JP2002232042A - 軸励起式ガスレーザ装置及び注入同期式ガスレーザ装置 - Google Patents

軸励起式ガスレーザ装置及び注入同期式ガスレーザ装置

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JP2002232042A JP2001020986A JP2001020986A JP2002232042A JP 2002232042 A JP2002232042 A JP 2002232042A JP 2001020986 A JP2001020986 A JP 2001020986A JP 2001020986 A JP2001020986 A JP 2001020986A JP 2002232042 A JP2002232042 A JP 2002232042A
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孝信 石原
Kiwamu Takehisa
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Toshihiro Nishisaka
敏博 西坂
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達美 後藤
Kazu Mizoguchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電管の長手方向全域にわたって均一な予備
電離を行なうことが可能な軸励起式ガスレーザ装置を提
供する。 【解決手段】 レーザガスを封入する放電管(12)と、放
電管(12)を挟んで長手方向に対向して配置された放電電
極(4,5)とを備えた軸励起式ガスレーザ装置において、
予備電離用電源(13)の高電圧側(HV)に接続された高圧側
予備電離電極(10A)と、接地側(GND)に接続された接地側
予備電離電極(10B)とを放電管(12)の外周部に、長手方
向に交互に隣接させ、かつ電気的に互いに絶縁して配置
したことを特徴とする軸励起式ガスレーザ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸励起式ガスレー
ザ装置、及び軸励起式ガスレーザ装置から出射したレー
ザ光をシード光として増幅する注入同期式ガスレーザ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、放電管の長手方向に主放電を
起こして、レーザ媒質であるレーザガスを励起するフッ
素レーザ装置が知られており、例えば「甲南大学紀要
理学編第47巻 第1号 縦型放電励起フッ素原子レー
ザー」に示されている。図8は、上記紀要に開示された
フッ素レーザ装置101の構成断面図を表しており、以
下図8に基づいて従来技術を説明する。図8においてフ
ッ素レーザ装置101は、フッ素を含んだレーザガスを
封入し、内部で主放電を起こしてレーザ光111を発振
する中空円筒状のセラミック製放電管112を備えてい
る。
【0003】放電管112の中央部にはリング状のアノ
ード104が、両端部にはリング状のカソード105,
105がそれぞれ付設されている。カソード105,1
05の外側には、リアミラー108及びフロントミラー
106が設置されている。アノード104及びカソード
105,105は、パルス状に高電圧を印加する高圧電
源113の接地側GND及び高圧側HVに、図示しない
主放電回路を介してそれぞれ接続されている。放電管1
12の外周部には、銅箔製の予備電離電極110が巻か
れている。この予備電離電極110に、高圧電源113
から高電圧パルスを印加することによって予備放電11
5を起こし、放電管112内のレーザガスを予備電離す
る。そして、アノード104−カソード105間に高電
圧を印加することにより、図示しない主放電を行なっ
て、フロントミラー106よりレーザ光111を出射さ
せる。
【0004】このように、放電管112の長手方向に、
主に放電管112の内壁を伝わって主放電を起こすこと
