JP2002232698A - 電子透かしの埋め込み方法および抽出方法、並びにそれら装置 - Google Patents

電子透かしの埋め込み方法および抽出方法、並びにそれら装置

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JP2002232698A
JP2002232698A JP2001209496A JP2001209496A JP2002232698A JP 2002232698 A JP2002232698 A JP 2002232698A JP 2001209496 A JP2001209496 A JP 2001209496A JP 2001209496 A JP2001209496 A JP 2001209496A JP 2002232698 A JP2002232698 A JP 2002232698A
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Kineo Matsui
甲子雄 松井
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Kowa Co Ltd
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Kowa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 漫画などの線画を基本とした画像に適した電
子透かし技術を提供する。 【解決手段】 ブロック分割部41は2値画像を複数の
ブロック分割する(S104)。画素数算出部42はブ
ロックAi毎に黒画素数Biを求める(S106)。演算
部44が対象ブロックAiについて基準値pによる黒画
素数Biの剰余biを求める(S112)。変更画素数算
出部45は対象ブロックAiに埋め込むべき透かし情報
iが「1」であるか「0」であるかを判定する(S1
14)。判定の結果、透かし情報diが「1」である場
合には剰余biが(3/4)pとなるように、変更画素
数ciを求める(S116)。透かし情報diが「0」で
ある場合には剰余biが(1/4)pとなるように、変
更画素数ciを求める(S118)。画素変更部46は
変更画素数ciに応じて、対象ブロックAi内の画素の画
素値を変更する(S124)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データに透か
し情報を埋め込んだり、埋め込まれた透かし情報を抽出
したりするための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インターネットなどのコンピュータネッ
トワークの発展に伴って、情報のデジタル化が進み、多
くのユーザが簡単に必要とする情報にアクセスできるよ
うになっている。その反面、そのデジタル情報に著作権
が発生しているデジタルコンテンツについて、その著者
に断わりなく容易にデータが複製できるような環境にな
りつつあり、不正コピーにともなう著作権侵害の問題が
注目されてきている。そこで、デジタルコンテンツの主
たる情報である画像に関しての著作権侵害を防止するこ
と等を目的として、著作権情報などの透かし情報を画像
データに埋め込む電子透かし技術が注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】画像には、自然画像や
動画像の他、漫画などの線画を基本とした画像も含まれ
る。しかしながら、従来においては、このような漫画な
どの画像に適した電子透かしの技術については提案され
ていなかった。
【0004】そこで、本発明の目的は、上記した従来技
術の問題点を解決し、漫画などの線画を基本とした画像
に適した電子透かし技術を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明
の電子透かし埋め込み方法は、画像データに透かし情報
を埋め込むための電子透かし埋め込み方法であって、 (a)前記画像データを、1つ以上の画素を単位とする
複数のブロックに分割する工程と、 (b)分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれ
る画素のうち、その画素の有する特定の値が所定の条件
を満たす画素の数を算出する工程と、 (c)算出した前記画素の数に所定の演算を施す工程
と、 (d)前記所定の演算を施して得られる演算値が、予め
前記透かし情報と対応して設定されている複数の条件の
うち、そのブロックに埋め込むべき情報に対応する条件
を満たすように、そのブロックに含まれる少なくとも1
つの画素の有する前記特定の値を変更する工程と、 を備えることを要旨とする。
【0006】このように、本発明の電子透かし埋め込み
方法では、対象となるブロックに含まれる画素のうち、
その特定の値が所定の条件を満たす画素の数を求め、そ
の数に所定の演算を施し、得られた演算値が、埋め込む
べき情報に対応する条件を満たすように、その対象ブロ
ック内の一部の画素の有する特定の値を変更するように
している。こうして、その対象ブロックでは、一部の画
素の有する特定の値が変更されたことにより、上記所定
の条件を満たす画素の数も変わって、上記所定の演算に
より得られる演算値が、埋め込む情報に対応する上記条
件を満たすようになり、結果として、その対象ブロック
に情報が埋め込まれることになる。
【0007】つまり、本発明の電子透かし埋め込み方法
では、上記所定の条件を満たす画素の数の分布、即ち、
面積(平面的な拡がり)の分布を制御することによっ
て、透かし情報を埋め込むものである。
【0008】従って、本発明の電子透かし埋め込み方法
によれば、視覚的にも画質に大きな影響を与えることな
く、著作権情報などの透かし情報を埋め込むことがで
き、しかも、各種の攻撃に対しても、比較的強い耐性を
持たせることができる。また、透かし情報の埋め込みに
面積(画素数)の分布を利用しており、線分や絵を構成
する領域を面積としてとらえて透かし情報を埋め込むこ
とができるため、漫画などの線画を基本とした画像に適
した透かし情報の埋め込みを行うことができる。
【0009】なお、本明細書において、「画素の有する
特定の値」における「値」という概念には、スカラー量
も、ベクトル量も含まれるものである。
【0010】本発明の電子透かし埋め込み方法におい
て、(e)算出した前記画素の数に基づいて、そのブロ
ックに前記透かし情報を埋め込むか否かを判定する工程
をさらに備えると共に、前記判定の結果、前記透かし情
報を埋め込むと判定されたブロックについてのみ、前記
工程(c)および(d)は、実行されることが好まし
い。
【0011】このように、予め、そのブロックに透かし
情報を埋め込むか否かを判定することにより、事前に、
透かし情報の埋め込みにより画質劣化の生じる恐れがあ
るブロックを、透かし情報の埋め込みから排除すること
ができる。
【0012】本発明の電子透かし埋め込み方法におい
て、前記透かし情報が第1および第2の値を含む2値以
上の値で表される場合に、前記工程(d)では、そのブ
ロックに埋め込むべき情報が第1の値であるときには、
該第1の値に対応する前記条件として、前記演算値が第
1の範囲にあるという条件を満たすように、そのブロッ
クに埋め込むべき情報が前記第2の値であるときには、
該第1の値に対応する前記条件として、前記演算値が前
記第1の範囲とは異なる第2の範囲にあるという条件を
満たすように、前記画素の有する前記特定の値を変更す
ることが好ましい。
【0013】このように、埋め込むべき情報に応じて、
演算値が第1の範囲にあるまたは第2の範囲にあるとい
う条件を設定することにより、埋め込まれた透かし情報
を抽出する際に、より簡単により確実に透かし情報を抽
出することができるようになる。
【0014】本発明の電子透かし埋め込み方法におい
て、前記工程(d)は、ランダム値を生成する工程をさ
らに備えると共に、前記第1の値であるときには、前記
演算値が、前記第1の範囲に含まれる値のうち、前記ラ
ンダム値に応じた値となるように、前記第2の値である
ときには、前記演算値が、前記第2の範囲に含まれる値
のうち、前記ランダム値に応じた値となるように、前記
画素の有する前記特定の値を変更することが好ましい。
【0015】このように、演算値が第1の範囲または第
2の範囲の中でランダムに分布するように、画素の有す
る特定の値を変更することにより、変更後のブロック内
における画素の分布を偏ることなく分散させることがで
き、このため、人為的な作為が第三者に検知されてしま
う恐れがない。
【0016】本発明の電子透かし埋め込み方法におい
て、前記工程(d)では、前記第1の値であるときに
は、前記演算値が前記第1の範囲に含まれる第3の値と
なるように、前記第2の値であるときには、前記演算値
が前記第2の範囲に含まれる第4の値となるように、前
記画素の有する前記特定の値を変更することが好まし
い。このように、演算値が第1の範囲または第2の範囲
内の固定値になるように、画素の有する特定の値を変更
することにより、より簡単に透かし情報の埋め込みを行
うことができる。
【0017】本発明の電子透かし埋め込み方法におい
て、前記画像データが、画素の画素値が第5または第6
の値で表される2値画像データである場合に、前記画素
の有する前記特定の値として、前記画素の画素値を用い
ると共に、前記工程(b)では、前記画素の画素値が、
前記所定の条件として、前記第5の値であるという条件
を満たす画素の数を算出することが好ましい。
【0018】また、本発明の電子透かし埋め込み方法に
おいて、前記画像データがカラー画像データである場合
に、前記画素の有する前記特定の値として、前記画素の
輝度成分の値を用いると共に、前記工程(b)では、前
記画素の輝度成分の値が、前記所定の条件として、所定
の第3の範囲にあるという条件を満たす画素の数を算出
することが好ましい。
【0019】また、本発明の電子透かし埋め込み方法に
おいて、前記画像データがカラー画像データである場合
に、前記画素の有する前記特定の値として、前記画素の
持つ色ベクトルを用いると共に、前記工程(b)では、
前記色ベクトルが、前記所定の条件として、特定の色ベ
クトルであるという条件を満たす画素の数を算出するこ
とが好ましい。
【0020】また、本発明の電子透かし埋め込み方法に
おいて、前記工程(b)では、前記所定の条件としての
前記特定の色ベクトルを、分割した各ブロック毎に、ラ
ンダムに変えることが好ましい。
【0021】さらに、本発明の電子透かし埋め込み方法
において、前記画像データが多値画像データである場合
に、前記画素の有する前記特定の値として、前記画素の
画素値における特定のビット値を用いると共に、前記工
程(b)では、前記特定のビット値が、前記所定の条件
として、「1」であるという条件を満たす画素の数を算
出するか、または、「0」であるという条件を満たす画
素の数を算出することが好ましい。
【0022】このように、画素の有する特定の値とし
て、画像データの種類(即ち、2値画像、カラー画像お
よび多値画像)に応じて、適切な値を採用することによ
り、その種類の特性に応じた透かし情報の埋め込みを行
うことが可能となる。
【0023】本発明の電子透かし抽出方法は、透かし情
報の埋め込まれた画像データから前記透かし情報を抽出
するための電子透かし抽出方法であって、(a)前記画
像データを、1つ以上の画素を単位とする複数のブロッ
クに分割する工程と、(b)分割した各ブロック毎に、
そのブロックに含まれる画素のうち、その画素の有する
特定の値が所定の条件を満たす画素の数を算出する工程
と、(c)算出した前記画素の数に所定の演算を施す工
程と、(d)前記所定の演算を施して得られた演算値
が、予め前記透かし情報と対応して設定されている複数
の条件のうち、どの条件を満たしているかを判定し、満
たしている前記条件に対応する情報を、そのブロックに
埋め込まれていた前記透かし情報として特定する工程
と、を備えることを要旨とする。
【0024】このように、本発明の電子透かし抽出方法
では、対象となるブロックに含まれる画素のうち、その
特定の値が所定の条件を満たす画素の数を求め、その数
に所定の演算を施し、得られた演算値が、どの条件を満
たしているかを判定し、満たしている条件に対応する情
報を、埋め込まれていた情報として特定するようにして
いる。
【0025】従って、本発明の電子透かし抽出方法によ
れば、面積(画素数)の分布を利用して埋め込まれてい
る透かし情報を、画像データから容易に抽出することが
できる。
【0026】なお、本発明は、上記した電子透かし埋め
込み方法や電子透かし抽出方法などの方法発明の態様に
限ることなく、電子透かし埋め込み装置や電子透かし抽
出装置などの装置の発明としての態様や、それら方法や
装置を構築するためのコンピュータプログラムとしての
態様や、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒
体としての態様で実現することも可能である。また、さ
らには、上記コンピュータプログラムを含み搬送波内に
具現化されたデータ信号など、種々の態様で実現するこ
とも可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.装置の構成: B.第1の実施例: B−1.電子透かし埋め込み処理: B−2.電子透かし抽出処理: C.第2の実施例: C−1.電子透かし埋め込み処理: C−2.電子透かし埋め込み処理の変形例1: C−3.電子透かし埋め込み処理の変形例2: C−4.電子透かし埋め込み処理の変形例3: C−5.電子透かし埋め込み処理の変形例4: C−6.電子透かし抽出処理: D.第1および第2の実施例における具体例およびまと
め: D−1.埋め込み可能な情報量: D−2.画像の複雑性と埋め込みによる影響: D−3.攻撃への耐性: D−3−1.耐圧縮性: D−3−2.StirMark: D−3−3.拡大・縮小: D−4.第1および第2の実施例の効果: E.第3の実施例: E−1.電子透かし埋め込み処理: E−2.電子透かし埋め込み処理の変形例: E−3.電子透かし抽出処理: F.第3の実施例における具体例およびまとめ: F−1.埋め込み可能な情報量: F−2.第3の実施例の効果: G.第4の実施例: G−1.電子透かし埋め込み処理: G−2.電子透かし抽出処理: G−3.電子透かし埋め込み処理の変形例: H.第4の実施例における具体例およびまとめ: H−1.複数色への埋め込み: H−2.埋め込み可能な情報量: H−3.攻撃への耐性: H−3−1.耐圧縮性: H−3−2.StirMark: I.第5の実施例: I−1.電子透かし埋め込み処理: I−2.電子透かし埋め込み処理の変形例: I−3.電子透かし抽出処理: H.変形例: H−1.変形例1: H−2.変形例2: H−3.変形例3: H−4.変形例4: H−5.変形例5: H−6.変形例6: H−7.変形例7:
【0028】A.装置の構成:はじめに、本発明の第1
ないし第5の実施例において共通して用いられる電子透
かし装置10の構成について図1を用いて説明する。図
1は本発明における電子透かし埋め込み処理及び電子透
かし抽出処理を実行するための電子透かし装置10の構
成を示すブロック図である。この電子透かし装置10
は、CPU22と、RAM24と、ROM26と、キー
ボード30と、マウス32と、CRTなどから成る表示
装置34と、ハードディスク装置36と、ネットワーク
カードやモデムなどから成る通信装置38と、画像を読
み取るスキャナ39と、これらの各要素を接続するバス
40と、を備えるコンピュータである。なお、図1では
