JP2002227848A - 転がり軸受用保持器 - Google Patents

転がり軸受用保持器

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JP2002227848A
JP2002227848A JP2001026836A JP2001026836A JP2002227848A JP 2002227848 A JP2002227848 A JP 2002227848A JP 2001026836 A JP2001026836 A JP 2001026836A JP 2001026836 A JP2001026836 A JP 2001026836A JP 2002227848 A JP2002227848 A JP 2002227848A
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Norifumi Ikeda
憲文 池田
Toyohisa Yamamoto
豊寿 山本
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NSK Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/44Selection of substances

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温などの使用条件の厳しい環境下でも搬送
ローラ等の回転を長期にわたって安定に維持することの
できる転がり軸受用保持器を提供する。 【解決手段】 転がり軸受の転動体を保持する円筒状の
転動体保持部21は、固体潤滑剤と金属との混合燒結材
料から構成されている。転動体保持部21の両端には補
強部22が設けられ、この補強部22は混合燒結材料の
金属成分の少なくとも1つを主成分とする金属材料から
構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造設備の
搬送ローラや陽極回転型X線管球の主軸などを支持する
転がり軸受の保持器として用いられる転がり軸受用保持
器に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、シリコンウエハの表面に半導
体層を成膜する設備では、ウエハ表面への薄膜形成やリ
ソグラフィあるいはエッチングなどのプロセスを真空雰
囲気で行う。また、このような半導体製造工程における
真空プロセスは、製品一塊を一括して処理するバッチ処
理にて行われる場合と、生産効率を高めるために各工程
間を搬送ラインで繋ぎ、搬送ライン全体を真空雰囲気と
してインライン生産する場合とがあり、このようなイン
ライン生産では、ウエハに対して正逆スパッタや蒸着な
どの高温プロセスを施す装置内に多数の搬送ローラを設
置し、これらのローラを回転させて製品を各工程へ搬送
するため、搬送ローラを支持する軸受には、高温かつ真
空雰囲気という極めて厳しい条件下でもローラの回転を
安定して維持できる性能が要求される。
【0003】一方、医療用や産業用のX線装置に用いら
れる陽極回転型X線管球は、図7に示されるように、真
空容器71内に設けられた陰極フィラメント72と、こ
の陰極フィラメント72に対向して真空容器71内に設
けられた陽極ターゲット73と、この陽極ターゲット7
3の主軸を回転自在に支持する転がり軸受74とを有
し、陰極フィラメント72から放出された電子を陽極タ
ーゲット73に衝突させてX線を発生させる構成となっ
ている。このとき、X線管球の内部は、熱放出された電
子の平均自由工程を確保するために、高真空の状態に維
持されている。また、陽極ターゲット73に電子が衝突
した際、電子の運動エネルギによって熱が発生するた
め、X線管球の内部は300℃以上の高温となってい
る。従って、陽極ターゲット73の主軸を支持する軸受
74も300℃以上の高温に曝されるため、このような
軸受にも前記と同様の性能が要求される。
【0004】上記のような搬送ローラやX線管球の主軸
などを支持する軸受として、従来、例えば軸受の内外両
輪および転動体をステンレス鋼、工具鋼等の耐熱性鉄鋼
材料で構成し、転動体と接触する内外両輪の軌道面また
は転動体表面の少なくとも一方にAg、Pb、Sn、C
u等の軟質金属あるいはMoS2、WS2等の固体潤滑剤
からなる単層若しくは積層構造の被膜を形成して潤滑効
果を持たせた転がり軸受や、転動体の表面にAg、Pb
等の軟質金属からなる被膜をイオンプレーティングなど
のPVD(Physical Vapor Deposition)法によって
