JP2002219747A - 揮発性飛散物除去装置及びそれを備えたテンターオーブン - Google Patents

揮発性飛散物除去装置及びそれを備えたテンターオーブン

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JP2002219747A
JP2002219747A JP2001233747A JP2001233747A JP2002219747A JP 2002219747 A JP2002219747 A JP 2002219747A JP 2001233747 A JP2001233747 A JP 2001233747A JP 2001233747 A JP2001233747 A JP 2001233747A JP 2002219747 A JP2002219747 A JP 2002219747A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム状樹脂成形物を製造するテンターオ
ーブンに付設される揮発性飛散物除去装置に関し、フィ
ルム表面から発生する揮発性飛散物を低ランニングコス
トで効率的に除去できるようにするとともにメンテナン
ス性を確保して、欠陥の少ない高品質なフィルムを生産
できるようにする。 【解決手段】 テンターオーブンで加熱されたフィルム
状樹脂成形物から発生する揮発性飛散物を含んだ空気で
ある処理ガスを吸引装置により吸引し、慣性衝突作用に
より処理ガス中の揮発性飛散物を捕集する複数の捕集板
15が配設された処理ダクト内を通過させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレン,ポ
リプロピレン,ポリエチレンテレフタレート,ナイロン
−6,ナイロン−6.6などの熱可塑性プラスチックの
フィルムを延伸し製造するテンターオーブンにおいて、
特に、高温となったフィルムから発生する添加剤や低分
子量物等の揮発性飛散物を除去するのに用いて好適の、
揮発性飛散物除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、逐次2軸延伸方式によるプラス
チックフィルム(フィルム状樹脂成形物、以下単にフィ
ルムという)の製造にあたっては、スクリュに連結され
たダイの口金部分から押し出された溶融樹脂を冷却固化
させたのち縦方向に延伸し、更に横方向に延伸する方法
が採られている。そして、このプラスチックフィルムの
延伸には、テンターオーブンが用いられている。
【0003】図8は、一般的なテンターオーブンの全体
構成を示す概略平面図である。テンターオーブンは、予
熱室30,延伸室31,熱セット室32,中間室33及
び冷却室34を備え、予熱室30から順にフィルムが流
れていくようになっている。予熱室30では、供給され
たフィルムは図示しないフィルムクリップによりクリッ
プされて低速で走行し、その走行中に図示しない複数の
プレナムダクトから噴出される熱風によって予熱され
る。延伸室31では、フィルムクリップが加速されると
ともに一方のフィルムクリップと他方のフィルムクリッ
プとの間隔が徐々に広げられ、同時に、複数のプレナム
ダクトから噴出される熱風によってフィルムが加熱され
る。これにより、予熱室30で予熱されたフィルムは、
この延伸室31において縦横二軸方向に延伸されること
になる。続いて、熱セット室32では、図示しない複数
のプレナムダクトから噴出される熱風により、延伸室3
1で延伸されたフィルムが高速移動状態で熱処理され
る。そして、冷却室34では、熱セット室32で熱処理
されて中間室33を通過したフィルムが図示しないプレ
ナムダクトから噴出される冷風によって冷却される。
【0004】このテンターオーブン内で高温に加熱され
たフィルムからは添加剤等の揮発性飛散物質(以下、単
に揮発物という)が発生する。このため、テンターオー
ブンには、かかる揮発物を除去する装置が備えられてい
る。この揮発物の除去方法のひとつで最も一般的に行わ
れているのは、オーブン内の循環エアの一部を排気し、
その排気分をフレッシュエアで置換する方法である。
【0005】例えば図9は従来のテンターオーブンにお
ける熱セット室32の概略構成を示す横断面図である。
図9に示すように、熱セット室32では、フィルム17
を挟んで上下に設置されたノズル(プレナムダクト)1
8から高温に加熱された熱風をフィルム17の表面に噴
き付けるようになっている。フィルム17に噴き付けら
れた空気はダクト19によって取り込まれ、熱交換器2
0を通して温調されたのち、モータ24により駆動され
るファン23によりノズル18に送り込まれ、再度、フ
ィルム17の加熱に用いられる。このうちの一部の空気
は、排気ダクト26によって取り込まれ、排気ブロア2
7により熱セット室32の外部へ排気される。そして、
この排気分を補うためのフレッシュエアが、フレッシュ
エア導入口25から熱セット室32内に取り込まれる。
【0006】このような空気置換式の除去方法の他、特
開平4−201432号には、高温の熱交換器を利用し
た燃焼方式によって効率的に揮発物を除去し熱風を再循
環する方法が開示されている。また、実公平1−481
29号,実公平1−46216号に開示されているよう
に、熱風を循環させる経路の一部に耐熱性の充填層や多
孔質膜を装着することにより、安定して熱風中の揮発物
を除去できるようにした技術も提案されている。
【0007】一方、フィルムより揮発した物質が製品表
面へ付着するのを抑制する方法としては、例えば、特公
平6−4275号に開示されているように、外部から取
り込んだ空気を加熱してフィルムに噴き付けた後、上流
