモータ3から出力される
様に、モータ3の駆動電流を制御する。
【0026】図2は、電動パワーステアリング装置10
0を制御する、本第1実施例の制御ブロックダイヤグラ
ムである。トルクセンサ2により検出されたトルク信号
(操舵トルクτ)は、所定の入力インターフェイス(I
/F,A/D)を介して、デジタル化された形で上記の
コントローラ7のマイコンに入力される。その後、この
トルク信号(操舵トルクτ)は、高周波ノイズを除去す
るロウ・パス・フィルタ71、即ち、ソフトウェアで具
現された減衰手段1により、特定の周波数以上の周波数
帯域に属する振動成分が減衰処理される。例えば、この
減衰対象の周波数帯域の下限値としては100〜200
Hz程度で良い。
【0027】更に、上記の高周波ノイズが除去されたト
ルク信号(操舵トルクτ)は、制御系を安定させる目的
で、位相補償部72によって位相補償処理が施され、そ
の後、目標電流設定部73に入力される。目標電流設定
部73では、位相補償処理が施された上記のトルク信号
(操舵トルクτ)と、車速演算部74によって算出され
た車速Vに基づいて、例えば前述の図8のグラフに例示
される関係を満たす様に、電流指令の暫定値(目標電流
A ’)が、操舵トルクτの関連値として算出される。
更に、この目標電流IA ’は、減衰特性可変手段を備え
た減衰手段2(75)により、上記の減衰手段1では十
分に除去されなかった低周波ノイズも除去されて出力さ
れる。
【0028】図3は、本第1実施例の「減衰手段2」の
入力信号と出力信号との関係を例示する、減衰手段2
(75)内部の制御ブロックダイヤグラムである。 (記号説明) |V|… 車速の絶対値 |ω|… 操舵速度(ステアリング・ホイールの角速
度)の絶対値 G … ゲイン fc1 … カットオフ周波数の基準値 fc … カットオフ周波数(fc =fc1×G) IA ’… 目標電流の暫定値 IA … 目標電流の指令値 S … 微分演算子
【0029】ゲイン演算部75aでは、以下の次式
(1)により、ゲインGを算出する。
【数1】 G = a×|V|+G0 (a>0,G0>0) …(1)
【0030】カットオフ周波数演算部75bでは、以下
の次式(2)により、カットオフ周波数の基準値fc1
算出する。
【数2】 fc1 = b×|ω|+f0 (b>0,f0>0) …(2)
【0031】減衰処理部75cでは、次式(3)、
(4)に示す様に、演算子g(伝達関数g)を用いて目
標電流の暫定値IA ’から目標電流の指令値IA を算出
する。
【数3】 g = 1/((S/2πfc )+1)) …(3)
【数4】 IA =gIA ’ …(4)
【0032】ただし、上記の式(1),(2)は必ずし
も1次式である必要はない。例えば、カットオフ周波数
c (=fc1×G)の上限値が100〜200Hz程度
となる様な関数やデータマップを用いても良い。また、
上記の各定数a,G0,b,f0の好適値又は最適値
は、モータ3のより具体的な仕様や、或いはモータ3の
駆動方式、搭載車種、前提ユーザ層等により、チューニ
ングする余地を有するが、以下の各条件等から経験的に
決定することができる。
【0033】(条件1)中速域や、或いは高速域等での
通常の走行時には、操舵トルクτや指令電流IA が有す
るべき有効周波数成分(必要周波数帯域)は、100H
z以下である。 (条件2)モータの駆動電流の振動成分に起因して発生
する不快な異音や振動の周波数は、50Hz〜200H
z程度である。 (条件3)据え切りの保舵時等では、設定すべきカット
オフ周波数fc は、5Hz〜20Hz程度である。
【0034】例えば、以上の様な手順に従って、減衰手
段2(75)は、車速Vと操舵速度ωの各値に基づいて
カットオフ周波数fc を決定し、このカットオフ周波数
cに従って、目標電流の暫定値IA ’が有する振動成
分を除去して、目標電流の指令値IA を算出する。
【0035】図2のPI制御77では、モータ電流検出
器が検出したモータ電流の現在の値(実電流)に基づい
て、上記の様に算出された目標電流の指令値IA がモー
タ3に通電される様に、フィードバック制御(比例・積
分制御)を行い、モータ3に印加すべき電圧の値を算出
し、PWM演算部78に出力する。PWM演算部78
は、入力された指令電圧に基づいて、モータ駆動回路が
有する図2のスイッチ回路をPWM制御にて電子制御す
る。
