JP2002234078A - 繊維強化複合材料の製造方法および繊維強化複合材料付き成形体 - Google Patents

繊維強化複合材料の製造方法および繊維強化複合材料付き成形体

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JP2002234078A
JP2002234078A JP2001036639A JP2001036639A JP2002234078A JP 2002234078 A JP2002234078 A JP 2002234078A JP 2001036639 A JP2001036639 A JP 2001036639A JP 2001036639 A JP2001036639 A JP 2001036639A JP 2002234078 A JP2002234078 A JP 2002234078A
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Hiroyuki Koyama
広幸 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強化材を構成する繊維の周囲に存在する空気
の除去効率を向上させて、強化材に対する樹脂の含浸性
の低下を抑制することのできる強化プラスチックの製造
方法を提供する。 【解決手段】 成形空間で樹脂を流動させて、この樹脂
を強化材に含浸させた後、樹脂を硬化させる強化プラス
チックの製造方法において、成形空間A1に、強化材
3、および半硬化状態の樹脂を担持した樹脂担持体1を
配置するとともに、成形空間A1を減圧および加熱した
状態で樹脂を流動させ、流動した樹脂を強化材3に含浸
させた後、この樹脂を硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マトリックスを
強化材で強化した繊維強化複合材料の製造方法および繊
維強化複合材料付き成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化複合材料には、繊維強化
プラスチック、繊維強化ゴム、繊維強化ゴムなどがあ
り、これらのうち、繊維強化プラスチックの製造方法と
しては、レジン・トランスファー・モールディング(R
TM)法(レジン・インジェクション・モールディング
(RI)法とも呼ばれる。)が知られている。このRT
M法は、「わかりやすい実践FRP成形」(1998年
2月20日発行・株式会社工業調査会)などに記載され
ているように、所定形状に賦形(プリフォーム)した繊
維状の強化材を成形型内に配置し、この成形型を型締め
するとともに、成形型内に流動状態のマトリックス、具
体的には熱硬化性樹脂を注入して、この熱硬化性樹脂を
強化繊維に含浸させた後、この熱硬化性樹脂を硬化させ
ることにより、強化材と熱硬化性樹脂とを結合した強化
繊維プラスチックを製造するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
RTM法においては、流動状態の熱硬化性樹脂が成形型
内に注入されるが、熱硬化性樹脂の粘度が高いので、強
化材である繊維の微小な隙間に、熱硬化性樹脂を満遍な
く含浸させることが難しく、強化材に対する熱硬化性樹
脂の未含浸部分が発生し、いわゆる成形不良を招く問題
があった。この問題は、大型の成形品を製造する場合
に、特に、顕著であった。この問題に対処するために、
流動状態における粘度が極力低くなる熱硬化性樹脂を用
いることも考えられるが、このような対策を採用した場
合は、製造される繊維強化プラスチックの耐熱性、靱性
が低下するという他の問題が生じる。
【0004】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであり、強化材を構成する繊維の間の空気の除去
効率を向上させて、強化材に対するマトリックスの含浸
性の低下を抑制することのできる繊維強化複合材料の製
造方法および繊維強化複合材料付き成形品を提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、成形空間でマ
トリックスを流動させ、このマトリックスを強化材に含
浸させた後、前記マトリックスを硬化させる繊維強化複
合材料の製造方法において、前記成形空間に、前記マト
リックスが含浸されていない強化材と、非流動状態のマ
トリックスとを配置するとともに、前記成形空間を減圧
および加熱した状態で前記マトリックスを流動させ、か
つ、流動したマトリックスを前記強化材に含浸させた
後、このマトリックスを硬化させることを特徴とするも
のである。
【0006】請求項1の発明によれば、強化材および非
流動状態のマトリックスを成形空間に配置した時点で
は、強化材はドライな状態にある。このため、成形空間
を減圧した場合に、強化材を構成する繊維の周囲に存在
する空気の除去が促進され、強化材を構成する繊維の周
囲に、マトリックスが含浸されやすくなる。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記非流動状態のマトリックスを担持体により担持