側に設けた空気の排気口から排気する技術が提案されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、空気置
換式の除去方法の場合には、外部から導入するフレッシ
ュエアの温度が低いために熱損失が大きい。このため、
熱交換器20において多量の熱を加える必要がある。ま
た、特開平4−201432号に開示されたような高温
の熱交換器を利用した燃焼方式によって揮発物を除去す
る技術では、揮発物を燃焼させるために循環風を一度6
00〜800℃にまで加熱する必要がある。このため、
この技術では、プロパンガスなどの加熱源が別に必要に
なり、また、熱損失が大きいためランニングコストが高
くなるという課題がある。また、燃焼を伴う除去手法で
あるため、防火対策等が要求されるという課題もある。
【0009】また、実公平1−48129号,実公平1
−46216号に開示されたような触媒を用いた燃焼に
よって揮発物を除去する方法では、ポリエチレンやポリ
プロピレン等のポリオレフィン系樹脂では室内を循環す
る熱風温度は160℃程度と低いため十分な燃焼効果が
得られない。このため、燃焼効果を上げるために別途ユ
ーティリティーを用いて温度上昇を行う必要があり、ラ
ンニングコストが高くなるという課題がある。また、触
媒表面が被毒されるために十分な除去性能を得られなく
なるという課題もある。また、耐熱性の充填層や多孔質
膜を利用した除去方法では、継続使用により目詰まりが
生じるため除去性能を維持することができなくなった
り、圧損が高くなって気体の循環に影響を与えてしまっ
たりするという課題もある。
【0010】本発明はこのような課題に鑑み案出された
もので、フィルム表面から発生する揮発性飛散物を低ラ
ンニングコストで効率的に除去できるようにするととも
にメンテナンス性を確保して、欠陥の少ない高品質なフ
ィルムを生産できるようにした、揮発性飛散物除去装置
を提供することを目的とする。また、この揮発性飛散物
除去装置を有効に利用した、テンターオーブンを提供す
ることも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の揮発
性飛散物除去装置は、フィルム状樹脂成形物を製造する
成形装置の横延伸機に付設される装置であって、該横延
伸機で加熱された該フィルム状樹脂成形物から発生する
揮発性飛散物を含んだ空気である処理ガスを吸引する吸
引装置と、該吸引装置で吸引された該処理ガスを通過さ
せる処理ダクトと、該処理ダクト内に配設され、慣性衝
突作用により該処理ガス中の該揮発性飛散物を捕集する
複数の捕集板とを備えたことを特徴としている。なお、
該捕集板の配設方向は、該処理ガスの流れに対し直交或
いは略直交方向とするのが好ましく、該処理ガスの流れ
方向に沿って該捕集板を複数段に配設するのも好まし
い。
【0012】また、好ましくは、該捕集板の表面温度を
該揮発性飛散物の融点温度以上沸点温度以下の温度に調
節する温度調節手段を備えるようにする。より好ましく
は、該温度調節手段による上記表面温度の調節範囲は、
該揮発性飛散物の融点温度から該融点温度よりも約10
℃だけ高い温度の範囲内とする。また、該温度調節手段
は、該捕集板内に温度調節用媒体を供給することにより
該捕集板の表面温度を調節するように構成されるのが好
ましい。より好ましくは、該テンターオーブンから排出
される廃熱を利用して該温度調節用媒体を加熱するよう
に該温度調節手段を構成する。該温度調節用媒体として
は、空気,水,油,蒸気等を用いることができる。更に
好ましくは、該捕集板の下方に、該捕集板から落下した
液状の該揮発性飛散物を回収するための取り外し可能な
回収器を備えるようにする。より好ましくは、該回収器
に温度調節手段を備え、該回収器内の温度を該揮発性飛
散物の融点温度以下に調節するようにする。
【0013】また、本発明のテンターオーブンは、フィ
ルム状樹脂成形物の予熱が行われる予熱室と、該予熱室
で予熱された該フィルム状樹脂成形物の延伸が行われる
延伸室と、該延伸室で延伸された該フィルム状樹脂成形
物の熱処理が行われる熱セット室と、該熱セット室で熱
処理された該フィルム状樹脂成形物の冷却が行われる冷
却室とを備えたテンターオーブンにおいて、上記の揮発
性飛散物除去装置を該熱セット室に備えたことを特徴と
している。
【0014】また、本発明の別のテンターオーブンは、
揮発性飛散物除去装置における該温度調節用媒体として
空気が用いられている場合に、フィルム状樹脂成形物の
予熱が行われる予熱室と、該予熱室で予熱された該フィ
ルム状樹脂成形物の延伸が行われる延伸室と、該延伸室
で延伸された該フィルム状樹脂成形物の熱処理が行われ
る熱セット室と、該熱セット室で熱処理された該フィル
ム状樹脂成形物の冷却が行われる冷却室とを備えたテン
ターオーブンにおいて、該予熱室内の空気の一部を排気
してフレッシュエアと置換することにより該予熱室内で
発生する揮発性飛散物を除去する空気置換装置を備える
とともに、上記の揮発性飛散物除去装置において該捕集
板の温度調節に用いられた該温度調節用媒体が該空気置
換装置により該予熱室に該フレッシュエアとして供給さ
れることを特徴としている。
【0015】また、本発明のさらに別のテンターオーブ
ンは、揮発性飛散物除去装置における該温度調節用媒体
として空気が用いられている場合に、フィルム状樹脂成
形物の予熱が行われる予熱室と、該予熱室で予熱された
該フィルム状樹脂成形物の延伸が行われる延伸室と、該
延伸室で延伸された該フィルム状樹脂成形物の熱処理が
行われる熱セット室と、該熱セット室で熱処理された該
フィルム状樹脂成形物の冷却が行われる冷却室と、該熱
セット室と該冷却室との間に仕切り壁を介して画成され