【0036】例えば、以上の様な構成にしたがって、モ
ータ3に通電するモータ電流を制御することにより、上
記の減衰手段2(75)の動作を中心とする、本電動パ
ワーステアリング装置100の動作に基づいた、以下の
様な作用・効果を得ることができる。
【0037】図4は、下記の「操舵条件1」における、
(a)従来の電動パワーステアリング装置(図7)での
目標電流(IA )の経時的変化を例示するグラフと、
(b)本第1実施例での目標電流(IA )の経時的変化
を例示するグラフである。 (操舵条件1) (i)操舵速度 : ω=0.01〔rad/sec〕 (ii)車速 : V≒0〔km/hr〕
【0038】例えばこの「操舵条件1」の様に、車速V
と操舵速度ωの各絶対値がそれぞれ特に小さい、所謂据
え切り保舵状態の場合等には、上記の減衰手段2により
カットオフ周波数fc が5Hz〜20Hz程度と低く設
定されるため、従来(図4(a))と比較して低周波ノ
イズが十分に除去された指令値IA (アシスト電流)が
生成される(図4(b))。したがって、これらの場合
には、車室内に発生する異音や振動が効果的に低減され
る。また、これらの場合に必要とされる目標電流(指令
値IA )の周波数成分は、概ね数Hz程度以下であるた
め、応答性や操舵感に支障を来す様な問題も発生しな
い。
【0039】図5は、下記の「操舵条件2」における、
(a)従来の電動パワーステアリング装置(図7)での
目標電流(IA )の経時的変化を例示するグラフと、
(b)本第1実施例での目標電流(IA )の経時的変化
を例示するグラフである。 (操舵条件2) (i)操舵速度 : ω=6〔rad/sec〕 (ii)車速 : V=40〔km/hr〕
【0040】例えばこの「操舵条件2」の様に、中速域
や、或いは高速域等での通常の走行時等では、操舵トル
クτや指令電流IA が有するべき有効周波数成分(必要
周波数帯域)の上限値(=カットオフ周波数fc )が上
記の減衰手段2により100Hz程度にまで引き上げら
れるため、本図5に例示する様に、ノイズの目標電流I
A に対する影響は幾分残る(図5(b))。しかしなが
ら、これらの場合には、前述(図8)の偏微分∂IA
∂τの値が比較的小さくなっていたり、或いは、車室内
の暗騒音等が比較的高く成っていたりする等の事情によ
り、異音や振動の問題は殆ど表面化しない。
【0041】従って、例えば以上の様な構成により、所
望の操舵感を損なうことなく、操舵トルク信号等が有す
るノイズ等に起因する車室内の不快な異音や振動を低減
することができる。
【0042】(第2実施例)図6は、前記の電動パワー
ステアリング装置100(図1)を制御する、本第2実
施例の制御ブロックダイヤグラムである。本図6の減衰
手段1(71B)は、前述の第1実施例の減衰手段2
(図2、図3)と類似或いは酷似の構造を有しており、
この減衰手段1(71B)は、検出された操舵トルク信
号(操舵トルクτ)に含まれているノイズ等の除去すべ
き特定周波数成分の周波数帯域の定義領域を、操舵速度
ωや車速Vに基づいて動的に変更する減衰特性可変手段
を備えている。
【0043】例えばこの様に、減衰特性可変手段を備え
た減衰手段(71B)を位相補償部72の前段又は後段
に配置しても良い。この様な構成によっても、操舵トル
ク信号(操舵トルクτ)に含まれているノイズ等の特定
周波数成分を効果的に除去することができ、これによ
り、例えば図4、図5に例示される様な第1実施例の効
果と略同様の効果を得ることができる。
【0044】また、上記の第1実施例の減衰手段2(7
5)、及び第2実施例の減衰手段1(71B)では、操
舵速度ωと車速Vに基づいてカットオフ周波数fc を決
定する様に構成されているが、これらの減衰手段の減衰
特性可変手段においては、前記のゲインGをある一定値
に固定して、カットオフ周波数fc を操舵速度ωのみに
基づいて決定する様にしても良い。この様な、比較的簡
単な構成下においても、本発明の作用・効果を一定以上
に得ることができる。
【0045】また、上記の各実施例において、操舵速度
推定部76の構成は任意であり、公知或いは適当な操舵
速度の測定手段又は推定手段を用いて、操舵速度推定部
76を構成することができる。これらの構成としては、
例えば、ステアリングシャフト8に操舵角センサを取り
付けて操舵速度ωを求めたり、モータ電流とモータ電圧
の各測定値から操舵速度ωを推定したり、モータに取り
