JP2002226684A - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性樹脂組成物

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JP2002226684A
JP2002226684A JP2001156850A JP2001156850A JP2002226684A JP 2002226684 A JP2002226684 A JP 2002226684A JP 2001156850 A JP2001156850 A JP 2001156850A JP 2001156850 A JP2001156850 A JP 2001156850A JP 2002226684 A JP2002226684 A JP 2002226684A
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JP2001156850A
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Takashi Kawamura
孝 川村
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン系難燃剤を使用しなくても優れた難
燃性を示すポリエステル系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 成分(A)としてポリエステル系樹脂
と、成分(B)としてノボラック型フェノール樹脂、ポ
リフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィ
ド系樹脂から選ばれる少なくとも1種と、成分(C)と
して燐酸エステル系化合物、および成分(D)として燐
原子含有窒素系有機化合物または硫黄原子含有窒素系有
機化合物を特定の比率で配合し、更に、成分(E)とし
て官能基含有スチレン系化合物と、成分(F)としてポ
リオルガノシロキサン系樹脂と、成分(G)として無機
充填材を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ハロゲン系難燃剤
を使用しなくても優れた難燃性を示すポリエステル系樹
脂組成物に関する。本発明はまた、該樹脂組成物を成形
してなる成型品に関するものでもあり、更に詳しくは、
モーターのカバーなどのケース部材、トランス部材、コ
ネクター、スイッチ、リレー、プリント基板、コイルボ
ビンなどの電気・電子機器部品、自動車部品、機械部品
などの多岐にわたる用途に好適に使用出来る成型品に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル系樹脂の難燃化
方法としてハロゲン系難燃剤を用いる方法が行われてき
たが、近年では燃焼時や高温での溶融時の有害ガスの発
生による環境汚染や人体への悪影響などの問題から、ハ
ロゲンを含有しない、所謂、「非ハロゲン系難燃剤」に
よる難燃化への移行が強く要望されている。
【0003】このような要望に応えるために、これまで
に非ハロゲン系難燃剤を用いた種々の提案がなされてき
たが、何れも満足のいくものではなかった。例えば、燐
酸エステルを用いる方法(特公昭62−25706号公
報など)では、燃焼時に滴下(一般に「ドリップ」と
言われる)が生じやすいために燃焼性が不十分であるこ
と、ポリエステル系樹脂と燐酸エステルとの相溶性が
不十分なためにブリードアウトしやすく、金型汚染や成
型品の表面汚染の原因となること、などの欠点を有して
いた。
【0004】また、難燃化を図る目的で、燐酸エステル
系化合物と窒素原子含有有機化合物とを併用する方法
(特開平9−132723号公報、特開平9−2682
51号公報など)、ポリフェニレンサルファイドあるい
はポリフェニレンエ−テル等の難燃性の高い樹脂をブレ
ンドする方法(特開平10−182955号公報、特開
平7−300562号公報など)等が提案されている
が、Underwriters Laboratories Inc.の垂直燃焼性試験
を行った場合、特に厚みの薄い薄肉成形品では燃焼時に
ドリッピングが発生してしまい、所謂、「V−0」にラ
ンクされる程度にまで良好な難燃性を示し、市場の要求
を十分に満足する非ハロゲン系難燃配合のポリエステル
系樹脂組成物は未だ見出されていないのが実状であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ハロゲン系難燃剤を使用しなくても優れた難燃性を
示すポリエステル系樹脂組成物およびその成型品を提供
することにある。また、本発明においては、特に、燃焼
時のドリップの抑制効果に優れ、機械的強度の高い難燃
性ポリエステル系樹脂組成物を提供することでもある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、(A)ポ
リエステル系樹脂と、(B)ノボラック型フェノール樹
脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンス
ルフィド系樹脂から選ばれる少なくとも1種の芳香族系
樹脂の混合物に、難燃剤として(C)燐酸エステル系化
合物および(D)特定の燐原子含有窒素系有機化合物ま
たは硫黄原子含有窒素系有機化合物を組合せて用いるこ
とにより、驚くべきことにドリップ抑止効果が発揮さ
れ、優れた難燃効果が発現されることを見出し、本発明
に到達した。
【0007】即ち、本発明は、成分(A)としてポリエ
ステル系樹脂と、成分(B)としてノボラック型フェノ
ール樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニ
レンスルフィド系樹脂から選ばれる少なくとも1種の芳
香族系樹脂と、成分(C)として燐酸エステル系化合
物、および成分(D)として燐原子含有窒素系有機化合
物または硫黄原子含有窒素系有機化合物を特定の比率で