するとともに、この担持体と前記強化材との間に、流動
後に硬化するマトリックスと前記担持体とを分離させる
機能を備えた分離材を介在させた後、前記成形空間を減
圧および加熱することを特徴とするものである。
【0008】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じる他に、硬化したマトリックスと担
持体との分離性が向上する。
【0009】請求項3の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記非流動状態のマトリックスを担持体により担持
するとともに、前記強化材に含浸したマトリックスが硬
化する際に、このマトリックスにより前記強化材と前記
担持体とを結合させることを特徴とするものである。
【0010】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じる他に、強化材に含浸したマトリッ
クスが硬化する際に、強化材と担持体とがマトリックス
により結合される。
【0011】請求項4の発明は、成形空間に、マトリッ
クスが含浸されていない強化材、および非流動状態のマ
トリックスを担持した担持体を配置するとともに、前記
成形空間を減圧および加熱した状態で前記マトリックス
を流動させ、かつ、流動したマトリックスを前記強化材
に含浸させた後、このマトリックスを硬化させてこのマ
トリックスと強化材とを結合して製造された繊維強化複
合材料と、前記マトリックスを媒体としてこの繊維強化
複合材料と結合された前記担持体とを有することを特徴
とするものである。請求項4の発明においても、請求項
3の発明と同様の作用が生じる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明を図面を参照し
ながら具体的に説明する。図1、図2は、この発明の一
実施例である繊維強化プラスチック(FRP)の製造工
程を示す図である。まず、図2に示すように、樹脂担持
体1および分離膜2ならびに繊維状の強化材3を用意す
る。樹脂担持体1は、板形状の連続通気多孔質フォーム
1Aに、マトリックスとしての樹脂を含浸させたもので
ある。なお、樹脂は便宜上、図示されていない。連続通
気多孔質フォーム1Aは、例えば、メラミン樹脂などの
熱硬化性樹脂フォーム、またはポリビニルアセタールな
どの熱可塑性樹脂フォームのように、軟質なものを用い
ることができる。なお、連続通気多孔質フォーム1Aに
含浸させる樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の
いずれを選択することもできるが、連続通気多孔質フォ
ーム1Aに熱硬化性樹脂を含浸させる場合は、連続通気
多孔質フォーム1Aの材料として、使用する熱硬化性樹
脂の硬化温度に応じた耐熱温度を有する材料を用いる。
【0013】この実施例では、連続通気多孔質フォーム
1Aに熱硬化性樹脂を含浸させる場合を先に説明する。
この熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂などを用いることができる。ここ
で、連続通気多孔質フォーム1Aに熱硬化性樹脂を含浸
させる工程について説明すれば、減圧条件下において、
液状の熱硬化性樹脂を連続通気多孔質フォーム1Aに含
浸させるとともに、加熱により熱硬化性樹脂を硬化さ
せ、その硬化反応を途中で停止して半硬化状態とし、樹
脂担持体1を製造した。エポキシ樹脂の半硬化状態はB
ステージ化と呼ばれている。
【0014】前記分離膜2は、テフロン(商品名)など
のように、表面不活性な樹脂材料で製造された布、ある
いは孔あきのフィルムにより構成されている。また、繊
維状の強化材3は、カーボン、ガラス、アラミド、ボロ
ン、スチール、銅などの材質からなるクロス、UD(ユ
ニディレクショナルの略)、不織布などを、複数枚積層
したものである。なお、この強化材3には樹脂は付着し
ていない。
【0015】上記のように構成された樹脂担持体1およ
び分離膜2ならびに強化材3を、図1に示すように、下
型4上に配置する。具体的には、下型4上に樹脂担持体
1を載せ、この樹脂担持体1の上に分離膜2を載せ、分
離膜2の上に強化材3を載せる。すなわち、樹脂担持体
1と強化材3との間に、分離膜2が介在されている。そ
して、樹脂担持体1の周囲および分離膜2ならびに強化
材3をナイロンバッグ5により覆うとともに、下型4と
ナイロンバッグ5との間をシール材6Aによりシール
し、樹脂担持体1の周囲および分離膜2ならびに強化材
3を配置した成形空間A1を形成する。なお、分離膜3
の外周がナイロンバッグ5に接触しているため、成形空
間A1は、厳密には、樹脂担持体1が存在する空間B1
と、強化材3が存在する空間C1とに区画されている。
また、ナイロンバッグ5には、成形空間A1と、真空ポ
ンプなどの減圧装置とを連通する減圧ポートが形成され
ている。さらに、減圧装置及び減圧ポートは、いずれも
図示されていない。