により、放電電極104,105間の絶縁破壊電圧が低
い時点から放電が起きる。さらには、放電電極104,
105の間隔を従来の横励起方式よりも大きくできるの
で、レーザガスの圧力が低くとも安定に主放電を起こす
ことが可能である。これにより、レーザガスの圧力によ
る波長広がりが小さくなり、スペクトル幅の狭いレーザ
光を得ることが可能となる。また、レーザ光111の断
面積に比してリアミラー108−フロントミラー106
間の距離である共振器長が長いため、平行度が高いレー
ザ光111を得ることが可能である。即ち、このような
レーザ光111を加工に用いると、良好な加工が可能と
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術には、次に述べるような問題がある。即ち、従来
技術の構成によれば、図8に示すように、予備放電11
5は、予備電離電極110の両端部とアノード104及
びカソード105,105との間でのみ起きる。そのた
め、放電管112の長手方向中央部では予備放電115
が行なわれず、その近傍のレーザガスが予備電離されな
い。予備電離が均一に行なわれないレーザガスに対して
主放電を行なうと、主放電が不安定となり、主放電注入
できる電力が変動する。その結果、レーザ光111の出
力が変動したり、高い出力が得られなかったりするとい
う問題がある。
【0006】本発明は、上記の問題に着目してなされた
ものであり、放電管の長手方向全域にわたって均一な予
備電離を行なうことが可能な軸励起式ガスレーザ装置を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、本発明は、レーザガスを封入する
放電管と、放電管を挟んで長手方向に対向して配置され
た放電電極とを備えた軸励起式ガスレーザ装置におい
て、予備電離用電源の高電圧側に接続された高圧側予備
電離電極と、接地側に接続された接地側予備電離電極と
を放電管の外周部に、長手方向に交互に隣接させ、かつ
電気的に互いに絶縁して配置している。
【0008】かかる構成によれば、放電管の長手方向に
隣接して配置した予備電離電極間において、予備放電が
行なわれる。従って、例えばこのような予備電離電極を
長手方向に複数個並べるようにすれば、放電管内部の長
手方向全域にわたって予備電離電極間で予備放電が起
き、放電管内のレーザ媒質がくまなく予備電離される。
その結果、放電空間内の電子密度が均一に上昇するた
め、主放電が放電管内部の長手方向全域にわたって安定
に起き、レーザ光の出力が高くなって、しかも出力安定
性が良くなる。
【0009】また本発明の軸励起式ガスレーザ装置は、
放電管の外周部を螺旋状に取り巻くコイル状予備電離電
極を備えてもよい。
【0010】かかる構成によれば、螺旋状に高速で流れ
る電流により、コイル状予備電離電極の内部に長手方向
の磁界が発生し、その向きが交互に高速で入れ替わる。
そのエネルギーによって、放電空間内のレーザガスが電
離され、放電空間内に遊離電子が供給されて予備電離が
行なわれる。磁界の発生は、放電管の内部全域にわたっ
て起きるので、放電管の内部全域が略均一に予備電離さ
れる。その結果、主放電が放電管内部の長手方向全域に
わたって安定に起きるため、レーザ光の出力が高くな
り、しかも安定する。
【0011】また、従来技術の項で既述したように、軸
励起式ガスレーザ装置から出射するレーザ光は、レーザ
ガスの圧力による波長広がりが小さいため、基本的にス
ペクトル幅が狭い。これをシード光として増幅すること
により、注入同期式ガスレーザ装置から、スペクトル幅
の狭い増幅レーザ光を得ることが可能である。即ち、こ
のような増幅レーザ光をレーザ加工の光源として用いる
ことにより、高精度で微細な加工が可能となる。また、
軸励起式ガスレーザ装置から出射するレーザ光は平行度
が高く、横モードの次数が低い。このようなレーザ光
は、加工に適した形状に整形が容易であり、加工機用の
光源として優れている。特に、これらの軸励起式ガスレ
ーザ装置は、フッ素レーザ装置において特に有効であ