配合し、更に、成分(E)として官能基含有スチレン系
化合物、成分(F)としてポリオルガノシロキサン系樹
脂、成分(G)として無機充填材を配合してなる樹脂組
成物を提供することにある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において用いる成分(A)
ポリエステル系樹脂は、特に制限されるものではなく、
それ自体公知であり、例えば、ジオール成分(あるいは
該エステル形成性誘導体)とジカルボン酸成分(あるい
は該エステル形成性誘導体)とより得られるポリエステ
ル系樹脂が使用出来る。また、ジオール成分、ジカルボ
ン酸成分共に、下記に記載する化合物を各々単独で使用
しても、あるいは2種以上組み合わせて使用してもよ
い。更に、ラクトンの如く、1分子中に水酸基とカルボ
キシル基を有するものを組み合わせて使用してもよい。
【0009】ジオール成分としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、エチレングリコール、1,2−
プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−
へキサンジオール、1,8−オクタンジオール,ネオペ
ンチルグリコール、1,10−デカンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、2−メチル
−1,3−プロパンジオール等の炭素数2〜15の脂肪
族ジオール等を挙げることが出来る。この内、好ましい
脂肪族ジオールはエチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,3−プロパンジオ−ルなどである。
【0010】また、1,2−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノールなどの脂環式ジオールを使用すること
が出来る。これらの脂環式ジオールは、シス体またはト
ランス体の立体配置異性体のいずれか、または両者の混
合物として使用出来、シス体とトランス体の混合比率に
は特に制限はない。好ましい脂環式ジオールは1,4−
シクロヘキサンジメタノールである。
【0011】更に、レゾルシン、ハイドロキノン、ナフ
タレンジオールなどの芳香族2価フェノール類、分子量
400〜6000のポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールやポリテトラメチレングリコールなど
のポリグリコール類、ビスフェノールAなど特開平3−
203956号に記載されているビスフェノール類など
を使用することも出来る。また、上記ジオール成分は、
ジ酢酸エステルやジプロピオン酸エステルなどのジエス
テルであってもよい。
【0012】ジカルボン酸成分の代表例としては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,2’−
ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカル
ボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’
−ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,5−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレン
ジカルボン酸、1,2−ジ(4−カルボキシフェニル)
エタンなどの芳香族ジカルボン酸類;アジピン酸、コハ
ク酸、蓚酸、マロン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、デカンジカルボン酸やシクロヘキサンジカル
ボン酸などの脂肪族および脂環式ジカルボン酸類などを
挙げることが出来る。また、上記酸成分はエステル誘導
体であってもよく、例えば、メチルやエチルなどのアル
キルエステルやフェニルやクレジルルなどのアリールエ
ステルなどを挙げることが出来る。
【0013】好ましいジカルボン酸はテレフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸およびそれらのエステル形成誘導
体(好ましくは、テレフタル酸ジメチル、ナフタレンジ
カルボン酸ジメチル)である。
【0014】ラクトンとしては、例えば、カプロラクト
ン等が挙げられる。
【0015】本発明で用いるポリエステル系樹脂(A)
は、公知の方法により製造出来る。その際に用いる触媒
は、通常の触媒、例えば、アンチモン化合物、チタン化
合物、スズ化合物やゲルマニウム化合物等、いずれの触
媒を用いてもよい。
【0016】本発明で用いられるポリエステル系樹脂
(A)は、好ましくは芳香族ジカルボン酸とアルキレン
グリコールとのポリエステル系樹脂である。具体的に
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキシレンメチ
レンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレン
メチレンテレフタレート-コ-イソフタレート)、ポリ
(1,4−ブチレンテレフタレート-コ-イソフタレー
ト)やポリ(エチレン-コ-1,4−シクロヘキシレンメ
チレンテレフタレート)等を挙げることが出来る。これ
らの成分(A)の中の1種を単独で使用してもよく、2
種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0017】本発明で用いられるポリエステル系樹脂
(A)の酸価は、特に制限はないが、耐加水分解性、熱
安定性、着色抑制等の面から、好ましくは3.0mgK
OH/g以下、より好ましくは2.5mgKOH/g以
下である。
【0018】また、ポリエステル系樹脂(A)のフェノ
ール/テトラクロロエチレン=50/50重量比の混合
溶媒中、30±0.1℃で測定した極限粘度〔η〕は、
特に限定するものではないが、好ましくは0.6〜1.