付けられたレゾルバの測定値から操舵速度ωを推定した
り、或いは、操舵トルクτの時間微分値を利用してより
正確に操舵速度ωを推定したりする装置等が考えられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例に係わる電動パワーステアリ
ング装置100の基本的な論理構成を例示する模式的な
ハードウェア構成図。
【図2】電動パワーステアリング装置100を制御す
る、本発明の第1実施例の制御ブロックダイヤグラム。
【図3】第1実施例の「減衰手段2」の入力信号と出力
信号との関係を例示する、減衰手段2内部の制御ブロッ
クダイヤグラム。
【図4】「操舵条件1」における、(a)従来の電動パ
ワーステアリング装置(図7)での目標電流(IA )の
経時的変化を例示するグラフと、(b)第1実施例での
目標電流(IA )の経時的変化を例示するグラフ。
【図5】「操舵条件2」における、(a)従来の電動パ
ワーステアリング装置(図7)での目標電流(IA )の
経時的変化を例示するグラフと、(b)第1実施例での
目標電流(IA )の経時的変化を例示するグラフ。
【図6】電動パワーステアリング装置100を制御す
る、本発明の第2実施例の制御ブロックダイヤグラム。
【図7】従来の電動パワーステアリング装置の論理的な
構成を例示する制御ブロックダイヤグラム。
【図8】公知或いは一般の電動パワーステアリング装置
の目標電流設定部で使用される、操舵トルクτと目標電
流IA との関係を例示するグラフ。
【符号の説明】
100 … 電動パワーステアリング装置 1 … ステアリングホイール 2 … トルクセンサ 3 … 電動モータ 4 … 減速機 5 … ラック&ピニオンギヤ 6 … 車速センサ 7 … コントローラ(モータ制御装置) 8 … ステアリングシャフト

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の操舵を助ける補助トルクを操舵機
    構に付与するモータと、運転者がステアリングホイール
    に付与する操舵トルクτの大きさ及び向きを検出するト
    ルクセンサと、前記モータを駆動制御するモータ制御装
    置とを有する電動パワーステアリング装置において、 前記操舵トルクτの検出値又は関連値が有するノイズ等
    の特定周波数成分を除去する減衰手段と、 除去すべき前記特定周波数成分の周波数帯域の定義領域
    を、前記運転者の操舵状態又は前記車両の走行状態に基
    づいて、動的に変更する減衰特性可変手段とを有するこ
    とを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記減衰特性可変手段は、 前記ステアリングホイールの角速度ωに応じて、前記定
    義領域を変更することを特徴とする、請求項1に記載の
    電動パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記操舵トルクτの前記関連値は、 前記モータに通電させるモータ駆動電流に関する指令値
    であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記
    載の電動パワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 前記減衰特性可変手段は、 前記車両の速度Vに応じて、前記定義領域を変更するこ
    とを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れか1項に
    記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記減衰特性可変手段は、 前記操舵トルクτ、前記車両のトランスミッションの変
    速ギヤの状態S、前記ステアリングホイールの操舵角
    θ、前記ステアリングホイールの角加速度α、或いは、
    これらの物理量τ,S,θ、又はα等に関する関連値に
    応じて、前記定義領域を変更することを特徴とする、請
    求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電動パワース
    テアリング装置。
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