JP2002220296A - 単結晶引上げ装置 - Google Patents

単結晶引上げ装置

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JP2002220296A
JP2002220296A JP2001013203A JP2001013203A JP2002220296A JP 2002220296 A JP2002220296 A JP 2002220296A JP 2001013203 A JP2001013203 A JP 2001013203A JP 2001013203 A JP2001013203 A JP 2001013203A JP 2002220296 A JP2002220296 A JP 2002220296A
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heat insulating
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JP2001013203A
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Soichiro Kondo
総一郎 近藤
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Mitsubishi Materials Silicon Corp
Nippon Steel Corp
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Mitsubishi Materials Silicon Corp
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒータからルツボの側壁部への熱輻射に悪影
響を及ぼすことなく、ルツボの内面劣化に伴う有転位化
を抑制する。引上げ速度を増大させる。引上げ結晶を低
酸素化する。 【解決手段】 ルツボ3とルツボ受け皿7との間に断熱
材9を介在させる。ルツボ3の底面と接しないルツボ受
け皿7の表面の一部又は全部を断熱材で覆う。ヒータ4
からルツボ3の底部への熱伝達が抑制され、ルツボ3の
底部の温度上昇が抑制される。その影響として、ルツボ
3の側壁部の温度も低下する。ルツボ3の内面全体でバ
ランスよく劣化が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CZ法による単結
晶の育成に使用される単結晶引上げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体用のシリコン単結晶を製造する方
法として、CZ法による回転引上げ法がある。この方法
では、図8に示すように、所定の雰囲気でルツボ3内に
形成されたシリコンの溶融液6に種結晶12を漬け、こ
の状態から種結晶12を引上げ軸11で回転させながら
上昇させることにより、種結晶12の下方にシリコンの
単結晶13を育成する。
【0003】ここでルツボ3は、溶融液6の形成及び温
度管理のために、円筒状のヒータ4の内側に配置されて
いる。また、シリコンの溶融液6を収容する石英ルツボ
3aと、石英ルツボ3aを内部に収容して保持する保持
ルツボ3bとを組み合わせた2重構造である。外側の保
持ルツボ3bは黒鉛からなり、同じく黒鉛からなるルツ
ボ受け皿7の上に載置されている。ルツボ受け皿7は、
ペディスタルと呼ばれる昇降軸8によって底面中央部が
支持されている。
【0004】単結晶13の引上げ中、ルツボ3は単結晶
13と同方向又は逆方向に回転駆動される。また、引上
げの進行に伴う溶融液6の消費によってその液面レベル
が低下するのを阻止するために、ルツボ3は上昇駆動さ
れる。このルツボ3の回転及び昇降のために、昇降軸8
は軸方向に昇降駆動されるだけでなく、周方向に回転駆
