JP2002223020A - フッ素分子レーザ装置、及びフッ素露光装置 - Google Patents

フッ素分子レーザ装置、及びフッ素露光装置

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JP2002223020A
JP2002223020A JP2001017838A JP2001017838A JP2002223020A JP 2002223020 A JP2002223020 A JP 2002223020A JP 2001017838 A JP2001017838 A JP 2001017838A JP 2001017838 A JP2001017838 A JP 2001017838A JP 2002223020 A JP2002223020 A JP 2002223020A
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fluorine
spectral
gas
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Shinji Nagai
伸治 永井
Osamu Wakabayashi
理 若林
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Gigaphoton Inc
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70008Production of exposure light, i.e. light sources
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な手段で精度良くスペクトル特性を推測
し、これを許容範囲内に収めることの可能なフッ素分子
レーザ装置及びフッ素露光装置を提供する。 【解決手段】 フッ素を含むレーザガスを封入したレー
ザチャンバ(2)内で主放電(26)を起こしてフッ素分子レ
ーザ光(11)を発振させるフッ素分子レーザ装置におい
て、レーザチャンバ(2)内部のレーザガスのガス圧力(P)
を検出し、フッ素分子レーザ光(11)のスペクトル特性と
ガス圧力(P)との関係に基づいてスペクトル特性が所定
の許容範囲にあるようなガス圧力(P)の圧力範囲(Pm-PM)
を設定し、ガス圧力(P)を、圧力範囲(Pm-PM)内に収める
ような制御を行なうことを特徴とするフッ素分子レーザ
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素分子レーザ
装置、及びフッ素分子レーザ装置から発振したフッ素分
子レーザ光を用いて露光を行なうフッ素露光装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エキシマレーザ装置から発振したエキシ
マレーザ光を用いて、ウェハなどの露光を行なうエキシ
マ露光装置の基本的な構成を、図12に示す。図12に
おいて、エキシマ露光装置は、エキシマレーザ光111
を発振するエキシマレーザ装置101と、発振したエキ
シマレーザ光111を用いてウェハ137の露光を行な
う露光機125とを備えている。
【0003】エキシマレーザ装置101は、レーザガス
が所定の圧力で封入されたレーザチャンバ102を備え
ている。レーザチャンバ102の内部に対向して配設さ
れた一対の放電電極104,105間に、高圧電源11
3から高電圧を印加することにより、レーザ光111が
パルス発振する。発振したレーザ光111は、レーザチ
ャンバ102後部のウィンドウ109を透過し、プリズ
ム122,122で拡大されてグレーティング123で
波長を狭帯域化され、一部がフロントミラー106から
出射する。このとき、グレーティング123を波長狭帯
域化素子と言う。波長狭帯域化素子としては、グレーテ
ィング123以外に、例えばエタロンを用いる場合があ
る。出射したレーザ光111は、露光機125に入射す
る。そして、レチクル135と呼ばれるマスクのパター
ンを縮小投影レンズ136を介してウェハ137に投影
することにより、ウェハ137の露光を行なっている。
114は、ミラーである。
【0004】このとき、レーザ光111の一部は、レー
ザチャンバ102の前方に配置されたビームスプリッタ
112で図12中下向きに反射され、レーザ光111の
スペクトル特性を計測するモニタモジュール116に入
射する。モニタモジュール116内には、レーザ光11
1のパルスエネルギーを検出するパワー検出器115
と、レーザ光111の中心波長及びスペクトル幅を検出
するモニタエタロン117とが備えられている。モニタ
エタロン117は、レーザ光111の中心波長及びスペ
クトル幅に応じた干渉縞118を生じる。レーザコント
ローラ131は、この干渉縞118の位置を位置センサ
119で計測し、これに基づいて、中心波長及びスペク
トル幅からなるスペクトル特性を検出する。そして、こ
のスペクトル特性が、露光機125から要求される許容
範囲に収まるように、グレーティング123のレーザ光
111に対する角度を制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術には、次に述べるような問題がある。即ち、近年
の半導体の微細化に伴い、エキシマレーザ光111より
波長の短いフッ素分子レーザ光を発振するフッ素分子レ
ーザ装置を光源として露光を行なう、フッ素露光装置が
知られている。ところが、フッ素分子レーザ装置におい
ては、グレーティング123やエタロン等を用いて狭帯
域化を行なうと、発振するレーザ光のパルスエネルギー
が大変小さくなり、露光に充分なパルスエネルギーを得
るのが困難である。
【0006】また、フッ素露光装置の露光機が要求する
スペクトル幅も、例えば0.1〜1pmと非常に狭いも
のになる。さらに、要求される中心波長の安定性も、非
常に精度が高いものとなっている。ところが、グレーテ
ィング123やエタロン等を波長の狭帯域化に用いる
と、その角度をわずかに変化させただけで、スペクトル
幅や中心波長が大きく変動する。その結果、従来技術の
ようにグレーティング123のレーザ光111に対する
角度を制御して、スペクトル特性を要求される範囲に抑
えるのは困難である。さらに、モニタエタロン117に
よって生じた干渉縞118に基づいてスペクトル特性を
演算するためには、複雑な計算過程が必要であるため、
スペクトル特性の制御が間に合わなくなる場合がある。
【0007】本発明は、上記の問題に着目してなされた
ものであり、簡便な手段で精度良くスペクトル特性を推
測し、これを許容範囲内に収めることの可能なフッ素分
子レーザ装置及びフッ素露光装置を提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、本発明は、フッ素を含むレーザガ
スを封入したレーザチャンバ内で、放電電極間に高電圧
を印加することによって主放電を起こし、フッ素分子レ
ーザ光を発振させるフッ素分子レーザ装置において、フ
ッ素分子レーザ光のスペクトル特性を変化させるスペク