た中間室とを備えたテンターオーブンにおいて、該中間
室に設けられ該フィルム状樹脂成形物の表面を横断する
エア層を形成して該熱セット室から該フィルム状樹脂成
形物と共に該中間室に流入する伴走エアを遮るように該
フィルム状樹脂成形物の表面にフレッシュエアを噴射す
るエア噴射ノズルと、該エア噴射ノズルから噴射される
該フレッシュエアの温度を調節する温度調節装置とを備
えるとともに、上記の揮発性飛散物除去装置において該
捕集板の温度調節に用いられた該温度調節用媒体が該フ
レッシュエアとし用いられることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施形態】以下、図面を参照しながら本発明の
実施の形態について説明する。図1〜図4は本発明の一
実施形態としての揮発性飛散物除去装置について示すも
ので、図1はその全体構成を示す模式図、図2〜4はそ
の捕集装置の構成を示す図である。
【0017】まず、本実施形態の揮発性飛散物除去装置
の概略構成について説明する。図1に示すように、本揮
発性飛散物除去装置21は、上下方向に入口ダクト3,
出口ダクト4を備えたハウジング(処理ダクト本体)2
内に、残留モノマー,オリゴマー,添加剤等の揮発物
(揮発性飛散物質)を捕集するための捕集装置(セル)
1を収容している。出口ダクト4には吸引ブロア(吸引
装置)9が接続されており、吸引ブロア9を作動させる
ことにより入口ダクト3から揮発物を含んだ空気が流れ
込むようになっている。
【0018】捕集装置1は温調機能を備えており、ハウ
ジング2外部から温調媒体入口管7を介して温調媒体
(水,油,空気,蒸気等)5が供給されるようになって
いる。供給される温調媒体5の温度は、捕集装置1内の
温度を検出する温度センサ6aの検出値に基づき温調器
(温度調節手段)6によりフィードバック制御されてい
る。また、捕集装置1内の温調に供された温調媒体5
は、温調媒体出口管8を介してハウジング2外部に排出
されるようになっている。
【0019】出口ダクト4の下部には、捕集装置1にて
捕集された揮発物を回収するための回収装置13が配設
されている。回収器13の側面部分には内部の状態を観
察できるような透明な観察窓11が設けられており、回
収器13内の揮発物の堆積量を確認することが可能にな
っている。また、回収器13には、放冷或いは強制冷却
によって回収器13内の温度を回収した揮発物の融点温
度以下に調節する温度調整機構(図示略)が設けられ、
回収した液状の揮発物を冷却して固化できるようになっ
ている。更に、出口ダクト4と回収器13との間にはボ
ールバルブ12が備えられている。このボールバルブ1
2を閉じて出口ダクト4と回収器13とを切り離すこと
によって、運転を中断させることなく、回収器13に回
収した揮発物を廃棄又は再利用に回すことができるよう
になっている。
【0020】また、入口ダクト3と出口ダクト4との間
には、バイパス用ダクト14が接続され、バイパス用ダ
クト14内と入口ダクト3内のバイパス用ダクト14の
接続部よりも下流側とには、連動して開閉する切換ダン
パ10A,10Bが備えられている。これら切換ダンパ
10A,10Bをバイパス用ダクト14側に切り換える
ことにより、運転時でも捕集部1を取り外して適宜メン
テナンスを行うことが可能になっている。
【0021】次に、本発明の要部である捕集装置1の構
成について図2〜図4を用いて説明する。捕集装置1
は、図2に示すように、上下面が開口した枠体1A内に
複数の捕集板15を備えて構成されている。各捕集板1
5内には温調媒体管路16が挿通されている。温調媒体
管路16の一端には温調媒体入口管7(図1参照)が接
続され、他端には温調媒体出口管8(図1参照)が接続
されており、温調媒体管路16の内部には所定温度に調
温された温調媒体5が流通している。温調媒体5は、温
調器6(図1参照)によって捕集すべき揮発物の融点以
上沸点以下の温度に調温されている。
【0022】捕集板15は、図3に示すように方形の断
面を有しており、空気(処理ガス)の流れ22に対し直
交方向に向けて配置されている。また、捕集板15は、
図3,図4に示すように横方向(空気の流れ22に直行
する方向)には一定の隙間で並んで配置され、縦方向
(空気の流れ22に平行な方向)に交互に位置をずらせ
て複数段に配置されている。捕集板15と内部の温調媒
体管路16とは熱伝導が高くなるよう密着して取り付け
られている。これら捕集板15,温調媒体管路16の材
質は、付着物による腐食が起こらないように、ここでは
SUS304材を選定して用いている。なお、PTFE
等の比較的耐熱温度の高い樹脂被覆を施すようにしても
よい。
【0023】次に、上記のように構成された本実施形態
の揮発性飛散物除去装置21の作用について説明する。
吸引ダクト9により吸引されて入口ダクト3から除去装
置21内に流入した空気(処理ガス)は、ハウジング2
内の捕集装置1に流れ込み、図3に示すように捕集板1
5,15の間を通過していく。このとき、空気中に含ま
れる微粒子またはミスト状の揮発物は、主に慣性衝突作
用の他、拡散作用等によって捕集板15に付着する。捕
集板15は空気の流れ22に対し直交して配置されてお
り、また、空気の流れ22の方向に複数段に交互に配置
されているので、空気中の揮発物が捕集板15に衝突す
る可能性は極めて高く、揮発物は効率的に捕集板15に
捕集されていく。
【0024】捕集板15内に挿通された温調媒体管路1
6を流れる温調媒体5は、揮発物の融点以上沸点以下の
温度に調温されているので、捕集板15に付着した揮発
物は液化され、液体の状態で保持される。なお、温調媒