1dl/gである。
【0019】次いで、本発明で使用する成分(B)の一
つであるポリフェニレンエーテル(以下、PPEと省略
する)系樹脂はそれ自体公知であり、式〔1〕で示され
る。
【0020】
【化1】
【0021】(式〔1〕において、R1、R2、R3お
よびR4はそれぞれ独立して、水素原子、炭化水素基お
よび置換炭化水素基(例えばハロゲン化炭化水素基)か
ら選ばれる)で示される単位からなるホモ重合体および
/または共重合体である。
【0022】ポリフェニレンエーテル系樹脂(B)の具
体例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレン)エ―テル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−
フェニレン)エ―テル、ポリ(2−メチル−6−エチル
−1,4−フェニレン)エ―テル、ポリ(2−メチル−
6−プロピル−1,4−フェニレン)エ―テル、ポリ
(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エ―テ
ル、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニ
レン)エ―テル、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−
フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6−ジクロロメチル
−1,4−フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6−ジブ
ロモメチル−1,4−フェニレン)エ―テル、ポリ
(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エ―テ
ル、ポリ(2,6−ジトリル−1,4−フェニレン)エ
―テル、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレ
ン)エ―テル、ポリ(2,6−ジベンジル−1,4−フ
ェニレン)エ―テル、ポリ(2,5−ジメチル−1,4
−フェニレン)エ―テルなどが挙げられる。この内、特
に好ましいPPE系樹脂は、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エ−テルである。
【0023】また、ポリフェニレンエ−テル共重合体の
具体例としては、上記ポリフェニレンエ−テル繰返し単
位、即ち、式〔1〕中に、アルキル3置換フェノ−ルを
共重合させたポリフェニレンエーテル共重合体、例え
ば、2,3,6−トリメチルフェノ−ルを共重合単位と
して一部含有する共重合体などを挙げることが出来る。
【0024】更に、成分(B)はこれらのPPE系樹脂
に、スチレン系化合物がグラフト重合した共重合体であ
ってもよい。スチレン系化合物グラフト化PPE系樹脂
としては、上記ポリフェニレンエ−テルにスチレン系化
合物として、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、クロロスチレンなどをグラフト重合して
得られる共重合体が挙げられる。
【0025】かかるPPEの製造方法は公知であり、特
に限定されない。例えば、米国特許第3,306,874
号、米国特許第3,306,875号、米国特許第3,2
57,357号、米国特許第3,257,358号、及び
特公昭52−17880号、特開昭50−51197号
に記載された方法で容易に製造可能である。
【0026】本発明で用いられるPPE系樹脂(B)の
クロロホルムを溶剤として30℃で測定した固有粘度
は、好ましくは0.15〜0.70dl/g、より好ま
しくは0.25〜0.60dl/gである。固有粘度が
かかる範囲内にあれば、優れた機械的強度と成形性をも
たらすことが出来る。
【0027】本発明で用いられる成分(B)の一つであ
るポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略す)系樹
脂は、ー般式〔Ar−S〕(式中のArは少なくとも1
つの炭素6員環を含む2価の芳香族基を示す)で示され
る繰り返し単位を70モル%以上含有する重合体で、そ
の代表的物質は構造式〔Ph−S〕(但し、Phはフェ
ニル基)で示される繰り返し単位を70モル%以上含有
するポリマーである。
【0028】PPS系樹脂は一般にその製造法により、
実質上線状で分岐構造や架橋構造を有さないものと分岐
構造や架橋構造を有するものとに大別されるが、本発明
に於いてはその何れのタイプのものにも有効である。
【0029】本発明に用いるのに好ましいPPS系樹脂
(B)は、繰り返し単位として一般式〔Ar−S〕(式
中のArは少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳
香族基を示す)を70モル%以上含有するポリマーであ
る。通常、この繰り返し単位が70モル%以上であれ
ば、結晶化ポリマーとしての特性である優れた強度、靱
性、耐薬品性などを備えたPPS系樹脂(B)を得るこ
とが可能となる。
【0030】また、本発明に用いられるPPS系樹脂
(B)は30モル%未満の他の共重合構成単位を含んで
いてもよい。共重合構成単位の具体例としては、例え
ば、以下に示した式〔2〕〜式〔7〕のような構成単位
などが挙げられるが、本発明ではこれらに限定されるも
のではない。
【0031】メタフェニレンスルフィド単位=式〔2〕
【0032】
【化2】
【0033】ジフェニルケトンスルフィド単位=式
〔3〕
【0034】
【化3】
【0035】ジフェニルスルホンスルフィド単位=式
〔4〕
【0036】
【化4】
【0037】ジフェニルエーテルスルフィド単位=式
〔5〕
【0038】
【化5】
【0039】2,6−ナフタレンスルフィド単位=式
〔6〕
【0040】
【化6】
【0041】三官能単位=式〔7〕
【0042】
【化7】
【0043】更に、本発明で用いられるもう一つの成分
(B)はノボラック型フェノール系樹脂であり、フェノ
ールとホルムアルデヒドとを酸触媒の存在化に重縮合せ
しめて得られる。ボ−ルアンドリング法によるグリセリ
ン中で測定した軟化点は80℃以上のものが好ましい。
また、前記モノマー以外にメラミン系化合物を50重量
%以内の範囲で使用しても差し支えない。
【0044】本発明における成分(A)のポリエステル
系樹脂と、成分(B)のノボラック型フェノール樹脂、
ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド系樹脂から選ばれる少なくとも1種の芳香族系樹脂