形成した転がり軸受などが多く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
転がり軸受は概して消耗が早く、このような軸受を上述
した搬送ローラの軸受として用いた場合には、短期間で
製造ラインを停止させて軸受を交換しなければならない
という問題が生じる。また、軸受の交換が構造的に不可
能な陽極回転型X線管球では、軸受寿命がそのまま管球
の使用可能時間となるため、管球そのものを交換する必
要があり、ランニングコストを増大させる要因となる。
【0006】また、内外両輪の軌道面や転動体表面およ
び保持器などに潤滑剤を膜状に供給する軸受構造の場合
には、その膜厚がサブミクロン単位または厚くても数ミ
クロンと非常に薄く、軸受の回転条件によっては潤滑膜
が容易に損耗する可能性がある。こうして生じた潤滑膜
のない部分で軸受部材の直接接触が生じると、トルク変
動の原因となるほか、焼付き発生源ともなり得る。すな
わち、こうした潤滑剤を被膜で供給するタイプの軸受で
は、潤滑膜が保持される期間に軸受寿命が制限される。
【0007】また、現在、主として用いられている軟質
金属のPVD被膜による潤滑法は、低温で軸受が回転さ
れた場合、軟質金属の軟化が充分でなく、脆性的な挙動
を示すため、転動体と軌道面との間で軟質金属が潤滑膜
を形成し難く、潤滑性の低下を招き易い。さらに、軟質
金属が装置トラブル等によって大気に曝されると酸化し
て劣化し、軸受の寿命を短くする場合がある。また、高
温で低真空の環境では、このような軟質金属の酸化によ
る劣化が逐次進行し、要求される寿命を十分に満たせな
くなる場合もある。これらの潤滑剤劣化は、軸受の寿命
を制限するだけでなく、軸受トルク上昇などの回転不具
合を引き起こし、搬送される製品とローラ間のすべりを
発生させ、製品に損傷を与える可能性がある。また、陽
極回転型X線管球用の軸受では、これらの潤滑性劣化が
軸受振動となって装置の作動音を増加させることがあ
り、特に医療用X線診断装置など、静粛性が要求される
用途では問題となる場合がある。
【0008】そこで、上記のような問題を解消するため
に、転動体を保持する保持器を固体潤滑剤で構成したも
のが特開昭63−247507号公報に開示されてい
る。しかし、上記公報に開示されたものは保持器全体が
固体潤滑剤から構成されるため、強度的に弱く、回転中
に割れやクラック等が保持器に発生する可能性があり、
保持器に発生した割れやクラックなどにより軸受の回転
が阻害されたり、振動を著しく増加させるという問題が
ある。
【0009】また、上記のような固体潤滑剤からなる保
持器の強度を改善するべく、実開平2−87121号公
報には、保持器の構成材料として潤滑性の良いグラファ
イト素材と高強度のグラファイト素材とを用い、転動体
と接触する部分を潤滑性の良いグラファイト素材で構成
し、その他の部分を高強度のグラファイト素材で構成す
る技術が開示されているが、グラファイトでは強度に限
界がある。
【0010】さらに、特開昭63−282239号公報
には、転動体を保持する保持部を潤滑性に優れる燒結材
料で形成し、その他の部分を強度の高い補強材料で構成
して保持部を補強した保持器が開示されている。しかし
ながら、上記のような保持器は転動体を保持する保持部
と補強部がそれぞれ独立した材料から構成されるため、
保持部と補強部との界面強度が低く、軸受の回転時に補
強部が保持部から脱落する可能性がある。また、熱サイ
クルが負荷された場合には、両者の熱膨張率の差によっ
て界面応力が発生し、保持器が保持部と補強部との界面
で分解する可能性もある。さらに、保持器の転動体接触
部を固体潤滑剤から構成すると、その強度上から保持器
を転動体案内とすることが難しく、保持器は軸受回転中
に外輪内径面若しくは内輪外径面のいずれかと接触す
る。この場合、転動体との接触部のみを固体潤滑剤で構
成しただけでは、保持器の円周方向に過大なせん断応力
が作用するため、より高い強度が要求される他に軸受振
動を発生させる要因となる。
【0011】本発明の目的は、上記の問題点を解決し、
高温などの使用条件の厳しい環境下でも搬送ローラ等の
回転を長期にわたって安定に維持することのできる転が
り軸受用保持器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、固体潤滑剤と金属との混合燒結材料で円
筒状に形成された転動体保持部の両端若しくは一端に補
強部を設けた転がり軸受用保持器において、前記補強部
を前記混合燒結材料の金属成分の少なくとも1つを主成