トルパラメータの値を検出する検出器と、スペクトル特
性が所定の許容範囲内にあるような、スペクトルパラメ
ータの許容範囲を設定するレーザコントローラとを備
え、レーザコントローラが、スペクトルパラメータを制
御して所定の許容範囲内に収めることにより、スペクト
ル特性を許容範囲に収める制御を行なっている。
【0009】フッ素レーザ装置においては、レーザ光の
スペクトル特性は、さまざまなスペクトルパラメータに
対して密接な関係があることが知られており、スペクト
ルパラメータが変動するとスペクトル特性も変動する。
従って、スペクトル特性が要求される許容範囲に入るよ
うなスペクトルパラメータの範囲を定め、スペクトルパ
ラメータがこの範囲に入るようにフッ素レーザ装置を制
御することにより、スペクトル特性を許容範囲に収める
ことが可能である。かかる構成によれば、スペクトル特
性を検出するための複雑な装置が不要であり、しかも確
実にスペクトル特性を許容範囲内に収めることができ
る。また、このスペクトル特性を、フッ素分子レーザ光
の中心波長、スペクトル幅、及びスペクトル純度のうち
少なくとも1つとすることにより、露光に適したレーザ
光を得ることができる。
【0010】また、本発明は、前記スペクトルパラメー
タが、レーザガスのガス圧力、ガス温度、フッ素濃度、
レーザチャンバ内の不純物量、高電圧、及びパルス発振
数のうち、少なくともいずれか1つである。レーザガス
のガス圧力、ガス温度、フッ素濃度、レーザチャンバ内
の不純物量、高電圧、及びパルス発振数は、いずれもス
ペクトル特性に密接な関連を有している。従って、これ
らのうちの少なくとも1つを制御することにより、効率
的にスペクトル特性を許容範囲内に収めることができ
る。
【0011】また、本発明は、前記スペクトルパラメー
タが、レーザガスのガス圧力を含み、レーザコントロー
ラは、フッ素分子レーザ光のスペクトル特性とガス圧力
との関係に基づいて、スペクトル特性が所定の許容範囲
にあるようなガス圧力の圧力範囲を設定し、検出したガ
ス圧力を圧力範囲内に収めるような制御を行なってい
る。スペクトルパラメータのうち、ガス圧力は、スペク
トル特性に対して特に密接な関係を有している。従っ
て、ガス圧力を制御することにより、効率的にスペクト
ル特性を許容範囲内に収めることができる。
【0012】また、本発明は、レーザコントローラは、
レーザチャンバ内のフッ素の濃度を推定し、推定したフ
ッ素の濃度に基づいてフッ素分子レーザ光のスペクトル
特性とスペクトルパラメータとの関係を補正し、スペク
トル特性が所定の許容範囲内となるためのスペクトルパ
ラメータの許容範囲を変更している。フッ素分子レーザ
光のスペクトル特性とスペクトルパラメータとの関係
は、フッ素濃度によって変化する。従って、フッ素濃度
に基づいて両者の関係を補正し、スペクトル特性が許容
範囲となる許容範囲を変更することにより、スペクトル
特性とスペクトルパラメータとの関係を正確に得ること
ができる。従って、スペクトルパラメータが、この補正
された許容範囲内に入るようにすることにより、より確
実にスペクトル特性を許容範囲内に収めることが可能で
ある。
【0013】また、本発明は、フッ素を含むレーザガス
を封入したレーザチャンバ内で主放電を起こしてフッ素
分子レーザ光を発振させるフッ素分子レーザ装置におい
て、フッ素分子レーザ光のスペクトル特性を変化させる
ような、レーザガスのスペクトルパラメータを検出する
検出器と、フッ素分子レーザ光のスペクトル特性とスペ
クトルパラメータとの関係に基づいて、スペクトル特性
が所定の許容範囲にあるようなスペクトルパラメータの
許容範囲を設定するレーザコントローラとを備え、レー
ザコントローラは検出したスペクトルパラメータが許容
範囲の範囲外にある場合には、スペクトル特性が異常で
あると判断している。
【0014】スペクトルパラメータとスペクトル特性と
の間には密接な関係があるため、スペクトルパラメータ
に基づいて、スペクトル特性の異常を確実に判定でき
る。従って、スペクトル特性を検出するための装置を別
途備える必要がなく、また、スペクトル特性が異常なレ
ーザ光によって露光が行なわれて、露光が不良となるの
を防止することができる。また、レーザガスのガス圧
力、ガス温度、フッ素濃度、レーザチャンバ内の不純物
量、高電圧、及びパルス発振数は、いずれもスペクトル
特性に密接な関連を有している。従って、これらのうち
の少なくとも1つを制御することにより、スペクトル特
性の異常を正確に判断できる。特に、ガス圧力はスペク
トル特性に最も密接に関連しているので、これに基づい
てスペクトル特性の異常を判断することにより、より判
断が正確になる。
【0015】また、本発明は、フッ素を含むレーザガス
を封入したレーザチャンバ内で主放電を起こしてフッ素
分子レーザ光を発振させるフッ素分子レーザ装置と、フ
ッ素分子レーザ光を被露光物に照射して露光を行なう露
光機とを備えたフッ素露光装置において、フッ素分子レ
ーザ光のスペクトル特性を変化させるような、レーザガ
スのスペクトルパラメータを検出する検出器と、スペク
トル特性が所定の許容範囲にあるような、スペクトルパ
ラメータの許容範囲を設定するレーザコントローラとを
備え、スペクトルパラメータとスペクトルパラメータの
許容範囲とに基づいて、フッ素分子レーザ光のスペクト
ル特性を推定し、推定したスペクトル特性に基づいて露
光機の調整を行なっている。
【0016】かかる構成によれば、スペクトルパラメー
タに基づいてスペクトル特性を推定している。密接な関
連を有するスペクトルパラメータに基づいて推定するこ
とで、スペクトル特性を正確に推定できる。そして、こ
のスペクトル特性に基づき、露光機が、例えば縮小投影
レンズの位置などを補正することが可能である。これに
より、露光機のシステムの最適化が行なわれるため、露
光の解像度が向上する。また、レーザガスのガス圧力、
ガス温度、フッ素濃度、レーザチャンバ内の不純物量、
高電圧、及びパルス発振数のうち、少なくともいずれか
1つに基づいてスペクトル特性を推測することで、推測
が正確になる。さらに、ガス圧力に基づいてスペクトル
特性を推測することで、推測がより正確になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、本発明
に係る実施形態を詳細に説明する。まず、第1実施形態
を説明する。図1は、本実施形態に係るフッ素露光装置
の構成図を示している。フッ素露光装置は、フッ素分子
レーザ光11を発振させるフッ素分子レーザ装置1と、
フッ素分子レーザ光11を用いてウェハ37を露光する
露光機25とを備えている。尚、以下の説明では、フッ
素分子レーザ装置をフッ素レーザ装置1、フッ素分子レ
ーザ装置から発振するフッ素分子レーザ光を、レーザ光
11と呼ぶ。図1において、フッ素レーザ装置1は、レ
ーザ媒質であるレーザガスを封入するレーザチャンバ2
を備えている。レーザガスには、フッ素(F2)とバッ
ファガスであるネオン(Ne)とが、所定の組成で含ま
れている。レーザチャンバ2の内部には一対の放電電極
4,5が対向して配置されている。放電電極4,5は、