各種のインターフェイス回路は省略されている。通信装
置38は、図示しない通信回線を介してコンピュータネ
ットワークに接続されている。コンピュータネットワー
クの図示しないサーバは、通信回線を介してコンピュー
タプログラムを電子透かし装置10に供給するプログラ
ム供給装置としての機能を有する。
【0029】RAM24には、対象となる画像データを
複数のブロックに分割するブロック分割部41と、分割
した各ブロック毎に、そのブロックに含まれる画素のう
ち、所定の条件を満たす画素の数を算出する画素数算出
部42と、算出した画素の数に基づいて、そのブロック
が透かし情報の埋め込み可能なブロックであるか否か判
定するブロック判定部43と、埋め込み可能なブロック
について、算出した画素の数に所定の演算を施す演算部
44と、得られた演算値から、変更すべき画素の数を算
出する変更画素数算出部45と、そのブロックに含まれ
る画素のうち、算出した数だけ、画素の値を変更する画
素変更部46と、ブロックから透かし情報を抽出する場
合に、演算値から埋め込まれていた透かし情報を特定す
る透かし情報特定部47と、対象となる画像データがカ
ラー画像データである場合に、その表色系を変換する表
色系変換部48と、対象となる画像データが多値画像デ
ータである場合に、その画像データからビットプレーン
を抽出するビットプレーン抽出部49と、ビットプレー
ンを合成して元の多値画像データを復元するビットプレ
ーン合成部50の、各機能を実現するためのコンピュー
タプログラムが格納されている。なお、これら各部の機
能については後で詳しく説明する。
【0030】このような各部41〜50の機能を実現す
るコンピュータプログラムは、フレキシブルディスクや
CD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒
体に記録された形態で提供される。コンピュータは、そ
の記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内
部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、
通信経路を介してコンピュータにコンピュータプログラ
ムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラ
ムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納された
コンピュータプログラムがコンピュータのマイクロプロ
セッサによって実行される。また、記録媒体に記録され
たコンピュータプログラムをコンピュータが読み取って
直接実行するようにしてもよい。
【0031】この明細書において、コンピュータとは、
ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概
念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作す
るハードウェア装置を意味している。また、オペレーシ
ョンシステムが不要でアプリケーションプログラム単独
またはファームウェア単独でハードウェア装置を動作さ
せるような場合には、そのハードウェア装置自体がコン
ピュータに相当する。ハードウェア装置は、CPU等の
マイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュ
ータプログラムを読み取るための手段とを少なくとも備
えている。例えば、ディジタルカメラやスキャナなどの
電子機器に、CPUやROMなどが組み込まれていて、
これら電子機器がコンピュータとしての機能を有する場
合も、これら電子機器はコンピュータの概念に当然に含
まれる。コンピュータプログラムは、このようなコンピ
ュータに、上述の各手段の機能を実現させるプログラム
コードを含んでいる。なお、上述の機能の一部は、アプ
リケーションプログラムでなく、オペレーションシステ
ムによって実現されていても良い。更に、電子透かしの
埋め込み処理や抽出処理を行なうプログラムは、画像処
理を行なうプログラムに対して、プラグインの形式で付
加されるものとしてもよい。
【0032】なお、この発明における「記録媒体」とし
ては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気デ
ィスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカー
ド、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピ
ュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)
および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な
種々の媒体を利用することができる。
【0033】B.第1の実施例: B−1.電子透かし埋め込み処理:図2は本発明の第1
の実施例における電子透かし埋め込み処理の手順を示す
フローチャートである。この処理は、図1におけるブロ
ック分割部41、画素数算出部42、ブロック判定部4
3、演算部44、変更画素数算出部45、および画素変
更部46の処理として実現されている。
【0034】本実施例では、この処理が行われる前提と
して、予め、ハードディスク装置36内には、この処理
の対象となる画像データとして、漫画を表す2値画像デ
ータが格納されている。この2値画像データは、例え
ば、紙面に描かれた漫画をスキャナ39によって読み取
ったり、あるいは、画像作成ソフトなどを用いて表示装
置34の画面上に漫画を描き、その表示データを抽出し
たりすることにより、得ることができる。
【0035】そこで、図2に示す電子透かし埋め込み処
理が起動されると、まず、ブロック分割部41は、対象
となる2値画像データをハードディスク装置36から読
み出し(ステップS102)、その2値画像を複数のブ
ロック分割する(ステップS104)。
【0036】なお、読み出した2値画像はM×N画素の
大きさを有するものとし、その画像内の座標(x,y)
の画素値はa(x,y)で表すものとする。また、本実
施例においては、2値画像(漫画)における背景色(白
色)の画素値aを「0」、ラインや文字等の描画オブジ
ェクト(黒色)の画素値aを「1」とする。
【0037】そこで、ブロック分割部41は、読み出し
た2値画像を、m×n画素の大きさの矩形を成すブロッ
クにそれぞれ分割する。
【0038】次に、画素数算出部42は、分割した各ブ
ロックAi(i=1,2,3,…)毎に、黒画素(画素
値a=1)の数Biを求める(ステップS106)。
【0039】今、ブロックAiの基点を座標(xi
i)とすると、そのブロックAiにおける黒画素数Bi
は、式(1)によって算出される。
【0040】
【数1】
【0041】次に、ブロック判定部43は、分割した複
数のブロックの中から、対象となるブロックを1つ選択
する。そして、ブロック判定部43は、その対象ブロッ
クA iが、透かし情報の埋め込み可能なブロックである
かどうかを、そのブロックについて先に求めた黒画素数
iに基づき、判定する(ステップS108)。
【0042】埋め込み可能ブロックとは、そのブロック
の黒画素数Biが次の条件式(2)を満足するブロック
をいう。
【0043】
【数2】
【0044】但し、pは一定値から成る基準値である。
即ち、言い換えると、埋め込み可能ブロックは、p個以
上の黒画素とp個以上の白画素とを同時に含むブロック
のことである。
【0045】このように、対象ブロックが埋め込み可能
ブロックであるか否かを判定するのは、透かし情報の埋
め込みによって画質劣化が生じるのを防止するためであ
る。即ち、上記した条件式(2)を満足しないブロック
として、例えば、ブロック内がすべて黒画素で塗りつぶ
されたブロックを考えた場合、透かし情報を埋め込むた
めに、後述するように、そのブロック内に白画素を導入
すると、それら白画素が目立ってしまい画質劣化を生じ
る。反対に、ブロック内がほとんど空白であるブロック
を考えた場合、透かし情報を埋め込むために、そのブロ
ック内に黒画素を散在させると、それら黒画素が目立っ
てしまい、この場合も、画質劣化となる。
【0046】従って、言い換えれば、透かし情報の埋め
込みによって画質劣化を生じる恐れのあるブロックを、
前もって排除するために、上記のような判定を行うので
ある。
【0047】判定の結果、対象ブロックAiが埋め込み
可能ブロックではないと判定した場合には、ブロック判
定部43は、次のブロックAi+1を対象ブロックとして
選択して(ステップS110)、そのブロックに対して
同様の判定を行う。
【0048】反対に、対象ブロックAiが埋め込み可能
ブロックであると判定した場合には、ステップS112
以降の処理によって、その対象ブロックAiに対し、透
かし情報の埋め込みが行われる。
【0049】本実施例において、透かし情報diは、著
作権情報を表す文字または数字列を2進数に展開した2
値の数字列から成るものとし、di=0または1(i=
1,2,3,…,E)と表される。但し、Eは、2値画
像内に存在する埋め込み可能ブロックの数である。
【0050】本実施例では、埋め込み可能ブロックであ
る対象ブロックAiに対する、透かし情報diの埋め込み
は、次のようにして行う。
【0051】即ち、その対象ブロックAiに埋め込むべ
き透かし情報diが「1」の場合には、原則として、前
述の基準値pによる黒画素数Biの剰余biが(3/4)
pとなるように、その対象ブロックAi内の一部の画素
の画素値を変更する。一方、埋め込むべき透かし情報d
iが「0」の場合には、原則として、上記剰余biが(1
/4)pになるように、一部の画素の画素値を変更す
る。
【0052】基準値pによる剰余biは、原則的に、0
≦bi<pの範囲に入るから、その範囲の1/4のとこ
ろと3/4のところに、透かし情報diに従って剰余bi
が分かれるように、一部の画素の画素値を変更するので
ある。
【0053】この方法によって、透かし情報を、黒画素
の面的な拡がり(分布)情報に代替して、埋め込むこと
が可能となる。
【0054】そこで、この埋め込み原理に従って、ま
ず、演算部44が、その対象ブロックAiについて、前
述の基準値pによる黒画素数Biの剰余biを求める(ス
テップS112)。具体的には、次の式(3)の演算を
行う。
【0055】
【数3】
【0056】次に、変更画素数算出部45は、その対象
ブロックAiに埋め込むべき透かし情報diが「1」であ
るか「0」であるかを判定する(ステップS114)。
そして、判定の結果、透かし情報diが「1」である場
合には、上記した剰余biが(3/4)pとなるよう
に、画素値の変更を行うべき画素の数(変更画素数)c
iを求める(ステップS116)。また、透かし情報di
が「0」である場合には、上記した剰余biが(1/
4)pとなるように、変更画素数ciを求める(ステッ
プS118)。
【0057】但し、本実施例では、変更画素数ciは、
画素値a(x,y)を「0」から「1」へ変更する画素
の数を表す場合を正とし、「1」から「0」へ変更する
画素の数を表す場合を負とすることにする。
【0058】ところで、図3(a)から明らかなよう
に、透かし情報diが「1」である場合に、常に、剰余
iが(3/4)pとなるよう、変更画素数ciを求める
と、剰余がbi<(1/4)pのときには、変更画素数
の絶対値|ci|が(1/2)pよりも多くなってしま
う。変更画素数の絶対値|ci|は、元の画像から、何
個の画素について、その画素値を変更するかを表すこと
になるから、その数の増加は画質劣化に直結している。
従って、変更画素数の絶対値|ci|が(1/2)pを
超えるほど多い場合に、その画素数|ci|分の画素に
ついて、実際に画素値を変更すると、著しく画質を損な
ってしまうことになる。
【0059】そこで、本実施例では、pによる剰余とし
ては、式(4)の関係が成り立つことを利用して、透か
し情報がdi=1で、かつ、剰余がbi<(1/4)pの
場合には、剰余biが−(1/4)pとなるような、変
更画素数ciを求めるようにする。こうすることによ
り、変更画素数の絶対値|ci|を、|ci|≦(1/
2)pの範囲内に抑えることができる。
【0060】
【数4】
【0061】また、透かし情報diが「0」であるとき
にも同様のことが言える。即ち、図3(b)から明らか
なように、透かし情報diが「0」である場合に、常
に、剰余biが(1/4)pとなるよう、変更画素数ci
を求めると、剰余がbi>(3/4)pのときには、変
更画素数の絶対値|ci|が(1/2)pよりも多くな
ってしまうため、その変更画素数ciに基づいて、実際
に画素値を変更すると、著しく画質を損なってしまうこ
とになる。
【0062】そこで、本実施例では、pによる剰余とし
て、式(5)の関係が成り立つことを利用して、透かし
情報がdi=0で、かつ、剰余がbi>(3/4)pの場
合には、剰余biが(5/4)pとなるような、変更画
素数ciを求めるようにしている。
【0063】
【数5】
【0064】従って、以上のことをまとめると、変更画
素数算出部45では、透かし情報d iが「1」ならば、
剰余biの値に応じて、式(6)に従って変更画素数ci
を算出する。
【0065】
【数6】
【0066】また、透かし情報diが「0」ならば、剰
余biの値に応じて、式(7)に従って変更画素数ci
算出する。
【0067】
【数7】
【0068】次に、ブロック判定部43は、式(6),
(7)に従って算出された変更画素数ci分だけ、対象
ブロックAi内の画素の画素値を変更した場合に、変更
後の対象ブロックAiも、依然として埋め込み可能ブロ
ックであり得るかどうかについて判定する(ステップS
120)。具体的には、対象ブロックAi内の画素の画
素値を変更した場合、その対象ブロックAi内に存在す
る黒画素数は、Bi+ciとなるので、この黒画素数Bi
+ciが、前述の条件式(2)を満足するかどうかを判
定する。但し、条件式(2)では、黒画素数はBiとな
っているので、これをBi+ciに変更する必要はある。
【0069】判定の結果、変更後の対象ブロックA
iが、埋め込み可能ブロックではなくなったと判定され
た場合には、変更画素数算出部45が、先に求めた変更
画素数c iを次の式(8)に従って修正する(ステップ
S122)。
【0070】
【数8】
【0071】一方、変更後の対象ブロックAiも依然と
して埋め込み可能ブロックであると判定された場合に
は、次に、画素変更部46が、最終的に得られた変更画
素数c iに応じて、対象ブロックAi内の画素の画素値を
変更する(ステップS124)。
【0072】具体的には、画素変更部46は、対象ブロ
ックAi内において、ラインや文字等の描画オブジェク
トのエッジ部分の画素を、変更画素数ciが正であれ
ば、白色から黒色へ、負であれば、黒色から白色へ、変
更画素数の絶対値|ci|分の個数だけ、それぞれ反転
させる。つまり、変更画素数ciが正であれば、エッジ
部の画素の画素値a(x,y)を「0」から「1」へ、
負であれば、「1」から「0」へ変更する。
【0073】この結果、変更後の対象ブロックAi内の
黒画素数Bi’は、前述したとおりB i+ciとなるた
め、これら変更後の黒画素数Bi’について、基準値p
による剰余bi’を仮に求めたとすると、式(9)の如
くになる。
【0074】
【数9】
【0075】即ち、変更後の黒画素数Bi’の、基準値
pによる剰余bi’は、埋め込まれた透かし情報diの値
に応じて、必ず、(3/4)pか(1/4)pになる。
【0076】次に、ブロック判定部43は、2値画像内
の分割したすべてのブロックについて、上述した一連の