体5の温度は、少なくとも揮発物の融点以上沸点以下の
温度に調温されていればよいが、沸点に近いほど、付着
物質の蒸気圧増加による揮発、付着物や付着壁の自由エ
ネルギー増加による付着力の低下、これに伴う再飛散等
が発生して除去効率が低下するため、好ましくは融点+
10℃の範囲で調整する。
【0025】捕集板15に付着した液状の揮発物は、捕
集が進むにつれて次第に凝集していく。そして、ある一
定以上の重量の液滴となると、捕集板15への付着力以
上の重力や外力が作用して捕集板15から落下する。落
下した液状の揮発物は出口ダクト4の下方に設置された
回収器13で回収され、回収器13内で冷却されて固化
される。一方、捕集部1を通過して清浄化された空気
は、出口ダクト4から除去装置21の外部へ放出され
る。なお、回収器13に回収した揮発物は廃棄するか或
いは再利用に回される。
【0026】このように、本揮発性飛散物除去装置21
によれば、入口ダクト3から除去装置21内に空気を流
通させることで、捕集装置1により空気に含まれる揮発
物を効率よく捕集して除去することができるので、揮発
物濃度が低減された空気を得ることができる。このた
め、揮発物の付着の少ない高品質な製品が得られるとと
もに、他の装置への汚れ付着も低減させることもできる
という利点がある。
【0027】また、本揮発性飛散物除去装置21によれ
ば、捕集した揮発物は液体の状態で回収器13内に回収
されるので、ボールバルブ12を閉めて回収器13を除
去装置21本体から取り外すことによって容易に捕集し
た揮発物を除去することができ、メンテナンスのために
生産を停止したり除去装置21本体を分解清掃する必要
がないという利点もある。また、回収された揮発物は回
収器13内で冷却されて固化されるので、蒸発による再
飛散を確実に防止できるとともに、取り扱いが容易にな
るという利点もある。
【0028】また、本揮発性飛散物除去装置21によれ
ば、燃焼方式を用いないので防火対策等の必要は無く、
ランニングコストも掛からないという利点もある。ま
た、触媒も用いないので、触媒表面が被毒により除去性
能が低下することもない。更に、多孔質膜等を用いて除
去するものでもないので、目詰まりにより除去性能が低
下することもない。
【0029】以上、本実施形態の揮発性飛散物除去装置
21について説明したが、次に、本揮発性飛散物除去装
置21の適用の一例について説明する。ここでは、図5
に示すように、本揮発性飛散物除去装置21を二軸延伸
フィルム成形装置のテンターオーブンに組み込んだ場合
について説明する。なお、テンターオーブンは、熱可塑
性プラスチックのフィルムを高温に加熱しながら延伸す
る装置であり、ここではテンターオーブンの熱セット室
32に本揮発性飛散物除去装置21を適用する。
【0030】図5に示すように、熱セット室32では、
フィルム17を挟んで上下に設置されたノズル18から
高温に加熱された熱風がフィルム17の表面に噴き付け
られるようになっている。フィルム17に噴き付けられ
た熱風はダクト19によって取り込まれ、熱交換器20
を通して温調されたのち、モータ24により駆動される
ファン23によりノズル18に送り込まれ、再度、フィ
ルム17の加熱に用いられるようになっている。また、
熱交換器20手前には、熱風中の揮発物の濃度が濃縮さ
れないように、新鮮な空気を取り入れる図示しない外気
導入口が設けられている。そして、ここでは、上述した
揮発性飛散物除去装置21を熱交換器20の手前に設置
している。
【0031】高温に加熱されたフィルム17からは揮発
物が発生するが、このように揮発性飛散物除去装置21
を設置することで、揮発物を効果的に除去してフィルム
の品質を向上させることが可能になる。特に熱セット室
32は、テンターオーブンの中でもフィルム17の温度
が高く、且つ延伸されることによりフィルム17の表面
積も大きいために発生する揮発物の量は最も多いことか
ら、このように熱セット室32に揮発性飛散物除去装置
21が設置することで、揮発性飛散物除去装置21の効
果を十分に発揮させることができる。
【0032】また、揮発性飛散物除去装置21を熱交換
器20の手前に設置することにより、熱交換器20の汚
れを低減させることもできる。更に、このように揮発物
を効果的に除去できることによって、外気導入口からの
空気の取り込み量を低減して排気による熱損失を可能な
限り抑制することも可能になる。その結果、ランニング
コストを低減することができ、また、ブロア等の補機の
要求能力を下げることが可能になって設備費の低減に繋
がるという利点もある。
【0033】次に、本実施形態の揮発性飛散物除去装置
21をポリプロピレンフィルム製造ラインのテンターオ
ーブンに設置して行った実験の結果を表1に示す。揮発
物としては各種添加剤や低分子量成分があり、添加剤は
帯電防止,酸化防止,滑剤等その目的に応じた物質が使
用される。種々の添加剤はそれぞれ異なる物質であるた
め融点や沸点等は異なるが、テンターオーブン内では各
ゾーンにおいて厳密に温度管理されていることと連続的
に高速でフィルムが走行するため、延伸室や熱セット室
などそれぞれの各ゾーンにおいて揮発物の組成はほぼ決
まっている。このため、各ゾーン毎に揮発物の同定を
し、同定した揮発物に対応した最適な温度に捕集装置1
の温度を調整することで、揮発物を効率良く除去するこ
とが可能となる。
【0034】実験は、テンターオーブンの最終部に本除
去装置21を設置し、ブロアを用いて所定量の熱風を本
除去装置21内に流通させることにより実施した。本除
去装置21における除去率は捕集装置1の入口,出口の
揮発物の濃度差から算出した。入口及び出口濃度は、各
部にて揮発物を含んだ熱風を等速吸引し、これをコール