とは任意の割合で用いられるが、好ましい成分(A)と
成分(B)との配合割合は(A)/(B)=5〜97/
95〜3重量%、更に好ましくは(A)/(B)=15
〜95/85〜5重量%である。
【0045】次に、本発明で用いる成分(C)である燐
酸エステル系化合物について説明する。本発明の成分
(C)燐酸エステル系化合物は式〔8〕で示される化合
物が挙げられるが、本発明ではこれらに限定されるもの
ではない。
【0046】
【化8】
【0047】(式〔8〕において、A1、A2は同一ま
たは相異なるフェニル基あるいはハロゲンを含有しない
有機残基で置換されたフェニル基を表す。Xは2価以上
の有機基を表わし、nは0以上、例えば30以下の整数
を表わす。)
【0048】式〔8〕において、有機残基とは、例え
ば、置換されていてもいなくてもよいアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基等が挙げられる。また、置換
されている場合、置換基としては例えばアルキル基、ア
ルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン、アリール基、
アリールオキシ基、アリールチオ基、ハロゲン化アリー
ル基等が挙げられ、また、これ等の置換基を組み合わせ
た基(例えばアリールアルコキシアルキル基等)または
これ等の置換基を酸素原子、硫黄原子、窒素原子等によ
り結合して組み合わせた基(例えば、アリールスルホニ
ルアリール基等)を置換基として用いてもよい。
【0049】また、式〔8〕における2価以上の有機残
基とは上記した有機残基から、炭素原子に結合している
水素原子の1個以上を除いてできる2価以上の基を意味
する。例えば、アルキレン基、及び好ましくは(置換)
フェニレン基、多核フェノール類、例えばビスフェノー
ル類から誘導されるものが挙げられ、更に、2以上の遊
離原子価の相対的位置は任意である。それらの中で特に
好ましいものは、ビスフェノールA、ヒドロキノン、レ
ゾルシノール、ジフェニロールメタン、ジフェニロール
ジメチルメタン、ジヒドロキシジフェニル、p,p’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシナフタ
レン等が挙げられる。
【0050】燐酸エステル系化合物(C)の具体例とし
ては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリオクチルフォスフェ
ート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニル
ホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフ
ェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェー
ト、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリス(ク
ロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピ
ル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェ
ート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジ
クロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロ
モプロピル)ホスフェート、およびビス(クロロプロピ
ル)モノオクチルホスフェート、式〔8〕中でA1−O
−および−O−A2がアルコキシであり、例えば、メト
キシ、エトキシおよびプロポキシ、または好ましくは
(置換)フェノキシ、例えばフェノキシ、メチル(置
換)フェノキシであるところのビスフェノールAビスホ
スフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシ
ンビスホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェ
ート等のポリホスフェートが挙げられ、好ましくはトリ
フェニルホスフェート及び各種ポリホスフェ―トであ
る。更に、市販品の例としてはPX−200、CR−7
33S、PX−201、PX−202、CR−747、
CR−741(大八化学製)、FP−500(旭電化
製)、フォスフォレックス580(アクゾ・カシマ製)
等が挙げられる。
【0051】成分(C)の配合方法については特に限定
せず、例えば、成分(C)が液状の場合には、リキッド
インジェクションなどの方法で押出し機の途中で成分
(C)を添加出来る。成分(C)の性状に応じて効果的
に樹脂と接触混合可能な方法を選択すればよい。
【0052】上記の成分(C)は、好ましくは成分
(A)と(B)の合計量6〜95重量%に対して5〜9
4重量%、特に好ましくは成分(A)と(B)の合計量
70〜90重量%に対して10〜30重量%用いられ
る。
【0053】本発明で用いられる成分(D)は燐原子含
有窒素系有機化合物または硫黄原子含有窒素系有機化合
物であり、燐原子含有化合物または硫黄原子含有化合物
と、下記の式
〔9〕で示されるアミノトリアジンとの塩
からなるポリ燐酸アミノトリアジン化合物、あるいはポ
リメタ燐酸アミノトリアジン化合物、式〔12〕および
式〔13〕で表される燐原子含有窒素系化合物および硫
酸トリアジン化合物である。
【0054】
【化9】
【0055】本発明で用いられるポリ燐酸アミノトリア
ジン系化合物とは式〔10〕で示されるポリ燐酸メラミ
ン、ポリ燐酸メラム、ポリ燐酸メレム等が挙げられる。
【0056】
【化10】
【0057】(式〔10〕において、nは1以上の正
数、Mは式
〔9〕で示されるトリアジン化合物であ
る。)
【0058】また、本発明で用いられる硫黄原子含有窒
素系有機化合物とは、式〔11〕で表される硫酸トリア
ジン化合物である。
【0059】
【化11】
【0060】(式〔11〕において、Mは式
〔9〕のト
リアジン化合物を表し、Sは硫黄原子を表し、Oは酸素
原子を表し、Hは水素原子を表す。)
【0061】好ましい市販品の例としてはMelupe
r200/70(DSM製)、PMP−100、PMP
−200(日産化学工業製)、MPP−A、アピノン9
01(三和ケミカル製)等がある。
【0062】また、本発明では更に、以下に示す燐原子
含有窒素系有機化合物が用いられる。
【0063】
【化12】
【0064】(式〔12〕において、Mは式
〔9〕のト
リアジン化合物を表し、Pは燐原子を表し、Oは酸素原
子を表し、Hは水素原子を表す。)また、
【0065】
【化13】