処理を行ったか否かを判定し(ステップS126)、行
っていなければ、次のブロックAi+1を対象ブロックと
して選択して(ステップS110)、ステップS108
以降の処理を行う。また、すべてのブロックについて処
理を行っていれば、図2に示す電子透かし埋め込み処理
を終了する。
【0077】以上説明した電子透かし埋め込み処理によ
って、漫画を表す2値画像データ内に、著作権情報を表
す透かし情報を埋め込むことができる。なお、この埋め
込み処理において使用したパラメータ、即ち、ブロック
の大きさ(m画素,n画素)や基準値pなどは、埋め込
んだ透かし情報を抽出するために必要な秘密鍵となる。
【0078】B−2.電子透かし抽出処理:図4は本発
明の第1の実施例における電子透かし抽出処理の手順を
示すフローチャートである。この処理は、図1における
ブロック分割部41、画素数算出部42、ブロック判定
部43、演算部44、および情報特定部47の処理とし
て実現されている。
【0079】本実施例では、この処理が行われる前提と
して、予め、ハードディスク装置36内には、この処理
の対象となる画像データとして、図2に示した電子透か
し埋め込み処理によって透かし情報の埋め込まれた2値
画像データが格納されている。
【0080】そこで、図4に示す電子透かし抽出処理が
起動されると、まず、ブロック分割部41は、対象とな
る、透かし情報の埋め込まれた2値画像データをハード
ディスク装置36から読み出す(ステップS202)。
そして、別に用意されている、その2値画像データにつ
いて透かし情報を埋め込むときに用いられた秘密鍵の情
報から、ブロックの大きさ(m画素,n画素)を取得し
て、読み出した2値画像を、m×n画素の大きさの矩形
を成すブロックにそれぞれ分割する(ステップS20
4)。
【0081】次に、画素数算出部42は、分割した各ブ
ロックAi毎に、そこに含まれる黒画素数Bi’を前述し
た式(1)に従って求める(ステップS206)。
【0082】続いて、ブロック判定部43は、分割した
複数のブロックの中から、対象となるブロックを1つ選
択する。そして、ブロック判定部43は、前述の秘密鍵
の情報から、基準値pを取得して、対象ブロックAi
透かし情報の埋め込み可能なブロックであるかどうか
を、ステップS204で求めた黒画素数Bi’と、取得
した基準値pに基づいて、前述した条件式(2)に従い
判定する(ステップS208)。
【0083】判定の結果、埋め込み可能ブロックであれ
ば、その対象ブロックAiには透かし情報diが埋め込ま
れていると見なすことができるので、ステップS212
以降の処理によって、その対象ブロックAiから、透か
し情報の抽出が行われる。埋め込み可能ブロックでなけ
れば、その対象ブロックAiには透かし情報は埋め込ま
れていないので、ブロック判定部43は、次のブロック
i+1を対象ブロックとして選択して(ステップS21
0)、そのブロックに対して同様の判定を行う。
【0084】対象ブロックAiから透かし情報の抽出を
行う場合、まず、演算部44が、その対象ブロックAi
について、基準値pによる黒画素数Bi’の剰余bi
を、前述の式(3)に従って求める(ステップS21
2)。
【0085】次に、情報特定部47が、その求めた剰余
i’を、基準値pから得られるしきい値(1/2)p
と大小比較する(ステップS214)。即ち、基準値p
による剰余biは、原則的に、0≦bi<pの範囲内にあ
るから、その範囲の1/2のところにしきい値を設定
し、求めた剰余bi’を0≦bi’<(1/2)p側と、
(1/2)p≦bi’<p側と、に振り分けるのであ
る。
【0086】一方、前述したとおり、透かし情報の埋め
込みにより、基準値pによる黒画素数Bi’の剰余bi
は、前述の式(9)に示すように、埋め込まれた透かし
情報diの値に応じて(3/4)pか(1/4)pにな
っているはずである。従って、求めた剰余bi’を上記
のように振り分けることにより、埋め込まれた透かし情
報diが何であるかを容易に把握することができる。但
し、ノイズなどによって、必ずしも、丁度(3/4)p
または(1/4)pの値となっているわけではない。そ
こで、bi’<(1/2)pと、(1/2)p≦bi’と
いう具合に、判定の幅に余裕を持たせることにより、ノ
イズなどの影響を排除している。
【0087】つまり、情報特定部47は、式(10)に
示すように、比較した結果から、求めた剰余bi’が、
i’≧(1/2)pである場合には、埋め込まれた透
かし情報diは「1」であると特定し(ステップS21
6)、bi’<(1/2)pである場合には、埋め込ま
れた透かし情報diは「0」であると特定する(ステッ
プS218)。
【0088】
【数10】
【0089】こうして、対象ブロックAiに埋め込まれ
ていた透かし情報diを抽出することができる。
【0090】次に、ブロック判定部43は、2値画像内
の分割したすべてのブロックについて、上述した一連の
処理を行ったか否かを判定し(ステップS220)、行
っていなければ、次のブロックAi+1を対象ブロックと
して選択して(ステップS210)、ステップS208
以降の処理を行う。また、すべてのブロックについて処
理を行っていれば、図4に示す電子透かし抽出処理を終
了する。
【0091】なお、図4において、ステップS208か
らステップS220までの処理をまとめて、以下、透か
し情報導出処理(ステップS200)と呼ぶ。
【0092】以上説明した電子透かし抽出処理によっ
て、漫画を表す2値画像データ内に埋め込まれていた透
かし情報を抽出して、その漫画の著作権情報を取り出す
ことができる。また、本実施例においては、原画像を用
意しなくても、秘密鍵さえあれば、透かし情報を抽出す
ることが可能である。
【0093】なお、透かし情報抽出時に埋め込み可能ブ
ロックと判定されるブロックの数E’は、ノイズや、悪
意を持った第三者からの攻撃などによって、透かし情報
埋め込み時に判定された埋め込み可能ブロックの数、即
ち、Eと必ずしも一致するとは限らない。
【0094】C.第2の実施例:さて、上記した第1の
実施例においては、対象ブロックAiに透かし情報を埋
め込む際、透かし情報diが「1」の場合には、原則と
して、基準値pによる黒画素数Biの剰余biが(3/
4)pになるように、透かし情報diが「0」の場合に
は、剰余biが(1/4)pになるように、その対象ブ
ロックAi内における一部の画素の画素値を変更するよ
うにしていた。
【0095】しかしながら、このように、剰余bi
(3/4)p,(1/4)pの何れかの値のみになるよ
うに、変更を施すと、変更後の対象ブロックAi内にお
ける画素の分布が極端に偏ってしまい、人為的な作為が
第三者に検知されてしまう恐れがある。
【0096】そこで、かかる問題を解決し得る実施例と
して、透かし情報diが「1」の場合には、基準値pに
よる黒画素数Biの剰余biが区間((1/2)p,p)
内にランダムに分布するように、透かし情報di
「0」の場合には、剰余biが区間(0,(1/2)
p)内にランダムに分布するように、その対象ブロック
i内における一部の画素の画素値を変更する第2の実
施例について、詳細に説明する。
【0097】C−1.電子透かし埋め込み処理:図5は
本発明の第2の実施例における電子透かし埋め込み処理
の手順を示すフローチャートである。この処理は、図1
におけるブロック分割部41、画素数算出部42、ブロ
ック判定部43、演算部44、変更画素数算出部45、
および画素変更部46の処理として実現されている。
【0098】本実施例において、この電子透かし埋め込
み処理が行われる前提は、第1の実施例で述べた前提と
同じであり、また、図5のステップS302からステッ
プS312までの処理は、第1の実施例における図1の
ステップS102からステップS112までの処理と同
じであるので、説明は省略する。
【0099】そこで、図5に示すように、ステップS3
08において、対象ブロックAiが埋め込み可能ブロッ
クであると判定した場合には、まず、変更画素数算出部
45が、ANSI C 規格 X3.159-1989(America Nationa S
tandard for Information Systems - Programming Lang
uage C)のrand()関数を利用して、区間(0,1)内に
存在し得る乱数rを求める(ステップS313)。具体
的には、次の式(11)に従う。
【0100】
【数11】
【0101】次に、変更画素数算出部45は、その対象
ブロックAiに埋め込むべき透かし情報diが「1」であ
るか「0」であるかを判定する(ステップS314)。
そして、判定の結果、透かし情報diが「1」である場
合には、先に求めた乱数rに基づいて、基準値pによる
黒画素数Biの剰余biが区間((1/2)p,p)内に
ランダムに分布するように、変更画素数ciを求める
(ステップS316)。また、透かし情報diが「0」
の場合には、剰余biが区間(0,(1/2)p)内に
ランダムに分布するように、変更画素数ciを求める
(ステップS318)。
【0102】具体的には、変更画素数算出部45は、透
かし情報diが「1」ならば、剰余biと乱数rの値に応
じて、式(12)に従って変更画素数ciを算出する。
【0103】
【数12】
【0104】また、透かし情報diが「0」ならば、剰
余biと乱数rの値に応じて、式(13)に従って変更
画素数ciを算出する。
【0105】
【数13】
【0106】その後の、図5におけるステップS320
からステップS326までの処理については、第1の実
施例における図1のステップS120からステップS1
26までの処理と同様であるので、説明は省略する。
【0107】なお、図5において、ステップS308か
らステップS326までの処理をまとめて、以下、値変
更処理(ステップS300)と呼ぶ。
【0108】以上のように、本実施例における電子透か
し埋め込み処理によれば、対象ブロックAiに透かし情
報を埋め込む際、基準値pによる黒画素数Biの剰余bi
が、埋め込むべき透かし情報diの値に応じて、区間
((1/2)p,p)と区間(0,(1/2)p)にそ
れぞれランダムに分布するように、その対象ブロックA
i内における一部の画素の画素値を変更しているため、
変更後の対象ブロックAi内における画素の分布が偏る
ことがなく、透かし情報の埋め込みができ、人為的な作
為が第三者に検知されてしまう恐れがない。従って、例
えば、悪意を持った第三者が全数探索法などを用いて探
索を行ったとしても、秘密鍵であるm,nおよびpを求
めることは極めて困難である。
【0109】C−2.電子透かし埋め込み処理の変形例
1:ところで、本実施例においても、前述した第1の実
施例の場合と同様に、ステップS316,318におい
て式(12)または式(13)に従って変更画素数ci
を算出した際、剰余biあるいは乱数rの値によって
は、変更画素数の絶対値|ci|が(1/2)pよりも
多くなる場合がある。前述したとおり、変更画素数の絶
対値|ci|が(1/2)pを超えるほど多くなると、
その画素数|ci|分の画素について画素値を変更した
場合に、著しく画質を損なってしまうことになる。
【0110】そこで、式(12)または式(13)に従
って変更画素数ciを算出した結果、その変更画素数の
絶対値|ci|が(1/2)pを超えている場合(|ci
|>(1/2)p)には、変更画素数算出部45に、再
度、乱数rを発生させ、その新たな乱数rに基づいて、
式(12)または式(13)に従い変更画素数ciを再
計算させるようにし、変更画素数の絶対値|ci|が
(1/2)pを超えなくなる(|ci|≦(1/2)
p)まで、これを繰り返させるようにしても良い。
【0111】このようにすることによって、画素値の変
更に伴う画質の劣化を抑えることができる。
【0112】C−3.電子透かし埋め込み処理の変形例
2:ところで、また、本実施例では、ステップS320
において、ブロック判定部43は、変更後の対象ブロッ
クAiが埋め込み可能ブロックであり得るかどうか(即
ち、条件式(2)を満足するかどうか)について判定
し、判定の結果、変更後の対象ブロックAiが埋め込み
可能ブロックではなくなったと判定された場合には、変
更画素数算出部45が、先に求めた変更画素数ciを式
(8)に従って修正していた(ステップS322)。
【0113】しかし、このように式(8)に従って変更
画素数ciを修正する代わりに、変更画素数算出部45
に、再度、乱数rを発生させ、その新たな乱数rに基づ
いて変更画素数ciを再計算させるようにし、変更後の
対象ブロックAiも埋め込み可能ブロックである判定さ
れる(即ち、条件式(2)を満たす)まで、これを繰り
返させるようにしても良い。
【0114】但し、対象ブロックAiの黒画素数Biが条
件式(2)の最大値(m×n−p)であり、透かし情報
iが「1」である場合に、基準値pによる黒画素数Bi
の剰余biの値が、区間((1/2)p,p)に入らな
い場合には、再度、乱数rを発生させ、再計算させて
も、適切な変更画素数ciを得ることはできないため、
その場合には、ci←ci−pにより、変更画素数ci
補正する。
【0115】C−4.電子透かし埋め込み処理の変形例
3:ところで、上記したとおり、本実施例では、変更画
素数算出部45は、基準値pによる黒画素数Biの剰余
iの値のいかんに関わらず、透かし情報diが「1」な
らば、式(12)に従って、「0」ならば、式(13)
に従って、それぞれ変更画素数ciを算出していた。し
かしながら、透かし情報diが「1」である場合、ステ
ップS312で算出した剰余biが(1/2)p≦bi
pであれば、既に剰余biは区間((1/2)p,p)
内にランダムに分布しており、また、透かし情報di
「0」である場合、ステップS312で算出した剰余b
iが0≦b i<(1/2)pであれば、既に剰余biは区
間(0,(1/2)p)内にランダムに分布しているた
め、その対象ブロックAi内の画素の画素値を変更する
必要はない。
【0116】そこで、図5におけるステップS312と
ステップS313との間に、透かし情報diが「1」で
あり、かつ、ステップS312で算出した剰余bi
(1/2)p≦bi<pであるという条件1、もしく
は、透かし情報diが「0」であり、かつ、ステップS
312で算出した剰余biが0≦bi<(1/2)pであ
るという条件2の、何れか一方の条件を満たすかどうか
の判定処理を挿入し、その判定結果として何れか一方の
条件を満たす場合には、ステップS313からステップ
S320を飛び越して、変更画素数ciを「0」として
ステップS324の処理を実行するようにしても良い。
または、ステップS313からステップS324の処理
を飛び越して、ステップS326の処理に進むようにし
ても良い。この結果、その対象ブロックAiには、実質
的に、そのブロック内の画素の画素値を変更すること無
しに、透かし情報が埋め込まれることになる。
【0117】従って、この変形例では、透かし情報を埋
め込む際、必要最小限のブロックしか、ブロック内の画
素の画素値を変更しないので、その分、透かし情報の埋
め込みに伴う画質の劣化を抑えることが可能となる。ま
た、余分な処理を行わなくて済むため、その分、処理時
間を短縮化することができる。
【0118】C−5.電子透かし埋め込み処理の変形例
4:ところで、また、本実施例では、変更画素数算出部
45は、透かし情報diが「1」ならば、式(12)に
従って、「0」ならば、式(13)に従って、それぞれ
変更画素数ciを算出していたが、剰余biと乱数rの値
によっては、算出される変更画素数ciの値は負にな
る。変更画素数ciが負の場合、最終的にステップS3
24において、対象ブロックAi内の一部の画素が黒色
から白色へ変更させられる。