ドトラップすることにより捕集して四塩化炭素に溶解さ
せ、FTIRによる分析をし、吸収の大きさを予め作成
した検量線に照らし合わせて定量化することにより測定
した。ここで、除去率は次式で定義した。
【0035】 [除去率]=1−([入口濃度)−[出口濃度])/[入口濃度] 表1には本除去装置21を用いて行った各実験例による
結果に、除去装置21の捕集装置1を取り外した状態で
行った実験結果も比較例として併記している。
【0036】
【表1】
【0037】実験例1〜5は、捕集装置1内温度(セル
温度)40〜80℃、風量33m3/min(セル通過速度
3.0m/s)にて運転した際の結果である。この時の除
去率は捕集装置1の温度に対して依存性を示した。比較
例として実験を行った捕集装置1を設置しない場合の除
去率は、セル温度が40℃の際に0.5%以下であり、
ほぼ無視できる数値であった。これに対して捕集装置1
を設置した場合の除去率は48.5%を示した。また、
セル温度が高くなるに従い除去率は低下する傾向を示
し、更に70℃以上では急激に低下の傾向を示した。捕
集した揮発物はそのほとんどが脂肪酸アミンであり、そ
の融点は40℃〜50℃である。
【0038】実験例6は、セル温度40℃、風量15m
3/minで運転した際の結果である。このときは、除去率
は37.2%であった。実験例6は同セル温度で行った
実験例1と比較して除去率が低下したが、これは処理風
量が少なく捕集装置1内での流速(セル通過速度)が遅
いため、揮発物の捕集板15への慣性衝突力が弱くなっ
たことが原因と考えられる。
【0039】実験例7は、セル温度40℃、風量40m
3/minで運転した際の結果であり、除去率は54.3%
であった。また、実験例8は、セル温度40℃、風量5
0m 3/minで運転した際の結果であり、除去率は52.
2%であった。ただし、このときは捕集した揮発物の再
飛散が目視観察により確認された。実験例1,6〜8の
結果から、処理風量の増加によって除去効率が向上する
ことが確認できたが、同時に、処理風量がある程度以上
(ここでは50m3/min)になると液滴が飛散し、付着
し揮発物が再飛散することも確認された。
【0040】以上の実験例1〜8は、捕集装置1内の捕
集板15の段数を3段にして行った結果であるが、次
に、実験例9では捕集板15の段数を4段に増やし、実
験例1と同じくセル温度40℃,風量33m3/minで運
転を行った。このときの除去率は57.6%であった。
更に、実験例10では捕集板15の段数を5段に増や
し、同じくセル温度40℃,風量33m3/minで運転を
行った。このときの除去率は59.8%に達した。これ
ら実験例1,9,10の結果から、捕集板15の段数を
増やすことにより除去効率が向上することが確認でき
た。ただし、捕集板15の段数を増やすと除去装置21
内の圧力損失も増加することになる。
【0041】以上の実験例1〜10において、捕集板1
5に付着した揮発物は、凝集して5mm程度の径まで成長
するとその自重により下部に設置された回収部13へと
落下した。このため、捕集板15には付着物の堆積がな
く、常時初期の表面状態が保持され長時間の連続運転が
可能であった。ただし、セル温度が40℃以下の場合に
は捕集板15の表面上の一部に付着物の固体化が観察さ
れた。
【0042】次に、本揮発性飛散物除去装置21にかか
る温調媒体(温度調節用媒体)の利用方法について図
6,図7を用いて説明する。ただし、ここでは、温調媒
体として空気(温調用空気)が用いられているものとす
る。まず図6の概略平面図に示すテンターオーブンは、
温調用空気を予熱室30に供給するようにしたものであ
る。予熱室30では、室内の揮発物濃度の上昇を抑制す
るため、図示しない空気置換システム(空気置換装置)
によりフィルムの予熱に用いられる加熱空気の一部が外
部に排気され、代わりにフレッシュエアが導入されるよ
うになっている。予熱室30内で発生する揮発物の量は
熱セット室32等に比較すると少ないため、このような
空気置換システムによっても除去することができるが、
導入するフレッシュエアの温度が低い場合には、課題で
も説明したように熱損失を大きくしてしまう。
【0043】そこで、図6に示すテンターオーブンで
は、熱セット室32に備えられた揮発性飛散物除去装置
21の捕集装置1と、予熱室30内にフレッシュエアを
導入するためのフレッシュエア導入ダクト37とを配管
35で接続している。そして、捕集装置1内を通過した
温調用空気をブロア36により配管35に取り込んで、
フレッシュエア導入ダクト37から予熱室30内にフレ
ッシュエアとして供給している。捕集装置1内を通過し
た温調用空気は揮発性飛散物除去装置21内を流れる処
理ガスにより温められているので、温度が高く、フレッ
シュエアとして供給したときの熱損失を抑制することが
できる。
【0044】なお、上記のようにテンターオーブンを構
成する場合には、予熱室30内にフレッシュエアとして
供給するための多量の温調用空気が必要となるため、揮
発性飛散物除去装置21としては下表2に示すように処
理量の大きなものが必要となる。
【0045】
【表2】
【0046】そして、表2に示すような処理量を有する
揮発性飛散物除去装置21を熱セット室32に備え、そ
の温調用空気を予熱室30内にフレッシュエアとして供
給した場合の、予熱室30における導入空気及び排気空
気の温度条件を示したものが表3である。表3におい
て、利用前とは外部空気をフレッシュエアとして用いた
場合であり、利用後とは温調用空気をフレッシュエアと
して用いた場合である。
【0047】
【表3】
【0048】なお、このときの揮発物の除去率は30%