【0016】つぎに、減圧装置により成形空間A1を減
圧するとともに、加熱装置により成形空間A1を加熱す
る。なお、加熱装置は図示されていない。ここで、成形
空間A1を、例えば、99,750Pa程度に減圧する
と、強化材3を構成するフィラメントおよびストランド
の周囲(言い換えれば、空間)に存在している空気(言
い換えれば気泡)が、減圧ポートを介して成形空間A1
の外部に除去される。また、成形空間A1を、例えば1
20℃まで昇温すると、この昇温にともない、樹脂担持
体1に含浸されている熱硬化性樹脂の粘度が低下し、流
動状態となった熱硬化性樹脂が分離膜2の孔を通過して
空間C1に移動するとともに、強化材3に含浸する。
【0017】そして、所定の硬化温度に到達すると、熱
硬化性樹脂が硬化(言い換えれば、固化)し、図3に示
すように、熱硬化性樹脂と強化材3とが一体的に結合さ
れた繊維強化プラスチック6が製造される。このように
して、樹脂担持体1から熱硬化性樹脂が流出すると、前
述の樹脂担持体1は、単なる連続通気多孔質フォーム1
Aとなっている。さらに、分離膜3を繊維強化プラスチ
ック6から剥離すると、繊維強化プラスチック6と連続
通気多孔質フォーム1Aとが分離される。
【0018】また、図1および図2に示す製造工程にお
いて、分離膜2を用いることなく、繊維強化プラスチッ
ク6を製造することもできる。この場合は、樹脂担持体
1と強化材3とが積層された状態で、成形空間A1に配
置される。そして、前述と同様にして、成形空間A1を
加熱および加圧すると、樹脂担持体1に含浸されている
熱硬化性樹脂が流動して強化材3に含浸するとともに、
強化材3に含浸した熱硬化性樹脂が硬化する過程で、強
化材3と連続通気多孔質フォーム1Aとが、熱硬化性樹
脂により結合された成形品7が製造される。
【0019】さらに、図1に示すナイロンバッグ5の代
わりに、減圧ポートを有する上型を用い、この上型と下
型4との間に成形空間を形成することもできる。なお、
上型は図示されていない。このように、上型と下型4と
を用いる場合、上型と下型4とを相対移動可能に構成す
ることになり、成形空間の加圧時に、上型と下型4とを
近づける方向に相対移動させて加圧すれば、成形品7の
成形精度が一層向上する。
【0020】なお、この実施例の製造方法によれば、成
形空間に流動状態の樹脂を注入する工程が不要であるた
め、流動状態では高粘度となる熱可塑性樹脂を、樹脂担
持体1に含浸させることもできる。この熱可塑性樹脂と
しては、例えば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェ
ニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリサルホ
ン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリ
アミドイミド、液晶ポリマー、ポリフタルアミド、フッ
素樹脂、超高分子量ポリエチレン、ポリメチルペンテ
ン、生分解プラスチック、ポリアクリロニトリルなどが
挙げられる。
【0021】このように、樹脂担持体1に含浸させる樹
脂として熱可塑性樹脂を用いた場合は、樹脂担持体1を
成形空間に配置した時点では、熱可塑性樹脂は硬化して
いる。そして、加熱により熱可塑性樹脂が流動して強化
材3に含浸するとともに、冷却により熱可塑性樹脂が硬
化し、熱可塑性樹脂と強化材3とが結合して繊維強化プ
ラスチック6が製造される。その他の作用は、熱硬化性
樹脂を用いた場合と同様である。なお、熱可塑性樹脂を
マトリックスとして用いる場合は、その固化状態で成形
空間に配置されるため、樹脂担持体1を用いなくてもよ
い。
【0022】上記のように、この実施例によれば、分離
膜2を用いるか否かに関わりなく、強化材3と、非流動
状態、具体的には半硬化状態の樹脂を担持した樹脂担持
体1とを成形空間A1に配置した時点では、強化材3に
は粘調な樹脂が含浸されておらず、強化材3はドライな
状態にある。このため、成形空間A1を減圧する場合
に、強化材3を構成するフィラメントおよびストランド
の周囲の空気の除去が促進され、強化材3の微細な隙間
における樹脂の行き渡り性、すなわち、含浸性が向上す
る。
【0023】特に、この実施例においては、板形状の強
化材3と板形状の樹脂担持体1とを積層しているため、
流動した樹脂を、強化材3と樹脂担持体1との積層方向
(強化材3の厚さ方向)に含浸させることになる。この
ため、樹脂の流動距離が短いものとなり、強化材3に樹
脂を含浸するために要する時間が飛躍的に短縮される。
【0024】ところで、特開平6−190956号公
報、特開平6−226874号公報などに記載されてい
るように、真空バッグにより取り囲まれた成形空間に、
半硬化状態の熱硬化性樹脂を繊維に含浸させたシート状
のプリプレグ材料を複数積層して配置した後、熱硬化性
樹脂を加熱硬化させることにより、繊維強化プラスチッ
クを製造する方法が知られている。この製造方法におい
ては、プリプレグ材料同士の間に空気が存在するため、
製品としての繊維強化プラスチックにボイドが生成され