分とする金属材料で構成したことを特徴とする。
【0013】このような構成であると、転動体保持部と
補強部との密着強度が向上するため、補強部が回転中に
転動体保持部から脱落するようなことがなくなり、高温
などの使用条件の厳しい環境下でも搬送ローラ等の回転
を長期にわたって安定に維持することができる。特に、
この場合、補強部を混合燒結材料の金属成分と同一組成
の金属材料で構成することにより、転動体保持部と補強
部との密着強度をより高めることができる。
【0014】また、本発明に係る保持器を軸受に組み込
んで特殊環境用として使用することができ、この場合、
軸受の転動体をセラミックスなどの耐熱材料で形成する
ことが好ましい。また、保持器を外輪内径面または内輪
外径面で案内する場合(以下、前者を外輪案内、後者を
内輪案内という)には、それぞれの接触面での摩擦を低
減するために、補強部(金属部)の構成材料にも固体潤
滑剤を添加することによって、保持器に作用するせん断
応力を効果的に軽減できるとともに、保持器と内外両輪
との接触による回転振動の発生を効果的に抑制できる。
ここで、補強部の構成材料(金属材料)に添加される固
体潤滑剤の添加量が30vol%を超えると、強度が弱い
という理由から、補強部の構成材料に添加される固体潤
滑剤の添加量としては、30vol%以下が望ましい。ま
た、補強部の構成材料に添加される固体潤滑剤の添加量
が5〜20vol%であると、転動体保持部と補強部との
密着性を効果的に向上できると共に内外両輪と保持器と
の接触面での潤滑性を低減できるため、補強部の構成材
料に添加される固体潤滑剤の添加量としては、5〜20
vol%が好ましい。
【0015】なお、補強部の構成材料に添加される固体
潤滑剤の添加量が体積比で0〜5%の場合は、潤滑性を
考慮して保持器14を転動体案内とし、5〜20vol%
の場合は潤滑性と強度を考慮して保持器14を転動体案
内、内輪案内および外輪案内とし、20〜30vol%の
場合は強度を考慮して、保持器14を内輪及び外輪案内
とすることが好ましい。
【0016】さらに、このような保持器を軸受に組み込
み、軸受の内外両輪や転動体を耐熱鋼やセラミックスな
どの耐熱材料で構成することにより、高温雰囲気でも内
外両輪に変形が生じたり、内外両輪が軟化したりするこ
とがなく、安定した回転を維持できるため、さらに好ま
しい。特に、転動体をセラミックス材料で構成すると高
温でも内外両輪の構成材料と凝着しにくいため、好適で
ある。ここで用いられる耐熱鋼は、少なくとも使用温度
異常で焼戻された軸受鋼やステンレス鋼、M50材、高
速度工具鋼などの鉄鋼材料の他、窒化けい素、ジルコニ
ア、酸化アルミニウムなどのセラミックス材料が挙げら
れる。特に、内外両輪を鉄鋼材料で構成した場合には、
転動体を窒化けい素で構成すると、耐焼付性に優れ、望
ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明を揉み抜き保持器に
適用した一実施形態を示す図で、図2は図1の保持器を
備えた転がり軸受の断面図である。図2において、転が
り軸受10は支持すべき軸体(例えば搬送ローラのロー
ラ軸、陽極回転型X線管球の主軸等)に外嵌される内輪
11と、この内輪11の外周に同心円状に配置された外
輪12とを備えており、内輪11が支持すべき軸体と一
体に回転すると、内輪11と外輪12との間に配設され
た複数個(例えば8個)の球状転動体13が内外輪1
1,12の円周方向に転動するようになっている。
【0018】転動体13は保持器14に保持されてお
り、保持器14の両側には、内輪11と外輪12との間
に塵埃等の異物侵入および軸受内部から発生する摩耗粉
の飛散を防ぐためにシールリング15が設けられてい
る。保持器14は、図1に示されるように、固体潤滑剤
(例えばWS2、C及びBN)と金属(例えばCu、N
i及びSn)との混合燒結材料からなる円筒状の転動体
保持部21(例えば内径:17.5mm、外径:21m
m、幅:5mm)と、この転動体保持部21を補強する
環状の補強部22(例えば内径:17.5mm、外径:
21mm、幅:1mm)とからなり、転動体保持部21
には、前記転動体(直径:4.7625mm)13を転
動可能に保持する複数(例えば8個)のポケット穴23
が転動体保持部21の円周方向に沿って等間隔に穿設さ
れている。
【0019】補強部22は転動体保持部21の構成材料
すなわち混合燒結材料の金属成分と同一組成の金属材料
(例えばCu−Ni−Sn系合金)から構成され、転動
体保持部21の両端に一体に形成されている。なお、転
動体保持部21を構成する混合燒結材料の固体潤滑剤と