で、熱セット室32内の揮発物の平衡濃度は90mg/
3から33mg/m3に減少した。また、揮発性飛散物
除去装置21を50日間稼動した結果、テンターオーブ
ン内壁面への有機物の付着量は、揮発性飛散物除去装置
21を設置していない室では78μg/cm2増加した
のに対し、揮発性飛散物除去装置21を設置した室では
わずか9μg/cm2であり、揮発性飛散物除去装置2
1の清浄化効果が確認された。
【0049】次に図7の概略縦断面図に示すテンターオ
ーブンは、揮発性飛散物除去装置21で用いた温調用空
気を熱セット室32と冷却室34との間の中間室33に
供給するようにしたものである。図7に示すように、中
間室33は、熱セット室32との境界に設けた仕切り壁
48と、冷却室34との境界に設けた仕切り壁49とに
よって画成されている。
【0050】この中間室33には、フィルム17の表面
に向かってフレッシュエアを噴射してフィルム17の表
面を横断するエア層40を形成するエア噴射ノズル41
が設けられている。また、このエア噴射ノズル41と仕
切り壁48との間には、入口に多孔板を備えた排気通路
42が設けられている。エア噴射ノズル41は、その先
端を排気通路42側に向けるようにフィルム17の走行
方向に対して角度θをなして傾斜している。エア噴射ノ
ズル41からは、温度調節装置44によって例えば約1
00℃に温調されたフレッシュエアが噴射され、その結
果、フィルム17の表面を横断する方向(図7の紙面に
垂直な方向)にエア層40が形成される。
【0051】フィルム17が熱セット室32から中間室
33に移動する際には、このフィルム17に伴走するエ
ア(汚染エア)43が仕切り壁48の下端とフィルム1
7の表面とによって形成された隙間を介して中間室33
に流入するが、この伴走エア43は、図示するように、
エア噴射ノズル41からのフレッシュエアにより形成さ
れるエア層40によってブロックされる。特に、エア噴
射ノズル41はフィルム17の走行方向に対して角度θ
をなして傾斜しているので、フレッシュエアは伴走エア
43の流れに抗する方向に噴射され、その結果、このフ
レッシュエアによって形成されたエア層40は、伴走エ
ア43に対して極めて高いブロック効果を示す。
【0052】上記エア層40によってブロックされた伴
走エア43及びエア噴射ノズル41から噴射されたエア
は、排気通路42を通って浄化装置45に吸入される。
浄化装置45は、吸入したエアに含まれた汚染物質を濾
過等の手段で除去し、それによって得られたフレッシュ
エアを温度調節装置44に供給する。また、温度調節装
置44には、熱セット室32に設けられた揮発性飛散物
除去装置21からの温調用空気もブロア39により供給
される。
【0053】このような構成により、熱セット室32か
らの伴走エア43が、エア層40によってブロックされ
るとともに、そのブロックされた伴走エア43の一部が
排気通路42を介して排出されるので、伴走エア43中
の汚染物質が中間室33の仕切り壁に汚れとして付着す
ることや、下流の冷却室46に流入して冷却室46内の
プレナムダクト47に析出付着することを阻止すること
ができる。また、また、捕集装置1内を通過した温調用
空気は揮発性飛散物除去装置21内を流れる処理ガスに
より温められているので、温度が高く、この温調用空気
を浄化装置45で浄化された循環エアとともにエア噴射
ノズル41から噴射するフレッシュエアに利用すること
で、フレッシュエアの温度調節を行う温度調節装置44
の負荷を軽減することもできる。
【0054】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施
しうるものである。例えば、捕集板15の形状は本実施
形態のような形状でなくてもよく、空気中の揮発物を慣
性衝突作用により効率よく捕集できるような形状であれ
ばよい。
【0055】また、本実施形態では、捕集板15の内部
に設けた温調媒体管路16に温調媒体5を流すことによ
って捕集板15の温度調節を行っているが、捕集板15
内に電気ヒータ等を設けて温度調節するようにしてもよ
い。また、温調媒体5を用いて温度調節を行う場合、押
出機やテンターオーブン等から排出される廃熱を利用し
て捕集板15の温度調整(加熱)を行うようにしてもよ
い。この場合には、廃熱の有効利用によって省エネ化が
可能になり、ランニングコストを更に低減することがで
きる。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の揮発性飛
散物除去装置によれば、フィルム状樹脂成形物を製造す
るテンターオーブンにおいて、処理ダクト内に配設され
た複数の捕集板により、処理ガス中に含まれる揮発性飛
散物を慣性衝突作用により効率的に捕集することができ
るので、成形したフィルム状樹脂成形物上への揮発性飛
散物の付着や装置,配管,熱交換器等の汚れを大幅に低
減させることが可能となり、高品質のフィルム状樹脂成
形物を製造することが可能となる。
【0057】しかも、本発明の揮発性飛散物除去装置に
よれば、燃焼方式を用いないので防火対策等の必要は無
く、ランニングコストも掛からない。また、触媒も用い
ないので、触媒表面が被毒により除去性能が低下するこ
ともなく、また、多孔質膜等を用いて除去するものでも
ないので、目詰まりにより除去性能が低下することもな
く、メンテナンス性にも優れている。
【0058】特に、捕集板を処理ガスの流れに対し直交
或いは略直交方向に向けて配設することで、処理ガス中
の揮発性飛散物が捕集板に衝突する可能性を高くするこ
とができ、揮発性飛散物をより効率的に捕集することが
可能になる。更に、捕集板を処理ガスの流れ方向に沿っ