【0066】(式〔13〕において、Mは式
〔9〕のト
リアジン化合物を表し、Pは燐原子を表し、Oは酸素原
子を表し、Hは水素原子を表す。)
【0067】式〔12〕の具体例としてはニトリロトリ
ス(メチレン)ホスホン酸とメラミンとの塩、式〔1
3〕の具体例としては1−ヒドロキシエチリデン−1,
1−ジホスホン酸とメラミンとの塩等がある。
【0068】本発明において、成分(A)、(B)、
(C)および(D)の使用量は、成分(A)+(B)の
合計量が50〜95重量%、成分(C)燐酸エステル系
化合物が5〜40重量%、成分(D)燐原子含有窒素系
有機化合物または硫黄原子含有窒素系有機化合物が1〜
40重量%からなり、より好ましくは成分(A)+
(B)の合計量が60〜90重量%、成分(C)が7〜
30重量%、成分(D)が5〜30重量%であり、且
つ、成分(A)+(B)+(C)+(D)が100重量
%になる樹脂組成物である。
【0069】本発明においては更に、本発明組成物の耐
衝撃性を向上させる目的で、官能基含有スチレン系化合
物(E)を配合することが出来る。官能基含有スチレン
系化合物(E)についてより具体的に示すと、スチレン
を繰り返し単位として50重量%以上含むポリマーまた
はオリゴマーとエポキシ基、環状イミノエ−テル基、ビ
ニル基、無水マレイン酸、アミノ基等の反応性基を有す
る化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、グ
ラフト共重合体および/または混合物が挙げられる。こ
れらの例としてはポリスチレンと無水マレイン酸、ポリ
スチレンと環状イミノエ−テル基含有化合物、ポリスチ
レンと不飽和グリシジル単量体、ポリスチレンとエポキ
シ基含有ポリオレフィンとのランダム共重合体、ブロッ
ク共重合体、グラフト共重合体および/または混合物で
あり、好ましくはポリスチレンとエポキシ基含有ポリオ
レフィンとグラフト共重合体および/または混合物、ポ
リスチレンと環状イミノエ−テル基含有化合物からなる
組み合わせのものである。更に好ましくは環状イミノエ
−テル基が2−オキサゾリン基、2−アルケニル−2−
オキサゾリン基である。これら官能基の含有量はスチレ
ン系化合物(E)中、好ましくは0.1〜10重量%で
あり、より好ましくは1〜8重量%である。
【0070】官能基含有スチレン系化合物(E)の使用
量は、好ましくは成分(A)+(B)+(C)+(D)
の合計量90〜99重量%に対して成分(E)が1〜1
0重量%、より好ましくは成分(A)+(B)+(C)
+(D)の合計量93〜98重量%に対して成分(E)
が2〜7重量%である。
【0071】次に、本発明で用いられる成分(F)は、
ポリオルガノシロキサン系樹脂であり、ポリオルガノシ
ロキサン系樹脂の分子同士が常温では流動性を持たない
程度にまで架橋構造を持ち、粒径が0.1μm〜500
μmの外観が粉末状態であるポリオルガノシロキサン系
樹脂、あるいは25℃でキャピラリー型溶融粘度測定器
で測定した剪断速度100secー1での溶融粘度が10
00ポイズ以上のポリオルガノシロキサン系樹脂を30
重量%以上、シリカパウダー中に分散させた粒径0.1
μm〜500μmの外観が粉末状態であるポリオルガノシ
ロキサン系樹脂である。
【0072】本発明における成分(F)ポリオルガノシ
ロキサン系樹脂は、好ましくは分子内にフェニル基を含
有する分子構造を有するポリオルガノシロキサン系樹脂
である。また、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、
オキサゾリン基、酸無水物基、水酸基等の官能基を含有
するポリオルガノシロキサン系樹脂でもよい。このよう
なポリオルガノシロキサン系樹脂の市販品の例として
は、DC4−7105,DC4−7051(エポキシ基
含有、東レ・ダウコーニング社製),DC4−7081
(メタクリル基含有、同社製),DC19641(アミ
ノ基含有、同社製)等がある。
【0073】ポリオルガノシロキサン系樹脂(F)の添
加量は、成分(A)+(B)+(C)+(D)の合計量
90〜99重量%に対してポリオルガノシロキサン系樹
脂(F)量で1〜10重量%である。
【0074】次いで、本発明で用いられる成分(G)は
無機充填材であり、補強材として用いられるが、特に限
定されるものではない。成分(G)の具体例としては、
ガラス繊維や炭素繊維、ミルドガラス、ガラスビーズ、
ガラスフレーク、タルク、クレー、シリカ、マイカ、ウ
オラストナイト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸
カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシ
ウムウィスカー、硼酸アルミニウムウィスカー等が好適
に使用出来る。補強効果をより一層高めるために、アミ
ノシラン系やエポキシシラン系などのシランカップリン
グ剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カ
ップリング剤等の各種カップリング剤でコーティングさ
れたこれら無機充填材を用いてもよい。
【0075】無機充填材(G)の使用量は、成分(A)
+(B)+(C)+(D)の合計量または成分(A)+
(B)+(C)+(D)+〔(E)、(F)から選ばれ
る少なくとも1種〕の合計量50〜95重量%に対し
て、成分(G)が5〜50重量%である。
【0076】更に、本発明の樹脂組成物は、溶融熱安定
性及び変色を改良するために、安定剤を添加することが
出来る。そのような安定剤としては、例えばホスファイ
ト、酸性燐酸塩、ポリ燐酸の塩、周期律表第IB族また
は第IIB族金属の燐酸塩および燐のオキソ酸等が挙げら
れる。
【0077】ホスファイトとしては、例えば、トリフェ
ニルホスファイト、ジフェニルノニルホスファイト、ト
リス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイ
ソオクチルホスファイト、2,2’−メチレンビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファ
イト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニル
モノ(トリデシル)ホスファイト、2,2’−エチリデ
ンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)フルオロ
ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フ
ェニルジ(トリデシル)ホスファイト、トリス(2−エ