金属の混合比は、体積比で固体潤滑剤:70vol%、金
属:30vol%となっており、転動体保持部21は前記
した混合燒結材料を100MPa以上の圧縮強度で成形
して構成されている。
【0020】このような構成に基づく転がり軸受(内径
12mm、外径28mm、玉径4.7625mm)の実
施例と比較例を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1において、本発明の実施例1〜4は、
保持器14の転動体保持部21をWS2、C及びBNの
3種類の固体潤滑剤とCu、Ni及びSnの3種類の金
属とからなる混合燒結材料で構成し、さらに補強部22
を上記混合燒結材料の金属成分と同一の金属材料(Cu
−Ni−Sn系合金)から構成したものであるが、実施
例2〜4の補強部22を構成する金属材料には、潤滑部
と補強部の密着性を良くするとともに内外両輪11,1
2との接触による回転振動の発生を抑制するために、W
2、C及びBNの固体潤滑剤が体積比で5vol%だけ添
加されている。また、本発明の実施例1〜3は軸受の内
輪11、外輪12及び転動体13をSUS440Cで構
成したものであるが、実施例4の転動体13は、耐焼付
性を高めるために、窒化けい素で構成されている。
【0023】一方、比較例1は、実施例4と同様に、内
輪11及び外輪12の構成材料としてSUS440C、
転動体13の構成材料として窒化けい素を用い、さらに
保持器14の転動体保持部22を固体潤滑剤と金属との
混合燒結材料で構成したものであるが、転動体保持部2
1の両端に補強部22を有しない例である。また、比較
例2は、保持器14の補強部22を構成する材料として
実施例2及び3と同じ材料を用いているが、内輪11、
外輪12及び転動体13を構成する材料としてSUJ2
を用い、実施例2のものよりも低い温度で焼戻した軸受
である。そして、比較例3は、保持器としてステンレス
鋼製のプレス保持器を用いた例であり、この比較例3の
転動体13の表面にはAgからなる被膜がイオンプレー
ティングによって形成されている。
【0024】上述した実施例1〜4と比較例1〜2の各
保持器に対して圧縮強度試験を行い、そのときの破断荷
重を測定した結果を図3に示す。なお、このときの圧縮
強度試験は、図4に示すように、ポケット穴23を下向
きにして保持器14を設置し、上方からロードセルを油
圧プレスによって圧縮して保持器14の破断荷重を測定
した。
【0025】図3において、実施例1〜4及び比較例2
の各保持器の圧縮強度は比較例1の測定値を1として示
したものである。図3に示されるように、本発明の実施
例1〜4では、保持器の圧縮強度が比較例1のものに比
較して2.9〜3.8倍となることがわかる。次に、図
5に示されるような試験装置を用いて表1の各軸受に対
して軸受回転試験を実施し、軸受の寿命を評価した結果
を図6に示す。なお、軸受回転試験は、軸方向荷重98
N、回転速度500rpm、外輪温度300℃、真空度
4×10-4Pa以下の条件で行い、軸受振動値が初期値
の2倍になった時点を軸受寿命として評価した。また、
図5中51は供試体である軸受、52は回転軸、53は
軸受ハウジング、54は荷重付与用コイルばね(98
N)、55は継手、56はACサーボモータ、57は真
空チャンバ、58は磁気シールユニット、59はヒー
タ、60は軸受温度測定用熱電対、61はダストセンサ
を示している。
【0026】図6に示される軸受寿命の評価結果は、比
較例3の軸受寿命を1として示したものである。実施例
1〜3はいずれも従来技術である比較例3の2.5〜
2.9倍の軸受寿命を有し、転動体を窒化けい素で構成
した実施例4では4倍以上の寿命を有することがわか
る。図3及び図4に示した試験結果からもわかるよう
に、転動体保持部21を構成する混合燒結材料の金属成
分と同じ金属材料で補強部22を構成することにより、
転動体保持部21と補強部22との密着強度が向上す
る。従って、補強部22が回転中に転動体保持部21か
ら脱落するようなことがなくなり、高温などの使用条件
の厳しい環境下でも搬送ローラ等の回転を長期にわたっ
て安定に維持することができる。
【0027】また、補強部22を構成する金属材料にW
2、C、BN等の固体潤滑剤を添加したことにより、
保持器14に作用するせん断応力を効果的に軽減できる
とともに、保持器14と内外両輪11,12との接触に
よる回転振動の発生を効果的に抑制できる。なお、固体
潤滑剤の添加量としては30vol%以下、好ましくは5
〜20vol%が望ましく、固体潤滑剤の添加量を5〜2
0vol%とすることにより、転動体保持部21と補強部