て複数段に配設することで、処理ガス中の揮発性飛散物
が捕集板に衝突する可能性を更に高くすることができ、
揮発性飛散物を更に効率的に捕集することが可能にな
る。
【0059】また、温度調節手段により捕集板の表面温
度を揮発性飛散物の融点温度以上沸点温度以下の温度に
調節することで、捕集板に付着した揮発性飛散物を液化
させることができ、液状化した揮発性飛散物を集合させ
て付着力以上の重力を有するようにして落下により捕集
板から除去することが容易になるため、捕集板の表面状
態を常時初期の状態に保つことができ、長時間の連続運
転が可能になる。特に、捕集板の表面温度を揮発物の融
点温度から融点温度よりも約10℃だけ高い温度の範囲
内に調節することで、付着物の蒸気圧増加による揮発
や、付着物の自由エネルギー増加による付着力の低下に
伴う再飛散を防止することが可能になる。更に、成形装
置から排出される廃熱を利用して捕集板を加熱すること
で、省エネ化によるランニングコストの低減が可能にな
る。
【0060】また、捕集板の下方に取り外し可能な回収
器を備えることで、落下した揮発性飛散物の回収を容易
に且つ確実に行うことができ、メンテナンスのために生
産を停止したり除去装置本体を分解清掃する必要がな
く、メンテナンス性が向上する。特に、回収器内の温度
を揮発性飛散物の融点温度以下に調節することで、回収
した液状の揮発性飛散物を固化して蒸発による再飛散を
確実に防止することができ、また、取り扱いが更に容易
になる。
【0061】さらに、本発明のテンターオーブンによれ
ば、上記の揮発性飛散物除去装置を揮発性飛散物の量が
最も多い熱セット室に備えることで、上記の揮発性飛散
物除去装置の効果を十分に発揮させ、成形したフィルム
状樹脂成形物上への揮発性飛散物の付着や装置,配管,
熱交換器等の汚れを大幅に低減させることが可能とな
り、高品質のフィルム状樹脂成形物を製造することが可
能となる。
【0062】また、別のテンターオーブンによれば、上
記の揮発性飛散物除去装置において捕集板の温度調節に
用いられた温度調節用の空気を予熱室内にフレッシュエ
アとして供給することで、予熱室内の空気とフレッシュ
エアとの置換にともなう熱損失を低減することができ
る。また、さらに別のテンターオーブンによれば、上記
の揮発性飛散物除去装置において捕集板の温度調節に用
いられた温度調節用の空気を中間室内にエア噴射ノズル
から噴射するフレッシュエアとして用いることで、フレ
ッシュエアを温度調節する温度調節装置の負荷を低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として揮発性飛散物除去装
置の全体構成を示す模式図である。
【図2】図1の揮発性飛散物除去装置にかかる捕集装置
の構成を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A′断面図である。
【図4】図2のB−B′断面図である。
【図5】図1の揮発性飛散物除去装置を備えたテンター
オーブンの熱セット室の構成を示す概略横断面図ある。
【図6】図1の揮発性飛散物除去装置にかかる温調用空
気の一利用形態を示すテンターオーブン全体の概略平面
図である。
【図7】図1の揮発性飛散物除去装置にかかる温調用空
気の一利用形態を示す中間室の概略縦断面図である。
【図8】従来のテンターオーブンの全体構成を示す概略
平面図である。
【図9】従来のテンターオーブンの熱セット室の構成を
示す概略横断面図ある。
【符号の説明】
1 捕集装置 2 ハウジング(処理ダクト) 3 入口ダクト 4 出口ダクト 5 温調媒体 6 温調器 6a 温度センサ 7 温調媒体入口管 8 温調媒体出口管 9 吸引ブロア(吸引装置) 10A,10B 切換ダンパ 11 観察窓 12 ボールバルブ 13 回収器 14 バイパス用ダクト 15 捕集板 16 温調媒体管路 17 フィルム 18 ノズル 19 ダクト 20 熱交換器 21 揮発性飛散物除去装置 22 空気(処理ガス)の流れ 23 ファン 24 モータ 30 予熱室 31 延伸室 32 熱セット室 33 中間室 34 冷却室 35 配管 36 ブロア 37 フレッシュエア導入ダクト 39 ブロア 40 エア層 41 エア噴射ノズル 42 排気通路 43 伴走エア 44 温度調節装置 45 浄化装置
フロントページの続き (72)発明者 瀬古 達史 名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱 重工業株式会社産業機器事業部内 (72)発明者 別所 正博 名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱 重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 米谷 秀雄 名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱 重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 木下 裕介 名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱 重工業株式会社産業機器事業部内 (72)発明者 毛利 良治 名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱 重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 廣谷 喜与士 名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱 重工業株式会社産業機器事業部内 (72)発明者 長谷川 敬高 名古屋市中村区岩塚町字九反所60番地の1 中菱エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4F210 AM25 QA02 QC01 QC05 QC09 QG01 QG18 QL13