【0119】しかしながら、画像によっては、白色から
黒色への変更は行っても良いが、黒色から白色への変更
をできれば行いたくない場合もある。そのような場合に
は、画素値の変更を行う場合、すべて、白色から黒色へ
の変更とする必要がある。
【0120】従って、そのような場合には、式(12)
または(13)によって、変更画素数ciを算出した
後、その値が負であれば(ci<0)、pによる剰余と
して、式(14)の関係が成り立つことを利用して、次
のように修正する。
【0121】
【数14】
【0122】即ち、算出した変更画素数ciが負の場
合、その変更画素数ciに基準値pを加算して、これを
新たな変更画素数ciとする。
【0123】
【数15】
【0124】このように、変更画素数ciに修正を加え
ることにより、変更画素数ciはすべて0以上となるた
め、ステップS324によって、画素値の変更が行われ
る場合、すべて、白色から黒色への変更とすることがで
きる。
【0125】また、逆に、画像によっては、黒色から白
色への変更は行っても良いが、白色から黒色への変更を
できれば行いたくない場合もある。そのような場合に
は、上記とは反対に、算出した変更画素数ciが正のと
きに、その変更画素数ciから基準値pを減算して、こ
れを新たな変更画素数ciとして修正する。これによ
り、変更画素数ciはすべて0以下となるため、ステッ
プS324によって、画素値の変更が行われる場合、す
べて、黒色から白色への変更とすることができる。
【0126】C−6.電子透かし抽出処理:本実施例に
おいて、透かし情報の埋め込まれた2値画像データか
ら、透かし情報を抽出するための処理については、第1
の実施例における図4で述べた電子透かし抽出処理と同
様であるので、説明は省略する。
【0127】なお、補足的な説明をすると、図5に示し
た透かし情報埋め込み処理により、基準値pによる黒画
素数Bi’の剰余bi’は、前述の式(12),(13)
に従って、埋め込まれた透かし情報diの値に応じて区
間((1/2)p,p)内か区間(0,(1/2)p)
内の何れかになっているはずである。従って、図4にお
けるステップS214において、ステップS212で求
めた剰余bi’を、0≦bi’<(1/2)p側と、(1
/2)p≦bi’<p側と、に振り分けることにより、
埋め込まれた透かし情報diが何であるかを容易に把握
することができる。即ち、情報特定部47は、式(1
0)に示したように、ステップS214で比較した結果
から、求めた剰余bi’が、bi’≧(1/2)pである
場合には、埋め込まれた透かし情報diは「1」である
と特定し(ステップS216)、bi’<(1/2)p
である場合には、埋め込まれた透かし情報diは「0」
であると特定する(ステップS218)ようにしてい
る。
【0128】このようにして、本実施例においても、電
子透かし抽出処理によって、漫画を表す2値画像データ
内に埋め込まれていた透かし情報を抽出して、その漫画
の著作権情報を取り出すことができる。
【0129】D.第1および第2の実施例における具体
例およびまとめ:以下、具体例として、図6に示すよう
な、4コマ漫画の1コマである2値画像に、透かし情報
を埋め込む場合を例に挙げて、詳しく説明する。なお、
図6において、(a)をCase1の画像、(b)をC
ase2の画像とし、各々の画像は、800×500画
素の大きさを持っているものとする。
【0130】D−1.埋め込み可能な情報量:前述した
とおり、2値画像の大きさをM×N画素に対し、分割す
るブロックAの大きさsをm×n画素とすると、得られ
るブロックの総数E0は式(16)として表される。
【0131】
【数16】
【0132】また、ブロックAiの大きさsに対して、
採り得る黒画素数Biをプロットすると、図7(a)に
示すごとくになる。例えば、基準値p=256に対し
て、条件式(2)を適用すると、埋め込み可能ブロック
に成り得る黒画素数Biは、図7(a)の点線で挟まれ
る領域に限定される。
【0133】そこで、特に、ブロックAiの大きさs=
2500における、黒画素数Biと、その出現頻度と、
の関係を示すと、図7(b)に示すごとくになる。図7
(b)において、斜線部の面積が、基準値pの下での埋
め込み可能ブロックの数(即ち、埋め込み可能な情報
量)Eに相当することになる。このとき、斜線部に対し
て、左右両側の幅pの領域は、画質劣化を防ぐために設
定される透かし情報を埋め込まないブロックに対応する
領域である。
【0134】さらに、図6(a)における、Case1
の画像に対して、ブロックAiの大きさs=400,1
600,3600のとき、黒画素数Biに対する、黒画
素数Biの出現頻度を求めると、図7(c)に示すごと
くになる。図7(c)から明らかなように、基準値pを
一定に保持したまま、ブロックAiの大きさsを小さく
すると、条件式(2)を満たさないブロックが増加する
ことがわかる。
【0135】そこで、基準値pについて、ブロックAi
の各大きさs毎に、埋め込み可能ブロックの数Eを調べ
たところ、図8に示す結果が得られた。図8から明らか
なように、ブロックAiの大きさsが大きくなれば、分
割して得られるブロックの総数E0が減少するため、埋
め込み可能ブロック数(即ち、埋め込み可能情報量)E
も一般に減少する。しかし、逆に、ブロックAiの大き
さsを小さくしても、埋め込み可能ブロック数Eが増加
するとは限らない。これは、図7に示したように、ブロ
ックAiの大きさsが小さいほど、条件式(2)により
排除されるブロックの割合εが増加するためである。な
お、その割合εは、式(17)で表される。
【0136】
【数17】
【0137】また、埋め込み可能情報量Eは、画像の種
類によっても大きく変化する。例えば、図6(b)に示
すCase2の画像に対し、図7(c)と同じ条件で、
黒画素数Biに対する、黒画素数Biの出現頻度を求める
と、図9に示すような結果が得られ、埋め込み可能情報
量が多いことがわかる。これば、図6(b)に示す2値
画像のように、黒画素数Biが多く、複雑な画像の方
が、白地の多い画像に比べて、グラフの左方向への偏り
が少ないため、条件式(2)では排除されにくく、埋め
込み可能情報量が多くなりやすいと考えられるからであ
る。
【0138】D−2.画像の複雑性と埋め込みによる影
響:図6に示したCase1,2の2値画像に対し、ブ
ロックの大きさs=40×40,基準値p=128また
はp=256の条件で、第1の実施例で述べた電子透か
し埋め込み処理により、透かし情報の埋め込みを行う
と、図10および図11に示すような画像が得られる。
また、このときの各画像における埋め込み可能情報量E
は、図12に示すごくになる。
【0139】Case1,2の画像ともに、基準値p=
256の場合の方が、基準値p=128の場合に比べ
て、埋め込み可能情報量Eが少ないにも関わらず、埋め
込みによる影響が目立つ。これは、p/sの比が、基準
値p=128の場合は8%であるのに対し、基準値p=
256の場合には16%にもなることに起因する。即
ち、基準値pの値が大きいほど、埋め込みによって、画
素値を変更する画素の数が多くなるため、ブロックの大
きさsが等しい場合には、画質の劣化につながるからで
ある。
【0140】また、図10,図11において、(a)と
(b)をそれぞれ比較すると、Case2の画像は、C
ase1の画像ほど、画像の乱れが目立たないことがわ
かる。これは、Case2の画像の方が、Case1の
画像に比べ、全般的にエッジ部が多く、高周波成分が大
きいため、埋め込みにより画素値を変更する場合に、そ
の変更される画素が広範囲に分散されることに起因する
と考えられる。
【0141】次に、図6に示したCase1,2の2値
画像に対し、ブロックの大きさs=40×40,基準値
p=128の条件で、第2の実施例で述べた電子透かし
埋め込み処理により、透かし情報の埋め込みを行うと、
図13に示すような画像が得られる。
【0142】図10と図13を比較しても、明らかなと
おり、画質の乱れから、埋め込み処理の違い(即ち、第
1の実施例の埋め込み処理と第2の実施例の埋め込み処
理との違い)を見い出すことはほとんどできないことが
わかる。
【0143】また、図6(a)に示す原画像と、図10
(a)に示す埋め込み済み画像と、の差分画像を図14
に示す。この図14から明らかなように、本実施例にお
ける電子透かし埋め込み処理においては、画素値を変更
した箇所は、原画像のエッジ部分に限定されていること
がわかる。但し、本実施例においては、前述したとお
り、透かし情報を抽出するために、原画像は必要としな
いことに留意する必要がある。
【0144】D−3.攻撃への耐性: D−3−1.耐圧縮性:第1および第2の実施例の電子
透かし埋め込み処理を用いて透かし情報を埋め込んだ2
値画像に対し、2値画像の可逆圧縮符号化方法であるJ
BIG−2と、連続階調静止画像圧縮符号化方法である
JPEGの、2種類の方法を用いて、圧縮符号化への耐
性を調べると、次のような結果が得られた。
【0145】即ち、JBIG−2の場合は、可逆圧縮で
あるため、圧縮・解凍した画像から問題なく、すべての
透かし情報を抽出することができた。
【0146】一方、JPEGは、本来、多値画像に対す
る圧縮方法であるが、非可逆圧縮への耐性を調べるため
に用いることにした。JPEGの場合は、圧縮率10
%,8%および3%でそれぞれ圧縮した後、解凍された
画像を2値化し、その後、埋め込まれている透かし情報
を抽出したところ、何れの圧縮率においても、透かし情
報を正しく抽出することができた。
【0147】D−3−2.StirMark:電子透か
しの耐性を検証するツールとして、StirMarkと
呼ばれる透かし情報への攻撃ソフトウェアが公開されて
いる。このStirMark攻撃は、画質の視覚的品質
を維持しながら、スケーリング、ぼかし、メディアンフ
ィルタリング、微小回転、JPEG圧縮などの処理を複
合的に行い、透かし情報の破壊を試みるものである。
【0148】図10(a)に示した埋め込み済み画像に
対し、StirMarkの改変パラメータを中心の移動
距離、角の内側への移動距離および外側への移動距離を
デフォルト値として、StirMark攻撃を行った結
果を図15(a)に示し、その攻撃の行われた画像と図
10(a)の埋め込み済み画像との差分画像を図15
(b)に示す。なお、ここでは、2値画像の画質を大き
く劣化させるような、画素値の変更による攻撃は、実用
上、考慮の対象外として行わなかった。
【0149】図15(b)において、黒色領域はSti
rMark攻撃により黒画素が増加した部分を示し、灰
色領域は黒画素が減少した部分を示している。
【0150】これらの図から、StirMark攻撃に
より、ブロック同期が崩れていることがわかる。さら
に、図15(b)に、埋め込みデータと抽出データの関
係図を重ねると、図16に示すごとくになる。
【0151】図16において、実線で囲まれているブロ
ックは、透かし情報が正しく抽出された箇所を、点線で
囲まれているブロックは、透かし情報を埋め込んだにも
関わらず、抽出されなかったか、もしくは誤って抽出さ
れた箇所を示している。また、図中の数値は、抜き出し
たブロックにおける黒画素の変更量である。
【0152】図10(a)の埋め込み済み画像に対して
StirMark攻撃が施された場合の抽出率(復号
率)は、平均53.7%であった。また、図16(b)
に示すように、黒画素の増加と減少がともに発生するブ
ロックと、図16(c)に示すように、黒画素の増加の
みもしくは減少のみが発生するブロックが存在する。増
加量と減少量が相殺されるような場合には、埋め込まれ
た透かし情報は正しく抽出されるが、増加もしくは減少
のみの場合や、増減量の偏りが大きい場合には、誤検出
されやすいことがわかった。
【0153】ここでは、基準値p=128に設定してい
るため、黒画素の増減量のpによる剰余が(1/4)p
=32以上になると誤検出されることになる。
【0154】これに対し、図13(a)の埋め込み済み
画像に対してStirMark攻撃が施された場合の抽
出率(復号率)は、平均61.6%であった。乱数を用
いて黒画素数の収束値を散らした結果、StirMar
k攻撃への耐性が7%程度向上でき、全数探索による秘
密鍵(m,n,p)の解読攻撃も回避できる利点があ
る。
【0155】しかしながら、StirMark攻撃を受
けた画像からすべての透かし情報を正しく抽出すること
が困難な場合もあり得るので、その対策として、透かし
情報を繰り返し埋め込む一方で、ブロック同期を補正す
ることや、StirMarkによる変換を逆変換するこ
となどを考える必要がある。また、図16に関する考察
から、埋め込み可能ブロックのうち、攻撃による画素数
の増減量をうまく相殺できるようなブロックに限定し
て、透かし情報を埋め込むことも考えられる。
【0156】D−3−3.拡大・縮小:図10(a)お
よび図13(a)に示した埋め込み済み画像に対し、2
倍,3倍,4倍の拡大、および1/2倍,1/3倍,1
/4倍の縮小を、2種類の画像処理ツール(Soft
A,SoftB)で施し、得られた画像から透かし情報
の抽出を行った。但し、この倍率は、縦横サイズの拡大
・縮小率であり、画像の視覚的品質を保つために、縦横
とも、同じ倍率で処理された場合を想定している。
【0157】拡大の場合、ブロックの縦横(m,n)が
2倍に拡大されると、ブロック内の画素数は4倍にな
り、3倍に拡大されると、9倍になる。よって、透かし
情報を抽出する際には、ブロックの大きさ(m×n)と
して、元のブロックの大きさに拡大率をかけて得られる
値を用い、基準値pとしては、元の基準値に拡大率を2
乗した値をかけて得られる値を用いる。一方、縮小の場
合も、拡大の場合と同様に、ブロックの大きさおよび基
準値を再計算する。このとき、例えば、縮小率が1/2
倍または1/4倍であれば、再計算により、ブロックの
大きさ(m×n)および基準値を整数値として求めるこ
とができるが、1/3倍であれば、うまく割り切れない
ので、整数値として求めることができない。そこで、1
/3倍の場合は、ブロックの大きさおよび基準値を式
(18)のとおりとする。
【0158】
【数18】
【0159】図10(a)および図13(a)の埋め込
み済み画像について、各倍率毎に、透かし情報の抽出率
を調べると、図17および図18に示す如くになる。
【0160】まず、図10(a)の埋め込み済み画像に
ついて考察する。上記の条件で透かし情報の抽出を試み
ると、拡大の場合、SoftA,SoftBどちらのツ
ールを用いても、拡大率に関わらず、透かし情報を正し
く抽出することができた。縮小に関しては、SoftA
を用いた場合、1/2倍および1/4倍では、90%以
上の抽出率で、透かし情報を抽出することができるのに
対し、1/3倍では50%以下の抽出率しか得られなか
った。これは、ブロックの大きさおよび基準値の再計算
の際に発生した、切り捨てによる誤差の影響であると考
えられる。一方、SoftBを用いた場合は、何れの縮
小率においても、高い抽出率を得ることができなかっ
た。
【0161】このように、画像処理ツールの種類によっ
て、抽出率に差が出る原因としては、拡大・縮小処理方
法の違いが考えられる。通常、画像の解像度を変更せず
に、画像の大きさを変更するには、画素数を増減させな
ければならない。この際に、画素の輝度レベルの割合を
保つように代表値を求める方法と、単純に再サンプリン
グする方法と、が考えられる。どちらの方法でも、視覚
的に大きな違いは感じられないが、画素数によって透か
し情報を抽出する本実施例の電子透かし抽出処理では、
抽出率に大きな影響が生じることがわかる。また、縮小
率を上げるのに従って抽出率が減少する原因として、拡