る。フッ素レーザ装置は、リソグラフィ等の加工に用い
る場合に、繰り返し周波数の増加が求められており、軸
励起式にすることにより、繰り返し周波数の増加が容易
となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、本発明
に係る実施形態を詳細に説明する。まず、第1実施形態
を説明する。図1は、第1実施形態に係るフッ素レーザ
装置1の構成を示す断面図である。
【0013】図1において、フッ素レーザ装置1は、内
部で放電を起こしてレーザ媒質であるレーザガスを励起
し、レーザ光11を発振する放電管12,12を備えて
いる。放電管12,12の外周部には、環状のフィン2
5が、所定間隔で一体に形成されている。尚、以下の説
明では、放電管12の長手方向(図1中左右方向)を、
単に長手方向と言う。放電管12,12の内部には、レ
ーザガスとして、ヘリウム(He)、又はネオン(N
e)、又はこれらの混合ガスと、フッ素(F2)とが封
入されている。放電管12,12の材質は、例えばアル
ミナセラミックス等の、フッ素に対する耐腐食性と絶縁
性とをともに備えた材質が好適である。また、サファイ
アは、ヘリウムに対する気密性が、アルミナセラミック
ス等よりもさらに優れている。
【0014】2本の放電管12,12の中間には、リン
グ状のカソード5が配置され、カソード5と放電管1
2,12との間は、Oリング22,22によって封止さ
れている。また、放電管12,12のカソード5と反対
側端部には、リング状のアノード4,4が、Oリング2
2,22を介してそれぞれ固定されている。アノード
4,4の長手方向両外側には、図示しない支持部材を介
して、レーザ光11を全反射するリアミラー8と、レー
ザ光11の一部を部分反射して他を出射するフロントミ
ラー6とがそれぞれ固定されている。カソード5,5と
ミラー6,8との間は、それぞれOリング22,22に
よって封止されている。
【0015】放電管12,12のアノード4,4近傍端
部には、それぞれ小孔23,23が設けられ、ガス循環
配管24,24がそれぞれ接続されている。ガス循環配
管24には、レーザガスを駆動するポンプ19と、レー
ザガス中に混入した塵などの不純物を除去するフィルタ
26と、放電によってレーザガス内に発生した熱を除去
する熱交換器3と、レーザガスを溜めておくガスチャン
バ27とが接続されている。ガスチャンバ27には、レ
ーザガスボンベ28が接続されており、必要に応じてレ
ーザガスを供給できるようになっている。フッ素レーザ
装置1を運転する際には、ポンプ19を駆動してレーザ
ガスを例えば矢印58の向きに流し、放電管12内のレ
ーザガスを常に新鮮なものと入れ替える。
【0016】アノード4及びカソード5は、例えばニッ
ケル合金等の金属からなっている。アノード4及びカソ
ード5は、パルス状に高電圧を印加する高圧電源13の
接地側GND及び高圧側HVに、放電回路30を介して
それぞれ接続されている。放電管12の外周部には、フ
ィン25間に、例えば銅等の金属からなるリング状の予
備電離電極10A,10Bが、メタライズによって固定
されている。予備電離電極10A,10Bは、放電回路
30を介して高圧電源13の高圧側HVに接続された高
圧側予備電離電極10Aと、高圧電源13の接地側GN
Dに接続された接地側予備電離電極10Bとが、交互に
配設されている。
【0017】ギャップスイッチ16が閉作動すると、放
電回路30の作用によって、高圧電源13から予備電離
電極10A,10B間に、パルス状の高電圧が印加され
る。これにより、隣接する高圧側予備電離電極10Aと
接地側予備電離電極10Bとの間に、放電管12の内壁
に沿って、グロー状の予備放電15が生じる。その結
果、放電管12の長手方向全域にわたって放電空間14
のレーザガスが電離され、放電空間14内にある一定量
以上の遊離電子が供給される。これを、予備電離と言
う。そして、予備放電15の直後に、高圧電源13から
放電電極4,5間にパルス状の高電圧が印加される。こ
れにより、アノード4とカソード5との間で、放電管1