図示しない放電回路を介して高圧電源13に接続されて
いる。高圧電源13は、電気的に接続されたレーザコン
トローラ31の指示に基づいて放電電極4,5に高電圧
Vを印加する。これにより、放電電極4,5間で主放電
26が起き、レーザガスを励起してレーザ光11を発振
させる。
【0018】レーザチャンバ2の前後部には、レーザ光
11を透過するフロントウィンドウ7及びリアウィンド
ウ9がそれぞれ付設されている。レーザチャンバ2の前
方(図1中右方)及び後方には、所定幅の開口部を有す
るフロントスリット16及びリアスリット17が、それ
ぞれ配置されている。フロントスリット16の前方に
は、レーザ光11を部分透過するフロントミラー6が設
置されている。また、リアスリット17の後方には2個
の分散プリズム18,18が配置され、分散プリズム1
8,18の後方には、レーザ光11を全反射するリアミ
ラー8が配置されている。レーザチャンバ2内部で発振
したレーザ光11は、ウィンドウ7,9及び分散プリズ
ム18,18を通過し、リアミラー8とフロントミラー
6との間で反射して往復されるうちに増幅され、その一
部がフロントミラー6を透過して取り出される。
【0019】レーザチャンバ2の前方には、レーザ光1
1の一部をサンプリングするビームスプリッタ12が配
置されている。ビームスプリッタ12を透過したレーザ
光11は、ステッパ等の露光機25に入射する。レーザ
光11は、露光機25内部で図示しない光学系によって
強度分布を均一化され、レチクル35と呼ばれるマスク
に照射される。レチクル35に設けられたパターンを通
過したレーザ光11は、縮小投影レンズ36によってウ
ェハ37に照射され、露光が行なわれる。また、ビーム
スプリッタ12で図1中上方に反射されたレーザ光11
Aは、パワー検出器15に入射する。パワー検出器15
は、パルスエネルギーに応じた電気信号をレーザコント
ローラ31に出力する。レーザコントローラ31は、こ
の電気信号に基づいて、レーザ光11のパルスエネルギ
ー、及びレーザ光11がパルス発振したパルス数を検出
する。そして、パルスエネルギーが一定となるように、
高電圧Vの値を高圧電源13に指令しており、これをパ
ワーロック制御という。このときレーザコントローラ3
1は、主放電26を安定に行なうために、常に高電圧V
を下限値Vm以上、上限電圧VM以下としておく必要が
ある。
【0020】レーザチャンバ2には、内部のガス圧力P
を測定する圧力測定器24が接続されており、ガス圧力
Pに応じた電気信号を、電気的に接続されたレーザコン
トローラ31に出力する。レーザコントローラ31は、
この電気信号に基づいて、レーザチャンバ2内部のガス
圧力Pを検出自在となっている。また、レーザチャンバ
2には、排気配管16と注入配管17とが接続されてい
る。レーザガスをレーザチャンバ2の外部へ排気する排
気配管16には、排気バルブ27と排気ポンプ19とが
接続されており、排気バルブ27はレーザコントローラ
31からの指示信号に基づいて開閉動作する。尚、排気
ポンプ19の排気側には図示しないフッ素処理装置が接
続されており、排気ガスからフッ素を除去している。
【0021】レーザガスをレーザチャンバ2内部に注入
する注入配管17には、フッ素をネオン等のバッファガ
スで希釈した希釈フッ素ガス(以下、フッ素ガスと言
う)を封入したフッ素ガスボンベ20と、例えばネオン
等のバッファガスを封入したバッファガスボンベ21と
が接続されている。フッ素ガスボンベ20及びバッファ
ガスボンベ21は、レーザコントローラ31からの指示
信号によって開閉動作するフッ素ガスバルブ22及びバ
ッファガスバルブ23の開閉によって、レーザチャンバ
2内部に注入される。
【0022】図2により、レーザ光11の発振波長につ
いて説明する。図2において、横軸はレーザ光11の波
長λ、縦軸はレーザ光11の強度Eである。尚、以下の
説明では、フッ素レーザ装置1から出射するレーザ光1
1の中心波長λc、スペクトル幅Δλ、及びスペクトル
純度Fを、レーザ光11のスペクトル特性と言う。スペ
クトル純度Fとは、図2に示すように、レーザ光11の
エネルギーの例えば95%が収まる斜線領域の波長幅F
を示している。この値が小さいほどレーザ光11の波長
中に中心波長λcから離れた成分が混じらなくなるた
め、露光に好適である。尚、このスペクトル純度Fは、
露光機25の要求により、エネルギーの何%が収まる領
域であるかが異なり、例えば90〜99.5%程度が一
般的である。また、スペクトル幅Δλは、図示していな
いが、波長の半値全幅(FWHM)を表しており、やは
りこの値が小さいほど露光に好適である。
【0023】図2に示すように、レーザチャンバ2内部
で発振したレーザ光11中には、波長の長い、強いライ
ン光11A(中心波長157.63nm)と、波長の短
い、弱いライン光11B(中心波長157.52nm)と
が混在している。強いライン光11Aと弱いライン光1
1Bとは波長が異なるため、分散プリズム18,18に
入射及び出射する際の屈折角度に差が生じる。そのた
め、強いライン光11Aと弱いライン光11Bとは、2
個の分散プリズム18,18を通過するうち、その光路
が少しずつずれていく。その結果、分散プリズム18,
18を通過した強いライン光11Aは、スリット16,
17の開口部を抜けて、フロントミラー8から出射す
る。これに対し、弱いライン光11Bは、2個の分散プ
リズム18,18を通過する間に光路をずらされ、フロ
ントスリット16又はリアスリット17で遮られて発振
しなくなる。フッ素レーザ装置1では、このようにして
強いライン光11Aのみを発振させることにより、レー
ザ光11の波長の狭帯域化を行なっている。
【0024】フッ素レーザ装置1を、露光機25の光源
として用いる場合には、露光機25は露光を良好に行な
うため、レーザ光11のスペクトル特性を所定の許容範
囲内に収めることを要求する。ところが、フッ素レーザ
装置1においては、レーザチャンバ2内のガス圧力Pと
レーザ光11のスペクトル特性との間には密接な関係が
あり、ガス圧力Pが変動すると、スペクトル特性が敏感
に変動することが知られている。本実施形態では、この
ガス圧力Pをスペクトルパラメータとして、これを制御
することによってスペクトル特性を所定の許容範囲内に
制御している。
【0025】図3に、横軸にガス圧力Pをとり、縦軸に
中心波長λc、スペクトル幅Δλ、及びスペクトル純度
Fをとったグラフを示す。このように、ガス圧力Pが増
加すると、中心波長λcは長くなり、スペクトル幅及び
スペクトル純度Fは大きくなる(劣化する)。図3の縦
軸には、中心波長λc、スペクトル幅Δλ、及びスペク
トル純度Fについて、露光機25が要求する許容範囲λ
1〜λ2,Δλ1〜Δλ2,F1〜F2がそれぞれ示さ
れている。図3に示すように、例えばガス圧力Pと中心
波長λcとの関係より、中心波長λcの許容範囲λ1〜λ
2に対して、ガス圧力Pの圧力許容範囲P1〜P2が定
まる。同様に、スペクトル幅Δλの許容範囲Δλ1〜Δ
λ2に対して圧力許容範囲P3〜P4が、スペクトル純