チルヘキシル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホ
スファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジブ
チルハイドロゲンホスファイト、トリラウリルトリチオ
ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスフォナイト、
4,4’−イソプロピリデンジフェノールアルキル(C
12〜C15)ホスファイト、4,4’−ブチリデンビ
ス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジ−トリデ
シルホスファイト、ビス(2,4−t−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペン
タエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノ
ールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフ
ェニルジプロピレングリコールジホスファイト、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホス
ファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、3,4,
5,6−テトラベンゾ−1,2−オキサホスファン−2
−オキシド等を使用出来る。また、これらのホスファイ
トの部分加水分解物も使用できる。ホスファイトとして
は、酸化防止剤などとして各安定剤メーカーから市販さ
れている化合物を用いることが出来、市販品の具体例と
して、アデカスタブ PEP−36,PEP−24、P
EP−4C、PEP−8(旭電化工業(株)製)、Ir
gafos 168(商標:チバ・ガイギー社製)、Sa
ndstab P−EPQ(商標:Sandoz社製)、
Chelex L(商標:堺化学工業(株)製)、3P2
S(商標:イハラケミカル工業(株)製)、Mark 3
29K(商標:旭電化工業(株)製)、Mark P(同
前)、Weston 618(商標:三光化学工業
(株)製)等の燐系安定剤を挙げることが出来る。
【0078】また、酸性リン酸塩には、例えば、燐酸二
水素ナトリウム、燐酸モノ亜鉛、燐酸水素カリウム、燐
酸水素カルシウム等が包含される。
【0079】ポリ燐酸は即ち縮合燐酸であり、燐酸の2
量体(ピロ燐酸)、3量体(トリポリ燐酸)等が挙げら
れ、そのような塩としては、例えば、ピロ燐酸塩、例え
ばNa3HP27、K2227、Na427、KNa
227、Na2227等が挙げられる。このよう
なピロリン酸塩の粒度は、75ミクロン未満が好まし
く、より好ましくは50ミクロン未満、特に好ましくは
20ミクロン未満である。
【0080】周期律表第IB族または第IIB族金属の燐
酸塩としては、例えば、燐酸亜鉛、燐酸銅が包含され
る。
【0081】燐のオキソ酸としては、亜燐酸、燐酸、ポ
リ燐酸および次亜燐酸が包含される。
【0082】本発明の樹脂組成物は、上記した安定剤の
他に更に、ヒンダードフェノール系の安定剤を併用して
もかまわない。このような安定剤としては例えば、トリ
エチレングリコ―ル−ビス[3−(3−t−ブチル−5
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネ―ト]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルホスホネート ジエチルエステル、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビスもしくはト
リス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、N,N’−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナマミド)、N,N’−トリメチレンビス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミ
ド)などが挙げられ、更に、市販品の具体例としては、
BHT(商品名:武田薬品工業(株)製)、Ionox
100(商標:シェルケミカル社製)、Age Rit
e Superlite(商標:Vander bilt
製)、SantonoxR(商標:モンサント社製)、
Antioxidant ZKF(商標:バイエル社
製)、Irganox 1076(商標:チバ・ガイギー
社製)、HYoechst VPOSPI(商標:ヘキ
スト社製)、Irganox 1010(商標:チバ・
ガイギー社製)等のヒンダードフェノール系安定剤を含
むことが出来る。また、その他にエポキシ系、チオール
系、金属塩系等の安定剤を用いることも出来る。更に、
Cyasorb UV−5411(商標:A.A.C
製)、Cyasorb UV−531(商標:A.C.C
製)、Tinuvin 326(商標:チバ・ガイギー
社製)、Tinuvin 320(同前)、Tinuv
in 234(同前)、Tinuvin 120(同
前)、Uvinul D49(商標:GAF製)等のベン
ゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤を用いることが出
来る。
【0083】また、本発明の組成物に本発明の熱可塑性
樹脂以外の熱可塑性樹脂及び熱硬化樹脂を本発明の主旨
を阻害しない範囲で混合し使用しても何ら差し支えな
い。その際、用いられる熱可塑性樹脂および熱硬化性樹
脂の具体例としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、PTX、ポリスチレン系、
AS、PVC、POM、ポリカ−ボネ−ト、ポリサルホ
ン、ポリエ−テルサルホン、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンナフタレ
−ト、ポリブチレンナフタレ−ト、PCT、液晶ポリマ
−等の熱可塑性樹脂;ビニルエステル樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、
ジアリルフタレ−ト樹脂、アルキッド樹脂、フェノ−ル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹
脂;エチレン/グリシジルメタアクリレ−ト共重合体、
エチレン/アクリレ−ト/グリシジルメタアクリレ−ト
共重合体、SBR、水添SBR、エポキシ基含有SB
R、エポキシ基含有水添SBR、無水マレイン酸含有S
BR、NBR、水添NBR、カルボキシル基含有NB