2の内壁に沿って図示しない主放電が行なわれ、放電空
間14のレーザガスが励起されてレーザ光11が発振す
る。
【0018】以上説明したように第1実施形態によれ
ば、放電管12の外周部にフィン25を設け、フィン2
5とフィン25との間に、高圧側予備電離電極10Aと
接地側予備電離電極10Bとを交互に配置している。こ
れらの間に高電圧を印加することにより、隣接する高圧
側予備電離電極10Aと接地側予備電離電極10Bとの
間に、それぞれ予備放電15が起きる。これにより、長
手方向全域にわたって予備放電15が起きるため、レー
ザガスが長手方向全域にわたって予備電離される。従っ
て、主放電が安定に行なわれ、レーザ光11の出力が高
出力で安定する。また、放電管12の内壁全体に沿って
レーザ光11の光軸を中心として対称に予備電離が行な
われるので、光軸を中心として対称な断面形状及び強度
分布のレーザ光11を得ることができる。またこのと
き、放電管12の外周部には、高圧側予備電離電極10
Aと接地側予備電離電極10Bとの間を遮るフィン25
が設けられている。そのため、高圧側予備電離電極10
Aと接地側予備電離電極10Bとの間が絶縁され、放電
管12の外側で放電が起きるのが防止される。従って、
予備放電15が常に放電管12の内壁に沿って行なわ
れ、レーザガスを効率良く予備電離することができる。
【0019】尚、第1実施形態において、予備電離電極
10A,10Bを放電回路30を介して高圧電源13に
接続し、高圧電源13が予備電離用電源を兼ねるように
説明したが、これに限られるものではない。例えば、図
2に示すように予備電離用電源21を別途設け、予備電
離用電源21と高圧電源13との間で同期信号線43を
伝送する同期信号によって同期を取って、予備放電と主
放電を適切なタイミングで起こすようにしてもよい。ま
た、図1に示したような放電回路30の場合には、放電
管12の長手方向略中央部で起きる予備放電のタイミン
グと、放電管12の端部で起きる予備放電のタイミング
とがずれることがある。これを防止するために、コンデ
ンサC3と高圧側予備電離電極10Aとの間にさまざま
な容量のコイルを介挿し、予備放電のタイミングを合わ
せるようにしてもよい。さらには、図1では放電管12
を直列に2本並べるように説明したが、これに限られる
ものではない。即ち、図2に示したように放電管12を
1本とし、アノード4とカソード5との近傍端部にそれ
ぞれ小孔23を設け、ガス循環配管24,24を接続す
るようにしてもよく、或いは3本以上並べてもよい。さ
らには、放電管12を直列に並べるのではなく、図3に
示すように並列に複数本並べてもよい。この場合、第1
の放電管12Aの後部には、リアミラー8が、第3の放
電管12Cの前部にはフロントミラー6が、それぞれ固
定されている。また、第1の放電管12Aの前部、第2
の放電管12Bの前後部、及び第3の放電管12Cの後
部には、レーザ光11を透過するウィンドウ7が固定さ
れている。レーザ光11は、ミラー44によってS字型
に反射され、フロントミラー6から出射する。尚、図3
においては、説明を簡略化するため、高圧電源13、放
電回路30、及びガス循環配管24は省略している。
【0020】次に、第2実施形態について説明する。図
4に、第2実施形態に係るフッ素レーザ装置の構成図、
図5にその断面図を示す。尚、図1で示したガス循環配
管24、及びこれに接続されたポンプ19等の機器は省
略する。また、本実施形態では放電管12を1本として
説明するが、図1に示したフッ素レーザ装置1のよう
に、2本の放電管12,12を直列に配してもよい。
【0021】図4、図5において、フッ素レーザ装置1
は、中空円筒形の放電管12を備えている。放電管12
の両端部にはフランジ37,37が一体に設けられ、フ
ランジ37,37の外側には、リング状のカソード5及
びアノード4がそれぞれ固定されている。カソード5及
びアノード4の外側には、それぞれリアミラー8及びフ
ロントミラー6が固定されている。放電管12の外周部
には、例えば銅箔等の金属が螺旋状にメタライズされ、