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム状樹脂成形物を製造するテンタ
    ーオーブンに付設される装置であって、 該テンターオーブンで加熱された該フィルム状樹脂成形
    物から発生する揮発性飛散物を含んだ空気である処理ガ
    スを吸引する吸引装置と、 該吸引装置で吸引された該処理ガスを通過させる処理ダ
    クトと、 該処理ダクト内に配設され、慣性衝突作用により該処理
    ガス中の該揮発性飛散物を捕集する複数の捕集板とを備
    えたことを特徴とする、揮発性飛散物除去装置。
  2. 【請求項2】 該捕集板を該処理ガスの流れに対し直交
    或いは略直交方向に向けて配設したことを特徴とする、
    請求項1記載の揮発性飛散物除去装置。
  3. 【請求項3】 該捕集板を該処理ガスの流れ方向に沿っ
    て複数段に配設したことを特徴とする、請求項1又は2
    記載の揮発性飛散物除去装置。
  4. 【請求項4】 該捕集板の表面温度を該揮発性飛散物の
    融点温度以上沸点温度以下の温度に調節する温度調節手
    段を備えたことを特徴とする、請求項1〜3の何れかの
    項に記載の揮発性飛散物除去装置。
  5. 【請求項5】 該温度調節手段は、上記表面温度を該揮
    発性飛散物の融点温度から該融点温度よりも約10℃だ
    け高い温度の範囲内に調節することを特徴とする、請求
    項4記載の揮発性飛散物除去装置。
  6. 【請求項6】 該温度調節手段は、該捕集板内に温度調
    節用媒体を供給することにより該捕集板の表面温度を調
    節することを特徴とする、請求項4又は5記載の揮発性
    飛散物除去装置。
  7. 【請求項7】 該温度調節手段は、該テンターオーブン
    から排出される廃熱を利用して該温度調節用媒体を加熱
    することを特徴とする、請求項6記載の揮発性飛散物除
    去装置。
  8. 【請求項8】 該温度調節用媒体が空気であることを特
    徴とする、請求項6又は7記載の揮発性飛散物除去装
    置。
  9. 【請求項9】 該捕集板の下方に、取り外し可能な回収
    器を備えたことを特徴とする、請求項1〜7の何れかの
    項に記載の揮発性飛散物除去装置。
  10. 【請求項10】 該回収器内の温度を該揮発性飛散物の
    融点温度以下に調節する温度調節手段を備えたことを特
    徴とする、請求項8記載の揮発性飛散物除去装置。
  11. 【請求項11】 フィルム状樹脂成形物の予熱が行われ
    る予熱室と、該予熱室で予熱された該フィルム状樹脂成
    形物の延伸が行われる延伸室と、該延伸室で延伸された
    該フィルム状樹脂成形物の熱処理が行われる熱セット室
    と、該熱セット室で熱処理された該フィルム状樹脂成形
    物の冷却が行われる冷却室とを備えたテンターオーブン
    において、 請求項1〜10の何れかの項に記載の揮発性飛散物除去
    装置を該熱セット室に備えたことを特徴とする、テンタ
    ーオーブン。
  12. 【請求項12】 フィルム状樹脂成形物の予熱が行われ
    る予熱室と、該予熱室で予熱された該フィルム状樹脂成
    形物の延伸が行われる延伸室と、該延伸室で延伸された
    該フィルム状樹脂成形物の熱処理が行われる熱セット室
    と、該熱セット室で熱処理された該フィルム状樹脂成形
    物の冷却が行われる冷却室とを備えたテンターオーブン
    において、 該予熱室内の空気の一部を排気してフレッシュエアと置
    換することにより該予熱室内で発生する揮発性飛散物を
    除去する空気置換装置を備えるとともに、 請求項8記載の揮発性飛散物除去装置を備え、 該揮発性飛散物除去装置において該捕集板の温度調節に
    用いられた該温度調節用媒体が該空気置換装置により該
    予熱室に該フレッシュエアとして供給されることを特徴
    とする、テンターオーブン。
  13. 【請求項13】 フィルム状樹脂成形物の予熱が行われ
    る予熱室と、該予熱室で予熱された該フィルム状樹脂成
    形物の延伸が行われる延伸室と、該延伸室で延伸された
    該フィルム状樹脂成形物の熱処理が行われる熱セット室
    と、該熱セット室で熱処理された該フィルム状樹脂成形
    物の冷却が行われる冷却室と、該熱セット室と該冷却室
    との間に仕切り壁を介して画成された中間室とを備えた
    テンターオーブンにおいて、 該中間室に設けられ、該フィルム状樹脂成形物の表面を
    横断するエア層を形成して該熱セット室から該フィルム
    状樹脂成形物と共に該中間室に流入する伴走エアを遮る
    ように、該フィルム状樹脂成形物の表面にフレッシュエ
    アを噴射するエア噴射ノズルと、 該エア噴射ノズルから噴射される該フレッシュエアの温
    度を調節する温度調節装置とを備えるとともに、 請求項8記載の揮発性飛散物除去装置を備え、 該揮発性飛散物除去装置において該捕集板の温度調節に
    用いられた該温度調節用媒体が該フレッシュエアとして
    用いられることを特徴とする、テンターオーブン。
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