R、本発明以外のアクリルゴム、官能基含有アクリルゴ
ム、エチレン/プロピレン共重合体、官能基含有エチレ
ン/プロピレン共重合体、シリコンゴム、フッ素系ゴ
ム、ポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラス
トマ−、官能基含有ポリオレフィン系ポリマ−等の耐衝
撃改良剤を添加することも可能である。
【0084】また、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤、
例えば、ブロム化ポリカーボネート及びブロム化ポリカ
ーボネートオリゴマー、ブロム化エポキシ等を更に添加
することも可能である。
【0085】また、ドリップ防止剤として、ポリテトラ
フルオロエチレン(テフロン(登録商標))などを使用
することが出来る。
【0086】更に、本発明の樹脂組成物には、その他顔
料、染料などの着色剤、シリコンオイルや低分子量ポリ
オレフィンおよびペンタエリスリトールテトラステアレ
―ト、モンタン酸エステル、モンタン酸エステルの金属
塩、グリセリンモノステアレートなどのアルキルエステ
ル系等の離型剤、ポリカプロラクトン、ポリエステル、
ポリカーボネートのオリゴマー等の可塑剤、スルホン酸
とアルカリ金属やアルキルホスホニウムなどとの塩化合
物やポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシドな
どのポリアルキレングリコール等の帯電防止剤、架橋ポ
リエステル、架橋ポリアミド、架橋ポリメチルメタクリ
レート等を粒化した有機粒状化合物などおよび赤外線吸
収剤、抗菌剤、結晶核剤等の種々の添加剤を使用しても
よい。
【0087】本発明の樹脂組成物は公知の方法により得
ることが出来、製造するための方法に特に制限はない。
例えば、ブレンダーやミキサーなどを用いて、ドライブ
レンドした後、押出機を用いて溶融混合する方法などが
挙げられるが、通常、1軸または2軸タイプのスクリュ
ー押出機を用いて溶融混合してストランド状に押し出
し、ペレット化する方法等が行われる。成分の混合順序
には特に制限はないが、ガラス繊維や炭素繊維などの長
繊維を充填材に使用する場合には、補強効果が十分に発
現出来るように、これらの繊維の折れがなるべく少なく
なるように混練方法や混練順序を考慮し工夫した方が好
ましいことは当然であり、一例を挙げれば、押出機を用
いて溶融混練する場合、少なくとも2つ以上の原材料供
給口を有する押出機を使用し、樹脂成分のみまたは樹脂
成分および非長繊維状無機充填材を第1供給口(上流
側)から投入し、第2供給口以降(下流側)で該長繊維
を供給するようにしたほうが望ましい。
【0088】上記した本発明の樹脂組成物は、射出成
形、押出成形、ブロー成形等の任意の成形法を用いて、
任意の形の成型品に成形加工することが可能である。
【0089】尚、本発明の態様は、上述したように、成
分(A)としてポリエステル系樹脂と、成分(B)とし
てノボラック型フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂から選ばれ
る少なくとも1種の芳香族系樹脂と、成分(C)として
燐酸エステル系化合物、および成分(D)として燐原子
含有窒素系有機化合物または硫黄原子含有窒素系有機化
合物を配合することを特徴とする樹脂組成物にかかるも
のである。
【0090】本発明の他の態様の一つとしては、成分
(E)として官能基含有スチレン系化合物を配合するこ
とを特徴とする上記の樹脂組成物にかかるものである。
【0091】本発明の他の態様の一つとしては、成分
(F)としてポリオルガノシロキサン系樹脂を配合する
ことを特徴とする上記の各樹脂組成物にかかるものであ
る。
【0092】本発明の他の態様の一つとしては、成分
(G)として無機充填材を配合することを特徴とする上
記の各樹脂組成物にかかるものである。
【0093】本発明の他の態様の一つとしては、(A)
ポリエステル系樹脂と(B)ノボラック型フェノール樹
脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンス
ルフィド系樹脂から選ばれる少なくとも1種の芳香族系
樹脂の混合物合計量50〜95重量%、(C)燐酸エス
テル系化合物5〜40重量%、および(D)燐原子含有
窒素系有機化合物または硫黄原子含有窒素系有機化合物
1〜40重量%からなり、且つ、成分(A)+(B)+
(C)+(D)が100重量%である上記の樹脂組成物
にかかるものである。
【0094】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例により、一
層、具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。以下において、部および%は、特にこと
わりのない限り、全て重量基準であるものとする。
【0095】実施例および比較例において、以下に示す
化合物を使用した。 成分(A): ポリブチレンテレフタレート樹脂(極限
粘度0.75、酸価1.3mgKOH/g) 成分(B):ポリフェニレンエーテル樹脂(商標:YP
X−100L、三菱化学製、クロロホルムを溶剤として
30℃で測定した固有粘度が0.45dl/g) 成分(C):縮合系燐酸エステル(商標:PX200、
大八化学工業(株)製) 成分(D):燐原子含有窒素系有機化合物(ポリ燐酸メ
ラミン)(商標:Meluper200/70、DMS
製) 成分(E):オキサゾニル基変成ポリスチレン(商標:
RPS1005、日本触媒(株)製) 成分(F):シリカ含有ポリオルガノシロキサン系樹脂
パウダー(商標:DC4−7081、東レ・ダウコーニ
ング社製) 成分(G):無機充填材(直径10ミクロンのガラス繊
維)(商標:ヴェトロテックス製)
【0096】本発明で用いられた評価方法について以下
に示す。 [熱可塑性ポリエステル系樹脂の酸価の測定方法]20
0mlの三角フラスコに熱可塑性ポリエステル系樹脂を
1.0〜2.0g精秤し、次いで、ベンジルアルコ−ル
を60ml加えて、三角フラスコ内を窒素ガスで充分に
置換した後、直ちにアルミ箔で封をして三角フラスコを
160℃の恒温油槽に浸して、振動させながら樹脂を完
全に溶解させる。完全に溶解したことを確認し、0.1
%ブロモチモールブルー/エタノール溶液を約1ml加
え、撹拌子を入れ、加熱スターラー上で加熱撹拌しなが
ら、1/50N水酸化カリウム・ベンジルアルコ−ル溶
液にて滴定した。滴定の終点は、液が黄色が黄緑色に変
化した時点とした。次式に従い、熱可塑性ポリエステル
系樹脂の酸価を算出する。
【0097】酸価(mgKOH/g)=〔(V−V0)×F×1.