度Fの許容範囲F1〜F2に対して圧力許容範囲P5〜
P6が、それぞれ定まることになる。
【0026】これらの圧力許容範囲P1〜P2,P3〜
P4,P5〜P6を、すべて満足する圧力範囲を、圧力
範囲Pm〜PMとする。図3の例では、圧力範囲の下限
Pm=P3、上限PM=P6となっている。即ち、ガス
圧力Pが常に圧力範囲Pm〜PMの中に入ると、中心波
長λc、スペクトル幅Δλ、及びスペクトル純度Fのす
べてが許容範囲内に入ることになる。従って、レーザコ
ントローラ31は、ガス圧力Pを制御することにより、
中心波長λc、スペクトル幅Δλ、及びスペクトル純度
Fのすべてを、許容範囲内に入れることが可能となる。
尚、中心波長λc、スペクトル幅Δλ、及びスペクトル
純度Fのすべてについて、許容範囲を満足するように圧
力範囲Pm〜PMを定めると限られるものではない。例
えば、露光機25が中心波長λc及びスペクトル幅Δλ
に対してのみ許容範囲を指定しているのであれば、この
両者の許容範囲のみを満たすように、圧力範囲Pm〜P
Mを定めるようにすればよい。さらには、例示したスペ
クトル特性に限られるものではなく、他の波長のパラメ
ータに対して圧力範囲Pm〜PMを定めてもよい。
【0027】さらには、圧力範囲の下限値Pmについて
は、スペクトル幅Δλ及びスペクトル純度Fの圧力許容
範囲の下限値P3,P5を考慮せず、中心波長λcの圧
力許容範囲P1〜P2の下限値P1を圧力範囲の下限値
Pmとしてもよい。即ち、スペクトル幅Δλ及びスペク
トル純度Fについては、一般的にその値が小さいほど露
光が良好になる。そのため、露光機25からの要求に、
スペクトル幅Δλ及びスペクトル純度Fの下限値が含ま
れないことがあるため、これから求められる圧力許容範
囲を圧力範囲Pm〜PMに含めないようにしてもよい。
【0028】以下、ガス圧力Pを圧力範囲Pm〜PM内
に収めるための手順について、具体的に説明する。ま
ず、レーザ光11の発振前に、レーザコントローラ31
はレーザチャンバ2内部を排気し、フッ素ガス及びバッ
ファガスからなるレーザガスを、所定の組成で注入す
る。このように、レーザチャンバ2内部のレーザガスを
すべて入れ替えることを全ガス交換と呼び、全ガス交換
直後のガスの組成を初期組成と言う。このとき、全ガス
交換後のレーザチャンバ2内部のガス圧力Pを圧力範囲
Pm〜PM内とすることにより、全ガス交換直後にレー
ザ発振を開始した場合に、常にスペクトル特性を許容範
囲内に収めることが可能である。
【0029】次に、レーザ発振中の制御について説明す
る。図4に、第1実施形態に係るガス圧力Pの制御を行
なうための手順の一例を、フローチャートで示す。図4
において、レーザ発振が開始されると(ステップS
1)、レーザコントローラ31は圧力測定器24の電気
信号に基づき、ガス圧力Pを常にモニタリングする。そ
して、ガス圧力Pを下限値Pmよりも少し高い圧力Pm
1、及び上限値PMよりも少し低い圧力PM1と比較す
る(ステップS2)。このとき、Pm<Pm1<PM1
<PMである。そして、ガス圧力Pが、Pm1以上PM
1以下の場合にはS2に戻る。
【0030】また、S2において、ガス圧力PがPm1
以上PM1以下でない場合には、ガス圧力Pを圧力PM
1と比較し、ガス圧力Pが圧力PM1よりも大きい場合
には、排気を開始する(ステップS4)。そして、圧力
が圧力PM1になるまで排気を行ない(ステップS
6)、排気を停止して(ステップS7)、ステップS2
に戻る。また、ステップS3において、ガス圧力Pが圧
力PM1よりも小さい場合には、P<Pm1であるか
ら、フッ素ガスとバッファガスとを所定量注入する(ス
テップS8)。そして、圧力が圧力Pm1になるまで注
入を行ない(ステップS9)、注入を停止して(ステッ
プS10)、ステップS2に戻る。即ち、ガス圧力Pが
上限値PM又は下限値Pmに近づいた場合に、レーザガ
スを排気したり新たに注入したりして、常にガス圧力P
が圧力範囲Pm〜PM内に収めるようにしてレーザ発振
を行なっている。これにより、レーザ光11のスペクト
ル特性が常に許容範囲内となり、露光を好適に行なうこ
とができる。
【0031】図5に、第1実施形態に係るガス圧力Pの
制御を行なうための手順の他の一例を、フローチャート
で示す。図5において、レーザ発振が開始されると(ス
テップS21)、レーザコントローラ31は圧力測定器
24の電気信号に基づき、ガス圧力Pを常にモニタリン
グする。そして、ガス圧力Pを圧力範囲Pm〜PMと比
較し(ステップS22)、ガス圧力Pが圧力範囲Pm〜
PM外となった場合には、シャッタ30に閉動作を指示
し(ステップS43)、レーザ光11を遮断する。そし
て、露光機25にスペクトル特性が許容範囲外となった
ことを告げる波長異常信号を出力し(ステップS4
4)、レーザ発振を停止する(ステップS46)。
【0032】その後、レーザコントローラ31は、レー
ザチャンバ2内のレーザガスを一部排気し、フッ素ガス
及びバッファガスをレーザチャンバ2内に注入すること
により、レーザチャンバ2内のガスの一部交換を行なう
(ステップS47)。即ち、ガス圧力Pの変化は、レー
ザガス中に発生した不純物等が一因と考えられるため、
例えば、レーザチャンバ2内部の3分の1程度のレーザ
ガスを交換してリフレッシュする。このとき、交換後の
レーザチャンバ2内のガス圧力Pを、上記圧力範囲Pm
〜PMに収めることにより、レーザ発振を開始した場合
のスペクトル特性が、許容範囲内に収まる。
【0033】そして、レーザ発振を開始し(ステップS
49)、パワーロック制御を行なったときの高電圧V
を、その上限電圧VMと比較する(ステップS51)。
高電圧Vが上限値以上であれば、レーザガスの交換量が
足りないと判断し、ステップS47に戻って再度レーザ
ガスの一部交換を行なう。また、ステップS51で高電
圧Vが上限電圧VM未満であれば、露光機25にスペク
トル特性が許容範囲内となったことを告げる波長正常信
号を出力し(ステップS52)、シャッタ30を開いて
(ステップS53)ステップS22に戻る。或いは、ス
テップS47〜S51において、すべてのレーザガスを
排気し、レーザガスを全ガス交換してもよい。この場合
も、全ガス交換後のレーザチャンバ2内部のガス圧力P
を圧力範囲Pm〜PMに収めることにより、レーザ発振
を開始した場合に、スペクトル特性が許容範囲内に収ま
る。
【0034】また、ステップS22において、ガス圧P
が圧力範囲Pm〜PM内にある場合には、高圧電源13
に印加された高電圧Vと上限電圧VMとを比較し(ステ
ップS23)、高電圧Vが上限電圧VM未満であれば、
ステップS22に戻る。そして、ステップS23におい
て、高電圧Vが上限電圧VM以上の場合には、フッ素ガ
スを所定量ΔP1だけ注入する(ステップS24)。こ
のときに、ガス圧Pが圧力範囲の上限PMとなるか(ス
テップS26)、又は注入量が所定量ΔP1となった場
合に(ステップS27)、注入を停止し(ステップS2
8)、高電圧Vと上限電圧VMとを比較する(ステップ
S30)。
【0035】ステップS30で、高電圧Vが上限電圧V
M未満であれば、ステップS22に戻る。また、ステッ