動される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなCZ法によ
るシリコン単結晶の引上げにおいては、サイクルタイム
〔延引時間(延べ引上げ時間)〕が一定の時間を超える
と、結晶歩留りが著しく低下することが知られている。
これは、ルツボ3の特に側壁部が周囲のヒータ4によっ
て高温に加熱され、石英ルツボ3aの側壁部から底部に
かけての内面がクリストバライトと呼ばれる結晶化によ
り浸食されたような状態となり、その内面から剥がれ落
ちる小片が結晶中に異物として進入することによる結晶
の有転位化が主な原因とされている。
【0006】このルツボ内面の劣化を防止するために
は、ヒータ4による側壁部の加熱温度を低下させること
が有効であるが、ルツボ3内の溶融液6の温度を厳密に
管理する必要性等のために、ヒータ4からルツボ3の側
壁部への輻射熱を減少させるような対策は講じることが
できない。即ち、ルツボ3の側壁部を直接ヒータ3に対
面させる必要がある。その結果、側壁部の内面温度は最
も高い部分で1500℃を大きく超え、側壁部から底部
にかけての内面劣化を促進して、サイクルタイムや無転
位収率を著しく制限する結果になっている。
【0007】本発明の目的は、融液の温度管理等に悪影
響を及ぼすことなく、ルツボ温度を低下させ、その内面
劣化を抑制することにより、サイクルタイムや無転位収
率の増大を可能にする単結晶引上げ装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは結晶引上げ中にヒータからルツボが受
ける輻射熱の量的分布や石英ルツボ内面の温度分布、劣
化分布等を詳細に調査した。その結果、以下の事実が判
明した。
【0009】ルツボ内面温度は、外側のヒータに対面す
る側壁部、特にその下端部から液面までの領域で最も高
温となる。ルツボの底部は側壁部より低温であるが、引
上げの進行に伴うルツボの上昇により、引上げの全期間
を通してヒータの内側に位置し、しかも、ルツボ内の融
液と接触し続けている。このため、内面劣化の度合い
は、側壁部より底部で顕著である。
【0010】結晶の有転位化は、ルツボ内面の最も温度
の高い側壁部の内面劣化に支配されると考えがちである
が、実際は、底部の内面劣化の影響が大きいのである。
実際ルツボ底部は、黒鉛からなるルツボ受け皿の上に載
っているが、ヒータからの輻射熱により、ルツボ受け皿
を介してかなり高温に加熱されている。
【0011】このようなルツボ底部の影響度に鑑み、本
発明者らはルツボ底部の温度を低下させることを企画
し、ルツボ底部とルツボ受け皿との間に断熱材を介在さ
せて、ヒータからルツボ底部への熱伝達を抑制した。そ
の結果、ルツボ底部の内面温度が著しく低下し、その影
響を受けて側壁部の内面温度も低下し、ルツボ内面の劣
化による有転位化が大幅に抑制されることが判明した。
【0012】即ち、ルツボ底部の内面劣化が抑制されて
も、ルツボ側壁部の内面劣化がそのまであると、有転位
化を抑制する効果は少ないが、断熱材によるルツボ底部
への熱伝達の抑制は、ルツボ側壁部の内面温度も効果的
に低下させ、ルツボの内面全体でバランスよく劣化抑制
を図るのである。
【0013】加えて、この対策によると、融液温度の管
理に必要なヒータから側壁部への熱輻射が影響を受けな
い。従って、その温度管理に悪影響を及ぼすことなく、
ルツボの内面劣化が抑制され、サイクルタイムや無転位
収率の増大が可能になる。また、ルツボ底部の低温化に
伴って低温の融液が固液界面に供給されることこによ
り、引上げ速度が高速化される。更に、ルツボ底部での
石英溶解量の低減により単結晶の低酸素化も可能にな
る。
【0014】本発明の単結晶引上げ装置は、かかる知見
に基づいて開発されたものであり、原料用の溶融液を収
容する石英ルツボと、石英ルツボを内部に収容して保持
する保持ルツボと、保持ルツボの底面部を面支持するル
ツボ受け皿と、ルツボ受け皿の底部を支持してルツボを