大の際には基準値に設けておいた冗長性が増加するのに
対し、縮小の際にはその冗長性が減少することが考えら
れる。また、1/3倍の縮小率では、ブロックの大きさ
m×nおよび基準値pに関する、切り捨てによる誤差も
影響するものと考えられる。
【0162】次に、図13(a)の埋め込み済み画像に
ついて考察する。まず、拡大についてであるが、Sof
tAを用いた場合には、正確に透かし情報を抽出するこ
とができたのに対し、SoftBを用いた場合には、抽
出率が低下した。縮小については、図10(a)の場合
より、抽出率は低下した。図13(a)の埋め込み済み
画像では、透かし情報の埋め込み法として、乱数を用い
て黒画素数の収束値を分散させていたために、図10
(a)の場合に比べ、冗長度の低いブロックが存在して
しまった。このため、縮小において、図10(a)の場
合よりも低い抽出率しか得られなかったものと考えられ
る。拡大においては、画像処理ツールの違いが、図10
(a)の場合には冗長性によりカバーされていたが、図
13(a)の場合は、影響を及ぼし、SoftBによる
処理後の抽出率を低下させたものと考えられる。
【0163】D−4.第1および第2の実施例の効果:
第1および第2の実施例の電子透かし埋め込み方法は、
漫画の特徴である線画を利用し、線分や絵を構成する黒
画素の領域を従来方法とは全く異なる面積としてとらえ
て、透かし情報を埋め込むものである。従って、これら
実施例によれば、画像の黒画素領域のエッジ部分を一様
に拡大または縮小しながら利用するため、視覚的にも画
質への影響が少なく各種の攻撃に十分に耐えることがで
きる。
【0164】E.第3の実施例:さて、上記した第1お
よび第2の実施例においては、対象となる画像データ
は、2値画像データであった。しかしながら、漫画を表
す画像の中には、白黒の2値画像だけでなく、カラー画
像も多数存在する。
【0165】そこで、漫画を表すカラー画像を対象とし
て、電子透かしの埋め込みおよびその抽出を行う第3の
実施例について、詳細に説明する。
【0166】E−1.電子透かし埋め込み処理:図19
は本発明の第3の実施例における電子透かし埋め込み処
理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図
1におけるブロック分割部41、画素数算出部42、ブ
ロック判定部43、演算部44、変更画素数算出部4
5、画素変更部46、および表色系変換部48の処理と
して実現されている。
【0167】本実施例では、この処理が行われる前提と
して、予め、ハードディスク装置36内には、この処理
の対象となる画像データとして、漫画を表すカラー画像
データが格納されている。このカラー画像は、RGB表
色系によって表されている。
【0168】そこで、図19に示す電子透かし埋め込み
処理が起動されると、まず、表色系変換部48は、対象
となるカラー画像データをハードディスク装置36から
読み出し(ステップS402)、そのRGB表色系のカ
ラー画像をYCbr表色系に変換する(ステップS40
4)。ここで、YCbr表色系は、画像の符号化等にお
いて、標準の表色系として良く知られたものである。
【0169】なお、読み出したカラー画像は前述の2値
画像の場合と同様にM×N画素の大きさを有する。そし
て、変換前のRGB表色系の各成分は(r,g,b)で
表すものとし、変換後のYCbr表色系の各成分は
(y,cb,cr)で表すものとする。
【0170】具体的には、表色系変換部48は、次の式
(19)に従って、RGB表色系からYCbr表色系へ
変換する。
【0171】
【数19】
【0172】次に、表色系変換部48は、得られたYC
br表色系の成分(y,cb,cr)のうち、輝度成分y
について、その分布を調べ、その結果から、輝度成分の
大きさに応じて画素を分類するためのしきい値γを決定
する(ステップS406)。
【0173】続いて、ブロック分割部41は、ステップ
S404で得られたYCbr表色系の成分(y,cb
r)のうち、少なくとも輝度成分yについて、画像を
m×n画素のブロックにそれぞれ分割する(ステップS
408)。
【0174】輝度成分yは、式(19)に基づいて、式
(20)に示すごとく表される。
【0175】
【数20】
【0176】次に、画素数算出部42は、分割した各ブ
ロックAi(i=1,2,3,…)毎に、そのブロック
に含まれる画素の中から、その画素の有する輝度成分y
が次の条件式(21)を満たすような画素の数を求める
(ステップS410)。
【0177】
【数21】
【0178】つまり、画素数算出部42は、そのブロッ
ク中に、輝度成分yがステップS406で求めたしきい
値γに満たないような画素が、いくつ存在するかを算出
する。なお、このような輝度成分yが条件式(21)を
満たすような画素、即ち、輝度成分yがしきい値γに満
たないような画素を、説明の都合上、以下、「小輝度画
素」と呼ぶことにする。
【0179】さて、ステップS410に続く次の処理
(ステップS300’)としては、図5における値変更
処理(ステップS300)と同様の処理を行う。従っ
て、本実施例における図19の値変更処理(ステップS
300’)については、説明を省略する。但し、図5の
値変更処理(ステップS300)では、黒画素を対象と
していたが、本実施例における図19の値変更処理(ス
テップS300’)では、黒画素に代えて、小輝度画素
を対象とする。よって、図19の値変更処理(ステップ
S300’)の説明としては、図5の値変更処理(ステ
ップS300)の説明における、「黒画素」を「小輝度
画素」と、「画素値」を「輝度成分y」と、それぞれ読
み替えるものとする。
【0180】なお、さらに補足的な説明をすると、図5
の値変更処理(ステップS300)では、ステップS3
24において、画素変更部46は、対象ブロックAi
における、ラインや文字等の描画オブジェクトのエッジ
部分の画素を、変更画素数c iが正であれば、白色から
黒色へ、負であれば、黒色から白色へ、変更画素数の絶
対値|ci|分の個数だけ、それぞれ反転させていた。
つまり、変更画素数ciが正であれば、エッジ部の画素
の画素値a(x,y)を「0」から「1」へ、負であれ
ば、「1」から「0」へ変更していた。
【0181】これに対し、図19の値変更処理(ステッ
プS300’)では、画素変更部46は、対象ブロック
i内における描画オブジェクトのエッジ部分の画素に
ついて、変更画素数の絶対値|ci|分の個数だけ、次
のように変更する。即ち、変更画素数ciが正であれ
ば、その輝度成分yが条件式(21)を満たさない画素
について、その輝度成分yを、条件式(21)を満たす
ように変更し、変更画素数ciが負であれば、その輝度
成分yが条件式(21)を満す画素について、その輝度
成分yを、条件式(21)を満たさないように変更す
る。さらに具体的に述べると、変更画素数ciが正であ
れば、その輝度成分yがしきい値γ以上である画素につ
いて、その輝度成分yがしきい値γ未満となるように変
更し、変更画素数ciが負であれば、その輝度成分yが
しきい値γ未満である画素について、その輝度成分yが
しきい値γ以上となるように変更するのである。
【0182】このようにして、YCbr表色系の成分
(y,cb,cr)のうち、輝度成分yに対して、図19
における値変更処理(ステップS300’)が行われる
ことにより、輝度成分yについて透かし情報が埋め込ま
れることになる。
【0183】次に、表色系変換部48は、輝度成分yに
ついて透かし情報が埋め込まれた、YCbr表色系のカ
ラー画像を、式(22)に従って、元のRGB表色系の
カラー画像に戻す(ステップS412)。
【0184】
【数22】
【0185】以上によって、図19に示す電子透かし埋
め込み処理を終了する。
【0186】このような電子透かし埋め込み処理によっ
て、漫画を表すカラー画像データに対しても、著作権情
報を表す透かし情報を埋め込むことができる。なお、こ
の埋め込み処理において使用したパラメータのうち、第
1および第2の実施例では、ブロックの大きさ(m画
素,n画素)や基準値pを秘密鍵としたが、本実施例で
は、これらに加えて、輝度成分の大きさに応じて画素を
分類するためのしきい値γも、秘密鍵となる。
【0187】E−2.電子透かし埋め込み処理の変形
例:ところで、前述の項目C−2のところで述べたのと
同様に、本実施例においても、変更画素数算出部45に
よって算出される変更画素数ciの値は、剰余biと乱数
rの値によっては、負になる場合がある。このように、
変更画素数ciの値が負になった場合、最終的に、画素
変更部46によって、対象ブロックAi内の一部の画素
のうち、その輝度成分yがしきい値γ未満である画素に
ついて、その輝度成分yがしきい値γ以上となるように
変更させられる。
【0188】しかしながら、輝度線分yの値が低い画素
のみを埋め込み対象画素としたい場合には、輝度成分y
の値の変更は、輝度成分yがしきい値γ以上である画素
について、その輝度成分yがしきい値γ未満となるよう
な変更だけとする必要がある。
【0189】従って、そのような場合には、式(12)
または(13)によって、変更画素数ciを算出した
後、その値が負であれば(ci<0)、前述の式(1
5)に従って、その変更画素数ciに基準値pを加算し
て、これを新たな変更画素数ciとするようにする。こ
うすることにより、変更画素数ciはすべて0以上とな
るため、輝度成分yの値の変更が行われる場合、輝度成
分yがしきい値γ以上である画素について、その輝度成
分yがしきい値γ未満となるような変更のみとすること
ができる。
【0190】また、逆に、輝度線分yの値が高い画素の
みを埋め込み対象画素としたい場合には、上記とは反対
に、算出した変更画素数ciが正のときに、その変更画
素数ciから基準値pを減算して、これを新たな変更画
素数ciとして修正する。こうすることにより、変更画
素数ciはすべて0以下となるため、輝度成分yの値の
変更が行われる場合、輝度成分yがしきい値γ未満であ
る画素について、その輝度成分yがしきい値γ以上とな
るような変更のみとすることができる。
【0191】ところで、本実施例の電子透かし埋め込み
処理に対しても、第2の実施例における電子透かし抽出
処理の変形例1〜4として述べたのと同様の変形は可能
である。
【0192】E−3.電子透かし抽出処理:図20は本
発明の第3の実施例における電子透かし抽出処理の手順
を示すフローチャートである。この処理は、図1におけ
るブロック分割部41、画素数算出部42、ブロック判
定部43、演算部44、情報特定部47、および表色系
変換部48の処理として実現されている。
【0193】本実施例では、この処理が行われる前提と
して、予め、ハードディスク装置36内には、この処理
の対象となる画像データとして、図19に示した電子透
かし埋め込み処理によって透かし情報の埋め込まれたカ
ラー画像データが格納されている。このカラー画像は、
RGB表色系によって表されている。
【0194】そこで、図20に示す電子透かし抽出処理
が起動されると、まず、表色系変換部48は、対象とな
る、透かし情報の埋め込まれたカラー画像データをハー
ドディスク装置36から読み出し(ステップS50
2)、そのRGB表色系のカラー画像の成分(r,g,
b)から、前述の式(20)に従って、YCbr表色系
の輝度成分yを算出する(ステップS504)。
【0195】続いて、ブロック分割部41は、別に用意
されている、そのカラー画像データについて透かし情報
を埋め込むときに用いられた秘密鍵の情報から、ブロッ
クの大きさ(m画素,n画素)を取得して、ステップS
504で算出された輝度成分yについて、画像をm×n
画素のブロックにそれぞれ分割する(ステップS50
6)。
【0196】次に、画素数算出部42は、前述の秘密鍵
の情報からしきい値γを取得し、そのしきい値γに基づ
いて、分割した各ブロックAi(i=1,2,3,…)
毎に、そのブロックに含まれる画素の中から、その画素
の有する輝度成分yが前述の条件式(21)を満たすよ
うな画素(即ち、小輝度画素)の数を求める(ステップ
S508)。
【0197】さて、ステップS508に続く次の処理
(ステップS200’)としては、図4における透かし
情報導出処理(ステップS200)と同様の処理を行
う。従って、本実施例における図20の透かし情報導出
処理(ステップS200’)については、説明を省略す
る。但し、図4の透かし情報導出処理(ステップS20
0)では、黒画素を対象としていたが、本実施例におけ
る図20の透かし情報導出処理(ステップS200’)
では、黒画素に代えて、小輝度画素を対象とする。よっ
て、図20の透かし情報導出処理(ステップS20
0’)の説明としては、図4の透かし情報導出処理(ス
テップS200)の説明における、「黒画素」を「小輝
度画素」と読み替えるものとする。
【0198】この透かし情報導出処理(ステップS20
0’)によって、カラー画像における各埋め込み可能ブ
ロックから、それぞれ、埋め込まれていた透かし情報d
iが抽出される。
【0199】従って、漫画を表すカラー画像データに透
かし情報が埋め込まれていても、上記の如く説明した電
子透かし抽出処理によって、そのカラー画像データから
透かし情報を抽出して、その漫画の著作権情報を取り出
すことができる。また、本実施例においても、原画像を
用意しなくても、秘密鍵さえあれば、透かし情報を抽出
することが可能である。
【0200】なお、本実施例においても、透かし情報抽
出時に埋め込み可能ブロックと判定されるブロックの数
E’は、ノイズや、悪意を持った第三者からの攻撃など
によって、透かし情報埋め込み時に判定された埋め込み
可能ブロックの数、即ち、Eと必ずしも一致するとは限
らない。
【0201】F.第3の実施例における具体例およびま
とめ:以下、具体例として、図21に示すような、4コ
マ漫画(さんき:君がいっちゃん!,URL:http://w
ww.4koma.com/access/9904/icchan/a1_35.htm)の1コ
マであるカラー画像に、透かし情報を埋め込む場合を例
に挙げて、詳しく説明する。なお、このカラー画像は、
500×350画素の大きさを持ち、RGB表色系で各
色8ビット(256階調)を有する画像であるものとす
る。なお、以下の説明において、小輝度画素数を便宜上
iとおく。
【0202】図21に示すカラー画像に対し、前述の式
(19)に従って、RGB表色系からYCbr表色系へ
の変換を行い、輝度成分のみによる画像を求めると、図
22(a)に示す如くになり、また、その画像中におけ
る輝度成分yの各値毎の頻度を調べると、図22(b)
に示す如くになる。
【0203】そこで、輝度成分yの値がある程度低い画
素を「小輝度画素」とするために、しきい値γ=80と
した。そして、ブロックの大きさm=30,n=30、
基準値p=32として、図22(a)に示す画像に透か
し情報を埋め込むと、図23(a)に示す如くになり、
また、その埋め込み済み画像中における輝度成分yの各
値毎の頻度を調べると、図23(b)に示す如くにな
る。
【0204】図22および図23から明らかなように、
埋め込み前の画像と埋め込み済み画像を比較しても、視
覚的な違和感はなく、輝度成分yの値の頻度としても大
差は見られなかった。
【0205】しかし、図21に示すカラー画像と図23
(a)に示す埋め込み済み画像との差分を取ると、図2
4に示す如く、輝度のエッジ部分が変化してもおり、透
かし情報が埋め込まれていることがわかる。
【0206】F−1.埋め込み可能な情報量:図21に
示すカラー画像に対して、ブロックAiの大きさs=1
00,9000,2500のとき、小輝度画素数Xi
対する、小輝度画素数Xiの出現頻度を求めると、図2
5(a)に示すごとくになる。そこで、特に、ブロック