122〕/S V(ml):試料での1/50N水酸化カリウム・ベンジル
アルコ−ル溶液の滴定量 V0(ml):ブランクの1/50N水酸化カリウム・ベン
ジルアルコ−ル溶液の滴定量 F:1/50N水酸化カリウム・ベンジルアルコール溶
液のファクター S(g):試料の重さ
【0098】[曲げ強さの評価方法]曲げ強さ及び曲げ
弾性率を、射出成形機により、長さ127mm、幅1
2.7mm、厚み3.01mmの棒状試験片を成形し、
ASTM D−790に準拠し、荷重速度5mm/分、
スパン間距離50mmで、島津オートグラフ AG50
00を用いて測定した。
【0099】[アイゾット衝撃値の評価方法]射出成形
機により、長さ127mm、幅12.7mm、厚み3.
01mmの棒状試験片を成形し、この試験片を長手方向
に半分切断し、ゲ−ト側に切削でVノッチを付け、ノッ
チ付き試験片とした。ASTM D−790に準拠し、
アイゾット衝撃値を測定した。
【0100】[難燃性試験の評価方法]アンダーライタ
ーズ ラボラトリーズ インコーポレーション(Underw
riters Laboratories Inc.)の垂直燃焼性試験(UL9
4 V−0、V−1、V−2)により測定した。試験片
の厚みは0.8mmで試験を行い、評価は1回の試験で
5本の試験片を用い、1回目平均燃焼時間、2回目平均
燃焼時間、5本の試験片の合計燃焼時間、ドリッピング
による綿着火の有無で評価し、判定した。
【0101】《実施例1〜5》および《比較例1》、
《比較例2》 上述した原料を用い、表1および表2に従い配合し、タ
ンブラを用いて混合した。配合物を直径40mmの一軸
押出機を用い、シリンダー温度250℃にて溶融混練り
し、ストランド状に押し出したものを冷却後、ペレット
状にカッティングした。得られたペレットを130℃で
3時間乾燥した後、射出成形機にて所定の試験片に成形
し、前述した評価方法に従って評価し、得られた結果を
表1および表2に示した。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、ハロゲン系難燃
剤を使用しなくても優れた難燃性を示すと共に、機械的
強度などの特性のバランスに優れるため、モーターのカ
バーなどのケース部材、トランス部材、コネクタ―、ス
イッチ、リレー、プリント基板、コイルボビンなどの電
気・電子機器部品、自動車部品、機械部品などの成形品
の成形材料として幅広く利用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 61/08 C08L 61/08 71/12 71/12 81/02 81/02 83/06 83/06 85/02 85/02 Fターム(参考) 4J002 BC00Z BC02Z BC12Z BN20Z BP03Z CC04X CF00W CF03W CF04W CF05W CF06W CF07W CF08W CF09W CF10W CF16W CF18W CF19W CH07X CN01X CP025 CP035 CP055 CP095 CP125 CP135 CP155 CP165 CQ01Y DA018 DE138 DE238 DG047 DG048 DG058 DH027 DH057 DJ008 DJ018 DJ038 DJ048 DJ058 DK008 DL008 EU187 EW046 EW127 FA018 FA048 FA088 FB088 FB098 FB168 FD018 FD13Y FD135 FD136 FD137 GM00 GN00 GQ00 GQ01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(A)としてポリエステル系樹脂
    と、成分(B)としてノボラック型フェノール樹脂、ポ
    リフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィ
    ド系樹脂から選ばれる少なくとも1種の芳香族系樹脂
    と、成分(C)として燐酸エステル系化合物、および成
    分(D)として燐原子含有窒素系有機化合物または硫黄
    原子含有窒素系有機化合物を配合することを特徴とする
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(E)として官能基含有スチレン系
    化合物を配合することを特徴とする請求項1に記載の樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(F)としてポリオルガノシロキサ
    ン系樹脂を配合することを特徴とする請求項1または2
    に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(G)として無機充填材を配合する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 (A)ポリエステル系樹脂と(B)ノボ
    ラック型フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
    脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂から選ばれる少な
    くとも1種の芳香族系樹脂の混合物合計量50〜95重
    量%、(C)燐酸エステル系化合物5〜40重量%、お
    よび(D)燐原子含有窒素系有機化合物または硫黄原子
    含有窒素系有機化合物1〜40重量%からなり、且つ、
    成分(A)+(B)+(C)+(D)が100重量%で
    ある請求項1に記載の樹脂組成物。
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