昇降させる昇降軸とを備えた単結晶引上げ装置におい
て、保持ルツボとルツボ受け皿との間に断熱材を介在さ
せたものである。
【0015】ここにおける断熱材は、保持ルツボ底部の
略全面に対向するように介在させるだけでなく、一部表
面に対向するように介在させることもできる。断熱材の
厚みは、材質によって異なるが、後述する黒鉛フェルト
又は成形断熱材の場合で40〜80mmが適当である。
これが薄いと温度上昇を十分に抑制できない。厚すぎる
とルツボ底部が低温になり過ぎて、ルツボ底部の溶融液
が固化し、単結晶引上げが困難になる。
【0016】断熱材の形状としては、その外径が保持ル
ツボの外径よりも小さく、且つ中央部に貫通孔を有する
ドーナツ形状が特に好ましい。これにより、ルツボ受け
皿は、その外周部及び中央部において保持ルツボと接触
する形状が可能となり、断熱材の圧縮変形を抑制しつつ
保持ルツボを確実に支持することが可能となる。また、
受け皿自体の機械的強度を確保しやすい。
【0017】なお、断熱材とは、ルツボ受け皿を構成す
る黒鉛等の構成材料より熱伝導率の低い材料、好ましく
はその熱伝導率が1W/m・K以下の材料を言い、具体
的には黒鉛フェルト又は成形断熱材等が好適である。こ
れらの熱伝導率は黒鉛の1/10以下である。
【0018】本発明の単結晶引上げ装置においては、保
持ルツボとルツボ受け皿との間に断熱材を介在させる代
わりに、或いはその介在と共に、保持ルツボの底面と接
しないルツボ受け皿の表面の一部又は全部を断熱材で覆
うことができる。この被覆によっても、ヒータからルツ
ボ底部への熱伝達が抑制され、ルツボ底部の内面温度が
大きく低下することにより、ヒータから側壁部への熱輻
射に影響を与えることなく、側壁部の内面温度を低下さ
せることができる。
【0019】ルツボ底部の内面温度としては1460℃
以下が好ましい。これにより、側壁部は1500℃以下
に抑制され、その内面の劣化が特に効果的に抑制され
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す単
結晶引上げ装置の概略構成図で縦断面図、図2は同装置
に使用されているルツボ受け皿及び断熱材の詳細図で斜
視部である。
【0021】本実施形態の単結晶引上げ装置は、図1に
示すように、炉体としてメインチャンバー1及びプルチ
ャンバー2を備えている。メインチャンバー1内の中心
部にはルツボ3が配置されている。ルツボ3の外側には
円筒状のヒータ4が配置されており、その更に外側には
保温筒5がメインチャンバー1の内面に沿って配置され
ている。
【0022】ルツボ3は、シリコンの溶融液6を収容す
る内側の石英ルツボ3aと外側の保持ルツボ3bを組み
合わせた2重構造である。ルツボ3の底部は、下方へ凸
の状態に僅かに湾曲しており、R部を介して垂直な円筒
形状の側壁部と繋がっている。外側の保持ルツボ3bは
黒鉛製である。
【0023】このルツボ3は、ルツボ受け皿7の上に同
心円状に載置されている。ルツボ受け皿7は、垂直な昇
降軸8により底面の中心部を支持されている。昇降軸8
は、メインチャンバー1の底部を貫通しており、メイン
チャンバー1の下方に設けられた駆動機構により軸方向
及び周方向に駆動される。なお、ルツボ受け皿7及びル
ツボ受け皿7上に配置された断熱材9については後で詳
しく説明する。
【0024】ルツボ3の上方には、円筒形状の熱遮蔽体
10が同心円状に配置されている。熱遮蔽体10は、上
部から下部へかけて直径が漸減するコーン形状であり、
引上げ中はその下部をルツボ3内に挿入させる。ルツボ
3の上方には又、引上げ軸としてのワイヤ11が同心状
に吊設されている。ワイヤ11はプルチャンバー2内を
通ってメインチャンバー1内に垂下し、その下端には種
結晶12を保持するシードチャックが取付けられてい
る。
【0025】ルツボ3を支持するルツボ受け皿7は、図
2に示すように、円板状のベース部7aと、ベース部7
aの外周部から垂直に立ち上がった環状の第1支持部7