る原因となる。そこで、成形空間に連通された減圧口に
真空ポンプを接続し、真空ポンプで吸引することにより
成形空間を減圧して、前記空気を除去する工程がおこな
われている。
【0025】これに対して、この実施例によれば、従来
のプリプレグ材料を用いる製造方法のように、成形空間
を高圧釜などの加圧装置により加圧する必要はない。ま
た、RTM法のように、樹脂を成形空間に注入する設備
も不要である。したがって、繊維強化プラスチック6を
製造するための生産設備費用を大幅に低下させることが
できる。また、高圧釜による加圧をおこなう必要がない
分、空気の除去工数の増加が抑制されて、加工時間が短
縮され、繊維強化プラスチック6の製造サイクルが短く
なり、その製造コストの上昇を抑制することができる。
さらに、強化材3内の空気を確実に除去することができ
るため、いわゆる樹脂リッチ部が形成されることを抑制
でき、繊維強化プラスチック6のボイドを防止すること
ができる。したがって、繊維強化プラスチック6の破壊
強度の低下を抑制することができ、製品品質が向上す
る。また、強化材3に対する樹脂の含浸性が良好である
ため、樹脂担持体1に含浸させる樹脂として、耐熱性、
靱性の高いグレードのものを用いることができ、製品と
しての繊維強化プラスチック6の耐久性および靱性が向
上する。
【0026】さらに、分離膜2を用いる製造方法におい
ては、硬化した樹脂と樹脂担持体(連続通気多孔質フォ
ームの単体)1とを容易に分離することができ、分離作
業性が向上する。さらに、分離膜2を用いない製造方法
によれば、強化材3に含浸した樹脂が硬化する工程で、
繊維強化プラスチック6と連続通気多孔質フォーム1A
とが結合された成形品7が製造される。したがって、繊
維強化プラスチックと、この繊維強化プラスチックに結
合する部材とを別々に製造し、かつ、両者を接合する場
合に比べて、その製造工数が低減され、成形品7の製造
コストの上昇を抑制することができる。
【0027】さらにまた、分離膜2を用いることなく製
造された成形品7は、連続通気多孔質フォーム1Aを構
造物の内部側に向けて配置し、繊維強化プラスチック6
を構造物の外側に向けて配置すれば、連続通気多孔質フ
ォーム1Aの連続通気多孔部分が吸音部として機能する
とともに、連続通気多孔部分の空気が断熱層として機能
する。つまり、成形品7を防音材(吸音材)もしくは断
熱材として使用することができる。
【0028】つぎに、分離膜2を用いることなく、航空
機の胴体の製造する方法を、図5および図6に基づいて
説明する。まず、航空機の胴体の内面形状を有するポリ
エチレン製の中空中子を準備するとともに、中空中子の
外周全面に、前述した樹脂担持体1を配置する。また、
樹脂担持体1の外周に、カーボンクロスを概略製品形状
化(プリフォーム)した強化材3を配置する。
【0029】ついで、航空機の胴体形状に対応するキャ
ビティ(成型空間A1)を形成する型9,10を用意
し、型9,10の間に中空中子8および樹脂担持体1な
らびに強化材3を配置した後、型9,10を型締めす
る。ついで、中空中子8の内部D1から加圧して、中空
中子8を膨張させるとともに、成形空間A1の全体を、
前述と同じ条件で減圧および加熱する。すると、前述と
同様にして樹脂担持体1に含浸されている樹脂が流動し
て、強化材3に含浸される。
【0030】そして、2時間後に樹脂を硬化させて、繊
維強化プラスチックと樹脂担持体1とが結合された成形
品を製造する。この成形品の場合は、樹脂担持体1を室
内側に配置することで、吸音材として活用する。図5お
よび図6の製造方法においても、図4の実施例と同様の
効果を得られる。なお、この実施例の製造方法および成
形品は、構造物、例えば、車両のボデー、車両の荷物室
の蓋、船舶の胴体、航空機の胴体など、3次元の中空構
造体の他、橋梁、建造物の骨格などの超大型構造体にも
適用できる。
【0031】なお、上記実施例において、樹脂以外のマ
トリックス、例えば、熱可塑性エラストマーを用いるこ
ともできる。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン
系、塩ビ系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル
系、ポリアミド系などを用いることができる。マトリッ
クスとして熱可塑性エラストマーを用いる場合の繊維強
化複合材料の製造方法は、マトリックスとして熱可塑性
エラストマーを用いる場合の繊維強化複合材料の製造方
法を同様である。ここで、実施例の構成とこの発明の構
成との対応関係を説明すれば、熱硬化性樹脂および熱可
塑性樹脂ならびに熱可塑性エラストマーが、この発明の
マトリックス(言い換えれば、基材もしくは母材)に相
当し、樹脂担持体1がこの発明の担持体に相当し、分離
膜2がこの発明の分離材に相当し、繊維強化プラスチッ
ク6がこの発明の繊維強化複合材料に相当する。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、強化材を構成する繊維の周囲に存在する空気の除