プS30で、高電圧Vが上限電圧VM以上であれば、排
気を開始する(ステップS31)。このときに、ガス圧
Pが常に圧力範囲の下限Pm以上であるようにしながら
(ステップS32)、排気量が所定量ΔP2となるまで
排気を行ない(ステップS34)、排気を停止する(ス
テップS35)。即ち、ガス圧Pが常に圧力範囲の下限
Pm以上となるようにしている。
【0036】そして、フッ素ガス及びバッファガスを所
定の組成で注入する(ステップS36)。このとき、ガ
ス圧Pが常に圧力範囲の上限PM以下であるようにしな
がら(ステップS38)、フッ素ガスの注入量が所定量
ΔP3となり、バッファガスの注入量が所定量ΔP4と
なるまで注入を行ない(ステップS39)、注入を停止
する(ステップS41)。そして、高電圧Vと上限電圧
VMとを比較し(ステップS42)、高電圧Vが上限電
圧VM未満であればステップS22に戻るが、高電圧V
が上限電圧以上であれば、S43に移る。
【0037】尚、上記のフローチャートにおいて、ガス
を注入・排気する所定量ΔP1〜ΔP4は、予め定めて
おいてもよいが、パルス発振したレーザ光11のパルス
数等、レーザチャンバ2内部の状況によって変更すると
なお良い。例えば、ステップS31〜S41において
は、ガス圧力Pが常に圧力範囲Pm〜PMを越えないよ
うにしながらフッ素及びバッファガスを注入・排気す
る。そして、排気後のレーザチャンバ2内のガス組成
が、レーザ発振前の初期組成となるべく同じになるよう
にしている。そのためには、例えばフッ素ガス及びバッ
ファガスの注入量の合計(ΔP3+ΔP4)を、排気す
る所定量ΔP2と常に略一致させるとよい。さらには、
例えば排気時に、ステップS32でガス圧力Pが圧力P
m以下になったような場合には、注入量の合計をその時
点までの排気量に合わせるようにすると良い。
【0038】また、ステップS26,S32,S38に
おいて、圧力範囲の上限値PMや下限値Pmまで注入や
排気を行なうのではなく、上限値PMよりも低い圧力P
M1までガスを注入したり、下限値Pmよりも高い圧力
Pm1まで排気したりするようにしてもよい。さらに
は、ステップS22において、ガス圧力Pを圧力範囲P
m〜PMと比較するのではなく、より狭い圧力範囲Pm
1〜PM1と比較するようにしてもよい。このように、
ガス圧力Pが圧力範囲Pm〜PMから外れてから制御を
行なうのではなく、早めに対策を施すことにより、スペ
クトル特性が許容範囲を外れるのをより確実に防止可能
である。
【0039】以上説明したように、第1実施形態によれ
ば、要求されるスペクトル特性の各項目(中心波長λ
c、スペクトル幅Δλ、及びスペクトル純度F)に対し
て、圧力許容範囲をそれぞれ設定している。そして、こ
れらの圧力許容範囲をすべて満たす圧力範囲Pm〜PM
を設定し、ガス圧力Pが常に圧力範囲Pm〜PM内に収
まるようにしている。フッ素レーザ装置1のスペクトル
特性は、ガス圧力Pに対する依存性が高く、ガス圧力P
の変化に対するスペクトル特性の変化が予測可能であ
る。従って、ガス圧力Pをこの圧力範囲Pm〜PM内に
収めることにより、レーザ光11のスペクトル特性を要
求される許容範囲に収めることができる。これにより、
許容範囲内のスペクトル特性のレーザ光11で露光を行
なうことができるので、露光が常に良好に行なわれ、不
良率が減少する。
【0040】特に、ガス圧力Pは、急激に変化すること
は少ないため、ガス圧力Pをモニタリングすることによ
り、スペクトル特性が許容範囲から外れそうになること
を予め察知できる。従って、例えば図4のフローチャー
トに示したように対策を早めに施して、ガス圧力Pを圧
力範囲Pm〜PMに戻すことにより、スペクトル特性を
許容範囲から外れないようすることが可能である。
【0041】また、図5のフローチャートに示すよう
に、レーザチャンバ2内のガス圧力Pをモニタリングす
ることにより、スペクトル特性が所定の許容範囲から外
れたことを検知することが可能である。従って、波長異
常信号を露光機25に通知して露光を停止することがで
きるので、スペクトル特性が許容範囲から外れたレーザ
光11によって不適切な露光が行なわれることがなく、
露光の不良が防止できる。また、スペクトル特性を検出
する検出装置が不要であり、スペクトル特性を求めるた
めに必要となる複雑な計算も不要である。また、レーザ
発振中に高電圧Vが上昇した場合には、ガス圧力Pを圧
力範囲Pm〜PM内に留めながらレーザガスの一部交換
などを行なっている。これにより、不純物などで劣化し
たレーザガスが一部リフレッシュされるので、レーザ光
11を停止させることなく高電圧Vを下げることがで
き、発振をより長く続けられる。しかも、ガス圧力Pが
圧力範囲Pm〜PM内にあるので、スペクトル特性が許
容範囲から外れることがない。従って、露光を良好に行
ないながら、全ガス交換までの期間を長くすることがで
きるので、露光の効率が向上する。
【0042】尚、上記の各フローチャートにおいて、圧
力範囲Pm〜PMを常に一定としているが、これに限ら
れるものではない。例えば、露光機25が必要とするス
ペクトル特性の許容範囲が変化した場合には、露光機2
5はレーザコントローラ31に対して、スペクトル特性
の許容範囲の変更を通知する。レーザコントローラ31
は、通信によって露光機25から送られたスペクトル特
性の許容範囲の要求に基づき、圧力範囲Pm〜PMを補
正するようにすればよい。
【0043】次に、第2実施形態について説明する。図
6は、第2実施形態に係るフッ素露光装置の構成図であ
る。図6において、注入配管17の、フッ素ガスバルブ
22及びバッファガスバルブ23と、フッ素ガスボンベ
20及びバッファガスボンベ21との間には、フッ素流
量制御装置32及びバッファガス流量制御装置33が、
それぞれ介装されている。また、排気配管16の排気バ
ルブ27と排気ポンプ19との間にも、排気流量制御装
置34が介装されている。各流量制御装置32〜34
は、レーザコントローラ31からの指示信号によって、
配管16,17を流れるガスの流量を変更自在となって
いる。
【0044】例えば、露光機25から要求されるスペク
トル特性の許容範囲が非常に狭いような場合には、圧力
範囲Pm〜PMも非常に狭いものとなり、ガス圧力Pを
なるべく変動させないようにすることが必要となる。図
7に、第2実施形態に係るフッ素レーザ装置1を用い
て、上記図5に示したフローチャートのステップS24
〜S28におけるフッ素ガスの注入を、ガス圧力Pを変
動させないように行なった場合の例をフローチャートで
示す。図7において、レーザコントローラ31は、フッ
素ガスの注入を開始すると同時に、排気を開始する(ス
テップS61)。このとき、レーザコントローラ31
は、予めフッ素流量制御装置32及び排気流量制御装置
34に信号を出力し、フッ素の注入流量と排気流量とが
略同一となるようにしている。
【0045】そしてレーザコントローラ31は、ガス圧
力Pを圧力範囲Pm〜PMより狭い圧力範囲Pm1〜P
M1と比較する(ステップS62)。ガス圧力Pが圧力
範囲Pm1〜PM1内にあれば、フッ素ガスの注入量及