コイル状予備電離電極38を形成している。コイル状予
備電離電極38の両端部は、インピーダンス整合回路3
9を介して、高周波電源40に接続されている。尚、イ
ンピーダンス整合回路39としては、例えばT型やπ型
等の回路を用いるとよい。高周波電源40と、カソード
5−アノード4間に高電圧を印加して主放電を起こす高
圧電源13とは、同期回路41を介して接続されてい
る。
【0022】フッ素レーザ装置1を運転する際には、高
周波電源40から、コイル状予備電離電極38の両端部
に高周波電流を印加する。これにより、コイル状予備電
離電極38の内部の放電空間14に、長手方向の磁界4
2が発生する。電流が高周波で極性を変えるため、磁界
42の向きは、矢印42A,42Bで示したように、図
4中左右に交互に高速で入れ替わる。この磁界42A,
42Bの動くエネルギーによって、放電空間14内のレ
ーザガスが電離され、放電空間14内に遊離電子が供給
されて予備電離が行なわれる。
【0023】予備電離が行なわれた直後に、高圧電源1
3は、放電電極4,5間にパルス状の高電圧を印加す
る。これにより、アノード4とカソード5との間で放電
管12の内壁を介して図示しない主放電が行なわれ、放
電空間14のレーザガスが励起されてレーザ光11が発
振する。予備電離と主放電とのタイミングは、同期回路
41によって同期が取られ、予備電離が終了した後の所
定時間経過後に、主放電が行なわれる。これにより、放
電電極4,5間に注入されたエネルギーが、効率良く主
放電に用いられる。
【0024】以上説明したように第2実施形態によれ
ば、予備電離電極38を放電管12の外周部に螺旋状に
形成し、このコイル状予備電離電極38に高周波電流を
印加している。これにより、コイル状予備電離電極38
の内部で交互の方向に磁界42A,42Bが発生し、予
備電離が行なわれる。その結果、レーザガスが、コイル
状予備電離電極38の内部の放電空間14全体にわたっ
て予備電離される。従って、主放電が放電空間14全体
にわたって均一に起きるので、放電空間14全域のレー
ザガスが励起される。即ち、放電空間14に大きなエネ
ルギーの主放電を投入することが可能となるので、レー
ザ光11の出力が高くなり、かつ安定する。また、第2
実施形態では、予備電離が放電管12の内壁に沿った予
備放電10ではなく、磁界42A,42Bによって起こ
されるので、レーザガスが放電空間14の直径方向全域
にわたって予備電離される。従って、レーザ光11の強
度分布が中央部で弱くなったり中抜けを起こしたりする
ことがない。
【0025】第2実施形態に係るフッ素レーザ装置1
の、他の実施例を図6に示す。図6において、放電管1
2の外周部には、例えば銅箔等の金属が螺旋状にメタラ
イズされ、コイル状予備電離電極38を形成している。
コイル状予備電離電極38の一端部には、ギャップスイ
ッチ16を介して高圧電源13の高圧側HVが接続され
ている。また、コイル状予備電離電極38の他端部は、
高圧電源13の接地側GNDに接続されている。ギャッ
プスイッチ16が閉じられると、コイル状予備電離電極
38にパルス状の高圧電流が流れる。パルス状の高圧電
流は高周波であるため、これによってコイル状予備電離
電極38の内部の放電空間14に、長手方向の磁界42
が発生する。このとき、コイル状予備電離電極38とコ
ンデンサCpとがLC回路を構成するため、磁界42の
向きは、矢印42A,42Bで示したように、図4中左
右に交互に高速で入れ替わる。この磁界42A,42B
の動くエネルギーによって、放電空間14内のレーザガ
スが電離され、放電空間14内に遊離電子が供給されて
予備電離が行なわれる。これによれば、別途高周波電源
を用意する必要がなく、簡単な構成で予備電離を好適に
行なうことが可能である。
【0026】次に、第3実施形態を説明する。図7にお
いて、第3実施形態に係る注入同期式フッ素レーザ装置
34は、第1第2実施形態に係るフッ素レーザ装置1
と、フッ素レーザ装置1から出射したレーザ光11をシ
ード光として増幅する増幅器33とを備えている。増幅