bと、ベース部7aの中心部から垂直に立ち上がった棒
状の第2支持部7cとを有しており、第1支持部7bと
第2支持部7cとの間に環状の空間を形成している。第
1支持部7aは、保持ルツボ3bの外径とほぼ同じ外径
を有し、保持ルツボ3bの底部の最外周部分(R部を含
む)を支持する。第2支持部7cは、保持ルツボ3bの
底部の中心部分を支持する。ルツボ受け皿7の材質は黒
鉛である。
【0026】断熱材9は、ルツボ受け皿7内に形成され
た環状の空間、即ち第1支持部7bと第2支持部7cの
間に収容されることにより、ルツボ3とルツボ受け皿7
との間に介在している。この断熱材9は、円盤の中心部
に、第2支持部7cが貫通する貫通孔9aを設けたドー
ナツ形状である。断熱材9の外径は、保持ルツボ3bの
外径より若干小さくなっており、その上面は保持ルツボ
3bの底部の形状に対応して下方へ凸の方向に窪んでい
る。断熱材9を構成する材料は、黒鉛フェルトである。
【0027】操業では、ルツボ3内に多結晶シリコンか
らなる原料を充填し、チャンバー内を所定の雰囲気に維
持した状態で、ルツボ3を外側からヒータ4で加熱する
ことにより、ルツボ3内、即ち石英ルツボ3a内にシリ
コンの溶融液6を形成する。ワイヤ11を降下させて種
結晶12を溶融液6に浸漬する。この状態からワイヤ1
1を回転させながら上昇させて種結晶12の下方にシリ
コンの単結晶13を育成する。
【0028】このとき、ルツボ3はワイヤ11と同方向
又は逆方向に回転駆動される。また、溶融液6の液面レ
ベルが一定に維持さるように、上方へ直進駆動される。
【0029】ヒータ4は、単結晶13の引上げ中も、ル
ツボ3を周囲から加熱することにより、溶融液6の温度
を管理する。ヒータ4からの輻射熱は、主にルツボ3の
側壁部を加熱するが、ルツボ受け皿7も加熱する。ルツ
ボ受け皿7の保有熱はルツボ3の底部に伝達するが、ル
ツボ受け皿7とルツボ3の底部との間には断熱材9が介
在している。このため、ルツボ3の底部の温度上昇が抑
制され、その結果としてルツボ3の側壁部の温度上昇も
抑制され、そのルツボ3の内面劣化が抑制される。その
結果、ヒータ4からルツボ3の側壁部への輻射熱の伝達
を阻害することなく、単結晶13の有転位化が抑制さ
れ、サイクルタイムが長くなる。また、無転位引上げ率
が高くなる。
【0030】二次的な効果としては、ルツボ3の底部の
温度上昇が抑制されることにより、溶融液6と単結晶1
3の界面に低温の溶融液6が供給され、引上げ速度が速
くなる。また、ルツボ3の底部内面での石英溶解が抑制
されることにより、単結晶13の酸素濃度が低減する。
【0031】これらの効果を確認するために、本実施形
態の単結晶引上げ装置で実際に単結晶の引上げを行っ
た。
【0032】ルツボの外径は34インチ、結晶径は12
インチ、仕込み量は450kgとした。ルツボ受け皿の
外径はルツボ径と同じ34インチ、ルツボ受け皿内に収
容される断熱材は黒鉛フェルトからなり、その外径は3
2インチ、内径は5インチ、厚みtは60mmと80m
mの2種類とした。即ち、ルツボ受け皿の第1支持部の
厚みは1インチ、第2支持部の直径は5インチ、空間深
さは60mmと80mmの2種類である。また、引上げ
条件としての結晶回転数は12rpm、ルツボ回転数は
6rpmとした。
【0033】比較のために、断熱材を使用しない従来装
置、即ち、空間のないルツボ受け皿を使用した従来装置
(図8参照)でも、同様に単結晶の引上げを行った。
【0034】延べ引上げ時間と結晶歩留りとの関係を図
3に示す。断熱材を使用しない従来装置(a)では、1
20時間の引上げより有転位化が生じ始め、結晶歩留り
の低下が始まる。180時間の引上げでは、結晶歩留り
が極端に低下する。断熱材を使用することにより、結晶
歩留りの低下が抑制され、60mmの断熱材を使用した
本発明装置(b)では、180時間の引上げまで高い結
晶歩留りが維持される。80mmの断熱材を使用した本