去効率が向上して、強化材に対するマトリックスの含浸
性が向上する。したがって、大型または複雑な形状の繊
維強化複合材料を製造する場合であっても、製造される
繊維強化複合材料にボイドが発生することを抑制でき、
繊維強化複合材料の破壊強度の低下を抑制することがで
き、製品品質が向上する。
【0033】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られる他に、分離材を用いるために、
硬化したマトリックスと、マトリックスが流出した後の
担持体とを容易に分離することができ、分離作業性が向
上する。
【0034】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られる他に、強化材に含浸したマトリ
ックスが硬化する際に、繊維強化複合材料と担持体とが
結合された成形品が製造される。したがって、繊維強化
複合材料と、繊維強化複合材料に結合する部材とを別々
に製造し、かつ、両者を接合する場合に比べて、その製
造工数が低減され、成形品の製造コストの上昇を抑制す
ることができる。さらに、請求項4の発明においても、
請求項3の発明と同様の効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例である繊維強化プラスチ
ックの製造方法の一例を示す断面図である。
【図2】 図1の製造方法に用いる樹脂担持体および分
離膜ならびに強化材の斜視図である。
【図3】 図1の製造方法により製造された繊維強化プ
ラスチックと樹脂担持体とを分離する工程の正面図であ
る。
【図4】 図1に示す製造方法において、分離膜を用い
ることなく製造された成形品の正面図である。
【図5】 この発明の製造方法により、航空機の胴体を
製造する工程を示す斜視図である。
【図6】 この発明の製造方法により、航空機の胴体を
製造する工程の断面図である。
【符号の説明】
1…樹脂担持体、 2…分離膜、 3…強化材、 6…
繊維強化プラスチック、 7…成形体、 A1…成形空
間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA02 AB06 AB08 AB09 AB10 AB11 AB28 AB29 AD03 AD04 AD05 AD06 AD07 AD08 AD09 AD11 AD37 AD41 AD42 AD44 AD45 AD46 AG03 AG16 AH04 AH12 AH31 AH36 AJ03 AL02 4F205 AD16 AD17 AH31 AM28 HA06 HA33 HA34 HA35 HA40 HA47 HB01 HF01 HF05 HK02 HK05 HK22 HM12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形空間でマトリックスを流動させ、こ
    のマトリックスを強化材に含浸させた後、前記マトリッ
    クスを硬化させる繊維強化複合材料の製造方法におい
    て、 前記成形空間に、前記マトリックスが含浸されていない
    強化材と、非流動状態のマトリックスとを配置するとと
    もに、前記成形空間を減圧および加熱した状態で前記マ
    トリックスを流動させ、かつ、流動したマトリックスを
    前記強化材に含浸させた後、このマトリックスを硬化さ
    せることを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記非流動状態のマトリックスを担持体
    により担持するとともに、この担持体と前記強化材との
    間に、流動後に硬化するマトリックスと前記担持体とを
    分離させる機能を備えた分離材を介在させた後、前記成
    形空間を減圧および加熱することを特徴とする請求項1
    に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記非流動状態のマトリックスを担持体
    により担持するとともに、前記強化材に含浸したマトリ
    ックスが硬化する際に、このマトリックスにより前記強
    化材と前記担持体とを結合させることを特徴とする請求
    項1に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 成形空間に、マトリックスが含浸されて
    いない強化材、および非流動状態のマトリックスを担持
    した担持体を配置するとともに、前記成形空間を減圧お
    よび加熱した状態で前記マトリックスを流動させ、か
    つ、流動したマトリックスを前記強化材に含浸させた
    後、このマトリックスを硬化させてこのマトリックスと
    強化材とを結合して製造された繊維強化複合材料と、前
    記マトリックスを媒体としてこの繊維強化複合材料と結
    合された前記担持体とを有することを特徴とする繊維強
    化複合材料付き成形体。
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