器33は、レーザガスを封入するレーザチャンバ2と、
レーザチャンバ2の両端部に光軸に対してブリュースタ
ー角をなして設けられたウィンドウ7,9と、ウィンド
ウ9の長手方向後方(図7中左方)外側に設けられて略
中央に導入孔29を有する有孔凹面鏡32と、前方外側
に設けられた凸面鏡31とを有している。
【0027】レーザチャンバ2の内部には所定位置に主
電極35,36が設置され、図示しない高圧電源により
高電圧を印加可能となっている。レーザチャンバ2内に
は図示しないファンが配設されており、チャンバ2内の
レーザガスを循環させて主電極35,36間に導いてい
る。図7において、フッ素レーザ装置1から発振したレ
ーザ光11は、有孔凹面鏡32の導入孔29からウィン
ドウ9を透過してレーザチャンバ2に入射し、凸面鏡3
1と有孔凹面鏡32との間で反射され、数回往復する。
このとき、レーザチャンバ2内では、レーザ光11の発
振にタイミングを合わせて高圧電源から主電極35,3
6間に高電圧が印加され、増幅放電が起きる。この増幅
放電により、レーザ光11は、増幅器33内を往復する
間に波長及びスペクトル幅を保ったままパルス出力を増
幅される。そして、凸面鏡31の周囲から、断面がドー
ナツ状の増幅レーザ光20として取り出される。
【0028】以上説明したように第3実施形態によれ
ば、軸励起方式のフッ素レーザ装置1をシードレーザ装
置として利用し、フッ素レーザ装置1から発振したレー
ザ光11をシード光として、増幅器33で増幅してい
る。従来技術の項で説明したように、軸励起方式のフッ
素レーザ装置1からはスペクトル幅が狭いレーザ光11
が出射される。このレーザ光11をシード光として増幅
しているので、スペクトル幅が狭い増幅レーザ光20を
得ることが可能である。また、軸励起方式のフッ素レー
ザ装置1から出射する平行度が高いレーザ光11をシー
ド光として増幅しているので、増幅器33から出射する
増幅レーザ光20も平行度が高くなる。このように、平
行度が高いレーザ光11をエタロンやグレーティング等
によって狭帯域化すると、よりスペクトル幅の狭いレー
ザ光11を得ることができる。従って、これをシード光
として増幅することにより、よりスペクトル幅が狭い増
幅レーザ光20を得ることが可能である。また、平行度
の高い増幅レーザ光11は、集光が容易であり、加工に
適している。
【0029】また、第1又は第2実施形態に係るフッ素
レーザ装置1は、放電空間14を均一に予備電離されて
おり、主放電が安定に起きるので、出力が高出力で、か
つ安定になっている。従って、このようなレーザ光11
を増幅することにより、高出力で安定な増幅レーザ光2
0を得ることができる。
【0030】また、断面形状及び強度分布が、光軸に対
して対称なレーザ光11を増幅しているため、増幅レー
ザ光20の断面形状及び強度分布も同様となる。従っ
て、このような構成の注入同期式フッ素レーザ装置34
を、例えば露光機等のレーザ加工機の光源として用いた
場合に、増幅レーザ光20の方向性の不均一に基づく加
工の不具合が少ない。さらに、増幅レーザ光20が対称
であることから、加工に適したように整形することが容
易であり、その際にレーザ光11の一部が捨てられるこ
とも少なく、効率が良い。
【0031】尚、図7においては、フッ素レーザ装置1
と増幅器33とを直列に並べるように記載したが、フッ
素レーザ装置1と増幅器33とを並列に並べ、反射ミラ
ーによってレーザ光11を反射させて増幅器33に入射
させるようにしてもよい。このようにすることにより、
注入同期式フッ素レーザ装置34が、コンパクトな構成
となる。また、上記第1〜第3実施形態の説明において
は、フッ素を含むレーザガスをレーザ媒質としたフッ素
レーザ装置を用いて説明したが、これに限られるもので
はない。例えば、KrFエキシマレーザ装置やArFエ
キシマレーザ装置等のエキシマレーザ装置に対しても応
用可能である。さらに、その他のガスレーザ装置に対し
ても同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るフッ素レーザ装置の構成を