22との密着性を効果的に向上できると共に内外両輪1
1,12と保持器14との接触面での潤滑性を低減でき
る。さらに、固体潤滑剤の添加量は、保持器14が転動
体案内の場合には体積比で0〜5vol%、保持器14が
転動体案内、内輪案内および外輪案内の場合には5〜2
0vol%、保持器14が内輪及び外輪案内の場合には2
0〜30vol%とすることが好ましい。
【0028】また、上述した保持器14を軸受に組み込
み、軸受の内外両輪11,12や転動体13を耐熱鋼や
セラミックスなどの耐熱材料で構成することにより、高
温雰囲気でも内外両輪11,12に変形が生じたり、内
外両輪11,12が軟化したりすることがなく、安定し
た回転を維持できる。特に、転動体13をセラミックス
材料で構成すると、高温でも内外両輪の構成材料と凝着
しにくいという効果が得られる。
【0029】なお、上述した実施例では転動体保持部2
1の両端に補強部22を設けた保持器に本発明を適用し
た場合について説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、例えば転動体保持部21の両端に補強部
22を設けた保持器にも本発明を適用することができ
る。また、上述した実施例では転動体保持部21を構成
する混合燒結材料としてWS2、C及びBNとCu、N
i及びSnとの混合燒結材料を用いたが、これに限定さ
れるものではなく、混合燒結材料の固体潤滑剤成分とし
て例えばMoS2等を用いても良い。また、マトリック
スとなる金属としては、Fe、Cu、Ni、Cr、M
o、W、Ta、Co、Snなどの少なくとも1種類から
選択すれば、固体潤滑剤成分と反応し易く強固な結合が
得られるため、潤滑剤部分の強度を向上できる。
【0030】さらに、上述した実施例では補強部22を
混合燒結材料の金属成分と同一組成の金属材料で構成し
たが、合金組成までをそろえる必要はなく、少なくとも
主成分を同一とすれば密着性の改善効果は得られる。ま
た、上述した実施例では転動体保持部22の成形方法と
して通常の加圧燒結を用いたが、仮焼結後にHIP燒結
するか、仮燒結を行わない場合にも両端に電位をかける
放電プラズマ燒結法によって燒結するとより高い強度を
得られる。
【0031】また、上述した実施例では円筒形の金型を
用い、中軸円筒形の素材から切削加工によって保持器を
得たが、金型は所定の保持器形状の外径及び内径とし、
円筒形の素材を得るようにすれば後工程が短縮できる。
さらに、表1に示した実施例3のように、転動体13の
個数を減少させることにより、許容荷重は減少するもの
のポケット穴23間の柱部を太く設計できるため、保持
器14の強度をより高めることができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高温などの使用条件の厳しい環境下でも搬送ローラ等の
回転を長期にわたって安定に維持することのできる転が
り軸受用保持器および転がり軸受を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る転がり軸受用保持器の
斜視図である。
【図2】保持器を備えた転がり軸受の構造を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施例における保持器の圧縮強度と比
較例と比較して示す図である。
【図4】保持器の圧縮強度を試験評価するための方法を
示す図である。
【図5】保持器を備えた転がり軸受の回転寿命を試験評
価する試験装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例における転がり軸受の回転寿命
を比較例と比較して示す図である。
【図7】陽極回転型X線管球の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 転がり軸受 11 内輪 12 外輪 13 転動体 14 保持器 15 シールリング 21 転動体保持部 22 補強部 23 ポケット穴

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体潤滑剤と金属との混合燒結材料で円
    筒状に形成された転動体保持部の両端若しくは一端に補
    強部を設けた転がり軸受用保持器において、前記補強部
    を前記混合燒結材料の金属成分の少なくとも1つを主成
    分とする金属材料で構成したことを特徴とする転がり軸
    受用保持器。
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