iの大きさs=900における、小輝度画素数Xiと、
その出現頻度と、の関係を示すと、図25(b)に示す
ごとくになる。図25(b)において、斜線部の面積
が、基準値pの下での埋め込み可能ブロックの数(即
ち、埋め込み可能な情報量)Eに相当することになる。
このとき、斜線部に対して、左側の幅pの領域は、画質
劣化を防ぐために設定される透かし情報を埋め込まない
ブロックに対応する領域である。これらの分布から、基
準値pを一定に保持したまま、ブロックAiの大きさs
を小さくすると、条件式(2)を満たさないブロックが
増加することがわかる。
【0207】そこで、基準値pについて、ブロックAi
の各大きさs毎に、埋め込み可能ブロックの数Eを調べ
たところ、図26に示す結果が得られた。図26から明
らかなように、ブロックAiの大きさsが大きくなれ
ば、分割して得られるブロックの総数E0が減少するた
め、埋め込み可能ブロック数(即ち、埋め込み可能情報
量)Eも一般に減少する。しかし、逆に、ブロックAi
の大きさsを小さくしても、埋め込み可能ブロック数E
が増加するとは限らない。これは、図25に示したよう
に、ブロックAiの大きさsが小さいほど、条件式
(2)により排除されるブロックの割合εが増加するた
めである。
【0208】また、画質には、埋め込んだ情報量より
も、ブロックAiの大きさsに対する基準値pの割合の
方が、大きな影響を表すことがわかった。そこで、図2
3(a)の埋め込み済み画像の場合とは基準値のみをp
=256に変更して(即ち、ブロックの大きさm=3
0,n=30はそのままで)、図22(a)の画像に透
かし情報を埋め込むと、図27(a)に示すような埋め
込み済み画像が得られ、その埋め込み済み画像と原画像
との差分を取ると、図27(b)に示すような画像が得
られる。
【0209】埋め込んだ情報量は、図23(a)の埋め
込み済み画像の場合が、127ビットであるのに対し、
図27(a)の埋め込み済み画像の場合は、7ビットで
ある。しかし、図27(a)の埋め込み済み画像の方
が、遙かに少ない量の情報しか埋め込まれていないが、
画質的には大きな影響を受けている。図24,図27
(b)を参照して、それぞれの差分を見ると明らかなよ
うに、基準値pが大きいほど、変更する画素数が平均的
に多くなり、かつ、その変更を施されるブロック数が少
ないため、画像が局所的に変更される。このため、視覚
的に違和感を感じるような影響が表れやすいと考えられ
る。以上の理由により、ブロックの大きさm×nおよび
基準値pの選定は慎重にする必要がある。
【0210】F−2.第3の実施例の効果:第3の実施
例の電子透かし埋め込み方法は、漫画の中で文字や絵を
構成する画素のうち、一定の輝度を持つ画素に着目し、
その画素数を面積としてとらえて、透かし情報を埋め込
むものである。従って、本実施例によれば、漫画中の輝
度の差によるエッジ部分を一様に拡大または縮小するこ
とによって、透かし情報を埋め込むため、視覚的にも画
質への影響が少ない。
【0211】G.第4の実施例:上記した第3の実施例
では、RGB表色系のカラー画像をYCbr表色系に変
換し、そのうちの輝度成分yに着目して、透かし情報の
埋め込みを行っていたが、所定の色ベクトルに着目し
て、カラー画像に対する透かし情報の埋め込みを行うよ
うにしても良い。以下、そのような電子透かしの埋め込
み及びその抽出を行う第4の実施例について、詳細に説
明する。
【0212】G−1.電子透かし埋め込み処理:図28
は本発明の第4の実施例における電子透かし埋め込み処
理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図
1におけるブロック分割部41、画素数算出部42、ブ
ロック判定部43、演算部44、変更画素数算出部4
5、画素変更部46、および色ベクトル指定部49の処
理として実現されている。
【0213】本実施例では、この処理が行われる前提と
して、予め、ハードディスク装置36内には、この処理
の対象となる画像データとして、漫画を表すカラー画像
データが格納されている。このカラー画像は、RGB表
色系によって表され、このカラー画像のカラーマップは
S色から成っている。即ち、それらS色の各色は、それ
ぞれ、RGPの色ベクトルによって表される。
【0214】そこで、図28に示す電子透かし埋め込み
処理が起動されると、まず、色ベクトル指定部49が、
対象となるカラー画像データをハードディスク装置36
から読み出し(ステップS702)、そのカラー画像内
で使われている色を調べ、カラーマップを作成する(ス
テップS704)。そして、そのカラーマップの中か
ら、透かし情報の埋め込み対象とする色ベクトルδを指
定する(ステップS706)。次に、ブロック分割部4
1は、そのカラー画像をm×n画素の複数のブロックに
分割する(ステップS708)。さらに、画素数算出部
42は、分割した各ブロックAi(i=1,2,3,
…)毎に、ステップS706で指定された色ベクトルδ
の画素数を求める(ステップS710)。即ち、対象ブ
ロックAi内に、指定色ベクトルδを持つ画素がいくつ
存在するかを求める。
【0215】さて、ステップS710に続く次の処理
(ステップS300”)としては、図5における値変更
処理(ステップS300)と同様の処理を行う。従っ
て、本実施例における図28の値変更処理(ステップS
300”)については、説明を省略する。但し、図5の
値変更処理(ステップS300)では、黒画素を対象と
していたが、本実施例における図28の値変更処理(ス
テップS300”)では、黒画素に代えて、指定色ベク
トルδの画素を対象とする。よって、図28の値変更処
理(ステップS300”)の説明としては、図5の値変
更処理(ステップS300)の説明における、「黒画
素」を「指定色ベクトルδの画素」と読み替えるものと
する。
【0216】なお、さらに補足的な説明をすると、図5
の値変更処理(ステップS300)では、ステップS3
24において、画素変更部46は、対象ブロックAi
における、ラインや文字等の描画オブジェクトのエッジ
部分の画素を、変更画素数c iが正であれば、白色から
黒色へ、負であれば、黒色から白色へ、変更画素数の絶
対値|ci|分の個数だけ、それぞれ反転させていた。
つまり、変更画素数ciが正であれば、エッジ部の画素
の画素値a(x,y)を「0」から「1」へ、負であれ
ば、「1」から「0」へ変更していた。
【0217】これに対し、図28の値変更処理(ステッ
プS300”)では、画素変更部46は、対象ブロック
i内における、指定色ベクトルδを持つ画素と持たな
い画素とのエッジ部分について、変更画素数の絶対値|
i|分の個数だけ、次のように変更する。即ち、変更
画素数ciが正であれば、指定色ベクトルδを持たない
画素を指定色ベクトルδを持つ画素に変更し、変更画素
数ciが負であれば、指定色ベクトルδを持つ画素を指
定色ベクトルδを持たない画素に変更する。さらに具体
的に述べると、変更画素数ciが正であれば、指定色ベ
クトルδを持たない画素について、そのRGBの値を変
更して(即ち、画素値を変更して)、指定色ベクトルδ
と同じRGPの値にし、また、変更画素数ciが負であ
れば、指定色ベクトルδを持つ画素について、そのRG
Bの値を変更して(即ち、画素値を変更して)、指定色
ベクトルδとは異なるRGBの値にするのである。
【0218】このようにして、S色のカラーマップのう
ち、指定色ベクトルδに関して、図28における値変更
処理(ステップS300”)が行われることにより、指
定色ベクトルδについて透かし情報が埋め込まれること
になる。以上によって、図28に示す電子透かし埋め込
み処理を終了する。
【0219】以上のような電子透かし埋め込み処理によ
って、漫画を表すカラー画像データに対し、所定の色ベ
クトルについて、著作権情報を表す透かし情報を埋め込
むことができる。なお、この埋め込み処理において使用
したパラメータのうち、第1および第2の実施例では、
ブロックの大きさ(m画素,n画素)や基準値pを秘密
鍵としたが、本実施例では、これらに加えて、指定色ベ
クトルδも、秘密鍵となる。
【0220】ところで、本実施例の電子透かし埋め込み
処理に対しても、第2の実施例における電子透かし抽出
処理の変形例1〜4として述べたのと同様の変形は可能
である。
【0221】G−2.電子透かし抽出処理:図29は本
発明の第4の実施例における電子透かし抽出処理の手順
を示すフローチャートである。この処理は、図1におけ
るブロック分割部41、画素数算出部42、ブロック判
定部43、演算部44、および情報特定部47の処理と
して実現されている。
【0222】本実施例では、この処理が行われる前提と
して、予め、ハードディスク装置36内には、この処理
の対象となる画像データとして、図28に示した電子透
かし埋め込み処理によって透かし情報の埋め込まれたカ
ラー画像データが格納されている。このカラー画像は、
RGB表色系によって表され、このカラー画像のカラー
マップはS色から成っている。
【0223】そこで、図29に示す電子透かし抽出処理
が起動されると、まず、ブロック分割部41は、対象と
なる、透かし情報の埋め込まれたカラー画像データをハ
ードディスク装置36から読み出し(ステップS80
2)、別に用意されている、そのカラー画像データにつ
いて透かし情報を埋め込むときに用いられた秘密鍵の情
報から、ブロックの大きさ(m画素,n画素)を取得し
て、カラー画像をm×n画素のブロックにそれぞれ分割
する(ステップS804)。
【0224】次に、画素数算出部42は、前述の秘密鍵
の情報から、指定色ベクトルδを取得し、その指定色ベ
クトルδに基づいて、分割した各ブロックAi(i=
1,2,3,…)毎に、そのブロックに含まれる画素の
中から、指定色ベクトルδの画素数を求める(ステップ
S806)。
【0225】さて、ステップS806に続く次の処理
(ステップS200”)としては、図4における透かし
情報導出処理(ステップS200)と同様の処理を行
う。従って、本実施例における図29の透かし情報導出
処理(ステップS200”)については、説明を省略す
る。但し、図4の透かし情報導出処理(ステップS20
0)では、黒画素を対象としていたが、本実施例におけ
る図29の透かし情報導出処理(ステップS200”)
では、黒画素に代えて、指定色ベクトルδの画素を対象
とする。よって、図29の透かし情報導出処理(ステッ
プS200”)の説明としては、図4の透かし情報導出
処理(ステップS200)の説明における、「黒画素」
を「指定色ベクトルδの画素」と読み替えるものとす
る。
【0226】この透かし情報導出処理(ステップS20
0”)によって、カラー画像における各埋め込み可能ブ
ロックから、それぞれ、埋め込まれていた透かし情報d
iが抽出される。
【0227】従って、漫画を表すカラー画像データの所
定の色ベクトルに透かし情報が埋め込まれていても、上
記の如く説明した電子透かし抽出処理によって、そのカ
ラー画像データから透かし情報を抽出して、その漫画の
著作権情報を取り出すことができる。また、本実施例に
おいても、原画像を用意しなくても、秘密鍵さえあれ
ば、透かし情報を抽出することが可能である。
【0228】なお、本実施例においても、透かし情報抽
出時に埋め込み可能ブロックと判定されるブロックの数
E’は、ノイズや、悪意を持った第三者からの攻撃など
によって、透かし情報埋め込み時に判定された埋め込み
可能ブロックの数、即ち、Eと必ずしも一致するとは限
らない。
【0229】G−3.電子透かし埋め込み処理の変形
例:ところで、上記したとおり、本実施例では、透かし
情報の埋め込み対象とする色ベクトル(即ち、指定色ベ
クトルδ)を1種類に限定していた。そのため、後述す
る図33(a),(c)に示すように、その色ベクトル
を推定することができる場合がある。
【0230】そこで、この問題を解決するために、各ブ
ロック毎に、透かし情報の埋め込み対象とする色ベクト
ル(指定色ベクトルδ)をランダムに変化させるような
変形例について、以下説明する。
【0231】図30は第4の実施例における電子透かし
埋め込み処理の変形例を示すフローチャートである。
【0232】図30に示す電子透かし埋め込み処理が起
動されると、まず、色ベクトル指定部49が、対象とな
るカラー画像データをハードディスク装置36から読み
出し(ステップS902)、そのカラー画像内で使われ
ている色を調べ、カラーマップを作成する(ステップS
904)。次に、ブロック分割部41は、そのカラー画
像をm×n画素の複数のブロックに分割する(ステップ
S906)。続いて、色ベクトル指定部49は、そし
て、作成したカラーマップからカラー画像で使用されて
いる色の数を導き出し、その色数を範囲とする乱数の系
列を生成し、分割した各ブロックAi(i=1,2,
3,…)毎に、その乱数系列に従って、カラーマップの
中から、透かし情報の埋め込み対象とする色ベクトルδ
を指定する(ステップS908)。例えば、カラー画像
が13色で描かれているならば、色数は13であるの
で、乱数の範囲は0〜12となり、その13色の中か
ら、ランダムに色ベクトルδが指定される。そして、画
素数算出部42は、各ブロックAi(i=1,2,3,
…)毎に、ランダムに指定された色ベクトルδについ
て、その画素数を求める(ステップS910)。
【0233】ステップS910に続く次の処理(ステッ
プS300”)としては、図28の場合と同様に、図5
における値変更処理(ステップS300)と同様の処理
を行う。
【0234】なお、この変形例では、埋め込み処理にお
いて使用したパラメータのうち、ブロックの大きさ(m
画素,n画素)や基準値pの他、カラーマップおよび乱
数系列が、秘密鍵となる。
【0235】一方、埋め込まれた透かし情報を抽出する
場合には、図29に示した電子透かし抽出処理と同様の
手順で行う。即ち、まず、ブロック分割部41が、対象
となる、透かし情報の埋め込まれたカラー画像データを
ハードディスク装置36から読み出し(ステップS80
2)、別に用意されている、そのカラー画像データにつ
いて透かし情報を埋め込むときに用いられた秘密鍵の情
報から、ブロックの大きさ(m画素,n画素)を取得し
て、カラー画像をm×n画素のブロックにそれぞれ分割
する(ステップS804)。
【0236】次に、画素数算出部42は、前述の秘密鍵
の情報からカラーマップおよび乱数系列を取得し、それ
らに基づいて、分割した各ブロックAi(i=1,2,
3,…)毎に、対応する指定色ベクトルδを導き出し、
そのブロックに含まれる画素の中から、指定色ベクトル
δの画素数を求める(ステップS806)。そして、ス
テップS806に続く次の処理(ステップS200”)
としては、前述したとおり、図4における透かし情報導
出処理(ステップS200)と同様の処理を行う。
【0237】以上のようにして、この変形例では、各ブ
ロック毎に指定色ベクトルδをランダムに変化させるこ
とによって、第三者が、透かし情報の埋め込み対象とす
る色ベクトルを推定することは困難となるため、透かし
情報を容易に抽出することはできなくなる。
【0238】H.第4の実施例における具体例およびま
とめ:以下、具体例として、第3の実施例における具体
例でも用いた図31に示すような、4コマ漫画の1コマ
であるカラー画像に、透かし情報を埋め込む場合を例に
挙げて、詳しく説明する。なお、このカラー画像は、小
型携帯端末で用いられる画像サイズである250×18
0画素の大きさを持ち、RGB表色系で各色8ビットを
有する画像であるものとする。また、このカラー画像の
カラーマップは、13色から成り(S=13)、図32
に示すとおりとなっている。
【0239】図32において、13色の各色は、No.