示す断面図。
【図2】フッ素レーザ装置の他の構成例を示す説明図。
【図3】フッ素レーザ装置の他の構成例を示す説明図。
【図4】第2実施形態に係るフッ素レーザ装置の構成
図。
【図5】図4の断面図。
【図6】第2実施形態に係るフッ素レーザ装置の他の実
施例を示す構成図。
【図7】第3実施形態に係る注入同期式フッ素レーザ装
置の構成図。
【図8】従来技術に係るフッ素レーザ装置の構成図。
【符号の説明】
1:フッ素レーザ装置、2:レーザチャンバ、3:熱交
換器、4:アノード、5:カソード、6:フロントミラ
ー、7:ウィンドウ、8:リアミラー、9:ウィンド
ウ、10:予備電離電極、11:レーザ光、12:放電
管、13:高圧電源、14:放電空間、15:予備放
電、16:ギャップスイッチ、19:ポンプ、20:増
幅レーザ光、21:予備電離電源、22:Oリング、2
3:小孔、24:ガス循環配管、25:フィン、26:
フィルタ、27:ガスチャンバ、28:レーザガスボン
ベ、29:導入孔、30:放電回路、31:凸面鏡、3
2:有孔凹面鏡、33:増幅器、34:注入同期式フッ
素レーザ装置、35:主電極、36:主電極、37:フ
ランジ、38:コイル状予備電離電極、39:インピー
ダンス整合回路、40:高周波電源、41:同期回路、
42:磁界、43:同期信号線、44:ミラー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西坂 敏博 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所中央研究所内 (72)発明者 後藤 達美 神奈川県大和市上和田2412番地4−7− 302 (72)発明者 溝口 計 神奈川県平塚市ふじみ野2−19−6 Fターム(参考) 5F071 AA04 CC05 EE02 GG04 JJ01 JJ05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザガスを封入する放電管(12)と、 放電管(12)を挟んで長手方向に対向して配置された放電
    電極(4,5)とを備えた軸励起式ガスレーザ装置におい
    て、 予備電離用電源(13)の高電圧側(HV)に接続された高圧側
    予備電離電極(10A)と、 接地側(GND)に接続された接地側予備電離電極(10B)とを
    放電管(12)の外周部に、長手方向に交互に隣接させ、か
    つ電気的に互いに絶縁して配置したことを特徴とする軸
    励起式ガスレーザ装置。
  2. 【請求項2】 レーザガスを封入する放電管(12)と、 放電管(12)を挟んで長手方向に対向して配置された放電
    電極(4,5)とを備えた軸励起式ガスレーザ装置におい
    て、 放電管(12)の外周部を螺旋状に取り巻くコイル状予備電
    離電極(38)を備えたことを特徴とする軸励起式ガスレー
    ザ装置。
  3. 【請求項3】 シード光(11)を発振するシードレーザ装
    置(1)と、 シード光(11)を増幅して増幅レーザ光(20)を出射する増
    幅器(33)とを備えた注入同期式ガスレーザ装置におい
    て、 前記シードレーザ装置(1)が、請求項1又は2のいずれ
    かに記載のガスレーザ装置(1)であることを特徴とする
    注入同期式ガスレーザ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のガスレーザ装置に
    おいて、 フッ素を含むレーザガスをレーザ媒質とすることを特徴
    とするガスレーザ装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の注入同期式ガスレーザ装
    置において、 シードレーザ装置(1)及び増幅器(33)が、フッ素を含む
    レーザガスをレーザ媒質とすることを特徴とする注入同
    期式ガスレーザ装置。
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