発明装置(c)では、200時間の引上げでも、結晶歩
留りの低下は生じない。
【0035】この理由を確認するために、ルツボ内面の
温度分布及びルツボ内面の劣化状態を調査した。ルツボ
内面の温度分布を図4(a)に、ルツボ内面の劣化指数
分布を図4(b)に示す。いずれの図面でも、横軸上の
ルツボ底部はルツボ中心からの水平方向位置、ルツボ側
壁部はルツボ底部からの垂直方向位置を示す。また、図
4(b)中のルツボ劣化指数は、ルツボ内面の劣化度
(結晶化率)を、従来装置(a)で劣化の最も顕著な部
分の劣化度(結晶化率)を1として表したものである。
【0036】断熱材を使用しない従来装置(a)では、
ルツボ側壁部の融液面までの部分の最高温度が1500
℃を大きく超えている。底部は側壁部より低温である
が、ルツボ内面の劣化は底部で最も顕著である。ルツボ
とルツボ受け皿との間に60mmの断熱材を介在させる
ことにより、ルツボ底部の温度が1500℃以下に大幅
低下し、その影響を受けてルツボ側壁部の最高温度も1
500℃近傍まで低下する。その結果、ルツボ底部の内
面劣化は半減し、ルツボ側壁部の内面劣化と同程度にな
る。断熱材の厚みを80mmに増大させると、ルツボ底
部の温度は全域で1460℃以下に低下し、側壁部の温
度も全域で1500℃以下に低下する。その結果、ルツ
ボ底部の内面劣化は、ルツボ側壁部の内面劣化より低減
し、問題のないレベルになる。
【0037】引上げ速度は、断熱材を使用しない従来装
置(a)の場合を1として、60mmの断熱材を使用し
た本発明装置(b)では1.11に向上し、80mmの
断熱材を使用した本発明装置(c)では1.16に向上
した。
【0038】引上げ結晶の酸素濃度の度数を、断熱材を
使用しない従来装置(a)と80mmの断熱材を使用し
た本発明装置(c)について調査した結果を図5に示
す。断熱材を使用することにより、引上げ結晶の酸素濃
度が低下する。
【0039】酸素濃度以外の結晶品質については、いず
れの装置を使用した場合も大差はなく、酸素面内分布は
5%以下、0SFは10個/cm2 以下、カーボン濃度
は0.1以下、ライフタイムは400μs以上であっ
た。
【0040】図6は本発明の他の実施形態を示す単結晶
引上げ装置の概略構成図で縦断面図である。本実施形態
の単結晶引上げ装置は、ルツボ受け皿7を第2支持部7
cが省略された容器形状とした点が、前記実施形態の単
結晶引上げ装置と比べて相違する。この相違に伴って、
断熱材9は貫通孔を省略した円盤形状になっている。保
持ルツボ3bの底面の外周部分には、ルツボ受け皿7の
第1支持部7bが嵌合する環状の切り込みが設けられて
いる。
【0041】本実施形態の単結晶引上げ装置において
も、保持ルツボ3bとルツボ受け皿7との間に断熱材9
が介在することにより、ルツボ3の底部の温度上昇が抑
制され、その結果として側壁部の温度上昇も抑制され
る。また、ルツボ受け皿7の外周部に設けられた第1支
持部7bにより、ルツボ3の底部が外周部で確実に支持
され、且つ、第1支持部7bの内側に収容された断熱材
9の圧縮が阻止されることにより、断熱性能の低下が防
止される。
【0042】図7は本発明の更に他の実施形態を示す単
結晶引上げ装置の概略構成図で縦断面図である。本実施
形態の単結晶引上げ装置は、ルツボ受け皿7の下面を、
昇降軸8と接する部分を除いて断熱材9で覆った点が、
これまでの実施形態の単結晶引上げ装置と比べて相違す
る。ルツボ受け皿7の上面は、保持ルツボ3bの底面に
ほぼ全面にわたって接触している。
【0043】本実施形態のように、保持ルツボ3bの底
面と接しないルツボ受け皿7の外表面を断熱材9で覆う
ことによっても、ヒータ4からルツボ3の底部への熱伝
達が抑制され、その底部の温度上昇、側壁部の温度上昇
が抑制される。また、保持ルツボ3bの底面をルツボ受
け皿7の上面全体で支持することが可能となる。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明の単結晶