1〜13として表され、それぞれ、色ベクトルとして、
RGBの各値が記載されている。また、図31に示すカ
ラー画像中における各色ベクトル毎の頻度も併せて記載
されている。
【0240】そこで、図31に示すカラー画像に対し、
m=20,n=20およびp=32の条件の下で、13
色の各色ベクトルを持つ画素領域へ最大限に透かし情報
を埋め込んでみると、その埋め込み済み画像は、図33
に示す如くになる。図33において、(a)は指定色ベ
クトルδがNo.1の色である場合、(b)は指定色ベ
クトルδがNo.3の色である場合、(a)は指定色ベ
クトルδがNo.12の色である場合をそれぞれ示して
いる。また、図33(a)に示す埋め込み済み画像と図
31に示す原画像との差分を取ると、図34に示す如く
になる。図34において、(a)は指定色ベクトルδが
No.1の色である場合、(b)は指定色ベクトルδが
No.3の色である場合、(a)は指定色ベクトルδが
No.12の色である場合をそれぞれ示している。この
図から、確かに、指定された色ベクトルδを持つ画素の
みが変化していることがわかる。
【0241】H−1.埋め込み可能な情報量:また、こ
の場合の各色ベクトルを持つ画素領域に埋め込み可能な
情報量は、図35に示すとおりとなる。図32と図35
とを比較すると、埋め込み可能な情報量は、カラー画像
内での埋め込み対象色ベクトル(指定色ベクトルδ)を
持つ画素数だけに依存することはなく、その分布状況
や、ブロックのサイズおよびしきい値などにより変化す
ることがわかる。一方、画質に関しては、埋め込まれて
いる情報量および埋め込みカラーによって影響を受け、
変化することがわかる。
【0242】H−2.複数色への埋め込み:前述したと
おり、透かし情報の埋め込み対象とする色ベクトル(即
ち、指定色ベクトルδ)を1種類に限定すると、図33
(a),(c)に示すように、その色ベクトルを推定す
ることができる場合がある。そこで、図30で述べたと
おり、各ブロック毎に、透かし情報の埋め込み対象とす
る色ベクトル(指定色ベクトルδ)をランダムに変化さ
せ、複数の色に透かし情報を埋め込むことにより、第三
者による色ベクトルの推定が困難なようにしている。
【0243】例えば、図31に示すカラー画像に対し、
m=20,n=20およびp=32の条件の下で、透か
し情報の埋め込み対象とする色ベクトル(指定色ベクト
ルδ)を13色の間でランダムに変化させ、透かし情報
の埋め込みを行うと、その埋め込み済み画像は、図36
に示す如くになる。また、また、図36に示す埋め込み
済み画像と図31に示す原画像との差分を取ると、図3
7に示す如くになる。このとき、図36に示す埋め込み
済み画像には、20bitsの透かし情報が埋め込まれ
ている。また、透かし情報を埋め込む際に用いた乱数系
列により、埋め込み情報量が変化する。そこで、その乱
数系列を変えながら、透かし情報の埋め込みを色々と試
した結果、図31に示すカラー画像では、平均17.5
bitsの透かし情報の埋め込みが可能であることが推
定できた。さらに、図33と図36とを比較すると、後
者の埋め込み済み画像の方(即ち、指定色ベクトルをラ
ンダムに変化させた方)が、画質の乱れが少なく感じら
れた。また、図37から明らかなように、このよう指定
色ベクトルをランダムに変化させた場合は、透かし情報
の埋め込み対象とする色が分散しているため、透かし情
報の埋め込み位置の特定も難しいと考えられる。
【0244】H−3.攻撃への耐性: H−3−1.耐圧縮性:限定色を用いたカラー画像は、
各画素の色情報を少ないビット数で表現できるという利
点がある。この特徴を利用したデータ圧縮方式として、
GIFフォーマット変換が知られている。そこで、この
変換により、透かし情報の埋め込まれたカラー画像を圧
縮すると、そのデータ量は原画像の22.5%にまで圧
縮することができた。しかも、この変換は可逆符号化で
あるため、圧縮・解凍したカラー画像から、透かし情報
を完全に抽出することができる。
【0245】次に、透かし情報の埋め込まれたカラー画
像に対し、自然画像の圧縮法として知られているJPE
G圧縮を行った。JPEG圧縮後のデータ量は原画像の
12%であった。また、圧縮・解凍したカラー画像から
透かし情報の抽出を行った。そのときの透かし情報の抽
出率は平均8.1%であった。これは、JPEG圧縮に
よって画素値が多階調へ変更されることにより、各ブロ
ック内の埋め込み対象色ベクトル(指定色ベクトルδ)
を持つ画素数が減少するためである。その結果を図38
に示す。図38において、(a)はJPEG圧縮・解凍
した後のカラー画像であり、(b)はJPEG圧縮・解
凍した後のカラー画像と原画像との差分画像である。
【0246】実際に、JPEG圧縮を行う前と行った後
のカラー画像の色ベクトル数を調べたところ、JPEG
圧縮を行う前は13色で描かれていたのに対し、JPE
G圧縮を行った後は11,000色以上使用されてい
た。そこで、JPEG圧縮を行った後のカラー画像に対
し、最小自乗法を用いて色空間ベクトルの近いカラーマ
ップ上の色へ置換するという減色処理を施したところ、
透かし情報の抽出率を平均64.8%まで改善すること
ができた。その結果を図39に示す。図39において、
(a)は減色処理を行った後のカラー画像であり、
(b)は減色処理を行った後のカラー画像と原画像との
差分画像である。従って、この減色処理をさらに厳密に
行えば、透かし情報の抽出率をさらに向上させることが
できると思われる。
【0247】H−3−2.StirMark:図36に
示した埋め込み済み画像に対し、StirMarkの改
変パラメータを中心の移動距離(−b)、角の内側への
移動距離(−i)、外側への移動距離(−o)および画
素の変更量(−d)をデフォルト値として、StirM
ark攻撃を行った結果を図40に示す。図40におい
て、(a)はStirMark攻撃を行った後のカラー
画像であり、(b)はStirMark攻撃を行った後
のカラー画像と原画道との差分画像である。この結果か
ら、StirMark攻撃により画像が歪み、画素も変
更しているのがわかる。このカラー画像からの透かし情
報の抽出率は、平均5.2%と低いものであった。そこ
で、このStirMark攻撃を行った後のカラー画像
に対し、JPEG圧縮の場合と同様に、前述の減色処理
を行ったところ、透かし情報の抽出率を52.1%まで
改善させることができた。その結果を図41に示す。
【0248】ただし、StirMark攻撃は、JPE
G圧縮の場合と異なり、幾何学的な変更を施すため、前
述の減色処理を行うだけでは、すべての透かし情報を抽
出することは難しい。この対策として、透かし情報を繰
り返し挿入する手法や、ブロック補正、StirMar
k攻撃による変換を逆変換することなどが考えられる。
【0249】I.第5の実施例:さて、前述した第1お
よび第2の実施例においては、対象となる画像データ
は、2値画像データであった。しかしながら、漫画を表
す画像の中には、2値画像だけでなく、多値画像も多数
存在する。
【0250】そこで、漫画を表す多値画像を対象とし
て、電子透かしの埋め込みおよびその抽出を行う第5の
実施例について、詳細に説明する。
【0251】I−1.電子透かし埋め込み処理:図42
は本発明の第5の実施例における電子透かし埋め込み処
理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図
1におけるブロック分割部41、画素数算出部42、ブ
ロック判定部43、演算部44、変更画素数算出部4
5、画素変更部46、ビットプレーン抽出部49、およ
びビットプレーン合成部50の処理として実現されてい
る。
【0252】本実施例では、この処理が行われる前提と
して、予め、ハードディスク装置36内には、この処理
の対象となる画像データとして、漫画を表す多値画像デ
ータが格納されている。
【0253】そこで、図42に示す電子透かし埋め込み
処理が起動されると、まず、ビットプレーン抽出部49
は、対象となる多値画像データをハードディスク装置3
6から読み出し(ステップS602)、その多値画像か
らビットプレーンを抽出する(ステップS604)。
【0254】ここで、読み出した多値画像をGとする
と、その多値画像Gを構成する各画素値a(x,y)
は、式(23)によって表される。
【0255】
【数23】
【0256】但し、dは多値画像データのビット数であ
る。また、aj(x,y)(但し、0≦j≦d−1)
は、画素値a(x,y)を2進数で表現したときに、2
jの重みを持つビット値である。
【0257】また、このビット値aj(x,y)から成
る平面Gjをビットプレーンと称し、式(24)によっ
て表される。
【0258】
【数24】
【0259】例えば、読み出した多値画像データのビッ
ト数dが4であるとすると、下位ビットから順番に4枚
のビットプレーンG0,G1,G2,G3が成立することに
なる。
【0260】図43は4ビットの多値画像データから4
枚のビットプレーンが成立する様子を示す説明図であ
る。図43において、(a)は4ビットの多値画像デー
タで表される多値画像Gであり、(b)はその多値画像
Gから抽出される4枚のビットプレーンG0,G1
2,G3である。なお、図43では、図面を見やすくす
るために、多値画像Gを構成する画素はa(0,0)〜
a(2,2)の9つの画素しか示していないが、実際に
は、x方向にM個、y方向にN個の合計M×N個の画素
が存在している。
【0261】図43(a)において、例えば、(0,
0)の位置にある画素の値a(0,0)は、「6」であ
るので、式(23)に従うと、次のように表される。
【0262】a(0,0)=6=0・23+1・22+1
・21+0・20 従って、画素値a(0,0)の各ビット値は、上位ビッ
トから順番に、a3(0,0)=0,a2(0,0)=
1,a1(0,0)=1,a0(0,0)=0となる。
【0263】よって、図43(b)に示すように、ビッ
トプレーンG3における(0,0)の値はビット値a
3(0,0)=0となり、ビットプレーンG2における
(0,0)の値はa2(0,0)=1となり、ビットプ
レーンG1における(0,0)の値はa1(0,0)=1
となり、ビットプレーンG0における(0,0)の値は
0(0,0)=0となる。
【0264】以上、(0,0)の位置にある画素を代表
例として説明したが、他の位置(x,y)にある画素に
ついても同様に、各ビット値a3(x,y),a2(x,
y),a1(x,y),a0(x,y)がそれぞれ得ら
れ、各ビットプレーンG3,G2,G2,G0における
(x,y)の値を構成する。
【0265】以上のようにして、ビットプレーン抽出部
49は、読み出した多値画像から各ビットプレーンを抽
出する。
【0266】次に、ブロック分割部41は、抽出した4
つのビットプレーンG3,G2,G2,G0の中から特定の
ビットプレーンGkを選定し、その特定ビットプレーン
kをm×n画素の複数のブロックに分割する(ステッ
プS606)。なお、この特定ビットプレーンGkを特
定するkを、以下、特定値と呼ぶ。
【0267】次に、画素数算出部42は、分割した各ブ
ロックAi(i=1,2,3,…)毎に、ビット値が
「1」(即ち、ak(x,y)=1)となる画素の数を
求める(ステップS608)。なお、特定のビットプレ
ーンGkにおけるビット値が「1」の画素を、説明の都
合上、以下、「ビット値1画素」と呼ぶことにする。
【0268】さて、ステップS608に続く次の処理
(ステップS300”)としては、図5における値変更
処理(ステップS300)と同様の処理を行う。従っ
て、このステップS300”の処理(値変更処理)に関
する説明は省略する。但し、図5の値変更処理(ステッ
プS300)では、黒画素を対象としていたが、本実施
例における図42の値変更処理(ステップS300”)
では、黒画素に代えて、ビット値1画素を対象とする。
よって、図42の値変更処理(ステップS300”)の
説明としては、図5の値変更処理(ステップS300)
の説明における、「黒画素」を「ビット値1画素」と、
「画素値」を「ビット値」と、それぞれ読み替えるもの
とする。
【0269】なお、さらに補足的な説明をすると、図5
の値変更処理(ステップS300)では、ステップS3
24において、画素変更部46は、対象ブロックAi
における描画オブジェクトのエッジ部分の画素につい
て、変更画素数ciが正であれば、画素値a(x,y)
を「0」から「1」へ、負であれば、「1」から「0」
へ、変更画素数の絶対値|ci|分の個数だけ、それぞ
れ変更していた。
【0270】これに対し、図42の値変更処理(ステッ
プS300”)では、画素変更部46は、対象ブロック
i内における描画オブジェクトのエッジ部分の画素に
ついて、変更画素数ciが正であれば、ビット値a
k(x,y)を「0」から「1」へ、負であれば、
「1」から「0」へ、変更画素数の絶対値|ci|分の
個数だけ、それぞれ変更するのである。
【0271】このようにして、特定のビットプレーンG
kに対して、図42における値変更処理(ステップS3
00”)が行われることにより、その特定ビットプレー
ンG kに透かし情報が埋め込まれることになる。
【0272】次に、ビットプレーン合成部50は、ステ
ップS604の処理とは逆の処理を行って、透かし情報
の埋め込まれた特定ビットプレーンGkを含む4つのす
べてのビットプレーンのデータを合成して、多値画像デ
ータを復元する(ステップS610)。
【0273】以上によって、図42に示す電子透かし埋
め込み処理を終了する。
【0274】このような電子透かし埋め込み処理によっ
て、漫画を表す多値画像データに対しても、著作権情報
を表す透かし情報を埋め込むことができる。なお、この
埋め込み処理において使用したパラメータのうち、第1
および第2の実施例では、ブロックの大きさ(m画素,
n画素)や基準値pを秘密鍵としたが、本実施例では、
これらに加えて、透かし情報を埋め込むビットプレーン
を示す特定値kも、秘密鍵となる。
【0275】ところで、上記した説明においては、多値
画像を構成する複数のビットプレーンのうち、どのビッ
トプレーンを特定ビットプレーンとして選定するかにつ
いて、特に言及しなかった。しかし、画質劣化を抑える
ためには、比較的下位ビットのビットプレーンを特定ビ
ットプレーンとして選定することが好ましく、その中で
も、最下位ビットのビットプレーンを選定することがよ
り好ましい。
【0276】仮に、上位ビットのビットプレーン(例え
ば、図43(b)に示すG3やG2など)を特定ビットプ
レーンとして選定すると、透かし情報の埋め込みに伴
う、画素のビット値ak(x,y)の変更は、下位ビッ
トのビットプレーン(例えば、図43(b)に示すA1
やA0など)の場合に比較して、その画素の画素値a
(x,y)に与える影響が遙かに大きいからである。
【0277】即ち、多値画像データが4ビットである場
合、或る画素の画素値は4ビットで表現されることにな
る。従って、その画素の画素値が「1111」であると
すると、その4ビットのうち、最下位ビットのビット値
を「0」に変更しても、その画素の画素値は「111
0」となってほとんど変化がないが、最上位ビットのビ
ット値を「0」に変更すると、その画素の画素値は「0
111」となって大きく変わってしまうことになるから
である。
【0278】従って、比較的下位ビットのビットプレー
ンを特定ビットプレーンとして選定する方が、画素値に
与える影響が少ない分、画質劣化をより抑えることがで
きる。よって、最も好ましいのは、最下位ビットのビッ
トプレーンを特定ビットプレーンとして選定することで
ある。
【0279】I−2.電子透かし埋め込み処理の変形
例:ところで、上記した説明では、透かし情報を埋め込
むべき特定ビットプレーンの数は1つであったが、これ
は、複数であっても良い。従って、多値画像を構成する
すべてのビットプレーンを特定ビットプレーンとして選
定することも可能である。このように、複数の特定ビッ
トプレーンとして選定した場合には、その分、埋め込む
べき情報量を増やすことができる。
【0280】また、本実施例の電子透かし埋め込み処理
に対しても、第2の実施例における電子透かし抽出処理
の変形例1,2として述べたのと同様の変形は可能であ
る。
【0281】I−3.電子透かし抽出処理:図44は本
発明の第5の実施例における電子透かし抽出処理の手順
を示すフローチャートである。この処理は、図1におけ
るブロック分割部41、画素数算出部42、ブロック判
定部43、演算部44、情報特定部47、ビットプレー
ン抽出部49、およびビットプレーン合成部50の処理
として実現されている。
【0282】本実施例では、この処理が行われる前提と
して、予め、ハードディスク装置36内には、この処理
の対象となる画像データとして、図42に示した電子透
かし埋め込み処理によって透かし情報の埋め込まれた多
値画像データが格納されている。
【0283】そこで、図44に示す電子透かし抽出処理
が起動されると、まず、ビットプレーン抽出部49は、
対象となる多値画像データをハードディスク装置36か
ら読み出し(ステップS702)、その多値画像データ
について透かし情報を埋め込むときに用いられた秘密鍵
の情報から、透かし情報を埋め込んだビットプレーンを
示す特定値kを取得して、その多値画像から特定ビット
プレーンGkを抽出する(ステップS704)。
【0284】次に、ブロック分割部41は、抽出した特
定ビットプレーンGkをm×n画素の複数のブロックに
分割する(ステップS706)。続いて、画素数算出部
42は、分割した各ブロックAi(i=1,2,3,
…)毎に、ビット値が「1」となる画素、即ち、ビット
値1画素の数を求める(ステップS708)。
【0285】さて、次に、ステップS708に続く処理
(ステップS200”)として、図4における透かし情
報導出処理(ステップS200)と同様の処理を行う。
よって、ステップS200”の処理についての説明は省
略する。但し、図4の透かし情報導出処理(ステップS
200)では、黒画素を対象としていたが、本実施例に
おける図44の透かし情報導出処理(ステップS20
0”)では、黒画素に代えて、ビット値1画素を対象と
する。よって、図44の透かし情報導出処理(ステップ
S200”)の説明としては、図4の透かし情報導出処
理(ステップS200)の説明における、「黒画素」を
「ビット値1画素」と読み替えるものとする。
【0286】この透かし情報導出処理(ステップS20
0”)によって、特定ビットプレーンにおける各埋め込
み可能ブロックから、それぞれ、埋め込まれていた透か
し情報diが抽出される。
【0287】従って、漫画を表す多値画像データに透か
し情報が埋め込まれていても、上記の如く説明した電子
透かし抽出処理によって、その多値画像データから透か
し情報を抽出して、その漫画の著作権情報を取り出すこ
とができる。また、本実施例においても、原画像を用意
しなくても、秘密鍵さえあれば、透かし情報を抽出する
ことが可能である。
【0288】なお、本実施例においても、透かし情報抽
出時に埋め込み可能ブロックと判定されるブロックの数
E’は、ノイズや、悪意を持った第三者からの攻撃など
によって、透かし情報埋め込み時に判定された埋め込み
可能ブロックの数、即ち、Eと必ずしも一致するとは限
らない。
【0289】H.変形例:なお、本発明は上記した実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様にて実施することが可能
である。
【0290】H−1.変形例1:上記した第3〜第5の
実施例においては、第2の実施例と同様に、透かし情報
を埋め込む際、基準値pによる剰余がランダムに分布す
るように、輝度成分yの値やビット値を変更していた
が、第1の実施例のように、基準値pによる剰余が固定
値となるように、輝度成分yの値やビット値を変更する
ようにしても良い。
【0291】H−2.変形例2:上記した各実施例にお
いては、求めた画素の数に、所定の演算を施す際、基準
値pによる剰余を求める演算を施していたが、本発明