び排気量を所定量ΔP5と比較して(ステップS6
3)、フッ素ガスの注入量及び排気量が所定量ΔP5と
なると、フッ素ガスの注入及び排気を停止する(ステッ
プS64)。また、ステップS66で、ガス圧力Pが圧
力範囲Pm1〜PM1にない場合には、ガス圧力Pを圧
力PM1と比較する(ステップS66)。ガス圧力Pが
圧力PM1よりも小さい場合には、ガス圧力Pが圧力P
m1よりも低いと判断できる。従って、フッ素流量制御
装置32及び排気流量制御装置34に信号を出力して、
フッ素の注入流量を増加させ、排気流量を減少させて、
ガス圧力Pを増加させる。また、ステップS66でガス
圧力Pが圧力PM1よりも大きい場合には、逆にフッ素
の注入流量を減少させ、排気流量を増加させて、ガス圧
力Pを減少させる。即ち、ガス圧力Pが圧力範囲Pm〜
PMから外れそうになると、ガスの注入流量と排気流量
とを増減し、常に同じ流量で注入と排気を行なうように
している。
【0046】このようなステップS61〜S68をステ
ップS24〜S28と置き換えることにより、ガス圧力
Pを変動させずにフッ素ガスの注入を行なうことが可能
である。これは、ステップS31〜S41における、フ
ッ素ガス及びバッファガスの注入に関しても同様であ
る。即ち、ガス圧力Pが高い場合には、フッ素ガス及び
バッファガスの注入流量を減らし、排気流量を増やし
て、ガス圧力を圧力範囲Pm〜PMに保つ。ガス圧力P
が低い場合には、逆に注入流量を増やし、排気流量を減
らしている。このように、ガスの注入を行なうと同時に
排気を行ない、時間あたりの注入量と排気量とを略一致
させることにより、ガス圧力Pを殆んど変化させずに常
に狭い圧力範囲Pm〜PM内に収まるようにすることが
可能である。これにより、スペクトル特性の変動がより
小さくなり、より狭い許容範囲の要求にも応じることが
可能となっている。
【0047】次に、第3実施形態を説明する。第1、第
2実施形態では、圧力範囲の上限PM及び下限Pmを常
に一定としたが、第3実施形態においては、上限PM及
び下限Pmをレーザチャンバ2内のフッ素濃度に基づい
て補正している。
【0048】図8は、横軸にガス圧力Pをとり、縦軸に
中心波長λcをとった、ガス圧力Pと中心波長λcとの関
係を示すグラフである。図8に示すように、レーザチャ
ンバ2内のフッ素濃度が濃度B1から濃度B2に変化す
ると、ガス圧力Pに対する中心波長λcの関係も変化す
る。その結果、中心波長λcの許容範囲λ1〜λ2に対
する圧力許容範囲P1〜P2が、圧力許容範囲P1n〜
P2nへと変化する。スペクトル幅Δλ、及びスペクト
ル純度Fに対しても、同様に圧力許容範囲が変動するた
め、圧力範囲の下限Pm及び上限PMも変動する。第3
実施形態においては、この変動に基づき、圧力範囲Pm
〜PMを補正している。
【0049】このときのフッ素濃度は、レーザガスの初
期組成、フッ素の注入量ΔP1、フッ素及びバッファガ
スの注入量ΔP2、排気量ΔP3、及びステップS47
において入れ換えたレーザガスの一部交換量等から推定
することができる。このフッ素濃度を、さらに精度よく
求める場合には、全ガス交換後にパルス発振した、レー
ザ光11のパルス数に基づいてこれを補正するとよい。
これは、パルス発振によってフッ素が消耗し、フッ素濃
度が低下するためである。或いは、レーザチャンバ2
に、フッ素濃度測定器39を付設してもよい。フッ素濃
度測定器39としては、赤外線式ガス分析計(FTI
R:Fourier Transform InfRared spectroscopy)が好
適である。
【0050】例えば、図5に示したフローチャートにお
いては、ステップS22でガス圧力Pを圧力範囲Pm〜
PMと比較する前に、予めその時点でのフッ素濃度を推
定し、このフッ素濃度に基づいて圧力範囲Pm〜PMを
補正する。また、ステップS26,S32,S38にお
いて、ガス圧力Pを圧力範囲の上限PM又は下限Pmと
比較する前に、予めその時点でのフッ素濃度を推定し、
このフッ素濃度に基づいて圧力範囲の下限値Pm及び上
限値PMを補正しておくようにしている。
【0051】以上説明したように、第3実施形態によれ
ば、圧力範囲Pm〜PMをレーザチャンバ2内のフッ素
濃度によって補正している。ガス圧力Pとスペクトル特
性との関係は、レーザチャンバ2内のフッ素濃度によっ
て変化する。従って、圧力範囲PM〜Pmをフッ素濃度
によって補正することにより、スペクトル特性の許容範
囲に対する圧力範囲Pm〜PMをより正確に求めること
ができる。これに基づいて、ガス圧力Pを補正された圧
力範囲Pm〜PMに収めることにより、レーザ光11の
スペクトル特性を許容範囲に収めることが確実に可能と
なる。
【0052】次に、第4実施形態を説明する。第4実施
形態におけるフッ素露光装置は、例えば図1又は図6に
示したものと同様である。図1及び図6に示すように、
レーザコントローラ31と露光機25とは、通信回線に
よって結ばれている。上記各実施形態で説明したよう
に、レーザコントローラ31は圧力測定器24の電気信
号に基づき、常にガス圧力Pを常にモニタリングしてい
る。このガス圧力Pを、図3に示したガス圧力P−スペ
クトル特性のグラフと比較することにより、レーザコン
トローラ31は、現在の各スペクトル特性の値を知るこ
とが可能である。例えば図3において、現在のガス圧力
PをPsとすると、各スペクトル特性はそれぞれ、中心
波長λs、スペクトル幅Δλs、及び純度Fsとなる。
レーザコントローラ31は、これらのスペクトル特性
(λs,Δλs,Fs)を、露光機25に送信する。
【0053】露光機25は、受信した上記スペクトル特
性に基づき、縮小投影レンズ36の位置関係や、縮小投
影レンズ36が設置されている露光機25内部の雰囲気
気体の圧力等の微調整を行なう。これにより、スペクト
ル特性に合わせた露光機のシステムの最適化が行なわれ
るため、より解像度の高い露光をすることが可能とな
る。或いは、レーザコントローラ31から露光機25に
ガス圧力Pのみを送信し、露光機25内部の図示しない
コントローラがガス圧力Pに基づいて演算を行なって、
スペクトル特性を算出するようにしてもよい。さらに
は、レーザコントローラ31が、露光機25のコントロ
ーラを兼ねてもよい。
【0054】以上説明したように、第4実施形態によれ
ば、フッ素レーザ装置1から露光機25に、スペクトル
特性、又はスペクトル特性を算出するためのガス圧力P
を通知するようにしている。これにより、露光機25は
レーザ光11のスペクトル特性に合わせて内部の縮小投
影レンズ36の位置等を微調整し、より解像度の高い露
光が可能となる。
【0055】次に、第5実施形態について説明する。こ
れまでの説明においては、レーザ光11のスペクトル特
性を変化させるようなレーザガスのスペクトルパラメー
タとして、ガス圧力Pを例に取って説明した。これは、
ガス圧力Pが、スペクトル特性に対する影響が最も大き
いためであり、これを制御することによって、最も好適
にスペクトル特性を制御することが可能であるからであ
る。しかしながら、スペクトル特性に対する影響を有す
るパラメータとしては、ガス圧力P以外にも、例えばガ