引上げ装置は、ヒータからルツボ底部への熱伝達を抑制
することにより、ルツボ底部の温度を低下させ、その影
響としてルツボの側壁部の温度も低下させる。これによ
り、ヒータからルツボ側壁部への熱輻射を阻害せず、融
液温度の管理に悪影響を及ぼすことなく、ルツボ内壁面
温度を低下させ、その内壁面の劣化を抑制することによ
り、サイクルタイムの延長や無転位収率の増大を可能に
する。
【0045】また、引上げ速度を増大させる点からもサ
イクルタイムの延長を図り、更には引上げ結晶の低酸素
化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す単結晶引上げ装置の
概略構成図で、縦断面図である。
【図2】同装置に使用されているルツボ受け皿及び断熱
材の詳細図で斜視部である。
【図3】引上げ時間と結晶歩留りとの関係を従来装置と
本発明装置とについて示す図表である。
【図4】(a)はルツボ内面の温度分布を従来装置と本
発明装置とについて示す図表、(b)はルツボ内面の性
状分布を従来装置と本発明装置とについて示す図表であ
る。
【図5】引上げ結晶の酸素濃度の度数を従来装置と本発
明装置とについて示す図表である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す単結晶引上げ装置
の概略構成図で縦断面図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態を示す単結晶引上げ
装置の概略構成図で縦断面図である。
【図8】従来の単結晶引上げ装置の概略構成図で縦断面
図である。
【符号の説明】
1 メインチャンバー 2 プルチャンバー 3 ルツボ 3a 石英ルツボ 3b 保持ルツボ 4 ヒータ 5 保温筒 6 溶融液 7 ルツボ受け皿 7a ベース部 7b 第1支持部 7c 第2支持部 8 昇降軸 9 断熱材 9a 貫通孔 10 熱遮蔽体 11 ワイヤ 12 種結晶 13 単結晶

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料用の溶融液を収容する石英ルツボ
    と、石英ルツボを内部に収容して保持する保持ルツボ
    と、保持ルツボの底面部を面支持するルツボ受け皿と、
    ルツボ受け皿の底部を支持してルツボを昇降させる昇降
    軸とを備えた単結晶引上げ装置において、保持ルツボと
    ルツボ受け皿との間に断熱材を介在させたことを特徴と
    する単結晶引上げ装置。
  2. 【請求項2】 保持ルツボ底部の略全面又は一部表面に
    対向するように断熱材を介在させたことを特徴とする請
    求項1に記載の単結晶引上げ装置。
  3. 【請求項3】 前記断熱材は、その外径が保持ルツボの
    外径よりも小さく、且つ中央部に貫通孔を有するドーナ
    ツ形状であり、前記ルツボ受け皿は、その外周部及び中
    央部において保持ルツボと接触する形状であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の単結晶引上げ装置。
  4. 【請求項4】 原料用の溶融液を収容する石英ルツボ
    と、石英ルツボを内部に収容して保持する保持ルツボ
    と、保持ルツボの底面部を面支持するルツボ受け皿と、
    ルツボ受け皿の底部を支持してルツボを昇降させる昇降
    軸とを備えた単結晶引上げ装置において、保持ルツボの
    底面と接しないルツボ受け皿の表面の一部又は全部を断
    熱材で覆ったことを特徴とする単結晶引上げ装置。
  5. 【請求項5】 前記断熱材は、黒鉛フェルト又は成形断
    熱材であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記
    載の単結晶引上げ装置。
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