は、これに限定されるものではなく、加減乗除、積分,
微分、各種関数演算などを組み合わせて、種々の演算の
適用が可能である。
【0292】H−3.変形例3:上記した第1および第
2の実施例では、黒画素数を算出し、この黒画素数につ
いて基準値pによる剰余を求めていたが、白画素数を算
出して、白画素数について剰余を求めるようにしても良
い。
【0293】H−4.変形例4:上記した第3の実施例
では、しきい値γを決定し、画素の輝度成分yが条件式
(21)のy<γを満たすような画素(小輝度画素)の
数を算出し、この小輝度画素数について基準値pによる
剰余を求めていたが、画素の輝度成分yが他の条件式y
≧γを満たすような画素の数を算出して、その数につい
ての剰余を求めるようにしても良い。また、しきい値を
2つ(γ1,γ2)決定し、画素の輝度成分yが別の条
件式γ1≦y<γ2を満たすような画素の数、または、
さらに別の条件式y<γ1,γ2≦yを算出して、その
数についての剰余を求めるようにしても良い。さらにま
た、しきい値を3つ,4つ,…と増やすようにしても良
い。
【0294】H−5.変形例5:上記した第3の実施例
では、輝度成分yを利用して透かし情報の埋め込みを行
ったが、色成分を利用して透かし情報の埋め込みを行う
ようにしても良い。
【0295】H−6.変形例6:上記した第3および第
4の実施例では、埋め込みの対象となるカラー画像はR
GB表色系のカラー画像であったが、CMY表色系など
の他の表色系のカラー画像であっても良い。また、第3
の実施例では、カラー画像をYCbr表色系へ変換して
いたが、XYZ表色系など他の表色系へ変換するように
しても良い。
【0296】H−7.変形例7:上記した説明では、秘
密鍵の保存方法については特に言及しなかったが、画像
データに透かし情報を埋め込む際に、この秘密鍵を暗号
化した上で、別の電子透かし埋め込み方法によって、画
像データ内に埋め込むようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電子透かし埋め込み処理及び電
子透かし抽出処理を実行するための電子透かし装置10
の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例における電子透かし埋め
込み処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】透かし情報に応じた剰余biの変更先を説明す
るための説明図である。
【図4】本発明の第1の実施例における電子透かし抽出
処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施例における電子透かし埋め
込み処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】透かし情報の埋め込まれる2値画像の例を示す
説明図である。
【図7】ブロックの大きさに対する黒画素数、および黒
画素数の頻度分布を説明するための説明図である。
【図8】基準値pをパラメータとして、ブロックの大き
さに対する埋め込み可能ブロック数を示す説明図であ
る。
【図9】Case2の2値画像における黒画素数の頻度
分布を示す説明図である。
【図10】Case1,2の2値画像に対し基準値p=
128の条件で、第1の実施例の電子透かし埋め込み処
理により透かし情報を埋め込んで得られる画像を示す説
明図である。
【図11】Case1,2の2値画像に対し基準値p=
256の条件で、第1の実施例の電子透かし埋め込み処
理により透かし情報を埋め込んで得られる画像を示す説
明図である。
【図12】Case1,2の2値画像に対し基準値p=
128,256の条件で透かし情報を埋め込む場合の埋
め込み可能情報量を示す説明図である。
【図13】Case1,2の2値画像に対し基準値p=
128の条件で、第2の実施例の電子透かし埋め込み処
理により透かし情報を埋め込んで得られる画像を示す説
明図である。
【図14】図6(a)の原画像と図10(a)の埋め込
み済み画像との差分画像を示す説明図である。
【図15】図10(a)の埋め込み済み画像にStir
Mark攻撃を行った結果と、その攻撃の行われた画像
と図10(a)の埋め込み済み画像との差分画像を示す
説明図である。
【図16】黒画素の変更量と抽出データの関係を示す説
明図である。
【図17】図10(a)の埋め込み済み画像について各
倍率における透かし情報の抽出率を示す説明図である。
【図18】図13(a)の埋め込み済み画像について各
倍率における透かし情報の抽出率を示す説明図である。
【図19】本発明の第3の実施例における電子透かし埋
め込み処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第3の実施例における電子透かし抽
出処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】透かし情報の埋め込まれるカラー画像の例を
示す説明図である。
【図22】図21のカラー画像から得られる輝度成分の
みによる画像と、画像中における輝度成分の頻度分布を
示す説明図である。
【図23】埋め込み済み画像と、画像中における輝度成
分の頻度分布を示す説明図である。
【図24】図21のカラー画像と図23(a)の埋め込
み済み画像との差分画像を示す説明図である。
【図25】図21のカラー画像における小輝度画素数の
頻度分布を示す説明図である。
【図26】基準値pをパラメータとして、ブロックの大
きさに対する埋め込み可能ブロック数を示す説明図であ
る。
【図27】基準値p=256に変更した場合の埋め込み
済み画像と、その画像と原画像との差分画像を示す説明
図である。
【図28】本発明の第4の実施例における電子透かし埋
め込み処理の手順を示すフローチャートである。
【図29】本発明の第4の実施例における電子透かし抽
出処理の手順を示すフローチャートである。
【図30】第4の実施例における電子透かし埋め込み処
理の変形例を示すフローチャートである。
【図31】透かし情報の埋め込まれるカラー画像の例を
示す説明図である。
【図32】図31に示すカラー画像のカラーマップを示
す説明図である。
【図33】図31のカラー画像に透かし情報を埋め込ん
で得られる埋め込み済み画像を示す説明図である。
【図34】図31のカラー画像と図33の埋め込み済み
画像との差分画像を示す説明図である。
【図35】図31に示すカラー画像における各色ベクト
ルを持つ画素領域に埋め込み可能な情報量を示す説明図
である。
【図36】図31のカラー画像に指定色ベクトルをラン
ダムに変化させて透かし情報を埋め込んで得られる埋め
込み済み画像を示す説明図である。
【図37】図31のカラー画像と図36の埋め込み済み
画像との差分画像を示す説明図である。
【図38】JPEG圧縮・解凍した後のカラー画像およ
びJPEG圧縮・解凍した後のカラー画像と原画像との
差分画像を示す説明図である。
【図39】減色処理を行った後のカラー画像および減色
処理を行った後のカラー画像と原画像との差分画像を示
す説明図である。
【図40】StirMark攻撃を行った後のカラー画
像およびStirMark攻撃を行った後のカラー画像
と原画道との差分画像を示す説明図である。
【図41】減色処理を行った後のカラー画像および減色
処理を行った後のカラー画像と原画像との差分画像を示
す説明図である。
【図42】本発明の第5実施例における電子透かし埋め
込み処理の手順を示すフローチャートである。
【図43】4ビットの多値画像データから4枚のビット
プレーンが成立する様子を示す説明図である。
【図44】本発明の第5の実施例における電子透かし抽
出処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…電子透かし装置 22…CPU 24…RAM 26…ROM 30…キーボード 32…マウス 34…表示装置 36…ハードディスク装置 38…通信装置 39…スキャナ 40…バス 41…ブロック分割部 42…画素数算出部 43…ブロック判定部 44…演算部 45…変更画素数算出部 46…画素変更部 47…情報特定部 48…表色系変換部 49…ビットプレーン抽出部 50…ビットプレーン合成部
フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 AA11 BA02 CA01 CA02 CA06 CA08 CA12 CA16 CB01 CB02 CB06 CB08 CB12 CB19 CC03 CC04 CD10 CE18 CG07 CH18 DC02 DC04 DC16 5C063 AB05 AC01 AC10 CA36 CA40 DA20 DB09 5C076 AA14 BA06 5J104 AA14 AA15

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データに透かし情報を埋め込むため
    の電子透かし埋め込み方法であって、 (a)前記画像データを、1つ以上の画素を単位とする
    複数のブロックに分割する工程と、 (b)分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれ
    る画素のうち、その画素の有する特定の値が所定の条件
    を満たす画素の数を算出する工程と、 (c)算出した前記画素の数に所定の演算を施す工程
    と、 (d)前記所定の演算を施して得られる演算値が、予め
    前記透かし情報と対応して設定されている複数の条件の
    うち、そのブロックに埋め込むべき情報に対応する条件
    を満たすように、そのブロックに含まれる少なくとも1
    つの画素の有する前記特定の値を変更する工程と、 を備える電子透かし埋め込み方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子透かし埋め込み方
    法において、 (e)算出した前記画素の数に基づいて、そのブロック
    に前記透かし情報を埋め込むか否かを判定する工程をさ
    らに備えると共に、 前記判定の結果、前記透かし情報を埋め込むと判定され
    たブロックについてのみ、前記工程(c)および(d)
    は、実行されることを特徴とする電子透かし埋め込み方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電子透
    かし埋め込み方法において、 前記透かし情報が第1および第2の値を含む2値以上の
    値で表される場合に、 前記工程(d)では、そのブロックに埋め込むべき情報
    が第1の値であるときには、該第1の値に対応する前記
    条件として、前記演算値が第1の範囲にあるという条件
    を満たすように、そのブロックに埋め込むべき情報が前
    記第2の値であるときには、該第2の値に対応する前記
    条件として、前記演算値が前記第1の範囲とは異なる第
    2の範囲にあるという条件を満たすように、前記画素の
    有する前記特定の値を変更することを特徴とする電子透
    かし埋め込み方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電子透かし埋め込み方
    法において、 前記工程(d)は、ランダム値を生成する工程をさらに
    備えると共に、 前記第1の値であるときには、前記演算値が、前記第1
    の範囲に含まれる値のうち、前記ランダム値に応じた値
    となるように、前記第2の値であるときには、前記演算
    値が、前記第2の範囲に含まれる値のうち、前記ランダ
    ム値に応じた値となるように、前記画素の有する前記特
    定の値を変更することを特徴とする電子透かし埋め込み
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の電子透かし埋め込み方
    法において、 前記工程(d)では、前記第1の値であるときには、前
    記演算値が前記第1の範囲に含まれる第3の値となるよ
    うに、前記第2の値であるときには、前記演算値が前記
    第2の範囲に含まれる第4の値となるように、前記画素
    の有する前記特定の値を変更することを特徴とする電子
    透かし埋め込み方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のうちの任意の
    1つに記載の電子透かし埋め込み方法において、 前記画像データが、画素の画素値が第5または第6の値
    で表される2値画像データである場合に、前記画素の有
    する前記特定の値として、前記画素の画素値を用いると
    共に、 前記工程(b)では、前記画素の画素値が、前記所定の
    条件として、前記第5の値であるという条件を満たす画
    素の数を算出することを特徴とする電子透かし埋め込み
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項5のうちの任意の
    1つに記載の電子透かし埋め込み方法において、 前記画像データがカラー画像データである場合に、前記
    画素の有する前記特定の値として、前記画素の輝度成分
    の値を用いると共に、 前記工程(b)では、前記画素の輝度成分の値が、前記
    所定の条件として、所定の第3の範囲にあるという条件
    を満たす画素の数を算出することを特徴とする電子透か
    し埋め込み方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項5のうちの任意の
    1つに記載の電子透かし埋め込み方法において、 前記画像データがカラー画像データである場合に、前記
    画素の有する前記特定の値として、前記画素の持つ色ベ
    クトルを用いると共に、 前記工程(b)では、前記色ベクトルが、前記所定の条
    件として、特定の色ベクトルであるという条件を満たす
    画素の数を算出することを特徴とする電子透かし埋め込
    み方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の電子透かし埋め込み方
    法において、 前記工程(b)では、前記所定の条件としての前記特定
    の色ベクトルを、分割した各ブロック毎に、ランダムに
    変えることを特徴とする透かし埋め込み方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項5のうちの任意
    の1つに記載の電子透かし埋め込み方法において、 前記画像データが多値画像データである場合に、前記画
    素の有する前記特定の値として、前記画素の画素値にお
    ける特定のビット値を用いると共に、 前記工程(b)では、前記特定のビット値が、前記所定
    の条件として、「1」であるという条件を満たす画素の
    数を算出するか、または、「0」であるという条件を満
    たす画素の数を算出することを特徴とする電子透かし埋
    め込み方法。
  11. 【請求項11】 透かし情報の埋め込まれた画像データ
    から前記透かし情報を抽出するための電子透かし抽出方
    法であって、 (a)前記画像データを、1つ以上の画素を単位とする
    複数のブロックに分割する工程と、 (b)分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれ
    る画素のうち、その画素の有する特定の値が所定の条件
    を満たす画素の数を算出する工程と、 (c)算出した前記画素の数に所定の演算を施す工程
    と、 (d)前記所定の演算を施して得られた演算値が、予め
    前記透かし情報と対応して設定されている複数の条件の
    うち、どの条件を満たしているかを判定し、満たしてい
    る前記条件に対応する情報を、そのブロックに埋め込ま
    れていた前記透かし情報として特定する工程と、 を備える電子透かし抽出方法。
  12. 【請求項12】 画像データに透かし情報を埋め込む電
    子透かし埋め込み装置であって、 前記画像データを、1つ以上の画素を単位とする複数の
    ブロックに分割するブロック分割部と、 分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれる画素
    のうち、その画素の有する特定の値が所定の条件を満た
    す画素の数を算出する画素数算出部と、 算出した前記画素の数に所定の演算を施す演算部と、 前記所定の演算を施して得られた演算値が、予め前記透
    かし情報と対応して設定されている複数の条件のうち、
    そのブロックに埋め込むべき情報に対応する条件を満た
    すように、そのブロックに含まれる少なくとも1つの画
    素の有する前記特定の値を変更する画素値変更部と、 を備える電子透かし埋め込み装置。
  13. 【請求項13】 透かし情報の埋め込まれた画像データ
    から前記透かし情報を抽出する電子透かし抽出装置であ
    って、 前記画像データを、1つ以上の画素を単位とする複数の
    ブロックに分割するブロック分割部と、 分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれる画素
    のうち、その画素の有する特定の値が所定の条件を満た
    す画素の数を算出する画素数算出部と、 算出した前記画素の数に所定の演算を施す演算部と、 前記所定の演算を施して得られた演算値が、予め前記透
    かし情報と対応して設定されている複数の条件のうち、
    どの条件を満たしているかを判定し、満たしている前記
    条件に対応する情報を、そのブロックに埋め込まれてい
    た前記透かし情報として特定する透かし情報特定部と、 を備える電子透かし抽出装置。
  14. 【請求項14】 画像データに透かし情報を埋め込むた
    めのコンピュータプログラムであって、 前記画像データを、1つ以上の画素を単位とする複数の
    ブロックに分割する機能と、 分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれる画素
    のうち、その画素の有する特定の値が所定の条件を満た
    す画素の数を算出する機能と、 算出した前記画素の数に所定の演算を施す機能と、 前記所定の演算を施して得られた演算値が、予め前記透
    かし情報と対応して設定されている複数の条件のうち、
    そのブロックに埋め込むべき情報に対応する条件を満た
    すように、そのブロックに含まれる少なくとも1つの画
    素の有する前記特定の値を変更する機能と、 を前記コンピュータに実現させるためのコンピュータプ
    ログラム。
  15. 【請求項15】 透かし情報の埋め込まれた画像データ
    から前記透かし情報を抽出するためのコンピュータプロ
    グラムであって、 前記画像データを、1つ以上の画素を単位とする複数の
    ブロックに分割する機能と、 分割した各ブロック毎に、そのブロックに含まれる画素
    のうち、その画素の有する特定の値が所定の条件を満た
    す画素の数を算出する機能と、 算出した前記画素の数に所定の演算を施す機能と、 前記所定の演算を施して得られた演算値が、予め前記透
    かし情報と対応して設定されている複数の条件のうち、
    どの条件を満たしているかを判定し、満たしている前記
    条件に対応する情報を、そのブロックに埋め込まれてい
    た前記透かし情報として特定する機能と、 を前記コンピュータに実現させるためのコンピュータプ
    ログラム。
  16. 【請求項16】 請求項14または請求項15に記載の
    コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取
    り可能な記録媒体。
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