ス温度、フッ素濃度、レーザチャンバ2内の不純物量、
放電電極4,5間に印加する高電圧V、或いはこれまで
にレーザ発振したパルス発振数等がある。以下、これら
をスペクトルパラメータと呼ぶ。第5実施形態において
は、これらのスペクトルパラメータを制御することによ
り、スペクトル特性を所定の許容範囲内に収める技術に
ついて説明する。
【0056】図9に、第5実施形態に係るエキシマレー
ザ装置1の説明図を示す。レーザチャンバ2には、レー
ザガスのガス温度を測定する温度測定器38と、レーザ
ガス中のフッ素濃度を測定するフッ素濃度測定器39
と、レーザチャンバ2内部の不純物量を測定する不純物
測定器40とが接続されている。これらの測定器38〜
40は、それぞれレーザコントローラ31に電気的に接
続され、レーザコントローラ31に信号を送信する。こ
れにより、レーザコントローラ31は、レーザガスのガ
ス圧力P以外に、ガス温度、レーザチャンバ2内部のフ
ッ素濃度、及びレーザチャンバ2内部の不純物の量を知
ることができる。
【0057】ここで、不純物測定器40としては、例え
ば微粒子となっている不純物の量を測定するためには、
パーティクルカウンタが好適であり、気体状の不純物ガ
スの量を測定するには、赤外線式ガス分析計が好適であ
る。また、前述したようにレーザコントローラ31は、
電気的に接続されたパワー検出器15の信号に基づき、
パルス数を検出可能である。さらにレーザコントローラ
31は、自身から高圧電源13へ指令する指令値に基づ
き、放電電極4,5間に印加された高電圧Vを知ること
が可能となっている。
【0058】以下、これらのスペクトルパラメータとス
ペクトル特性との関係に基づき、スペクトル特性を推定
するとともに、スペクトル特性が許容範囲内にあるよう
に、スペクトルパラメータを制御する技術について説明
する。スペクトル特性に関連の深いスペクトルパラメー
タの一例を、例えばスペクトルパラメータC及びスペク
トルパラメータDとする。スペクトルパラメータCと、
中心波長λc及びスペクトル幅Δλとの間には、図10
に示すような関係が、また、スペクトルパラメータD
と、中心波長λc及びスペクトル幅Δλとの間には、図
11に示すような関係があるものとする。例えば図10
に示すように、中心波長λcの許容範囲λ1〜λ2に対
し、スペクトルパラメータCの許容範囲C1〜C2が、
スペクトル幅Δλの許容範囲に対し、スペクトルパラメ
ータCの許容範囲C3〜C4が定まる。従って、中心波
長λc及びスペクトル幅Δλの許容範囲をすべて満足す
るスペクトルパラメータCの範囲は、C1〜C4とな
る。同様に図11では、スペクトルパラメータDの範囲
は、D1〜D4となる。
【0059】レーザコントローラ31は、これらのスペ
クトルパラメータC,Dの値からスペクトル特性を推定
することが可能である。但し、例えば上記第3実施形態
で説明したように、フッ素濃度が変化すると、ガス圧力
Pとスペクトル特性との関係が変化するように、スペク
トルパラメータCが変化すると、スペクトルパラメータ
Dが変化することがある。従って、レーザコントローラ
31は、各スペクトルパラメータC,Dの値に対するス
ペクトル特性を、例えばテーブルとして記憶しておく。
そして、このテーブルに基づき、検出したスペクトルパ
ラメータC,Dの値からスペクトル特性を推定するよう
にする。そして、スペクトル特性が、所定の許容範囲か
ら外れそうであれば、スペクトルパラメータC,Dの少
なくともいずれか一方を制御して、スペクトル特性を許
容範囲内に戻すようにする。また、露光機25に現在の
スペクトル特性を送信することにより、露光機25は、
内部の縮小投影レンズ36の位置等を微調整し、より解
像度の高い露光を行なう。
【0060】さらに、スペクトル特性が、所定の許容範
囲から外れてしまった場合には、図5のフローチャート
で説明したものと同様に、波長異常信号を露光機25に
通知して露光を停止する。従って、波長異常信号を露光
機25に通知して露光を停止することができるので、ス
ペクトル特性が許容範囲から外れたレーザ光11によっ
て不適切な露光が行なわれることがなく、露光の不良が
防止できる。尚、図10、図11では、スペクトルパラ
メータC,Dが増えれば中心波長λc及びスペクトル幅
Δλがいずれも増えるように説明しているが、これに限
られるものではなく、減る場合もある。
【0061】また、上記各実施形態においては、バッフ
ァガスをネオンとし、レーザガスとしてフッ素とネオン
とを含むように説明したが、これに限られるものではな
い。例えばバッファガスをヘリウムとしてもよく、或い
はバッファガスをネオン及びヘリウムの混合ガスとして
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るフッ素露光装置の構成図。
【図2】レーザ光の発振波長の説明図。
【図3】ガス圧力と、各スペクトル特性との関係を示す
グラフ。
【図4】ガス圧力の制御手順を示すフローチャート。
【図5】ガス圧力の制御手順の他の例を示すフローチャ
ート。
【図6】第2実施形態に係るフッ素露光装置の構成図。
【図7】第2実施形態に係るガス圧力の制御手順を示す
フローチャート。
【図8】第3実施形態に係るガス圧力と中心波長との関
係を示すグラフ。
【図9】第5実施形態に係るフッ素露光装置の構成図。
【図10】スペクトルパラメータとスペクトル特性との
関係の一例を示すグラフ。
【図11】スペクトルパラメータとスペクトル特性との
関係の一例を示すグラフ。
【図12】従来技術に係る露光装置の構成図。
【符号の説明】
1:エキシマレーザ装置、2:レーザチャンバ、4:放
電電極、5:放電電極、6:フロントミラー、7:フロ
ントウィンドウ、8:リアミラー、9:リアウィンド
ウ、11:レーザ光、12:ビームスプリッタ、13:
高圧電源、15:パワー検出器、16:排気配管、1
7:注入配管、18:分散プリズム、19:排気ポン
プ、20:フッ素ガスボンベ、21:バッファガスボン
ベ、22:フッ素ガスバルブ、23:バッファガスバル
ブ、24:圧力測定器、25:露光機、26:主放電、
27:排気バルブ、30:シャッタ、31:レーザコン
トローラ、32:フッ素流量制御装置、33:バッファ
ガス流量制御装置、34:排気流量制御装置、35:レ
チクル、36:縮小投影レンズ、37:ウェハ、38:
温度測定器、39:フッ素濃度測定器、40:不純物測
定器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H097 BA02 BB02 CA13 LA10 5F046 CA03 5F071 AA04 DD04 HH01 HH02 JJ10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素を含むレーザガスを封入したレー
    ザチャンバ(2)内で、放電電極(4,5)間に高電圧(V)を印
    加することによって主放電(26)を起こし、フッ素分子レ
    ーザ光(11)を発振させるフッ素分子レーザ装置におい
    て、 フッ素分子レーザ光(11)のスペクトル特性を変化させる
    スペクトルパラメータの値を検出する検出器(24)と、 スペクトル特性が所定の許容範囲内にあるような、スペ
    クトルパラメータの許容範囲を設定するレーザコントロ
    ーラ(31)とを備え、 レーザコントローラ(31)が、スペクトルパラメータを制
    御して所定の許容範囲内に収めることにより、スペクト
    ル特性を許容範囲囲に収める制御を行なうことを特徴と
    するフッ素分子レーザ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフッ素分子レーザ装置に
    おいて、 前記スペクトル特性が、フッ素分子レーザ光(11)の中心
    波長(λc)、スペクトル幅(Δλ)、及びスペクトル純度
    (F)のうち少なくとも1つであることを特徴とするフッ
    素分子レーザ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のフッ素分子レーザ
    装置において、 前記スペクトルパラメータが、レーザガスのガス圧力
    (P)、ガス温度、フッ素濃度、レーザチャンバ(2)内の不
    純物量、高電圧(V)、及びパルス発振数のうち、少なく
    ともいずれか1つであることを特徴とするフッ素分子レ
    ーザ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のフッ素分子レーザ装置に
    おいて、 前記スペクトルパラメータが、レーザガスのガス圧力
    (P)を含み、 レーザコントローラ(31)は、フッ素分子レーザ光(11)の
    スペクトル特性とガス圧力(P)との関係に基づいて、ス
    ペクトル特性が所定の許容範囲にあるようなガス圧力
    (P)の圧力範囲(Pm-PM)を設定し、 検出したガス圧力(P)を圧力範囲(Pm-PM)内に収めるよう
    な制御を行なうことを特徴とするフッ素分子レーザ装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、及び4のいずれかに記載
    のフッ素分子レーザ装置において、 レーザコントローラは、レーザチャンバ(2)内のフッ素
    の濃度を推定し、 推定したフッ素の濃度に基づいてフッ素分子レーザ光(1
    1)のスペクトル特性とスペクトルパラメータとの関係を
    補正し、 スペクトル特性が所定の許容範囲内となるためのスペク
    トルパラメータの許容範囲を変更することを特徴とする
    フッ素分子レーザ装置。
  6. 【請求項6】 フッ素を含むレーザガスを封入したレー
    ザチャンバ(2)内で主放電(26)を起こし、フッ素分子レ
    ーザ光(11)を発振させるフッ素分子レーザ装置におい
    て、 フッ素分子レーザ光(11)のスペクトル特性を変化させる
    スペクトルパラメータの値を検出する検出器(24)と、 フッ素分子レーザ光(11)のスペクトル特性とスペクトル
    パラメータとの関係に基づいて、スペクトル特性が所定
    の許容範囲内にあるようなスペクトルパラメータの許容
    範囲を設定するレーザコントローラ(31)とを備え、 レーザコントローラ(31)は検出したスペクトルパラメー
    タが許容範囲の範囲外にある場合には、スペクトル特性
    が異常であると判断することを特徴とするフッ素分子レ
    ーザ装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のフッ素分子レーザ装置に
    おいて、 前記スペクトルパラメータが、レーザガスのガス圧力
    (P)、ガス温度、フッ素濃度、レーザチャンバ(2)内の不
    純物量、高電圧(V)、及びパルス発振数のうち、少なく
    ともいずれか1つであることを特徴とするフッ素分子レ
    ーザ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のフッ素分子レーザ装置に
    おいて、 前記スペクトルパラメータが、レーザガスのガス圧力
    (P)を含み、 レーザコントローラ(31)は、フッ素分子レーザ光(11)の
    スペクトル特性とガス圧力(P)との関係に基づいて、ス
    ペクトル特性が所定の許容範囲にあるようなガス圧力
    (P)の圧力範囲(Pm-PM)を設定し、 ガス圧力(P)が圧力範囲(Pm-PM)の範囲外にある場合に
    は、スペクトル特性が異常であると判断することを特徴
    とするフッ素分子レーザ装置。
  9. 【請求項9】 フッ素を含むレーザガスを封入したレー
    ザチャンバ(2)内で主放電(26)を起こしてフッ素分子レ
    ーザ光(11)を発振させるフッ素分子レーザ装置(1)と、 フッ素分子レーザ光(11)を被露光物に照射して露光を行
    なう露光機(25)とを備えたフッ素露光装置において、 フッ素分子レーザ光(11)のスペクトル特性を変化させる
    スペクトルパラメータの値を検出する検出器(24)と、 スペクトル特性が所定の許容範囲内にあるような、スペ
    クトルパラメータの許容範囲を設定するレーザコントロ
    ーラ(31)とを備え、 スペクトルパラメータとスペクトルパラメータの許容範
    囲とに基づいて、フッ素分子レーザ光(11)のスペクトル
    特性を推定し、 推定したスペクトル特性に基づいて露光機(25)の調整を
    行なうことを特徴とするフッ素露光装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のフッ素露光装置におい
    て、 前記スペクトルパラメータが、レーザガスのガス圧力
    (P)、ガス温度、フッ素濃度、レーザチャンバ(2)内の不
    純物量、高電圧(V)、及びパルス発振数のうち、少なく
    ともいずれか1つであることを特徴とするフッ素露光装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のフッ素露光装置にお
    いて、 前記スペクトルパラメータが、レーザガスのガス圧力
    (P)を含むことを特徴とするフッ素露光装置。
  12. 【請求項12】 請求項1又は2記載のフッ素分子レー
    ザ装置において、 前記スペクトルパラメータが、レーザガスのガス圧力
    (P)、ガス温度、レーザチャンバ(2)内の不純物量、高電
    圧(V)、及びパルス発振数のうち、少なくともいずれか
    1つであり、 レーザコントローラは、レーザチャンバ(2)内のフッ素
    の濃度を推定し、 推定したフッ素の濃度に基づいてフッ素分子レーザ光(1
    1)のスペクトル特性とスペクトルパラメータとの関係を
    補正し、 スペクトル特性が所定の許容範囲内となるためのスペク
    トルパラメータの許容範囲を変更することを特徴とする
    フッ素分子レーザ装置。
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